JP2004104031A - ガス絶縁静止誘導電気機器 - Google Patents

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JP2004104031A
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Takeshi Aida
合田 剛
Tsuneji Teranishi
寺西 常治
Seiji Iwasaki
岩崎 誠司
Tsuneo Kobayashi
小林 恒夫
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Abstract

【課題】冷却性能に優れ、信頼性の高いガス絶縁静止誘導電気機器を提供する。
【解決手段】鉄心1の周りに内側巻線2と外側巻線3を巻回し、この内側巻線2と外側巻線3を、同心円上に所定の間隔をおいて配置されたコイル支え6を介して、上下から締付板4で締付ける。この上下締付板4の少なくともいずれか一方に、ガスの取り入れ・取り出し口である開口部5を設ける。また、巻線2、3の外側にはガス仕切り7を設け、下部から導入されたガスを巻線内に封じるように構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業用及び電力用ガス絶縁静止誘導電気機器に係り、特に、その電力範囲が、数kVAから1200MVAにわたるものであって、電圧範囲が、1kVから1000kVあるいはそれ以上の高い変換電圧にわたるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器やリアクトル等の静止誘導電気機器においては、絶縁媒体として絶縁油が広く用いられている。一方、都市部においては、防爆性、防災性に優れた六弗化硫黄ガス(SF6ガス)を絶縁媒体として用いたガス絶縁静止誘導電気機器が多く使用されている。このSF6ガスは、六価の電子対を持つ硫黄イオンに、ハロゲン元素たる弗素のイオンが過不足なく共有結合しているものであり、化学的安定性が極めて高く、電離(イオン化)現象も少ない、いわゆる電気絶縁特性に優れたガスである。そのため、SF6ガスは、変圧器やリアクトル等の静止誘導電気機器の絶縁媒体や、遮断器、開閉器等の送変電機器の絶縁冷却媒体として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、ガスを絶縁冷却媒体としたガス絶縁静止誘導電気機器においては、油を絶縁冷却媒体とした油入り静止誘導電気機器と比較して冷却性能が劣るという欠点がある。例えば、油の比熱が0.45cal/g・℃であるのに対し、SF6ガス(0.125MPa)の比熱は0.145cal/g・℃であり、密度は、油が0.89g/cm3であるのに対し、SF6ガスでは0.014g/cm3である。これらの値から求められる相対熱容量(比熱×密度)の比は、油を200とするとSF6ガス(0.125MPa)では1となり、油の方がSF6ガスと比較して大幅に冷却性能が高いことが分かる。このため、一般的には、油入り静止誘導器では主に耐熱種別A種の絶縁物が用いられているのに対し、ガス絶縁静止誘導電気機器ではE種以上の絶縁材料が用いられている。
【0004】
また、従来のガス絶縁静止誘導電気機器では、上記のような耐熱材料の使用に加えて、冷却効率をあげるため、ガス流を合理化するために種々の施策や構造が取り入れられている。これらの施策例としては、特許文献1、特許文献2に示されているものがある。
【0005】
ここで、一般的な静止誘導電気機器内のガスの流れについて説明する。すなわち、図7に示したように、巻線下部の外側から巻線内に取り込まれたSF6ガス21は、巻線毎に設けられた外側共通ガス道22及び内側共通ガス道23を通って、それぞれ内側巻線2または外側巻線3に流れ込むように構成されている。また、巻線の外側には、ガスを仕切るための仕切板19が設けられている。さらに、巻線2、3内に導入されたガスは、巻線内に設けられたガス止め板20によって、巻線内を交互に流れるように構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−303031号公報
【特許文献2】
特開2002−33219号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような巻線内へのガスの取り込み方法は、巻線の外周からガスを巻線内に導くために、ガスの取り込み構造が複雑となり、ガスの仕切不良による巻線の異常加熱の可能性があった。また、ガスの取入れ構造が複雑なため、構造材の工作上のずれにより、短絡時における機械強度に問題が生じる場合があった。
また、巻線の外周方向からガスを取り込むため、ガスの流れが複雑となり、圧力損失が高くなる傾向があった。このように圧力損失が高くなると、巻線内のガス流量が低下するため、巻線の冷却性能が低くなる可能性があった。
【0008】
さらに、巻線内へのガス流量は巻線の断面積によって決定されるため、径が小さく断面積の小さい内側巻線へのガスの流量が少なくなる傾向があり、均一な冷却特性を得ることができず、内側巻線の過熱につながる可能性があった。
また、ガスの上下仕切に仕切板19を用いているが、リード支えがこの仕切板19を貫通する部分や巻線における仕切板の固定部等で、巻線下部に取り入れられたガスが巻線上部へ漏れる場合があり、その結果、巻線自体に流れ込む流量が低下し、巻線の冷却特性が悪化して、局部過熱につながる可能性があった。
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、冷却性能に優れ、信頼性の高いガス絶縁静止誘導電気機器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、絶縁ガスを封入したタンク内に、鉄心及び巻線を備えて成る静止誘導器本体を収容したガス絶縁静止誘導電気機器において、前記巻線の上下に設けられた上側締付板及び下側締付板の少なくとも一方に、前記巻線へ前記各締付板を介してのガスの通流を可能としたガス流通用の開口部を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記のように構成された請求項1の発明において、下側締付板に開口部を設けた場合には、巻線下部から導入されるガスを巻線内に直接取り込むことができるため、圧力損失を低減し、巻線へ流れ込むガス流量を確保することができ、巻線の冷却性能を向上させることができる。また、上側締付板に開口部を設けた場合には、巻線上部に導出されるガス流方向に対する圧力損失を低減することができるので、ガス絶縁静止誘導電気機器の巻線の冷却性能を向上させることができる。さらに、上側締付板及び下側締付板の両方に開口部を設けた場合には、巻線上下部のガス流方向に対する圧力損失を低減することができるので、巻線へ流れ込むガス流量を確保することができ、巻線の冷却性能を向上させることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のガス絶縁静止誘導電気機器において、前記締付板に設けられる開口部を、鉄心の周りに配置したことを特徴とする。
上記のように構成された請求項2の発明によれば、外側巻線と比較して断面積が小さく、ガス流量が小さくなる内側巻線へのガス流入量を増加させることができるので、内側巻線の冷却性能を向上させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガス絶縁静止誘導電気機器において、前記巻線の構造を円筒状としたことを特徴とする。
上記のように構成された請求項3の発明によれば、内側巻線と外側巻線の円筒層間の距離を調整することで、内側巻線と外側巻線のガス流比を容易に制御できるようになる。その結果、巻線の発熱に応じたガス量を各巻線に供給することができるので、巻線全体を均質な温度上昇とすることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のガス絶縁静止誘導電気機器において、前記締付板に、その円周方向に等間隔に開口部を設け、隣接する開口部間に前記締付板の支持部を取り付けたことを特徴とする。
上記のように構成された請求項4の発明によれば、開口部を設けたことにより締付け力が低下する内側巻線の締付け力を確保することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のガス絶縁静止誘導電気機器において、前記締付板を、その両端面が前記タンクの内壁と接するように構成したことを特徴とする。
上記のように構成された請求項5の発明によれば、締付板で下部から取り込まれたガスの仕切りを兼用することができるので、ガス止め構造を簡素化することができる。この簡素化により、巻線以外のガスの上部への漏れを防止し、巻線内のガス流量を増加させることができるので、巻線の冷却性能を向上させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のガス絶縁静止誘導電気機器において、前記静止誘導器から引き出されるリードの支えを、前記締付板上に配設したことを特徴とする。
上記のように構成された請求項6の発明によれば、従来、仕切板を貫通させて配設していたリード支えの仕切板貫通部がなくなり、この部位からのガス漏れが生じなくなることから、巻線内のガス流量を増加させることができるため、巻線の冷却性能を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の実施の形態について、図を用いて具体的に説明する。なお、図7に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0018】
(1)第1実施形態
図1は、請求項1に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、鉄心1の周りには内側巻線2と外側巻線3が巻回されている。なお、図1においては、内側巻線2と外側巻線3が巻回されている状態を示したが、電圧が高圧−中圧−低圧と分かれる場合や、ガス絶縁静止誘導電気機器の仕様によって、さらに複数の巻線が巻かれる場合もあることは言うまでもない。
【0019】
また、前記内側巻線2と外側巻線3は、同心円上に所定の間隔をおいて配置されたコイル支え6を介して、上下から締付板4で締付けられている。この締付板4には、ガスの取り入れ・取り出し口である開口部5が設けられている。なお、この開口部5は、巻線の締付板4の上下またはどちらか一方に設けられている。また、巻線2、3の外側にはガス仕切り7が設けられ、下部から導入されたガスを巻線内に封じる構成となっている。
【0020】
上記のような構成を有する本実施形態においては、締付板4に開口部5が設けられているため、直接、上下のガス空間と巻線との間でガスのやり取りが可能となる。このため、従来の方法と比較して、巻線の圧損を低減することが可能となる。また、巻線の圧損が少ないことから、巻線内に流れるガス量を増加することが可能となり、その結果、巻線の冷却特性が良いガス絶縁静止誘導電気機器を得ることができる。
【0021】
(2)第2実施形態
図2は、請求項2に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、本実施形態においては、締付板4に形成される開口部5が、鉄心1の近傍に設けられている。
【0022】
上記のような構成を有する本実施形態においては、以下のような効果が得られる。すなわち、内側巻線2と外側巻線3では外側巻線3の方が径が大きいため、断面積も大きい。これらの巻線内に流れ込むガス量の比は、巻線の断面積によって決定されるため、断面積の大きい外側巻線3の方に多くのガスが流れる。しかし、本実施形態においては、流れ込むガス量比の小さい内側巻線2側の下部に開口部5を設けることにより、従来ガス量が少なかった内側巻線2へのガス流量を確保することができるので、内側巻線2の過熱を防止することができる。
【0023】
(3)第3実施形態
図3は、請求項3に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、本実施形態においては、内側巻線2及び外側巻線3を円筒巻線としている。この場合、巻線内に巻線冷却用のガスを流すために、巻線が円筒状に巻かれた各レアの間には、内側巻線レア間距離9及び外側巻線レア間距離10を有する間隙が設けられ、この間隙を通って下部から上部にガスが流れるように構成されている。
【0024】
上記のような構成を有する本実施形態においては、内側巻線2及び外側巻線3の両方を円筒化することで、両巻線のレア間距離9、10を適宜調整することにより、各巻線へ流入するガス流量を正確に制御することが可能となる。このため、冷却特性の把握が容易となり、変圧器の仕様による内側・外側巻線の熱源となる損失の発生量に応じたガス流量の確保が可能となる。
【0025】
(4)第4実施形態
図4は、請求項4に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、本実施形態においては、締付板4に等間隔に開口部5が設けられ、隣接する開口部5間に締付板4の内側支持部12が配設されている。また、この締付板4には、内側支持部12の外周側に外側支持部13が配設されている。なお、図4は下部締付板の構成を示したものであるが、上部締付板に関しても同様である。
【0026】
上記のような構成を有する本実施形態においては、以下のような作用効果が得られる。すなわち、開口部5が設けられている部分は、その開口部の影響で巻線の締付け力が弱くなるが、隣接する開口部5間に内側支持部12を設置することにより、開口部の締付け力を確保することができる。また、締付板4の保持は、内側支持部12だけでなく、外側支持部13でも支持されているので、安定したものとなる。
【0027】
(5)第5実施形態
図5は、請求項5に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、本実施形態においては、鉄心1を保持するクランプ16に取り付けられた締付板支持部15上に配設された締付板4の両端面が、タンク14の内壁と接するように構成され、タンク内における上下のガスの仕切板を兼ねた構成とされている。
【0028】
上記のような構成を有する本実施形態においては、タンク下部から導入されたガスは、上下のガスの仕切板を兼ねた締付板4により仕切られる。従来は、仕切り板を別途設けていたため、仕切り板上方へのガス漏れ防止手段が複雑となり、ガス漏れが生じる可能性があった。しかし、本実施形態によれば、上下間のガス止めを、タンク14と締付板4でのみ行うため、ガス止め効果が大きく、巻線内へのガス流量を確実に確保することができる。
【0029】
(6)第6実施形態
図6は、請求項6に記載の発明を適用したガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示したものである。すなわち、本実施形態においては、上記第5実施形態で示した締付板4にリード支え17を固定し、そのリード支え17によって、巻線から引き出されたリード18を支える構成とされている。
【0030】
上記のような構成を有する本実施形態においては、従来、ガス仕切り板を貫通して配設されていたリード支え17を、ガス仕切りを兼用した締付板4の上に設置することにより、リード支え17部分における下部から導入されるガスの上部への漏れ構造を廃止し、ガス流の巻線内への流入量を確保することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、巻線に直接ガスを導くことで、ガス絶縁静止誘導電気機器の冷却性能を高めることができると共に、上下のガス仕切板の下部から上部へのガス漏れを防止し、冷却性能が良く、信頼性の高いガス絶縁静止誘導電気機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第1実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第2実施形態の構成を示す図。
【図3】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第3実施形態の構成を示す図。
【図4】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第4実施形態の構成を示す図。
【図5】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第5実施形態の構成を示す図。
【図6】本発明に係るガス絶縁静止誘導電気機器の第6実施形態の構成を示す図。
【図7】従来のガス絶縁静止誘導電気機器の構成を示す図。
【符号の説明】
1…鉄心
2…内側巻線
3…外側巻線
4…締付板
5…開口部
6…コイル支え
7…ガス仕切り
8…ガス流
9…内側巻線レア間距離
10…外側巻線レア間距離
11…巻線
12…内側支持部
13…外側支持部
14…タンク
15…締付板支持部
16…クランプ
17…リード支え
18…リード
19…仕切板
20…ガス止め板
21…SF6ガス
22…外側共通ガス道
23…内側共通ガス道

Claims (6)

  1. 絶縁ガスを封入したタンク内に、鉄心及び巻線を備えて成る静止誘導器本体を収容したガス絶縁静止誘導電気機器において、
    前記巻線の上下に設けられた上側締付板及び下側締付板の少なくとも一方に、前記巻線へ前記各締付板を介してのガスの通流を可能としたガス流通用の開口部を設けたことを特徴とするガス絶縁静止誘導電気機器。
  2. 前記締付板に設けられる開口部を、鉄心の周りに配置したことを特徴とする請求項1に記載のガス絶縁静止誘導電気機器。
  3. 前記巻線の構造を円筒状としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス絶縁静止誘導電気機器。
  4. 前記締付板に、その円周方向に等間隔に開口部を設け、隣接する開口部間に前記締付板の支持部を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のガス絶縁静止誘導電気機器。
  5. 前記締付板を、その両端面が前記タンクの内壁と接するように構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のガス絶縁静止誘導電気機器。
  6. 前記静止誘導器から引き出されるリードの支えを、前記締付板上に配設したことを特徴とする請求項5に記載のガス絶縁静止誘導電気機器。
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