JP2004105145A - 心血管疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを簡便に判定する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと、被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションを行うことで、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別する方法であって、複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドは、それぞれの疾患の発症と相関する少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子、及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含む。前記キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置され、ハイブリダイゼーションにより、被検者由来の核酸と完全に一致する塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを同定する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は心血管疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスク又は予測を行うためのキットに関し、詳しくは、心血管疾患、肥満および生活習慣病の臨床検査、とりわけ心血管疾患、肥満および生活習慣病の予防のための適切な予防指針を講じるための情報を取得するために用いられるもので、心血管疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを迅速に判定できるキットに関する。さらに、このキットに用いられるオリゴヌクレオチド及び核酸プローブ及びそれらの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
心血管疾患、肥満および生活習慣病は多因子遺伝性疾患であり、個人のもつ複数の遺伝子変異に環境因子が加わったときに発症する。心血管疾患、肥満および生活習慣病の発症や進展に関与する遺伝子変異は、未知のものも含めると多数存在する。これらの疾患に関与する遺伝子変異の組み合わせは、各個人によって異なるため、一次検診において遺伝子変異を検出することが、疾患予防および治療方針決定に重要である。
【0003】
現在、臨床の現場での肥満の判定は、体格指数(BMI)によって行なわれている。BMIが25以上のとき、肥満と判定される。肥満に何らかの合併症を伴うとき、肥満症と診断される。肥満の合併症として、高血圧、2型糖尿病、高脂血症、痛風などの生活習慣病がある。
【0004】
一方、心血管疾患の中でも心筋梗塞症の約半数は突然発症であり、約25%で発症時に突然死が見られる。このことは、病院で受診するヒトだけを対象としていては、心筋梗塞症や突然死の予防にならない。検診受診者を対象とした、高リスク群の早期スクリーニングと一次予防が重要である。
【0005】
心血管疾患、又は肥満と診断されたときの治療は、食事療法、運動療法、行動療法が組み合わせて行なわれている。また、少数の例では、薬物療法も行なわれる。外科療法が行なわれるのは、本邦ではまれである。現在用いられているこれらの治療法では、個人の遺伝子変異は考慮されていない。現実には、心血管疾患、肥満の原因となる遺伝子変異の組み合わせは個人によって異なっており、その遺伝子変異によっては、食事療法や運動療法、薬物療法の内容を変更したほうが効果的である。たとえば、炭水化物を好む肥満者や脂肪を好む肥満者、基礎代謝が低い肥満者など、それぞれの遺伝子変異が異なった嗜好や体質を形成している。これらの行動や嗜好、体質の差異は、従来までは行動修正療法によって推測するしか方法がなかったが、それらに関連する遺伝子変異を検出することで診断が容易に正確になされることになる。
【0006】
心血管疾患、肥満や生活習慣病における遺伝子変異の意義に関しては、近年、さまざまな知見が集積されている。しかし、肥満や生活習慣病は、ヒトの場合は通常、単一遺伝子によって発症することはまれであり、多因子遺伝性疾患である。そのため、個々の遺伝子変異が肥満や生活習慣病と一対一の対応関係を示すわけではない。しかし、複数の遺伝子変異をあわせ持つ個体は、肥満や生活習慣病を発症するリスクが高い。したがって、それらの疾患発症に関連する遺伝子変異を検出することは、肥満や生活習慣病の予防や成因解明のために有意義である。
【0007】
現時点で臨床応用されている肥満関連遺伝子変異の検査は、アドレナリン・レセプターβ3の64番目のアミノ酸置換をもたらす遺伝子多型である(非特許文献1)。この遺伝子の変異を検出することで、一部には、「肥満遺伝子検査」を受託しているところも存在する。しかし、多因子遺伝性疾患である肥満の予防には、アドレナリン・レセプターβ3の64番目の変異の有無だけでは不十分、不適切である。
【0008】
【非特許文献1】
N Engl J Med 1995 Aug 10;333(6):352−4; Genetic variation in the beta 3−adrenergic receptor and an increased capacity to gain weight in patients with morbid obesity.; Clement K, Vaisse C, Manning BS, Basdevant A, Guy−Grand B, Ruiz J, Silver KD, Shuldiner AR, Froguel P, Strosberg AD.
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
心血管疾患、肥満および生活習慣病への対応を考える上で、最も重要視されるのが、予防および生活環境によって左右される体質を明らかにさせ、有効な予防策の立案ができる事前情報の提供を可能にすることである。
【0010】
さらに、上述したように、多因子遺伝性疾患としての心血管疾患、肥満には、多数の遺伝子変異が関与している。心血管疾患、肥満および生活習慣病の診断と発症予防には、それらの遺伝子変異の有意な組み合わせを見出す必要がある。従来からのPCR−RLFP法などでは費用や時間が膨大になり、多因子遺伝性疾患に対しての臨床応用は困難である。
【0011】
本発明は、多数の遺伝子変異を同時に解析することにより、心血管疾患、肥満および生活習慣病に関連する複数の遺伝子変異を容易に検出することができ、その判定結果に基づいた疾病治療と予防が可能な方法及びキットを提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、心血管疾患、肥満および生活習慣病に関連する遺伝子変異を検出することができるオリゴヌクレオチドを支持体に固定化することにより、前記変異を同時に解析することができ、それによって前記疾患の遺伝的リスクを判別することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドを含み、これらのキャプチャーオリゴヌクレオチドと被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別するためのキットであって、
前記遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病は、それぞれの疾患に関与する遺伝子の多型が発症と相関し、
前記複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記のそれぞれの疾患毎に選ばれる少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含み、
前記キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置されたことを特徴とするキットである。
【0014】
また、本発明は、支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別するために用いられる、被検者由来の核酸を増幅するためのプライマーセットであって、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、インスリン・レセプター、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプターアンジオテンシノーゲン、アンギジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、及び組織メタロプロテアーゼインヒビター−1の各々の遺伝子配列の一部に相当する配列番号1から78から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド対からなるプライマーセットを提供する。
【0015】
本発明はさらに、支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと、被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションを行うことにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別する方法であって、
前記遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病は、それぞれの疾患に関与する遺伝子の多型が発症と相関し、
前記複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記のそれぞれの疾患毎に選ばれる少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含み、
前記キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置され、
前記ハイブリダイゼーションにより、被検者由来の核酸と完全に一致する塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを同定することを特徴とする方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のキットは、心血管疾患、肥満および生活習慣病に関連する遺伝子変異を同時に解析するために用いられるキットである。そのため、単一の遺伝子変異を個別に検出する従来の方法に比べて、効率的な遺伝子変異の判定が可能となる。本キットを用いれば費用や時間が大きく節約できるので、心血管疾患、肥満および生活習慣病予防のための遺伝子変異検出が臨床応用できるようになる。
【0017】
本発明のキットは、支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドを含む。また、本発明のキットは、後述するプローブを増幅するためのプライマーセットを含んでいてもよい。本発明のキットは、さらに、キャプチャーオリゴヌクレオチドとプローブとで形成されるハイブリッドを可視化するための試薬セットを含んでいてもよい。ハプテン等で標識されたプローブを調製するための試薬、緩衝液、ハプテンを認識する酵素コンジュゲートなどのハイブリダイゼーション用の試薬などを含むことができる。
以下、各々について説明する。
【0018】
<1>被検体由来の核酸を増幅するためのプライマーセット
本発明のプライマーセットは、支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別するために用いられる、被検者由来の核酸を増幅するためのオリゴヌクレオチド対からなる。
【0019】
上記オリゴヌクレオチド対は、遺伝性の心血管系疾患、肥満又は生活習慣病に関与する遺伝子の多型部位を含む領域を増幅するためのものであり、増幅される遺伝子断片は、対応するキャプチャーオリゴヌクレオチドと多型部位を除いて相補的な配列を有する。
【0020】
プライマーは、前記遺伝子の塩基配列の一部に相当する配列を有する。具体的には、1単位のプライマーセットは、多型部位を挟む5’側及び3’側の各々の配列の一方と相同な配列を有するオリゴヌクレオチドと、他方の配列と相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド対からなる。プライマーは、通常、10〜30塩基の長さである。
【0021】
遺伝性の心血管系疾患、肥満又は生活習慣病に関与する遺伝子としては、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプター、ニューロ・ペプチド・Y・レセプター、ドーパミンD2・レセプター、ドーパミンD4・レセプター、アンジオテンシン変換酵素、腫瘍壊死因子α、インスリン・レセプター、セロトニン・レセプター、アディポネクチン、低比重リポプロテイン・レセプター、グルココルチコイド・レセプター、リポプロテイン・リパーゼ、脂肪酸輸送タンパク1、アルデヒド脱水素酵素、アポリポプロテインA、アポリポプロテインB、コレステリル・エステル・トランスファー・プロテイン、ボンベシン・レセプター、メラノコルチン・レセプター3型、メラノコルチン・レセプター4型、メラノコルチン・レセプター5型、インスリン様成長因子、ヘパティック・リパーゼ、アポリポプロテインE、アポリポプロテインC、アポリポプロテインD、アポリポプロテインB、アドレナリン・レセプターα2B、エンドセリン、グルカゴン様ペプチド・レセプター、アグーチ・シグナリング・プロテイン、ガラニン、グルカゴン・レセプター、プロホルモン・コンバーターゼ1、プロホルモン・コンバーターゼ2、プロホルモン・コンバーターゼ3、カルボキシペプチダーゼE、ホルモン感受性リパーゼ、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、又は組織メタロプロテアーゼインヒビター−1をコードする遺伝子が挙げられる。
【0022】
上記の各遺伝子の変異(多型)として、アドレナリン・レセプターβ3遺伝子の変異としては、Trp64Arg(TGG/CGG)、アドレナリン・レセプターβ2遺伝子の変異としては、−1429T/G、−1343A/G、−1023G/A、−654G/A、−468C/G、−367T/C、−47T/C、−20T/C、Arg16Gly(AGA/GGA)、Gln27Glu(CAA/GAA)、Val134Met(GTG/ATG)、Thr164Ile(ACC/ATC)、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2遺伝子の変異としては、−208T/G、Pro12Ala(CCA/GCA)、Pro115Gln(CCA/CAA)、Arg316Cys(CGC/TGC)His471His(CAC/CAT)、レプチン・レセプター遺伝子の変異としては、Lys109Arg(AAG/AGG)、Lys204Arg(AAA/AGA)、Gln223Arg(CAG/CGG)、Gln269Pro(CAA/CCA)、Ser343Ser(AGT/AGC)、Ser492Thr(AGT/ACT)、Lys656Asn(AAG/AAC)、Ala976Asp(GCC/GAC)、Tyr986Tyr(TAC/TAT)、Pro1019Pro(CCG/CCA)、レプチン遺伝子の変異としては、−2793T/C、−2575T/G、−2570T/G、−2549C/A、−2548G/A、−2437T/G、−2094T/C、−1963C/T、−1887C/T、−1823C/T、−1447T/G、−1387G/A、−633C/T、−570C/T、−477G/T、−476C/T、−188C/A、19A/G、Phe17Leu(TTC/CTC)、Thr48Thr(ACG/ACA)、Ser91Ser(TCC/TCT)、Asn102Asn(AAC/AAT)、Val110Met(GTG/ATG)、Glu126Gln(GAG/CAG)、538C/T、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1遺伝子の変異としては、−844G/A、−671〜−675に見られるGの欠失、9785G/A、11053G/T、11320〜11345に見られるCGCGCCCCCの挿入または欠失、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α遺伝子の変異としては、Ile27Leu(ATC/CTC)、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β遺伝子の変異としては、1968A/G、ニューロ・ペプチド・Y遺伝子の変異としては、Leu7Pro(CTG/CCG)、アンカップリング・プロテイン1遺伝子の変異としては、−3826A/G、アンカップリング・プロテイン2遺伝子の変異としては、19C/T、27C/G、97C/T、Gly85Ser(GGC/AGC)、Ala55Val(GCC/GTC)、エクソン8内のくり返し配列(CCCTCT)の有無、アンカップリング・プロテイン3遺伝子の変異としては、155C/T、−55C/T、5G/A、Tyr200Tyr(TAT/TAC)、Gly84Ser(GGC/AGC)、Tyr99Tyr(TAT/TAC)、イントロン4内の変異:−143A/G、−96C/T、−47A/G、−46A/T、GTP・バインディング・プロテイン3遺伝子の変異としては、−350A/C、Gly272Ser(GGC/AGC)、Ser275Ser(TCC/TCT)、1429C/T、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2遺伝子の変異としては、Ala54Thr(GCT/ACT)、プロ・オピオメラノコルチン遺伝子の変異としては、Asp80Asn(GAC/AAC)、アミノ酸番号73に入る挿入(GGCGCA/AGCAGCGGCまたはCCAGCA/GGCCCGGC)、Glu180Amb(GAG/TAG)、Glu188Gly(GAG/GGG)、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト遺伝子の変異としては、Ser66Thr(AGT/ACT)、1457番目のAの欠失(CAT/CT)、1475A/G、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット遺伝子の変異としては、Asp905Tyr(GAC/TAC)、インスリン・レセプター・サブストレイト1遺伝子の変異としては、Pro170Arg(CCC/CGC)、Met209Thr(ATG/ACG)、Ala530Pro(GCC/CCC)、Ser809Phe(TCT/TTT)、Gly972Arg(GGG/AGG)、インスリン・レセプター遺伝子の変異としては、Asp59Gly(GAT/GGT)、Leu62Pro(CTG/CCG)、メラノコルチン−4・レセプター遺伝子の変異としては、Ser30Phe(TCC/TTC)、Tyr35ch(TAC/TAA)、Asp37Val(GAT/GTT)、Pro78Leu(CCC/CTC)、Ile103Val(ATC/GTC)、Thr112Met(ACG/ATG)、Ile137Thr(ATT/ACT)、コドン211の下流の欠失(TCTCTCT/TCT)、Ile25Ile(ATT/CTT)、Gly252Ser(GGC/AGC)、Ile317Thr(ATC/ACC)、Arg165Trp(CGG/TGG)、コレシストキニン−A・レセプター遺伝子の変異としては、−128G/T、−81A/G、アンジオテンシノーゲンの変異としては、Met235Thr(ATG/ACG)、アンジオテンシンIIレセプターの変異としては、3’UTR(+86)(A/C)、内皮型ヒトNO合成酵素の変異としては、Glu298Asp(GAG/GAT)、パラオキソナーゼの変異としては、Met55Leu(ATG/TTG)、CD36の変異としては、Pro90Ser(CCT/TCT)、ケモカインレセプター2の変異としては、Val64Ile(GTC/ATC)、細胞接着因子1(ICAM1)の変異としては、Lys29Met(AAG/ATG)、マトリックスメタロプロテアーゼ3の変異としては、5’UTR(1171) A insertion、CD40リガンドの変異としては、Trp140Cys(TGG/TGC)、Ser184Term(TCG/TAG)、アクチン結合蛋白(SM22)の変異としては、Lys419Arg(AAG/AGG)、Ala449Glu(GCG/GAG)、Gly892Asp(GGT/GAT)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の変異としては、Ala222Val(GCC/GTC)、組織メタロプロテアーゼインヒビター−1の変異としては、Phe124Phe(TTC/TTT)が挙げられる。
【0023】
上記変異の表記のうち、例えば「Trp64Arg(TGG/CGG)」は、64位のTrpのコドンTGGがArgのコドンCGGに置換する変異を表す。また、「−1429T/G」は、文献記載の配列中の1429番目の位置のTからGへの置換を表す。
【0024】
上記遺伝子のうち、好ましいものとしては、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、インスリン・レセプター、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプターアンジオテンシノーゲン、アンギジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、及び組織メタロプロテアーゼインヒビター−1をコードする遺伝子が挙げられる。これらの遺伝子を増幅するためのプライマーを、配列番号1〜78に例示する。
各遺伝子とプライマーとの対応を、表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
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【0031】
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【0032】
表1に記載されていない遺伝子については、公知の遺伝子配列及び検出すべき多型部位の情報に基づいて、容易にプライマーを設定することができる。
【0033】
本発明のキットは、前記の遺伝子のうち、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、GTP・バインディング・プロテイン3、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、インスリン・レセプター・サブストレイト1、コレシストキニン−A・レセプター、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、及び組織メタロプロテアーゼインヒビター−1をコードする遺伝子の全ての遺伝子の多型の有無を検出し得ることが好ましい。
【0034】
プライマーは各々セットで用いられ、これらのプライマーを用いて増幅される被検体由来の核酸断片の塩基配列内には各々の多型(塩基置換・欠失・挿入)が含まれている。
【0035】
本発明において、プライマーは、PCR法、NASBA法など、いくつかの増幅法に使用することができる。また、これらのプライマーセットは、単独で使用することも、まとめて一つの反応系で増幅することも可能である。
【0036】
さらに、これらのプライマーセットのうちいずれか一方の5’末端には、ビオチンまたはジゴキゲニン等のハプテンを化学的に結合させておくと、ハイブリダイゼーションの検出が容易になる。
【0037】
<2>キャプチャーオリゴヌクレオチド
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、心血管系疾患、肥満および生活習慣病の各々の疾患に関与する遺伝子の多型を検出するために用いられる。本発明においては、支持体に固定化された複数のキャプチャーオリゴヌクレオチドを含む。また、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記のそれぞれの疾患毎に選ばれる少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含む。
【0038】
本発明においては、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置される。
支持体は、キャプチャーオリゴヌクレオチドに加えて、プローブとキャプチャーオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション反応が正確に行われたかを検定するためのポジティブコントロールおよびネガティブコントロールが固定化されていてもよい。
以下、各オリゴヌクレオチドについて説明する。
【0039】
(1)多型を検出するためのキャプチャーオリゴヌクレオチド
ヒト由来の染色体は性染色体を除くと2nであり、変異型および野生型のどちらかを有しているため、本願では便宜上片方を野生型、もう一方を変異型と呼ぶこととした。配列番号79〜579に示すオリゴヌクレオチドは、心血管疾患、肥満又は生活習慣病に関与する遺伝子の塩基配列内に存在する塩基置換又は数塩基の挿入もしくは欠失を検出するために設計された配列を有しており、各々心血管疾患、肥満又は生活習慣病に関する遺伝子の変異を含むか、又は含まない10〜40塩基の長さの合成オリゴヌクレオチドである。
【0040】
心血管疾患、肥満、及び生活習慣病の各疾患毎に、各々の疾患に関与する遺伝子に対応するキャプチャーオリゴヌクレオチドをグループ分けして支持体上に配置する。また、変異型を検出するためのキャプチャーオリゴヌクレオチド(「変異型オリゴ」ともいう)と、野生型を検出するためのキャプチャーオリゴヌクレオド(「野生型オリゴ」ともいう)、は判定が容易なように並列して支持体に配置されるのが好ましい。
オリゴヌクレオチドの配置の一例を、図1に示す。
【0041】
(2)ポジティブコントロール
ポジティブコントロールは、ハイブリダイゼーション、及びハイブリダイゼーションの検出反応が正確に行われたかを検定するためのオリゴヌクレオチドである。
【0042】
支持体に固定化されるオリゴヌクレオチドと被検体由来のDNA(プローブ)とのハイブリダイゼーションは、各被検体由来のDNAと各々のキャプチャーオリゴヌクレオドとのハイブリダイゼーションの起こりやすさが全て等しいとは限らない。したがって、ハイブリダイゼーション反応そのもののコントロールとして変異型オリゴ又は野生型オリゴ各々単体でもしくは混合物で用いられるべきである。被検体由来のDNAが、変異型と野生型のヘテロ接合体もしくはどちらかのホモ接合体のどちらであるか判らないので、ハイブリダイゼーション反応が進行したポジティブ・コントロールとしては、変異型オリゴと野生型オリゴの混合物が好ましい。
【0043】
更に、ハイブリダイゼーション後の判定において、ポシティブ・コントロール上に得られたシグナルの強度を測定し、これらの値に対して各野生型オリゴ上と野生型オリゴ上のシグナル強度も測定し、3者を比較してポシティブ・コントロールよりも高いシグナル強度を有するキャプチャーが示す変異型もしくは野生型が、被検体の型であることを明らかにすることが可能になる。
【0044】
(3)ネガティブコントロール
ネガティブコントロールは、ポジティブコントロールと同様に、ハイブリダイゼーションが正確に行われたかを検定するためのオリゴヌクレオチドである。
【0045】
前記変異型オリゴおよび野生型オリゴの配列と同一の配列を有するが、1塩基以上で、かつ、前記配列において20%未満の範囲内で人為的な塩基の置換又は欠失を含む塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを、ネガティブコントロールとする。ネガティブコントロールは、適切な条件では、野生型及び変異型のいずれのプローブともハイブリダイズしない。
【0046】
(4)キャプチャーオリゴヌクレオチドの設計
キャプチャーオリゴヌクレオチド(以下、「キャプチャーオリゴ」と省略することがある)は、心血管疾患、肥満もしくは生活習慣病に関する遺伝子の塩基配列中の10〜60塩基からなる塩基配列を有する合成オリゴヌクレオチドとして調製することができる。
【0047】
キャプチャーオリゴの設計に際し、キャプチャーオリゴ中の変異点に対応する位置は、核酸プローブとハイブリダイズすることがができる限り特に制限されないが、通常、キャプチャーオリゴの中央部に存在することが好ましい。また数塩基程度の欠失やくり返し単位の数が異なる場合も、同様に欠失やくり返し単位をキャプチャーオリゴの中央部に存在させる。キャプチャーオリゴが短すぎると、ハイブリダイゼーションの検出が困難になり、長すぎると変異点によるハイブリダイゼーションの阻害が起こらなくなるため、好ましくは10〜60塩基の範囲、より好ましくは14〜30塩基の範囲が望ましい。但し、キャプチャーオリゴの長さの最適化は、主として配列の特性(特定の塩基の含有率、同一塩基の繰り返し)に依存するもので、結合性の良いものは短鎖でもよいことが、本発明の実験で確認されている。
【0048】
キャプチャーオリゴ(野生型、変異型及びネガティブコントロールを含む)の塩基配列の例を、配列番号79〜579に示す。これらのキャプチャーオリゴは、公表文献および発明者自らの試験を通じて得られた心血管疾患、肥満又は生活習慣病に関するデータ解析結果に基づいて設計したものであり、それぞれの生活習慣病もしくは肥満に関連する塩基配列中の変異を広くカバーすることができるレベルにまで引き上げることができる。
【0049】
配列表に記載したキャプチャーオリゴの長さはおおむね14〜21塩基の範囲であるが、数塩基の欠失や挿入の場合はこの限りではない。なお配列番号79から551に示す塩基配列の他に、各塩基配列の5’側もしくは3’側またはその両方において短縮あるいは伸長した塩基配列を有するオリゴヌクレオチドをキャプチャーオリゴヌクレオチドとして用いることもできる。
【0050】
オリゴヌクレオチドの合成、および後述する染色体DNAの調製、ハイブリダイゼーション、PCRなどの技法は、当業者に良く知られた通常の方法(Maniatis, T. et al., ”Molecular Cloning A laboratory Manual, Third Edition”, Cold Spring Harbor Laboratory Press (2001)等参照)にしたがって行うことができる。
【0051】
オリゴヌクレオチドは市販のDNA合成機を用いて合成することができる。オリゴヌクレオチドがヘアピン構造、ループ構造またはそれ以外の被検体由来の核酸とのハイブリダイゼーションを妨害する立体構造を持つ場合、同オリゴヌクレオチドを構成する1またはそれ以上のヌクレオチドをイノシンまたはいずれのオリゴヌクレオチドとも対合しないヌクレオチドに置換することにより、その立体構造を解除することができる。
【0052】
配列表に記載したキャプチャーオリゴヌクレオチド及びネガティブコントロールと、各遺伝子及びその変異部位との対応、及びキャプチャーオリゴヌクレオチドの野生型又は変異型の種別を、表2に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】
【表14】
【0062】
【表15】
【0063】
【表16】
【0064】
【表17】
【0065】
【表18】
【0066】
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【0068】
<3>心血管疾患、肥満および生活習慣病に関連する遺伝子
以下に、本発明の対象となる遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病に関与する遺伝子について説明する。
【0069】
(1)アドレナリン・レセプターβ3:
アドレナリン・レセプターβ3は、皮下脂肪よりも内臓脂肪組織に多く発現しているアドレナリン受容体の一つであり、熱産生と脂肪分解におもに作用している。アドレナリン・レセプターβ3の機能障害が存在すれば、ヒトでも肥満、特に内臓脂肪型肥満になりやすいと考えられる。
【0070】
アドレナリン・レセプターβ3遺伝子のミスセンス変異のため、64番目のトリプトファンがアルギニンになっている肥満者は、基礎代謝量が低く減量が困難である。さらに脂肪分解能も低下している。
以上より、アドレナリン・レセプターβ3遺伝子の変異は、内臓脂肪型肥満とインスリン抵抗性症候群の遺伝的マーカーになりうる。
【0071】
(2)アドレナリン・レセプターβ2:
アドレナリン・レセプターβ2は、気管支喘息の病型分類や重症度に関連する他、脂肪分解においても重要な役割を果たしているアドレナリン受容体の一つである。
スウェーデン人を対象にした研究において、アドレナリン・レセプターβ2遺伝子のGln27Glu変異が肥満と相関することが示された。また、日本人を対象にした報告でも、肥満や高中性脂肪血症(高脂血症)と関連することが明らかとなった。この変異は、運動習慣のない場合に肥満が生じやすい。
さらに、Arg16Gly変異をもつ肥満者は、脂肪分解能が亢進している。
以上より、アドレナリン・レセプターβ2遺伝子の変異は、肥満と高脂血症の遺伝的マーカーになりうる。
【0072】
(3)ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2:
ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγは、ヒトでは3つのアイソフォームが存在する。そのうち、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2は、脂肪細胞に特異的に発現しており、脂肪細胞の分化および脂肪の蓄積に必要な細胞内分子である。
ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ・ヘテロ欠損マウスは、高脂肪食負荷による脂肪の蓄積やインスリン抵抗性の出現が部分的に抑制されていたことから、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ遺伝子は、エネルギー倹約遺伝子として作用していると考えられる。
ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2遺伝子にPro12Ala変異があれば、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2の転写活性能が低下している。さらにこのPro12Ala変異の頻度は糖尿病患者に比べて非糖尿病患者で多く認められており、糖尿病に対して抵抗性因子として作用していることが示唆されている。
以上より、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2遺伝子の変異は、肥満と糖尿病の遺伝的マーカーになりうる。
【0073】
(4)レプチン・レセプター:
レプチン・レセプターは、おもに視床下部に発現している一回膜貫通型受容体である。レプチンがレプチン・レセプターに結合した後、いくつかのシグナルが伝達され、食欲抑制とエネルギー消費減少がおこり、体脂肪量が減少する。
レプチン・レセプター遺伝子に変異があり肥満になるケースが、実験動物やヒトにおいていくつか報告されてきた。レプチン・レセプター遺伝子の変異は、レプチンのシグナル伝達機構の異常をもたらし、中枢におけるレプチン抵抗性を生じる。
以上より、レプチン・レセプター遺伝子の変異は、肥満と肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0074】
(5)レプチン:
レプチンは、通常、脂肪細胞から分泌され、体脂肪量を調節するネガティブフィードバックループにおいて求心性シグナルとして作用している。したがって、レプチン遺伝子の変異によりレプチンの発現が不十分であったり、レプチンの活性が低下していたりすると、レプチン抵抗性から肥満をきたすと考えられる。
また、Sib−pair解析では、第二染色体上のD2S1788座位が、体脂肪量に及ぼす影響が最大である。この座位にある候補遺伝子としては、レプチンとプロ・オピオ 以上より、レプチン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0075】
(6)プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1:
プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1は、血液凝固系で作用する因子の一つであり、内臓脂肪細胞などから分泌されている。プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1活性は、インスリン抵抗性症候群やある種の血栓症発症に関連している。
プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1遺伝子の変異は、その活性に影響を及ぼすことで、これらの疾患の発症に関与している。
以上より、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1遺伝子の変異は、内臓脂肪型肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0076】
(7)ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α:
ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1遺伝子産物は、肝臓においていくつかのタンパク質の発現を制御しており、糖代謝に重要な役割を果たしている。この遺伝子の変異は、糖代謝異常をきたすことにより、肥満や糖尿病などを発症する可能性がある。
若年発症型糖尿病患者において、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α遺伝子変異が見出されている。この遺伝子変異は、インスリン抵抗性との相関が示唆されている。
以上より、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0077】
(8)ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β:
ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1遺伝子産物は、肝臓においていくつかのタンパク質の発現を制御しており、糖代謝に重要な役割を果たしている。この遺伝子の変異は、糖代謝異常をきたすことにより、肥満や糖尿病などを発症する可能性がある。
以上より、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0078】
(9)ニューロ・ペプチド・Y:
ニューロ・ペプチド・Yは、視床下部において食欲を亢進する作用を有しており、レプチンによって抑制される。ニューロ・ペプチド・Y遺伝子の変異は、食欲調節の異常をきたし肥満を生じると考えられる。
すでにニューロ・ペプチド・Y遺伝子のいくつかの変異が、肥満や高コレステロール血症と関連していることが報告されている。
以上より、ニューロ・ペプチド・Y遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0079】
(10)アンカップリング・プロテイン1:
アンカップリング・プロテイン1は、褐色脂肪組織に存在する特異的タンパク質であり、酸化的リン酸化の脱共役により酸化基質の化学エネルギーを熱に変換する作用を有している。
アンカップリング・プロテイン1遺伝子に異常があれば、熱産生が低下しエネルギー消費量が少なくなる。アンカップリング・プロテイン1遺伝子のプロモーター領域の変異が、体格指数と相関することが見出されている。
以上より、アンカップリング・プロテイン1遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0080】
(11)アンカップリング・プロテイン2:
アンカップリング・プロテイン2は、全身臓器に広く発現しており、熱産生との関連が指摘されている脱共役タンパク質である。アンカップリング・プロテイン2遺伝子に異常があれば、熱産生が低下しエネルギー消費量が少なくなる。
以上より、アンカップリング・プロテイン2遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0081】
(12)アンカップリング・プロテイン3:
アンカップリング・プロテイン3は、ヒトの骨格筋に大量に発現しており、熱産生との関連が指摘されている脱共役タンパク質である。アンカップリング・プロテイン3遺伝子に異常があれば、熱産生が低下しエネルギー消費量が少なくなる。アンカップリング・プロテイン3遺伝子のプロモーター領域の変異が、体格指数と相関することが見出されている。
以上より、アンカップリング・プロテイン3遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0082】
(13)GTP・バインディング・プロテイン3:
GTP・バインディング・プロテイン3は、細胞内情報伝達経路においてさまざまなシグナルを媒介する重要な分子の一つである。GTP・バインディング・プロテイン3遺伝子の変異が、肥満、本態性高血圧、高カリウム血症、高コレステロール血症などと相関していることが明らかになっている。
以上より、GTP・バインディング・プロテイン3遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0083】
(14)ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2:
ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2遺伝子の変異は、腸管におけるファティー・アシッド・バインディング・プロテインの脂肪酸へのアフィニティに影響を及ぼす。したがって、この遺伝子変異は、食後の脂肪代謝を変化させ、肥満を引き起こす可能性がある。
以上より、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0084】
(15)プロ・オピオメラノコルチン:
プロ・オピオメラノコルチンは、視床下部においてレプチンの下流で作用する分子である。プロ・オピオメラノコルチン遺伝子に異常があり、重度の肥満をきたした症例が既に報告されている。
また、Sib−pair解析では、第二染色体上のD2S1788座位が、体脂肪量に及ぼす影響が最大である。この座位にある候補遺伝子としては、レプチンとプロ・オピオメラノコルチンがある。
以上より、プロ・オピオメラノコルチン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0085】
(16)コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト:
コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプトは、脳に発現している分子であり、摂食量を減少させる作用をもつ。コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト遺伝子の変異が、その機能の異常をもたらせば、肥満を生じると考えられる。これまでのところ、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト遺伝子の変異が、インスリン抵抗性を主な病態とするシンドロームXにおいて、脂肪分布に影響を及ぼすことが示唆されている。
以上より、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0086】
(17)プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット:
プロテイン・ホスファターゼ−1は、グリコーゲン合成などグルコース代謝において作用する分子である。
プロテイン・ホスファターゼ−1遺伝子の変異によりグルコース代謝に異常をきたすと、インスリン抵抗性を生じる。
以上より、プロテイン・ホスファターゼ−1遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0087】
(18)インスリン・レセプター・サブストレイト1:
インスリン・レセプター・サブストレイト1は、細胞質内に存在し、インスリン情報伝達経路で作用する重要な分子の一つである。
インスリン・レセプター・サブストレイト1遺伝子の変異は、2型糖尿病患者に多く認められ、肥満に伴う糖尿病発症の一因になっていると考えられる。
以上より、インスリン・レセプター・サブストレイト1遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0088】
(19)メラノコルチン−4・レセプター:
メラノコルチン−4・レセプター遺伝子の変異による重度の肥満者が報告されている。また、メラノコルチン−4・レセプター遺伝子のノックアウトマウスは、肥満、高インスリン血症、糖尿病を呈し、ヒトの肥満症と類似の表現型を示す。
以上より、メラノコルチン−4・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0089】
(20)コレシストキニン−A・レセプター:
コレシストキニンは脳と腸管に発現しているニューロペプチドであり、コレシストキニン−A・レセプターは、コレシストキニンの受容体の一つである。
コレシストキニン−A・レセプター遺伝子のプロモーター領域に変異がある人では、体脂肪率が高く、血中レプチンおよびインスリン値が高値を示す。
以上より、コレシストキニン−A・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0090】
(21)ニューロ・ペプチド・Y・レセプター:
ニューロ・ペプチド・Y・レセプターは、ニューロ・ペプチド・Yが結合する受容体であり、視床下部において、食欲を亢進するシグナルを伝達している。ニューロ・ペプチド・Y・レセプター遺伝子の変異は、食欲調節機構に異常をきたし肥満を生じる。
以上より、ニューロ・ペプチド・Y・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0091】
(22)ドーパミンD2・レセプター:
ドーパミンD2・レセプター遺伝子の変異が、肥満および肥満に合併する2型糖尿病に関与することが報告されている。(参考文献:Int J Obes Relat Metab
Disord 2000 Oct;24(10):1233−8)
以上より、ドーパミンD2・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0092】
(23)ドーパミンD4・レセプター:
ドーパミンD4・レセプター遺伝子の変異が、食行動の個人差をもたらし肥満に関与することが報告されている。(参考文献:Eat Weight Disord 1998 Jun;3(2):71−7)
以上より、ドーパミンD4・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0093】
(24)アンジオテンシン変換酵素:
アンジオテンシン変換酵素遺伝子の変異が、肥満に合併する高血圧症や冠動脈疾患に関与することが報告されている。(参考文献:Hum Genet 2000 Sep;107(3):239−42)
以上より、アンジオテンシン変換酵素遺伝子の変異は、肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0094】
(25)腫瘍壊死因子α:
腫瘍壊死因子α遺伝子の変異が、肥満およびインスリン抵抗性に関与することが報告されている。(参考文献:Metabolism 2000 Aug;49(8):1021−4)
以上より、腫瘍壊死因子α遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0095】
(26)インスリン・レセプター:
インスリン・レセプター遺伝子の変異が、肥満および肥満に合併する高血圧症などに関与することが報告されている。(参考文献:Am J Hypertens. 2000 Jul;13(7):745−52)
以上より、インスリン・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0096】
(27)セロトニン・レセプター:
セロトニンは脳内の神経伝達物質として作用し、摂食行動にも関与する分子である。各種のセロトニン・レセプター遺伝子の変異が、肥満および肥満合併症に関与することが報告されている。セロトニン・レセプター遺伝子の変異は、アルコール消費など摂取エネルギーに影響を及ぼす。(参考文献:Int J Obes RelatMetab Disord. 2000 Jul;24(7):920−4)以上より、セロトニン・レセプター・ファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0097】
(28)アディポネクチン:
アディポネクチンは、内臓脂肪から分泌される分子である。アディポネクチン遺伝子の変異が、肥満および肥満合併症に関与することが報告されている。(参考文献:Int J Obes Relat Metab Disord. 2000 Jul;24(7):861−8.)
以上より、アディポネクチン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0098】
(29)低比重リポプロテイン・レセプター:
低比重リポプロテイン・レセプター遺伝子の変異が、肥満および肥満合併症に関与することが報告されている。(参考文献:Hum Genet. 2000 May;106(5):546−52)
以上より、低比重リポプロテイン・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0099】
(30)グルココルチコイド・レセプター:
グルココルチコイドは摂食を促すストレスホルモンとして知られている。グルココルチコイド・レセプター遺伝子が、肥満および肥満合併症に関与することが報告されている。(参考文献:Obes Res. 2000 May;8(3):211−8.)
以上より、グルココルチコイド・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0100】
(31)リポプロテイン・リパーゼ:
リポプロテイン・リパーゼは、脂質代謝や糖代謝において重要な役割を果たしている酵素である。リポプロテイン・リパーゼ遺伝子の変異が、肥満における脂質代謝や糖代謝の個人差に関与することが報告されている。(参考文献:Hum Genet. 2000 Apr;106(4):420−4)
以上より、リポプロテイン・リパーゼ遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0101】
(32)脂肪酸輸送タンパク1:
脂肪酸輸送タンパク1遺伝子の変異が、高中性脂肪血症をもたらし肥満および肥満合併症に関与することが報告されている。(参考文献:Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2000 May;20(5):1330−4.)以上より、脂肪酸輸送タンパク1遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0102】
(33)アルデヒド脱水素酵素:
アルデヒド脱水素酵素遺伝子の変異は、アルコール消費量に変化をもたらし摂取カロリーの個人差を生じる。さらにグリセミック係数を変化させることで、糖尿病の進展や四語にも関与することが示されている。(参考文献:Alcohol ClinExp Res. 2000 Apr;24(4 Suppl):5S−11S.)以上より、アルデヒド脱水素酵素遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0103】
(34)アポリポプロテインA:
アポリポプロテインA遺伝子の変異が、肥満に合併する虚血性心疾患に関与することが報告されている。(参考文献:Atherosclerosis 2000 May;150(1):187−92)
以上より、アポリポプロテインA遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0104】
(35)アポリポプロテインB:
アポリポプロテインB遺伝子の変異が、肥満に合併する虚血性心疾患に関与することが報告されている。
【0105】
以上より、アポリポプロテインB遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0106】
(36)コレステリル・エステル・トランスファー・プロテイン:
コレステリル・エステル・トランスファー・プロテイン遺伝子の変異が、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症などをもたらし肥満に関与することが報告されている。(参考文献:Int J Obes Relat Metab Disord. 1999 Sep;23(9):918−25.)
以上より、コレステリル・エステル・トランスファー・プロテイン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0107】
(37)ボンベシン・レセプター:
ボンベシンは食欲に関連する分子の一つである。ボンベシン・レセプター遺伝子欠損動物は肥満を呈する。
以上より、ボンベシン・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0108】
(38)メラノコルチン・レセプター3型:
メラノコルチン・レセプター3型遺伝子の変異が、高度肥満の患者で見出されている。(参考文献:Int J Obes Relat Metab Disord. 2000 Feb;24(2):206−10.)
以上より、メラノコルチン・レセプター3型遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0109】
(39)メラノコルチン・レセプター4型:
メラノコルチン・レセプター4型遺伝子の変異が、体脂肪率や食行動、成長などに関与することが見出されている。(参考文献:Mamm Genome. 2000 Feb;11(2):131−5.)
以上より、メラノコルチン・レセプター4型遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0110】
(40)メラノコルチン・レセプター5型:
メラノコルチン・レセプター5型遺伝子は、摂食調節やエネルギー消費に重要である。以上より、メラノコルチン・レセプター5型遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0111】
(41)インスリン様成長因子:
インスリン様成長因子遺伝子の変異が、肥満者において有意に多く見出されている。(参考文献:Eur J Hum Genet 1999 Oct−Nov;7(7):821−7)
以上より、インスリン様成長因子遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0112】
(42)ヘパティック・リパーゼ:
ヘパティック・リパーゼ遺伝子の変異が、リパーゼの活性に変化を生じ、内臓脂肪型肥満に関連することが報告されている。(参考文献:Arterioscler Thromb Vasc Biol. 1999 Nov;19(11):2701−7.)
以上より、ヘパティック・リパーゼ遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0113】
(43)アポリポプロテインE:
アポリポプロテインE遺伝子の変異が、脂質代謝に変化を生じ、肥満や高脂血症、冠動脈疾患などに関連することが報告されている。(参考文献:Circulation. 1999 Aug 10;100(6):608−13.)
以上より、アポリポプロテインE・ファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0114】
(44)アポリポプロテインC:
アポリポプロテインC遺伝子の変異が、脂質代謝に変化を生じ、肥満や高脂血症、心臓病などに関連することが報告されている。(参考文献:Hum Genet 1997
Sep;100(3−4):327−33)
以上より、アポリポプロテインC・ファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0115】
(45)アポリポプロテインD:
アポリポプロテインD遺伝子の変異が、脂質代謝に変化を生じ、肥満や高脂血症、心臓病などに関連することが報告されている。(参考文献:J Clin Endocrinol Metab 1994 Aug;79(2):568−70)
以上より、アポリポプロテインD・ファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0116】
(46)アポリポプロテインB:
アポリポプロテインB遺伝子の変異が、脂質代謝に変化を生じ、肥満や高脂血症、心臓病などに関連することが報告されている。
以上より、アポリポプロテインBファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0117】
(47)アドレナリン・レセプターα2B:
アドレナリン・レセプターα2B遺伝子の変異が、基礎代謝に個人差を生じさせることで肥満に関与することが報告されている。(参考文献:J Clin Endocrinol Metab. 1999 Jul;84(7):2429−33.、J Intern Med 1999 Jun;245(6):667−72)
以上より、アドレナリン・レセプターα2B遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0118】
(48)エンドセリン:
エンドセリンは血管内皮細胞から分泌され、血圧調節に関係する分子である。エンドセリン遺伝子の変異が、肥満に合併する高血圧に関与することが報告されている。(参考文献:Hypertension 1999 May;33(5):1169−74)
以上より、エンドセリン・ファミリーの遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0119】
(49)グルカゴン様ペプチド・レセプター:
グルカゴン様ペプチド・レセプターは、糖代謝や脂質代謝に重要な役割を果たしている。
以上より、グルカゴン様ペプチド・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0120】
(50)アグーチ・シグナリング・プロテイン:
アグーチ・シグナリング・プロテインは、糖代謝や脂質代謝に重要な役割を果たしている。
以上より、アグーチ・シグナリング・プロテイン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0121】
(51)ガラニン:
ガラニンは、脳内において食欲調節に重要な役割を果たしている。
以上より、ガラニン遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0122】
(52)グルカゴン・レセプター:
グルカゴン・レセプター遺伝子の変異が、肥満や肥満に合併する高血圧症に関与することが報告されている。(参考文献:Clin Exp Pharmacol Physiol. 1998Jul−Aug;25(7−8):627−9.)
以上より、グルカゴン・レセプター遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0123】
(53)プロホルモン・コンバーターゼ1:
プロホルモン・コンバーターゼ1は、インスリンの産生に必要な酵素である。この遺伝子に変異があるとき、著明なインスリン抵抗性や肥満を生じると考えられる。
以上より、プロホルモン・コンバーターゼ1遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0124】
(54)プロホルモン・コンバーターゼ2:
プロホルモン・コンバーターゼ2は、インスリンの産生に必要な酵素である。この遺伝子に変異があるとき、著明なインスリン抵抗性や肥満を生じると考えられる。
以上より、プロホルモン・コンバーターゼ2遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0125】
(55)プロホルモン・コンバーターゼ3:
プロホルモン・コンバーターゼ3は、インスリンの産生に必要な酵素である。この遺伝子に変異があるとき、著明なインスリン抵抗性や肥満を生じると考えられる。
以上より、プロホルモン・コンバーターゼ3遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0126】
(56)カルボキシペプチダーゼE:
カルボキシペプチダーゼEは、インスリンの産生に必要な酵素である。この遺伝子に変異があるとき、著明なインスリン抵抗性や肥満を生じると考えられる。
以上より、カルボキシペプチダーゼE遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0127】
(57)ホルモン感受性リパーゼ:
ホルモン感受性リパーゼは、脂質代謝において重要な役割を果たしており、肥満の進展にも関与する酵素である。
以上より、ホルモン感受性リパーゼ遺伝子の変異は、肥満および肥満に合併する生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
【0128】
(58)アンジオテンシノーゲン
アンジオテンシンは、レニン−アンジオテンシン系において重要な役割を果たしており、高血圧や心肥大や動脈硬化にも関与する酵素であり、アンジオテンシノーゲンはその前駆体である。
以上より、アンジオテンシノーゲン遺伝子の変異(M235T)は、高血圧症や心血管疾患(冠動脈疾患や心筋梗塞症)などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Katsuya, T.; Koike, G.; Yee, T. W.; Sharpe, N.; Jackson, R.; Norton, R.; Horiuchi, M.; Pratt, R. E.; Dzau, V. J.; MacMahon, S. : Association of angiotensinogen gene T235 variant with increased risk of coronary heart disease. Lancet 345: 1600−1603, 1995. )
(59)アンジオテンシンIIレセプター
アンギオテンシンIIレセプターは、アンジオテンシンIIの細胞膜受容体として重要な役割を果たしており、高血圧や心肥大や動脈硬化にも関与する酵素である。
以上より、アンジオテンシンIIレセプター遺伝子の変異(A−to−C variant, located in the 3−prime untranslated region at nucleotide 1166)は、高血圧症や心血管疾患(冠動脈疾患や心筋梗塞症)などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Bonnardeaux, A.; Davies, E.; Jeunemaitre, X.; Fery, I.; Charru, A.; Clauser, E.; Tiret, L.; Cambien, F.; Corvol, P.; Soubrier, F. : AngiotensinII type 1 receptor gene polymorphisms in human essential hypertension. Hypertension 24: 63−69, 1994.)
【0129】
(60)内皮型ヒトNO合成酵素
NOは、内皮型ヒトNO合成酵素により血管内皮で合成され、血管内皮由来拡張因子(EDRF)である。内皮型ヒトNO合成酵素はNO合成に重要な役割を果たしており、血管のトーヌス調節や動脈硬化も関与する酵素である。
以上より、内皮型ヒトNO合成酵素遺伝子の変異(glu298asp)は、動脈硬化や心血管疾患(冠れん縮性狭心症)などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Yoshimura, M.; Yasue, H.; Nakayama, M.; Shimasaki, Y.; Sumida, H.; Sugiyama, S.; Kugiyama, K.; Ogawa, H.; Ogawa, Y.; Saito, Y.; Miyamoto, Y.; Nakao, K. : A missense glu298asp variant in the endothelial nitric oxide synthase gene is associated with coronary spasm in the Japanese. Hum. Genet. 103: 65−69, 1998.)
【0130】
(61)パラオキソナーゼ (PON1)
パラオキソナーゼはhigh density lipoproteins (HDL)のエステル化に重要な役割を果たしており、low density lipoproteins (LDLs)の酸化を防ぐ抗酸化作用や動脈硬化も関与する酵素である。
以上より、パラオキソナーゼの変異は、動脈硬化や心血管疾患などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Effect of the human serum paraoxonase 55 and 192 genetic polymorphismson the protection by high density lipoprotein against low density lipoprotein oxidative modification. FEBS Lett. 423: 57−60, 1998.)
(Odawara, M.; Tachi, Y.; Yamashita, K. : Paraoxonase polymorphism Gln192−Arg is associated with coronary heart disease in Japanese noninsulin−dependent diabetes mellitus. J. Clin. Endocr. Metab. 82: 2257−2260, 1997.)
【0131】
(62)CD36
CD36はスカベンジャーリセプターとして重要な役割を果たしており、変性脂質の代謝やや動脈硬化も関与する酵素である。
以上より、CD36の変異は、動脈硬化などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Pravenec, M.; Zidek, V.; Simakova, M.; Kren, V.; Krenova, D.; Horky, K.; Jachymova, M.; Mikova, B.; Kazdova, L.; Aitman, T. J.; Churchill, P. C.; Webb, R. C.; Hingarh, N. H.; Yang, Y.; Wang, J.−M.; St. Lezin, E. M.; Kurtz, T. W. : Genetics of Cd36 and the clustering of multiple cardiovascular risk factors in spontaneous hypertension. J. Clin. Invest. 103: 1651−1657, 1999.)
【0132】
(63)ケモカインレセプター2
MCP1 (monocyte chemoattractant protein) は血管内皮やマクロファージで産生され、動脈硬化病変での単球の進展に重要であり、ケモカインレセプター2はMCP1の受容体である。ケモカインレセプター2遺伝子の変異は、早期発症の動脈硬化に重要な役割を果たしている。
以上より、ケモカインレセプター2の変異は、早期発症の動脈硬化など生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Charo, I. F.; Myers, S. J.; Herman, A.; Franci, C.; Connolly, A. J.; Coughlin, S. R. : Molecular cloning and functional expression of two monocyte chemoattractant protein 1 receptors reveals alternative splicing ofthe carboxyl−terminal tails. Proc. Nat. Acad. Sci. 91: 2752−2756, 1994.) (Decreased lesion formation in CCR2 −/− mice reveals a role for chemokines in the initiation of atherosclerosis. Nature 394: 894−897, 1998.)
【0133】
(64)細胞接着因子1(ICAM1)
ICAM1はリンパ球関連抗原(LFA1)のリガンドであり、抗ICAM1抗体は移植心の拒絶反応を抑制などに重要な役割を果たしており、動脈硬化進展にも関与する接着因子である。
以上より、ICAM1の変異は、動脈硬化進展などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Simmons, D.; Makgoba, M. W.; Seed, B. : ICAM, an adhesion ligand of LFA−1, is homologous to the neural cell adhesion molecule NCAM. Nature 331: 624−627, 1988.)
【0134】
(65)マトリックスメタロプロテアーゼ3
マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP3)は粥腫のプラーク破綻に重要な役割を果たしており、動脈硬化進展にも関与する酵素である。
以上より、マトリックスメタロプロテアーゼ3の変異は、冠動脈疾患などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Formstone, C. J.; Byrd, P. J.; Ambrose, H. J.; Riley, J. H.; Hernandez, D.; McConville, C. M.; Taylor, A. M. R. : The order and orientation ofa cluster of metalloproteinase genes, stromelysin 2, collagenase, and stromelysin, together with D11S385, on chromosome 11q22−q23. Genomics 16:289−291, 1993.)
【0135】
(66)肝細胞増殖因子
肝細胞増殖因子は肝細胞の成長・増殖に重要な役割を果たしている。動脈硬化や内皮細胞の増殖作用は、不明である。
ケース・コントロールでの臨床例の解析で、肝細胞増殖因子の変異は、冠動脈疾患などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Gohda, E.; Tsubouchi, H.; Nakayama, H.; Hirono, S.; Sakiyama, O.; Takahashi, K.; Miyazaki, H.; Hashimoto, S.; Daikuhara, Y. : Purification andpartial characterization of hepatocyte growth factor from plasma of a patient with fulminant hepatic failure. J. Clin. Invest. 81: 414−419, 1988.)
(67)アクチン結合蛋白(SM22)
SM22は、動脈硬化に重要な役割を果たしている酵素であり、SM22の変異は、生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Camoretti−Mercado, B.; Forsythe, S. M.; LeBeau, M. M.; Espinosa, R., III; Vieira, J. E.; Halayko, A. J.; Willadsen, S.; Kurtz, B.; Ober, C.; Evans, G. A.; Thweatt, R.; Shapiro, S.; Niu, Q.; Qin, Y.; Padrid, P. A.; Solway, J. : Expression and cytogenetic localization of the human SM22 gene (TAGLN). Genomics 49: 452−457, 1998.)
(68)メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素
メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素はメチオニンーホモシステイン代謝に重要な役割を果たしており、動脈硬化の進展や血栓形成に関与する酵素である。
以上より、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の変異(C677T)は、血栓形成や動脈硬化などの生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Goyette, P.; Sumner, J. S.; Milos, R.; Duncan, A. M. V.; Rosenblatt, D. S.; Matthews, R. G.; Rozen, R. : Human methylenetetrahydrofolate reductase: isolation of cDNA, mapping and mutation identification. Nature Genet. 7: 195−200, 1994.)( Kluijtmans, L. A. J.; van den Heuvel, L. P. W.J.; Boers, G. H. J.; Frosst, P.; Stevens, E. M. B.; van Oost, B. A.; den Heijer, M.; Trijbels, F. J. M.; Rozen, R.; Blom, H. J. : Molecular genetic analysis in mild hyperhomocysteinemia: a common mutation in the methylenetetrahydrofolate reductase gene is a genetic risk factor for cardiovascular disease. Am. J. Hum. Genet. 58: 35−41, 1996.)
(69)組織メタロプロテアーゼインヒビター−1
組織メタロプロテアーゼインヒビター−1は、動脈壁の間質の代謝に重要な役割を果たしており、腹部動脈瘤の形成に関与する酵素である。
以上より、組織メタロプロテアーゼインヒビター−1の変異は、動脈硬化性病変(動脈瘤など)の生活習慣病の遺伝的マーカーになりうる。
(Wang et al. Analysis of coding sequences for tissue inhibitor of metalloproteinases 1 (TIMP1) and 2 (TIMP2) in patients with aneurysms. MatrixBiol 18, 121metalloproteinases 1 (TIMP1) and 2 (TIMP2) in patients withaneurysms. Matrix Biol 18, 121, 1999)
【0136】
<4>本発明のキットの製造
本発明のキットは、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが支持体上に固定化されたものである。
【0137】
(1)支持体、及び支持体へのオリゴヌクレオチドの固定化
オリゴヌクレオチドを固定化する支持体の材質は、オリゴヌクレオチドを安定化して固定化することができるものであれば特に制限されないが、例えば、ガラス、ポリカーボネートやプラスチックなどの合成樹脂が挙げられる。支持体の形態は特に制限されないが、球状や板状またはフィルム状が挙げられる。支持体の表面は均質で平滑なものが適している。
【0138】
支持体へのオリゴヌクレオチドの固定化は、物理的吸着、電気的結合または分子共有結合など、通常のハイブリダイゼーション法に用いられる手法を用いることができるが、後記実施例においては、表面にカルボジイミド基またはイソシアネート基を有する支持体(特開平8−23975号)を使用し、紫外線照射して共有結合によりオリゴヌクレオチドを固定化する方法を採用した。このような表面にカルボジイミド基またはイソシアネート基を有する支持体を用いる場合、キャプチャーオリゴとして、アミノ基を有するリンカーを末端に付加したオリゴヌクレオチドを用いることが好ましい。
【0139】
オリゴヌクレオチドを支持体上にスポットする際に、オリゴヌクレオチドのスポット量が少なすぎると、オリゴヌクレオチドと核酸プローブとの間の充分な反応性を充分に確保することができず、判定が困難になることがある。さらに、核酸プローブの標識にはビオチンとストレプトアビジン酵素コンジュゲートの系を使用し、一般的なOA用スキャナーで読み取ることを可能にするため、支持体の表面には径10〜1,000μmのサイズでスポットすることが好ましい。オリゴヌクレオチドの固定化は、例えば、スポッティングマシーンを使用して支持体状にオリゴヌクレオチド溶液をスポッティングすることにより行うことができる。オリゴヌクレオチド溶液は、通常ほぼ円形にスポッティングされる。
【0140】
(2)オリゴヌクレオチドの支持体上への配置
各々のオリゴヌクレオチドは、単一の支持体に複数スポットされるが、それぞれのスポットは格子状に配置することが好ましい。変異を含むキャプチャーとそれに対応する野生型オリゴは、比較が容易にできるように配置するとよい。例えば、各遺伝子のある変異箇所では、野生型オリゴと変異型オリゴを対比できる様に並べて配置し、更にネガティブ・コントロールとポジティブ・コントロールを並べて配置し、これらを1つのブロックとして配置する。一つの遺伝子に複数の変異箇所がある場合は、無作為に並べることも可能であるが、上記ブロックを遺伝子毎に並べて配置し、対比が容易にすることが好ましい。
【0141】
さらに望ましい配置は、各スポットを疾患別にグループ分けし、疾患リスク判定を容易にすることである。また野生型と変異型をそれぞれまとめて配置することにより更に判定を容易にすることができる。
【0142】
<5>被検体からの核酸の調製と核酸プローブの調製
被検試料からの核酸の調製は、通常の細胞からの核酸の調製法と同様にして行うことができるが、いくつかの標準的な方法があり、いずれの方法を用いても本キットは使用可能である。
【0143】
得られた核酸を基に、染色体のタイピングを行うための核酸プローブを調製する。核酸プローブは、キャプチャーオリゴまたはコントロールオリゴの塩基配列に対応して設計されたプライマーを使用して核酸増幅することによって調製することができる。核酸プローブは通常DNAが用いられるが、RNAであってもよい。核酸増幅の方法としては、例えば、PCRによりDNAとして増幅する方法、あるいはインビトロ・トランスクリプション法によりRNAとして増幅する方法が挙げられる。
【0144】
遺伝子によっては、心血管疾患、肥満又は生活習慣病に関与する複数の変異部位を有するため、それぞれの変異箇所に応じた核酸プローブを調製することができる。PCRに用いるプライマーを予め標識しておくと、標識化された核酸プローブを得ることができる。PCR反応中、あるいは反応後にプローブを標識しても良い。標識物質には蛍光物質またはハプテンなど、通常のハイブリダイゼーションに用いるプローブと同様の標識物質を用いることができる。具体的に例えば、蛍光物質としては、フルオレセイン(FITC)、ローダミン、フィコエリスリン、テキサスレッド、シアニン系蛍光色素などが、ハプテンとしてはビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロフェニル、フルオレセインなどが挙げられる。
【0145】
核酸プローブを作製するためのプライマーは、オリゴヌクレオチドを固定化した支持体と共に、本キットに含めることができる。
【0146】
<6>支持体上のオリゴヌクレオチドと核酸プローブのハイブリダイゼーションハイブリダイゼーションは、通常の核酸のハイブリダイゼーションと同様にして行うことができる。以下に具体的な方法を例示する。
【0147】
SSC(Standard Saline Citrate)などの塩溶液、硫酸ドデシルナトリウム(SDS)、牛血清アルブミン(BSA)などのブロッキング溶液、および融合反応促進のための添加剤からなる融合液に、核酸プローブを加える。プローブが2本鎖の場合は熱やアルカリによる変性を行う。支持体上に核酸プローブを数μL添加した後、数時間加熱操作(通常37〜50℃)を行い、支持体上に固定化されているオリゴヌクレオチドと核酸プローブ間でハイブリッドを形成させる。
【0148】
支持体上に5×SSCまたは3Mテトラメチルアンモニウムクロライドを加えて加熱し(通常37〜50℃)、非特異的なハイブリッドを形成していないものを支持体上から剥離させ、特異的なハイブリッドのみを選択的に支持体上に残す。
【0149】
ハイブリッドの検出には、核酸プローブに導入されている蛍光物質またはハプテンを使用する。ハプテンを使用する場合は、ハプテンを認識する蛋白質またはそれに結合する蛋白質とアルカリフォスファターゼまたはホースラディッシュ・ペルオキシダーゼなどの結合体(酵素コンジュゲート)を含む溶液を支持体上に加え、室温で数10分間反応させる。なお、このハプテンと酵素コンジュゲートの結合を行う前に、オリゴヌクレオチドを固定化した領域以外の支持体の領域をカゼインなどの蛋白質を用いて完全に被覆することによって、酵素コンジュゲートと支持体の非特異的吸着反応を阻害することができる。この処理は、オリゴヌクレオチドを固定化した後、支持体上にカゼインなどの蛋白質の溶液を加え、室温で数10分間放置することによって行うことができる。
【0150】
酵素コンジュゲートと核酸プローブ中のハプテンとの結合反応終了後、ハプテンと結合しなかった酵素コンジュゲートを界面活性剤を含む適当な緩衝液で洗浄し排除することによって、支持体上には核酸プローブ中のハプテンと結合した酵素コンジュゲートのみが残ることになる。
【0151】
ハイブリッドを可視化するには、ハプテンと酵素コンジュゲート結合体のみが存在する場合にのみ不溶化化合物になる化合物を添加し、その不溶化化合物生成が酵素反応によって増幅され可視化される。この時用いられる化合物としては、酵素コンジュゲート中の酵素がアルカリフォスファターゼの場合、ニトロブルーテトラゾリウムクロライド(NBT)とBCIP(5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸−pトルイジントルイジン塩)が用いられる。酵素がホースラディッシュ・ペルオキシダーゼの場合は、TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン)などを用いることができる。
【0152】
得られたハイブリダイゼーションの結果を基にした被検体由来の染色体のタイピングは、キャプチャーオリゴを固定化した位置における色素沈着または蛍光発色を見ることによって行う。すなわち、色素沈着または蛍光発色のある位置が該当する変異に相当する。野生型キャプチャーオリゴを固定化した位置に陽性シグナルが認められれば、被検体由来の染色体上の遺伝子の塩基配列上の変異がそのキャプチャーが示す塩基であることになる。逆に変異型キャプチャーオリゴを固定化した位置に陽性シグナルが認められれば、被検体由来の染色体上の遺伝子の塩基配列上の変異がそのキャプチャーが示す塩基であることになる。更に、これらのシグナル強度に対して、ポシティブ・コントロールキャプチャーオリゴに得られるシグナルは、等しいかそれ以上である必要であり、かつネガティブ・コントロールキャプチャーオリゴに得られるシグナル(通常、ハイブリダイゼーションが適正に行われれば、シグナルは生じない)は低くなっている必要がある。つまり、ネガティブ・コントロールにシグナルが得られる場合は、ハイブリダイゼーションが適切な条件で行われなかったことを意味する。
【0153】
<7>遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別する方法
上記した本発明のキットを用いることにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別することができる。同キットを用いて被検者由来の核酸をオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせ、被検者由来の核酸と完全に一致する塩基配列を有するオリゴヌクレオチドが、野生型である変異型であるかを同定する。そして、変異型と同定された遺伝子又は遺伝子群を特定することによって、前記遺伝的リスクを判別することができる。
【0154】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0155】
【実施例1】オリゴヌクレオチドの合成
常法に従い、オリゴヌクレオチド合成機(Perkin−elmer Applied biosystems)を用いて、5’末端にアミノ基または水酸基を有するオリゴヌクレオチドを合成し、脱保護を施した後、乾燥させた。このオリゴヌクレオチド乾燥体を10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液を用いて溶解し、100pmol/μLのオリゴヌクレオチド溶液を調製した。合成したオリゴヌクレオチドの配列は、配列表の配列番号1〜579に示した。
【0156】
【実施例2】支持体へのオリゴヌクレオチドのスポッティング(5’末端にアミノ基を有するオリゴヌクレオチドを用いる場合)
5’末端にアミノ基を有するオリゴヌクレオチド溶液10μLに対してマイクロスポッティング溶液(TeleChem International Inc.)を10μL混合し、マイクロタイタープレート(Greiner Laboratory Ltd.)上に分注した。スポッティングマシンの所定の位置にシラン化スライドグラス(Matsunami Glass Ind.,Ltd.)を配置し、スポッティングマシンを作動させ、スライドグラス上にオリゴヌクレオチド溶液をスポットした。
【0157】
スポッティング終了後、スライドグラスに熱水からの蒸気を数秒間あてた。その後、紫外線を30mJ照射した。再度蒸気に数秒間曝露した後、ホットプレート上にスライドグラスを置いて水分を除去した。0.1%硫酸ドデシルナトリウム水溶液でスライドグラスを濯いだ後、蒸留水で濯いだ。
【0158】
スライドグラスを3% BSA(ウシ血清アルブミン)を含む100mM Tris−HCl(pH7.5),100mM NaCl, 0.1% Triton X−100に室温で30分間浸し、ブロッキングした。その後、スライドグラスを室温で乾燥させた後、10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液で洗浄した。スライドグラスを再度室温で乾燥させ、使用まで乾燥状態で冷暗所で保存した。
【0159】
【実施例3】支持体へのオリゴヌクレオチドのスポッティング(5’末端にOH基を有するオリゴヌクレオチドを用いる場合)
5’末端に水酸基を有するオリゴヌクレオチド溶液10μLに対してスポッティング溶液(2M 塩化ナトリウム水溶液)を10μL混合し、マイクロタイタープレート(Greiner Laboratory Ltd.)上に分注した。スポッティングマシンの所定の位置にカルボジイミド基を有するスライドグラスを配置し、スポッティングマシンを作動させ、スライドグラス上にオリゴヌクレオチド溶液をスポットした。
【0160】
スポッティング終了後、スライドグラスを37℃の乾燥機に30分間置いた。その後、スライドグラスを3% BSA(ウシ血清アルブミン)を含む100mM Tris−HCl(pH7.5),100mM NaCl, 0.1% Triton X−100に室温で30分間浸し、ブロッキングした。その後、スライドグラスを室温で乾燥させた後、10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液で洗浄した。スライドグラスを再度室温で乾燥させ、使用まで乾燥状態で冷暗所で保存した。
【0161】
【実施例4】核酸プローブの調製
Molecular cloning A laboratory Manual, 3rd Edition, Cold Spring HarborLaboratory Pressに記載の方法にしたがって、ヒト血液から染色体DNAを抽出した。PCR増幅は以下のようにして行った。サーマルサイクラー用0.2mLチューブにHotstartaq Master Mix Kit(QIGEN K.K.)25μLと、被検体由来の染色体DNA 1μLと、100pmol/μLのプライマーを1μLずつセットで添加し、蒸留水で全量を50μLにした。サーマルサイクラー(PTC−200, MJ Research Inc.)にチューブをセットして、▲1▼95℃:15分、▲2▼95℃:1分、▲3▼60℃:30秒、▲4▼72℃:15秒、▲5▼72℃、10分の加熱サイクル中、▲2▼〜▲4▼を40回繰り返すプログラムを作動させた。
【0162】
プローブ合成反応が終了した後、反応物から1μLを取り出し、6×泳動色素(30%グリセロール、0.25%ブロモフェノールブルー、0.25%キシレンシアノール)を1μLと、10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液4μLとを混合した。混合後、2%アガロースゲル上で100V、25分間の条件で電気泳動させた。泳動後、0.5μg/mLのエチジウムブロマイドを含む蒸留水にゲルを15分間浸し、紫外線照射により写真に記録した。
【0163】
【実施例5】ハイブリダイゼーション
実施例3で調製した核酸プローブ5μLを取り、1.5mL容チューブに加え、さらにUniHyb Hybridization solution(Telechem International Inc.)20μLを加えて混合し、ハイブリダイゼーション溶液を調製した。この溶液を100℃で10分間加熱処理を行った後、氷中に5分間浸した。この核酸プローブを、実施例2および3で作製したオリゴヌクレオチドをスポットしたスライドグラスに10μLのせ、さらにカバーグラスを載せた。ハイブリカセット(Telechem InternationalInc.)にスライドグラスを入れ、42℃の水槽につけ遮光して1時間放置した。ハイブリカセットからスライドグラスを取り出し、4℃の5×SSC(0.75M NaCl,0.075M クエン酸ナトリウム)に浸してカバーグラスを除去した。スライドグラスを4℃の5×SSCに30分間浸す操作を2回行い、室温の3Mテトラメチルアンモニウムクロライド水溶液で2回濯いだ後、45℃の3Mテトラメチルアンモニウムクロライド水溶液で2回濯いだ。最後に2×SSCの入った溶液にスライドグラスを移した。
【0164】
【実施例6】化学発色検出
容器からスライドグラスを取り出し、オリゴヌクレオチドが固定化されていない部分の水分をペーパータオルで拭い取り、オリゴヌクレオチド固定化部分にはブロックエース溶液(大日本製薬株式会社)を200μL載せた。室温で30分間放置した後、分注機で溶液を吸い取った。5mLのTBST溶液(50mM Tris−HCl(pH7.5), 0.15M NaCl, 0.05% Tween 20)にアビジンDHおよびビオチン化ペルオキシダーゼ(Vector Laboratories, Inc.)をそれぞれ1滴加えて混合した溶液200μLを、スライドグラス上のオリゴヌクレオチド固定化部分に載せ、室温で30分間放置した。
【0165】
分注機で溶液を吸い取り、スライドグラスをTBST溶液の入った容器に移し、振とうしながら室温で5分間洗浄した。溶液を一旦捨てて、新しいTBST溶液を容器に加え、振とうしながら室温で5分間洗浄した。スライドグラスを容器から取り出し、オリゴヌクレオチドが固定化されていない部分の水分をペーパータオルで拭い取った。オリゴヌクレオチド固定化領域にはTMB(Vector Laboratories, Inc.)を200μL載せ、室温で20分間反応させた後、スライドグラスを脱イオン水で洗浄し酵素反応を停止させた。
【0166】
【実施例7】
化学発色後に、OA用スキャナー(NEC Multireader 600SR)とフォトショップVer 5.0(アドビシステムズ株式会社)を用いてコンピューター内にTIFF画像として保存した。この画像を基に、化学発色検出によって形成した色素沈着がある場合は、スライドグラス上に固定化されたオリゴヌクレオチド(キャプチャーオリゴ)と被検体由来の核酸プローブが完全な相補性を持ち2本鎖を形成したことを示す。
【0167】
図2に各々の遺伝子の塩基置換の有無を明らかにするためのスポットの配置を示したが、各々の遺伝子毎のブロックの配置の順番は任意で良い。また、これらの中から必要に応じた組み合わせでスポットすることも可能である。
【0168】
図2に示した遺伝子のうち、アドレナリン・レセプターβ3遺伝子の変異がTrp64Arg(TGG/CGG)、アドレナリン・レセプターβ2遺伝子の変異がGln27Glu(CAA/GAA)、GTP・バインディング・プロテイン3遺伝子の変異がSer275Ser(TCC/TCT)、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2遺伝子の変異がPro12Ala(CCA/GCA)、Pro115Gln(CCA/CAA)、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1遺伝子の変異が−671〜−675に見られるGの欠失、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2遺伝子の変異がAla54Thr(GCT/ACT)、インスリン・レセプター・サブストレイト1遺伝子の変異がGly972Arg(GGG/AGG)、コレシストキニン−A・レセプター遺伝子の変異が−128G/T、−81A/Gの各々のタイピング結果を図3および表19にまとめた。
【0169】
【表19】
【0170】
【発明の効果】
本発明により、心血管疾患、肥満および生活習慣病に関連する複数の遺伝子変異を容易に検出することができ、その判定結果に基づいた疾病治療と予防が可能な方法及びキットが提供される。
【0171】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキットにおけるオリゴヌクレオチドの配列の一例を示す図。
【図2】実施例で作製したスライドグラス上に固定化されたオリゴヌクレオチドの配置を示す図。
【図3】図2のスライドグラスに固定化されたオリゴヌクレオチドを用いた被検体由来の核酸の染色体のタイピングの結果を示す図(写真)。
Claims (9)
- 支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドを含み、これらのキャプチャーオリゴヌクレオチドと被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別するためのキットであって、
前記遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病は、それぞれの疾患に関与する遺伝子の多型が発症と相関し、
前記複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記のそれぞれの疾患毎に選ばれる少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含み、
前記キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置されたことを特徴とするキット。 - 前記支持体の表面はカルボジイミド基またはイソシアネート基でコートされ、このカルボジイミド基またはイソシアネート基と前記オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド末端に付加されたリンカーのアミノ基との反応により共有結合が形成された請求項1に記載のキット。
- 前記オリゴヌクレオチドは、前記支持体の表面に直径10〜1,000μmのサイズに固定された請求項1記載のキット。
- 前記心血管系疾患、肥満および生活習慣病に関与する遺伝子が、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプター、ニューロ・ペプチド・Y・レセプター、ドーパミンD2・レセプター、ドーパミンD4・レセプター、アンジオテンシン変換酵素、腫瘍壊死因子α、インスリン・レセプター、セロトニン・レセプター、アディポネクチン、低比重リポプロテイン・レセプター、グルココルチコイド・レセプター、リポプロテイン・リパーゼ、脂肪酸輸送タンパク1、アルデヒド脱水素酵素、アポリポプロテインA、アポリポプロテインB、コレステリル・エステル・トランスファー・プロテイン、ボンベシン・レセプター、メラノコルチン・レセプター3型、メラノコルチン・レセプター4型、メラノコルチン・レセプター5型、インスリン様成長因子、ヘパティック・リパーゼ、アポリポプロテインE、アポリポプロテインC、アポリポプロテインD、アポリポプロテインB、アドレナリン・レセプターα2B、エンドセリン、グルカゴン様ペプチド・レセプター、アグーチ・シグナリング・プロテイン、ガラニン、グルカゴン・レセプター、プロホルモン・コンバーターゼ1、プロホルモン・コンバーターゼ2、プロホルモン・コンバーターゼ3、カルボキシペプチダーゼE、ホルモン感受性リパーゼ、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、又は組織メタロプロテアーゼインヒビター−1をコードする遺伝子から、各々の疾患毎に選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のキット。
- 前記心血管系疾患、肥満および生活習慣病に関わる遺伝子が、アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、GTP・バインディング・プロテイン3、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、インスリン・レセプター・サブストレイト1、コレシストキニン−A・レセプター、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、及び組織メタロプロテアーゼインヒビター−1をコードする遺伝子の全てである請求項4記載のキット。
- アドレナリン・レセプターβ3遺伝子の変異がTrp64Arg(TGG/CGG)、アドレナリン・レセプターβ2遺伝子の変異が−1429T/G、−1343A/G、−1023G/A、−654G/A、−468C/G、−367T/C、−47T/C、−20T/C、Arg16Gly(AGA/GGA)、Gln27Glu(CAA/GAA)、Val134Met(GTG/ATG)、Thr164Ile(ACC/ATC)、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2遺伝子の変異が−208T/G、Pro12Ala(CCA/GCA)、Pro115Gln(CCA/CAA)、Arg316Cys(CGC/TGC)His471His(CAC/CAT)、レプチン・レセプター遺伝子の変異がLys109Arg(AAG/AGG)、Lys204Arg(AAA/AGA)、Gln223Arg(CAG/CGG)、Gln269Pro(CAA/CCA)、Ser343Ser(AGT/AGC)、Ser492Thr(AGT/ACT)、Lys656Asn(AAG/AAC)、Ala976Asp(GCC/GAC)、Tyr986Tyr(TAC/TAT)、Pro1019Pro(CCG/CCA)、レプチン遺伝子の変異が−2793T/C、−2575T/G、−2570T/G、−2549C/A、−2548G/A、−2437T/G、−2094T/C、−1963C/T、−1887C/T、−1823C/T、−1447T/G、−1387G/A、−633C/T、−570C/T、−477G/T、−476C/T、−188C/A、19A/G、Phe17Leu(TTC/CTC)、Thr48Thr(ACG/ACA)、Ser91Ser(TCC/TCT)、Asn102Asn(AAC/AAT)、Val110Met(GTG/ATG)、Glu126Gln(GAG/CAG)、538C/T、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1遺伝子の変異が−844G/A、−671〜−675に見られるGの欠失、9785G/A、11053G/T、11320〜11345に見られるCGCGCCCCCの挿入または欠失、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α遺伝子の変異がIle27Leu(ATC/CTC)、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β遺伝子の変異が1968A/G、ニューロ・ペプチド・Y遺伝子の変異がLeu7Pro(CTG/CCG)、アンカップリング・プロテイン1遺伝子の変異が−3826A/G、アンカップリング・プロテイン2遺伝子の変異が19C/T、27C/G、97C/T、Gly85Ser(GGC/AGC)、Ala55Val(GCC/GTC)、エクソン8内のくり返し配列(CCCTCT)の有無、アンカップリング・プロテイン3遺伝子の変異が−155C/T、−55C/T、5G/A、Tyr200Tyr(TAT/TAC)、Gly84Ser(GGC/AGC)、Tyr99Tyr(TAT/TAC)、イントロン4内の変異:−143A/G、−96C/T、−47A/G、−46A/T、GTP・バインディング・プロテイン3遺伝子の変異が−350A/C、Gly272Ser(GGC/AGC)、Ser275Ser(TCC/TCT)、1429C/T、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2遺伝子の変異がAla54Thr(GCT/ACT)、プロ・オピオメラノコルチン遺伝子の変異がAsp80Asn(GAC/AAC)、アミノ酸番号73に入る挿入(GGCGCA/AGCAGCGGCまたはCCAGCA/GGCCCGGC)、Glu180Amb(GAG/TAG)、Glu188Gly(GAG/GGG)、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト遺伝子の変異がSer66Thr(AGT/ACT)、1457番目のAの欠失(CAT/CT)、1475A/G、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット遺伝子の変異がAsp905Tyr(GAC/TAC)、インスリン・レセプター・サブストレイト1遺伝子の変異がPro170Arg(CCC/CGC)、Met209Thr(ATG/ACG)、Ala530Pro(GCC/CCC)、Ser809Phe(TCT/TTT)、Gly972Arg(GGG/AGG)、インスリン・レセプター遺伝子の変異がAsp59Gly(GAT/GGT)、Leu62Pro(CTG/CCG)、メラノコルチン−4・レセプター遺伝子の変異がSer30Phe(TCC/TTC)、Tyr35ch(TAC/TAA)、Asp37Val(GAT/GTT)、Pro78Leu(CCC/CTC)、Ile103Val(ATC/GTC)、Thr112Met(ACG/ATG)、Ile137Thr(ATT/ACT)、コドン211の下流の欠失(TCTCTCT/TCT)、Ile25Ile(ATT/CTT)、Gly252Ser(GGC/AGC)、Ile317Thr(ATC/ACC)、Arg165Trp(CGG/TGG)、コレシストキニン−A・レセプター遺伝子の変異が−128G/T、−81A/G、アンジオテンシノーゲンの変異がMet235Thr(ATG/ACG)、アンジオテンシンIIレセプターの変異が3’UTR(+86)(A/C)、内皮型ヒトNO合成酵素の変異がGlu298Asp(GAG/GAT)、パラオキソナーゼの変異がMet55Leu(ATG/TTG)、CD36の変異がPro90Ser(CCT/TCT)、ケモカインレセプター2の変異がVal64Ile(GTC/ATC)、細胞接着因子1(ICAM1)の変異がLys29Met(AAG/ATG)、マトリックスメタロプロテアーゼ3の変異が5’UTR(1171) A insertion、CD40リガンドの変異がTrp140Cys(TGG/TGC)、Ser184Term(TCG/TAG)、アクチン結合蛋白(SM22)の変異がLys419Arg(AAG/AGG)、Ala449Glu(GCG/GAG)、Gly892Asp(GGT/GAT)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素の変異がAla222Val(GCC/GTC)、組織メタロプロテアーゼインヒビター−1の変異がPhe124Phe(TTC/TTT)からそれぞれ選択される請求項5に記載のキット。
- アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、インスリン・レセプター、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプター、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、組織メタロプロテアーゼインヒビター−1各々の変異型遺伝子の点突然変異または数塩基の挿入または欠失を含む配列に由来し、配列番号79〜579に示す塩基配列のうち、ネガティブコントロールを除くいずれかのオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項6記載のキット。
- 支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別するために用いられる、被検者由来の核酸を増幅するためのプライマーセットであって、
アドレナリン・レセプターβ3、アドレナリン・レセプターβ2、ペルオキシソーム・プロリファレーター・アクチベーティッド・レセプターγ2、レプチン・レセプター、レプチン、プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター1、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1α、ヘパティック・ニュークレアー・ファクター1β、ニューロ・ペプチド・Y、アンカップリング・プロテイン1、アンカップリング・プロテイン2、アンカップリング・プロテイン3、GTP・バインディング・プロテイン3、ファティー・アシッド・バインディング・プロテイン2、プロ・オピオメラノコルチン、コカイン・アンド・アンフェタミン・レギュレイティッド・トランスクリプト、プロテイン・フォスファターゼ1・グリコーゲン・レギュレイティッド・Gサブユニット、インスリン・レセプター・サブストレイト1、インスリン・レセプター、メラノコルチン−4・レセプター、コレシストキニン−A・レセプターアンジオテンシノーゲン、アンジオテンシンIIレセプター、内皮型ヒトNO合成酵素、パラオキソナーゼ、CD36、ケモカインレセプター2、細胞接着因子1(ICAM1)、マトリックスメタロプロテアーゼ3、CD40リガンド、肝細胞増殖因子、アクチン結合蛋白(SM22)、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素、及び組織メタロプロテアーゼインヒビター−1の各々の遺伝子配列の一部に相当する配列番号1〜78から選択される塩基配列を有するオリゴヌクレオチド対からなるプライマーセット。 - 支持体に固定化された複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドと、被検者由来の核酸とのハイブリダイゼーションを行うことにより、遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病の遺伝的リスクを判別する方法であって、
前記遺伝性の心血管系疾患、肥満および生活習慣病は、それぞれの疾患に関与する遺伝子の多型が発症と相関し、
前記複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記のそれぞれの疾患毎に選ばれる少なくとも一つの遺伝子の多型の有無を検出し得る、野生型遺伝子及び多型を含む遺伝子のそれぞれの配列に由来するオリゴヌクレオチド対を含み、
前記キャプチャーオリゴヌクレオチドは、対応する疾患毎にグループ分けされて支持体上に配置され、
前記ハイブリダイゼーションにより、被検者由来の核酸と完全に一致する塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを同定することを特徴とする方法。
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