JP2004109532A - 撮影レンズ - Google Patents

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Yoji Kubota
久保田 洋治
Toshio Matsui
松井 俊雄
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Abstract

【課題】光学性能を維持しながら焦点距離を短くすることのできる、小型で廉価な撮影レンズを提案すること。
【解決手段】撮影レンズ100は、物体側に凸面を向けたプラスチック製の正の屈折力を有する1群1枚のレンズ構成であり、その内部には開口絞り4を設けてある。また、両側のレンズ面1、2の少なくとも一方のレンズ面を非球面としてある。さらに、その焦点距離f、物体側のレンズ面の曲率R1との関係が、
0.35f < R1 < f
を満足している。この構成の撮影レンズ100によれば、1枚のレンズを用いて、球面収差、正弦条件、非点収差、像面湾曲を整え、充分な周辺光量を確保した上で、上光線と下光線とを瞳の位置で整えて倍率の色収差を除くことが可能になる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCDやCMOS等の受光素子を用いた車載用カメラ、監視用カメラ、デジタルカメラ、携帯電話機搭載カメラ等に用いられる小型で軽量な撮影レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の受光素子を用いた監視カメラや携帯電話機搭載カメラ等に組み込まれている撮影レンズは、忠実な被写体の再現性を備えていることが望ましい。また、最近では、CCD自体やCCDカメラなどの撮影機が小型化されてきており、これに伴って、それらに組み込まれている撮影レンズも必然的に小型化、コンパクト化の要求が高まってきている。さらに、CCD等の受光素子の高画素化に伴って、それを用いたカメラに使用される撮影レンズも必然的に高い光学性能を発揮できるものでなければならない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、撮影レンズの光学性能を高めるためには、すなわち、画像の再現性および画質を高めるためには、撮影レンズの収差を良好に補正する必要があり、このためには、多くのレンズ枚数が必要となってくる。従って、光学性能を維持しながら焦点距離を短くして小型で廉価な撮影レンズを得ることは非常に困難である。
【0004】
本発明の課題は、忠実で高品質の画質を得ることができる小型で廉価な撮影レンズを提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮影レンズは、物体側に凸面を向けたプラスチック製等の正の屈折力を有する1群1枚あるいは1群2枚のレンズ構成となっている。また、そのレンズ内部には開口絞りを設けてある。さらに、その両側のレンズ面の少なくとも一方のレンズ面を非球面としてある。さらにまた、本発明の撮影レンズでは、その焦点距離をf、物体側のレンズ面の曲率をR1としたとき、曲率R1が次の条件式を満足するように設定されている。
0.35f < R1 < f
この条件式は、全長を規制し、球面収差を整えコマ収差などの軸外の収差の補正を容易に行えるようにするためのものである。すなわち、曲率R1が上限値fを超えるとレンズの物体側のレンズ面から結像面までの全長を短くすることができるが、軸外の収差補正ができなくなる。曲率R1が下限値0.35fを下回るとレンズの物体側のレンズ面から結像面までの全長が長くなると同時に物体側レンズ面の面加工も難しくなる。
【0006】
このように構成した本発明の撮影レンズによれば、1枚あるいは2枚のレンズを用いて、球面収差、正弦条件、非点収差、像面湾曲を整え、充分な周辺光量を確保した上で、上光線と下光線とを瞳の位置で整えて倍率の色収差を完全に除くことが可能になる。よって、光学性能を維持しながら焦点距離の短い、小型で廉価な撮影レンズを実現できる。
【0007】
ここで、前記レンズの像面側のレンズ面は凸面あるいは凹面のいずれかにすればよい。
【0008】
また、前記レンズがプラスチックレンズの場合には、前記開口絞りを、インサート成形によりプラスチックレンズの内部に埋設することができる。この代わりに、前記開口絞りを、前記レンズの外周面に形成した所定深さの円環状の溝によって規定してもよい。さらに、レンズを前側レンズと後側レンズを接合した構成の複合レンズとし、これら前側レンズおよび後側レンズの接合面に前記開口絞りが挟み込まれた構成を採用してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した1群構成の撮影レンズの各実施例を説明する。
【0010】
【実施例1】
図1には本発明を適用した実施例1に係る撮影レンズを示してある。本例の撮影レンズ100は、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するプラスチックレンズからなり、その内部には開口絞り4が形成されている。また、撮影レンズ100の物体側のレンズ面1は物体側に凸の凸面とされ、その像面側のレンズ面2は像面側に凸の凸面とされている。これらのレンズ面1、2は共に非球面とされている。第2レンズ面2と結像面6の間には、カバーガラス5およびローパスフィルタ7が配置されているが、これらの双方あるいは一方が省略される場合もある。
【0011】
ここで、本例の撮影レンズ100の全光学系のレンズデータは次の通りである。
Fナンバー:3.5
焦点距離f=3.646mm
また、表1には本例の撮影レンズの各レンズ面のレンズデータを表示してあり、表2にはレンズ面1、2の非球面形状を規定するための非球面係数を表示してある。
【0012】
【表1】
Figure 2004109532
【0013】
【表2】
Figure 2004109532
【0014】
表1において、iは物体側より数えたレンズ面の順番を示し、Rは各レンズ面の曲率を示し、dはレンズ面間の距離を示し、Ndは各レンズの屈折率を示す。また、レンズ面の順番iに星印(*)が付いているレンズ面は非球面であることを示している。
【0015】
レンズ面に採用する非球面形状は、光軸方向の軸をX、光軸に直交する方向の高さをH、円錐係数をk、非球面係数をA、B、C、Dとすると、次式により表わされる。表2には実施例1における非球面形状を規定しているこれらの係数値を表示してある。
【0016】
【数1】
Figure 2004109532
【0017】
なお、各記号の意味、および非球面形状を表す式は実施例2についても同様である。
【0018】
図5は、実施例1の撮影レンズ100における諸収差を示す収差図である。図において、SAは球面収差、OSCは正弦条件、ASは非点収差、DISTはディストーションを表す。非点収差ASにおけるTはタンジェンシャル、Sはサジタルの像面を表している。また、図面の左側に記した収差図は横収差を示しており、倍率の色収差を知ることができる。これらの記号の意味および横収差を示す収差図については、実施例2の諸収差を示す収差図においても同様である。
【0019】
【実施例2】
図2は本発明を適用した実施例2に係る撮影レンズの構成図である。本例の撮影レンズ110は、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するプラスチックレンズからなり、その内部には開口絞り14が形成されている。また、撮影レンズ110の物体側のレンズ面11は物体側に凸の凸面とされ、その像面側のレンズ面12は像面側に対して凹となっている凹面とされている。これらのレンズ面11、12は共に非球面とされている。また、第2レンズ面12と結像面16の間には、カバーガラス15およびローパスフィルタ17が配置されているが、これらの双方あるいは一方が省略される場合もある。
【0020】
本例の撮影レンズ110の全光学系のレンズデータは次の通りである。
Fナンバー:3.5
焦点距離f=3.61mm
表3には本例の撮影レンズの各レンズ面のレンズデータを表示してあり、表4にはレンズ面11、12の非球面形状を規定するための非球面係数を表示してある。また、図6にはその諸収差を示してある。
【0021】
【表3】
Figure 2004109532
【0022】
【表4】
Figure 2004109532
【0023】
(開口絞りの形成方法)
上記の各実施例では撮影レンズ100、110の内部に開口絞り4、14を一体成形してある。例えば、インサート成形によって開口絞りをレンズ本体内に埋設した構成とすればよく、本願人による特開2000−344554号公報に記載されているホルダ付きモールドレンズの成形方法において、ホルダの代わりに、開口絞りをインサート部材として用いればよい。あるいは、開口絞りの付いたホルダをインサート部材として用いてもよい。
【0024】
インサート成形の代わりに、図3に示すように、例えば実施例1の撮影レンズ100の外周面に所定深さの円形溝24を形成してもよい。この円形溝24が上記の開口絞り4と同様に機能する。
【0025】
また、図4に示すように、例えば、実施例1の撮影レンズ100を、物体側の前側レンズ10と結像面側の後側レンズ20とを接合した1群2枚構成のレンズとし、これらのレンズにおける光軸100Aに直交する接合面3の間に円環状の開口絞り34を挟んだ状態で双方のレンズ10、20を接合してもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の撮影レンズは、1群1枚構成あるいは1群2枚構成のレンズであり、その両側のレンズ面の少なくとも一方が非球面とされ、レンズ内部には開口絞りが設けられている。さらに、その焦点距離fと物体側のレンズ面の曲率R1とが所定の関係を保持するように設定されている。
【0027】
本発明の撮影レンズによれば、周辺光を犠牲にすることなく、忠実で高品質な画像が得られるように収差補正を行うことができ、特に倍率の色収差を除去できる。しかも、その光学系を短小でコンパクトに構成することができる。
【0028】
従って、本発明による撮影レンズは、小型でコンパクトで廉価に製造できると同時に、充分な周辺光量を確保した上で倍率の色収差が補正されるので、高画質のCCDを用いたカメラ等に対応可能な撮影レンズとして用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例1に係る撮影レンズの構成図である。
【図2】本発明を適用した実施例2に係る撮影レンズの構成図である。
【図3】本発明の撮影レンズにおける開口絞りの形成方法の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の撮影レンズにおける開口絞りの形成方法の別の例を示す説明図である。
【図5】図1に示す撮影レンズの収差図である。
【図6】図2に示す撮影レンズの収差図である。
【符号の説明】
1、11  物体側のレンズ面
2、12  像面側のレンズ面
3、13  レンズ接合面
4、14、24、34  開口絞り
5、15  カバーガラス
6、16  結像面
7、17  ローパスフィルタ
10 前側レンズ
20 後側レンズ
100、110 撮影レンズ
100A  光軸

Claims (7)

  1. 物体側に凸面を向けたレンズと、
    このレンズの内部に形成した開口絞りと、
    前記レンズにおける両側のレンズ面のうち、少なくとも一方のレンズ面に形成した非球面とを有し、
    前記レンズの焦点距離をf、前記レンズにおける物体側の前記レンズ面の曲率をR1とすると、
    0.35f < R1 < f
    の条件式を満足することを特徴とする撮影レンズ。
  2. 請求項1において、
    前記レンズの両側のレンズ面が共に非球面であることを特徴とする撮影レンズ。
  3. 請求項1または2において、
    前記レンズの像面側の前記レンズ面は凸面あるいは凹面であることを特徴とする撮影レンズ。
  4. 請求項1、2または3において、
    前記レンズはプラスチックレンズであることを特徴とする撮影レンズ。
  5. 請求項4において、
    前記開口絞りは、インサート成形により前記プラスチックレンズの内部に埋設されていることを特徴とする撮影レンズ。
  6. 請求項1、2、3または4において、
    前記開口絞りは、前記レンズの外周面に形成した所定深さの円環状の溝によって規定されていることを特徴とする撮影レンズ。
  7. 請求項1、2、3または4において、
    前記レンズは前側レンズと後側レンズを接合した構成の複合レンズであり、
    これら前側レンズおよび後側レンズの接合面に前記開口絞りが挟み込まれていることを特徴とする撮影レンズ。
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