JP2004109613A - 演奏判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】練習の結果を具体的に評価できるようにして、無理なくグレードアップできるようにする。
【解決手段】成績判定部7は演奏結果と演奏指示とを比較して演奏を評価する。特に、演奏のタイミングに関する評価を行い、リズム感や演奏の滑らかさ等を判定する。演奏結果は成績表作成部8に入力されて成績のグラフが作成される。グラフは、リズム感、キーオン・キーオフタイミング等、複数の項目を一覧でできるようなものにする。グラフは演奏指示の画面14上に表示して、演奏指示と演奏結果の評価とを併せて確認できるようにする。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏判定装置に関し、特に、予め準備された演奏データに基づいて行われる演奏指示通りに演奏できたかどうかを具体的に評価することができる演奏判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記憶媒体に記憶された演奏データをパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)で再生して画面上に順次譜面を表示して演奏指示をする装置が知られる。例えば、特開平9−305171号公報には、楽音の押鍵時間に対応した長さのスクロールバーを、画面に表示された鍵盤図形上の押鍵すべき鍵に対応して表示し、このスクロールバーを自動演奏データの再生に従って鍵盤図形に近付けていくようにスクロールさせる演奏指示装置が開示されている。
【0003】
この演奏指示装置によれば、前記スクロールバーの長さによって押鍵時間を直感的に認識できるし、スクロールバーと鍵盤図形との距離によって演奏タイミングを予測することができる。また、押鍵タイミングの異なる複数のスクロールバーを同時に表示しているので、現在押鍵している演奏データのあとに続く演奏データを予知でき、スムーズな演奏が期待できる。
【0004】
スクロールバーは、練習者が正しい音高で弾いたときに先へスクロールされ、練習者が正しい音高で弾くまでは次の演奏指示へ進まずに待機する。この方法によって、1音毎に正しい音高で弾けたかどうかを確かめながら着実に練習を先へ進めることができる。しかし、演奏が画一的で、演奏のバリエーションが許容されないため、演奏を楽しむという点で不十分である。
【0005】
そこで、演奏データ通りに演奏しなくても、所定の音高データの範囲内に入っていれば曲が進行するようにした演奏判定装置が提案されている(特開2002−175072号公報)。この公報には、難易度の高い曲の判定を甘くしたり、同じ演奏データでも年齢や技量などにより、判定方法や判定基準を調整して音楽を楽しみながら演奏技術を習得できることも開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来は、1音ずつ演奏を確認しながら練習をして押鍵の順序を会得し、続いて、伴奏やメトロノーム音に合わせて演奏することで、最終的に練習者がリズムに乗った自然な演奏をできるように考えられていた。
【0007】
しかし、1音ずつ音を確認しつつ演奏する極めて簡単な練習と、伴奏やメトロノーム音に合わせて演奏する高度な練習とでは、両者の難易度が違いすぎて練習者が付いていけないことが多い。
【0008】
練習者の技量を細かく判定できれば、練習の判定方法や判定基準を精度良く調整して、練習者が無理なく演奏でき、かつ上達も見込める。しかし、従来は、音高が見本通りになっているかどうかだけで判定方法や判定基準を調整していた。
【0009】
したがって、練習者の演奏結果を多角的に判断して技量を認識し、その技量に基づいて判定方法や判定基準を決定することができるシステムが望まれる。
【0010】
本発明は、上記要望に応え、練習者の演奏結果を多角的に判断して練習者の技量を高い精度で判定できる演奏判定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決し、目的を達成するための本発明は、演奏指示手段によって表示された演奏指示に従って、指示通りの音高で行われた演奏を評価する演奏判定装置において、前記演奏の結果として演奏のタイミングに関する情報を記憶する演奏結果記憶手段と、前記演奏のタイミングに関する情報を、演奏指示に含まれる演奏のタイミングに関する情報と比較してその差を検出する判定手段と、前記判定手段で検出された差の大きさに応じて演奏を評価する評価手段とを具備した点に第1の特徴がある。
【0012】
また、本発明は、前記演奏のタイミングに関する情報として各演奏楽音毎に複数項目が記憶され、前記評価手段が、前記複数項目のうち最大評価された項目をすべての演奏楽音について抽出し、その平均値によって演奏を評価するように構成された点に第2の特徴がある。
【0013】
また、本発明は、前記演奏のタイミングに関する情報が、キーオンタイムおよびキーオフタイム、並びにゲート時間およびステップ時間を含んでいる点に第3の特徴がある。
【0014】
第1〜第3の特徴によれば、演奏のタイミングに関する情報を、実際の演奏と演奏指示とで比較して演奏を評価する。したがって、単に音高が演奏指示と一致しているかを判断して評価するのと違い、演奏者のリズム感覚を判定できるとともに、演奏の緻密さも判定することができる。
【0015】
特に、第2の特徴によれば、演奏のタイミングに関する情報に基づいて判断される複数の評価項目で演奏が評価され、かつ演奏を通したすべての楽音をもとに評価されるので、技量の詳細な判定が可能である。
【0016】
また、本発明は、前記演奏タイミングに関する情報が、実際の演奏時間と演奏指示通りの演奏時間との比の値をさらに含んでいる点に第4の特徴がある。第4の特徴によれば、個々の演奏指示に従って演奏できているかの評価ではなく、全体的に演奏指示についていけたかを判定することができる。
【0017】
また、本発明は、前記演奏の評価が演奏のタイミングに関する複数項目の情報毎の評価であって、該情報毎の評価を総合的にグラフ表示する手段を備えた点に第5の特徴がある。第5の特徴によれば、複数の項目が総合的に表示されるので、演奏者の長所・短所を容易に理解できる。
【0018】
さらに、本発明は、前記グラフ表示が演奏指示表示とを同画面に表示する点に第6の特徴がある。第5の特徴によれば、表示された演奏指示を見ながら、それに対応する演奏の評価を確認することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る演奏判定装置を含む演奏独習装置の構成を示すブロック図である。同図において、パソコン1は、パソコン本体11と、入力装置としてのキーボード12およびマウス13と、出力装置としてのディスプレイ14とを備える。パソコン本体11は、ハードディスクやROM・RAM等を有する周知の構成のものを使用できる。MIDI信号を入出力できるインタフェースを備えるのが好ましい。
【0020】
鍵盤楽器2は鍵盤21とサウンドシステム22とを備える。鍵盤21は押鍵および離鍵を検出する検出回路23と、押鍵および離鍵の検出情報に応じて楽音を生成する音源装置24とを備える。検出回路23で鍵盤21の押鍵・離鍵が検出されると、音源装置24で楽音が生成され、サウンドシステム22を通じて出力(発音)される。鍵盤楽器2にもMIDIインタフェースを備えるのがよい。鍵盤楽器2の全体動作は、図示しないマイクロコンピュータで制御される。
【0021】
パソコン本体11と鍵盤楽器2は、互いに信号を送受信することができるように、図示しないインタフェース(例えば、MIDIインタフェース)を介して接続される。
【0022】
上記演奏独習装置において、練習曲は外部から供給することもできるし、予めハードディスク等に格納しておくことができる。練習曲は音高データ(ノートナンバ)、押鍵・離鍵データ(キーオンタイム、キーオフタイム)、音量、ベロシティ、テンポデータ等の演奏データとして準備される。演奏データには上記データ以外のものも含められるが、本発明の要部ではないので説明は省く。
【0023】
選択された練習曲は曲の最初から再生するのに限らず、曲の途中から再生しても良い。練習する部分は自動的に指定できるし、演奏者自身によって手動で指定することもできる。練習箇所は、所定範囲(ユニットと呼ぶ)毎に指定できる。ユニットは1ないし複数の小節からなり、習熟の程度つまりグレードが高くなるにつれて1ユニットを構成する小節数は多くなる。
【0024】
なお、ここでは、ユニットを複数の小節で構成したものとして説明するが、ユニットの構成は任意であり、小節に限らず、任意の範囲の楽音情報で構成することができる。要は、グレードが高くなるほど長い演奏を一気に練習できるように広い範囲の楽音情報を含むようにユニットを構成してあればよい。例えば、一つないし複数のモチーフやフレーズを一つのユニットとすることによって、音楽的には自然な練習が可能である。
【0025】
自動でユニットを指定する場合、練習するユニットは、予定された進行に従って自動的に指定される。例えば、演奏結果に基づいて習熟度がパソコン1で自動判定され、その習熟度が合格基準に達したものは重複して練習しないように配慮してユニットが指定される。一方、手動でユニットを指定する場合は、演奏者自身が練習したいユニットを任意に指定できる。また、演奏者自身によるユニット指定のモードを解除して自動的に指定できるモードに戻ることもできる。モード選択画面は、所定の時期にディスプレイ14に表示させるよう、演奏データに含めることができる。
【0026】
図3は、レッスンメニューの一例であり、楽譜に対応したグレード毎のユニットを示す図である。同図において、ディスプレイ14上に表示された12小節分の楽譜について、グレード毎にユニットが設定されている。曲が長い場合はこの画面をスクロールして曲の最後まで表示させることができる。また、画面のスクロールに代えて、表示幅の拡大や縮小により、任意に曲の部分もしくは全体を表示させるようにしてもよい。例えば、画面左下の「+」,「−」のボタンを操作して画面の拡大縮小をすることができる。
【0027】
演奏の習熟度が高い方から順にグレード▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼とし、各グレードに応じてサイズを変えたユニットを設定している。すなわち、最も低いグレード▲5▼では2小節で1ユニットを構成し、その次に高いグレード▲4▼では4小節で1ユニットを構成している。このように、グレードが高くなるにつれて1ユニットを構成する小節数を多くしている。
【0028】
レッスンメニューは、演奏結果に基づく成績を一目で見ることができる成績表であると同時に、次に練習すべきユニットの表示でもある。すなわち、指定されたユニットの演奏が終了すると、演奏結果が演奏データと比較されて成績が決定される。そして、その成績はランクを表す文字でレッスンメニューに表示されるとともに、合格基準に達していないユニットは再度指定される。
【0029】
図3の例では、グレード▲5▼の第1小節および第2小節からなるユニットU1の練習が終わり、第3小節および第4小節からなるユニットU2が次に練習すべきユニットとして表示されている。演奏が終わったユニットには成績が表示される。成績は、ランク順にS,A,B,C,Dの文字で表示される。合格基準に達したユニットU1,U3にはランク「S」と合格を示す帯が表示される。但し、このランク付けは一例であり、ランクの区分けは任意に設定できるし、合格基準はグレードが上がるにつれて高くすることもできる。合格基準に達しなかった場合は、ユニットの指定は更新されないで、同じユニットが再び指定される。
【0030】
ユニットを自動的に指定するモードでは、合格点に達していないユニットのうち、同じグレード中で早い時期に演奏されるユニットが指定される。
【0031】
また、同一の楽音情報を有するユニットは一括して成績管理されるので、例えば、図においてユニットU1が合格点に達することにより、このユニットU1と同じ楽音情報を有する第9小節および第10小節からなるユニットU3も練習済み、つまり成績の表示に変わる。したがって、習熟したユニットの重複練習が回避される。
【0032】
指定されたユニットの演奏データが再生されて、この演奏データに基づいて後述のような押鍵指示がディスプレイ14に表示される。演奏者はその押鍵指示の表示に従い、ユニット毎に演奏の習熟度が高まるまで、つまり所定の合格判定がなされるまで繰り返し練習することができる。
【0033】
現在練習中のグレードについて全ユニットが合格判定された場合は、その上のグレードで、よりサイズの大きいユニットが指定され、その演奏データが再生される。例えば、グレード▲5▼が合格した場合、グレード▲4▼に進んでユニットU4が指定されて演奏データが再生される。グレード▲4▼ではグレード▲5▼の倍の数の小節を一気に練習するようになる。グレードが上がる程、難易度つまりテンポや合格基準を上げるようにしておくことで、習熟度に応じた、より高度な練習が可能になる。グレードの判定についてはさらに後述する。
【0034】
一方、手動モードで練習する場合は、任意のユニットを指定して演奏データを再生できるので、繰り返し、納得いくまで練習できる。但し、手動モードにおいても、全く任意にユニットを指定できるようにすると練習の成果が上がりにくいので、例えば、成績が合格点に達するまではグレードが上げられないようにするのがよい。つまりグレード中の全てのユニットが合格点に達するまでは、現グレード中のユニットだけを指定でき、上位のグレードのユニットは指定できないようにする。
【0035】
各ユニットは、次のようなデータ構造を有することができる。各ユニットのデータとして、ユニット成績情報、リンク情報、および成績情報を含めることができる。
【0036】
ユニット成績情報は、ユニット毎の練習成績であり、ハイスコアやアベレージスコア、成績の登録日時などを含めることができる。同じ楽音情報のユニットは共通のユニット成績情報で管理される。ユニークなIDを有し、ユニットの識別を可能にしている。
【0037】
リンク情報は、ユニット毎のリンク情報であり、曲先頭からのユニットの先頭位置および終端位置(いずれも時間情報)と、同じ楽音情報を有する複数のユニットをリンクするリンク用IDとを有する。成績情報は、曲全体の、グレード毎およびユニット毎のリンク情報の配列情報を有する。
【0038】
次に、フローチャートを参照して演奏独習装置の処理を説明する。図4は、メインフローチャートである。ステップS1では、ディスプレイ14に画像を表示するためのVRAMやタイマのクリア等を含むパソコン1の初期化を行う。ステップS2では、練習曲を選択する。例えば、ディスプレイ14に練習曲のリストを表示し、演奏者はキーボード12やマウス13を使って曲を選択する。曲の選択がされたならば、ステップS3に進み、ユニットの指定つまり曲のレッスン部分の指定を行う。
【0039】
ユニットの指定は、選ばれた曲の演奏データのどの部分を練習対象とするかを指定するもので、演奏データに基づくレッスンメニューをディスプレイ14に表示し、そこに、練習するユニットを明示する。ユニットの指定は演奏データ中に記述されているデータに従って自動的に行うことができるが、マウス13等の入力装置を使って手動で行うようにすることもできる。ユニットが設定されたレッスンメニューの例は図3に示した。
【0040】
ステップS4では、レッスンを開始する。レッスンは自動開始するのでも良いし、キーボード12やマウス13を使って手動開始させるのでもよい。ステップS5では、演奏データに従って生成された押鍵指示をディスプレイ14上に表示する。押鍵指示の表示例は図8に関して後述する。
【0041】
ステップS6では演奏データに含まれる楽音、つまり伴奏音やメトロノーム音を再生する。再生音は鍵盤楽器2の音源装置24やサウンドシステム22を用いて発音することができる。ステップS7では、演奏者による演奏結果(キーオンナンバ、キーオンタイム、キーオフタイム、ベロシティ)をパソコン1に取り込む。成績判定のためである。パソコン本体1に取り込まれた演奏結果はRAM等の記憶装置に書き込まれる。演奏結果の音高は1音ずつ演奏データと比較され、演奏データの指示音高と、演奏結果の音高とが一致した場合に演奏データの再生は次に進んで演奏指示が進行するが、両者が一致しない場合は演奏データの再生を次に進ませない。音高が一致していない演奏結果は、音高が一致した演奏結果が取り込まれた時点で、上書きされて消去される。ステップS5〜S7はタイマ割り込み処理で行われる。
【0042】
ステップS8では、レッスンが終了したか否かを判断する。指定されたユニットの演奏データについてすべて演奏されたつまりデータエンドとなった場合にステップS8は肯定となり、ステップS9に進む。レッスンが終了していない場合はステップS5に進む。
【0043】
ステップS9では、成績判定が行われる。成績判定では、前記ステップS7で読み込まれた演奏結果つまり演奏者による実際の押鍵結果が演奏データと比較され、その一致の程度で成績が決定される。比較内容はキーオンタイム、キーオフタイム、ベロシティである。指示音高と音高が一致する演奏結果だけが蓄積されているので、音高は成績判定には含めない。但し、指示しない音高で弾かれた場合は、ミスタッチとして計数され、合格基準回数と比較されて成績に反映される。これらの比較結果によりテンポ評価、オンタイミング評価、オフタイミング評価、リズム評価、音量評価、ミスタッチ評価を個別に行い、これらの総合判定により前記ランクS〜Dを決定する。なお、これらの評価項目は一例であり、さらに細かく評価してもよいし、これらより少ない数の項目で評価を行ってもよい。
【0044】
ステップS10では、成績を表示する。ランクはレッスンメニュー上に表示させるとともに、個別の評価を一体にまとめた総合評価はランク表示とは別にグラフを用いて押鍵指示表示にスーパーインポーズさせることができる。ステップS11では、上記成績判定の結果、当該ユニットに関して合格基準に達したか否かが判断される。合格基準に達していれば、ステップS3に進んで次に演奏すべきユニットを設定する。合格の場合はステップS12に進んで練習続行か否かの判断がなされる。練習続行ならばステップS3に進む。一方、不合格の場合はステップS13に進んで練習続行か否かの判断がなされる。練習続行の判断はキーボード12等による演奏者の練習続行指示の有無に基づいて行うことができる。
【0045】
図5は、演奏データの一例を示す図である。この演奏データは押鍵毎の押鍵指示の進行判定、および指定部分の演奏終了時における成績判定で演奏結果と比較される。同図において、演奏順に並んだ指示楽音A1〜ANに関して、ノートナンバ、見本キーオンタイム、見本キーオフタイム、および見本ベロシティが設定されている。
【0046】
図6は、記憶装置に蓄積された演奏結果の一例を示す図である。前記指示楽音A1〜ANに対する演奏楽音B1〜BNに関して入力キーオンタイム、入力キーオフタイム、および入力ベロシティが記憶装置に書き込まれている。演奏結果は1音ずつリアルタイムで書き込まれる。見本ノートナンバと異なる音高で弾かれた場合、ミスタッチとして計数され、各楽音毎にミスタッチ(入力ミス)回数が書き込まれる。
【0047】
図7は、総合評価のための根拠になるサブ評価の一例を示す図である。同図において、テンポ率は、指示楽音A1の見本キーオンタイムから指示楽音ANの見本キーオフタイム(見本キーオンタイムであってもよい)までの時間と、演奏楽音B1の入力キーオンタイムから演奏楽音BNの入力キーオフタイム(キ入力ーオンタイムでもよい)までの時間の比の値である。つまり、見本演奏時間に対して実際の演奏時間がどれぐらい余計にかかったか、もしくはどれぐらい短時間であったかの指標である。
【0048】
伸縮キーオンタイムおよび伸縮キーオフタイムは入力キーオンタイムおよび入力キーオフタイムをそれぞれテンポ率で除算した値である。つまり、演奏データによるキーオン時間と実際のキーオン時間とを比較できるように入力キーオンタイムおよび入力キーオフタイムをテンポ率に従って伸縮したものである。
【0049】
入力オン評価は、見本キーオンタイムと入力キーオンタイムとの差に応じた評価であり、入力オフ評価は、見本キーオフタイムと入力キーオフタイムとの差に応じた評価である。差の大きさに応じて1〜5の評価がなされる。
【0050】
入力ステップ評価は、直前の楽音からキーオンタイムまでの時間を、見本キーオンタイムと入力キーオンタイムとに関して比較し、判定した評価である。この入力ステップ評価により楽音間の間の取り方が良好であったか否かを判断できる。
【0051】
入力ゲート評価はキーオン時間つまり入力キーオンタイムから入力キーオフタイムまでの時間を、見本キーオンタイムと見本キーオンタイムまでの時間と比較して評価した値である。
【0052】
また、伸縮オン評価、伸縮オフ評価、伸縮ステップ評価、および伸縮ゲート評価は、それぞれ伸縮された値で、入力オン評価、入力オフ評価、入力ステップ評価、および入力ゲート評価と同様の評価を行った値である。
【0053】
図8は、上記サブ評価に基づく総合評価の一例を示す図である。総合評価は、テンポ、オンタイミング、オフタイミング、リズム、音量、ミスタッチをすべての楽音番号について総合的に判定したものである。テンポ評価は、テンポ率が「1」に近いほど高い評価が与えられる。オンタイミング評価は、楽音番号B1〜BNに関して入力オン評価、入力ステップ評価、伸縮オン評価、および伸縮ステップ評価のうちの最高値を各楽音番号毎に決定し、この最高値を平均した値である。
【0054】
同様に、オフタイミング評価は、楽音番号B1〜BNに関して入力オフ評価、入力ゲート評価、伸縮オフ評価、および伸縮ゲート評価のうちの最高値を各楽音番号毎に決定し、この最高値を平均した値である。
【0055】
また、リズム評価は、合格基準に達した伸縮オン評価が多いほど高くなる評価である。さらに、音量評価は見本ベロシティと入力ベロシティとの差が小さいほど高くなる評価であり、ミスタッチ評価はミスタッチ回数が少ないほど高くなる評価である。
【0056】
上記評価は5段階としたが、評価の区分はこれに限らず、例えば100点満点で評価しても良いし、3段階評価としてもよい。
【0057】
図9は、押鍵指示表示の上に前記総合評価をグラフで表示した図である。同図において、画面の下部に鍵盤図形を表示する。なお、押鍵指示が鍵盤のどの鍵に対応するかを見やすくするために鍵盤図形Kを画面の上下に表示することもできる。楽音の長さを代表する長辺と鍵盤図形Kの鍵の幅の短辺を持つ矩形の押鍵指示マークMが鍵盤図形Kの上方に表示されている。一つの押鍵指示マークMが一つの楽音に対応する。ここでは、2小節分の押鍵指示マークが表示されている。画面は上下が時間軸であり、下部の鍵盤図形Kに近い押鍵指示マークMが、早い時期に弾くべき楽音の指示である。押鍵指示マークMは順に下方に移動し、下端が下部鍵盤図形Kに達した押鍵指示マークMに対応する鍵が次に弾くべき鍵である。押鍵指示マークMのスクロールは、演奏者が正しい音高の鍵を押したときに実行される。しかし、スクロールのタイミングはこれに限らない。例えば、離鍵時に押鍵指示マークMを一つ分スクロールしてもよい。
【0058】
押鍵指示の表示については、本出願人の出願に係る特願2001−352206号明細書に記載のものを適用することができる。押鍵指示の表示はスクロールするものに限らず、曲全体を同時に指示するものであってもよいし、画面の切り替えをして表示を変えてもよい。また、押鍵指示をスクロールする場合、その速度は任意であり、曲のテンポに従ってもよい。
【0059】
押鍵指示マークMが表示された画面に総合評価Gが併せて表示される。総合評価はこの図のように練習者の技量が多角形グラフの輪郭形状や重心のずれで直感的に理解できるようにするのが好ましいが、グラフの種類はこれに限定されない。例えば、棒グラフによっても、どの要素が当該練習者の長所または弱点であるかを容易に認識できる。
【0060】
また、グラフ表示するのは総合評価に限らない。例えば、総合評価の任意の項目を選択し、その項目について各楽音毎の評価を時系列の折れ線グラフ等で表示することができる。これによって、演奏の進行過程での問題箇所を認識することができる。なお、表示させる項目は、表示された前記総合評価のグラフ上でマウス13等で指示して選択するとよい。なお、グラフ表示は押鍵指示マークMが記載されていないスペースに表示してもよいし、押鍵指示表示とは独立した別の画面上に実施してもよい。
【0061】
図1は、演奏独習装置の要部機能を示すブロック図である。同図において、演奏データ記憶部3には、押鍵指示を行うための練習曲の演奏データが記憶される。押鍵指示作成部4は演奏データに従って押鍵指示表示のための情報を作成する。押鍵検出部5は鍵盤21に設けられるセンサまたはスイッチの感知信号に基づいて、キーオンナンバ、キーオンタイム、キーオフタイム、ベロシティを検出する。押鍵指示作成部4は、キーオンナンバと演奏データのノートナンバとが一致したときに次の楽音に関する演奏データを読み込み、押鍵指示表示の情報を更新する。押鍵指示表示のための情報はディスプレイ14に出力されて押鍵指示表示される。
【0062】
押鍵音記憶部6は押鍵検出部5の出力データを取り込んで記憶する。成績判定部7は、押鍵音記憶部6に記憶されている押鍵情報と演奏データとを比較して演奏の評価を行う。成績表作成部8は、演奏の評価に基づいてグラフ等の図表を作成する作成された図表はディスプレイ14に押鍵指示とともに、または個別に表示される。
【0063】
成績判定部7では、指示通りの音高で演奏されなかったことのみで成績を判定するのではなく(音高通り演奏できていることは成績判定の前提条件である)、全体の演奏時間、キーオンタイム、キーオフタイム、押鍵時間(ゲート時間)、楽音間の「間(ま)」つまりステップ時間等、主として演奏タイミングに関する情報を見本のデータと入力データとを比較して評価する。したがって、演奏者の技量を詳細に評価でき、この評価を基準にランクを決定できる。その結果、練習者に真に実力が伴ったときにさらに上のランクへ進むことができる。
【0064】
上述のように、本実施形態では、演奏者の技量を具体的に判定することができる。そして、この判定結果をもとに、評価の基準を変化させていくことができる。例えば、上記グレード▲1▼〜▲5▼はそれぞれ評価の基準が異なる。このグレードの評価基準を、上述の評価方法による評価結果とリンクさせておけば、そのグレードはどの演奏者にとっても妥当性があるものとなる。したがって、低位グレードから順を追って練習すれば、無理なく技量を高めることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1〜請求項6の発明によれば、特に演奏のタイミングに関する情報を見本と比較して演奏の評価が行われるので、リズム感や曲に対する理解の緻密度等、音高通りに演奏できたかの評価では分からない演奏者の技量を判定できる。
【0066】
請求項4の発明によれば、演奏全体のまとまりを判定することができる。請求項5,6の発明によれば、評価を視覚的に認識することができる。特に請求項6の発明によれば、演奏指示表示と対応させて演奏の評価を見ることができる。
【0067】
このように、本発明によれば、演奏者の技量を具体的に判定できるので、練習のグレードを上げていく場合に、この判定結果とリンクさせて各グレード毎に適切な成績評価基準を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る演奏判定装置の要部機能を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る演奏判定装置を含む演奏独習装置のシステム構成図である。
【図3】レッスンメニューの表示例を示す図である。
【図4】本発明の演奏判定装置を含む演奏独習装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】演奏データの一例を示す図である。
【図6】記憶装置に蓄積された演奏結果の一例を示す図である。
【図7】総合評価のための根拠になるサブ評価の一例を示す図である。
【図8】サブ評価に基づく総合評価の一例を示す図である。
【図9】押鍵指示表示の上に総合評価のグラフを表示した画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…パソコン、 2…鍵盤楽器、 3…演奏データ記憶部、 4…押鍵指示作成部、 5…押鍵検出部、 6…押鍵音記憶部、 7…成績判定部、 8…成績表作成部、 12…キーボード、 14…ディスプレイ。

Claims (6)

  1. 演奏指示手段によって表示された演奏指示に従って指示通りの音高で行われた演奏を評価する演奏判定装置において、
    前記演奏の結果として演奏のタイミングに関する情報を記憶する演奏結果記憶手段と、
    前記演奏のタイミングに関する情報を、演奏指示に含まれる演奏のタイミングに関する情報と比較してその差を検出する判定手段と、
    前記判定手段で検出された差の大きさに応じて演奏を評価する評価手段とを具備したことを特徴とする演奏判定装置。
  2. 前記演奏のタイミングに関する情報として各演奏楽音毎に複数項目が記憶され、
    前記評価手段が、前記複数項目のうち最大評価された項目をすべての演奏楽音について抽出し、その平均値によって演奏を評価するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の演奏判定装置。
  3. 前記演奏のタイミングに関する情報が、キーオンタイムおよびキーオフタイム、並びにゲート時間およびステップ時間を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の演奏判定装置。
  4. 前記演奏タイミングに関する情報が、実際の演奏時間と演奏指示通りの演奏時間との比の値をさらに含んでいることを特徴とする請求項3記載の演奏判定装置。
  5. 前記演奏の評価が演奏のタイミングに関する複数項目の情報毎の評価であって、
    該情報毎の評価を総合的にグラフ表示する手段を備えたことを特徴とする請求項2または3記載の演奏判定装置。
  6. 前記グラフ表示が演奏指示表示とを同画面に表示することを特徴とする請求項5記載の演奏判定装置。
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