JP2004110185A - 交通状況解析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】渋滞等の交通状況を自動解析し、人の労力を軽減する交通状況解析装置を提供することを課題とする。
【解決手段】道路上の車両の状況を検出したデータから生成された交通状況情報に基づいて道路の交通状況を解析する交通状況解析装置であって、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成する生成手段(交通状況判定部)7と、様々な交通状況のパターンに対する時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを記憶する記憶手段(パターンデータベース)6を備え、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとのパターンマッチングに基づいて交通状況を解析する解析手段(交通状況判定部)7とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】道路上の車両の状況を検出したデータから生成された交通状況情報に基づいて道路の交通状況を解析する交通状況解析装置であって、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成する生成手段(交通状況判定部)7と、様々な交通状況のパターンに対する時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを記憶する記憶手段(パターンデータベース)6を備え、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとのパターンマッチングに基づいて交通状況を解析する解析手段(交通状況判定部)7とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、渋滞等の交通状況を解析する交通状況解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の台数の過密によって、都市等の各所で渋滞が発生している。特に、大都市の高速道路や帰省時の高速道路での渋滞は、激しく、数十キロにも及ぶ場合がある。また、渋滞は、上記のような自然渋滞の他に、事故、工事、故障等の様々な原因で発生する。ドライバにとっては、これらの渋滞は非常に不快であり、予定も狂ってしまう。そこで、その不快を少しでも解消し、予定を修正するためには、渋滞区間、渋滞を抜けるための所要時間や渋滞の解消時間等の正確な情報を知る必要がある。
【0003】
そのために、高速道路等における自然渋滞の場合、渋滞の先頭地点や渋滞区間等を交通管制センタで把握する必要がある。また、事故、工事、故障等による渋滞の場合、それらの渋滞原因を交通管制センタで把握する必要がある。そこで、渋滞の先頭地点や渋滞区間を判定するために、交通状況を検出し、その交通状況を提示する様々な装置が開発されている。
【0004】
上記装置の中には渋滞情報等の交通状況情報を表示する交通状況表示装置がある(例えば、特許文献1)。この交通状況表示装置では、道路上に沿って所定間隔毎に設置されたカメラによって道路上を撮像し、その撮像した撮像画像から空間平均速度等の空間パラメータを算出するとともに、この空間パラメータから渋滞レベル等の交通状況情報を求める。そして、交通状況表示装置では、この空間パラメータや交通状況情報を表形式及び/又はグラフィック形式で画面表示する。そのため、オペレータは、この交通状況表示装置により様々な数値データや撮像範囲での渋滞レベルの変化等の交通状況を視覚的に認識することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−93079号公報
【0006】
【課題を解決しようとする課題】
しかしながら、上記交通状況表示装置では数値データ等の変化の表示を行うが、その数値データ等の変化に基づいて渋滞の発生、渋滞の先頭地点や渋滞区間等の判定は行わない。したがって、渋滞の発生、渋滞の先頭地点や渋滞区間等の最終的な判定は人(オペレータ)が行う必要がある。そのため、人が変化する数値データ等を見ながら判定しなければならないので、交通状況が激しく変化するときには人によって判定にばらつきが発生し、必ずしも正確な渋滞判定でない場合がある。また、人が時々刻々と変化する画面を長時間見続けて判定しなければならないので、肉体的かつ精神的な負担が大きくなり、過大な労力を要する。
【0007】
そこで、本発明は、渋滞等の交通状況を自動解析し、人の労力を軽減する交通状況解析装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る交通状況解析装置は、道路上の車両の状況を検出したデータから生成された交通状況情報に基づいて道路の交通状況を解析する交通状況解析装置であって、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成する生成手段と、時系列交通状況データに基づいて交通状況を解析する解析手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成し、時間的かつ空間的に幅のある渋滞レベルの変化等に基づいて、渋滞の発生、渋滞の先頭位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等を自動判定する。
【0010】
本発明の上記交通状況解析装置は、様々な交通状況のパターンに対する時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを記憶する記憶手段を備え、解析手段を、時系列交通状況データと記憶手段に記憶されている時系列交通状況パターンとのパターンマッチングに基づいて交通状況を解析するように構成してもよい。
【0011】
この交通状況解析装置によれば、日時、曜日、天候、場所、渋滞原因等に応じた様々な渋滞のパターンに対する時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化で示す時系列交通状況パターンを予め記憶している。そして、交通状況解析装置では、この様々な時系列交通状況パターンと生成した時系列交通状況データとを各々パターンマッチングし、時系列交通状況データにマッチングする時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の発生、渋滞の先頭位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度の他にも渋滞の原因、渋滞の予測等を自動判定する。
【0012】
本発明の上記交通状況解析装置は、解析手段を、渋滞の発生を検出した場合、時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして記憶手段に登録するように構成してもよい。
【0013】
この交通状況解析装置によれば、渋滞の発生を検出した場合には時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして記憶手段に登録するので、蓄積される渋滞のパターンが増加し、渋滞の判定精度が向上する。
【0014】
本発明の上記交通状況解析装置は、解析手段を、交通状況の解析として渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測のうちの少なくとも1つを行うように構成する。
【0015】
この交通状況解析装置によれば、渋滞の発生の検出、渋滞状況の自動判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測のうち少なくとも1つでも装置で自動判定できれば、オペレータが数値データ等に基づいて判定する必要がないので、オペレータにとってはその分の負担が軽減される。
【0016】
本発明の上記交通状況解析装置は、交通状況情報、時系列交通状況データ及び/又は解析手段で解析した交通状況の解析結果を表示する表示手段を備える構成としてもよい。
【0017】
この交通状況解析装置によれば、交通状況情報、時系列交通状況データ及び/又は交通状況の解析結果を表示させることにより、オペレータが渋滞状況等を視覚的に認識することができる。特に、渋滞の判定結果を表示させることにより、オペレータは、一目で渋滞の状況を認識できる。
【0018】
本発明の上記交通状況解析装置は、交通状況情報には、道路上を所定間隔毎に撮像した画像データに基づいて生成された道路上の車両の状況を示す空間パラメータ及び/又は該空間パラメータから求められた情報を含む。
【0019】
この交通状況解析装置によれば、交通状況情報として、道路上の所定間隔毎に設置された撮像手段で撮像した画像データから算出された各撮像範囲における空間平均速度、空間占有率、交通密度等の空間パラメータ及び/又はその空間パラメータから導き出された各撮像範囲における渋滞レベルや車両の通過時間等の情報を用いることにより、道路上の交通状況の変化を正確に示すことができる。
【0020】
本発明の上記交通状況解析装置は、時系列交通状況データを、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を平面情報で示した二次元データとしてもよい。
【0021】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対応する交通状況情報の変化を示す二次元データにより、渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測等を簡単に解析することができるとともに、表示データとしても渋滞の状況を非常に認識し易い。
【0022】
本発明の上記交通状況解析装置は、時系列交通状況データを、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を高さ情報で示した三次元データとしてもよい。
【0023】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対応する交通状況情報の大きさの変化を示す三次元データにより、渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測等を簡単に解析することができるとともに、表示データとしても渋滞の状況を非常に認識し易い。
【0024】
なお、空間パラメータは、道路に沿って所定間隔毎に設置された撮像手段によって撮像された画像データから生成された道路上の車両の状況を示すパラメータであり、例えば、空間平均速度、空間占有率、交通密度等がある。また、交通状況情報は、道路上の交通状況の変化を表すことができる様々な情報であり、例えば、空間パラメータや空間パラメータから導き出すことができる交通状況に関する各種情報である。空間パラメータから導き出すことができる情報としては、例えば、撮像手段の撮像範囲における渋滞レベル(非渋滞、渋滞、停滞)、撮像範囲を走行するのに要する所要時間等がある。また、時系列交通状況データは、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報を示した二次元データ又は三次元データである。また、時系列交通状況パターンは、渋滞等の交通状況のパターンを時間と道路上の位置とに対する交通状況情報を示した二次元データ又は三次元データであり、例えば、渋滞パターンの場合には日時、天候、曜日、事象(事故、工事、故障車、落下物等)等の外的条件別に設定される。また、所定間隔は、道路の形状、交通状況解析装置の解析区間、撮像手段の撮像範囲等を考慮して設定され、撮像手段における道路の長手方向への撮像範囲より短い長さに設定され、例えば、100m、200mである。また、平面情報は、交通状況情報のレベル、率、速度、時間等を色分けや図柄分け(斜線、網掛け等)等により平面で示す情報である。高さ情報は、交通状況情報のレベル、率、速度、時間等に応じて高さを上下させることで示す情報である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る交通状況解析装置の実施の形態を説明する。
【0026】
本発明は、渋滞の状況等の交通状況を自動的に解析するために、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示した時系列交通状況データを生成し、この時系列交通状況データに基づいて渋滞の状況等を自動解析する。さらに、本発明では、渋滞パターン等に対する時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを予め記憶しておき、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとをパターンマッチングすることにより渋滞の状況等を自動解析する。
【0027】
本実施の形態は、本発明に係る交通状況解析装置を高速道路に配備される交通状況解析システムに適用し、この交通状況解析システムにより高速道路における渋滞の情報を交通管制センタに提供する。本実施の形態に係る交通状況解析システムは、高速道路上にカメラが所定間隔毎に設置され、カメラからの画像データに基づいて多次元時系列交通状況データを生成して交通状況を解析する。なお、本実施の形態では、高速道路において自動車の走行する方向を前方側、その逆方向を後方側とする。
【0028】
図2を参照して、交通状況解析システム1で監視する高速道路HWについて説明しておく。
【0029】
高速道路HWは、上下線の片側が走行車線TLと追越車線PLからなる二車線であり、高速道路の起点からの距離を示したキロポストが100m毎に設置されている。また、高速道路HWは、交通管制センタによって管理されており、高速道路上には道路状況を示す表示板等が設置されている。ちなみに、交通管制センタには、高速道路に関する様々な情報をコンピュータによって管理する交通管理システムTSが構築されている(図1参照)。その情報としては、気象情報、渋滞情報、高速道路上の事故、工事、故障車、落下物等である。また、交通管理システムTSでは、高速道路上の表示板や標識の表示を管理しており、速度規制、チェーン規制、渋滞状況や事故、工事、故障車、落下物の情報等の表示を行う。
【0030】
図1及び図2を参照して、交通状況解析システム1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る交通状況解析システムの構成図である。図2は、図1のカメラの撮像範囲を示す模式図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。なお、図2(b)には、説明を簡単にするために、高速道路の上下線の一方側にのみしかカメラを描いていないが、実際には上下線の両側に各々配備されている。本実施の形態では上下線の両側にカメラを各々配置し、上下線を別々に撮影する構成であるが、上下線の中央にカメラを配置し、上下線の両側を撮影する構成でもよい。
【0031】
交通状況解析システム1は、高速道路での渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定、渋滞の予測等を自動的に行い、その結果や解析に用いた多次元時系列交通状況データ等を表示する。そのため、交通状況解析システム1は、カメラ2,・・・、画像処理部3,・・・、データ収集部4、データ処理部5、記憶手段に相当するパターンデータベース6、生成手段と解析手段に相当する交通状況判定部7及び表示部8を備えている。カメラ2,・・・は交通状況解析システム1における渋滞を監視する区間に応じて多数配備され、そのカメラ2,・・・の数に応じて画像処理部3が同数配備される。また、交通状況解析システム1は、高速道路上の事故等の情報や気象情報を収集したりあるいは渋滞情報等を提供するために、交通管理システムTSと接続されている。
【0032】
カメラ2は、高速道路等に一般的に配備されるCCTV[Closed Circuit Television]カメラであり、画像処理部3に接続されている。そして、カメラ2は、30フレーム/秒で撮像した画像データを撮像時刻とともに画像処理部3に送信する。なお、カメラ2,・・・は、交通状況解析システム1の渋滞監視区間に応じて多数配備され、高速道路の全区間に設置されてもよいし、渋滞が多発する区間にのみ設置されてもよいし、あるいは、所定区間毎(例えば、数km毎)にカメラの配備区間と非配備区間とを設けてもよい。また、カメラ2は、画像データとしてアナログデータを出力するアナログカメラでもよいし、あるいは、デジタルデータを出力するデジタルカメラでもよい。
【0033】
カメラ2は、隣接するカメラ2と所定間隔をあけて高速道路HWの上下線の片側の中央の上方に取り付けられ、画像処理部3に通信ケーブルを介して接続される。所定間隔は、図2に示すように、死角ができないように、カメラ2の撮像範囲の前方側の一部が前方側に隣接するカメラ2の撮像範囲の後方側の一部と重なる間隔であり、例えば、100m毎である。ちなみに、道路がカーブの区間では、キロポスト間に数台のカメラ2,・・・が配備される場合がある。
【0034】
カメラ2は、撮像方向を前方側下方に向けて、死角ができないようにかつ前方側のカメラ2の撮像範囲と少なくとも道路面上で重なるように撮像角度が調整されている。また、カメラ2は、幅方向の撮像範囲としては、図2(b)に示すように、走行車線TL及び追越車線PLのみならず、その路肩部分も含めた領域を撮像する範囲である。
【0035】
画像処理部3は、カメラ2毎に設けられ、データ処理部4(コンピュータ)と通信ケーブルを介して接続されている。画像処理部3では、カメラ2から送信されてくる画像データに対して、一定時間毎(例えば、400m秒毎)に背景差分処理、時間差分処理等の画像処理を行う。さらに、画像処理部3では、一定時間毎(例えば、1.2秒毎)に、各種画像処理を施した画像データに基づいて空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度)を算出する。空間パラメータは、走行車線TL、追越車線PL、走行車線TLと追越車線PLとを合わせた二車線全体に対して各々算出される。また、画像処理部3では、一定時間毎に、カメラ2から画像データが送信されてくるか否かでカメラの状態を判定し、送信されてこない場合を故障と判定し、送信されてくる場合を正常と判定する。そして、画像処理部3では、空間パラメータ及びカメラ2の状態を撮像時刻とともにデータ収集部4に送信する。なお、画像処理部3は、各カメラ2に一体で設けられてもよいし、各カメラ2の近傍に設置されてもよいし、あるいは、交通管制センタ内に設置されてもよい。また、画像処理部3では、画像データがアナログデータの場合、そのアナログデータをデジタルデータに変換してから上記処理を行う。
【0036】
空間平均速度は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する各車両の瞬間速度を算出し、各車両の瞬間速度を平均した速度である。空間占有率は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する全車両の全長を求め、その全長の総和の撮像範囲長に対する割合である。交通密度は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する車両の台数を求め、その撮像範囲内における台数である。
【0037】
データ収集部4、データ処理部5、パターンデータベース6、交通状況判定部7及び表示部8は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ(図示せず)上に専用のソフトウエアを動作させることによって構成され、交通状況解析装置として機能している。このコンピュータは、交通管制センタ内に設置され、画像処理部3,・・・と通信ケーブルを介して接続されるとともに交通管理システムTSとも接続されている。なお、本発明に係る交通状況解析装置は、少なくとも、パターンデータベース6及び交通状況判定部7を備える装置である。
【0038】
データ収集部4では、一定時間毎(例えば、1.2秒毎)にカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを全ての画像処理部3,・・・から収集する。そして、データ収集部4では、コンピュータのハードディスク等の記憶装置に、カメラ2(高速道路HW上の設置位置(キロポスト単位)で特定)毎に、撮像時刻順にカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを蓄積する。
【0039】
データ処理部5では、データ処理部4に蓄積されているカメラ2毎のカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを順次取り入れる。そして、データ処理部5では、一定時間毎(例えば、1分毎)に、カメラ2毎の空間パラメータに基づいて撮像範囲における渋滞レベル、所要時間等の交通状況情報を求め、カメラ2毎の交通状況情報を撮像時刻とともにコンピュータのハードディスク等の記憶装置に保持する。なお、交通状況情報は、走行車線TL、追越車線PL、二車線全体及び様々な情報を加味した総合に対して各々求められる。
【0040】
渋滞レベルは、各カメラ2の撮像範囲内での車両の流れを示すものであり、空間平均速度及び空間占有率に基づいて渋滞レベル0〜2の3段階に設定される。渋滞レベル0は、車両の流れとしては渋滞していない状態であり、例えば、空間平均速度が40km/h以上のレベルである。渋滞レベル1は、車両の流れとしては渋滞している状態であり、例えば、空間平均速度が10km/h以上40km/h未満のレベルである。渋滞レベル2は、車両の流れとしては停滞している状態であり、例えば、空間平均速度が10km/h未満のレベルである。所要時間は、各カメラ2の撮像範囲内を車両が通過するのに要する時間であり、ある車両が撮像範囲内を通り抜ける時間を直接計測するか、または、撮像範囲長を空間平均速度で除算することにより求められる。
【0041】
なお、空間パラメータは、上記したように、かなり短い時間毎(例えば、1.2秒毎)で算出されており、各撮像範囲での瞬間的な車両の流れを反映している。そのため、例えば、渋滞中に、前方の車両が進んだにもかかわらず、後方の車両が数秒から数10秒程度停止していた場合、空間平均速度や空間占有率が実際の渋滞の状況を反映していないものとなる。そこで、データ処理部5では、空間パラメータを所定時間(例えば、1分間)収集し、その所定時間内の空間パラメータを平均化して渋滞レベルや所要時間を求めている。さらに、データ処理部5では、渋滞レベルや所要時間の精度を上げるために、図3に示すような二次元時系列交通状況データ等を利用して、総合に対する渋滞レベルや所要時間を求めている。つまり、データ処理部5では、カメラ2の前後の位置のカメラ2,・・・による渋滞レベルや所要時間及び過去(例えば、前回、前々回)の時刻での渋滞レベルや所要時間を考慮して、総合的に渋滞レベルや所要時間を求めている。その結果、車両が流れにそわない走行した場合でも、渋滞レベルや所要時間が瞬間的に変化するようなことがなくなる。
【0042】
パターンデータベース6は、コンピュータのハードディスク等の記憶装置に構成され、渋滞のパターンを示す二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンが日時別、天候別、曜日別、場所別、事象(事故、工事、故障車、落下物、低速車両等)別等で格納されている。二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンは、交通状況判定部7で生成した二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データに基づいて生成されたり、過去の渋滞のデータに基づいて生成されたり、コンピュータによるシミュレーションによって生成される。
【0043】
二次元時系列交通状況パターンは、図3に示す二次元時系列交通状況データと同様のデータ形式であり、道路上の位置として例えば100m毎(キロポスト毎)かつ時間として例えば1分毎の渋滞レベルを示したものである。三次元時系列交通状況パターンは、図5に示す三次元時系列交通状況データと同様のデータ形式であり、道路上の位置として例えば100m毎(キロポスト毎)かつ時間として例えば1分毎の空間平均速度を高さで示したものである。
【0044】
渋滞は、自然渋滞の場合、日時、天候、曜日、場所等によって渋滞の発生位置、渋滞の延伸速度、渋滞区間等の渋滞のパターンがほぼ決まっている。例えば、自然渋滞には、朝の通勤時間帯での自然渋滞、休日の雨の日の昼間の自然渋滞、お正月やお盆の前後での自然渋滞、五・十日の自然渋滞、トンネルを先頭にした自然渋滞、料金所を先頭にした自然渋滞等の様々な渋滞のパターンがある。また、渋滞は、自然渋滞以外の場合、その渋滞の原因となっている事象によって渋滞のパターンがほぼ決まっている。例えば、事故の場合にはその事故の規模(一車線閉鎖、車線閉鎖なし、閉鎖区間の長さ等)や事故の発生日時等に応じて渋滞のパターンがあり、低速車両の場合にはその車両速度に応じて渋滞発生位置が移動する渋滞のパターンとなる。
【0045】
交通状況判定部7では、データ処理部5から全カメラ2,・・・の一定時間毎の渋滞レベルを取り入れ、二次元時系列交通状況データを生成する。そして、交通状況判定部7では、二次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に格納されている様々な渋滞パターンの二次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、マッチングする二次元時系列交通状況パターンがあるか否かを判定する。なお、パターンマッチングとしては、例えば、相関係数等の手法を用いる。
【0046】
マッチングする二次元時系列交通状況パターンがある場合、交通状況判定部7では、渋滞が発生していると判定し、その二次元時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行う。さらに、交通状況判定部7は、二次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する(図3参照)。
【0047】
なお、渋滞の原因としては、自然渋滞、事故、故障車、落下物、工事等がある。また、渋滞の予測としては、渋滞が何km程度まで延びるのか、渋滞が何時頃まで続くのか、渋滞が何時頃から縮小し始めるのか、渋滞が何時頃に解消するのか等がある。予測を行う方法としては、二次元時系列交通状況データが二次元時系列交通状況パターンの渋滞の発生時点からどの部分までマッチングしているかで予測する。例えば、二次元時系列交通状況データが二次元時系列交通状況パターンの渋滞区間の最長部分まではマッチングしていない場合、渋滞がその最長の渋滞区間まで延びると予想する。また、渋滞の先頭位置の判定は、渋滞レベル0から渋滞レベル1又は渋滞レベル2への切り替わる位置により判定する。また、渋滞の末尾位置の判定は、渋滞レベル1又は渋滞レベル2から渋滞レベル0への切り替わる位置により判定する。また、渋滞区間の判定は、渋滞の先頭位置から末尾位置までの区間により判定する。また、渋滞延伸速度は、渋滞の先頭位置が固定の場合には時刻毎の渋滞の末尾位置の変化から算出し、渋滞の先頭位置が移動の場合には時刻毎の渋滞の末尾位置の変化に先頭位置の移動量を加味して算出する。渋滞延伸速度は、プラス値の場合には渋滞が延びており、マイナス値の場合には渋滞が縮小している。
【0048】
二次元時系列交通状況データは、道路上の位置(キロポスト)をX軸、時刻をY軸として、例えば100m単位かつ1分単位からなる平面を渋滞レベルに応じて図柄分け(あるいは、色分け)した二次元データである。図3、図4に示す二次元時系列交通状況データ2D1,2D2では、渋滞レベル0を白抜き、渋滞レベル1を斜線、渋滞レベル2を網掛けで示している。二次元時系列交通状況データ2D1では、渋滞の先頭位置が10キロポスト付近であり、14時04分頃から渋滞が発生し始め、14時10数分頃をピークに、14時30数分頃にほぼ渋滞が解消している。また、二次元時系列交通状況データ2D2では、15時04分頃から渋滞が発生し始め、渋滞の先頭位置が10キロポスト付近から後方に徐々に移動している。なお、二次元時系列交通状況データ2D1,2D2では道路の区間を1km程度でしか示していないが、交通状況判定部7では数km〜数10kmの道路区間に対する二次元時系列交通状況データを生成している。
【0049】
また、交通状況判定部7では、データ収集部4から全カメラ2,・・・の一定時間毎の空間平均速度を取り入れ、三次元時系列交通状況データを生成する。そして、交通状況判定部7では、三次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に格納されている様々なパターンの三次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、マッチングする三次元時系列交通状況パターンがあるか否かを判定する。
【0050】
マッチングする三次元時系列交通状況パターンがある場合、交通状況判定部7では、渋滞が発生していると判定し、その三次元時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行う。さらに、交通状況判定部7では、三次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する。
【0051】
三次元時系列交通状況データは、道路上の位置(キロポスト)をX軸、時刻をY軸、空間平均速度をZ軸として、例えば100m単位かつ1分単位の四角柱の高さを空間平均速度に応じて伸縮させた三次元データである。図5に示す三次元時系列交通状況データ3Dでは、空間平均速度を四角柱の高さで示すとともに、渋滞レベル0に相当する部分を白抜き、渋滞レベル1に相当する部分を斜線、渋滞レベル2に相当する部分を網掛けで示している。
【0052】
さらに、交通状況判定部7では、渋滞区間、渋滞延伸速度や渋滞の予測等に基づいて、その渋滞を通過するのに要する時間を求める。
【0053】
そして、交通状況判定部7では、判定結果等に対して多数決処理あるいは移動平均処理を行う。このような処理を行うのは、交通状況が激しく変わる場合には渋滞の発生判定等の判定結果が判定毎に変わる可能性があるので、判定結果を安定させて、より信頼性の高い判定結果を提供するためのである。
【0054】
また、交通状況判定部7では、渋滞と判定した際に、その渋滞が新たな事象等の外的条件での渋滞の場合、生成した二次元時系列交通状況データを外的条件(日時、天候、曜日、場所、事象等)とともに二次元時系列交通状況パターンとしてパターンデータベース6に登録する。
【0055】
さらに、交通状況判定部7では、渋滞と判定した際に、渋滞先頭位置、渋滞区間、渋滞末尾位置、渋滞延伸速度、渋滞の原因、渋滞の予測、渋滞通過の所要時間等の渋滞情報を交通管理システムTSに送信する。ちなみに、交通管理システムTSは、これらの渋滞情報に基づいて表示板に渋滞状況を表示させる。
【0056】
なお、交通状況判定部7では、交通管理システムTSから事象の情報を取り入れ、ある事象が発生している場合にはその事象に対する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンとのみパターンマッチングを行う。例えば、キロポスト10kmで事故が発生している情報を取り入れた場合、キロポスト10km近傍でのパターンマッチングでは、事故による渋滞のパターンでのみパターンマッチングを行う。また、交通状況判定部7では、交通管理システムTSから気象情報を取り入れ、その気象情報の天候以外に該当する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンをパターンマッチングの対象から除外する。例えば、晴れという気象情報を取り入れた場合、雨という条件を備える渋滞のパターンをパターンマッチングの対象から除外する。また、交通状況判定部7では、パターンマッチングを行っている日時、曜日以外に該当する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンをパターンマッチングの対象から除外する。例えば、昼間の場合、夜間という条件を備える渋滞パターンをパターンマッチングの対象から除外する。このように、パターンマッチングの対象となる二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンを絞り込むことにより、処理量を削減し、効率的に判定を行う。
【0057】
表示部8は、コンピュータのディスプレイ等が利用され、オペレータからの操作に応じて交通状況を示す様々な画面を提供する。表示部8は、図6に示す基本画面8aに様々な交通状況を表示する。基本画面8aは、画面の最上部に画面名称欄8b(例えば、オンライン画面等)を有し、その下方にオンラインボタン8c、オンライン(逐次)ボタン8d、履歴(表)ボタン8e、履歴(グラフィック)ボタン8f、定数ボタン8g、終了ボタン8hを備え、その左方に現在時刻8iを示し、その下方に各画面に応じて交通状況を表示する交通状況表示領域8jを有する。
【0058】
オンラインボタン8cが押されると、オンライン画面表示となる。オンライン画面表示では、一定時間毎(各部での処理に応じて設定される時間毎)にデータ収集部4から空間パラメータやカメラの状態、データ処理部5から交通状況情報、交通状況判定部7から多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込んで、交通状況を交通状況表示領域8jにリアルタイムで表示する。また、オンライン画面表示では、表示形式として、図示しない選択ボタンによりグラフィック形式と表示形式を選択できる。グラフィック形式の場合、図3等で示す二次元時系列交通状況データ2D1等あるいは図5に示す三次元時系列交通状況データ3Dを表示するとともに、渋滞の発生と判定している場合には図3に示す渋滞先頭位置、渋滞末尾位置、渋滞区間、渋滞延伸速度等の渋滞状況、渋滞の原因、渋滞通過の所要時間、渋滞の予測も表示する。渋滞レベルは、図柄分けでなく、色分けで表示される。表形式の場合、各カメラ2,・・・の撮像範囲における空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度等)、交通状況情報(渋滞レベル、所要時間)及び/又はカメラの状態が表形式で表示される。表形式では、表示対象とする情報をオペレータが指定でき、さらに、走行車線TL、追越車線PL、二車線全体、総合に対する情報を全て表示するかあるいは一部のみ表示するかもオペレータが指定できる。なお、グラフィック形式及び表形式は、ともに上下線に分けて片側単位で表示する。
【0059】
オンラインボタン(逐次)8dが押されると、擬似オンライン画面表示となる。擬似オンライン画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、擬似オンライン画面表示では、データ収集部4から指定日時から表示対象期間内の空間パラメータやカメラの状態、データ処理部5から指定日時から表示対象期間内の交通状況情報、交通状況判定部7から指定日時から表示対象期間内の多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込み、その交通状況を交通状況表示欄8jに所定周期毎に順次更新しながら表示する。擬似オンライン画面表示でも、オンライン画面表示と同様に表示形式として図示しない選択ボタンによりグラフィック形式と表示形式を選択でき、オンライン画面表示と同様の形式のものが表示される。
【0060】
履歴(表)8eが押されると、履歴(表)画面表示となる。履歴(表)画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、履歴(表)画面表示では、データ収集部4から指定日時から表示対象期間内の空間パラメータやカメラの状態及び/又はデータ処理部5から指定日時から表示対象期間内の交通状況情報を取り込み、その交通状況を交通状況表示欄8jに一括表示する。履歴(表)画面表示では、オンライン画面表示の表形式と同様のものを、指定日時から表示対象期間分を一括表示する。
【0061】
履歴(グラフィック)8fが押されると、履歴(グラフィック)画面表示となる。履歴(グラフィック)画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、履歴(表)画面表示では、交通状況判定部7から指定日時から表示対象期間内の多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込んで、交通状況を交通状況表示欄8jに一括表示する。履歴(グラフィック)画面表示では、オンライン画面表示のグラフィック形式と同様のものを、指定日時から表示対象期間分を一括表示する。
【0062】
定数ボタン8gが押されると、システム表示画面となる。システム表示画面では、カメラの仕様、渋滞の判定条件等を表示する。
【0063】
終了ボタン8hが押されると、画面表示を終了する。
【0064】
次に、図1乃至図6を参照して、交通状況解析システム1の動作を図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、図1の交通状況解析システムの動作を示すフローチャートである。
【0065】
交通状況解析システム1は、24時間常時稼動しており、下記する処理が繰り返し行われる。
【0066】
高速道路HWに配備された各カメラ2,・・・では、道路上の状況を撮像し、常時、撮像した画像データに撮像時刻を付加して各画像処理部3,・・・に送信する(S1)。
【0067】
各画像処理部3,・・・では、各カメラ2,・・・からの画像データに対して一定時間毎に空間パラメータを算出するのに必要な各種画像処理を施し、さらに、一定時間毎に、この画像処理を施した画像データから空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度等)を算出する(S2)。また、各画像処理部3,・・・では、各カメラ2,・・・から定期的に画像データが送信されてくるか否かでカメラの状態を判定する。そして、各画像処理部3,・・・では、空間パラメータ及びカメラの状態に撮像時刻を付加してデータ収集部4に送信する。
【0068】
データ収集部4では、全ての画像処理部3,・・・から撮像時刻が付加された空間パラメータ及びカメラの状態を収集し、カメラ2毎に撮像時刻順に空間パラメータ及びカメラの状態を蓄積する(S3)。
【0069】
データ処理部5では、データ処理部4からカメラ2毎の空間パラメータを取り入れる。そして、データ処理部5では、一定時間毎に空間パラメータに基づいてカメラ2毎の交通状況情報(渋滞レベル、所要時間等)を求め(S4)、カメラ2毎の交通状況情報を交通状況判定部7に送信する。
【0070】
交通状況判定部7では、全カメラ2,・・・の一定時間毎の渋滞レベルに基づいて二次元時系列交通状況データを生成する(S5)。あるいは、交通状況判定部7は、データ収集部4から全カメラ2,・・・の一定時間毎の空間平均速度を取り入れ、三次元時系列交通状況データを生成する(S5)。
【0071】
そして、交通状況判定部7では、生成した二次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に蓄積されている多数の二次元時系列交通状況パターンとをパターンマッチングし、あるいは、生成した三次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に蓄積されている多数の三次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、渋滞が発生しているか否かを判定する(S6)。さらに、渋滞が発生している場合、交通状況判定部7では、マッチングした二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンから渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行い、さらに、二次元時系列交通状況データあるいは三次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する。
【0072】
そして、表示部8では、二次元時系列交通状況データあるいは三次元時系列交通状況データ等からなる交通状況や渋滞の情報等をリアルタイムで表示する(S7)。また、表示部8では、オペレータからの操作に応じて、過去の指定期間の交通状況や渋滞情報等を表示する。
【0073】
この交通状況解析システム1によれば、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データを生成することにより、交通状況の瞬間的な変化ではなく、時間的かつ空間的に幅のある交通状況の変化に基づいて渋滞に関する様々な情報を自動判定でき、その判定精度も高精度である。また、この交通状況解析システム1によれば、実際の車両の状況を検出したデータから生成した二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データにより、新たな外的条件を備える二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンを自動的に追加していくので、渋滞の原因特定や渋滞予測等の判定精度が更に向上する。
【0074】
また、この交通状況解析システム1では、渋滞に関する様々な判定をコンピュータにより自動判定するので、オペレータの肉体的かつ精神的な労力が軽減される。さらに、この交通状況解析システム1では、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データを画面上で表示するので、オペレータは交通状況の時間的かつ空間的な変化を非常に認識し易い。
【0075】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0076】
例えば、本実施の形態では高速道路に適用したが、一般道路にも適用可能である。
【0077】
また、本実施の形態では1.2秒毎に空間パラメータを算出したが、カメラの撮像タイミング、コンピュータの処理能力等を考慮して、数100m秒から10秒程度毎に算出すればよい。
【0078】
また、本実施の形態では二次元時系列交通状況データ(パターン)を渋滞レベルで示したが、所要時間を時間毎にレベル分けしたもの、空間平均速度を速度毎にレベル分けしたもの、空間占有率を占有率毎にレベル分けしたもの、交通密度を密度毎にレベル分けしたもので二次元時系列交通状況データ(パターン)を示してもよい。また、本実施の形態では三次元時系列交通状況データ(パターン)を空間平均速度及び渋滞レベルで示したが、所要時間、空間占有率、交通密度等で三次元時系列交通状況データ(パターン)を示してもよい。
【0079】
また、本実施の形態ではパターンマッチングによって渋滞の発生の判定を行ったが、パターンマッチングを行うことなく、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データから直接判定してもよい。例えば、二次元時系列交通状況データの渋滞レベル1や渋滞レベル2が一定時間以上(例えば、5分以上)かつ一定区間以上(例えば、1km以上)になった場合に渋滞が発生したと判定し、さらに、二次元時系列交通状況データから渋滞先頭地点、渋滞区間、渋滞延伸速度等を求める。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、時間的かつ空間的に幅のある交通状況の変化に示す時系列交通状況データを生成することによって、この時系列交通状況データに基づいて交通状況を自動的に解析することができる。そのため、渋滞等の交通状況に対する判定結果の精度が向上し、人の労力も軽減する。
【0081】
また、本発明によれば、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとをパターンマッチングすることにより、渋滞の原因特定や渋滞の予測等の様々な渋滞の情報の解析が可能となる。
【0082】
さらに、本発明によれば、生成した時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして登録することにより、渋滞の原因特定や渋滞の予測等の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る交通状況解析システムの構成図である。
【図2】図1のカメラの撮像範囲を示す模式図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図3】図1の交通状況判定部が生成する二次元時系列交通状況データの一例である。
【図4】図1の交通状況判定部が生成する二次元時系列交通状況データの他の例である。
【図5】図1の交通状況判定部が生成する三次元時系列交通状況データの一例である。
【図6】図1の表示部において表示する基本画面の一例である。
【図7】図1の交通状況解析システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…交通状況解析システム、2…カメラ、3…画像処理部、4…データ収集部、5…データ処理部、6…パターンデータベース、7…交通状況判定部、8…表示部、8a…基本画面、8b…画面名称欄、8c…オンラインボタン、8d…オンライン(逐次)ボタン、8e…履歴(表)ボタン、8f…履歴(グラフィック)ボタン、8g…定数ボタン、8h…終了ボタン、8i…現在時刻、8j…交通状況表示領域、2D1,2D2…二次元時系列交通状況データ、3D…三次元時系列交通状況データ、HW…高速道路、PL…追越車線、TL…走行車線、TS…交通管理システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、渋滞等の交通状況を解析する交通状況解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両の台数の過密によって、都市等の各所で渋滞が発生している。特に、大都市の高速道路や帰省時の高速道路での渋滞は、激しく、数十キロにも及ぶ場合がある。また、渋滞は、上記のような自然渋滞の他に、事故、工事、故障等の様々な原因で発生する。ドライバにとっては、これらの渋滞は非常に不快であり、予定も狂ってしまう。そこで、その不快を少しでも解消し、予定を修正するためには、渋滞区間、渋滞を抜けるための所要時間や渋滞の解消時間等の正確な情報を知る必要がある。
【0003】
そのために、高速道路等における自然渋滞の場合、渋滞の先頭地点や渋滞区間等を交通管制センタで把握する必要がある。また、事故、工事、故障等による渋滞の場合、それらの渋滞原因を交通管制センタで把握する必要がある。そこで、渋滞の先頭地点や渋滞区間を判定するために、交通状況を検出し、その交通状況を提示する様々な装置が開発されている。
【0004】
上記装置の中には渋滞情報等の交通状況情報を表示する交通状況表示装置がある(例えば、特許文献1)。この交通状況表示装置では、道路上に沿って所定間隔毎に設置されたカメラによって道路上を撮像し、その撮像した撮像画像から空間平均速度等の空間パラメータを算出するとともに、この空間パラメータから渋滞レベル等の交通状況情報を求める。そして、交通状況表示装置では、この空間パラメータや交通状況情報を表形式及び/又はグラフィック形式で画面表示する。そのため、オペレータは、この交通状況表示装置により様々な数値データや撮像範囲での渋滞レベルの変化等の交通状況を視覚的に認識することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−93079号公報
【0006】
【課題を解決しようとする課題】
しかしながら、上記交通状況表示装置では数値データ等の変化の表示を行うが、その数値データ等の変化に基づいて渋滞の発生、渋滞の先頭地点や渋滞区間等の判定は行わない。したがって、渋滞の発生、渋滞の先頭地点や渋滞区間等の最終的な判定は人(オペレータ)が行う必要がある。そのため、人が変化する数値データ等を見ながら判定しなければならないので、交通状況が激しく変化するときには人によって判定にばらつきが発生し、必ずしも正確な渋滞判定でない場合がある。また、人が時々刻々と変化する画面を長時間見続けて判定しなければならないので、肉体的かつ精神的な負担が大きくなり、過大な労力を要する。
【0007】
そこで、本発明は、渋滞等の交通状況を自動解析し、人の労力を軽減する交通状況解析装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る交通状況解析装置は、道路上の車両の状況を検出したデータから生成された交通状況情報に基づいて道路の交通状況を解析する交通状況解析装置であって、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成する生成手段と、時系列交通状況データに基づいて交通状況を解析する解析手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成し、時間的かつ空間的に幅のある渋滞レベルの変化等に基づいて、渋滞の発生、渋滞の先頭位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等を自動判定する。
【0010】
本発明の上記交通状況解析装置は、様々な交通状況のパターンに対する時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを記憶する記憶手段を備え、解析手段を、時系列交通状況データと記憶手段に記憶されている時系列交通状況パターンとのパターンマッチングに基づいて交通状況を解析するように構成してもよい。
【0011】
この交通状況解析装置によれば、日時、曜日、天候、場所、渋滞原因等に応じた様々な渋滞のパターンに対する時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化で示す時系列交通状況パターンを予め記憶している。そして、交通状況解析装置では、この様々な時系列交通状況パターンと生成した時系列交通状況データとを各々パターンマッチングし、時系列交通状況データにマッチングする時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の発生、渋滞の先頭位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度の他にも渋滞の原因、渋滞の予測等を自動判定する。
【0012】
本発明の上記交通状況解析装置は、解析手段を、渋滞の発生を検出した場合、時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして記憶手段に登録するように構成してもよい。
【0013】
この交通状況解析装置によれば、渋滞の発生を検出した場合には時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして記憶手段に登録するので、蓄積される渋滞のパターンが増加し、渋滞の判定精度が向上する。
【0014】
本発明の上記交通状況解析装置は、解析手段を、交通状況の解析として渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測のうちの少なくとも1つを行うように構成する。
【0015】
この交通状況解析装置によれば、渋滞の発生の検出、渋滞状況の自動判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測のうち少なくとも1つでも装置で自動判定できれば、オペレータが数値データ等に基づいて判定する必要がないので、オペレータにとってはその分の負担が軽減される。
【0016】
本発明の上記交通状況解析装置は、交通状況情報、時系列交通状況データ及び/又は解析手段で解析した交通状況の解析結果を表示する表示手段を備える構成としてもよい。
【0017】
この交通状況解析装置によれば、交通状況情報、時系列交通状況データ及び/又は交通状況の解析結果を表示させることにより、オペレータが渋滞状況等を視覚的に認識することができる。特に、渋滞の判定結果を表示させることにより、オペレータは、一目で渋滞の状況を認識できる。
【0018】
本発明の上記交通状況解析装置は、交通状況情報には、道路上を所定間隔毎に撮像した画像データに基づいて生成された道路上の車両の状況を示す空間パラメータ及び/又は該空間パラメータから求められた情報を含む。
【0019】
この交通状況解析装置によれば、交通状況情報として、道路上の所定間隔毎に設置された撮像手段で撮像した画像データから算出された各撮像範囲における空間平均速度、空間占有率、交通密度等の空間パラメータ及び/又はその空間パラメータから導き出された各撮像範囲における渋滞レベルや車両の通過時間等の情報を用いることにより、道路上の交通状況の変化を正確に示すことができる。
【0020】
本発明の上記交通状況解析装置は、時系列交通状況データを、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を平面情報で示した二次元データとしてもよい。
【0021】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対応する交通状況情報の変化を示す二次元データにより、渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測等を簡単に解析することができるとともに、表示データとしても渋滞の状況を非常に認識し易い。
【0022】
本発明の上記交通状況解析装置は、時系列交通状況データを、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を高さ情報で示した三次元データとしてもよい。
【0023】
この交通状況解析装置によれば、時間と道路上の位置とに対応する交通状況情報の大きさの変化を示す三次元データにより、渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測等を簡単に解析することができるとともに、表示データとしても渋滞の状況を非常に認識し易い。
【0024】
なお、空間パラメータは、道路に沿って所定間隔毎に設置された撮像手段によって撮像された画像データから生成された道路上の車両の状況を示すパラメータであり、例えば、空間平均速度、空間占有率、交通密度等がある。また、交通状況情報は、道路上の交通状況の変化を表すことができる様々な情報であり、例えば、空間パラメータや空間パラメータから導き出すことができる交通状況に関する各種情報である。空間パラメータから導き出すことができる情報としては、例えば、撮像手段の撮像範囲における渋滞レベル(非渋滞、渋滞、停滞)、撮像範囲を走行するのに要する所要時間等がある。また、時系列交通状況データは、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報を示した二次元データ又は三次元データである。また、時系列交通状況パターンは、渋滞等の交通状況のパターンを時間と道路上の位置とに対する交通状況情報を示した二次元データ又は三次元データであり、例えば、渋滞パターンの場合には日時、天候、曜日、事象(事故、工事、故障車、落下物等)等の外的条件別に設定される。また、所定間隔は、道路の形状、交通状況解析装置の解析区間、撮像手段の撮像範囲等を考慮して設定され、撮像手段における道路の長手方向への撮像範囲より短い長さに設定され、例えば、100m、200mである。また、平面情報は、交通状況情報のレベル、率、速度、時間等を色分けや図柄分け(斜線、網掛け等)等により平面で示す情報である。高さ情報は、交通状況情報のレベル、率、速度、時間等に応じて高さを上下させることで示す情報である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る交通状況解析装置の実施の形態を説明する。
【0026】
本発明は、渋滞の状況等の交通状況を自動的に解析するために、時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示した時系列交通状況データを生成し、この時系列交通状況データに基づいて渋滞の状況等を自動解析する。さらに、本発明では、渋滞パターン等に対する時間と道路上の位置とに対する交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを予め記憶しておき、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとをパターンマッチングすることにより渋滞の状況等を自動解析する。
【0027】
本実施の形態は、本発明に係る交通状況解析装置を高速道路に配備される交通状況解析システムに適用し、この交通状況解析システムにより高速道路における渋滞の情報を交通管制センタに提供する。本実施の形態に係る交通状況解析システムは、高速道路上にカメラが所定間隔毎に設置され、カメラからの画像データに基づいて多次元時系列交通状況データを生成して交通状況を解析する。なお、本実施の形態では、高速道路において自動車の走行する方向を前方側、その逆方向を後方側とする。
【0028】
図2を参照して、交通状況解析システム1で監視する高速道路HWについて説明しておく。
【0029】
高速道路HWは、上下線の片側が走行車線TLと追越車線PLからなる二車線であり、高速道路の起点からの距離を示したキロポストが100m毎に設置されている。また、高速道路HWは、交通管制センタによって管理されており、高速道路上には道路状況を示す表示板等が設置されている。ちなみに、交通管制センタには、高速道路に関する様々な情報をコンピュータによって管理する交通管理システムTSが構築されている(図1参照)。その情報としては、気象情報、渋滞情報、高速道路上の事故、工事、故障車、落下物等である。また、交通管理システムTSでは、高速道路上の表示板や標識の表示を管理しており、速度規制、チェーン規制、渋滞状況や事故、工事、故障車、落下物の情報等の表示を行う。
【0030】
図1及び図2を参照して、交通状況解析システム1の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る交通状況解析システムの構成図である。図2は、図1のカメラの撮像範囲を示す模式図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。なお、図2(b)には、説明を簡単にするために、高速道路の上下線の一方側にのみしかカメラを描いていないが、実際には上下線の両側に各々配備されている。本実施の形態では上下線の両側にカメラを各々配置し、上下線を別々に撮影する構成であるが、上下線の中央にカメラを配置し、上下線の両側を撮影する構成でもよい。
【0031】
交通状況解析システム1は、高速道路での渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定、渋滞の予測等を自動的に行い、その結果や解析に用いた多次元時系列交通状況データ等を表示する。そのため、交通状況解析システム1は、カメラ2,・・・、画像処理部3,・・・、データ収集部4、データ処理部5、記憶手段に相当するパターンデータベース6、生成手段と解析手段に相当する交通状況判定部7及び表示部8を備えている。カメラ2,・・・は交通状況解析システム1における渋滞を監視する区間に応じて多数配備され、そのカメラ2,・・・の数に応じて画像処理部3が同数配備される。また、交通状況解析システム1は、高速道路上の事故等の情報や気象情報を収集したりあるいは渋滞情報等を提供するために、交通管理システムTSと接続されている。
【0032】
カメラ2は、高速道路等に一般的に配備されるCCTV[Closed Circuit Television]カメラであり、画像処理部3に接続されている。そして、カメラ2は、30フレーム/秒で撮像した画像データを撮像時刻とともに画像処理部3に送信する。なお、カメラ2,・・・は、交通状況解析システム1の渋滞監視区間に応じて多数配備され、高速道路の全区間に設置されてもよいし、渋滞が多発する区間にのみ設置されてもよいし、あるいは、所定区間毎(例えば、数km毎)にカメラの配備区間と非配備区間とを設けてもよい。また、カメラ2は、画像データとしてアナログデータを出力するアナログカメラでもよいし、あるいは、デジタルデータを出力するデジタルカメラでもよい。
【0033】
カメラ2は、隣接するカメラ2と所定間隔をあけて高速道路HWの上下線の片側の中央の上方に取り付けられ、画像処理部3に通信ケーブルを介して接続される。所定間隔は、図2に示すように、死角ができないように、カメラ2の撮像範囲の前方側の一部が前方側に隣接するカメラ2の撮像範囲の後方側の一部と重なる間隔であり、例えば、100m毎である。ちなみに、道路がカーブの区間では、キロポスト間に数台のカメラ2,・・・が配備される場合がある。
【0034】
カメラ2は、撮像方向を前方側下方に向けて、死角ができないようにかつ前方側のカメラ2の撮像範囲と少なくとも道路面上で重なるように撮像角度が調整されている。また、カメラ2は、幅方向の撮像範囲としては、図2(b)に示すように、走行車線TL及び追越車線PLのみならず、その路肩部分も含めた領域を撮像する範囲である。
【0035】
画像処理部3は、カメラ2毎に設けられ、データ処理部4(コンピュータ)と通信ケーブルを介して接続されている。画像処理部3では、カメラ2から送信されてくる画像データに対して、一定時間毎(例えば、400m秒毎)に背景差分処理、時間差分処理等の画像処理を行う。さらに、画像処理部3では、一定時間毎(例えば、1.2秒毎)に、各種画像処理を施した画像データに基づいて空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度)を算出する。空間パラメータは、走行車線TL、追越車線PL、走行車線TLと追越車線PLとを合わせた二車線全体に対して各々算出される。また、画像処理部3では、一定時間毎に、カメラ2から画像データが送信されてくるか否かでカメラの状態を判定し、送信されてこない場合を故障と判定し、送信されてくる場合を正常と判定する。そして、画像処理部3では、空間パラメータ及びカメラ2の状態を撮像時刻とともにデータ収集部4に送信する。なお、画像処理部3は、各カメラ2に一体で設けられてもよいし、各カメラ2の近傍に設置されてもよいし、あるいは、交通管制センタ内に設置されてもよい。また、画像処理部3では、画像データがアナログデータの場合、そのアナログデータをデジタルデータに変換してから上記処理を行う。
【0036】
空間平均速度は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する各車両の瞬間速度を算出し、各車両の瞬間速度を平均した速度である。空間占有率は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する全車両の全長を求め、その全長の総和の撮像範囲長に対する割合である。交通密度は、任意の撮像タイミングにおいて撮像範囲内に存在する車両の台数を求め、その撮像範囲内における台数である。
【0037】
データ収集部4、データ処理部5、パターンデータベース6、交通状況判定部7及び表示部8は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ(図示せず)上に専用のソフトウエアを動作させることによって構成され、交通状況解析装置として機能している。このコンピュータは、交通管制センタ内に設置され、画像処理部3,・・・と通信ケーブルを介して接続されるとともに交通管理システムTSとも接続されている。なお、本発明に係る交通状況解析装置は、少なくとも、パターンデータベース6及び交通状況判定部7を備える装置である。
【0038】
データ収集部4では、一定時間毎(例えば、1.2秒毎)にカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを全ての画像処理部3,・・・から収集する。そして、データ収集部4では、コンピュータのハードディスク等の記憶装置に、カメラ2(高速道路HW上の設置位置(キロポスト単位)で特定)毎に、撮像時刻順にカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを蓄積する。
【0039】
データ処理部5では、データ処理部4に蓄積されているカメラ2毎のカメラの状態(正常、故障)及び空間パラメータを順次取り入れる。そして、データ処理部5では、一定時間毎(例えば、1分毎)に、カメラ2毎の空間パラメータに基づいて撮像範囲における渋滞レベル、所要時間等の交通状況情報を求め、カメラ2毎の交通状況情報を撮像時刻とともにコンピュータのハードディスク等の記憶装置に保持する。なお、交通状況情報は、走行車線TL、追越車線PL、二車線全体及び様々な情報を加味した総合に対して各々求められる。
【0040】
渋滞レベルは、各カメラ2の撮像範囲内での車両の流れを示すものであり、空間平均速度及び空間占有率に基づいて渋滞レベル0〜2の3段階に設定される。渋滞レベル0は、車両の流れとしては渋滞していない状態であり、例えば、空間平均速度が40km/h以上のレベルである。渋滞レベル1は、車両の流れとしては渋滞している状態であり、例えば、空間平均速度が10km/h以上40km/h未満のレベルである。渋滞レベル2は、車両の流れとしては停滞している状態であり、例えば、空間平均速度が10km/h未満のレベルである。所要時間は、各カメラ2の撮像範囲内を車両が通過するのに要する時間であり、ある車両が撮像範囲内を通り抜ける時間を直接計測するか、または、撮像範囲長を空間平均速度で除算することにより求められる。
【0041】
なお、空間パラメータは、上記したように、かなり短い時間毎(例えば、1.2秒毎)で算出されており、各撮像範囲での瞬間的な車両の流れを反映している。そのため、例えば、渋滞中に、前方の車両が進んだにもかかわらず、後方の車両が数秒から数10秒程度停止していた場合、空間平均速度や空間占有率が実際の渋滞の状況を反映していないものとなる。そこで、データ処理部5では、空間パラメータを所定時間(例えば、1分間)収集し、その所定時間内の空間パラメータを平均化して渋滞レベルや所要時間を求めている。さらに、データ処理部5では、渋滞レベルや所要時間の精度を上げるために、図3に示すような二次元時系列交通状況データ等を利用して、総合に対する渋滞レベルや所要時間を求めている。つまり、データ処理部5では、カメラ2の前後の位置のカメラ2,・・・による渋滞レベルや所要時間及び過去(例えば、前回、前々回)の時刻での渋滞レベルや所要時間を考慮して、総合的に渋滞レベルや所要時間を求めている。その結果、車両が流れにそわない走行した場合でも、渋滞レベルや所要時間が瞬間的に変化するようなことがなくなる。
【0042】
パターンデータベース6は、コンピュータのハードディスク等の記憶装置に構成され、渋滞のパターンを示す二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンが日時別、天候別、曜日別、場所別、事象(事故、工事、故障車、落下物、低速車両等)別等で格納されている。二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンは、交通状況判定部7で生成した二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データに基づいて生成されたり、過去の渋滞のデータに基づいて生成されたり、コンピュータによるシミュレーションによって生成される。
【0043】
二次元時系列交通状況パターンは、図3に示す二次元時系列交通状況データと同様のデータ形式であり、道路上の位置として例えば100m毎(キロポスト毎)かつ時間として例えば1分毎の渋滞レベルを示したものである。三次元時系列交通状況パターンは、図5に示す三次元時系列交通状況データと同様のデータ形式であり、道路上の位置として例えば100m毎(キロポスト毎)かつ時間として例えば1分毎の空間平均速度を高さで示したものである。
【0044】
渋滞は、自然渋滞の場合、日時、天候、曜日、場所等によって渋滞の発生位置、渋滞の延伸速度、渋滞区間等の渋滞のパターンがほぼ決まっている。例えば、自然渋滞には、朝の通勤時間帯での自然渋滞、休日の雨の日の昼間の自然渋滞、お正月やお盆の前後での自然渋滞、五・十日の自然渋滞、トンネルを先頭にした自然渋滞、料金所を先頭にした自然渋滞等の様々な渋滞のパターンがある。また、渋滞は、自然渋滞以外の場合、その渋滞の原因となっている事象によって渋滞のパターンがほぼ決まっている。例えば、事故の場合にはその事故の規模(一車線閉鎖、車線閉鎖なし、閉鎖区間の長さ等)や事故の発生日時等に応じて渋滞のパターンがあり、低速車両の場合にはその車両速度に応じて渋滞発生位置が移動する渋滞のパターンとなる。
【0045】
交通状況判定部7では、データ処理部5から全カメラ2,・・・の一定時間毎の渋滞レベルを取り入れ、二次元時系列交通状況データを生成する。そして、交通状況判定部7では、二次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に格納されている様々な渋滞パターンの二次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、マッチングする二次元時系列交通状況パターンがあるか否かを判定する。なお、パターンマッチングとしては、例えば、相関係数等の手法を用いる。
【0046】
マッチングする二次元時系列交通状況パターンがある場合、交通状況判定部7では、渋滞が発生していると判定し、その二次元時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行う。さらに、交通状況判定部7は、二次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する(図3参照)。
【0047】
なお、渋滞の原因としては、自然渋滞、事故、故障車、落下物、工事等がある。また、渋滞の予測としては、渋滞が何km程度まで延びるのか、渋滞が何時頃まで続くのか、渋滞が何時頃から縮小し始めるのか、渋滞が何時頃に解消するのか等がある。予測を行う方法としては、二次元時系列交通状況データが二次元時系列交通状況パターンの渋滞の発生時点からどの部分までマッチングしているかで予測する。例えば、二次元時系列交通状況データが二次元時系列交通状況パターンの渋滞区間の最長部分まではマッチングしていない場合、渋滞がその最長の渋滞区間まで延びると予想する。また、渋滞の先頭位置の判定は、渋滞レベル0から渋滞レベル1又は渋滞レベル2への切り替わる位置により判定する。また、渋滞の末尾位置の判定は、渋滞レベル1又は渋滞レベル2から渋滞レベル0への切り替わる位置により判定する。また、渋滞区間の判定は、渋滞の先頭位置から末尾位置までの区間により判定する。また、渋滞延伸速度は、渋滞の先頭位置が固定の場合には時刻毎の渋滞の末尾位置の変化から算出し、渋滞の先頭位置が移動の場合には時刻毎の渋滞の末尾位置の変化に先頭位置の移動量を加味して算出する。渋滞延伸速度は、プラス値の場合には渋滞が延びており、マイナス値の場合には渋滞が縮小している。
【0048】
二次元時系列交通状況データは、道路上の位置(キロポスト)をX軸、時刻をY軸として、例えば100m単位かつ1分単位からなる平面を渋滞レベルに応じて図柄分け(あるいは、色分け)した二次元データである。図3、図4に示す二次元時系列交通状況データ2D1,2D2では、渋滞レベル0を白抜き、渋滞レベル1を斜線、渋滞レベル2を網掛けで示している。二次元時系列交通状況データ2D1では、渋滞の先頭位置が10キロポスト付近であり、14時04分頃から渋滞が発生し始め、14時10数分頃をピークに、14時30数分頃にほぼ渋滞が解消している。また、二次元時系列交通状況データ2D2では、15時04分頃から渋滞が発生し始め、渋滞の先頭位置が10キロポスト付近から後方に徐々に移動している。なお、二次元時系列交通状況データ2D1,2D2では道路の区間を1km程度でしか示していないが、交通状況判定部7では数km〜数10kmの道路区間に対する二次元時系列交通状況データを生成している。
【0049】
また、交通状況判定部7では、データ収集部4から全カメラ2,・・・の一定時間毎の空間平均速度を取り入れ、三次元時系列交通状況データを生成する。そして、交通状況判定部7では、三次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に格納されている様々なパターンの三次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、マッチングする三次元時系列交通状況パターンがあるか否かを判定する。
【0050】
マッチングする三次元時系列交通状況パターンがある場合、交通状況判定部7では、渋滞が発生していると判定し、その三次元時系列交通状況パターンに基づいて渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行う。さらに、交通状況判定部7では、三次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する。
【0051】
三次元時系列交通状況データは、道路上の位置(キロポスト)をX軸、時刻をY軸、空間平均速度をZ軸として、例えば100m単位かつ1分単位の四角柱の高さを空間平均速度に応じて伸縮させた三次元データである。図5に示す三次元時系列交通状況データ3Dでは、空間平均速度を四角柱の高さで示すとともに、渋滞レベル0に相当する部分を白抜き、渋滞レベル1に相当する部分を斜線、渋滞レベル2に相当する部分を網掛けで示している。
【0052】
さらに、交通状況判定部7では、渋滞区間、渋滞延伸速度や渋滞の予測等に基づいて、その渋滞を通過するのに要する時間を求める。
【0053】
そして、交通状況判定部7では、判定結果等に対して多数決処理あるいは移動平均処理を行う。このような処理を行うのは、交通状況が激しく変わる場合には渋滞の発生判定等の判定結果が判定毎に変わる可能性があるので、判定結果を安定させて、より信頼性の高い判定結果を提供するためのである。
【0054】
また、交通状況判定部7では、渋滞と判定した際に、その渋滞が新たな事象等の外的条件での渋滞の場合、生成した二次元時系列交通状況データを外的条件(日時、天候、曜日、場所、事象等)とともに二次元時系列交通状況パターンとしてパターンデータベース6に登録する。
【0055】
さらに、交通状況判定部7では、渋滞と判定した際に、渋滞先頭位置、渋滞区間、渋滞末尾位置、渋滞延伸速度、渋滞の原因、渋滞の予測、渋滞通過の所要時間等の渋滞情報を交通管理システムTSに送信する。ちなみに、交通管理システムTSは、これらの渋滞情報に基づいて表示板に渋滞状況を表示させる。
【0056】
なお、交通状況判定部7では、交通管理システムTSから事象の情報を取り入れ、ある事象が発生している場合にはその事象に対する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンとのみパターンマッチングを行う。例えば、キロポスト10kmで事故が発生している情報を取り入れた場合、キロポスト10km近傍でのパターンマッチングでは、事故による渋滞のパターンでのみパターンマッチングを行う。また、交通状況判定部7では、交通管理システムTSから気象情報を取り入れ、その気象情報の天候以外に該当する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンをパターンマッチングの対象から除外する。例えば、晴れという気象情報を取り入れた場合、雨という条件を備える渋滞のパターンをパターンマッチングの対象から除外する。また、交通状況判定部7では、パターンマッチングを行っている日時、曜日以外に該当する二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンをパターンマッチングの対象から除外する。例えば、昼間の場合、夜間という条件を備える渋滞パターンをパターンマッチングの対象から除外する。このように、パターンマッチングの対象となる二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンを絞り込むことにより、処理量を削減し、効率的に判定を行う。
【0057】
表示部8は、コンピュータのディスプレイ等が利用され、オペレータからの操作に応じて交通状況を示す様々な画面を提供する。表示部8は、図6に示す基本画面8aに様々な交通状況を表示する。基本画面8aは、画面の最上部に画面名称欄8b(例えば、オンライン画面等)を有し、その下方にオンラインボタン8c、オンライン(逐次)ボタン8d、履歴(表)ボタン8e、履歴(グラフィック)ボタン8f、定数ボタン8g、終了ボタン8hを備え、その左方に現在時刻8iを示し、その下方に各画面に応じて交通状況を表示する交通状況表示領域8jを有する。
【0058】
オンラインボタン8cが押されると、オンライン画面表示となる。オンライン画面表示では、一定時間毎(各部での処理に応じて設定される時間毎)にデータ収集部4から空間パラメータやカメラの状態、データ処理部5から交通状況情報、交通状況判定部7から多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込んで、交通状況を交通状況表示領域8jにリアルタイムで表示する。また、オンライン画面表示では、表示形式として、図示しない選択ボタンによりグラフィック形式と表示形式を選択できる。グラフィック形式の場合、図3等で示す二次元時系列交通状況データ2D1等あるいは図5に示す三次元時系列交通状況データ3Dを表示するとともに、渋滞の発生と判定している場合には図3に示す渋滞先頭位置、渋滞末尾位置、渋滞区間、渋滞延伸速度等の渋滞状況、渋滞の原因、渋滞通過の所要時間、渋滞の予測も表示する。渋滞レベルは、図柄分けでなく、色分けで表示される。表形式の場合、各カメラ2,・・・の撮像範囲における空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度等)、交通状況情報(渋滞レベル、所要時間)及び/又はカメラの状態が表形式で表示される。表形式では、表示対象とする情報をオペレータが指定でき、さらに、走行車線TL、追越車線PL、二車線全体、総合に対する情報を全て表示するかあるいは一部のみ表示するかもオペレータが指定できる。なお、グラフィック形式及び表形式は、ともに上下線に分けて片側単位で表示する。
【0059】
オンラインボタン(逐次)8dが押されると、擬似オンライン画面表示となる。擬似オンライン画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、擬似オンライン画面表示では、データ収集部4から指定日時から表示対象期間内の空間パラメータやカメラの状態、データ処理部5から指定日時から表示対象期間内の交通状況情報、交通状況判定部7から指定日時から表示対象期間内の多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込み、その交通状況を交通状況表示欄8jに所定周期毎に順次更新しながら表示する。擬似オンライン画面表示でも、オンライン画面表示と同様に表示形式として図示しない選択ボタンによりグラフィック形式と表示形式を選択でき、オンライン画面表示と同様の形式のものが表示される。
【0060】
履歴(表)8eが押されると、履歴(表)画面表示となる。履歴(表)画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、履歴(表)画面表示では、データ収集部4から指定日時から表示対象期間内の空間パラメータやカメラの状態及び/又はデータ処理部5から指定日時から表示対象期間内の交通状況情報を取り込み、その交通状況を交通状況表示欄8jに一括表示する。履歴(表)画面表示では、オンライン画面表示の表形式と同様のものを、指定日時から表示対象期間分を一括表示する。
【0061】
履歴(グラフィック)8fが押されると、履歴(グラフィック)画面表示となる。履歴(グラフィック)画面表示では、過去のある日時及び表示対象期間がオペレータから指定される。そして、履歴(表)画面表示では、交通状況判定部7から指定日時から表示対象期間内の多次元時系列交通状況データ及び渋滞に関する情報を取り込んで、交通状況を交通状況表示欄8jに一括表示する。履歴(グラフィック)画面表示では、オンライン画面表示のグラフィック形式と同様のものを、指定日時から表示対象期間分を一括表示する。
【0062】
定数ボタン8gが押されると、システム表示画面となる。システム表示画面では、カメラの仕様、渋滞の判定条件等を表示する。
【0063】
終了ボタン8hが押されると、画面表示を終了する。
【0064】
次に、図1乃至図6を参照して、交通状況解析システム1の動作を図7のフローチャートに沿って説明する。図7は、図1の交通状況解析システムの動作を示すフローチャートである。
【0065】
交通状況解析システム1は、24時間常時稼動しており、下記する処理が繰り返し行われる。
【0066】
高速道路HWに配備された各カメラ2,・・・では、道路上の状況を撮像し、常時、撮像した画像データに撮像時刻を付加して各画像処理部3,・・・に送信する(S1)。
【0067】
各画像処理部3,・・・では、各カメラ2,・・・からの画像データに対して一定時間毎に空間パラメータを算出するのに必要な各種画像処理を施し、さらに、一定時間毎に、この画像処理を施した画像データから空間パラメータ(空間平均速度、空間占有率、交通密度等)を算出する(S2)。また、各画像処理部3,・・・では、各カメラ2,・・・から定期的に画像データが送信されてくるか否かでカメラの状態を判定する。そして、各画像処理部3,・・・では、空間パラメータ及びカメラの状態に撮像時刻を付加してデータ収集部4に送信する。
【0068】
データ収集部4では、全ての画像処理部3,・・・から撮像時刻が付加された空間パラメータ及びカメラの状態を収集し、カメラ2毎に撮像時刻順に空間パラメータ及びカメラの状態を蓄積する(S3)。
【0069】
データ処理部5では、データ処理部4からカメラ2毎の空間パラメータを取り入れる。そして、データ処理部5では、一定時間毎に空間パラメータに基づいてカメラ2毎の交通状況情報(渋滞レベル、所要時間等)を求め(S4)、カメラ2毎の交通状況情報を交通状況判定部7に送信する。
【0070】
交通状況判定部7では、全カメラ2,・・・の一定時間毎の渋滞レベルに基づいて二次元時系列交通状況データを生成する(S5)。あるいは、交通状況判定部7は、データ収集部4から全カメラ2,・・・の一定時間毎の空間平均速度を取り入れ、三次元時系列交通状況データを生成する(S5)。
【0071】
そして、交通状況判定部7では、生成した二次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に蓄積されている多数の二次元時系列交通状況パターンとをパターンマッチングし、あるいは、生成した三次元時系列交通状況データとパターンデータベース6に蓄積されている多数の三次元時系列交通状況パターンとを各々パターンマッチングし、渋滞が発生しているか否かを判定する(S6)。さらに、渋滞が発生している場合、交通状況判定部7では、マッチングした二次元時系列交通状況パターンあるいは三次元時系列交通状況パターンから渋滞の原因を特定するとともに渋滞の予測を行い、さらに、二次元時系列交通状況データあるいは三次元時系列交通状況データから渋滞の先頭位置、渋滞の末尾位置、渋滞区間、渋滞の延伸速度等の渋滞状況を自動判定する。
【0072】
そして、表示部8では、二次元時系列交通状況データあるいは三次元時系列交通状況データ等からなる交通状況や渋滞の情報等をリアルタイムで表示する(S7)。また、表示部8では、オペレータからの操作に応じて、過去の指定期間の交通状況や渋滞情報等を表示する。
【0073】
この交通状況解析システム1によれば、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データを生成することにより、交通状況の瞬間的な変化ではなく、時間的かつ空間的に幅のある交通状況の変化に基づいて渋滞に関する様々な情報を自動判定でき、その判定精度も高精度である。また、この交通状況解析システム1によれば、実際の車両の状況を検出したデータから生成した二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データにより、新たな外的条件を備える二次元時系列交通状況パターンや三次元時系列交通状況パターンを自動的に追加していくので、渋滞の原因特定や渋滞予測等の判定精度が更に向上する。
【0074】
また、この交通状況解析システム1では、渋滞に関する様々な判定をコンピュータにより自動判定するので、オペレータの肉体的かつ精神的な労力が軽減される。さらに、この交通状況解析システム1では、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データを画面上で表示するので、オペレータは交通状況の時間的かつ空間的な変化を非常に認識し易い。
【0075】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0076】
例えば、本実施の形態では高速道路に適用したが、一般道路にも適用可能である。
【0077】
また、本実施の形態では1.2秒毎に空間パラメータを算出したが、カメラの撮像タイミング、コンピュータの処理能力等を考慮して、数100m秒から10秒程度毎に算出すればよい。
【0078】
また、本実施の形態では二次元時系列交通状況データ(パターン)を渋滞レベルで示したが、所要時間を時間毎にレベル分けしたもの、空間平均速度を速度毎にレベル分けしたもの、空間占有率を占有率毎にレベル分けしたもの、交通密度を密度毎にレベル分けしたもので二次元時系列交通状況データ(パターン)を示してもよい。また、本実施の形態では三次元時系列交通状況データ(パターン)を空間平均速度及び渋滞レベルで示したが、所要時間、空間占有率、交通密度等で三次元時系列交通状況データ(パターン)を示してもよい。
【0079】
また、本実施の形態ではパターンマッチングによって渋滞の発生の判定を行ったが、パターンマッチングを行うことなく、二次元時系列交通状況データや三次元時系列交通状況データから直接判定してもよい。例えば、二次元時系列交通状況データの渋滞レベル1や渋滞レベル2が一定時間以上(例えば、5分以上)かつ一定区間以上(例えば、1km以上)になった場合に渋滞が発生したと判定し、さらに、二次元時系列交通状況データから渋滞先頭地点、渋滞区間、渋滞延伸速度等を求める。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、時間的かつ空間的に幅のある交通状況の変化に示す時系列交通状況データを生成することによって、この時系列交通状況データに基づいて交通状況を自動的に解析することができる。そのため、渋滞等の交通状況に対する判定結果の精度が向上し、人の労力も軽減する。
【0081】
また、本発明によれば、時系列交通状況データと時系列交通状況パターンとをパターンマッチングすることにより、渋滞の原因特定や渋滞の予測等の様々な渋滞の情報の解析が可能となる。
【0082】
さらに、本発明によれば、生成した時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして登録することにより、渋滞の原因特定や渋滞の予測等の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る交通状況解析システムの構成図である。
【図2】図1のカメラの撮像範囲を示す模式図であり、(a)は側面図であり、(b)は平面図である。
【図3】図1の交通状況判定部が生成する二次元時系列交通状況データの一例である。
【図4】図1の交通状況判定部が生成する二次元時系列交通状況データの他の例である。
【図5】図1の交通状況判定部が生成する三次元時系列交通状況データの一例である。
【図6】図1の表示部において表示する基本画面の一例である。
【図7】図1の交通状況解析システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…交通状況解析システム、2…カメラ、3…画像処理部、4…データ収集部、5…データ処理部、6…パターンデータベース、7…交通状況判定部、8…表示部、8a…基本画面、8b…画面名称欄、8c…オンラインボタン、8d…オンライン(逐次)ボタン、8e…履歴(表)ボタン、8f…履歴(グラフィック)ボタン、8g…定数ボタン、8h…終了ボタン、8i…現在時刻、8j…交通状況表示領域、2D1,2D2…二次元時系列交通状況データ、3D…三次元時系列交通状況データ、HW…高速道路、PL…追越車線、TL…走行車線、TS…交通管理システム
Claims (8)
- 道路上の車両の状況を検出したデータから生成された交通状況情報に基づいて道路の交通状況を解析する交通状況解析装置であって、
時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況データを生成する生成手段と、
前記時系列交通状況データに基づいて交通状況を解析する解析手段と
を備えることを特徴とする交通状況解析装置。 - 様々な交通状況のパターンに対する時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報の変化を示す時系列交通状況パターンを記憶する記憶手段を備え、
前記解析手段では、前記時系列交通状況データと前記記憶手段に記憶されている時系列交通状況パターンとのパターンマッチングに基づいて交通状況を解析すること
を特徴とする請求項1に記載する交通状況解析装置。 - 前記解析手段では、渋滞の発生を検出した場合、前記時系列交通状況データを時系列交通状況パターンとして前記記憶手段に登録することを特徴とする請求項2に記載する交通状況解析装置。
- 前記解析手段では、交通状況の解析として渋滞の発生の検出、渋滞状況の判定、渋滞原因の判定及び渋滞の予測のうちの少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する交通状況解析装置。
- 前記交通状況情報、前記時系列交通状況データ及び/又は前記解析手段で解析した交通状況の解析結果を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する交通状況解析装置。
- 前記交通状況情報は、道路上を所定間隔毎に撮像した画像データに基づいて生成された道路上の車両の状況を示す空間パラメータ及び/又は該空間パラメータから求められた情報を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載する交通状況解析装置。
- 前記時系列交通状況データは、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を平面情報で示した二次元データであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載する交通状況解析装置。
- 前記時系列交通状況データは、時間と道路上の位置とに応じた交通状況情報を高さ情報で示した三次元データであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載する交通状況解析装置。
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