JP2004111332A - 伸縮発熱線 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加熱体の曲面に、隙間なく確実にフィットするヒータケーブル、もしくは、面発熱体を形成するための伸縮可能な伸縮発熱線を提供する。
【解決手段】線状発熱体を螺旋に巻き、ばねの形状にした発熱エレメントを発熱線として利用する、或いは弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにした発熱エレメント、又は弾性部材の芯材の周りに絶縁層を持つ線状発熱体を編組状に編み上げた発熱エレメントを発熱線として利用する、或いは絶縁芯材の周りに線状発熱体を横巻きにした発熱エレメント、又は絶縁芯材の周りに線状発熱体を編組状に編み上げた発熱エレメントを発熱線として利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】線状発熱体を螺旋に巻き、ばねの形状にした発熱エレメントを発熱線として利用する、或いは弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにした発熱エレメント、又は弾性部材の芯材の周りに絶縁層を持つ線状発熱体を編組状に編み上げた発熱エレメントを発熱線として利用する、或いは絶縁芯材の周りに線状発熱体を横巻きにした発熱エレメント、又は絶縁芯材の周りに線状発熱体を編組状に編み上げた発熱エレメントを発熱線として利用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、線状発熱体を螺旋に巻いて、ばねの形状にすることで、或いは伸縮芯材に絶縁層を形成した線状発熱体を巻くことで、或いは伸縮芯材に絶縁層を形成した絶縁芯材に線状発熱体を巻くことで、伸縮を可能にした伸縮発熱線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来配管やバルブ等の被加熱体を加熱する場合、被加熱体にヒーターケーブルを巻き付けたり、面発熱体を取り付けることで加熱していた。しかしながら、ヒーターケーブルは被加熱体の表面形状が曲面となっている場合、表面にフィットしづらく全面を覆うことが容易ではなく、局部加熱になりがちであった。さらに、面発熱体は平面状の構造となっているために、被加熱体の表面形状に合わせて曲面にすることや、凸部に対しての加熱がしにくいという問題があった。
【0003】
また、被加熱体自体が伸縮性のあるものである場合、ヒーターケーブル、面発熱体共に被加熱体の伸縮に対応できず不向きであった。伸縮する面に対しても、適当な発熱体がなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の発熱体は伸縮性のあるものではなく、被加熱体の表面が曲面になっていたり凸部を有している場合には、不要な隙間が生じて効率的な加熱をなし得なかった問題がある。また、耐熱クロスにニクロム線等の発熱線を編み込んで発熱体を構成したものがあるが、伸縮性のあるものではなかった。
【0005】
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、被加熱体の曲面に確実にフィットするヒーターケーブルもしくは面発熱体を形成するための伸縮可能な伸縮発熱線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は伸縮発熱線に関し、本発明の上記目的は、線状発熱体を螺旋に巻き、ばねの形状にして発熱エレメントとしたことを特徴とする伸縮発熱線によって達成される。
【0007】
また、本発明の上記目的は、前記線状発熱体に絶縁層を設けることによって、或いは前記発熱エレメントに伸縮性の絶縁層を形成することによって、或いは弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにした発熱エレメントを発熱線として利用することによって、或いは 弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁層を持つ線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとすることによって、或いは弾性部材の芯材の周りに絶縁層を形成して成る絶縁芯材に、線状発熱体を横巻きにして発熱エレメントを発熱線として利用することによって、或いは絶縁芯材に線状発熱体を横巻きにする代わりに、絶縁芯材の周りに線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとすることによって、或いは発熱エレメントに絶縁層を形成して成る絶縁発熱エレメントを、弾性部材の芯材に横巻にすることによって、或いは弾性部材の芯材に絶縁発熱エレメントを横巻にする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁発熱エレメントを編組状に編み上げることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、金属ばねを用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、ゴムを用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、伸縮性繊維を用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、ゴム又は伸縮性繊維のいずれか、或いはゴム又は伸縮性繊維を組み合わせて縒り合わせて紐状にした撚り糸芯材を用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材の絶縁層として、絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、絶縁糸を弾性部材の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、伸縮性絶縁テープを巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、弾性部材の芯材の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記線状発熱体の絶縁層として、絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を線状発熱体の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを線状発熱体に巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、線状発熱体の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記発熱エレメントの絶縁層として、絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を発熱エレメントの周りに編組状に編み上げることで前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを発熱エレメントに巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、発熱エレメントの表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性を持つ金属素材を用いることによって、或いは前記線状発熱体の素材として、樹脂系繊維発熱材を用いることによって、或いは前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性をもつ樹脂系繊維発熱材を用いることによって、より効果的に達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る伸縮発熱線は、線状発熱体を螺旋に巻いて、ばねの形状にすることで、或いは伸縮性の芯材に絶縁糸を横巻きにして伸縮性の絶縁芯材とし、前記絶縁芯材に線状発熱体を横巻き又は前記芯材の周りに編組状に編み上げた構造にすることで、線状発熱体の素材自体は伸縮性をもたなくても前記構造によって伸縮を可能としたものである。
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、芯材として弾性部材のバネを用いた伸縮発熱線9の第一実施例を示している。ここで、線状発熱体を様々な方法で伸縮可能とした構造体を、発熱エレメントと呼ぶことにする。本実施例においては、発熱エレメントを伸縮発熱線9として使用する。また、発熱エレメントを絶縁したものを、絶縁発熱エレメントと呼ぶことにする。
【0011】
本実施例では、図1に示すように螺旋状に巻回された円筒状のバネの芯材1に、芯材1の螺旋の巻き方向が逆となるように絶縁糸2を横巻きにして絶縁芯材を形成し、この絶縁芯材の絶縁糸2上に更に、絶縁糸2とは螺旋の巻き方向が逆となるように線状発熱体としての発熱線3を横巻きにすることで伸縮発熱線9としている。
【0012】
このように形成された構造の伸縮発熱線9は、芯材1が伸びると発熱線3はピッチを広げ、発熱線3が芯材1の周りに形成される螺旋の半径を小さくすることによって、芯材1と共に全長を伸ばし、伸縮発熱線9全体が伸びる。縮む場合は逆の動作をする。
【0013】
本実施例においては、発熱線3の巻き方向を横巻にした絶縁糸の巻き方向と逆方向にしているが、絶縁糸と発熱線3の巻き方向は、同じ方向にすることもできる。逆方向に巻く場合は、前記発熱体の振れ止めとなる。弾性部材の絶縁層は、弾性部材が導電性を持つ素材であり、かつ発熱線3が絶縁層を持たない場合、導電性のある前記弾性部材と前記発熱線3との間で絶縁をする。
【0014】
絶縁糸2及び発熱線3の巻きピッチを広くすることによって、芯材1に巻き付けることのできる絶縁糸2の本数を複数本にしたり、絶縁芯材の絶縁糸2上に巻き付ける発熱線3の本数を増やすことができる。つまり、絶縁糸2及び発熱線3の本数は1本ずつ巻回するようにすることもでき、ピッチを変えることによって2本以上の複数本を同時に巻き付けることもできる。
【0015】
原則として、絶縁層を持たない発熱線3はそれ自身が巻かれる途中で交差することのないように巻回される。また、絶縁層を持たない発熱線3同士、或いは絶縁層を持たない発熱線3と、絶縁層を持たない導電性弾性部材とはお互いを直接に接触させないように巻回される。しかし、発熱線3を複数本絶縁させずに撚り合せることによって、抵抗を下げることも可能である。ただし、この場合も導電性芯材と発熱線3の間は絶縁を保つ必要がある。
【0016】
図2は、弾性部材に絶縁糸を横巻にした絶縁芯材に、複数の発熱線3を絶縁糸とは逆方向に横巻した第二の実施例を示している。図2のように、発熱線3を芯材に複数本同時に巻きつけることによって、発熱線3を全て直列に接続する、又は数本ずつ並列接続をして発熱線3の電源側とエンド側で全てつなぐ、又は並列接続と直列接続を組み合わせるなどの構成が可能になり、多種の抵抗値を持つ伸縮発熱線を容易に得ることができる。さらには、巻き付けた全ての発熱線3を電源線に接続するのではなく、一部を休ませる使用方法も考えられる。これによって、一種類の伸縮発熱線で複数の抵抗値を得ることも可能である。
【0017】
図3に、全ての発熱線3を並列に接続した場合の伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例を示す。又、図4には、全ての発熱線3を直列に接続した場合の伸縮発熱線の回路構成の第2の実施例を、図5には、伸縮発熱線を2本ずつ並列に接続し、さらにそれぞれの組を直列に接続した伸縮発熱線の第3の実施例を、図6には、4本の伸縮発熱線9を並列に接続した並列回路と、残りの2本の伸縮発熱線9を直列に接続した第4の実施例を示す。前述した伸縮発熱線の実施例は、それぞれが異なる抵抗値を持ち、このように回路構成を変え、さらには接続する線状発熱線に様々な抵抗値を持つものを使用することによって、多種の抵抗値を持つ伸縮発熱線9を得ることができる。
【0018】
また、前記伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例、第三の実施例及び第四の実施例においては、伸縮発熱線9の両側で電源に接続する両側電源接続配置となっているが、前記伸縮発熱線の回路構成の第二の実施例では、伸縮発熱線の片側において電源に接続する片側電源配置となり、伸縮発熱線の両端で電源に接続する必要がないために、電源への接続線を気にすることなく被加熱体に巻きつけることも可能となる。片側電源配置(図4)と両側電源配置(図3、図5、図6)は、発熱線3の本数、及び並列接続または直列接続する発熱線3の本数によって変えることができる。
【0019】
図2に示す第二の実施例は、芯材1に巻き付ける絶縁糸2と発熱線3の巻き付け方は第一の実施例と同じであるが、絶縁芯材に巻き付ける発熱線3の本数を図1の場合よりも多く(例えば10本)したものである。巻き付ける発熱線3の本数が多ければ、必要な抵抗値を持つ多種の伸縮発熱線を得ることが容易となる。つまり、複数本の発熱線3のそれぞれ、或いは数本単位で抵抗(発熱量)を異ならせることによって、発熱量を適宜調整できる伸縮発熱線を得ることができる。
【0020】
ところで、伸縮芯材は伸縮性を持っていればよく、図7の第三の実施例は芯材1の代わりに耐熱ゴム芯材5を利用したものである。耐熱ゴム芯材5の素材として、シリコンゴムやフッ素ゴムを使用することが可能である。また、本実施例では絶縁糸2に発熱線3を横巻きにして発熱エレメント4を形成し、さらにその発熱エレメント4を、耐熱ゴム芯材5に絶縁糸2を横巻きにした絶縁芯材に巻き付けている。発熱エレメント4を形成することによって伸縮発熱線9の柔軟性を高め、かつ大きな抵抗値の伸縮発熱線を必要とする場合、発熱エレメント4によって伸縮発熱線9の抵抗値を大きくすることができる。本発明においては、伸縮性を持たない発熱線3を種々の方法で伸縮可能としたものを発熱エレメント4と呼んでいるが、発熱エレメント4を弾性心材に巻き付ける場合には、必ずしも発熱エレメント4の伸縮性を必要としないため、発熱エレメント4の芯材として弾性部材ではなく、非伸縮性の耐熱ファイバー等を用いることができる。
【0021】
図8に示す第四の実施例は、発熱線3を耐熱ゴム芯材5の周りに編組状に編み上げたものである。これによって、伸縮発熱線9に柔軟性を与えることができる。また、編組構造にすることによって、伸縮発熱線に外力が加わると発熱線3の編組構造によって張力が分散され、張力による抵抗値の変化が少なくなり、従来の樹脂状の半導性発熱体のように発熱量が減少することがなくなる。さらに、編組構造は曲げ応力に対して強いため、耐断線強度を備えた断線回避効果を持つ構造にすることができる。
【0022】
発熱線3、又は発熱線3及び絶縁糸2を撚り合わせた撚り糸発熱線とし、この撚り糸発熱線を線状発熱体として絶縁芯材に巻き付けることが可能である。撚り合わせる発熱線3の本数又は発熱線3と絶縁糸2の本数の組み合わせは、必要に応じて適宜決定することができる。また、撚り合わせる発熱線3は全てが同じ種類の素材である必要はない。芯材1に巻き付ける発熱線3を、複数の発熱線3を撚り合わせた撚り糸発熱線又は発熱線3と絶縁糸2を撚り合わせた撚り糸発熱線とすることで、伸縮発熱線の強度を上げると共に、伸縮発熱線の抵抗を下げることができる。
【0023】
本発明に係る伸縮発熱線は、伸縮発熱線の構造によって伸縮を可能としているので、線状発熱体3の素材は樹脂系発熱線、金属合金線など通常の発熱線を用いることができ、その材質は問わない。しかし、ヒーターの出力が高いほど、周囲への熱伝導がスムーズに行われないと、過熱による発熱線の損傷を引き起こしやすくなる。そこで、発熱線に正のPTC特性を持つ素材を使用すれば、発熱線の温度上昇に伴い電力の出力が減少するヒーターとすることができ、加熱による発熱線の損傷を抑えることができる。
【0024】
次に、本発明の伸縮発熱線の応用例を説明する。
【0025】
図9(A)は平面状ヒーター6の両側電源接続配置を、また同図(B)は片側電源接続配置をそれぞれ示す略図である。両側電源接続配置では平面状ヒーター6の両端部を電源と接続しており、片側電源接続配置では平面状ヒーター6の片側の端部で電源と接続している。即ち、平面状ヒーター6の両端部に伸縮発熱線の発熱線3の端部(リード線)が出ている場合には図5(A)の結線図となり、平面状ヒーター6の一端部にのみ伸縮発熱線の発熱線3の端部(リード線)が出ている場合には図5(B)の結線図となる。電源線が平面状ヒーター6の片側から出ていることで電源の配線が短くて良く、片側電源接続配置での使用は両側電源接続配置に比べて便宜である。また、発熱部同士の接続は全て並列にする、又は一部を並列にして残りを直列にする、又は全て直列にする等の構成をとることが可能である。伸縮発熱線の回路構成と同様に、片側電源配置と両側電源配置を選択することも可能である。
【0026】
図10は、複数の伸縮発熱線9と加熱平面20を用いた平面状ヒーター6の実施例であり、本実施例においては伸縮発熱線9を葛折にして発熱部7を構成している。即ち、発熱部7は横に3本張った横糸10と、縦方向に伸縮発熱線9を横糸10の上下に交互にくぐらせるようにして織り込まれている。このようにして本例では10段の発熱部7が平面20上に配列され、各段の発熱部7(伸縮発熱線9)は隣接した端部の接続線21で接続されることによって直列に接続され、電源に接続されて加熱されるようになっている。なお、図では電源スイッチを省略しており、部分Aの詳細を図11及び図12に示す。
【0027】
図11に示すように、発熱部7は逆平行になるように並べられており、本実施例は、複数の発熱部7を逆平行に並べて直列に接続することによって片側電源接続配置(図6)としているが、発熱部7同士を並列に接続して片側電源接続配置にすることも当然のことながら可能である。また、発熱部7の長さ、幅等は適宜決定することができる。
【0028】
発熱部7同士を直列に接続し、逆平行に並べた発熱部7と発熱部7との間は、絶縁糸2を発熱部7と同様の方法で編み上げて非発熱部8とし、図12に示すように発熱部7と非発熱部8は葛折のカーブ部分でそれぞれを交差させ、発熱部7と非発熱部8とを交互に配置し、伸縮発熱線9を平面20に織り込んでいる。非発熱部により、発熱部同士の接触を避けることができる。非発熱部の繊維の素材は、絶縁糸の他にもフッ素ゴム、シリコンゴム等の伸縮性の素材を用いることができる。また、本実施例の非発熱部の編み方以外にも、非発熱部をニット編みに構成することもできる。非発熱部を構成する繊維は伸縮しなくても、ニット編みにすることによって、多少の伸び縮みをさせることができる。
【0029】
このような構造にすることで、伸縮ジャケットカバーや衣服にすることも可能であり、又、編み方によってはストッキング状の形態にすることもできる。伸縮発熱線9と伸縮性の耐熱クロス、又は伸縮性のゴム系シートで覆い、絶縁性のある伸縮面発熱体、又はテープ状発熱材とすることもできる。
【0030】
図13に本発明に係る伸縮発熱線を用いたヒーターの別の実施例を示す。本実施例においては、面発熱体に留め具11を施すことにより着脱可能な発熱材としている。この場合、図13(A)に示す被加熱体12のような多曲面の形態であっても、本実施例の着脱可能なヒーターはぴったりフィットすることができる(図13(B))。
【0031】
図14に伸縮発熱線を用いたヒーターの第二の実施例を示す。本実施例においては、ヒーターに底13を着け、その上部に伸縮発熱線を円状に積み重ねるように配置しているが、本実施例では円周方向への伸び縮みが自由なため、被加熱体12や被加熱体14のような多曲面形状の被加熱体に対しても充分にフィットさせることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る伸縮発熱線によって、伸縮発熱線と絶縁線を織機で織ることにより、伸び縮みする包帯のように被加熱体に巻き付け、締まりをもったまま凸凹面にもフィットさせることができる。また、配管などに平行に沿わせた場合にも円周方向に伸びることで、いびつな形状にもフィットさせることができ、均一な加熱を行うことができる。さらに、伸び縮みするテープ状発熱体や面発熱体を形成することができる。
【0033】
また、発熱線に正のPTC特性を持つ発熱材を使用することにより、温度上昇に伴い出力が減少するヒーターとすることもできる。さらには、一本の伸縮発熱線に複数の発熱線を横巻きにすることによって、或いは発熱線を撚り合わせて芯材に巻き付けることによって、又は発熱線と絶縁糸を組み合わせて撚り合わせることによって、或いは芯材に巻き付ける発熱線に発熱エレメントを形成すること、或いは編組状に発熱線で芯材を覆うこと、或いは上述した種々の方法において使用する抵抗線種を増やすことによって、任意の抵抗値を持つ伸縮発熱線を容易に得ることができ、又、断線強度も適宜任意の伸縮発熱線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸縮発熱線の第一の実施例を示す構造図である。
【図2】本発明の伸縮発熱線の第二の実施例を示す構造図である。
【図3】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例の結線図である。
【図4】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第二の実施例の結線図である。
【図5】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第三の実施例の結線図である。
【図6】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第四の実施例の結線図である。
【図7】本発明の伸縮発熱線の第三の実施例を示す構造図である。
【図8】本発明の伸縮発熱線の第四の実施例を示す構造図である。
【図9】平面状ヒーターに対する片側電源接続配置と両側電源接続配置の電源線の結線例を示す結線図の略図である。
【図10】平面状ヒーターの具体的な構造例を示す構造結線図である。
【図11】図10中のA部の詳細を示す図である。
【図12】図10中のA部の詳細を示す図である。
【図13】留め具を設けた着脱可能ヒーターの実施例を示す図である。
【図14】底付き円筒型ヒーターを示す図である。
【符号の説明】
1 芯材
2 絶縁糸
3 発熱線
4 発熱エレメント
5 耐熱ゴム芯材
6 平面状ヒーター
7 発熱部
8 非発熱部
9 伸縮発熱線
10 横糸
11 留め具
12 被加熱体
13 ヒーター底
14 被加熱体
20 加熱平面
21 接続線
【発明の属する技術分野】
本発明は、線状発熱体を螺旋に巻いて、ばねの形状にすることで、或いは伸縮芯材に絶縁層を形成した線状発熱体を巻くことで、或いは伸縮芯材に絶縁層を形成した絶縁芯材に線状発熱体を巻くことで、伸縮を可能にした伸縮発熱線に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来配管やバルブ等の被加熱体を加熱する場合、被加熱体にヒーターケーブルを巻き付けたり、面発熱体を取り付けることで加熱していた。しかしながら、ヒーターケーブルは被加熱体の表面形状が曲面となっている場合、表面にフィットしづらく全面を覆うことが容易ではなく、局部加熱になりがちであった。さらに、面発熱体は平面状の構造となっているために、被加熱体の表面形状に合わせて曲面にすることや、凸部に対しての加熱がしにくいという問題があった。
【0003】
また、被加熱体自体が伸縮性のあるものである場合、ヒーターケーブル、面発熱体共に被加熱体の伸縮に対応できず不向きであった。伸縮する面に対しても、適当な発熱体がなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように従来の発熱体は伸縮性のあるものではなく、被加熱体の表面が曲面になっていたり凸部を有している場合には、不要な隙間が生じて効率的な加熱をなし得なかった問題がある。また、耐熱クロスにニクロム線等の発熱線を編み込んで発熱体を構成したものがあるが、伸縮性のあるものではなかった。
【0005】
本発明は上述のような事情によりなされたものであり、本発明の目的は、被加熱体の曲面に確実にフィットするヒーターケーブルもしくは面発熱体を形成するための伸縮可能な伸縮発熱線を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は伸縮発熱線に関し、本発明の上記目的は、線状発熱体を螺旋に巻き、ばねの形状にして発熱エレメントとしたことを特徴とする伸縮発熱線によって達成される。
【0007】
また、本発明の上記目的は、前記線状発熱体に絶縁層を設けることによって、或いは前記発熱エレメントに伸縮性の絶縁層を形成することによって、或いは弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにした発熱エレメントを発熱線として利用することによって、或いは 弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁層を持つ線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとすることによって、或いは弾性部材の芯材の周りに絶縁層を形成して成る絶縁芯材に、線状発熱体を横巻きにして発熱エレメントを発熱線として利用することによって、或いは絶縁芯材に線状発熱体を横巻きにする代わりに、絶縁芯材の周りに線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとすることによって、或いは発熱エレメントに絶縁層を形成して成る絶縁発熱エレメントを、弾性部材の芯材に横巻にすることによって、或いは弾性部材の芯材に絶縁発熱エレメントを横巻にする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁発熱エレメントを編組状に編み上げることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、金属ばねを用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、ゴムを用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、伸縮性繊維を用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材として、ゴム又は伸縮性繊維のいずれか、或いはゴム又は伸縮性繊維を組み合わせて縒り合わせて紐状にした撚り糸芯材を用いることによって、或いは前記弾性部材の芯材の絶縁層として、絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、絶縁糸を弾性部材の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、伸縮性絶縁テープを巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、弾性部材の芯材の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記線状発熱体の絶縁層として、絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を線状発熱体の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを線状発熱体に巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、線状発熱体の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記発熱エレメントの絶縁層として、絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして形成した前記絶縁層を持つ伸縮発熱線によって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を発熱エレメントの周りに編組状に編み上げることで前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを発熱エレメントに巻き付けて前記絶縁層を形成することによって、或いは絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、発熱エレメントの表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成することによって、或いは前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性を持つ金属素材を用いることによって、或いは前記線状発熱体の素材として、樹脂系繊維発熱材を用いることによって、或いは前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性をもつ樹脂系繊維発熱材を用いることによって、より効果的に達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る伸縮発熱線は、線状発熱体を螺旋に巻いて、ばねの形状にすることで、或いは伸縮性の芯材に絶縁糸を横巻きにして伸縮性の絶縁芯材とし、前記絶縁芯材に線状発熱体を横巻き又は前記芯材の周りに編組状に編み上げた構造にすることで、線状発熱体の素材自体は伸縮性をもたなくても前記構造によって伸縮を可能としたものである。
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、芯材として弾性部材のバネを用いた伸縮発熱線9の第一実施例を示している。ここで、線状発熱体を様々な方法で伸縮可能とした構造体を、発熱エレメントと呼ぶことにする。本実施例においては、発熱エレメントを伸縮発熱線9として使用する。また、発熱エレメントを絶縁したものを、絶縁発熱エレメントと呼ぶことにする。
【0011】
本実施例では、図1に示すように螺旋状に巻回された円筒状のバネの芯材1に、芯材1の螺旋の巻き方向が逆となるように絶縁糸2を横巻きにして絶縁芯材を形成し、この絶縁芯材の絶縁糸2上に更に、絶縁糸2とは螺旋の巻き方向が逆となるように線状発熱体としての発熱線3を横巻きにすることで伸縮発熱線9としている。
【0012】
このように形成された構造の伸縮発熱線9は、芯材1が伸びると発熱線3はピッチを広げ、発熱線3が芯材1の周りに形成される螺旋の半径を小さくすることによって、芯材1と共に全長を伸ばし、伸縮発熱線9全体が伸びる。縮む場合は逆の動作をする。
【0013】
本実施例においては、発熱線3の巻き方向を横巻にした絶縁糸の巻き方向と逆方向にしているが、絶縁糸と発熱線3の巻き方向は、同じ方向にすることもできる。逆方向に巻く場合は、前記発熱体の振れ止めとなる。弾性部材の絶縁層は、弾性部材が導電性を持つ素材であり、かつ発熱線3が絶縁層を持たない場合、導電性のある前記弾性部材と前記発熱線3との間で絶縁をする。
【0014】
絶縁糸2及び発熱線3の巻きピッチを広くすることによって、芯材1に巻き付けることのできる絶縁糸2の本数を複数本にしたり、絶縁芯材の絶縁糸2上に巻き付ける発熱線3の本数を増やすことができる。つまり、絶縁糸2及び発熱線3の本数は1本ずつ巻回するようにすることもでき、ピッチを変えることによって2本以上の複数本を同時に巻き付けることもできる。
【0015】
原則として、絶縁層を持たない発熱線3はそれ自身が巻かれる途中で交差することのないように巻回される。また、絶縁層を持たない発熱線3同士、或いは絶縁層を持たない発熱線3と、絶縁層を持たない導電性弾性部材とはお互いを直接に接触させないように巻回される。しかし、発熱線3を複数本絶縁させずに撚り合せることによって、抵抗を下げることも可能である。ただし、この場合も導電性芯材と発熱線3の間は絶縁を保つ必要がある。
【0016】
図2は、弾性部材に絶縁糸を横巻にした絶縁芯材に、複数の発熱線3を絶縁糸とは逆方向に横巻した第二の実施例を示している。図2のように、発熱線3を芯材に複数本同時に巻きつけることによって、発熱線3を全て直列に接続する、又は数本ずつ並列接続をして発熱線3の電源側とエンド側で全てつなぐ、又は並列接続と直列接続を組み合わせるなどの構成が可能になり、多種の抵抗値を持つ伸縮発熱線を容易に得ることができる。さらには、巻き付けた全ての発熱線3を電源線に接続するのではなく、一部を休ませる使用方法も考えられる。これによって、一種類の伸縮発熱線で複数の抵抗値を得ることも可能である。
【0017】
図3に、全ての発熱線3を並列に接続した場合の伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例を示す。又、図4には、全ての発熱線3を直列に接続した場合の伸縮発熱線の回路構成の第2の実施例を、図5には、伸縮発熱線を2本ずつ並列に接続し、さらにそれぞれの組を直列に接続した伸縮発熱線の第3の実施例を、図6には、4本の伸縮発熱線9を並列に接続した並列回路と、残りの2本の伸縮発熱線9を直列に接続した第4の実施例を示す。前述した伸縮発熱線の実施例は、それぞれが異なる抵抗値を持ち、このように回路構成を変え、さらには接続する線状発熱線に様々な抵抗値を持つものを使用することによって、多種の抵抗値を持つ伸縮発熱線9を得ることができる。
【0018】
また、前記伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例、第三の実施例及び第四の実施例においては、伸縮発熱線9の両側で電源に接続する両側電源接続配置となっているが、前記伸縮発熱線の回路構成の第二の実施例では、伸縮発熱線の片側において電源に接続する片側電源配置となり、伸縮発熱線の両端で電源に接続する必要がないために、電源への接続線を気にすることなく被加熱体に巻きつけることも可能となる。片側電源配置(図4)と両側電源配置(図3、図5、図6)は、発熱線3の本数、及び並列接続または直列接続する発熱線3の本数によって変えることができる。
【0019】
図2に示す第二の実施例は、芯材1に巻き付ける絶縁糸2と発熱線3の巻き付け方は第一の実施例と同じであるが、絶縁芯材に巻き付ける発熱線3の本数を図1の場合よりも多く(例えば10本)したものである。巻き付ける発熱線3の本数が多ければ、必要な抵抗値を持つ多種の伸縮発熱線を得ることが容易となる。つまり、複数本の発熱線3のそれぞれ、或いは数本単位で抵抗(発熱量)を異ならせることによって、発熱量を適宜調整できる伸縮発熱線を得ることができる。
【0020】
ところで、伸縮芯材は伸縮性を持っていればよく、図7の第三の実施例は芯材1の代わりに耐熱ゴム芯材5を利用したものである。耐熱ゴム芯材5の素材として、シリコンゴムやフッ素ゴムを使用することが可能である。また、本実施例では絶縁糸2に発熱線3を横巻きにして発熱エレメント4を形成し、さらにその発熱エレメント4を、耐熱ゴム芯材5に絶縁糸2を横巻きにした絶縁芯材に巻き付けている。発熱エレメント4を形成することによって伸縮発熱線9の柔軟性を高め、かつ大きな抵抗値の伸縮発熱線を必要とする場合、発熱エレメント4によって伸縮発熱線9の抵抗値を大きくすることができる。本発明においては、伸縮性を持たない発熱線3を種々の方法で伸縮可能としたものを発熱エレメント4と呼んでいるが、発熱エレメント4を弾性心材に巻き付ける場合には、必ずしも発熱エレメント4の伸縮性を必要としないため、発熱エレメント4の芯材として弾性部材ではなく、非伸縮性の耐熱ファイバー等を用いることができる。
【0021】
図8に示す第四の実施例は、発熱線3を耐熱ゴム芯材5の周りに編組状に編み上げたものである。これによって、伸縮発熱線9に柔軟性を与えることができる。また、編組構造にすることによって、伸縮発熱線に外力が加わると発熱線3の編組構造によって張力が分散され、張力による抵抗値の変化が少なくなり、従来の樹脂状の半導性発熱体のように発熱量が減少することがなくなる。さらに、編組構造は曲げ応力に対して強いため、耐断線強度を備えた断線回避効果を持つ構造にすることができる。
【0022】
発熱線3、又は発熱線3及び絶縁糸2を撚り合わせた撚り糸発熱線とし、この撚り糸発熱線を線状発熱体として絶縁芯材に巻き付けることが可能である。撚り合わせる発熱線3の本数又は発熱線3と絶縁糸2の本数の組み合わせは、必要に応じて適宜決定することができる。また、撚り合わせる発熱線3は全てが同じ種類の素材である必要はない。芯材1に巻き付ける発熱線3を、複数の発熱線3を撚り合わせた撚り糸発熱線又は発熱線3と絶縁糸2を撚り合わせた撚り糸発熱線とすることで、伸縮発熱線の強度を上げると共に、伸縮発熱線の抵抗を下げることができる。
【0023】
本発明に係る伸縮発熱線は、伸縮発熱線の構造によって伸縮を可能としているので、線状発熱体3の素材は樹脂系発熱線、金属合金線など通常の発熱線を用いることができ、その材質は問わない。しかし、ヒーターの出力が高いほど、周囲への熱伝導がスムーズに行われないと、過熱による発熱線の損傷を引き起こしやすくなる。そこで、発熱線に正のPTC特性を持つ素材を使用すれば、発熱線の温度上昇に伴い電力の出力が減少するヒーターとすることができ、加熱による発熱線の損傷を抑えることができる。
【0024】
次に、本発明の伸縮発熱線の応用例を説明する。
【0025】
図9(A)は平面状ヒーター6の両側電源接続配置を、また同図(B)は片側電源接続配置をそれぞれ示す略図である。両側電源接続配置では平面状ヒーター6の両端部を電源と接続しており、片側電源接続配置では平面状ヒーター6の片側の端部で電源と接続している。即ち、平面状ヒーター6の両端部に伸縮発熱線の発熱線3の端部(リード線)が出ている場合には図5(A)の結線図となり、平面状ヒーター6の一端部にのみ伸縮発熱線の発熱線3の端部(リード線)が出ている場合には図5(B)の結線図となる。電源線が平面状ヒーター6の片側から出ていることで電源の配線が短くて良く、片側電源接続配置での使用は両側電源接続配置に比べて便宜である。また、発熱部同士の接続は全て並列にする、又は一部を並列にして残りを直列にする、又は全て直列にする等の構成をとることが可能である。伸縮発熱線の回路構成と同様に、片側電源配置と両側電源配置を選択することも可能である。
【0026】
図10は、複数の伸縮発熱線9と加熱平面20を用いた平面状ヒーター6の実施例であり、本実施例においては伸縮発熱線9を葛折にして発熱部7を構成している。即ち、発熱部7は横に3本張った横糸10と、縦方向に伸縮発熱線9を横糸10の上下に交互にくぐらせるようにして織り込まれている。このようにして本例では10段の発熱部7が平面20上に配列され、各段の発熱部7(伸縮発熱線9)は隣接した端部の接続線21で接続されることによって直列に接続され、電源に接続されて加熱されるようになっている。なお、図では電源スイッチを省略しており、部分Aの詳細を図11及び図12に示す。
【0027】
図11に示すように、発熱部7は逆平行になるように並べられており、本実施例は、複数の発熱部7を逆平行に並べて直列に接続することによって片側電源接続配置(図6)としているが、発熱部7同士を並列に接続して片側電源接続配置にすることも当然のことながら可能である。また、発熱部7の長さ、幅等は適宜決定することができる。
【0028】
発熱部7同士を直列に接続し、逆平行に並べた発熱部7と発熱部7との間は、絶縁糸2を発熱部7と同様の方法で編み上げて非発熱部8とし、図12に示すように発熱部7と非発熱部8は葛折のカーブ部分でそれぞれを交差させ、発熱部7と非発熱部8とを交互に配置し、伸縮発熱線9を平面20に織り込んでいる。非発熱部により、発熱部同士の接触を避けることができる。非発熱部の繊維の素材は、絶縁糸の他にもフッ素ゴム、シリコンゴム等の伸縮性の素材を用いることができる。また、本実施例の非発熱部の編み方以外にも、非発熱部をニット編みに構成することもできる。非発熱部を構成する繊維は伸縮しなくても、ニット編みにすることによって、多少の伸び縮みをさせることができる。
【0029】
このような構造にすることで、伸縮ジャケットカバーや衣服にすることも可能であり、又、編み方によってはストッキング状の形態にすることもできる。伸縮発熱線9と伸縮性の耐熱クロス、又は伸縮性のゴム系シートで覆い、絶縁性のある伸縮面発熱体、又はテープ状発熱材とすることもできる。
【0030】
図13に本発明に係る伸縮発熱線を用いたヒーターの別の実施例を示す。本実施例においては、面発熱体に留め具11を施すことにより着脱可能な発熱材としている。この場合、図13(A)に示す被加熱体12のような多曲面の形態であっても、本実施例の着脱可能なヒーターはぴったりフィットすることができる(図13(B))。
【0031】
図14に伸縮発熱線を用いたヒーターの第二の実施例を示す。本実施例においては、ヒーターに底13を着け、その上部に伸縮発熱線を円状に積み重ねるように配置しているが、本実施例では円周方向への伸び縮みが自由なため、被加熱体12や被加熱体14のような多曲面形状の被加熱体に対しても充分にフィットさせることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る伸縮発熱線によって、伸縮発熱線と絶縁線を織機で織ることにより、伸び縮みする包帯のように被加熱体に巻き付け、締まりをもったまま凸凹面にもフィットさせることができる。また、配管などに平行に沿わせた場合にも円周方向に伸びることで、いびつな形状にもフィットさせることができ、均一な加熱を行うことができる。さらに、伸び縮みするテープ状発熱体や面発熱体を形成することができる。
【0033】
また、発熱線に正のPTC特性を持つ発熱材を使用することにより、温度上昇に伴い出力が減少するヒーターとすることもできる。さらには、一本の伸縮発熱線に複数の発熱線を横巻きにすることによって、或いは発熱線を撚り合わせて芯材に巻き付けることによって、又は発熱線と絶縁糸を組み合わせて撚り合わせることによって、或いは芯材に巻き付ける発熱線に発熱エレメントを形成すること、或いは編組状に発熱線で芯材を覆うこと、或いは上述した種々の方法において使用する抵抗線種を増やすことによって、任意の抵抗値を持つ伸縮発熱線を容易に得ることができ、又、断線強度も適宜任意の伸縮発熱線を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伸縮発熱線の第一の実施例を示す構造図である。
【図2】本発明の伸縮発熱線の第二の実施例を示す構造図である。
【図3】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第一の実施例の結線図である。
【図4】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第二の実施例の結線図である。
【図5】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第三の実施例の結線図である。
【図6】本発明の伸縮発熱線の回路構成の第四の実施例の結線図である。
【図7】本発明の伸縮発熱線の第三の実施例を示す構造図である。
【図8】本発明の伸縮発熱線の第四の実施例を示す構造図である。
【図9】平面状ヒーターに対する片側電源接続配置と両側電源接続配置の電源線の結線例を示す結線図の略図である。
【図10】平面状ヒーターの具体的な構造例を示す構造結線図である。
【図11】図10中のA部の詳細を示す図である。
【図12】図10中のA部の詳細を示す図である。
【図13】留め具を設けた着脱可能ヒーターの実施例を示す図である。
【図14】底付き円筒型ヒーターを示す図である。
【符号の説明】
1 芯材
2 絶縁糸
3 発熱線
4 発熱エレメント
5 耐熱ゴム芯材
6 平面状ヒーター
7 発熱部
8 非発熱部
9 伸縮発熱線
10 横糸
11 留め具
12 被加熱体
13 ヒーター底
14 被加熱体
20 加熱平面
21 接続線
Claims (28)
- 線状発熱体を螺旋に巻き、ばねの形状にした発熱エレメントを発熱線として利用することを特徴とする伸縮発熱線。
- 前記線状発熱体に絶縁層を設けた請求項1に記載の伸縮発熱線。
- 前記発熱エレメントに伸縮性の絶縁層を形成した請求項1又は2に記載の伸縮発熱線。
- 弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにした発熱エレメントを発熱線として利用することを特徴とする伸縮発熱線。
- 弾性部材の芯材に絶縁層を持つ線状発熱体を横巻きにする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁層を持つ線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとした請求項4に記載の伸縮発熱線。
- 弾性部材の芯材の周りに絶縁層を形成して成る絶縁芯材に、線状発熱体を横巻きにして発熱エレメントを発熱線として利用することを特徴とする伸縮発熱線。
- 絶縁芯材に線状発熱体を横巻きにする代わりに、絶縁芯材の周りに線状発熱体を編組状に編み上げて発熱エレメントとした請求項6に記載の伸縮発熱線。
- 発熱エレメントに絶縁層を形成して成る絶縁発熱エレメントを、弾性部材の芯材に横巻にしたことを特徴とする伸縮発熱線。
- 弾性部材の芯材に絶縁発熱エレメントを横巻にする代わりに、弾性部材の芯材の周りに絶縁発熱エレメントを編組状に編み上げた請求項8に記載の伸縮発熱線。
- 前記弾性部材の芯材として、金属ばねを用いた請求項4乃至9のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記弾性部材の芯材として、ゴムを用いた請求項4乃至9のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記弾性部材の芯材として、伸縮性繊維を用いた請求項4乃至9のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記弾性部材の芯材として、ゴム又は伸縮性繊維のいずれか、或いはゴム又は伸縮性繊維を組み合わせて縒り合わせて紐状にした撚り糸芯材を用いた請求項4乃至9のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記弾性部材の芯材の絶縁層として、絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして形成した請求項4乃至13のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、絶縁糸を弾性部材の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成した請求項14に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、伸縮性絶縁テープを巻き付けて前記絶縁層を形成した請求項14に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を弾性部材の芯材に横巻きにして前記絶縁層とする代わりに、弾性部材の芯材の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成した請求項14に記載の伸縮発熱線。
- 前記線状発熱体の絶縁層として、絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして形成した請求項2乃至17のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を線状発熱体の周りに編組状に編み上げて前記絶縁層を形成した請求項18に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを線状発熱体に巻き付けて前記絶縁層を形成した請求項18に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を線状発熱体に横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、線状発熱体の表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成した請求項18に記載の伸縮発熱線。
- 前記発熱エレメントの絶縁層として、絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして形成した請求項8乃至21のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、絶縁糸を発熱エレメントの周りに編組状に編み上げることで前記絶縁層を形成した請求項22に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、伸縮性絶縁テープを発熱エレメントに巻き付けて前記絶縁層を形成した請求項22に記載の伸縮発熱線。
- 絶縁糸を発熱エレメントに横巻きにして前記絶縁層を形成する代わりに、発熱エレメントの表面を伸縮性絶縁フィルムで覆うことで前記絶縁層を形成した請求項22に記載の伸縮発熱線。
- 前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性を持つ金属素材を用いた請求項1乃至25のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記線状発熱体の素材として、樹脂系繊維発熱材を用いた請求項1乃至25のいずれかに記載の伸縮発熱線。
- 前記線状発熱体の素材として、正のPTC特性をもつ樹脂系繊維発熱材を用いた請求項1乃至25のいずれかに記載の伸縮発熱線。
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