JP2004111476A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラナ接合においても、平面接合に限りなく近いブレーク・ダウンが得られる半導体装置を提供すること。
【解決手段】通常のダイオード構造におけるP↑+層3の外周を囲み、該P↑+層3と同じ深さで、かつ、耐圧維持領域のN↑−層2内にResurf層としてP↑−層5を設け、また、N↑+チャンネル・ストッパ層4の位置から前記P↑+層3とN↑−層2とで形成される主PN接合6の下部に至る位置までの横幅で前記P↑−層5直下に位置する、前記N↑−層2の内部に形成された埋め込み酸化膜層(BOX層)7とを設ける。このため、P↑−層5による好適なResurf効果、局所的電界集中の回避が達成でき、その結果、プラナ接合においても、平面接合に限りなく近いブレーク・ダウン電圧が得られる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、縦型半導体装置、新規な耐圧維持構造に関するものである。さらに詳しくは、プラナ接合構造を有するシリンドリカル(円筒状)・モードあるいはスフェリカル(球面状)・モードによる耐圧の低下現象を略なくし、より平面接合でのブレーク・ダウン(耐圧)電圧に近いブレーク・ダウン電圧を得ることができる半導体装置に関し、また、より小さい比抵抗(ρ)と厚み(t)を持ったエピタキシャル層を用いることにより順電圧特性(VF)の向上等の改善を図り得る半導体装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
主PN接合を、シリコン(Si)と酸素(O2)の結合体である安定な熱酸化膜(SiO2)を用いて閉じ込めることにより、長期使用における半導体の特性を安定化させ、周囲の汚染から保護することができるプラナ技術は、従来より種々の半導体装置に用いられてきた。
【0003】
しかしながら、プラナ技術により形成された主PN接合面6aは、図8(a)に示すような接合曲率(半径rj)を有しているため、三次元的に示した図8(b)において、円筒状(シリンドリカル)及び球面状(スフェリカル)の主PN接合面6aを形成してしまう。
【0004】
このプラナ技術の接合曲率のために、平面(メサ)接合に比べて接合ブレーク・ダウン電圧の低下を招いてしまうことが、従来より知られている。
かかるブレーク・ダウン電圧の低下の程度を予想する式としては、例えば
〔Ref.1〕「Physics of Semiconductor Devices 2nd Edition p.107〜108.by S.M.Sze」中の式がある。この式を表1として示す。
【0005】
【表1】
Figure 2004111476
【0006】
ただし、η=rj/Wmで、Wmは片側平面接合のブレーク・ダウン時の空乏層幅である。
上記表1の(1)式及び(2)式を用いた計算結果の一例を示すと、図9のようになる。
【0007】
上記図9を参照することで明らかなことは、プラナ技術により形成された接合曲率を有する主PN接合面は、該略、次のようなことが言えることである。
▲1▼平面接合のブレーク・ダウン電圧(VB)に比べて、プラナ技術のブレーク・ダウン電圧(Vcy及びVsp)のいずれもが、常に低下すること。
▲2▼その低下率のために、得られるブレーク・ダウン電圧の関係は、これもまた常にVB≫Vcy>Vspとなること。
▲3▼Vcy、Vsp共に(η≡rj/Wm)の値が大きく、すなわち、接合深さXjが深くなればなるほど(rj≒0.85Xjであるので、)Vcy、Vsp共に漸増するが、Xjを相当深くしても、VB≫Vcy>Vspの関係は不変であること。
【0008】
つまり、プラナ接合である限り、平面接合のブレーク・ダウン電圧(VB)を決して上回ることは無い言うことができる。そして、現実の素子製作に当たっては、より高い比抵抗(ρ)で、かつ、より厚いエピタキシャル層厚(t)の使用を余儀なく選択させられているのが現状である。
【0009】
プラナ接合におけるブレーク・ダウン電圧の改善、すなわち、より平面接合でのブレーク・ダウン電圧に近い耐圧を得るための技術も従来から種々のものがある。その中で代表的のものを挙げれば次のようなものがある。
(イ)1本あるいは複数本のガードリング構造
(ロ)フィールド・プレート構造
(ハ)JTE(ジャンクション・ターミネーション・エクステンション)構造
(ニ)高耐圧の集積回路等に好んで用いられるResurf(リデュース・サーフェス・フィールド)
等であるが、これらの技術の詳細を記載した文献を次に挙げておく。
【0010】
〔Ref.2〕▲1▼(「Optimization and Surface Charge Sensitivity of High−Voltage−Blocking Structures with Shallow Junctions.」IEEE Trans Electron Devices,Vol38,pp.1666〜1675,1991.by H.Yilmatz.)中には、フィールド・プレートとガードリング構造を併用したような新規な構造が記述されている。
【0011】
〔Ref.3〕▲2▼(「Suface Breakdown in Silicon Planar Equipped With Field Plate」Solid State Electronics,1972,Vol 15,pp.93〜105,by F.conti and M.conti.)
中には、フィールド・プレートの基礎理論が詳述されている。
【0012】
〔Ref.4〕▲3▼(「Computer Study of a High−Voltage a p−π−n↑−・n↑+ Diode and with a field Limitting Ring Structure」IEEE Trans Electron Devices,Vol,ED−33,NO.1,pp.80〜84,V.Boisson at al.)
中には、JTE構造におけるシミュレーションの検討結果が紹介されている。
【0013】
〔Ref.5〕▲4▼(「Thin Layer High−Voltage Devices(Resurf Devices)」Philips J.Res.35,1−13,1980,by J.A.Apples et al.)
中には、Resurf構造の考え方が述べられている。そして、接合分離型の集積回路をより高耐圧化する、しかも、より薄いn↑−エピタキシャル層を用いてのより高耐圧化を目指す場合、Resurf構造の手法によって印加された逆電圧を素子の表面に沿って横方向に均一に分布させること、すなわち、素子の表面あるいは少なくとも表面近傍において、電界分布の決定的変化を起こさせることでそれが可能となることが述べられている。
【0014】
特に、そのような高耐圧集積回路、例えば、200V(BVCEO)系プロセスでは、npn−トランジスタのP型ベース層の曲率が小さい場合、高いBVCEOが得られないため、どうしてもn↑−エピタキシャル層が厚くなり、約40μmの深い分離拡散が必要となっていたが、本構造の採用によってn↑−エピタキシャル層厚が3〜15μmでも同等の耐圧が得られることが示されている。
【0015】
Resurfの原理は、図10に示されている。
図10において、シリコンバルクのn↑−・p↑−水平PN接合面のn↑−層厚さ方向に広がる空乏層14の幅が、表面近くにあるn↑−・p↑+縦方向のPN接合面に形成される表面の電界(Es)が、n↑−エピタキシャル層の濃度で決まる臨界電圧(Ecri)に達するずっと以前に素子表面にピンチ・オフするようにしてやれば、さらに高い電圧を印加し続けた場合も表面の電界(Es)は、n↑−・p↑+接合面より左側に略水平の分布を以って、図示のように伸びるだけなので、結果としてEsのピーク値が下がるという点にある。
【0016】
つまり、Resurf効果が、p↑+層の厚さをdepi、n↑−層の厚さをNepiとして、depi・Nepiの値を上手く選択すれば起こるといういうことが分かる。
また、この時のdepi・Nepi≒1×10↑12(1/cm↑2)の時に、最適な降伏(ブレーク・ダウン)電圧が得られることも述べられている。
【0017】
ところで、最近になって、上記図10で用いたような接合分離型集積回路構造に代えてSOI(Silicon on Insulator)分離型構造が、より高耐圧な集積回路応用において注目されるようになって来ている。SOI分離の良さは何をさておき、接合分離型構造では問題となっていた分離領域間のリーク電流や、隣接素子間での寄生効果が殆ど問題とならないレベルまで改善される点にあることが良く知られている。
【0018】
SOI基板を用いることの他の利点は、印加された電圧の一部を酸化膜にも負担させて、より高耐圧、かつ、ハイパワーな集積回路を得ることができるという点にある。このことは、例えば、〔Ref.6〕「電気学会技術報告 第842号 p.84〜85」に記載されている。
【0019】
周知のごとく、SiO2膜の絶縁耐圧は、6〜8×10↑6(V/cm)程度であるとされ、これはシリコンバルク中のそれ、Ecritでもある2〜3×10↑5(V/cm)と比べて、1桁以上も大きい。
なお、「Ecrit」とは、シリコンバルク中で、アバランシェ・ブレーク・ダウンあるいはゼナー・ブレーク・ダウンが起こる時の電界強度をいう。これは例えば、〔Ref.7〕「Physics and Technology of Semiconductor Devices,by A.S.Grove,Jhon Wiley&SONS.INC,p.193,Fig.6.27」中に記述されている。
【0020】
ところで、仮に、素子構造、その中でも特に耐圧を決定する部分に、SiO2膜層を形成し、この層中に電界を、その一部でも良いから負担させることができるとすれば、同じ電圧負担に対して、SiO2膜はシリコンバルクの1/10以下の膜厚、あるいは同じ膜厚であれば、SiO2膜はシリコンバルクの10倍以上の電圧を負担することができる。
【0021】
さらに、この考え方を発展させて、素子構造全体(SiO2膜及びシリコンバルク)で負担していた電圧を、より高い部分(SiO2膜)と、より低くなる部分(シリコンバルク)にグループ分けしたとし、その多くをSiO2膜中に負担させればさせる程、シリコンバルク中の負担が軽くなる。
その理由は、SiO2膜は清浄で、かつ、品質的にも全く問題が無く、しかも10倍もの絶縁耐圧を有しているので、かかる部分により多くの電圧を負担させるのが賢明だからである。
こうして、素子全体としての性能と信頼性を向上させる試みは価値のあるものである。
ただ、ここで注意すべきは、SiO2膜とシリコンバルクでは熱膨張係数が大きく違うので、厚いSiO2膜を用いると、ウェーハの反りが大きくなることである。
【0022】
次に、図11にSOI分離型素子構造の一例を、また、図12にTOX、VBの従来の研究例(Ref.6)を示す。
以上の従来技術を踏まえ、今日、縦型デバイスが抱えている問題を、図13の従来技術による縦型プラナ構造のデバイスを参照して整理すると次のようになる。
なお、図13に示したのものは、最も簡単な構造のプラナ型主PN接合ダイオードである。
【0023】
(問題点)
(1)アノード領域を形成するP↑+層領域とN↑−層とで形成される主PN接合が、表面に露出するから、開口部直下にかけて曲率(半径rj)を有しているため、前記表1に示した(1)式あるいは(2)式によるブレーク・ダウン電圧の低下がある。すなわち、VB≫Vcy、Vspとなる。
したがって、N↑−層の濃度(Nepi)とその厚さ(depi)とした時の平面接合で得られる耐圧(VB)の50%程度以下の耐圧(Vcy、Vsp)しか得られていない。
【0024】
(2)図中に、P↑+・N↑−接合のチップ中心部の水平部分でのシリコンバルク中の縦方向の電界分布(EB)、P↑+層領域端部のハッチングで示した丸印のコーナR部分付近のP↑+・N↑−接合における横方向の電界分布(EB−R)、及び素子表面の横方向電界分布(ES)に注目すると次のことが言える。
▲1▼EBに関しては、図示のような平面接合と同等の分布となるが、これは縦方向の不純物濃度分布(Nepi)・層の厚さ(depi)で決まるが、素子のブレーク・ダウンが起きていてもまだEcritに達しないままとなっている。
【0025】
▲2▼コーナR部分のEB−Rに関しては、シリコンバルク中では通常この部分が最大電界となっているが、上記の縦方向の不純物濃度分布(Nepi)・層の厚さ(depi)・接合深さ(Xj)により決定されるVcy、Vspのどちらかが、Ecritに達した時点で、局所的で、かつ、時期尚早なブレーク・ダウンに達してしまう。
したがって、デバイスにこれ以上の逆電圧を加えても、すでにブレーク・ダウンが起こってしまっているので、逆方向の漏れ電流が増大するのみで、素子の耐圧(阻止電圧)も、もうこれ以上の増大をすることはない。
さらに、強引に逆電圧の印加を続けると、素子はやがて永久破壊することとなる。
【0026】
▲3▼素子の電界(ES)に関しても図示のように、PN接合露出面近辺をピークとして局所的に高い。そして、ESの値そのものも、空乏層の幅が内部での幅(WN)に比べ、表面素子では酸化膜中の電荷等の影響もあって、より広がり難い。すなわち、WN>WN’となるため、ES>EBとなっている。
その結果、素子表面等に、例えば封止剤やコート剤中から来る可動性イオンがあったとすると、これらの可動イオンは高いESに引かれ、あるいは加速され、非常に動き易くなるであろう。
【0027】
(3)上記(1)及び(2)の説明からも明らかなように、図13の構造においては、図10に示したようなResurf効果による表面電界の低減効果も全く起こることがないので、Vcy、Vsp支配下での貧弱な素子耐圧(VBの50〜60%程度がせいぜい)しか得られないだろう。
しかしながら、これを補い改善するために、先の文献▲1▼〜▲3▼中に述べられている(イ)ガードリング構造、(ロ)フィールド・プレート構造、(ハ)JTE構造等を用いることは不可能ではないが、図13中に示した素子耐圧維持領域幅(WL)を広めてしまい、その結果として、素子活性領域のチップ全面積に占める比率を大きく損ねてしまう難点がある。
【0028】
(4)SOI型分離構造において見られた耐圧改善効果、すなわち、素子構造の一部に酸化膜(SiO2膜)領域を設け、このSiO2膜領域部分に、耐圧の一部を負担させる結果、シリコンバルク領域の耐圧負担分を軽減し、より高耐圧化するという効果が期待できないことも、また、当然である。
素子表面の耐圧維持領域を覆うSiO2膜は、素子構造の一部であって、しかも、表面に露出するPN接合を安定な熱酸化膜で覆いプラナ構造における不純物導入用の開口パターンとしては大いに機能してはいても、これが耐圧の一部を負担してくれるという効果が期待できないことは言うまでもない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
以上、述べたように従来の縦型プラナ構造のデバイスにおいては、与えられたNepi、depi、Xjの組み合わせの下で得られる筈の平面接合耐圧(VB)に比べて次のような解決すべき課題があった。
【0030】
(1)まだ充分な耐圧が得られておらず、所望の耐圧を得ようとすれば、より低濃度のNepiで、かつ、厚いdepi、より深いXjを選択せねばならず、このことが、素子の重要な特性である順電圧降下(VF)や逆回復時間(trr)の上昇を招いていた。
【0031】
(2)安価で安定供給が可能な市販の材料を用いて、平面接合に極めて近い、すなわち、Vcy、Vspの制限を実質的に皆無とするような新規な耐圧構造の実現が困難であった。
【0032】
(3)従来のような耐圧維持領域のための広い領域を要することなく、また、チップの有効面積利用効率を損なうこともなく、より理想的で新規な耐圧構造の実現が困難であった。
【0033】
本発明は、上記の各課題を解決すると共に、最近、比較的安価で供給が安定しており、加えて種々の顧客ニーズにも対応可能なウェーハ張り合わせ技術を駆使したSOI基板を用いて、その持つ良さを縦型デバイスに適用できることを示した新規な半導体装置を提供するものである。
【0034】
また、従来では成し得なかった縦型デバイスの製造上の制限、すなわち、耐圧設計上の無駄、安全係数、余裕分故の、単位面積当りの電流密度制限からも解放され、余分なウェーハコスト、余分な発熱・抵抗要因、等々を排除し、必要特性対必要素材が略1対1の関係となるように配慮し、パワー半導体の現状技術の新たなブレーク・スルーさえも企図した新たな半導体装置を提供するものである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
第1の発明の半導体装置は、
N↑+型半導体基板上に設けられたN↑−層と、
該N↑−層の中央部の一方主面側に位置するように設けられ、かつ、主PN接合の端部が一方主面側の表面に露出するように設けられたP↑+層と、
前記半導体基板上の一方主面側の最外周端部であって、前記N↑−層内に設けられたN↑+チャンネル・ストッパ層と、
該チャンネル・ストッパ層の表面の一部及び前記主PN接合の一方主面側への露出端部を少なくとも覆う酸化膜と、
前記一方主面側のP↑+層上に形成されたアノード電極及び前記半導体基板の他方主面側に形成されたカソード電極と、
を有する半導体装置において、
前記P↑+層の外周を囲み、該P↑+層の外周に隣接すると共に、該P↑+層の前記一方主面側の表面からの深さと同じ深さで、かつ、該P↑+層と前記チャンネル・ストッパ層との間の耐圧維持領域としての前記N↑−層内に設けられたP↑−層と、
前記チャンネル・ストッパ層の位置から前記P↑+層とN↑−層とで形成される主PN接合の水平位置の下部に至る位置までの横幅で前記P↑−層直下に設けられ、かつ、該P↑−層直下に前記N↑−層の厚みが残存するように設けられた埋め込み酸化膜層(BOX層)と、
を有することを特徴とするものである。
【0036】
第2の発明の半導体装置は、前記P↑+層上に形成されたアノード電極の最外端が、前記P↑+層の最外端を超えたフィールド・プレート構造であることを特徴とするものである。
【0037】
第3の発明の半導体装置は、前記P↑−層の電荷量(QTP−)及び前記N↑−層の電荷量(QTN−)の比(QTP−/QTN−)が、QTP−/QTN−=15〜25の範囲であることを特徴とするものである。
【0038】
第4の発明は、前記P↑+層の電荷量(QTP−)及び前記N↑−層の電荷量(QTN−)の比(QTP−/QTN−)を、QTP−/QTN−=15〜25の範囲とすると共に、前記P↑−層の表面不純物濃度(Cs)が、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)であることを特徴とするものである。
【0039】
第5の発明の半導体装置は、前記P↑−層と前記P↑+層の深さ(Xj)が、Xj=1.0μmであることを特徴とするものである。
【0040】
第6の発明の半導体装置の製造方法は、N↑+層上にN↑−層を有し、該耐圧維持領域のN↑−層の内部に埋め込み酸化膜層(BOX層)を有するSOI基板ウェーハをスタート素材として用い、該素材ウェーハを全面酸化させる第1工程と、
前記N↑−層内にP↑−層(Resurf層)及びP↑+層を形成するために、前記第1工程で形成された第1の酸化膜に所定の開口を施し、ボロン・イオン注入を行なう第2工程と、
前記P↑+層注入部パターンを形成し、該注入部を介してボロン・イオン注入を行なった後、アニールを施す第3工程と、
前記アニール処理中に、第2の酸化膜を形成した後、フォト・レジストによりN↑+チャンネル・ストッパ層となる部分を開口するために、前記第2の酸化膜をエッチング除去する第4工程と、
前記第4工程で形成した開口部からリン・イオン注入を行い、アニール処理を施してN↑+チャンネル・ストッパ層を形成する第5工程と、
前記P↑+層の少なくとも主面上及び前記基板の裏面側のN↑+層の主面 上にアノード電極及びカソード電極を形成する第6工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0041】
【作用】
第1の発明では、通常のダイオード構造におけるP↑+層の外周を囲み、該P↑+層と同じ深さで、かつ、耐圧維持領域のN↑−層内にResurf層としてP↑−層を設け、また、N↑+チャンネル・ストッパ層の位置から前記P↑+層とN↑−層とで形成される主PN接合の下部に至る位置までの横幅で前記P↑−層直下に位置する、前記N↑−層の内部に形成された埋め込み酸化膜層(BOX層)とを設けている。
【0042】
このため、P↑−層による好適なResurf効果、局所的電界集中の回避が達成でき、その結果、プラナ接合においても、平面接合に限りなく近いブレーク・ダウン電圧が得られるようになる。
【0043】
第2の発明では、前記P↑+層上に形成されたアノード電極の最外端が、前記P↑+層の最外端を超えたフィールド・プレート構造を有するようにした。
このため、第1の発明での効果に加えフィールド・プレート構造による相乗効果が達成でき、ブレーク・ダウン電圧の改善に寄与する。
【0044】
第3の発明では、前記P↑−層の電荷量(QTP−)及び前記N↑−層の電荷量(QTN−)の比(QTP−/QTN−)が、QTP−/QTN−=15〜25の範囲とした。
このため、P↑−層両端部付近での電界強度の最大値(Emax−LとEmax−R)が、Emax−L≒Emax−Rとなり、かかる最も良好な条件によりResurf効果が最大限に発揮される。
【0045】
第4の発明では、前記QTP−/QTN−=15〜25の範囲とすると共に、前記P↑−層の表面不純物濃度(Cs)を、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)とした。
このため、P↑−層両端部付近での電位分布及び電界強度のいずれもが略均等に配置されることになり、Resurf効果が最も良い状態で起こる。
【0046】
第5の発明では、前記P↑−層と前記P↑+層の深さ(Xj)が、同じ深さのXj=1.0μmとした。この数値を同一深さとすることにより、図50に示したBOX層の右端部近傍(A部)及びP↑−層とP↑+層との境界(B部)での局所的電界集中が一挙に解消する。
すなわち、A部では、P↑+層の下側にあるN↑−層中において、BOX層の上下に分割されている電位線が、BOX層内に収斂するように入り込んでいるため、A部での電位線の込み具合が解消される。また、B部においても、ここでは縦方向のP↑+・N↑−接合が存在しなくなっていて、P↑+層底部とBOX層の間にもN↑−層が存在するようになるため、電位線の曲がりが解消され、電位線の込み具合が問題とならなくなる。
【0047】
第6の発明では、第1〜第6工程を経て目的とする半導体装置を得られるようにした。
このため、耐圧維持領域にみにBOX層を有する、比較的安価で品質の安定している市販のSOI基板をスタート素材とし、複雑な工程を経ることなく目的とするデバイスが迅速かつ安価に製作できる利点が生じる。
【0048】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図を参照して説明する。
図1は、本発明のデバイスの一実施例を示す構造断面図である。
図において、本発明のデバイスは、N↑+層1と、該N↑+層1上に設けられたN↑−層2と、該N↑−層2内に設けられたP↑+層3と、前記N↑−層2の外周部に設けられたN↑+チャンネル・ストッパ層4とを有する半導体装置を前提としている。
そして、前記P↑+層3の外周を囲み、該P↑+層3と同じ深さで、かつ、耐圧維持領域の前記N↑−層2内に設けられたResurf層としてのP↑−層5と、
前記N↑+チャンネル・ストッパ層4の位置から前記P↑+層3とN↑−層2とで形成される主PN接合6の下部に至る位置までの横幅で前記P↑−層5直下に設けられ、かつ、前記N↑−層2の内部に形成された埋め込み酸化膜層7(BOX層)とを有する半導体基板11を備えていることを特徴としている。
【0049】
ここで、特に、図13に示した従来の縦型プラナ構造のデバイスとの相違点を浮き彫りにして示せば以下通りである。
(1)主PN接合6を構成するP↑+層3の外側に延在し、それを取り囲むように、耐圧領域のN↑−層2の領域中にResurf層としてP↑−層5を追加したこと。
そして、このP↑−層5の深さ(Xj)は、主PN接合6を構成するP↑+層3の深さ(Xj)と同じ深さとなっていることである。
なお、図中、P↑−層5の最外側は、チップ最外周のN↑+チャンネル・ストッパ層4までは至っていないが、これは至っていても、至っていなくても良い。
【0050】
(2)P↑−層5の追加に加えて、最外周のN↑+チャンネル・ストッパ層4から主PN接合6のP↑+層3に至る幅であって、かつ、N↑−層2おける図示M−M’線に沿う深さの位置に、シート状の埋め込み酸化膜(SiO2)層7、(以下、urried OXide Layerの略称としてBOX層と略記する。)を有していること。
【0051】
(3)従来のデバイスに比べて、大きく異なっている点は、上記(1)、(2)の点であるが、アノード電極9の最外端は、P↑+層3の最外端を超えており、フィールド・プレート(Field−Plate)構造を形成している点でも異なっている。これは後述するが、P↑−層5や、その下側にあるN↑−層2中、あるいはBOX層7中、さらにその下側のN↑−層2中への、デバイスに印加される逆電圧(VR)を支えるための空乏層の広がり具合(電位線の曲がり具合・形状)に、少なからず影響を与えることとなる。
【0052】
(4)上記BOX層7に囲まれる内側の領域は、デバイスの主電流が通過する活性領域となるところであるが、このチップ中心部に位置する活性領域中にはBOX層7は存在しない。したがって、主PN接合6(P↑+層3とN↑−層2とで形成されるPN接合)を通過する主電流の経路は、図13に示した従来のデバイスと比べても何等変わるところはない。
しかしながら、本発明のデバイスは、SOI基板ウェーハをスタート材とすることを基本としている。
【0053】
すなわち、図1中のM−M’線を境界として、上下のウェーハ同士を張り合わせたSOI基板ウェーハを用いており、図示の破線とハッチングで示した部分は、単結晶シリコン、あるいは単結晶化シリコンのN↑−層2となっている点が、厳密には従来のデバイスと異なっている。
【0054】
なお、単結晶シリコンであるか、単結晶化シリコンであるかは、SOI基板をスタート材に用いて図1のデバイスを作るか、あるいはN↑+層1上にN↑−層2をエピタキシャル成長させたエピタキシャル・ウェーハ基板をスタート材とするかによって決まることである。
つまり、SOI基板がスタート材であれば、上記BOX層7領域によって囲まれるその内側の、該BOX層7と同じ厚さのN↑−層2は、単結晶化シリコンであり、エピタキシャル・ウェーハ基板をスタート材とすれば、この領域は単結晶シリコンである。
なお、上記SOI基板スタート材の製法については、図示せず、また、その説明を省略する。
【0055】
それ以外の点である、耐圧維持領域のSiO2膜8、チップ最外端のN↑+チャンネル・ストッパ層4、アノード電極9及びカソード電極10の形成方法については、図13に示した従来のデバイスと同じである。
【0056】
縦方向の不純物濃度分布プロファイルと各層の厚さは、チップ中心部の活性領域では、基本的に略従来のメサ構造と同等となり得るので、従来のものに比べれば、より低い比抵抗(ρ)で、より薄いN↑−層1が使えるようになる点、また、耐圧維持領域のP↑−層5・N↑−層2・BOX層7・N↑−層2を含む領域の縦方向不純物濃度分布は当然異なるが、これらの点については後に詳述する。
【0057】
上記(1)〜(6)の構成による本発明のデバイス構造は、従来のデバイスに比べて、種々の優れた特徴を有するが、この最終的な構造を決定するまでに至った理由を、以下のシミュレーション1〜シミュレーション6の結果を用いて説明する。
【0058】
なお、(1)シミュレーション1では、平面接合を想定した1次元シミュレーションの結果について検討する。
(2)シミュレーション2では、フィールド・プレート構造追加の効果を検討する。
(3)シミュレーション3では、(2)のフィールド・プレート構造に加えて、BOX層を耐圧維持領域に追加する効果について検討する。
(4)シミュレーション4では、上記の構造において、耐圧維持領域にP↑−層を追加する効果について検討する。
【0059】
(5)シミュレーション5では、主PN接合となるP↑+層の深さを、P↑−層と同等とすることの効果を追加すること、すなわち、上記(1)の平面接合における縦型不純物濃度分布構造(特に、N↑−層のNepiとdepi)をもとに、上記(2)〜(5)の構造を追加することで、初めて本発明のデバイスが完成するが、このシミュレーション5で本発明の種々の特徴的な効果を確認する。
【0060】
(6)シミュレーション6では、最終的に決定された上記(5)の構造において、上記(3)で導入・追加したBOX層領域を、敢えて再び取り除いてみる。かかる構造を下に、本発明で得た上記(5)におけるデバイスとの特性比較を行なうことで、BOX層の有無による特性差の比較が可能となり、結果的に本発明の優位点が検証・実証されるので、これらの点の検討を行なう。
【0061】
(1)シミュレーション1
図14は、従来の構造における1次元のシミュレーション構造を行なうための模式図である。
図において、(a)は、構造(1)を示し、横方向に表した厚み全体が40μmの試料で、そのうち、P層が5μm、残りの35μmがN↑−層となっている。また、その厚み方向(L1−L’1線沿い)の濃度プロファイルを図15に示す。
【0062】
一方、図14(b)は、構造(2)を示し、厚み全体が30μmの試料であって、そのうち、図示左から2.5μmがP層、26.5μmがN↑−層、1μmがN↑+層となっていて、厚み方向(L2−L’2線沿い)の濃度プロファイルを図16に示す。
N↑−層とN↑+層の境界は、図示のようなガウス(Gauss)分布形状を示し、その境界が明確ではないが、本発明においては一般的に多用されている、Nd=5×10↑18(1/cm↑3)の不純物濃度を以って、それ以下のNdの領域をN↑−層、それ以上のNdを有する領域をN↑+層と定義して表示することとした。
【0063】
なお、N↑−層の比抵抗(ρ)は、ρ=9Ω・cm、不純物濃度Nd≒5.13×10↑14(1/cm↑3)であり、P層の表面不純物濃度(Cs)=1×10↑18(1/cm↑3)であり、N↑+層の表面不純物濃度(Cs)=1×10↑19(1/cm↑3)として計算を行なう。
以上の計算条件を設定した後、市販の2次元シミュレータ(例えば、PISCES−2B)の1次元モードを用いて、この時に得られる耐圧波形を計算させた。
【0064】
図17及び図18に、前記構造(1)及び構造(2)で得られる耐圧波形を、それぞれ示した。
構造(1)では439V、構造(2)では415Vの耐圧となっている。
上記のシミュレーション1の結果から分かることは、ρ=9Ω・cm;Nd≒5.13×10↑14(1/cm↑3)のN↑−層を用いて、該N↑−層の厚さに制限がなければ、平面接合におけるPN接合のブレーク・ダウン電圧(VB)は、VB≒439Vになるであろうと予想されることである。
因みに、このVB≒439Vという値は、図8(a),(b)及び図9において説明した、プラナ接合の補正を伴わないものであって、ρ=9Ω・cmのN↑−型シリコン素材で得られる最大耐圧である。
【0065】
構造(1)においては、前記のようにN↑−層の厚みが35μmもあり、N↑−層の厚みに制限が加わらなかったために、VB≒439Vを得ることができた。
一方、構造(2)においては、N↑−層の厚みが26.5μmしかないので、N↑−層の不純物濃度が漸増するN↑+側で空乏層が接触していることによる制限を受ける。このため、結果的に内部の電界強度が上昇し、ブレーク・ダウン電圧がやや下がり、415Vとなっている。
【0066】
(2)シミュレーション2
図19にフィールド・プレート構造を備えたデバイスの断面図を、また、図20に、その2次元シミュレーション領域の図を示した。
図20によれば、フィールド・プレート22の張り出し幅は、P層3’へのコンタクト開口端から、耐圧維持領域にあるSiO2膜8上に15μm張り出し、PN接合6がシリコン表面に露出した部分、すなわち、P層3’の外側から見ると、7.6μmが張り出している。
【0067】
N↑+チャンネル・ストッパ層4の開口幅は5μmであり、耐圧維持領域のSiO2膜8下に該N↑+層チャンネル・ストッパ層4が1.6μm分潜り込んでいる。逆に、P層3’側のそれは、図示のように、7.4μmSiO2膜8の下に潜り込んでいるので、N↑−層2の幅25.0μmが、実質的な耐圧維持領域において、空乏層が横方向に広がることのできる距離分として確保されている。
【0068】
次に、図20の縦方向のディメンジョンについて説明する。
図において、SiO2膜8の厚みは1μmで、また、アノード電極9の厚みは0.5μmである。V1−V’1線沿いの縦方向の不純物濃度分布プロファイルは、図23の符号c示すようになっている。これは、図16の不純物濃度プロファイルでP層の深さ(Xj)が、2.5μmから5μmとなっている以外は、同じ基板ウェーハである。
なお、n↑+チャンネル・スットパ層4の深さは3μmで、該層3の不純物濃度は、1×10↑19(1/cm↑3)で、N↑+層1を持つ基板の不純物濃度と同じとしてある。
【0069】
また、シミュレーションの領域の大きさは、横50μm、縦33μm(−3〜30μm)である。
次に、図21に、図20で定義したフィールド・プレート構造デバイスの2次元電位分布図を示す。
図では、フィールド・プレート構造22直下のSiO2膜8中での電位線の込み合い具合、また、フィールド・プレート構造22先端部での電位線の込み合い具合も特徴的である。
【0070】
しかしながら、シリコンバルク中での電位線の曲率は小さくなり、かなり都合良くパラメータが設定されている部類の計算例である。
なお、図示の電位分布図は、逆電圧を印加時のものである。
次に、図22には、VR=250V印加時の耐圧波形の一例を示す。本例の構造においては、VR.max≒262程度であって、前記の図14(b)で示した構造(2)のVR=415Vの約63%程度に相当しているが、本発明の目標には到底達することができない。フィールド・プレート構造22の幅、SiO2膜8の膜厚、P層の深さ(Xj)等々のパラメータを適宜選択することで、その値は多少増減するであろうが、VR/VB≒63%では、更なる改善が必要である。
【0071】
図23は前記したように、図20におけるV1−V’1線沿いの2次元不純物濃度プロファイルを示している。
図23において、N↑+層1の表面不純物濃度(Cs)、Cs=1×10↑19(1/cm↑3)は、図16でのCsと同等であるが、P層3’のCsは、Cs=1×10↑16(1/cm↑3)であり、これは、図16でのCs=1×10↑18に比べ、約2桁も低くしてある。これはP層3’側での電位負担分をより多くさせたいとの意図である。
なお、通常は、N↑−層2側が殆ど電位負担をしている。
【0072】
次に、図24に、シリコン表面から深さ0.1μm(L1−L’1線沿い)での横方向の電位分布を、図25に、同じく図20におけるV1−V’1線(x=48μm)沿いの縦方向の電位分布を示した。
さらに、図26には、図20におけるL1−L’1線沿いでの横方向電界分布を示した。この図からフィールド・プレート構造22の端部の手前2μm位から該フィールド・プレート構造22の端部にかけて、すなわち、x=23〜25μmの位置での電界(E)が高く、E=2.67×10↑5(V/cm)程度にも達していることが分かる。
【0073】
次に、図27に、図20におけるV1−V’1線沿い(x=48μm)の縦方向の電界分布を示すが、これはPN接合(y=5μm)で最大となり、E=1.83×10↑5(V/cm)を示している。
さらに、図28には、P層3’の深さ(Xj=5μm)と同じ深さの横方向電界分布を示している。これは図20中に示す鎖線の丸印eとハッチングで示した部分の電界がどうしても上昇するため、x≒36μmあたりが最大となり、E=2.0×10↑5(V/cm)程度を示している。
【0074】
(3)シミュレーション3
図29にシミュレーション3を説明するための構造図を、図30に、そのシミュレーション領域の図を示す。
図29で、図19に示した構造と大きな差は、P層3’の領域からN↑+チャンネル・ストッパ層に亘り、BOX層7をn↑−層2の代りに付加した点である。このBOX層7の深さは、その厚みの中心がPN接合6の深さ(Xj)と同じにすることを基本としている。
なお、N↑+チャンネル・ストッパ層4の深さについては、さほど厳格に設定する必要がないが、これは図19と略同様の値の3μmとしてある。
【0075】
したがって、本構造は図29に示すように、耐圧維持領域において、SiO2膜8の下部のシリコンバルク中が、N↑−層2a・BOX層7・N↑−層2・N↑+層1の構造となっている。
図29の構造で種々のディメンジョンの組み合わせを変えてシミュレーションを行ったが、その中でも比較的高い耐圧を得ることができたものの寸法関係を図30中に示した。
【0076】
図30において、フィールド・プレート構造22に関する寸法は、図20と殆ど変えていない。その一方、本構造において、追加されたBOX層7は、シリコン表面から深さ0.5〜1.5μmの間に、厚さ1μmで、その幅は、SiO2膜8の開口部からチップ外周端のN↑+チャンネル・ストッパ層4にかけて、37μmとなっている。そしてその先の3μmの部分が当該チャンネル・ストッパ層4の領域である。
【0077】
P層3’の深さ(Xj)はかなり浅めで、本計算例ではXj=1.0μmとした。そして、そのP層3’の端部は、図20に比べてかなり外側に延長されていて、フィールド・プレート構造22の端部よりも0.7μmだけ外側にある。結果的に上下をSiO2膜8とBOX層7で、また、左右を上記P層3’とN↑+チャンネル・ストッパ層4とで囲まれ、その内側にN↑−層2aが厚さ0.5μm、幅18μmの領域として残されることになる。
【0078】
以上のような、図30におけるシミュレーション領域構造において、アノード・カソード電極間に逆バイアスを加えたところ、図32に示すような耐圧波形(VR=302V.max)を得た。図19及び図20でのフィールド・プレート構造で得た262Vに比べれば、耐圧が約40V程度向上している。
しかしながら、本発明者等の究極目標であるプラナの曲率効果を略皆無とし、極めて平面接合時に近い耐圧(VB=415V)を得たいという願望にはまだ遥かに遠い。
すなわち、VR/VB=302V/415V≒0.73(73%)であり、まだ、113V程度足りないことになる。
【0079】
また、図32の波形において、VR≒100V近辺に屈曲点BPがあるのが気になる。
なお、図31中には、逆電圧VR=250V印加時の2次元電位分布図を示した。この図では、フィールド・プレート構造22下方にあるBOX層7内で電位線がかなり密に取り込まれていることが特徴的である。加えて、フィールド・プレート構造22端部というよりは、P層延在端部の付近でも(縦方向に)電位線が密に込み合っているのが特徴的である。
【0080】
上記BOX層7内、及びP層端部での電位線の込み合いに比べて、BOX層7より下側のN↑−層2(シリコンバルク)中では、電位線が込み合うこともなく、かつ、曲率が小さい部分が存在することもなく、スムーズに分布している。
上記のことから類推して、BOX層7より下側のN↑−層2のシリコンバルク中では、かなり電界強度が弱まっていると考えられる。これらは、P層端部をフィールド・プレート構造22端部よりも外側(図29、図30参照)にしたことが寄与したと考察される。
【0081】
次に、図33に、図30におけるY1−Y’1線沿い(x=48μm)の不純物濃度プロファイルを示す。
図19に示したデバイス、あるいは図23でのP層3’の低不純物濃度、Cs=1×10↑16(1/cm↑3)ではなく、図14(b)又は図16に示す通常のCs≒1×10↑18(1/cm↑3)と同じにしてある。また、N↑+層1の不純物濃度、Cs=1×10↑19(1/cm↑3)も共通である。
【0082】
ここでは、P層3’を浅く(Xj=1μm)したが、該P層3’側のパンチ・スルーを避けたい。しかし、この程度の濃度(Cs≒1×10↑18(1/cm↑3))であれば、例え、浅いXjであったとしても、先ずはパンチ・スルーが起こることはない。
【0083】
図34は、シリコン表面から0.1μm深さでの横方向電位分布を示す図である。
空乏層の端部(VR=0Vライン)が表面に露出するx≒13μm付近から徐々に電位が下がり、P層端部付近にかけて電位線が込み合っているので、急激に低下し、略P層3’の端部であるx≒24μm付近でVR=−250Vの電位に達した後、一定の値になる。
【0084】
この電位変化の形状は、例えば、図24のフィールド・プレート構造22の電位変化の形状に比較して、極めてP層3’の端部付近(PN接合)のN↑−層2側に変化が集中していることが特徴的であると言える。
そのため、図36に示すように、表面付近(深さ0.1μm)の横方向電界強度が、上記P層端部付近のN↑−層中で急激に上昇し、かつ、P層領域に入った途端に一気にゼロまで下降すると言うような電界分布となる。その時の電界強度の最大値(Emax)は、Emax=7.6×10↑5(V/cm)にも達しており、これは通常のシリコンバルク中では考え難い程の高いEmaxである。
因みに、シリコンバルク中では、Emax=2〜3×10↑5(V/cm)程度であることが良く知られている。
上記の高いEmaxの値は、アバランシェ・ブレーク・ダウンが優勢なN↑−基板の不純物濃度1×10↑14〜1×10↑17(1/cm↑3)と、ゼナーブレーク・ダウンが優勢な1×10↑18〜10↑19(1/cm↑3)(最早、N↑−基板とは言えないほどの高不純濃度である。)では、前者の1〜2×10↑17(1/cm↑3)程度にも相当するN↑−基板において初めて見られる程の高いEmaxの値である。
【0085】
前述した図32において、VR=100V付近に屈曲点BPが存在していることと、このEmaxが異常に高いこととは、おそらく関係があると推察される。つまり、VR≒100V程度まで逆電圧が上昇させられると、上記Emaxの値が通常のρ=9Ω・cm、Nd=5.13×10↑14(1/cm↑3)でのEmaxは、臨界電界強度(Ecri)≒2.87×10↑5(V/cm)の値に既に達してしまい、現実のデバイスでは、この時、既にブレーク・ダウンを起こしていると考えられる。しかし、シミュレーション上では計算の続行が可能であったので、図32のような屈曲点BPを示した後も耐圧が増加し続けたと考察される。
【0086】
続いて、図35は、図30におけるY1−Y’1線沿い(x=48μm)の電位分布を示している。この縦方向の電位分布は、図25と比べてもそれ程目立つ違いはない。強いて言えば、P層3’の深さ(Xj)が異なるので、その分、図35で電位の上昇点が左に約1μmほどシフトしているのみである。その時の電界分布を図37に示す。このY1−Y’1線沿い縦方向電界の最大値は、図示から明らかなように、Emax≒2.1×10↑5(V/cm)程度である。そして、このEmax≒2.1×10↑5(V/cm)の値は、ρ=9Ω・cm(Nd=5.13×10↑14(1/cm↑3))のN↑−基板での臨界電圧Ecri≒2.87×10↑5(V/cm)よりも遥かに小さい値であること、つまり、活性領域での縦方向電界は、充分に小さい値に収められていることが分かる。
【0087】
図38は、y=1μm、すなわち、BOX層7の厚みに対して、略真中の深さでの横方向電界分布を示す図である。この図では、上記図35と同様に、x=24μm付近に、このBOX層7中においても、高い電界のピーク、Emax≒9.5×10↑5(V/cm)が存在していることが分かる。
しかしながら、上記の場合、シリコンバルク中とは異なり、BOX層7、すなわちSiO2膜中であるので、そのEmax≒9.5×10↑5(V/cm)の値そのものは、まだまだ余裕があるものと考えられる。
【0088】
以上、シミュレーション3の結果をまとめると次のようになる。
(1)VR≒100Vで屈曲後、VR≒302Vを達成でき、かなりの耐圧は得られたが、目標値にはまだ達することができない。
(2)BOX層7を付加することにより、そのBOX層7内部に、より多くの電圧を負担させることは可能となった反面、P層3端部に近いN↑−層2の付近からPN接合6にかけて異常に高い電界が集中している。
(3)かかる電界集中がVR波形の屈曲現象を招いている懸念もある。
【0089】
(4)シミュレーション4
図39に、シミュレーション4を実施するP↑−層5をさらに追加したデバイスの構造図を、また、図40に当該デバイスのシミュレーション領域の図を示す。
本構造と図29及び図30の差は、次の点である。
▲1▼主PN接合6を構成するP↑+層3の端部は、フィールド・プレート構造22の張り出し幅よりも3μm程やや内側に戻してある。
【0090】
▲2▼上下をSiO2膜8とBOX層7、左右をP↑+層3とN↑+チャンネル・ストッパ層4で囲まれたN↑−層2a中の上部領域の一部に、前記P↑+層3に繋がり、かつ、前記N↑+チャンネル・ストッパ層4からやや離れるように、図示のようにP↑−層5を追加してある。
【0091】
▲3▼上記P↑−層5を追加した分、N↑−層2の厚さを0.5μmから2μmへと厚くし(ただし、そのうちの半分の1μm深さまでがP↑−層5)、P↑+層3の深さ(Xj)についても1μmから2.5μmへと深くしている。
【0092】
▲4▼耐圧維持領域の横方向寸法も、SiO2膜8の開口部の位置で示すと、40μmから100μmへと広くしている。しかし、これは後述のResurf効果を意図したP↑−層5の横方向幅寸法依存性を調査するために、広いシミュレーション領域を設定したものである。
【0093】
▲5▼BOX層5の横方向寸法も図示のように、SiO2膜8の開口部より20μm分内側に延長してある(図40の斜線を施した部分)
なお、上記20μm延長した理由は、P↑+・N↑−の主PN接合6端部付近でのN↑−層2中の電界が、前記シミュレーション3における図31のように、電位線の込み合いにより、高くなってしまうことが分かっているので、より多くの電界負担をBOX層7中に、より広く(横方向に)取り込み、高い電界の影響からP↑+層3の底部のP↑+・N↑−接合面を遠ざけてやりたいとの配慮があるからである。
【0094】
また、周知のように、BOX層7中の比誘電率(ε=3.9)とシリコンバルク中の比誘電率(ε=11.9)の間には大きな差があり、BOX層7とシリコンバルクの境界では電位線が急に曲がる、つまり、電界強度分布も急に変化し易いので、BOX層7の寸法選定には注意が必要である。
なお、このことについては後述する。
【0095】
先ず、シミュレーションの結果として、その耐圧波形を図41に示した。
これは、図39及び図40の構造において、上記の追加したP↑−層5(以下、Resurf層と略記する。)横幅の耐圧に耐える状況を事前調査するため、当該横幅の値を、50μm、70μm、110μmとして、かつ、Resurf層5のCsを1×10↑16に固定して計算を行なった結果、VRがそれぞれVR=323V、327V、329Vとなり、大差のないことを表している。
【0096】
つまり、このことは、後述のResurf効果が起きている、すなわち、図10における表面電界Esの左右のピークの中間にあるEsが、フラットな領域幅を可能な限り詰めても、換言すれば横方向寸法を小さくしても、本構造においては耐圧による影響がさほど見られないことが分かった。このことは、また、より耐圧領域の寸法縮小が可能であることを示唆しており、Resurf層5の幅が50μm程度でも全く問題がないことが明らかとなった。
【0097】
ところで、Resurf構造を採用する際に、Resurf層5の横幅寸法に加え、重要な問題がもう一つある。それは文献▲4▼中等に記載したように、depi・Nepi積が、depi・Nepi≒1×10↑12(1/cm↑3)程度であることが望ましいことが述べられていた。このことを踏まえた上で、N↑−層2のみに限らずN↑−層2とResurf層5の電荷のバランスが大切である。
つまり、Resurf層5の表面不純物濃度(Cs)をどのくらいに選定するかということが大変重要である。
【0098】
そこで、Resurf層5の幅を110μmに固定し、表面不純物濃度(Cs)=1×10↑15、1×10↑16、2×10↑16、5×10↑16(1/cm↑3)の4種類の場合について、VRの表面不純物濃度(Cs)の依存性を調査することとした。
その時得られた結果を表2、及び図42中に、また、その耐圧波形を図43中に示した。
【0099】
【表2】
Figure 2004111476
【0100】
これによりResurf層(P↑−層)5のCsが、Cs≒2×10↑16(1/cm↑3)付近にピークを有して耐圧VRが増大していることが明らかになった。
以下、上記図39に示した構造及びそのシミュレーション領域を示す図40に基づき、Cs=1×10↑15、1×10↑16、2×10↑16、5×10↑16(1/cm↑3)の4種類に関するResurf層5の追加時の2次元電位分布、Resurf層5内(表面から0.38μm深さ;図40のL1−L’1線沿い)の横方向電位と電界分布について検証を行い、そのResurf効果の発生状況や効果の良否を述べる。
【0101】
先ず、図44に、Cs=1×10↑15(1/cm↑3)での2次元の電位分布図を示す。また、図45に、Resurf層5内の横方向電位を、さらに図46に、その横方向電界を示す。
そして、図44では、電位線がResurf層5の領域側のP↑+・N↑−接合付近のN↑−層2領域内に密集することが分かる。これはResurf層5の表面不純物濃度(Cs)が小さすぎるため、電位線がResurf層5、あるいはその下側のN↑−層2aやBOX層7、さらにはその下のシリコンバルクであるN↑−層2内で水平に曲げられることもなく、直立するような形で表面に至るような分布となるからである。
【0102】
その結果、つまり、空乏層が横方向に充分に広がっていないため、Resurf層5の電位が殆どの領域(Resurf層5の端部からP↑−・P↑+接合にかけての)でゼロ電位のまま一定となっていて、P↑−・P↑+接合に近づくにつれ、急激に変化することが分かる。
すなわち、図44において、x=93μmがP↑−・P↑+接合であり、x≒75μmからx≒95μmにかけて急激に変化している。また、この時の電界強度の最大値(Emax)は、急激な電位の変化のために、図46に示すように、Emax=2.60×10↑5(V/cm)程度となってしまっている。
以上より、Cs=1×10↑15(1/cm↑3)の場合、P↑−・P↑+接合に近い、Resurf層5にのみ電界が集中しているため、結果としてVR=259V程度しか得られていない。
【0103】
次に、Cs=1×10↑16(1/cm↑3)の場合について述べる。
この場合も前記と同様に、図47に2次元電位分布を、図48にResurf層5の横方向電位を、図49に、その横方向電界強度を示す。
上記の場合、Resurf層5の表面不純物濃度(Cs)がやや高濃度となった分、電位線はP↑−・N↑−接合(横方向接合)に遮られ、その結果、横方向に曲がるように分布するので、図47に示したような電位分布となる。
【0104】
しかしながら、それでもP↑−・P↑+接合に近いResurf層5内での電位線の密集は、さほど改善されることがないことが分かる。Resurf層5内の横方向電位は、図48に示すように、該Resurf層5の端部で約40V程度の電位負担をした後、一定となり、x≒60μm付近から前記図45に比べれば、やや緩やかな電位変化をしつつ、x≒95μm付近まで変化している。
【0105】
その結果、図49に示すように、Resurf層5の端部において、電界のサブ・ピークが発生している。
すなわち、これがResurf効果の開始であるが、サブ・ピークの電界強度(Emax−L)は、Emax−L=0.68×10↑5(V/cm)と非常に小さい。そして、P↑−・P↑+接合に近い方のメイン・ピークにおける電界強度(Emax−R)は、Emax−R=2.13×10↑(V/cm)程度を示し、VR=329Vを得た。
【0106】
結果として、Cs=1×10↑16(1/cm↑3)の場合、Resurf効果は起こり始めているが、まだ、Csが低すぎるために、電界の集中がP↑−・P↑+接合側に片寄りすぎており、Resurf層5の端部側との電界強度比のバランスが悪い。
すなわち、目標としなければならないのは、Emax−L≒Emax−Rとすることであり、さらに適切な表面不純物濃度(Cs)を選定する必要がある。
【0107】
次に、上記のような結果からCs=2×10↑16(1/cm↑3)の場合の検証を行なう。
図50、図51、図52が前記と同様に、それぞれ2次元電位分布、Resurf層5の横方向電位、及びその横方向電界強度を示している。
図50において、P↑−・P↑+接合付近のResurf層5における電位線の密集度がかなり緩和され、しかも、空乏層は該Resurf層5の横方向全体にわたって、充分広げられている。そして、Resurf層5の外端側にも電位線のやや密集している傾向が見られる。
【0108】
その結果として、図51に示すように、Resurf層5の外側端部での電界負担分も印加電圧の約半分の120V程度にまで達し、その後、僅かな減少領域を経た後、x=60μm付近よりもやや手前から既に電位が緩やかな下降を開始し、x≒95μmにかけてVR=−250Vに落ち着くことが分かる。
【0109】
また、図52からも明らかなように、Emax−L≒Emax−Rの条件が略満たされ、Emax−L=1.62×10↑5(V/cm)、Emax−R=1.60×10↑5(V/cm)となっている。
以上より、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)の場合、Resurf層5の両端部付近での電位分布、電界強度のいずれもが略均等に配置されるので、Resurf効果の良い状態が達成され、結果として、VR=362V程度が達成される。
【0110】
次に、Cs=5×10↑16(1/cm↑3)の場合について述べる。
図53、図54、図55が前記と同様に、それぞれ2次元電位分布、Resurf層5の横方向電位、及びその横方向電界強度を示している。
これらの図から電位及び電界の集中が、Resurf層5の外側端部に偏っていることが分かる。
【0111】
すなわち、図53での電位線の密集具合、図54での電位負担、及び図55でEmax−L=4.07×10↑5(V/cm)が示され、Emax−Rは、そのピークさえ消失していることが分かる。
これは、Resurf層5の表面不純物濃度(Cs)が高濃度過ぎて、電位線がP↑+層3の場合と同様に作用するようになるので、Resurf層5側に殆ど食い込めなくなる結果、図示のような分布となっている。
【0112】
この時、得られたVRの値は、VR=178Vとなってしまい、Cs=2×10↑16(V/cm)からCs=5×10↑16(V/cm)という、Resurf層5の僅かな表面不純物濃度の増加が、VR=362VからVR=178Vへと致命的なVRへの減少に結び付くことが分かる。
【0113】
以上より、Cs=5×10↑16(1/cm↑3)の場合、Resurf層5の濃度が高すぎるために、Resurf効果が最早期待できず、単に主PN接合6(P↑+層3)が外側に延長されるような状態となって、本構造の意味もまた失われてしまう。その結果として、VRの値もVR=178Vとなってしまう。
【0114】
以上述べたように、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)の場合、VR/VB=362V/415V=0.872であり、4種類のうちでは最も良い結果が得られたが、未だ、図50のA部及びB部での局所的な電界集中の問題が残っている。
上記図50におけるB部は、BOX層7内での電界集中、A部は、BOX層7とシリコンバルク境界において発生する電界集中である。これらの電界集中に対する更なるデバイス構造の改善策を検討する必要がある。
すなわち、BOX層7と、電界集中が必須である主PN接合6のP↑+・N↑−接合とは近づけてはならず、離してやる工夫が必要ということである。
【0115】
ところで、図40におけるV1−V’1線(x=40μm)沿いのResurf層5とN↑−層2aの縦方向不純物濃度を積分することによって、各層の電荷量(QT)が求まる。ここで、Resurf層5の電荷量をQTP−、N↑−層2aの電荷量をQTN−として、それぞれの値を計算し、また、QTP−/QTN−の比とVRの値をまとめて前記表2に示した。
【0116】
また、図56中には、Resurf層5の表面不純物濃度(Cs)に対する上記電荷量QTP−, QTN−の値をプロットして示した。
図において、Resurf層5における低Cs側でのQTN−の値が下がっているのは、N↑−層2a側の濃度がP↑−・N↑−接合付近で、Resurf層5により強く補償されているためである。
【0117】
上記QTP−は、Resurf層5のCsを高くすれば当然増加することになり、表2や図56に示したようなQTP−の値、及びQTN−の値となっている。
図57には、QTP−/QTN−に対する得られたVRの値をプロットして示した。この図から前述のEmax−L≒Emax−Rの条件が得られた時のQTP−/QTN−の値は、QTP−/QTN−≒19であることが分かる。
しかし、QTP−/QTN−の範囲が15〜25の範囲であれば、充分満足するVRの値である。
【0118】
加えて文献〔Ref.4〕中で述べられているNepi・depi=1×10↑12(1/cm↑2)のResurf層5内の電荷量(すなわち、不純物総量)の推奨値に対しては、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)の時の(QTP−)+(QTN−)=8.13E11+4.27E10=8.56E11(1/cm↑2)となって、略同一レベルの不純物総量となっていることも分かる。
【0119】
(5)シミュレーション5
図58及び図59で、本発明の最適な構造を提起し、また、その優れた点を、本シミュレーションを通して明らかにする。
図58は、図39の構造に対して、主PN接合6の深さを2.5μmから1.0μmにと浅くした以外は、何等変更がない。それにもかかわらず、この1箇所のみの変更により、図50に示したA部及びB部の局所的電界の集中が一挙に解決される。
【0120】
以下、これについて説明する。さらには、図39の構造で達成されたResurf効果が引き続いて維持される結果、耐圧に関してもVR=400Vが達成されるようになることも示す。
図60は、図59中に示すY1−Y’1線(x=40μm)沿いの縦方向の不純物濃度分布を示しているが、シミュレーション4の結果に基づき、Resurf層5(P↑−層)の表面不純物濃度は、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)を採用している。また、Resurf層5の深さ(Xj)は、Xj=1.0μmである。
【0121】
図61は、図59中のY2−Y’2線(x=138μm)沿いの縦方向の不純物濃度分布を示している。P↑+層3のCsは、Cs=1×10↑18(1/cm↑3)で、その深さ(Xj)は、Xj=1.0μmであるが、これはResurf層5の深さ(Xj)と同じ深さ、Xj=1.0μmを採用しており、このことが本発明の特徴である。
BOX層7よりも下側のN↑−層2及びN↑+層1については、ρ=9Ω・cm、N↑−層2の厚さ=29μmとしてあり、これらはシミュレーション1以後、全て共通の仕様である。
【0122】
さて、図62中には、本発明のデバイスにVR=250Vを印加した時の2次元の電位分布図を示す。この図から明らかな通り、図50で問題となっていた図50のA部及びB部での電位線の込み具合が殆ど解消されていることが分かる。
【0123】
すなわち、本発明においては、P↑+層3の深さを2.5μmから1.0μmに浅くし、かつ、Resurf層5(P↑−層)の深さと同一としてあるので、A部においては、P↑+層3の下側にあるN↑−層2中で、BOX層7の上下に分割されている電位線が、該BOX層7内に収斂するようにして入り込んでいるため、図50でBOX層7と略同一高さから下側にのみ電位線が分布していた場合に比較して、ここでは、BOX層7・N↑−層2の境界での電位線形状がスムーズになっていて、しかもその右側のN↑−層2内の電位線の込み具合がより解消されている。
【0124】
また、図50のB部においての比較では縦方向のP↑+・N↑−接合が存在しなくなっていて、P↑+層3の底部とBOX層7の間にもN↑−層2が介在するようになるため、このことによって発生していた電位線の曲がりが解消される結果、BOX層7内のB部の電位線の込み具合も全く問題にならなくなっている。したがって、図63中に示した耐圧(VR)波形のごとく、本発明においては、VR=400Vを得ている。
【0125】
因みに、VR/VB=400V/415V≒0.96となり、プラナ曲率が存在する故の従来からどうしても避けて通れなかった耐圧減少の問題が、本発明の構造を以って初めて、略完全に解決されたということができる。
【0126】
図64中には、シリコン表面から0.1μmの深さにおける横方向電位を示す。この図では、図51でも得られたような、VR=120V分の略半分の電位分負担がResurf層5の外側端で担われ、残りがP↑−・P↑+接合側において担われていることが分かる。
よって、図65に示すような、Emax−L(1.62×10↑5(V/cm))≒Emax−R(1.60×↑5(V/cm))となる左右均等のEmax分布がここでも得られている。
【0127】
図66に、図59のY2−Y’2線沿いの電位分布を示す。また、図67は、その時の電界分布であるが、これは、例えば図35で示したものと略同一となることは言うまでもない。
図68には、図59のY1−Y’1線沿い電位分布を示す。x=40μmの位置では、表面の電界も約半分のVR≒125V分しかかかっていないので、このVR=−125Vが深さ方向の起点なる。
【0128】
Resurf層5及びその下のN↑−Resurf層2a中では、電荷のバランスが上手く取れているので、略直線的にΔVR=−20Vが負担され、続くBOX層7では、1μmの厚さにもかかわらず、ΔVR=−35Vが負担されるので、傾斜が急である。
そして、残りのΔVR≒−70V程度がBOX層7の下側のN↑−層2aで負担されていることが分かる。その時のY1−Y’1線沿いの電界分布を、図69中に示す。
この図において、P↑−・N↑−接合での電界が、E=1.18×10↑5(V/cm)と極めて小さい値となっているのに対し、BOX層7内の電界は、E=3.30×10↑5(V/cm)と、約3倍も高くなっていることが分かる。
【0129】
次に、BOX層7内での横方向電界分布の状態も確認したので、これについて述べる。
図70中に、表面から深さ2.5μm(BOX層7の横方向中心)での電界分布を示した。
図からも明らかなのように、Emax=5.57×10↑5(V/cm)もの電界が、縦方向のP↑−・P↑+接合部の直下辺りで発生していることが分かる。以上述べたように、図58及び図59で示した構造を以って、従来から避けて通れなかったプラナ接合特有のVcy、Vspモードに伴う耐圧減少の問題が略完全に解消されることが立証された。
【0130】
(6)シミュレーション6
最後に、シミュレーション6においては、図58に示した本発明のデバイス構造から、BOX層7を再度取り除き、図71中に示すようなデバイス構造を以って、BOX層7が有ったことによる効果を再検証する。
なお、図72に、図71のシミュレーション領域の図を示す。また、それらの図において、破線で囲まれた部分は、BOX層7があった位置を示している。
【0131】
図73は、上記デバイス構造の2次元の電位分布を示す図であるが、P↑−・P↑+縦方向接合下部のd部付近の電位線が図62に比べて、より込み合うようになっていることが分かる。
【0132】
したがって、図72のY1−Y’1線沿い(x=40μm)の縦方向の電位分布を示す図74において、BOX層7で負担していたΔVR=−30V分が、ΔVR’=−10V程度にまで減少し、Y1−Y’1線のシリコン表面におけるその分(−20V程度)下がり、−110V程度の値しか分担しないようになる。
【0133】
なお、図74中のBOX層7内で屈曲したのカーブの方は、BOX層7が有りの場合のものを比較のために重ね書きしたものである。
その結果、図75中に示すように、耐圧もかなり下がり、VR=400VからVR=341Vとなった。
すなわち、VR/VB=341V/415V=0.821となり、BOX層7の有ったことの効果が明らかである。
【0134】
図76は、図72におけるY1−Y’1線(x=40μm)沿いの縦方向電界強度を比較した図である。この図では、BOX層7内での高い電界領域(E=3.30×10↑5(V/cm))が失われた結果、P↑−・N↑−のResurf領域接合の電界が、E=1.18×10↑5(V/cm)からE=1.23×10↑5(V/cm)に上昇することが分かる。
【0135】
図77、図78、図79は、シリコン表面からの深さがそれぞれ、0.1μm、1.0μm、1.5μmでの横方向電位を比較している。
そのうちのいずれもが、BOX層7が無い場合の曲線が上側にある、つまり、Resurf層5の外側端部での電位変化が、より急峻となってしまうことが分かる。加えて、シリコン表面からの深さが深くなればなるほど、この横方向電位分布おけるBOX層7の有無の差が顕著でなくなることも明らかとなっている。
【0136】
次に、図80、図81、図82に、それぞれシリコン表面から2.1μm、3μm、4.5μmにおける横方向電界分布を示す。これらの図は、上記横方向電位分布の結果が反映されている。
上記図80では、Emax−L=1.44×10↑5(V/cm)で、Emax−R=1.69×10↑5(V/cm)となり、最早、Emax−L≒Emax−Rであった条件が維持されなくなってしまうことが示されている。
【0137】
図81においては、Resurf層5の端部近傍に発生していたResurf効果を示す電界のピークが失われ、殆どその効果が深さ1μm付近のP↑−・N↑−接合付近では期待できなくなることが分かる。そのため、右側のP↑−・P↑+接合付近の電界のピークが、E=2.41×10↑5(V/cm)からE=2.73×10↑5にと上昇する結果を招来している。
【0138】
図82では、深さ4.5μm、すなわち、BOX層7の厚さの中心での横方向電界分布を比較しているが、BOX層7内で、かつ、P↑−・P↑+接合下部でのEmaxの値が、E=5.57×10↑5(V/cm)からE=2.1×10↑5(V/cm)と、通常のシリコンバルク中で良く見られる当然の値に戻ってしまっている。
【0139】
以上、シミュレーション6の解説で述べたように、BOX層7を除去することは、例え、適切なResurf層5の表面不純物濃度(Cs)や、該Resurf層5(P↑−層)及びP↑+層3の深さ(Xj)等の構造決定要因が、一旦最適化され、Resurf効果の良し悪しを示すEmax−L≒Emax−Rの条件が確立されたとしても、それが一気に失われてしまう結果、耐圧も下がってしまうことが実証された。
【0140】
換言すれば、本発明構造におけるResurf層5(P↑−層)の導入、BOX層7の導入、前記Resurf層5における表面不純物濃度(Cs)の最適化、また、Resurf層5及びP↑+層3の深さ(Xj)の最適化、さらにはフィールド・プレート構造22の維持という要因の全部又は一部を巧みに組み合わせることによって初めて、限りなく平面接合のブレーク・ダウン電圧に近い、プラナ接合のブレーク・ダウン電圧を得ることができるようになるという総合技術の結晶が確認された。
【0141】
次に、上記本発明デバイスにおける製造方法の一例を、図2〜図7を参照して述べる。
先ず、本発明のデバイスを製作するために、耐圧維持領域のみにBOX層7を有するSOI基板ウェーハ21をスタート素材として用い、図2に示すように該素材ウェーハ21を全面酸化させる(第1工程)。
なお、スタート素材の制作方法としては、種々の方法があるが、ここでは市販のものを使用することとして、その制作方法については述べない。
また、上記の場合、SiO2膜8の厚さは、例えば0.5μmとなるような酸化条件が選定される。
さらに、表面よりN↑−層2・BOX層7・N↑−層2・N↑+層1の各層の厚みは、図38に示すように、1μm、1μm、27μm、1μmの厚みにそれぞれ選ばれる。
【0142】
次に、Resurf層(P↑−層)を形成するために、図3に示すように、SiO2膜8に所定の開口を施し、ボロン・イオン注入を行なう(第2工程)。
なお、第1のフォト・レジスト工程(L1)において、BOX層7とResurf層形成パターンのアライメントは、例えば周知の顕微鏡による赤外光等により、相互アライメントを行い完成させる。また、ボロン注入におけるCap−SiO2(Amorphous SiO2)膜は、図示しないが、膜厚が1200Å程度である。
【0143】
次に、図4に示すように、第2のフォト・レジスト工程(L2)を施し、周知のフォトリソ技術によりP↑+層の注入部パターンを形成した後、これをマスクとしてボロン・イオン注入及びアニールを行なう(第3工程)。
なお、Resurf層(P↑−層)の注入条件は、例えば150Kev/1.5×10↑12ドーズ、P↑+層の注入条件は、70Kev/5×10↑13ドーズ、P↑−層及びP↑+層のアニールは共通処理とし、1050℃/60分、P↑−層及びP↑+層の深さ(Xj)は、共にXj≒1.0μm、P↑−層の表面不純物濃度(Cs)=2×10↑16(1/cm↑3)、P↑+層の表面不純物濃度(Cs)=1×10↑18(1/cm↑3)である。
【0144】
次の、上記アニール処理中に、第2SiO2膜8’を約0.3μm形成した後、第3のフォト・レジスト工程(L3)によりN↑+チャンネル・ストッパ層となる部分を開口すべく第2SiO2膜8’をエッチング除去する(第4工程)。
【0145】
続いて、N↑+チャンネル・ストッパ層4を形成のための工程に移る。この場合もCap−SiO2膜を1200Åの厚さで形成後、リン・イオンを注入し、アニールを行なう(第5工程)。
なお、リン・イオン注入条件は、例えば150Kev/5×10↑14ドーズ、アニール条件は、1000℃/60分とし、N↑+チャンネル・ストッパ層4の深さ(Xj)≒0.7μm、表面不純物濃度(Cs)≒1.5×10↑19(1/cm↑3)である。
【0146】
次に、図6に示すように、第4のフォト・レジスト工程(L4)により電極部を開口し、アノード電極9の電極メタルとして、例えばアルミ系金属を1〜5μm厚に全面形成し、電極メタルが第5のフォト・レジスト工程(L5)を経て図7に示すような形状にパターンニングされる。
次いで、裏面側のカソード電極10が形成され、また、図示を省略した保護膜が形成されて図示のような本発明のデバイスが完成する(第6工程)。
【0147】
上記の製造方法によれば、耐圧維持領域のみにBOX層7を有する、比較的安価で品質の安定している市販のSOI基板ウェーハ21をスタート素材とし、複雑な工程を経ることなく目的とするデバイスを迅速かつ安価に製作できる利点がある。
なお、上記の製造方法は、本発明のデバイスを製作するための一例であって、製作された最終結果物としてのデバイスは、かかる方法によるものに特に限定されされないことは言うまでもない。
【0148】
【発明の効果】
本発明の半導体装置によれば、上記のように構成したので、概略次のような効果を奏する。
(1)プラナ接合においても、平面接合に限りなく近いブレーク・ダウン電圧(デバイスの耐圧)が得られという画期的な効果が生じる。
(2)上記(1)の結果、より高不純物濃度(低い比抵抗ρ)で、かつ、より薄い厚みのエピタキシャル層が使用できようになり、半導体装置のVF特性、IF特性、trr特性が改善される。
(3)Resurf層の電界強度が平坦になる部分を狭くしてもさほど影響がでないことが判明したので、耐圧維持領域に要する面積が少なくて済む。
(4)耐圧維持領域にみにBOX層を有する、比較的安価で品質の安定している市販のSOI基板をスタート素材とし、複雑な工程を経ることなく目的とするデバイスが迅速かつ安価に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデバイス構造を示し、上部にその平面をも表した断面図である。
【図2】本発明のデバイスを製作するための製造方法を説明するための図であって、
その製造方法の第1工程図である。
【図3】上記製造方法の第2工程図である。
【図4】上記製造方法の第3工程図である。
【図5】上記製造方法の第4工程図である。
【図6】上記製造方法の第5工程図である。
【図7】上記製造方法の第6工程図である。
【図8】従来のプラナ技術によって形成されたPN接合面の説明図であって、(a)は、その断面図、(b)は、主PN接合面の斜視図である。
【図9】円筒状及び球面状の主PN接合におけるブレーク・ダウン電圧を示した図である。
【図10】Resurf構造の原理を示す図である。
【図11】SOI分離素子の構造例を示す断面図である。
【図12】SIO分離素子のエピタキシャル層厚、Tox、VBの関係を示す図である。
【図13】従来技術による縦型プラナ構造デバイスの断面図である。
【図14】平面接合を想定した1次元シミュレーションによる考察を行なうために用いる従来構造の模式図であり、(a)は、シミュレーション1を行なうための構造(1)を、(b)は、同じくシミュレーション1を行なうための構造(2)をそれぞれ示す模式図である。
【図15】図14(a)の構造(1)におけるL1−L’1線に沿った不純物濃度プロファイルを示す図である。
【図16】図14(b)の構造(2)におけるL2−L’2線に沿った不純物濃度プロファイルを示す図である。
【図17】上記構造(1)での耐圧波形を示す図である。
【図18】上記構造(2)での耐圧波形を示す図である。
【図19】シミュレーション2に用いるフィールド・プレート構造デバイスの断面図である。
【図20】上記フィールド・プレート構造デバイスのシミュレーション領域を示す図である。
【図21】上記フィールド・プレート構造デバイスの2次元電位分布図である。
【図22】上記フィールド・プレート構造の耐圧波形図である。
【図23】図20におけるV1−V’1線沿いの不純物濃度分布図である。
【図24】図20におけるL1−L’1線沿い(y=0.1μm)の電位分布図である。
【図25】図20におけるV1−V’1線沿い(x=48μm)の電位分布図である。
【図26】図20におけるL1−L’1線沿い(y=0.1μm)の電界分布図である。
【図27】図20におけるV1−V’1線沿い(x=48μm)の電界分布図である。
【図28】図20におけるL2−L’2線沿い(y=5μm)の電界分布図である。
【図29】シミュレーション3に用いるBOX層構造デバイスの断面図である。
【図30】上記BOX層構造デバイスのシミュレーション領域を示す図である。
【図31】上記BOX層構造デバイスの2次元電位分布図である。
【図32】上記BOX層構造デバイスの耐圧波形図である。
【図33】上記図31におけるV1−V’1線沿いの不純物濃度プロファイルを示す図
である。
【図34】上記図31におけるL1−L’1線沿いの横方向の電位分布図である。
【図35】上記図31におけるV1−V’1線沿いの縦方向の電位分布図である。
【図36】上記図31におけるL1−L’1線沿いの横方向の電界分布図である。
【図37】上記図31におけるV1−V’1線沿いの縦方向の電界分布図である。
【図38】上記図31におけるL2−L’2線沿いの横方向の電界分布図である。
【図39】シミュレーション4に用いるResurf層(P↑−層)をさらに追加した構造デバイスの断面図である。
【図40】上記Resurf層(P↑−層)をさらに追加した構造デバイスのシミュレーション領域を示す図である。
【図41】上記Resurf層の横幅と耐圧(VR)との関係を示す図である。
【図42】上記構造デバイスでのResurf層の表面不純物濃度(Cs)と耐圧(VR)との関係を示す図である。
【図43】上記構造デバイスでのResurf層の表面不純物濃度(Cs)と耐圧(VR)とを変化させた時に得られる耐圧波形を示す図である。
【図44】上記Resurf層の表面不純物濃度がCs=1×10↑15(1/cm↑3)での2次元電位分布図である。
【図45】上記Resurf層内の横方向の電位分布図である。
【図46】上記Resurf層の横方向の電界分布図である。
【図47】上記Resurf層の表面不純物濃度がCs=1×10↑16(1/cm↑3)での2次元電位分布図である。
【図48】上記Resurf層内の横方向の電位分布図である。
【図49】上記Resurf層の横方向の電界分布図である。
【図50】上記Resurf層の表面不純物濃度がCs=2×10↑16(1/cm↑3)での2次元電位分布図である。
【図51】上記Resurf層内の横方向の電位分布図である。
【図52】上記Resurf層の横方向の電界分布図である。
【図53】上記Resurf層の表面不純物濃度がCs=5×10↑16(1/cm↑3)での2次元電位分布図である。
【図54】上記Resurf層内の横方向の電位分布図である。
【図55】上記Resurf層の横方向の電界分布図である。
【図56】上記Resurf層の表面不純物濃度(Cs)と該Resurf層の電荷量(QTP−)、及びN↑−層の電荷量(QTN−)との関係を示す図である。
【図57】上記電荷量の比(QTP−/QTN−)に対する耐圧(VR)の値との関係を示す図である。
【図58】シミュレーション5に用いるP↑+層の深さをResurf層の深さと同じにした構造デバイスの断面図である。
【図59】上記構造デバイスのシミュレーション領域を示す図である。
【図60】図59におけるY1−Y’1線沿いの不純物濃度分布図である。
【図61】図59におけるY2−Y’2線沿いの電位分布図である。
【図62】上記構造デバイスの2次元電位分布図である。
【図63】上記構造デバイスの耐圧波形図である。
【図64】上記構造デバイスのシリコン表面より0.1μmの深さにおける横方向の電位分布図である。
【図65】上記構造デバイスのシリコン表面より0.1μmの深さにおける横方向の電界分布図である。
【図66】上記図59のY2−Y’2線沿い縦方向の電位分布図である。
【図67】上記図59におけるY2−Y’2線沿いの縦方向の電界分布図である。
【図68】上記図59におけるY1−Y’1線沿いの縦方向の電位分布図である。
【図69】上記図59におけるY1−Y’1線沿いの縦方向の電界分布図である。
【図70】上記構造デバイスのシリコン表面より4.5μmの深さにおける横方向の電界分布図である。
【図71】シミュレーション6に用いるBOX層を除去した構造デバイスの断面図である。
【図72】上記構造デバイスのシミュレーション領域を示す図である。
【図73】上記構造デバイスの2次元電位分布図である。
【図74】上記BOX層の有無による上記図72におけるY1−Y’1線沿いの縦方向の電位分布図である。
【図75】上記BOX層の有無による耐圧波形を比較した図である。
【図76】上記BOX層の有無による上記図72におけるY1−Y’1線沿いの縦方向の電界分布図である。
【図77】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ0.1μmの上記BOX層の有無による横方向の電位分布図である。
【図78】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ1μmの上記BOX層の有無による横方向の電位分布図である。
【図79】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ1.5μmの上記BOX層の有無による横方向の電位分布図である。
【図80】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ2.1μmの上記BOX層の有無による横方向の電界分布図である。
【図81】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ3μmの上記BOX層の有無による横方向の電界分布図である。
【図82】上記図72における構造デバイスのシリコン表面より深さ4.5μm(BOX層中)の上記BOX層の有無による横方向の電界分布図である。
【符号の説明】
1  N↑+層
2,2a N↑−層
3  P↑+層
4  N↑+チャンネル・ストッパ層
5  P↑−層(Resurf層)
6  PN接合
7  埋め込み酸化膜層(BOX層)
8  SiO2膜
9  アノード電極
10 カソード電極
21 SOI基板ウェーハ
22フィールド・プレート構造

Claims (6)

  1. N↑+型半導体基板上に設けられたN↑−層と、
    該N↑−層の中央部の一方主面側に位置するように設けられ、かつ、主PN接合の端部が一方主面側の表面に露出するように設けられたP↑+層と、
    前記半導体基板上の一方主面側の最外周端部であって、前記N↑−層内に設けられたN↑+チャンネル・ストッパ層と、
    該チャンネル・ストッパ層の表面の一部及び前記主PN接合の一方主面側への露出端部を少なくとも覆う酸化膜と、
    前記一方主面側のP↑+層上に形成されたアノード電極及び前記半導体基板の他方主面側に形成されたカソード電極と、
    を有する半導体装置において、
    前記P↑+層の外周を囲み、該P↑+層の外周に隣接すると共に、該P↑+層の前記一方主面側の表面からの深さと同じ深さで、かつ、該P↑+層と前記チャンネル・ストッパ層との間の耐圧維持領域としての前記N↑−層内に設けられたP↑−層と、
    前記チャンネル・ストッパ層の位置から前記P↑+層とN↑−層とで形成される主PN接合の水平位置の下部に至る位置までの横幅で前記P↑−層直下に設けられ、かつ、該P↑−層直下に前記N↑−層の厚みが残存するように設けられた埋め込み酸化膜層(BOX層)と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記P↑+層上に形成されたアノード電極の最外端は、前記P↑+層の最外端を超えたフィールド・プレート構造であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記P↑−層の電荷量(QTP−)及び前記N↑−層の電荷量(QTN−)の比(QTP−/QTN−)が、QTP−/QTN−=15〜25の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記P↑−層の表面不純物濃度(Cs)が、Cs=2×10↑16(1/cm↑3)であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記P↑−層と前記P↑+層の深さ(Xj)が、Xj=1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  6. N↑+層上にN↑−層を有し、該耐圧維持領域のN↑−層の内部に埋め込み酸化膜層(BOX層)を有するSOI基板ウェーハをスタート素材として用い、該素材ウェーハを全面酸化させる第1工程と、
    前記N↑−層内にP↑−層(Resurf層)及びP↑+層を形成するために、前記第1工程で形成された第1の酸化膜に所定の開口を施し、ボロン・イオン注入を行なう第2工程と、
    前記P↑+層注入部パターンを形成し、該注入部を介してボロン・イオン注入を行なった後、アニールを施す第3工程と、
    前記アニール処理中に、第2の酸化膜を形成した後、フォト・レジストによりN↑+チャンネル・ストッパ層となる部分を開口するために、前記第2の酸化膜をエッチング除去する第4工程と、
    前記第4工程で形成した開口部からリン・イオン注入を行い、アニール処理を施してN↑+チャンネル・ストッパ層を形成する第5工程と、
    前記P↑+層の少なくとも主面上及び前記基板の裏面側のN↑+層の主面 上にアノード電極及びカソード電極を形成する第6工程と、
    を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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