JP2004115784A - 離型剤用組成物、及びそれを用いた離型シート - Google Patents

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能澤 晃太郎
Motohiro Seki
関 基弘
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Abstract

  【目的】 非シリコーン系であって、常態剥離性に優れると共に、溶剤との接触や高温環境下を経た後においても剥離性の低下が抑制された離型シートを得ることができる離型剤用組成物、及びそれを用いた離型シートを提供する。
  【構成】 下記の(A)成分と(B)成分を含有する離型剤用組成物、及び、基材の少なくとも片面に、該離型剤用組成物の硬化物である離型剤層が形成されてなる離型シート。
 (A)下記式(I) で表される繰返し単位と下記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位として含むビニルアルコール系重合体
Figure 2004115784

 〔式(II)中、Xは直接結合、又は2価の結合基を示し、Rは炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を示す。〕
 (B)水酸基と反応可能な官能基を2個以上有する多官能化合物

Description

 本発明は、非シリコーン系離型剤用組成物、及びそれを用いた離型シートに関し、更に詳しくは、常態剥離性に優れると共に、溶剤との接触や高温環境下を経た後においても剥離性の低下が抑制された離型シートを得ることができる離型剤用組成物、及びそれを用いた離型シートに関する。
 従来より、感圧性粘着テープや粘着シートは、被着体に軽く圧着するだけで接着できる簡便性を活かして多くの分野において用いられており、これらは、通常、非捲回物においては、基材表面に形成された粘着剤層上に、別基材の片面に離型剤層を形成した離型シートをその離型剤層を前記粘着剤層に対向させて貼着することにより粘着剤層を保護し、又、捲回物においては、片面粘着物の場合には、片面側に粘着剤層を有する基材の背面側に離型剤層を設けて捲回し、両面粘着物の場合には、別基材の両面に離型剤層を形成した離型シートを挟んで捲回することにより、粘着剤層の保護や使用時の捲き戻し性の付与等がなされている。
 そして、これらの離型シートの離型剤層には、剥離性、残留接着性、耐熱性、耐溶剤性等に優れることから主としてシリコーン系樹脂の硬化物が用いられいるが、シリコーン系樹脂は硬化に高温を要することから、熱可塑性樹脂を基材とする離型シートにおいては、硬化時に該基材が軟化或いは溶融するという問題があり、シリコーン系樹脂に代わる非シリコーン系離型剤が求められており、これに対して、非シリコーン系離型剤として、長鎖アルキルペンダント型ポリマー、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体と炭素数が8以上のアルキルイソシアネートとの反応生成物からなる離型剤(例えば、特許文献1参照。)、更に、そのエチレン−ビニルアルコール共重合体のヤング率及び曲げ弾性率を特定した離型剤(例えば、特許文献2参照。)等が提案されている。
 しかしながら、これら従来の長鎖アルキルペンダント型ポリマーからなる離型剤は、本発明者等の検討によると、剥離性の面からペンダントのアルキル基の炭素数が特定値以上である必要があり、更に、その特定値以上であっても、常態剥離性には優れるものの、離型シートとしての使用時等における溶剤との接触や高温環境下を経た後においては、剥離性が極端に低下し、実用上問題を生じることが判明した。
特公昭60−30355号公報。 特開2000−303019号公報。
 本発明は、前述の現状に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、非シリコーン系であって、常態剥離性に優れると共に、溶剤との接触や高温環境下を経た後においても剥離性の低下が抑制された離型シートを得ることができる離型剤用組成物、及びそれを用いた離型シートを提供することを目的とする。
 本発明は、下記の(A)成分と(B)成分を含有する離型剤用組成物、及び、基材の少なくとも片面に、該離型剤用組成物の硬化物である離型剤層が形成されてなる離型シート、を要旨とする。
 (A)下記式(I) で表される繰返し単位と下記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位として含むビニルアルコール系重合体
Figure 2004115784
 〔式(II)中、Xは直接結合、又は2価の結合基を示し、Rは炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を示す。〕
 (B)水酸基と反応可能な官能基を2個以上有する多官能化合物
 本発明の離型剤は、汚染性のシリコーンを含まず、塗工、硬化工程等における問題がなく、耐溶剤性と耐熱性に優れ、しかも粘着面に対する離型性能に優れ、離型剤としての本来の要求特性を十分に満足するものである。
 本発明の離型剤用組成物における(A)成分のビニルアルコール系重合体は、前記式(I) で表される繰返し単位と前記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位として含むものであり、ここで、前記一般式(II)のXの2価の結合基としては、例えば、(−CO−)、[−CH2 −CH(OH)−]、(−CO−NH−)、(−SO2 −)、[−PO(OH)−O−]等が挙げられるが、中で、(−CO−NH−)であるのが好ましい。
 又、前記一般式(II)のRとしては、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基であることが必須であり、それ以外では、離型剤としての剥離性が劣ることとなる。その脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ、中でアルキル基が好ましく、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基の好適なものとしては、具体的には、例えば、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基等が挙げられる。尚、脂肪族炭化水素基の炭素数は30以下であるのが好ましい。炭素数が30を超過すると、(A)成分の溶媒への溶解性が低下し塗工性が低下する場合がある。
 又、(A)成分のビニルアルコール系重合体としては、離型剤としての常態剥離性、及び、溶剤との接触や高温環境下を経た後の剥離性の低下を抑制する点から、前記式(I) の繰返し単位の含有割合が1〜50モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合が99〜50モル%であるものが好ましく、前記式(I) の繰返し単位の含有割合が1〜30モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合が99〜70モル%であるものが更に好ましい。尚、ここで、(A)成分のビニルアルコール系重合体としては、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の外に、例えば、酢酸ビニル単位、エチレン単位等を構成単位として更に含有していてもよい。
 又、(A)成分のビニルアルコール系重合体としては、重合度が100〜3,000で
あるのが好ましく、重合度が前記範囲未満では、後述する(B)成分と反応させて離型剤用組成物を硬化させるにおいて、充分な硬化が行われない傾向となり、一方、前記範囲超過では、硬化させる前に(A)成分自体がゲル化し易い傾向となる。
 本発明における前記(A)成分のビニルアルコール系重合体はの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、未鹸化部を有していてもよいビニルアルコール系重合体と、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を有し水酸基と反応可能な官能基を有する単官能化合物とを、常法に従って反応させ、前者ビニルアルコール系重合体の水酸基に反応した後者単官能化合物の官能基を介して、炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を側鎖に導入することにより製造される。
 ここで、前者ビニルアルコール系重合体における未鹸化部の含有割合は30モル%以下であるのが好ましい。又、後者炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能化合物の官能基としては、例えば、水酸基、カルボン酸基若しくはその無水物基、その酸ハロゲン化物基、エポキシ基、イソシアネート基、スルホン酸基若しくはその酸ハロゲン化物基、リン酸基若しくはその酸ハロゲン化物基等が挙げられ、中で、イソシアネート基が好ましい。
 その炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能化合物としては、具体的には、例えば、水酸基含有化合物としては、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシルアルコール等が、又、カルボン酸基若しくはその無水物基、その酸ハロゲン化物基含有化合物としては、ドテシル酸、テトラデシル酸、ヘキサデシル酸、オクタデシル酸等、及びそれらの無水物や酸ハロゲン化物等が、又、エポキシ基含有化合物としては、酸化ドデセン、酸化テトラデセン、酸化ヘキサデセン、酸化オクタデセン等が、又、スルホン酸基若しくはその酸ハロゲン化物基含有化合物としては、ドデシルスルホン酸、テトラデシルスルホン酸、ヘキサデシルスルホン酸、オクタデシルスルホン酸等、及びそれらの酸ハロゲン化物等が、又、リン酸基若しくはその酸ハロゲン化物基含有化合物としては、ドデシルリン酸、テトラデシルリン酸、ヘキサデシルリン酸、オクタデシルリン酸等、及びそれらの酸ハロゲン化物等が、それぞれ挙げられる。又、好ましいとするイソシアネート基含有化合物としては、ドデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート等が挙げられる。
 又、前者ビニルアルコール系重合体と後者単官能化合物との反応は、未鹸化部を有さない前者ビニルアルコール系重合体の場合、その水酸基に対する後者単官能化合物の官能基の量比を当量比で1未満として、最終的に、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合が前述の範囲となるように常法に従って反応させる方法、未鹸化部を有する前者ビニルアルコール系重合体の場合、その水酸基に対する後者単官能化合物の官能基の量比を当量比で1或いは1未満として常法に従って反応させた後、未鹸化部を常法に従って鹸化して、最終的に、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合が前述の範囲となるようにする方法、等の方法が採られる。
 本発明の離型剤用組成物における(B)成分の多官能化合物は、本発明の離型剤用組成物を硬化させるにおける硬化剤としての機能を有するものであり、前記(A)成分のビニルアルコール系重合体の前記式(I) で表される繰返し単位における水酸基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物であることが必須であり、水酸基と反応可能な官能基を3個以上有するのが好ましい。
 多官能化合物の官能基としては、例えば、カルボン酸基若しくはその無水物基、その酸ハロゲン化物基、エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基等が挙げられ、中で、イソシアネート基が好ましい。
 その多官能化合物としては、具体的には、例えば、カルボン酸基若しくはその無水物基、その酸ハロゲン化物基含有化合物としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等、及びそれらの無水物や酸ハロゲン化物等が、又、エポキシ基含有化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等が、又、アミノ基含有化合物としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン等の低分子化合物、ポリエチレングリコールジアミン、ポリプロピレングリコールジアミン等の高分子化合物、及び、トリメチロールプロパンやグリセリンへのこれらの多官能アミノ基含有化合物付加体等が、それぞれ挙げられる。
 又、好ましいとするイソシアネート基含有化合物としては、イソシアネート基はブロックされていてもいなくてもよく、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート等の脂肪族化合物、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式化合物、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族化合物、及び、これらの多官能イソシアネート基含有化合物の過剰量を、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の低分子活性水素含有化合物に反応させて得られた末端イソシアネート基含有化合物、並びに、これらの多官能イソシアネート基含有化合物の重合体等が挙げられ、中で、脂肪族イソシアネート基含有化合物が好ましく、前記末端イソシアネート基含有化合物が特に好ましい。
 本発明の離型剤用組成物において、前記(A)成分のビニルアルコール系重合体と前記(B)成分の多官能化合物との含有割合は、(A)成分の水酸基に対する(B)成分の官能基の当量比として0.5〜3.0であるのが好ましく、さらに0.8〜1.5であるのが好ましい。(A)成分の水酸基に対する(B)成分の官能基の当量比が前記範囲未満では、離型剤用組成物を硬化させるにおいて、充分な硬化が行われず、溶剤との接触や高温環境下を経た後の剥離性の低下を抑制することが困難な傾向となり、一方、前記範囲超過では、硬化後の剥離剤中に過剰の多官能化合物が残存し、剥離性の低下をもたらす傾向となる。
 本発明の、前記(A)成分のビニルアルコール系重合体と前記(B)成分の多官能化合物を含有する離型剤用組成物は、必要に応じて硬化促進剤等を添加し、適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、基材の片面或いは両面に塗布し、乾燥させることにより離型剤用組成物層を形成した後、該組成物層を硬化させて離型剤層とした離型シートとして用いられる。
 ここで、その溶剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等が好適なものとして挙げられ、その塗布液の濃度は、塗布性、及び剥離性に影響を及ぼす離型剤層の厚み制御等の点から、1〜10重量%とするのが好ましい。又、(B)成分が好ましいとする多官能イソシアネート化合物である場合、組成物には、硬化促進剤として、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物、トリエチルアミン等の3級アミン化合物等を、塗布液における濃度として10〜1,000ppm程度の量で添加することが好ましい。
 又、その基材としても、特に限定されるものではなく、例えば、紙、熱可塑性樹脂ラミネート紙、織布、熱可塑性樹脂ラミネート織布、熱可塑性樹脂フィルム、金属箔、熱可塑性樹脂ラミネート金属箔等が挙げられるが、本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム基材であるのが好ましく、就中、熱可塑性ポリエステル系樹脂フィルムとするのが好ましい。
 又、その塗布法としても、特に限定されるものではなく、例えば、バーコータ、ロールコータ、キスコータ、スロットダイコータ、スクイズコータ、グラビアコータ等が用いられ、前記基材表面に前記離型剤用組成物の塗布溶液を、乾燥後の膜厚として好ましくは0.01〜10g/m2 、更に好ましくは0.5〜5g/m2 の量で塗布し、乾燥させることにより離型剤用組成物層が形成される。
 又、基材表面に形成された離型剤用組成物層の硬化は、通常50〜200℃、好ましくは80〜150℃程度の温度で、通常5秒〜5分程度の時間でなされる。
 本発明における離型シートの形態は、前記基材の片面に前記離型剤層を形成した形態、前記基材の両面に前記離型剤層を形成した形態、及び、片面側に粘着剤層を有する前記基材の背面側に前記離型剤層を形成した形態等、種々の形態を採ることができる。
 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
 <(A)成分のビニルアルコール系重合体の製造例1>         
 窒素置換されたコンデンサー、窒素導入管、攪拌機、及び温度計を備えた反応容器に、ビニルアルコール系重合体(クラレ社製「PVA203」、カタログ値:酢酸ビニル部比率(モル)0.13、平均重合度300)10重量部、及びキシレン50重量部を仕込み、攪拌して、ビニルアルコール系重合体をキシレン中に分散させた後、攪拌下に約140℃に昇温し、ステアリルイソシアネート57重量部を加えてビニルアルコール系重合体の水酸基にステアリルイソシアネートのイソシアネート基を反応させ、約180分後に反応系中のステアリルイソシアネートの残存量が赤外分光法による測定で0となったことを確認し反応を完結させ、得られた反応液を約80℃迄冷却した後、5倍量のメタノール中に注いで白色沈澱物となし、この沈澱物をメタノールで洗浄、乾燥、粉砕し、引き続いて、この粉砕物を、5重量%トルエン溶液となし、その20重量部に、水酸化ナトリウムの1.56重量%メタノール溶液1.19重量部を加え、40℃で2時間加熱して鹸化反応させ、得られた反応液を、室温にて100重量部のヘキサン中に注いで白色沈澱物となし、この沈澱物を洗浄、乾燥することにより、前記式(I) で表される繰返し単位と、Rをステアリル基、Xを−CO−NH−とする前記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位とするビニルアルコール系重合体(1)を得た。
 得られたビニルアルコール系重合体(1)について、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合を、以下に示す方法で測定したところ、前記式(I) の繰返し単位は8.8モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合は87モル%であった。
 <(A)成分の各繰返し単位の含有割合>
 トルエン溶液試料について、核磁気共鳴装置(日本電子社製「GSX400」)を用いて、共鳴周波数100MHz、パルス角90°、パルス間隔25秒、濃度20〜30重量%、積算回数3,000〜4,000回、観測範囲10〜190ppmの条件で、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合を、OH付け根のプロトン(約64ppm)と変性オクタデシル基の末端メチル(約14ppm)のピーク強度を積分することにより測定した。
 <(A)成分のビニルアルコール系重合体の製造例2>         
 ステアリルイソシアネート57重量部を、オクチルイソシアネート30重量部に代えたこと、並びに、鹸化反応における水酸化ナトリウムの1.56重量%メタノール溶液の量を1.94重量部としたこと、の外は、前記製造例1と同様にして、前記式(I) で表される繰返し単位と、Rをオクチル基、Xを−CO−NH−とする前記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位とするビニルアルコール系重合体(2)を得た。
 得られたビニルアルコール系重合体(2)について、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合を、前記の方法で測定したところ、前記式(I) の繰返し単位は9.2モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合は87モル%であった。
<(A)成分のビニルアルコール系重合体の製造例3>
 ビニルアルコール系重合体を、クラレ社製「PVA203」(カタログ値:酢酸ビニル部比率(モル)0.01、平均重合度300)に代え、ステアリルイソシアネート57重量部をステアリルイソシアネート63重量部に代えたことの外は、前記製造例1と同様にして、前記式(I) で表される繰返し単位と、Rをステアリル基、Xを−CO−NH−とする前記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位とするビニルアルコール系重合体(3)を得た。
 得られたビニルアルコール系重合体(3)について、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合を、前記の方法で測定したところ、前記式(I) の繰返し単位は6.0モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合は94.0モル%であった。
<(A)成分のビニルアルコール系重合体の製造例4>
 ビニルアルコール系重合体を、クラレ社製エチレン−ビニルアルコール共重合体「L104」(カタログ値:エチレン部比率(モル)0.27、メルトインデックス10g/10min(210℃、2.16kg荷重)に代え、ステアリルイソシアネート57重量部をステアリルイソシアネート43重量部に代えたことの外は、前記製造例1と同様にして、前記式(I) で表される繰返し単位と、Rをステアリル基、Xを−CO−NH−とする前記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位とするビニルアルコール系重合体(4)を得た。
 得られたビニルアルコール系重合体(4)について、前記式(I) の繰返し単位と前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合を、前記の方法で測定したところ、前記式(I) の繰返し単位は2.0モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合は71.0モル%であった。

 実施例1
 (A)成分として前記製造例1で得られたビニルアルコール系重合体(1)2重量部、(B)成分として3官能イソシアネート化合物(三菱化学社製「NY710A」、脂肪族イソシアネートトリオール付加体の76重量%酢酸エチル溶液)0.211重量部、及び、ジブチル錫ジオクテート0.020重量部を、トルエン98重量部に溶解した塗布液を、バーコータを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み38μm)基材に乾燥膜厚が0.175g/m2 となる量で塗布し、乾燥させて離型剤用組成物層を形成した後、熱風循環式乾燥機で該組成物層を120℃で2分間加熱して硬化させることによって硬化物とした離剤型層を有する離型シートを作製した。

 得られた離型シートについて、以下に示す方法で、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。

 <常態剥離性>
 得られた離型シートから幅30mm、長さ150mmの試料を切り出し、これを幅25mmの市販の粘着テープ(日東電工社製「ニットーテープNo.502」、アクリル系粘着テープ)に重さ2kgのゴムローラを1往復させて圧着したときの接着力を、引張試験機を用いて、JIS K6854に従って180度剥離試験を行うことにより測定した。

 <溶剤との接触後の剥離性>
 得られた離型シートをトルエンに10分間、室温にて浸漬し、乾燥させた後、前記常態剥離性の測定と同様にして、接着力を測定した。
 <高温環境下を経た後の剥離性>
 前記常態剥離性の測定において粘着テープに圧着した後、100℃で1時間保持し、室温に冷却した後、前記常態剥離性の測定と同様にして、接着力を測定した。

 実施例2
 (B)成分として3官能イソシアネート化合物(三菱化学社製「NY718A」、脂肪族イソシアネートトリオール付加体の76重量%酢酸ブチル溶液)を用い、その量を0.395重量部としたことの外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。

 実施例3
 (A)成分として前記製造例3で得られたビニルアルコール系重合体(3)を用いたこと、(B)成分として3官能イソシアネート化合物0.211重量部を0.144重量部としたことの外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。
 実施例4
 (A)成分として前記製造例4で得られたビニルアルコール系重合体(4)を用いたこと、(B)成分として3官能イソシアネート化合物0.211重量部を0.70重量部としたことの外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。
 比較例1
 (B)成分としての3官能イソシアネート化合物、及びジブチル錫ジオクテートを用いなかったこと、並びに、トルエンの量を48重量部としたこと、の外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。
 比較例2
 (A)成分として前記製造例2で得られたビニルアルコール系重合体(2)を用いたこと、(B)成分としての3官能イソシアネート化合物及びジブチル錫ジオクテートを用いなかったこと、並びに、トルエンの量を48重量部としたこと、の外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。
 比較例3
 (A)成分として前記製造例2で得られたビニルアルコール系重合体(2)を用いたこと、並びに、(B)成分としての3官能イソシアネート化合物の量を0.389重量部としたこと、の外は、実施例1におけると同様にして離型シートを作製し、常態剥離性、並びに、溶剤との接触後の剥離性、及び高温環境下を経た後の剥離性を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2004115784

Claims (7)

  1. 下記の(A)成分と(B)成分を含有することを特徴とする離型剤用組成物。
     (A)下記式(I) で表される繰返し単位と下記一般式(II)で表される繰返し単位を構成単位として含むビニルアルコール系重合体
    Figure 2004115784
     〔式(II)中、Xは単結合、又は2価の結合基を示し、Rは炭素数12以上の脂肪族炭化水素基を示す。〕
     (B)水酸基と反応可能な官能基を2個以上有する多官能化合物
  2. (A)成分における前記式(I) の繰返し単位の含有割合が1〜50モル%、前記一般式(II)の繰返し単位の含有割合が99〜50モル%である請求項1に記載の離型剤用組成物。
  3. (A)成分と(B)成分との含有割合が、(A)成分の水酸基に対する(B)成分の官能基の当量比として0.5〜3.0である請求項1又は2に記載の離型剤用組成物。
  4. (A)成分における前記一般式(II)のXが(−CO−NH−)である請求項1乃至3のいずれかに記載の離型剤用組成物。
  5. (B)成分が多官能イソシアネート化合物である請求項1乃至4のいずれかに記載の離型剤用組成物。
  6. 基材の少なくとも片面に、請求項1乃至5のいずれかに記載の離型剤用組成物の硬化物である離型剤層が形成されてなることを特徴とする離型シート。
  7. 基材が熱可塑性ポリエステル系樹脂フィルムである請求項6に記載の離型シート。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015030795A (ja) * 2013-08-02 2015-02-16 一方社油脂工業株式会社 剥離フィルムの製造方法および剥離フィルム

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