JP2004116455A - ラジアルピストンポンプまたはモータ - Google Patents

ラジアルピストンポンプまたはモータ Download PDF

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Akinori Nagasugi
永杉 昭典
Yoshiyuki Unno
海野 佳幸
Takahiro Miyata
宮田 孝弘
Morita Hayashi
林 盛太
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Abstract

【課題】ラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、油圧ポンプまたはモータから放射される騒音の低減、音色の改善を図る。慣性体で発生する共振を防止し安定した回転が得られるようにする。更に耐久性の低下を防止する。
【解決手段】各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置されており、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸に対してラジアル方向に各ピストンが摺動するように配置されたラジアルピストンポンプまたはラジアルピストンモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械などの油圧作業機械には、上部旋回体や下部走行体等を駆動するために油圧ポンプ、油圧モータが搭載されている。以下油圧ポンプを代表して説明する。
【0003】
油圧ポンプの種類の1つに、回転軸と平行な方向に各ピストンが摺動するように配置されたアキシャルピストンポンプがある。
【0004】
アキシャルピストンポンプのシリンダブロックには各シリンダボアが、その長手方向が回転軸と平行に配列するように形成されている。シリンダブロックには弁板側のポートに対向する各シリンダ側ポートが形成されており、各シリンダ側ポートは各シリンダボアに連通している。
【0005】
従来技術1)
下記に掲げる特許文献1、2、3には、アキシャルピストンポンプにおいてシリンダブロックに形成された各シリンダ側ポートを回転軸の周方向に不等ピッチで配列するという技術が記載されている。
【0006】
(特許文献1)
実開平6−80871号公報
(特許文献2)
特開2002−21714号公報
(特許文献3)
特開2002−31039号公報
また油圧ポンプの種類の1つに、回転軸に対してラジアル方向に各ピストンが摺動するように配置されたラジアルピストンポンプがある。
【0007】
ラジアルピストンポンプのシリンダブロックには各シリンダボアが、その長手方向が回転軸に対してラジアル方向に配列するように形成されている。シリンダブロックにはピントル側のポートに対向する各シリンダ側ポートが形成されており、各シリンダ側ポートは各シリンダボアに連通している。
【0008】
従来技術2)
下記に掲げる特許文献4には、ラジアルピストンポンプにおいてシリンダブロックに形成された各シリンダボアを回転軸の周方向に不等ピッチで配列するという技術が記載されている。
【0009】
(特許文献4)
特開平5−195945号公報
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術1によれば、アキシャルピストンポンプにおいて、油圧ポンプから放射される騒音の低減、油圧ポンプの音色の改善が図られる。
【0010】
しかしラジアルピストンポンプに関する記載はない。
【0011】
上記従来技術2によれば、ラジアルピストンポンプに接続される管路における油圧の脈動は抑制される。しかしシリンダボアとシリンダ側ポートとが同位相の不等ピッチで配置されているため、慣性体としてのピストン、シリンダブロックで共振が発生するとともに安定した回転が得られない。
【0012】
またシリンダボアの加工は高精度を要するが、シリンダボアを不等ピッチに形成しようとすると加工を高精度に行うことができない。またシリンダボアを不等ピッチに形成する加工は、シリンダボアを等ピッチに形成する加工に比べて高コストとなる。
【0013】
さらにシリンダボアを不等ピッチに形成すると、つぎのような問題が招来する。これを図7を参照して説明する。
【0014】
図7(a)はラジアルピストンポンプの各ボア21、22…とピントル4側の吐出ポートであるP1ポートとの位置関係を示している。各ボア21、22…にはそれぞれシリンダ側ポート31、32…が連通されている。ピントル4側に最も近いボア21、22…の断面(これをボア底という)では、隣り合うボア同士が距離lをもって最も接近している。また図7(b)は図7(a)に示すボア21、22…のボア底からピントル4側のP1ポートをみた図つまり図7(a)のB−B断面図である。
【0015】
ラジアルピストンポンプの容量(cc/rev)を維持するためにはボア径を維持する必要がある。この条件でボアを不等ピッチに形成すると、最も狭いピッチで形成されたボア同士間で距離lは最小となる。たとえばボア21、22間の距離lが最小になったとすると、ボア21、22を介して圧油がP1ポートに吐出されるときボア21、22間の狭い隙間に応力が集中しシリンダブロック3の材料の強度では対応できなくなりラジアルピストンポンプの耐久性が損なわれるおそれがある。
【0016】
以上油圧ポンプについて説明したが油圧モータについても事情は同様である。
【0017】
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、ラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、油圧ポンプまたはモータから放射される騒音の低減、音色の改善を図り、慣性体で発生する共振を防止し安定した回転が得られるようにし、更に耐久性の低下を防止することを解決課題とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段および作用効果】
第1発明は、
回転軸(2)の周方向に各ボア(21〜29)がシリンダブロック(3)に所定ピッチで配置されているとともに、各ボア(21〜29)に対応して各シリンダ側ポート(31〜39)がシリンダブロック(3)に形成されているラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、
前記各ボア(21〜29)が回転軸(2)の周方向に、等ピッチで配置されているとともに、
前記各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、不等ピッチで配置されていること
を特徴とする。
【0019】
第1発明によれば、図1に示すように、各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置されており、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置されている。
【0020】
このように各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置されているため、油圧ポンプまたはモータから放射される騒音の低減、音色の改善が図られる。
【0021】
また各ボア21〜29が等ピッチで各シリンダ側ポート31〜39が不等ピッチであるためボアとシリンダ側ポートが異なる位相をもつ。このため慣性体としてのピストン、シリンダブロックで発生する共振が防止され安定した回転が得られる。
【0022】
また各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置されているため、隣り合うボア同士間の距離lは広い一定間隔に保持され狭いボア同士間に応力が集中することがなくなるので、油圧ポンプまたはモータの耐久性の低下が防止される。
【0023】
第2発明は、
回転軸(2)の周方向に各ボア(21〜29)がシリンダブロック(3)に所定ピッチで配置されているとともに、各ボア(21〜29)に対応して各シリンダ側ポート(31〜39)がシリンダブロック(3)に形成されているラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、
前記各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、前記各ボア(21〜29)のピッチとは異なるピッチで配置されていること
を特徴とする。
【0024】
第2発明によれば、図1に示すように、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、各ボア21〜29のピッチ(等ピッチ)とは異なるピッチ(不等ピッチ)で配置されている。
【0025】
このように各シリンダ側ポート31〜39は各ボア21〜29のピッチとは異なるピッチで配置されているため、ボアとシリンダ側ポートが異なる位相をもつ。このため慣性体で発生する共振が防止され安定した回転が得られる。なお第2発明は、各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置され、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置される場合も含む。
【0026】
第3発明は、第2発明において、
各ボア(21〜29)が回転軸(2)の周方向に、不等ピッチで配置され、
各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、各ボア(21〜29)のピッチとは異なるピッチで配置され、
隣り合うピストン同士(11、12)に対応するボア同士(21、22)が前記回転軸(2)方向にオフセットした各位置に、形成されていること
を特徴とする。
【0027】
第3発明によれば、図5に示すように、隣り合うピストン同士11、12に対応するボア同士21、22を回転軸2方向にオフセットした各位置に形成しているため、最も狭いピッチで形成されているボア同士間であったとしてもボア同士の距離lを大きく維持することができ、油圧ポンプあるいはモータの耐久性を向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係るラジアルピストンポンプまたはモータの実施の形態について説明する。
【0029】
なお以下の説明ではラジアルピストンポンプを想定して説明するが、以下の各実施形態はラジアルピストンモータにそのまま適用することができる。
【0030】
図4は第1の実施形態の説明に先立ちラジアルピストンポンプの一般的構成を参考例として示す。図4のラジアルピストンポンプはたとえば建設機械に搭載され上部旋回体を駆動する油圧ポンプあるいは下部走行体を駆動する油圧ポンプとして使用される。
【0031】
図4(a)は油圧ポンプ1を回転軸2の長手方向断面でみた図であり、図4(b)は図4(a)を回転軸2に対して垂直なA−A断面でみた図である。図4は偏心型のラジアルピストンポンプである。
【0032】
同図4に示すように、油圧ポンプ1は、ハウジング10とケース20とを密接固定することにより内部に、シリンダブロック3等を収容して構成されている。
【0033】
シリンダブロック3は回転軸(駆動軸)2と一体に形成されている。回転軸2はケース20にオイルシール88を介して回動自在に挿入されており、シリンダブロック3は、ケース20にベアリング6を介して回動自在に支持されるとともにハウジング10にベアリング7を介して回動自在に支持されている。
【0034】
ハウジング10には、円筒形状のピントル4の一端が回転軸2と回転中心4Cを同じくする配置態様で固定されている。ピントル4の他端はシリンダブロック3に内装されている。シリンダブロック3はピントル4に対して相対的に回動できかつ圧油をシール部材を介してシールできるクリアランスをもってピントル4の他端を収容している。
【0035】
ハウジング10には油路61、63が形成されている。油路61は油圧ポンプ1で生成された圧油を外部に吐出させるための油路であり、たとえば上部旋回体を作動させる油圧アクチュエータに連通している。油路63は油圧ポンプ1に圧油を吸い込ませるための油路でありタンクに連通している。
【0036】
ピントル4には回転軸2と平行に油路51、53が形成されている。油路51は油路61に連通しているとともに、油路53は油路63に連通している。
【0037】
ピントル4にはその円周方向に沿って所定の円周長さに渡りP1ポートが形成されている。P1ポートはピントル4の外周面に開口している。P1ポートは油路51に連通している。またピントル4にはその円周方向に沿って所定の円周長さに渡りSポートが形成されている。Sポートはピントル4の外周面に開口している。Sポートは油路53に連通している。P1ポートとSポートは回転軸2の方向においてほぼ同位置に形成されている。
【0038】
シリンダブロック3には回転軸2のラジアル方向がその長手方向となるように複数のボア21、22、23、24、25、26、27、28、29が形成されている。各ボア21〜29は回転軸2の周方向に、等ピッチで形成されている。各ボア21〜29内にはそれぞれピストン11、12、13、14、15、16、17、18、19が摺動自在に設けられている。各ピストン11〜19にはシュー41、42、43、44、45、46、47、48、49が揺動自在に接続されている。
【0039】
シュー41〜49の外側には、カムリング5が配置されている。カムリング5は、その内周面が各シュー41〜49の摺動面と摺動可能に配置されている。ここでカムリング5の内周面は、回転軸2の長手方向断面でみて(図4(a)を看者方向からみて)、円形状に形成されている。カムリング5の円形内周面は、対向するカムリング内周面間の距離を直径とする円の曲率半径を有している。
【0040】
シュー41〜49の両側面にはリテーナ9が配置されている。カムリング5の内周面にあってシュー9の更に外側には、シュー9を介して各シュー41〜49をカムリング5の内周面に沿って案内移動させるシューリテーナ8が配置されている。
【0041】
ケース20には、図示されていないが容量調整用アクチュエータが回転軸2を挟むように対向して設けられている。上記容量調整用アクチュエータは、回転軸2の中心4Cに対してカムリング5の中心が偏心移動自在にカムリング5を支持している。なお固定容量型の油圧ポンプ1を構成する場合には容量調整用アクチュエータを設けるには及ばない。
【0042】
シリンダブロック3には、各ボア21〜29にそれぞれ連通するシリンダ側ポート31、32、33、34、35、36、37、38、39が形成されている。シリンダ側ポート31〜39はピントル4側のP1ポート、Sポートに対向する部位で開口している。シリンダ側ポート31〜39は回転軸2の周方向に、ボア21〜29と同位相の等ピッチで形成されている。シリンダ側ボート31〜39の長手方向中心軸はそれぞれボア21〜29の長手方向中心軸と一致している。
【0043】
回転軸2が駆動源であるたとえばエンジンによって回転駆動されると、シリンダブロック3がピントル4に対して相対的に回転する。これによりシュー41〜49はカムリング5の内周面に沿って摺動しつつシューリテーナ8によって案内移動される。シュー41〜49とともにピストン11〜19はピントル4の外周を移動する。
【0044】
容量調整用アクチュエータによって所定の偏心量だけ回転軸2の中心4Cに対してカムリング5の中心が偏心している。このためピントル4とカムリング5が最も接近した位置にピストン11〜19が位置しているときピストンは上死点状態にあり、その位置よりピントル4の円周方向に沿って更に半回転したとき、ピストン11〜19はピントル4とカムリング5が最も離間した位置でピストンは下死点状態にある。さらにピストン11〜19がピントル4回りを半回転するとピストン11〜19は下死点〜上死点間を移動する。こうしてピストン11〜19はピントル4の円周方向に沿って1回転する毎に1ストローク(上死点〜下死点〜上死点)し、その1ストローク量は偏心量の2倍に対応する。ピストン11〜19が1ストロークする過程でそのストローク量に応じた容量(cc/rev)の圧油が吸い込まれ吐出される。
【0045】
すなわちシリンダ側ポート31〜39がSポートに連通する位置に、ピストン11〜19が位置したとき、タンクから圧油が油路63、油路53、Sポート、シリンダ側ポート31〜39を介してボア21〜29内に吸い込まれる。ついでシリンダ側ポート31〜39がP1ポートに連通する位置に、ピストン11〜19が位置したとき、ピストン11〜19によって圧縮された圧油はボア21〜29内よりシリンダ側ポート31〜39、P1ポート、油路51を介して油路61から吐出され外部の油圧アクチュエータに供給される。このようにしてカムリング5の偏心量に応じた容量の圧油がP1ポートを介して外部の油圧アクチュエータに供給される。
【0046】
上述した図4の参考例をベースにした各実施形態を以下説明する。参考例と同じ構成要素には同じ符号を付けて重複した説明を省略しつつ説明する。
【0047】
図1は図4(a)に対応する第1の実施形態の構成を示している。
【0048】
この第1の実施形態の油圧ポンプ1では、参考例と同様にシリンダブロック3には回転軸2のラジアル方向がその長手方向となるように複数のボア21、22、23、24、25、26、27、28、29が形成されている。各ボア21〜29は回転軸2の周方向に、等ピッチで形成されている。各ボア21〜29内にはそれぞれピストン11、12、13、14、15、16、17、18、19が摺動自在に設けられている。各ピストン11〜19にはシュー41、42、43、44、45、46、47、48、49が揺動自在に接続されている。
【0049】
シリンダブロック3には、各ボア21〜29にそれぞれ連通するシリンダ側ポート31、32、33、34、35、36、37、38、39が形成されている。シリンダ側ポート31〜39はピントル4側のP1ポート、Sポートに対向する部位で開口している。シリンダ側ポート31〜39は回転軸2の周方向に、不等ピッチで形成されている。このためボア21〜29とシリンダ側ポート31〜39は異なる位相をもっている。
【0050】
具体的には、回転軸2の回転中心(ピントル4の回転中心)4Cを通るボア21〜29の長手中心軸を引いたとき、ボア21〜29の各長手中心軸が40゜の等ピッチになるようにボア21〜29が形成されている。これに対して同じく回転中心4Cを通るシリンダ側ポート31〜39の長手中心軸を引いたとき、シリンダ側ポート31〜39の各長手中心軸はつぎのような不等ピッチになるようにシリンダ側ポート31〜39が形成されている。
【0051】
・シリンダ側ポート31の長手方向中心軸とシリンダ側ポート32の長手方向中
心軸がなす角度  …41.5゜
・シリンダ側ポート32の長手方向中心軸とシリンダ側ポート33の長手方向中
心軸がなす角度  …38.5゜
・シリンダ側ポート33の長手方向中心軸とシリンダ側ポート34の長手方向中
心軸がなす角度  …40.0゜
・シリンダ側ポート34の長手方向中心軸とシリンダ側ポート35の長手方向中
心軸がなす角度  …40.25゜
・シリンダ側ポート35の長手方向中心軸とシリンダ側ポート36の長手方向中
心軸がなす角度  …38.75゜
・シリンダ側ポート36の長手方向中心軸とシリンダ側ポート37の長手方向中
心軸がなす角度  …40.5゜
・シリンダ側ポート37の長手方向中心軸とシリンダ側ポート38の長手方向中
心軸がなす角度  …39.5゜
・シリンダ側ポート38の長手方向中心軸とシリンダ側ポート39の長手方向中
心軸がなす角度  …41.0゜
・シリンダ側ポート39の長手方向中心軸とシリンダ側ポート31の長手方向中
心軸がなす角度  …39.0゜
このためシリンダ側ボート31〜39の長手方向中心軸はそれぞれボア21〜29の長手方向中心軸と一致ないしはずれている。たとえば図示するようにシリンダ側ボート32の長手方向中心軸32Cはボア22の長手方向中心軸22Cとずれている。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置されており、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置されている。
【0053】
このように各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置されているため、油圧ポンプまたはモータから放射される騒音の低減、音色の改善が図られる。
【0054】
また各ボア21〜29が等ピッチで各シリンダ側ポート31〜39が不等ピッチであり、各シリンダ側ポート31〜39が回転軸2の周方向に、各ボア21〜29のピッチ(等ピッチ)とは異なるピッチ(不等ピッチ)で配置されている。
【0055】
このように各シリンダ側ポート31〜39は各ボア21〜29のピッチとは異なるピッチで配置されているため、ボアとシリンダ側ポートが異なる位相をもつ。このため慣性体としてのピストン、シリンダブロックで発生する共振が防止され安定した回転が得られる。
【0056】
図4の参考例の油圧ポンプが回転中の騒音と図1の第1の実施形態の油圧ポンプが回転中の騒音とを比較すると、つぎのような効果が予測される。
【0057】
図4の参考例の油圧ポンプの騒音の周波数スペクトルを計測すると、回転数×ピストン本数の周波数を基本周波数として、これの1次、2次…の周波数で音圧レベルのピーク値が観測される。図1の第1の実施形態の油圧ポンプについても同様なピーク値が観測されるが、そのピーク値、とりわけ高次の周波数におけるピーク値は図4の参考例で観測されるピーク値よりも大幅に低減される。
【0058】
また図1の実施形態では、各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、等ピッチで配置されているため、図7(b)に示される隣り合うボア同士間の距離lは広い一定間隔に保持され狭いボア同士間に応力が集中することがなくなるので、油圧ポンプの耐久性の低下が防止される。
【0059】
なお図1では、各ボア21〜29を等ピッチに配置し各シリンダ側ポート31〜39を不等ピッチに配置することで、各シリンダ側ポート31〜39を回転軸2の周方向に、各ボア21〜29のピッチ(等ピッチ)とは異なるピッチ(不等ピッチ)に配置しているが、慣性体としてのピストン、シリンダブロックで発生する共振を防止し安定した回転を得るためには各シリンダ側ポート31〜39を回転軸2の周方向に、各ボア21〜29のピッチとは異なるピッチに配置させればよく、各ボア21〜29を回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置し、各シリンダ側ポート31〜39を回転軸2の周方向に、等ピッチで配置させてもよい。また各ボア21〜29を回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置し、各シリンダ側ポート31〜39を回転軸2の周方向に、異なる不等ピッチで配置させてもよい。
【0060】
ただし各ボア21〜29が回転軸2の周方向に、不等ピッチで配置された場合には、最も狭いピッチで形成されたボア同士間で距離lは最小となる。たとえばボア21、22間の距離lが最小になったとすると、ボア21、22を介して圧油がP1ポートに吐出されるときボア21、22間の狭い隙間に応力が集中し油圧ポンプの耐久性の低下が予測される。
【0061】
そこで図5に示すように、隣り合うピストン同士たとえばピストン11、12に対応するボア同士21、22を回転軸2方向にオフセットした各位置に形成することで対処してもよい。
【0062】
図5は図7(b)に対応する図でありボア21、22…のボア底からピントル4側のP1ポートをみた図である。同図5に示すように隣り合うボア同士たとえばボア21、22はP1ポートにオフセットした各位置に形成されているとともに、回転軸2方向にオフセットした各位置に形成されている。このため最も狭いピッチで形成されているボア同士間であったとしてもボア同士の距離lを大きく維持することができ、油圧ポンプの耐久性を向上させることができる。
【0063】
なお図5では各ボア21〜29の形状を円形状に形成しているが、図6に示すように、各ボア21〜29を、回転軸2方向に長径となる形状、たとえば繭型形状(小判型形状)に形成してもよい。このようにボアを形成することでボア同士の距離lを、一層大きくとることができる。
【0064】
なお第1の実施形態では、奇数本(9本)のピストン11〜19、奇数個(9つ)のボア21〜29を設けているが、偶数本(たとえば8本)のピストン11〜18、偶数個(たとえば8つ)のボア21〜28を設ける実施も可能である。
【0065】
上述した第1の実施形態に対しては種々の変形が可能である。
【0066】
図2は図1に対応する第2の実施形態の構成を示している。
【0067】
この第2の実施形態の油圧ポンプ1では、第1の実施形態と同様にシリンダブロック3には回転軸2のラジアル方向がその長手方向となるように複数のボア21、22、23、24、25、26、27、28、29が形成されている。各ボア21〜29は回転軸2の周方向に、等ピッチで形成されている。各ボア21〜29内にはそれぞれピストン11、12、13、14、15、16、17、18、19が摺動自在に設けられている。各ピストン11〜19にはシュー41、42、43、44、45、46、47、48、49が揺動自在に接続されている。
【0068】
シリンダブロック3には、各ボア21〜29にそれぞれ連通するシリンダ側ポート31、32、33、34、35、36、37、38、39が形成されている。シリンダ側ポート31〜39はピントル4側のP1ポート、Sポートに対向する部位で開口している。シリンダ側ポート31〜39は回転軸2の周方向に、不等ピッチで形成されている。このためボア21〜29とシリンダ側ポート31〜39は異なる位相をもっている。
【0069】
具体的には、回転軸2の回転中心(ピントル4の回転中心)4Cを通るボア21〜29の長手中心軸を引いたとき、ボア21〜29の各長手中心軸が40゜の等ピッチになるようにボア21〜29が形成されている。これに対して同じく回転中心4Cを通るシリンダ側ポート31〜39の長手中心軸を引いたとき、シリンダ側ポート31〜39の各長手中心軸はつぎのような不等ピッチになるようにシリンダ側ポート31〜39が形成されている。つまり対称軸Dを中心に図中左右対称な不等ピッチでシリンダ側ポート31〜39が配置されており、対称軸Dに対し左回りD1方向の不等ピッチ量と右回りD2方向の不等ピッチ量とが同じになっている。
【0070】
a)対称軸Dに対し左回りD1方向の不等ピッチ量
・シリンダ側ポート37の長手方向中心軸とシリンダ側ポート38の長手方向中
心軸がなす角度  …38.5゜
・シリンダ側ポート38の長手方向中心軸とシリンダ側ポート39の長手方向中
心軸がなす角度  …41.5゜
・シリンダ側ポート39の長手方向中心軸とシリンダ側ポート31の長手方向中
心軸がなす角度  …39.0゜
・シリンダ側ポート31の長手方向中心軸とシリンダ側ポート32の長手方向中
心軸がなす角度  …41.0゜
・シリンダ側ポート32の長手方向中心軸とシリンダ側ポート33の長手方向中
心軸がなす角度  …40.0゜
・シリンダ側ポート33の長手方向中心軸とシリンダ側ポート34の長手方向中
心軸がなす角度  …41.0゜
・シリンダ側ポート34の長手方向中心軸とシリンダ側ポート35の長手方向中
心軸がなす角度  …39.0゜
・シリンダ側ポート35の長手方向中心軸とシリンダ側ポート36の長手方向中
心軸がなす角度  …41.5゜
・シリンダ側ポート36の長手方向中心軸とシリンダ側ポート37の長手方向中
心軸がなす角度  …38.5゜
b)対称軸Dに対し右回りD2方向の不等ピッチ量
・シリンダ側ポート37の長手方向中心軸とシリンダ側ポート36の長手方向中
心軸がなす角度  …38.5゜
・シリンダ側ポート36の長手方向中心軸とシリンダ側ポート35の長手方向中
心軸がなす角度  …41.5゜
・シリンダ側ポート35の長手方向中心軸とシリンダ側ポート34の長手方向中
心軸がなす角度  …39.0゜
・シリンダ側ポート34の長手方向中心軸とシリンダ側ポート33の長手方向中
心軸がなす角度  …41.0゜
・シリンダ側ポート33の長手方向中心軸とシリンダ側ポート32の長手方向中
心軸がなす角度  …40.0゜
・シリンダ側ポート32の長手方向中心軸とシリンダ側ポート31の長手方向中
心軸がなす角度  …41.0゜
・シリンダ側ポート31の長手方向中心軸とシリンダ側ポート39の長手方向中心軸がなす角度  …39.0゜
・シリンダ側ポート39の長手方向中心軸とシリンダ側ポート38の長手方向中
心軸がなす角度  …41.5゜
・シリンダ側ポート38の長手方向中心軸とシリンダ側ポート37の長手方向中
心軸がなす角度  …38.5゜
このためシリンダ側ボート31〜39の長手方向中心軸はそれぞれボア21〜
29の長手方向中心軸と一致ないしはずれている。
【0071】
本第2の実施形態によれば第1の実施形態と同様の効果が得られる。更に第2の実施形態では、対称軸Dを中心に図中左右対称な不等ピッチでシリンダ側ポート31〜39を配置し、対称軸Dに対し左回りD1方向の不等ピッチ量と右回りD2方向の不等ピッチ量とを同じにしたので、図2の構成を油圧モータに適用した場合に左回転、右回転共に同じレベルまで騒音が低減され、同じレベルまで音色が改善される。
【0072】
第2の実施形態においてもボアを図5または図6のように形成してもよく、ボアの数を偶数個(たとえば8つ)にしてもよい。
【0073】
シリンダ側ボート31〜39の長手方向中心軸がボア21〜29の長手方向中心軸に対してずれる方向はすべてのシリンダ側ポートについて同じ方向であってもよく、異なるものであってもよい。
【0074】
図3(a)は図1、図2に対応する第3の実施形態の構成を示している。
【0075】
この第3の実施形態の油圧ポンプ1では、第1、第2の実施形態と同様に、各シリンダ側ポート31〜39を回転軸2の周方向に、各ボア21〜29のピッチ(等ピッチ)とは異なるピッチ(不等ピッチ)に配置している。更に第3の実施形態では、図3(b)で拡大して示すようにシリンダ側ボート31〜39の長手方向中心軸31C〜39Cがそれぞれボア21〜29の長手方向中心軸21C〜29Cに対してずれる方向をすべてのシリンダ側ポートについて同じ方向(右回りD2方向)にしており、そのずれ角θのみを不等ピッチにしている。
【0076】
第3の実施形態においてもボアを図5または図6のように形成してもよく、ボアの数を偶数個(たとえば8つ)にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第1の実施形態のラジアルピストンポンプの構成例を示す図である。
【図2】図2は第2の実施形態のラジアルピストンポンプの構成例を示す図である。
【図3】図3(a)、(b)は第2の実施形態のラジアルピストンポンプの構成例を示す図である。
【図4】図4(a)、(b)は参考例のラジアルピストンポンプの構成を示す図である。
【図5】図5は実施形態の変形例を説明する図で、ボア底からピントル側ポートをみた図である。
【図6】図6は実施形態の別の変形例を説明する図で、ボア底からピントル側ポートをみた図である。
【図7】図7(a)はピントルとボアとの位置関係を示す図で、図7(b)はボア底からピントル側ポートをみた図7(a)のB−B断面図である。
【符号の説明】
2 回転軸
3 シリンダブロック
4 ピントル
11〜19 ピストン
21〜29 ボア
31〜39 シリンダ側ポート
P1 (吐出)ポート

Claims (3)

  1. 回転軸(2)の周方向に各ボア(21〜29)がシリンダブロック(3)に所定ピッチで配置されているとともに、各ボア(21〜29)に対応して各シリンダ側ポート(31〜39)がシリンダブロック(3)に形成されているラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、
    前記各ボア(21〜29)が回転軸(2)の周方向に、等ピッチで配置されているとともに、
    前記各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、不等ピッチで配置されていること
    を特徴とするラジアルピストンポンプまたはモータ。
  2. 回転軸(2)の周方向に各ボア(21〜29)がシリンダブロック(3)に所定ピッチで配置されているとともに、各ボア(21〜29)に対応して各シリンダ側ポート(31〜39)がシリンダブロック(3)に形成されているラジアルピストンポンプまたはモータにおいて、
    前記各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、前記各ボア(21〜29)のピッチとは異なるピッチで配置されていること
    を特徴とするラジアルピストンポンプまたはモータ。
  3. 各ボア(21〜29)が回転軸(2)の周方向に、不等ピッチで配置され、
    各シリンダ側ポート(31〜39)が回転軸(2)の周方向に、各ボア(21〜29)のピッチとは異なるピッチで配置され、
    隣り合うピストン同士(11、12)に対応するボア同士(21、22)が前記回転軸(2)方向にオフセットした各位置に、形成されていること
    を特徴とする請求項2記載のラジアルピストンポンプまたはモータ。
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