JP2004120905A - モータの渡り線構造体及び該渡り線構造体を用いるステータ構造 - Google Patents

モータの渡り線構造体及び該渡り線構造体を用いるステータ構造 Download PDF

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Abstract

【課題】モータ効率を容易に向上でき、取り扱いが容易でステータを簡単かつ確実に組み立てることができ、モータの生産性向上が図れる渡り線構造体、及びモータの小型化及び軽量化が図れるモータのステータ構造を提供する。
【解決手段】渡り線構造体1は、モータのステータコア12に装着されたコイル同士を電気的に接続する複数の渡り線部材2、3を有し、各渡り線部材には円弧状の渡り線部2a、3aとコイル14−1〜14−24に電気的に結合される複数本の脚部2b、2c、3b、3c、3dとを一体に設けて、これらの渡り線部材を絶縁部材4、5を介してリング状に一体化して構成し、渡り線構造体1の全ての渡り線部を、コイルと脚部との電気的結合部よりもステータコア12の端面側に位置させる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータのステータコアに装着されたコイル同士を電気的に接続する渡り線構造体及びこの渡り線構造体を用いるステータ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ステータコアに巻装したコイル同士を電気的に接続する渡り線構造として、コイルを構成する導線を渡り線としても使用してコイル同士を接続する構造のものが知られている。
【0003】
ところが、この渡り線構造では、ステータコアの軸方向において渡り線がコイルよりも突き出た状態となるために、ステータの軸方向寸法が大きくなり、その結果、モータが大型化し、重量も増えることになる。なお、モータの小型化及び軽量化を図るために、コイルよりも突き出た渡り線を外部より加圧してステータコア側に強制することも行なわれているが、この場合には渡り線やコイルが損傷を受けて、ステータが不良品となる場合がある。
【0004】
また、コイルと渡り線とが同一の導線からなるため、コイル巻き線機が大掛かりとなって設備費が嵩むことが懸念されると共に、特に導線の断面積が小さい場合には、渡り線での電気抵抗が大きくなってコイルに充分な電流を流すことができず、そのため各コイルでの発生磁界が小さくなって効率の良いモータが得られなくなる。
【0005】
このような渡り線構造における課題を解決し得るものとして、例えば図7に斜視図を示すようなステータ構造が提案されている。このステータ構造では、ステータコア51に巻装する各コイル部材52と、コイル部材同士を接続する各渡り線部材53とを別部材とし、各渡り線部材53は渡り線部54とその両端部に一体に形成した脚部55、55とを有して構成し、その両脚部55を各々クリップ56を介して所要の2本のコイル部材52に電気的に結合することにより、各結合部分よりも全ての渡り線部54をステータコア51に近い側に位置させるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このステータ構造によると、コイル部材52と渡り線部材53とを別部材として、両者の結合部分よりも渡り線部54をステータコア51に近い側に位置させるようにしているので、ステータの軸方向寸法が小さくでき、モータの小型化及び軽量化が可能になると共に、渡り線部材53の断面積を大きくして電気抵抗を小さくできるので、コイル部材52に充分な電流を流すことができ、モータ効率を高めることが可能となる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−300687号公報(
【0008】〜
【0009】、図1)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した従来のステータ構造にあっては、各渡り線部材53が構造的に分離されているため、その取り扱いが面倒になると共に、ステータの組み立てにあたっては、渡り線部材53を一個ずつ、その両脚部55を各々クリップ56を介して2個のコイル部材52に結合することになるため、組み立て作業が面倒になり、モータの生産性が低下し、コストアップを招くことが懸念される。
【0011】
また、各渡り線部材53は、その両脚部55においてコイル部材52に結合されるため、渡り線部材53の重量がコイル部材52との結合部に集中することになる。このため、特にコイル部材52が変形し易い場合には、渡り線部材53が不安定となることも懸念される。
【0012】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の第1の目的は、モータ効率を容易に向上できると共に、取り扱いが容易でステータを簡単かつ確実に組み立てることができ、モータの生産性を向上でき、コストダウンが図れる渡り線構造体を提供することにある。
【0013】
更に、本発明の第2の目的は、上記の渡り線構造体を用い、モータの小型化及び軽量化が図れるモータのステータ構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成する請求項1に記載のモータの渡り線構造体の発明は、モータのステータコアに装着されたコイル同士を電気的に接続する複数の渡り線部材を有するモータの渡り線構造体において、上記各渡り線部材は、円弧状の渡り線部と該渡り線部に一体に設けられて上記コイルに電気的に結合される複数本の脚部とを有し、これら複数の渡り線部材を絶縁部材を介してリング状に一体化したことを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明によると、各渡り線部材がコイルと別体になっているので、渡り線部材の電気抵抗を小さくしてモータ効率を向上することが可能になると共に、複数の渡り線部材が構造体として一体化されているので、取り扱いが容易となり、ステータの組み立てを簡単かつ確実に行なうことができ、モータの生産性の向上及びコストダウンがもたらされる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1のモータの渡り線構造体において、上記各渡り線部材の少なくとも上記渡り線部は、表面絶縁処理されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明によると、各渡り線部材は少なくとも渡り線部が表面絶縁処理されているので、隣接する渡り線部材同士を直接重ね合わせて渡り線構造体のステータ軸方向の厚さを薄くでき、これによりモータの小型化及び軽量化がもたらされる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のモータの渡り線構造体において、上記複数の渡り線部材は、各々2本の脚部を有する複数のメインバスバーと、3本の脚部を有する1個の中性点バスバーとを含むことを特徴とする。
【0019】
請求項3の発明によると、渡り線構造体が渡り線部材として3本の脚部を有する中性点バスバーを有しているので、3相交流モータ用のステータを簡単に組み立てることが可能となる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項のモータの渡り線構造体において、上記絶縁部材は2個の絶縁リングを有し、これら2個の絶縁リング間に上記各渡り線部材の上記渡り線部を保持したことを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明によると、2個の絶縁リング間に複数の渡り線部材の各渡り線部を保持して渡り線構造体を構成するので、渡り線構造体を簡単に製造することが可能となる。
【0022】
上記第2の目的を達成する請求項5に記載のモータのステータ構造の発明は、ステータコアと、該ステータコアに装着された複数のコイルと、これらのコイル同士を電気的に接続する請求項1〜4のいずれか1項に記載の渡り線構造体とを有し、上記渡り線構造体の全ての上記渡り線部を、上記コイルと上記脚部との電気的結合部よりも上記ステータコアの端面側に位置させたことを特徴とする。
【0023】
請求項5の発明によると、渡り線構造体の全ての渡り線部が、コイルと脚部との電気的結合部よりもステータコアの端面側に位置するので、ステータの軸方向寸法が小さくなり、モータの小型化及び軽量化がもたらされる。また、渡り線構造体を使用するので、これをステータ端面に容易に支持することもできる。従って、特にコイルが変形し易い場合には、渡り線構造体をステータ端面に支持することで、ステータを簡単かつ確実に組み立てることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるモータの渡り線構造体及びそれを用いるステータ構造の各実施の形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0025】
図1乃至図3は本発明によるモータの渡り線構造体の実施の形態を示すもので、図1は全体構成の斜視図であり、図2は渡り線部材としてのメインバスバーの斜視図であり、図3は同じく中性線バスバーの斜視図である。
【0026】
本実施の形態の渡り線構造体1は、3相8極の交流モータに使用されるものであって、各々渡り線部材である21個のメインバスバー2及び1個の中性点バスバー3と、絶縁部材である2個の絶縁リング4、5とを有している。なお、図1では、後述するU相用の8個のコイルを直列に接続する7個のメインバスバーを符号2U−1〜2U−7で示し、後述するV相用の8個のコイルを直列に接続する7個のメインバスバーを符号2V−1〜2V−7で示し、後述するW相用の8個のコイルを直列に接続する7個のメインバスバーを符号2W−1〜2W−7で示している。
【0027】
各メインバスバー2は、図2に示すように、円弧状の渡り線部2aと、その両端部の内周側に立脚して各々コイルと電気的に結合される2本の脚部2b、2cとが一体に設けられ、少なくとも渡り線部2aは表面を絶縁処理を施す。なお、脚部2b、2cの間隔は、同一相の隣接する2個のコイル間隔とほぼ等しくする。
【0028】
また、中性点バスバー3は、図3に示すように、円弧状の渡り線部3aと、その両端部及び中央部の内周側に一体に立脚して各々コイルと電気的に結合される3本の脚部3b、3c、3dとを有し、少なくとも渡り線部3aは表面を絶縁処理を施す。なお、脚部3b、3c、3dの各々の間隔は、U、V、W相の隣接する順次の3個のコイルの各々の間隔とほぼ等しくする。
【0029】
これらのメインバスバー2及び中性点バスバー3は、各々の渡り線部2a、3aの部分を2個の絶縁リング4と5の間に層状に保持して一体化し、これによりリング状の渡り線構造体1を構成する。本実施の形態では、絶縁リング4の表面に第1層としてU相用のメインバスバー2U−1〜2U−7及び中性点バスバー3を接着固定し、この第1層上にV相用のメインバスバー2V−1〜2V−7を第2層として接着固定し、更に第2層上にW相用のメインバスバー2W−1〜2W−7を第3層として接着固定し、この第3層上に絶縁リング5を接着固定して渡り線構造体1を形成する。
【0030】
このように、本実施の形態の渡り線構造体1によると、ステータの3相8極を形成するコイルの全ての渡り線部材を一体化したので、取り扱いが容易になり、3相8極交流モータのステータを簡単かつ確実に組み立てることができ、モータの生産性を向上することができ、コストダウンを図ることができる。
【0031】
また、各渡り線部材は、コイルとは別体となっているので、渡り線部材の材質や断面積を適宜設定して電気抵抗を容易に小さくすることができ、これによりモータ効率を向上することができる。また、2個の絶縁リング4と5間に、各相の渡り線部材を相単位で層状に重ねて一体化するので、渡り線構造体1を簡単に製造することができると共に、渡り線構造体1のステータ軸方向厚さを薄くでき、モータを小型化及び軽量化することができる。
【0032】
図4乃至図6は本発明によるモータのステータ構造の実施の形態を示すもので、図4は全体構成の斜視図であり、図5は図4の部分拡大斜視図であり、図6はコイルの結線図である。
【0033】
本実施の形態のステータ構造は、図1に示した渡り線構造体1を用いる3相8極の電気自動車用交流モータに適用するもので、ステータ枠11の内部にはステータコア12が保持されており、このステータコア12には各々スロットを介して24個のステータティース13−1〜13−24が等間隔に形成され、これらのステータティース13−1〜13−24には各々コイル14−1〜14−24が2層巻きで巻装されている。
【0034】
ここでは、説明の便宜上、コイル14−1、14−4、14−7、14−10、14−13、14−16、14−19、14−22をU相用とし、コイル14−2、14−5、14−8、14−11、14−14、14−17、14−20、14−23をV相用とし、コイル14−3、14−6、14−9、14−12、14−15、14−18、14−21、14−24をW相用とする。
【0035】
本実施の形態では、図1に示した渡り線構造体1を、コイル接続用の脚部2b、2c、3b、3c、3dがステータ軸方向において外側に向くように、コイル14−1〜14−24の外周側に装着し、脚部2b、2c、3b、3c、3dの各々に、対応するコイルのコイル端を電気的に結合して、コイル14−1〜14−24を21個のメインバスバー2及び1個の中性点バスバー3を介して図6に示すように接続する。
【0036】
即ち、U相用のメインバスバー2U−1〜2U−7により8個のU相用のコイルを直列に接続し、V相用のメインバスバー2V−1〜2V−7により8個のV相用のコイルを直列に接続し、W相用のメインバスバー2W−1〜2W−7により8個のW相用のコイルを直列に接続し、更に中性点バスバー3によりU相コイル14−22、V相コイル14−23及びW相コイル14−24の残りのコイル端(O)を接続し、U相コイル14−1、V相コイル14−2及びW相コイル14−3の残りのコイル端(I)は給電用とする。
【0037】
このようにして、渡り線構造体1におけるメインバスバー2及び中性点バスバー3の全ての渡り線部2a、3aを、コイル14−1〜14−24と脚部2b、2c、3b、3c、3dとの各々の電気的結合部よりもステータコア12の端面側に位置させる。なお、各脚部とコイル端との電気的結合は、リベット等による締結や超音波等による溶接などにより行なう。
【0038】
このように、本実施の形態のステータ構造によると、図1に示した渡り線構造体1を用い、その全ての渡り線部2a、3aを、コイル14−1〜14−24と脚部2b、2c、3b、3c、3dとの各々の電気的結合部よりもステータコア12の端面側に位置させるようにしたので、ステータの軸方向寸法を小さくできる。従って、3相8極の電気自動車用交流モータを小型化及び軽量化することができる。また、全ての渡り線部材が一体化された渡り線構造体1を用いることで、ステータの組み立てが容易となり、モータの生産性が向上でき、大幅なコストダウンを図ることができると共に、組み立ての自動化も容易に可能となる。更に、コイル14−1〜14−24と渡り線構造体1とを別々に製造できる、いわゆるサブアッセンブリが可能になることから、コイルの巻き線機を簡単にでき、設備費を低減することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、3相8極の電気自動車用交流モータに使用する渡り線構造及びステータ構造について説明したが、本発明はコイル同士を電気的に接続する渡り線を使用する各種モータに適用することができ、適用するモータに応じて渡り線部材の数や形状等を変更することができる。また、ステータ構造において、渡り線構造体はステータコアの端面に接着等により固定することもできる。このようにすれば、コイルが変形し易い場合でも、コイルに不要な機械的負荷を与えることなく、ステータを簡単かつ確実に組み立てることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるモータの渡り線構造体によれば、複数の渡り線部材をコイルとは別体として絶縁部材を介してリング状に一体化したので、その取り扱いが容易となり、ステータを簡単かつ確実に組み立てることができ、モータの生産性の向上及びコストダウンを図ることができると共に、渡り線部材の材質や断面積を適宜設定して電気抵抗を容易に小さくすることができるので、モータ効率を向上することができる。
【0041】
また、本発明によるモータのステータ構造によれば、上記の渡り線構造体を用い、その全ての渡り線部材の渡り線部を、コイルとの電気的結合部よりもステータコアの端面側に位置させるようにしたので、ステータの軸方向寸法が小さくでき、モータを小型化及び軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの渡り線構造体の実施の形態の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すメインバスバーの斜視図である。
【図3】同じく、中性線バスバーの斜視図である。
【図4】本発明によるモータのステータ構造の一実施の形態の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4の部分拡大斜視図である。
【図6】図4に示すステータ構造におけるコイルの結線図である。
【図7】従来のステータ構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1     渡り線構造体
2     メインバスバー
2a    渡り線部
2b、2c 脚部
2U−1〜2U−7  U相用メインバスバー
2V−1〜2V−7  V相用メインバスバー
2W−1〜2W−7  W相用メインバスバー
3     中性点バスバー
3a    渡り線部
3b、3c、3d  脚部
4、5   絶縁リング
11    ステータ枠
12    ステータコア
13−1〜13−24  ステータティース
14−1〜14−24  コイル

Claims (5)

  1. モータのステータコアに装着されたコイル同士を電気的に接続する複数の渡り線部材を有するモータの渡り線構造体において、
    上記各渡り線部材は、円弧状の渡り線部と該渡り線部に一体に設けられて上記コイルに電気的に結合される複数本の脚部とを有し、これら複数の渡り線部材を絶縁部材を介してリング状に一体化したことを特徴とするモータの渡り線構造体。
  2. 上記各渡り線部材の少なくとも上記渡り線部は、表面絶縁処理されていることを特徴とする請求項1に記載のモータの渡り線構造体。
  3. 上記複数の渡り線部材は、各々2本の脚部を有する複数のメインバスバーと、3本の脚部を有する1個の中性点バスバーとを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のモータの渡り線構造体。
  4. 上記絶縁部材は2個の絶縁リングを有し、これら2個の絶縁リング間に上記各渡り線部材の上記渡り線部を保持したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータの渡り線構造体。
  5. ステータコアと、該ステータコアに装着された複数のコイルと、これらのコイル同士を電気的に接続する請求項1〜4のいずれか1項に記載の渡り線構造体とを有し、上記渡り線構造体の全ての上記渡り線部を、上記コイルと上記脚部との電気的結合部よりも上記ステータコアの端面側に位置させたことを特徴とするモータのステータ構造。
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