JP2004121987A - 交流電界形電気集じん装置、および、交流電界形電気集じん装置の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】システムを簡略化し、かつ再飛散を防止することが可能な交流電界形電気集じん装置を提供する。
【解決手段】帯電部40の線電極23と平板電極21,22との間に交流高電圧を印加する。交流高電圧としては、正弦波高電圧のみならず矩形波高電圧を用いることが可能である。帯電部40には交流の高電圧が印加されるので、正および負のコロナ放電が交互に発生する。したがって、この交流コロナ放電により、帯電部40を通過する粒子も正および負に交互に帯電し、集じん部50で効率よく集じんされる。また、帯電部40と集じん部50に同一の交流高電圧を印加することにより、よりシンプルなシステム構築が可能になる。
【選択図】 図2
【解決手段】帯電部40の線電極23と平板電極21,22との間に交流高電圧を印加する。交流高電圧としては、正弦波高電圧のみならず矩形波高電圧を用いることが可能である。帯電部40には交流の高電圧が印加されるので、正および負のコロナ放電が交互に発生する。したがって、この交流コロナ放電により、帯電部40を通過する粒子も正および負に交互に帯電し、集じん部50で効率よく集じんされる。また、帯電部40と集じん部50に同一の交流高電圧を印加することにより、よりシンプルなシステム構築が可能になる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内の空気などを浄化するのに好適な、矩形波電気集じん装置、および、矩形波電気集じん装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている通り、自動車道トンネル内の空気は、自動車から排出される排気ガス中の有害ガス、煤煙、自動車の走行に伴って生じるタイヤや道路アスファルトの磨耗粉塵などのサブミクロンオーダの浮遊微粒子で汚染されている。そこで、この汚染空気中の煤煙・微粒子を除去するために、帯電部および集じん部によって構成された二段式電気集じん装置を用いた空気浄化設備が実用化されている。
【0003】
図5は、一般的に知られている2段式電気集じん装置の構成を示す。本図に示す電気集じん装置100は、帯電部1と集じん部2から構成されている。帯電部1は、線(4)対平板電極(3a,3b)構造を有している。そして、電極間には直流高電圧を課電し、コロナ放電を発生させている。一方、集じん部2は、平行平板電極(5a,5b,6)構造を有している。この平行平板電極間には直流高電圧を課電することにより、静電界が形成される。これらの構成をもつ2段式電気集じん装置において、粒子は帯電部1において単極性に帯電し、集じん部2の静電界によって、集じん電極5a,5b上に捕集される。
【0004】
こういった従来型の二段式電気集じん装置は、ナノメータ粒子に対しても集じん率が高く、また大流量処理に適している。
【0005】
また、他の従来技術として、微粒子状物質を特定極性に帯電するための放電電極と、前記放電電極によって帯電された微粒子状物質を集塵するための集塵電極とを具備する電気集塵装置において、前記放電電極は細長いプレート状電極から構成され、前記プレート状電極の一方または双方の側部はその厚さがテーパ状に漸減されていることを特徴とする電気集塵装置が知られている(特許文献1参照)。この従来技術では、放電電極が細長いプレート状電極から構成されているので充分な強度を有する。それ故に、このプレート状電極に大きな張力を加えることができ、これによって放電電極に生じる振動を抑えることができ、火花放電の発生を少なくすることができる。また、プレート状電極の一方または双方の側部はその厚さがテーパ状に漸減されているので、放電電極からのコロナ放電はテーパ状の側端から発生し、コロナ放電を安定的に生成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−239738号公報(第2〜3頁,図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車道路トンネル内のように、浮遊粒子の主成分として、電気抵抗の低いカーボンなどが含まれている場合には、集じん電極上に捕集された粒子が再び飛散し、ガス流と共に電気集じん装置から排出される場合がある。この現象を再飛散現象と呼ぶ。再飛散現象は、大粒径粒子の集じん率を著しく低下させることから、改善すべき大きな課題となっている。
【0008】
図6は、上述した再飛散現象のメカニズムを示した説明図である。ここで、帯電部において粒子は、負に単極帯電されているものとする。この場合、再飛散現象のメカニズムは以下の通りである。
【0009】
まず、図6の(A)に示すように、帯電部内で負極性に帯電した粒子9は、集じん部接地電極板上に捕集される。接地電極上に集じんされたカーボン粒子は、直ちに電荷を失い接地極と同極性となる。このため、接地電極上の集じん粒子の近傍は電界が強くなる。さらに(B)に示すように、空間中の負極性帯電粒子が接地電極上に集じんされるとき、接地電極上の粒子と凝集するとともに、電界によるクーロン力によって、負極性電極方向へ数珠状凝集粒子を形成する。接地電極上の数珠状凝集粒子は凝集肥大化するに従い(図6(C)参照)、流体抗力やクーロン力などの剥離力が強くなり、これらの力が接地電極と凝集粒子間の付着力より大きくなったとき再飛散する。
【0010】
かかる再飛散現象を極めて有効に防止する方法として、矩形波交流電気集じん装置が提案されている。
【0011】
図7は、矩形波交流電気集じん装置の概略構成を示す。本装置は、帯電部40と集じん部50から構成されている。帯電部40は線対平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極21,22と線状の高電圧電極23を有する。この線−平板電極間には高電圧電源20から直流高電圧を印加し、帯電部40にコロナ放電を発生させる。直流高電圧の極性は正または負のいずれでも良く、またパルス電圧でもよい。
【0012】
集じん部50は平行平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極31,32と、1枚の平板からなる高電圧電極33とを有する。この接地−高電圧電極間には、矩形波高電圧電源30から矩形波高電圧を印加する。
【0013】
なお、矩形波高電圧電源30の代わりに正弦波交流からなる交流高電圧電源を用いても良い。
【0014】
この種の矩形波高電圧電源の電圧範囲は、電極間1mmあたり3kV以下が適当であり、一般には1mmあたり約0.9kv程度である。また、印加電圧の周波数は数Hz〜数kHzの範囲とされている。
【0015】
しかし、その周波数が高くなるに従い、電源容量を大きくしなければならないという問題があった。また逆に、周波数を低く設定すると、再飛散が発生し大粒径粒子の集じん率が低下してくるという問題が生じる。
【0016】
よって本発明の目的は、再飛散を効果的に防止し、高い集じん率を低コストで実現できるようにした、交流電界形電気集じん装置、および、交流電界形電気集じん装置の駆動方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る交流電界形電気集じん装置は、空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置であって、前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とするものである。ここで、前記帯電部と前記集じん部に対して、同一の高圧発生装置より同一の交流高電圧を印加することも可能である。また、前記交流高電圧として、正弦波高電圧のほか、矩形波高電圧を用いることも可能である。
【0018】
本発明に係る交流電界形電気集じん装置の駆動方法は、空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置を駆動するに際して、前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するに先立ち、まず図8〜図10を参照して、本発明の前提的技術を説明する。
【0020】
本発明の前提的技術
図8は、本発明の前提となる交流電界形電気集じん装置の断面構成図である。この交流電界形電気集じん装置は、帯電部40と集じん部50から構成されている。帯電部40は線対平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極21,22と線状の高電圧電極23を有する。この線−平板電極間には高電圧電源20から直流高電圧を印加し、帯電部40にコロナ放電を発生させる。直流高電圧の極性は正または負のいずれでも良く、またパルス電圧でもよい。
【0021】
集じん部50は平行平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極31,32と、1枚の平板からなる高電圧電極33とを有する。この接地−高電圧電極間には、高電圧電源60から、一例として、矩形波高電圧(周波数0.1〜2Hz)を印加する。電圧を印加することによって、集じん部50では、静電界が発生する。浮遊粒子を含んだガス流は、帯電部50を通過することによって荷電され、集じん部50の静電界によって、集じん電極上に捕集される。
【0022】
次に、図9および図10を参照して、集じん部50に矩形波高電圧を印加した場合の再飛散防止メカニズムを説明する。ここで、図9は、集じん部50における帯電粒子の捕集および再飛散防止モデルを示す。帯電部40には負の直流高電圧が印加され、粒子はマイナスに帯電されているものとする。図10は、集じん部50に矩形波高電圧を印加した場合の波形を示す。
【0023】
図10において、集じん部50に印加される電圧は、3つの区間に分けて考える。aの区間は、集じん部50に正の高電圧が印加されている領域である。bの区間は、集じん部50への印加電圧が、正から負に変化する遷移領域である(数msec)。cの区間は、集じん部50に負の高電圧が印加されている領域である。aの領域のとき、帯電部40で負に帯電した粒子は、正極性の高電圧集じん電極板上に捕集される。捕集された粒子は、直ちに正に帯電し、数珠状の極板凝集粒子を形成する。その後、bの区間においては、電圧の極性が正から負に急激に変化する。集じん電極板の極性が正から負に急激に変化するため、数珠状の極板凝集粒子は、静電気によって集じん電極板方向へ力を受け、球状の凝集粒子へと変化する。
【0024】
かくして、球状の凝集粒子に変化することによって、剥離力としてはたらく風力や静電気力が小さくなり、再飛散は起こらなくなる。
【0025】
しかし、帯電部40と集じん部50には、各々個別の高圧発生装置より高電圧を印加しており、システムが複雑となっている。そこで、よりシンプルなシステムを構成するために、つぎに述べる本実施の形態が有効である。
【0026】
実施の形態
図1は、本発明の一実施の形態による交流電界形電気集じん装置を示す。
【0027】
帯電部40および集じん部50の電極構成は、図8と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
図1では、帯電部40への印加電圧を交流高電圧(すなわち、正弦波高電圧もしくは矩形波高電圧)とした場合を図示してある。
【0029】
帯電部40の線電極23と平板電極21,22との間に交流高電圧を印加する。交流高電圧としては、正弦波高電圧のみならず矩形波高電圧を用いることが可能である。このように本実施の形態では、交流高電圧電源70の出力波形を、任意に選択することができる。同様に、集じん部50における交流高電圧電源60の出力波形も、任意に選択することができる。
【0030】
図2は、その他の実施の形態を示す。この実施の形態は、帯電部40と集じん部50に同一の交流高電圧を印加することで、よりシンプルなシステム構築を可能にしている。
【0031】
図2に示した交流高電圧電源80の出力波形も、任意に選択することができる。すなわち、交流高電圧波形として、矩形波波形や正弦波交流などの交流高電圧波形を用いることができる。
【0032】
これら図1および図2に示した実施の形態において、帯電部40には交流の高電圧が印加されるので、正および負のコロナ放電が交互に発生する。したがって、この交流コロナ放電により、帯電部40を通過する粒子も正および負に交互に帯電し、集じん部50で効率よく集じんされる。
【0033】
特に、図2に示した電気集じんシステムを採用することにより、帯電部40における再飛散が抑制されると共に、帯電部40および集じん部50で各々必要になる高電圧発生装置が不要となり、単一の高電圧発生装置により集じんが可能となる。
【0034】
図3は、帯電部の各種電極構成を例示的に列挙したものである(大野長太郎著「除じん集じんの理論と実際」,オーム社,1978より引用)。本図に示すように、電極構成はいずれでも、良く限定されたものではない。また図4は、一般的な各種放電電極形状を示す(K. R. Parker著“Applied Electrostatic Precipitation”, Blackie Academic & Professionalより引用)。放電電極形状はいずれでも良く、限定されたものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、再飛散を効果的に防止し、高い集じん率を低コストで実現することができる。
【0036】
特に、本発明によれば、帯電部と集じん部に同一の交流高電圧を印加することにより、システムを簡略化し、かつ再飛散を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した、交流電界形電気集じん装置を示す断面構成図である。
【図2】本発明を適用した、他の交流電界形電気集じん装置を示す断面構成図である。
【図3】帯電部の各種電極構成を例示した図である。
【図4】一般的な各種電極形状を例示した図である。
【図5】一般的に知られている2段式電気集じん装置の構成を示す図である。
【図6】再飛散現象のメカニズムを示した説明図である。
【図7】矩形波交流電界形電気集じん装置の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【図9】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【図10】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【符号の説明】
20,30,60,70 高電圧電源
21,22 接地電極
23 線状の高電圧電極
31,32 接地電極
33 高電圧電極
40 帯電部
50 集じん部
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内の空気などを浄化するのに好適な、矩形波電気集じん装置、および、矩形波電気集じん装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から知られている通り、自動車道トンネル内の空気は、自動車から排出される排気ガス中の有害ガス、煤煙、自動車の走行に伴って生じるタイヤや道路アスファルトの磨耗粉塵などのサブミクロンオーダの浮遊微粒子で汚染されている。そこで、この汚染空気中の煤煙・微粒子を除去するために、帯電部および集じん部によって構成された二段式電気集じん装置を用いた空気浄化設備が実用化されている。
【0003】
図5は、一般的に知られている2段式電気集じん装置の構成を示す。本図に示す電気集じん装置100は、帯電部1と集じん部2から構成されている。帯電部1は、線(4)対平板電極(3a,3b)構造を有している。そして、電極間には直流高電圧を課電し、コロナ放電を発生させている。一方、集じん部2は、平行平板電極(5a,5b,6)構造を有している。この平行平板電極間には直流高電圧を課電することにより、静電界が形成される。これらの構成をもつ2段式電気集じん装置において、粒子は帯電部1において単極性に帯電し、集じん部2の静電界によって、集じん電極5a,5b上に捕集される。
【0004】
こういった従来型の二段式電気集じん装置は、ナノメータ粒子に対しても集じん率が高く、また大流量処理に適している。
【0005】
また、他の従来技術として、微粒子状物質を特定極性に帯電するための放電電極と、前記放電電極によって帯電された微粒子状物質を集塵するための集塵電極とを具備する電気集塵装置において、前記放電電極は細長いプレート状電極から構成され、前記プレート状電極の一方または双方の側部はその厚さがテーパ状に漸減されていることを特徴とする電気集塵装置が知られている(特許文献1参照)。この従来技術では、放電電極が細長いプレート状電極から構成されているので充分な強度を有する。それ故に、このプレート状電極に大きな張力を加えることができ、これによって放電電極に生じる振動を抑えることができ、火花放電の発生を少なくすることができる。また、プレート状電極の一方または双方の側部はその厚さがテーパ状に漸減されているので、放電電極からのコロナ放電はテーパ状の側端から発生し、コロナ放電を安定的に生成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−239738号公報(第2〜3頁,図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、自動車道路トンネル内のように、浮遊粒子の主成分として、電気抵抗の低いカーボンなどが含まれている場合には、集じん電極上に捕集された粒子が再び飛散し、ガス流と共に電気集じん装置から排出される場合がある。この現象を再飛散現象と呼ぶ。再飛散現象は、大粒径粒子の集じん率を著しく低下させることから、改善すべき大きな課題となっている。
【0008】
図6は、上述した再飛散現象のメカニズムを示した説明図である。ここで、帯電部において粒子は、負に単極帯電されているものとする。この場合、再飛散現象のメカニズムは以下の通りである。
【0009】
まず、図6の(A)に示すように、帯電部内で負極性に帯電した粒子9は、集じん部接地電極板上に捕集される。接地電極上に集じんされたカーボン粒子は、直ちに電荷を失い接地極と同極性となる。このため、接地電極上の集じん粒子の近傍は電界が強くなる。さらに(B)に示すように、空間中の負極性帯電粒子が接地電極上に集じんされるとき、接地電極上の粒子と凝集するとともに、電界によるクーロン力によって、負極性電極方向へ数珠状凝集粒子を形成する。接地電極上の数珠状凝集粒子は凝集肥大化するに従い(図6(C)参照)、流体抗力やクーロン力などの剥離力が強くなり、これらの力が接地電極と凝集粒子間の付着力より大きくなったとき再飛散する。
【0010】
かかる再飛散現象を極めて有効に防止する方法として、矩形波交流電気集じん装置が提案されている。
【0011】
図7は、矩形波交流電気集じん装置の概略構成を示す。本装置は、帯電部40と集じん部50から構成されている。帯電部40は線対平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極21,22と線状の高電圧電極23を有する。この線−平板電極間には高電圧電源20から直流高電圧を印加し、帯電部40にコロナ放電を発生させる。直流高電圧の極性は正または負のいずれでも良く、またパルス電圧でもよい。
【0012】
集じん部50は平行平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極31,32と、1枚の平板からなる高電圧電極33とを有する。この接地−高電圧電極間には、矩形波高電圧電源30から矩形波高電圧を印加する。
【0013】
なお、矩形波高電圧電源30の代わりに正弦波交流からなる交流高電圧電源を用いても良い。
【0014】
この種の矩形波高電圧電源の電圧範囲は、電極間1mmあたり3kV以下が適当であり、一般には1mmあたり約0.9kv程度である。また、印加電圧の周波数は数Hz〜数kHzの範囲とされている。
【0015】
しかし、その周波数が高くなるに従い、電源容量を大きくしなければならないという問題があった。また逆に、周波数を低く設定すると、再飛散が発生し大粒径粒子の集じん率が低下してくるという問題が生じる。
【0016】
よって本発明の目的は、再飛散を効果的に防止し、高い集じん率を低コストで実現できるようにした、交流電界形電気集じん装置、および、交流電界形電気集じん装置の駆動方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る交流電界形電気集じん装置は、空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置であって、前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とするものである。ここで、前記帯電部と前記集じん部に対して、同一の高圧発生装置より同一の交流高電圧を印加することも可能である。また、前記交流高電圧として、正弦波高電圧のほか、矩形波高電圧を用いることも可能である。
【0018】
本発明に係る交流電界形電気集じん装置の駆動方法は、空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置を駆動するに際して、前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明するに先立ち、まず図8〜図10を参照して、本発明の前提的技術を説明する。
【0020】
本発明の前提的技術
図8は、本発明の前提となる交流電界形電気集じん装置の断面構成図である。この交流電界形電気集じん装置は、帯電部40と集じん部50から構成されている。帯電部40は線対平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極21,22と線状の高電圧電極23を有する。この線−平板電極間には高電圧電源20から直流高電圧を印加し、帯電部40にコロナ放電を発生させる。直流高電圧の極性は正または負のいずれでも良く、またパルス電圧でもよい。
【0021】
集じん部50は平行平板電極構造であり、1対の平板からなる接地電極31,32と、1枚の平板からなる高電圧電極33とを有する。この接地−高電圧電極間には、高電圧電源60から、一例として、矩形波高電圧(周波数0.1〜2Hz)を印加する。電圧を印加することによって、集じん部50では、静電界が発生する。浮遊粒子を含んだガス流は、帯電部50を通過することによって荷電され、集じん部50の静電界によって、集じん電極上に捕集される。
【0022】
次に、図9および図10を参照して、集じん部50に矩形波高電圧を印加した場合の再飛散防止メカニズムを説明する。ここで、図9は、集じん部50における帯電粒子の捕集および再飛散防止モデルを示す。帯電部40には負の直流高電圧が印加され、粒子はマイナスに帯電されているものとする。図10は、集じん部50に矩形波高電圧を印加した場合の波形を示す。
【0023】
図10において、集じん部50に印加される電圧は、3つの区間に分けて考える。aの区間は、集じん部50に正の高電圧が印加されている領域である。bの区間は、集じん部50への印加電圧が、正から負に変化する遷移領域である(数msec)。cの区間は、集じん部50に負の高電圧が印加されている領域である。aの領域のとき、帯電部40で負に帯電した粒子は、正極性の高電圧集じん電極板上に捕集される。捕集された粒子は、直ちに正に帯電し、数珠状の極板凝集粒子を形成する。その後、bの区間においては、電圧の極性が正から負に急激に変化する。集じん電極板の極性が正から負に急激に変化するため、数珠状の極板凝集粒子は、静電気によって集じん電極板方向へ力を受け、球状の凝集粒子へと変化する。
【0024】
かくして、球状の凝集粒子に変化することによって、剥離力としてはたらく風力や静電気力が小さくなり、再飛散は起こらなくなる。
【0025】
しかし、帯電部40と集じん部50には、各々個別の高圧発生装置より高電圧を印加しており、システムが複雑となっている。そこで、よりシンプルなシステムを構成するために、つぎに述べる本実施の形態が有効である。
【0026】
実施の形態
図1は、本発明の一実施の形態による交流電界形電気集じん装置を示す。
【0027】
帯電部40および集じん部50の電極構成は、図8と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
図1では、帯電部40への印加電圧を交流高電圧(すなわち、正弦波高電圧もしくは矩形波高電圧)とした場合を図示してある。
【0029】
帯電部40の線電極23と平板電極21,22との間に交流高電圧を印加する。交流高電圧としては、正弦波高電圧のみならず矩形波高電圧を用いることが可能である。このように本実施の形態では、交流高電圧電源70の出力波形を、任意に選択することができる。同様に、集じん部50における交流高電圧電源60の出力波形も、任意に選択することができる。
【0030】
図2は、その他の実施の形態を示す。この実施の形態は、帯電部40と集じん部50に同一の交流高電圧を印加することで、よりシンプルなシステム構築を可能にしている。
【0031】
図2に示した交流高電圧電源80の出力波形も、任意に選択することができる。すなわち、交流高電圧波形として、矩形波波形や正弦波交流などの交流高電圧波形を用いることができる。
【0032】
これら図1および図2に示した実施の形態において、帯電部40には交流の高電圧が印加されるので、正および負のコロナ放電が交互に発生する。したがって、この交流コロナ放電により、帯電部40を通過する粒子も正および負に交互に帯電し、集じん部50で効率よく集じんされる。
【0033】
特に、図2に示した電気集じんシステムを採用することにより、帯電部40における再飛散が抑制されると共に、帯電部40および集じん部50で各々必要になる高電圧発生装置が不要となり、単一の高電圧発生装置により集じんが可能となる。
【0034】
図3は、帯電部の各種電極構成を例示的に列挙したものである(大野長太郎著「除じん集じんの理論と実際」,オーム社,1978より引用)。本図に示すように、電極構成はいずれでも、良く限定されたものではない。また図4は、一般的な各種放電電極形状を示す(K. R. Parker著“Applied Electrostatic Precipitation”, Blackie Academic & Professionalより引用)。放電電極形状はいずれでも良く、限定されたものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、再飛散を効果的に防止し、高い集じん率を低コストで実現することができる。
【0036】
特に、本発明によれば、帯電部と集じん部に同一の交流高電圧を印加することにより、システムを簡略化し、かつ再飛散を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した、交流電界形電気集じん装置を示す断面構成図である。
【図2】本発明を適用した、他の交流電界形電気集じん装置を示す断面構成図である。
【図3】帯電部の各種電極構成を例示した図である。
【図4】一般的な各種電極形状を例示した図である。
【図5】一般的に知られている2段式電気集じん装置の構成を示す図である。
【図6】再飛散現象のメカニズムを示した説明図である。
【図7】矩形波交流電界形電気集じん装置の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【図9】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【図10】本発明の前提となる技術を示す説明図である。
【符号の説明】
20,30,60,70 高電圧電源
21,22 接地電極
23 線状の高電圧電極
31,32 接地電極
33 高電圧電極
40 帯電部
50 集じん部
Claims (4)
- 空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置であって、
前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とする交流電界形電気集じん装置。 - 請求項1において、
前記帯電部と前記集じん部に対して、同一の高圧発生装置より同一の交流高電圧を印加することを特徴とする交流電界形電気集じん装置。 - 請求項1または2において、
前記交流高電圧として、正弦波高電圧もしくは矩形波高電圧を用いることを特徴とする交流電界形電気集じん装置。 - 空気中に浮遊する粒子を帯電する帯電部と、該帯電部の下流において帯電粒子を集じんする集じん部とを有する交流電界形電気集じん装置を駆動するに際して、
前記帯電部と前記集じん部に交流高電圧を印加することを特徴とする、交流電界形電気集じん装置の駆動方法。
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-
2002
- 2002-10-02 JP JP2002289927A patent/JP2004121987A/ja active Pending
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