JP2004122122A - 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 リッチ状態においてセリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることのない排気ガス浄化用触媒を提供する。
【解決手段】 排気ガス浄化用触媒は、担体と、その担体を被覆する単一触媒層と、を備える。単一触媒層は、排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、担体1L当たりの担持量が80〜280gであるセリア材としてのCe−Zr系複酸化物を含むセリア材、又は、担体1L当たりの担持量が30〜50gであるセリア材としてのCe−Pr系複酸化物を含むセリア材と、を有する。
【選択図】なし
【解決手段】 排気ガス浄化用触媒は、担体と、その担体を被覆する単一触媒層と、を備える。単一触媒層は、排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、担体1L当たりの担持量が80〜280gであるセリア材としてのCe−Zr系複酸化物を含むセリア材、又は、担体1L当たりの担持量が30〜50gであるセリア材としてのCe−Pr系複酸化物を含むセリア材と、を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置に関する。
エンジンの排気通路に設けられる排気ガス用浄化触媒として、NOx吸収材を有するものが広く知られている。NOx吸収材は、混合気の空燃比がリーン状態(酸素の存在下)のときに排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下してリッチ状態となったときにNOxを放出して還元浄化するものである。
ところで、このようなNOx吸収材は、排気ガス中にNOxと共に含まれるSOx(硫黄酸化物)やH2Sといった硫黄化合物をも吸収し易いという性質をも有している。そして、NOx吸収材には、硫黄化合物を一旦吸収すると、NOxの吸収性能が著しく低下してしまうという問題がある。
このような硫黄化合物による被毒の問題に対し、特許文献1には、NOx吸収材が担体に担持されている排気ガス浄化材と、排気ガスの酸素濃度を変更する手段とを備えている排気ガス浄化装置において、排気ガス浄化材が、NOx吸収材を含有する層と、排気ガス中の硫黄化合物を酸素の存在下で吸収し排気ガス中の酸素濃度が低下するとその硫黄化合物を放出する硫黄化合物吸収材を含有する層とを、前者が内側になり後者が外側になるように層状に備え、その硫黄化合物吸収材としてセリア材を用いたものが開示されている。そして、これによれば、排気ガス中のNOxを吸収するNOx吸収材が排気ガス中の硫黄化合物によって被毒するのを防止することができると記載されている。
特開平11−156159号公報
上記特許文献1に開示された排気ガス浄化材のセリア材は、硫黄化合物吸収能力とともに酸素吸収能力をも有する。そして、セリア材は、空燃比がリーン状態であって排気ガスの酸素濃度が高いときには、酸素を吸収すると共に排気ガス中のNOをNO2に酸化させ、それによってNOxのNOx吸収材への吸収を促進させる一方、空燃比がリッチ状態であって排気ガスの酸素濃度が低いときには、酸素を放出して排気ガス中のHCを部分酸化により活性化させ、その活性化したHCとNOx吸収材から放出されたNOxとの酸化還元反応を促進させる機能を有する。
ところが、上記のように、セリア材はリッチ状態のときに排気ガス中に酸素を放出するため、触媒中でのセリア材の担持量が多すぎると、リッチ状態のときの排気ガスの酸素濃度が高くなり過ぎ、排気ガスが酸化雰囲気となってしまう。そうなると、HCやCOがセリア材から放出されたO2との酸化還元反応を起こすため、HC及びCOとNOxとの酸化還元反応が抑制されてNOxの浄化性能が低くなるという問題がある。特に、ディーゼルエンジンでは、排気ガス温度が比較的低いために触媒による高い浄化性能を得ることができず、このことと相まって、この問題が特に顕著である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リッチ状態においてセリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることのない排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置を提供することにある。
本発明者らは、セリア材の種類とその用い方によっては上記目的を達することを見出して本発明に想到したものである。
請求項1に係る発明は、担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、を備えたディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Zr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が80g以上280g以下であるセリア材と、
を有することを特徴とする。
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Zr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が80g以上280g以下であるセリア材と、
を有することを特徴とする。
上記構成では、セリア材としてCe−Zr系複酸化物を含むものが選択され、その担持量が担体1L当たり80g以上280g以下であるので、後に実施例で明らかにするように、排気ガス温度が比較的低いディーゼルエンジンであっても、リッチ状態において、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、高いNOx浄化率を呈する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載されているディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒において、
上記セリア材は、上記担体1L当たりの担持量が110g以上240g以下であることを特徴とする。
上記セリア材は、上記担体1L当たりの担持量が110g以上240g以下であることを特徴とする。
上記構成では、セリア材の担持量が110g以上240g以下であるので、請求項1に係る発明の作用効果がより顕著に営まれる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載されているディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒において、
上記セリア材は、CeO2が50質量%以上を占めていることを特徴とする。
上記セリア材は、CeO2が50質量%以上を占めていることを特徴とする。
上記構成では、セリア材の50質量%以上がCeO2であるので、請求項1に係る発明の作用効果が適正に営まれる。
請求項4に係る発明は、担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、を備えた排気ガス浄化用触媒であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が30g以上50g以下であるセリア材と、
を有することを特徴とする。
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が30g以上50g以下であるセリア材と、
を有することを特徴とする。
上記構成では、セリア材としてCe−Pr系複酸化物を含むものが選択され、その担持量が担体1L当たり30g以上50g以下であるので、後に実施例で明らかにするように、リッチ状態において、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、高いNOx浄化率を呈する。
請求項5に係る発明は、担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、からなる排気ガス浄化用触媒を備えた排気ガス浄化装置であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が排気ガスの流動方向の下流側よりも上流側の方が多いセリア材と、
を有することを特徴とする。
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が排気ガスの流動方向の下流側よりも上流側の方が多いセリア材と、
を有することを特徴とする。
リッチ状態でのNOx浄化率とセリア材の担持量との関係は、排気ガス温度によって変化する。具体的には、排気ガス温度が高いときには、上記したようにセリア材が酸素を放出するため、セリア材の担持量の増加に伴ってNOx浄化率は低下する。これに対し、排気ガス温度が比較的低いときには、セリア材の放出する酸素の影響は小さく、一定の範囲ではセリア材の担持量の増加に伴ってNOx浄化率も増加する。また、ディーゼルエンジンでは、排気ガス温度が低いために触媒活性を得られないので、触媒における排気ガスの流動方向の上流側でHCを燃焼させる等して排気ガス温度を上昇させる。このため、排気ガス温度は、触媒における排気ガスの流動方向の上流側を通過するときよりも下流側を通過するときの方が高くなる。上記構成では、排気ガス温度が低温であるその流動方向の上流側で相対的にセリア材の担持量が多く、且つ、排気ガス温度が高温であるその流動方向の下流側で相対的にセリア材の担持量が少ないので、リッチ状態において、上流側及び下流側のそれぞれで、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、その結果、全体として高いNOx浄化率を呈する。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の下流側において、上記担体1L当たりの担持量が0g以上120g以下であることを特徴とする。
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の下流側において、上記担体1L当たりの担持量が0g以上120g以下であることを特徴とする。
上記構成では、セリア材の担体1L当たりの担持量が0g以上120g以下であり、後に実施例で示すように、排気ガス温度が高温である場合に高いNOx浄化率を呈するので、請求項5に係る発明の作用効果が適正に営まれる。
請求項7に係る発明は、請求項5に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の上流側において、上記担体1L当たりの担持量が160g以上240g以下であることを特徴とする。
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の上流側において、上記担体1L当たりの担持量が160g以上240g以下であることを特徴とする。
上記構成では、セリア材の担体1L当たりの担持量が160g以上240g以下であり、後に実施例で示すように、排気ガス温度が低温である場合に高いNOx浄化率を呈するので、請求項5に係る発明の作用効果が適正に営まれる。
以上説明したように、本発明によれば、適切なセリア材を適量含むことにより、リッチ状態において、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、高いNOx浄化率を得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<全体構成>
図1は、車両に搭載された多気筒のディーゼルエンジン5の1つの気筒の部分を示す。
図1は、車両に搭載された多気筒のディーゼルエンジン5の1つの気筒の部分を示す。
このエンジン5において、燃焼室6に燃料噴射弁7が燃料を直接噴射して供給し、吸気は吸気通路8及び排気は排気通路9をそれぞれ介して行われる。排気通路9には、排気ガス浄化装置1が配置されている。排気ガス浄化装置1には、担体に触媒貴金属、NOx吸収材、セリア材を含む単一触媒層を担持した排気ガス浄化用触媒が設けられている。また、排気ガス浄化装置1よりも上流側の排気通路9から吸気通路8に向かってEGR(排気還流のこと。以下、同じ。)通路10が延び、そのEGR通路10にEGR弁11が設けられている。燃料噴射弁7及びEGR弁11はエンジンの運転状態等に応じてECU(排気制御手段)12により制御される。
この制御では、エンジンが空燃比リーン(A/F=18〜80)で運転されたとき、通常は排気ガスの酸素濃度が4〜5%から20%である酸素過剰雰囲気が形成されるが、間欠的に排気ガスの酸素濃度を2.0%以下、あるいは0.5%以下に低減する。この酸素濃度低減制御は、EGR率を高めるとともに、燃料噴射弁7により圧縮行程上死点付近で主燃料噴射を行った後、膨張行程又は排気行程において後燃料噴射を行なう、というものである。そして、これにより、排気ガスの酸素濃度を低減すると共に、排気ガス中のHC量を増やし、排気ガス浄化用触媒のNOx吸収材が空燃比リッチで運転されたときに吸収していたNOxのそのNOx吸収材からの放出を促すことになる。
すなわち、リーン運転が長時間続くと排気ガス浄化用触媒のNOx吸収材のNOx吸収量が飽和状態となってNOx浄化性能の低下を招くこととなるため、この制御により、第1期間は上記リーン運転を行なって排気ガスの酸素濃度を高くし、第1期間よりも短い第2期間は上記酸素濃度低減制御を行なう、というようにECU12によって高酸素濃度状態と低酸素濃度状態とを交互に繰り返すようにして、適宜NOxの放出を促すようにしている。
<排気ガス浄化用触媒Aを備えた排気ガス浄化装置>
図2は、排気ガス浄化用触媒Aを備えた排気ガス浄化装置1を示す。
図2は、排気ガス浄化用触媒Aを備えた排気ガス浄化装置1を示す。
この排気ガス浄化装置1は、上流側にエンジン5の排気通路9から通じる流入口18と、下流側のマフラへ通じる流出口19が形成された円筒状のケーシング16を有する。ケーシング16内には、排気ガス浄化用触媒A17が装填されている。この排気ガス浄化用触媒A17は、その長手方向の中央からやや下流寄りを境にして、上流側触媒17aと下流側触媒17bとに分けることができる。
排気ガス浄化用触媒A17は、コージェライト製のハニカム状モノリス担体(1インチ当たりのセル数400,相隣るセルを隔てる壁厚さ6mil)の表面に単一触媒層を担持させたものである。単一触媒層には、触媒貴金属としてPt及びRh、NOx吸収材としてBa、Mg、Sr及びK、セリア材、これらのサポート材(担持母材)としてアルミナ、並びに、バインダとして水和アルミナを含有している。
ここで、セリア材とは、セリウムを含有する酸化物をいう。排気ガス浄化用触媒A17においては、セリア材としてCe−Zr系複酸化物を含むものが使用される。セリア材の担体1L当たりの担持量は80〜280gであり、好ましくは110〜240gである。また、セリア材は、CeO2が50質量%以上を占めている。
この排気ガス浄化用触媒A17では、セリア材としてCe−Zr系複酸化物を含むものが用いられ、その担持量が担体1L当たり80〜280g(好ましくは110〜240g)であるので、排気ガス温度が比較的低いディーゼルエンジンであっても、リッチ状態において、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、高いNOx浄化率を呈する。
以上の本実施形態に係る排気ガス浄化用触媒A17は次のようにして調製することができる。
まず、アルミナ、セリア材及び水和アルミナを所定の重量比で混合し、これに水及びpH調整用の硝酸を加えてスラリーとする。
次いで、このスラリーに担体を浸漬して引上げ、余分なスラリーをエアブローによって除いた後、これに乾燥(150℃で2時間)及び焼成(500℃で2時間)を施す。これにより担体上に多孔質層が形成される。
続いて、担体表面に形成された多孔質層に触媒貴金属、及びNOx吸収材成分を含有する溶液を含浸させ、再び乾燥及び焼成を施すことで単一触媒層を形成する。
そして、このようにして得られた排気ガス浄化用触媒A17をケーシング16内に装着して排気ガス浄化装置1を構成する。
<排気ガス浄化用触媒Bを備えた排気ガス浄化装置>
排気ガス浄化用触媒Bを備えた排気ガス浄化装置の構成は排気ガス浄化用触媒Aを備えたものと同一であるので、図2を用いて説明する。
排気ガス浄化用触媒Bを備えた排気ガス浄化装置の構成は排気ガス浄化用触媒Aを備えたものと同一であるので、図2を用いて説明する。
この排気ガス浄化装置1は、上流側にエンジン5の排気通路9から通じる流入口18と、下流側のマフラへ通じる流出口19が形成された円筒状のケーシング16を有する。ケーシング16内には、排気ガス浄化用触媒B17が装填されている。この排気ガス浄化用触媒B17は、その長手方向の中央からやや下流寄りを境にして、上流側触媒17aと下流側触媒17bとに分けられている。
排気ガス浄化用触媒B17を構成する上流側触媒17a及び下流側触媒17bのそれぞれは、コージェライト製のハニカム状モノリス担体(1インチ当たりのセル数400,相隣るセルを隔てる壁厚さ6mil)の表面に単一触媒層を担持させたものである。単一触媒層には、触媒貴金属としてPt及びRh、NOx吸収材としてBa、Mg、Sr及びK、セリア材、これらのサポート材(担持母材)としてアルミナ、並びに、バインダとして水和アルミナを含有している。
ここで、排気ガス浄化用触媒B17においては、セリア材としてCe−Pr系複酸化物を含むものが使用される。
セリア材の担体1L当たりの担持量は30〜50gとするのがよい。この場合、セリア材としてCe−Pr系複酸化物を含むものが用いられ、その担持量が担体1L当たり30〜50gであるので、リッチ状態において、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、高いNOx浄化率を呈する。
また、セリア材の担体1L当たりの担持量は、上流側触媒17aが多く且つ下流側触媒17bが少ない、つまり、排気ガスの流動方向の下流側よりも上流側の方が多いものであってもよい。リッチ状態でのNOx浄化率とセリア材の担持量との関係は、排気ガス温度が高いときには、セリア材の担持量の増加に伴ってNOx浄化率は低下するのに対し、排気ガス温度が比較的低いときには、セリア材の放出する酸素の影響は小さく、一定の範囲ではセリア材の担持量の増加に伴ってNOx浄化率も増加するものである。また、ディーゼルエンジンでは、排気ガス温度が低いために触媒活性を得られないので、触媒における排気ガスの流動方向の上流側でHCを燃焼させる等して排気ガス温度を上昇させるため、排気ガス温度は、触媒における排気ガスの流動方向の上流側を通過するときよりも下流側を通過するときの方が高くなる。従って、この場合、排気ガス温度が低温であるその流動方向の上流側で相対的にセリア材の担持量が多く、且つ、排気ガス温度が高温であるその流動方向の下流側で相対的にセリア材の担持量が少ないので、リッチ状態において、上流側及び下流側のそれぞれで、セリア材が放出する酸素の影響によりNOx浄化性能が大きく損なわれることなく、その結果、全体として高いNOx浄化率を呈する。ここで、上流側触媒17aにおけるセリア材の担体1L当たりの担持量は160〜240gであるのがよい。下流側触媒17bにおけるセリア材の担体1L当たりの担持量は0〜120gであるのがよい。
以上の本実施形態に係る排気ガス浄化用触媒B17は次のようにして調製することができる。
まず、アルミナ、セリア材及び水和アルミナを所定の重量比で混合し、これに水及びpH調整用の硝酸を加えてスラリーとする。上流側触媒17a及び下流側触媒17bでセリア材の担持量を変更する場合には、それぞれのための2種類のスラリーを準備する。
次いで、このスラリーに担体を浸漬して引上げ、余分なスラリーをエアブローによって除いた後、これに乾燥(150℃で2時間)及び焼成(500℃で2時間)を施す。これにより担体上に多孔質層が形成される。上流側触媒17a及び下流側触媒17bでセリア材の担持量を変更する場合には、上流側触媒用担体をセリア材濃度の高いスラリーに及び下流側触媒用担体をセリア材濃度の低いスラリーにそれぞれ浸漬して引上げる。
続いて、担体表面に形成された多孔質層に触媒貴金属、及びNOx吸収材成分を含有する溶液を含浸させ、再び乾燥及び焼成を施すことで単一触媒層を形成する。
そして、このようにして得られた排気ガス浄化用触媒B17をケーシング16内に装着して排気ガス浄化装置1を構成する。
なお、上記実施形態では、上流側触媒17a及び下流側触媒17bを1つのケーシング16に収容した構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、上流側触媒17a及び下流側触媒17bをそれぞれ別のケーシングに収容し、それらを排気通路9に直列に配置するようにしてもよい。
担体を単一触媒層で被覆した排気ガス浄化用触媒であって、セリア材としてCe−Pr系複酸化物又はCe−Zr系複酸化物を含有したものについて、リッチ状態でのNOx浄化率とセリア材の担持量との関係を調べる試験評価を行った。
(試験評価1)
<試験評価用触媒>
セリア材としてCe−Pr系複酸化物を用いた上記実施形態の排気ガス浄化用触媒Bと同様の構成の排気ガス浄化用触媒を準備した。表1に、各排気ガス浄化用触媒におけるバインダとしてのAl2O3及びセリア材としてのCe−Pr系複酸化物の担持量を示す。
<試験評価用触媒>
セリア材としてCe−Pr系複酸化物を用いた上記実施形態の排気ガス浄化用触媒Bと同様の構成の排気ガス浄化用触媒を準備した。表1に、各排気ガス浄化用触媒におけるバインダとしてのAl2O3及びセリア材としてのCe−Pr系複酸化物の担持量を示す。
触媒貴金属 ;Pt=3.5g/L、Rh=0.3g/L
NOx吸収材 ;Ba=30g/L、Mg=10g/L、Sr=10g/L
K=6g/L
なお、(g/L)は、担体1L当たりの触媒の担持量を表わす。
NOx吸収材 ;Ba=30g/L、Mg=10g/L、Sr=10g/L
K=6g/L
なお、(g/L)は、担体1L当たりの触媒の担持量を表わす。
<試験評価方法>
上記各排気ガス浄化用触媒について、900℃で24時間のエージング処理を大気雰囲気において行なった。
上記各排気ガス浄化用触媒について、900℃で24時間のエージング処理を大気雰囲気において行なった。
そして、エージング処理を施した排気ガス浄化用触媒を固定床流通式反応評価装置に取り付け、リーンの模擬排気ガス(ガス組成A)を60秒間流し、次にガス組成をリッチの模擬排気ガス(ガス組成B)に切り換えてこれを60秒間流す、というサイクルを5回以上繰り返した後、ガス組成をリッチに切り換えた時点から60秒間のNOx浄化率(リッチNOx浄化率)を測定した。ガス組成A,Bは表2に示す通りとした。試験評価は、触媒入口の模擬排気ガス温度300℃、350℃、400℃及び450℃の各々について行なった。
図3によれば、排気ガス温度がT=450℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Pr系複酸化物の担持量が0〜120g/Lでは担持量の増加に伴って漸減してゆき、120g/Lを越えると急減し、240〜320g/Lでは40〜50%となっているのが分かる。従って、この温度では、Ce−Pr系複酸化物の担持量を120g/L以下とするのがよい。
排気ガス温度がT=400℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Pr系複酸化物の担持量が0〜40g/Lでは担持量の増加に伴って微増し、40〜120g/Lでは略一定であり、120g/Lを越えると担持量の増加に従って急減し、240〜320g/Lでは60〜70%となっているのが分かる。従って、この温度では、Ce−Pr系複酸化物の担持量を40〜120g/Lとするのがよい。
排気ガス温度がT=350℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Pr系複酸化物の担持量が0〜160g/Lでは担持量の増加に伴ってNOx浄化率は漸増し、約20g/Lで90%を越えているものの、120g/Lを越えて240〜320g/Lでは90%弱まで漸減しているのが分かる。この温度では、Ce−Pr系複酸化物の担持量を20〜240g/Lとすることで、90%以上のNOx浄化率を得ることができる。また、担持量が20g/L以上ではNOx浄化率に大差はないので、担持量を例えば20〜50g/Lとすれば、少ないセリア材で高いNOx浄化率を得ることができる。
排気ガス温度がT=300℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Pr系複酸化物の担持量が0〜240g/Lでは担持量の増加に伴ってNOx浄化率は漸増し、約30g/Lで90%を越えているものの、240〜320g/Lでは90%弱まで漸減しているのが分かる。この温度では、Ce−Pr系複酸化物の担持量を30〜240g/Lとすることで、90%以上のNOx浄化率を得ることができる。また、担持量が30g/L以上ではNOx浄化率に大差はないので、担持量を例えば30〜50g/Lとすれば、少ないセリア材で高いNOx浄化率を得ることができる。一方、担持量を例えば160〜240g/Lとすれば、最も高いNOx浄化率を得ることができる。
以上の結果より、例えば、市街地走行など低出力運転を行なう状況が多いと予想されるガソリン自動車や、一般的なディーゼルエンジン自動車の排気ガス浄化用触媒に適用する場合、排気ガス温度は触媒の入口温度で約350℃程度であり、触媒の下流側の温度は約300℃程度であるので、上流側触媒及び下流側触媒の両方でNOx浄化率が高くなるように、いずれもCe−Pr系複酸化物の担持量を30〜240g/Lとすればよく、セリア材の担持量を少なくするとすれば30〜50g/Lとすればよい。
また、ディーゼルエンジン自動車において、排気ガスの流動方向の上流側でHCを燃焼させて排気ガス温度を上昇させることにより触媒活性を高めるようにしたものの場合、排気ガス温度は、触媒における排気ガスの流動方向の上流側を通過するときよりも下流側を通過するときの方が高くなる。例えば、排気ガス温度は触媒の入口温度で約300℃程度であり、触媒の下流側の温度が約450℃程度であったとすると、上流側触媒で300℃でのNOx浄化率が高くなるように、Ce−Pr系複酸化物の担持量を160〜240g/Lとし、下流側触媒で450℃でのNOx浄化率が高くなるように、Ce−Pr系複酸化物の担持量を0〜120g/Lとすればよい。
(試験評価2)
<試験評価用触媒>
セリア材としてCe−Zr系複酸化物を用いた上記実施形態の排気ガス浄化用触媒Aとと同様の構成の排気ガス浄化用触媒を準備した。表3に、各排気ガス浄化用触媒におけるバインダとしてのAl2O3及びセリア材としてのCe−Zr系複酸化物の担持量を示す。なお、上記セリア材において、Ce−Zr系複酸化物は、Srを含み、
CeO2:ZrO2:SrO2=73:26:1(質量%)であった。
<試験評価用触媒>
セリア材としてCe−Zr系複酸化物を用いた上記実施形態の排気ガス浄化用触媒Aとと同様の構成の排気ガス浄化用触媒を準備した。表3に、各排気ガス浄化用触媒におけるバインダとしてのAl2O3及びセリア材としてのCe−Zr系複酸化物の担持量を示す。なお、上記セリア材において、Ce−Zr系複酸化物は、Srを含み、
CeO2:ZrO2:SrO2=73:26:1(質量%)であった。
触媒貴金属 ;Pt=3.5g/L、Rh=0.3g/L
NOx吸収材 ;Ba=30g/L、Mg=10g/L、Sr=10g/L
K=6g/L
<試験評価方法>
試験評価1と同一方法により、各排気ガス浄化用触媒についてのNOx浄化率を測定した。試験評価は、触媒入口の模擬排気ガス温度300℃、350℃、400℃及び450℃の各々について行なった。
NOx吸収材 ;Ba=30g/L、Mg=10g/L、Sr=10g/L
K=6g/L
<試験評価方法>
試験評価1と同一方法により、各排気ガス浄化用触媒についてのNOx浄化率を測定した。試験評価は、触媒入口の模擬排気ガス温度300℃、350℃、400℃及び450℃の各々について行なった。
<試験評価結果>
図4は、各排気ガス温度におけるCe−Zr系複酸化物の担持量とNOx浄化率との関係を示す。
図4は、各排気ガス温度におけるCe−Zr系複酸化物の担持量とNOx浄化率との関係を示す。
図4によれば、排気ガス温度がT=450℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Zr系複酸化物の担持量の増加に伴って低下するのが分かる。
排気ガス温度がT=400℃の場合も、NOx浄化率は、Ce−Zr系複酸化物の担持量の増加に伴って低下するのが分かる。
排気ガス温度がT=350℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Zr系複酸化物の担持量が0〜160g/Lでは担持量の増加に伴ってNOx浄化率は漸増し、約20g/Lで90%を越えており、80g/Lで確実に90%以上であり、160〜240g/Lでは漸減しているものの、全体として110〜240g/Lの範囲では高い水準であり、240g/Lを超えて240〜320g/Lでは大きく低下し、260g/Lより多くなると90%を下回っているのが分かる。
ているのが分かる。
ているのが分かる。
排気ガス温度がT=300℃の場合、NOx浄化率は、Ce−Zr系複酸化物の担持量が0〜160g/Lでは担持量の増加に伴ってNOx浄化率は漸増し、約40g/Lで90%を越えており、80g/Lで確実に90%以上であり、160〜240g/Lではほぼ一定であって、全体として110〜240g/Lの範囲では高い水準であり、240g/Lを超えて240〜320g/Lでは大きく低下し、280g/Lより多くなると90%を下回っているのが分かる。
以上の結果より、排気ガス温度の触媒の入口温度が300〜350℃程度であるディーゼルエンジン自動車の排気ガス浄化用触媒に適用する場合、上流側触媒及び下流側触媒の両方でNOx浄化率が高くなるように、いずれもCe−Zr系複酸化物の担持量を80〜280g/L、より好ましくは110〜240g/Lとすればよい。
以上説明したように、本発明は、排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置について有用である。
1 排気ガス浄化装置
7 燃料噴射弁
13 排気通路
14 排気ガス浄化装置
17 排気ガス浄化用触媒
17a 上流側触媒
17b 下流側触媒
7 燃料噴射弁
13 排気通路
14 排気ガス浄化装置
17 排気ガス浄化用触媒
17a 上流側触媒
17b 下流側触媒
Claims (7)
- 担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、を備えたディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Zr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が80〜280gであるセリア材と、
を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 請求項1に記載されているディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒において、
上記セリア材は、上記担体1L当たりの担持量が110〜240gであることを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒。 - 請求項1に記載されているディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒において、
上記セリア材は、CeO2が50質量%以上を占めていることを特徴とするディーゼルエンジンの排気ガス浄化用触媒。 - 担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、を備えた排気ガス浄化用触媒であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が30〜50gであるセリア材と、
を有することを特徴とする排気ガス浄化用触媒。 - 担体と、該担体を被覆する単一触媒層と、からなる排気ガス浄化用触媒を備えた排気ガス浄化装置であって、
上記単一触媒層は、
排気ガス中のNOxを酸素の存在下で吸収する一方、排気ガスの酸素濃度が低下するとそのNOxを放出するNOx吸収材と、
Ce−Pr系複酸化物を含み、上記担体1L当たりの担持量が排気ガスの流動方向の下流側よりも上流側の方が多いセリア材と、
を有することを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 請求項5に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の下流側において、上記担体1L当たりの担持量が0〜120gであることを特徴とする排気ガス浄化装置。 - 請求項5に記載されている排気ガス浄化装置において、
上記セリア材は、排気ガスの流動方向の上流側において、上記担体1L当たりの担持量が160〜240gであることを特徴とする排気ガス浄化装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003316274A JP2004122122A (ja) | 2002-09-11 | 2003-09-09 | 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002266027 | 2002-09-11 | ||
| JP2003316274A JP2004122122A (ja) | 2002-09-11 | 2003-09-09 | 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004122122A true JP2004122122A (ja) | 2004-04-22 |
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ID=32301582
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2003316274A Pending JP2004122122A (ja) | 2002-09-11 | 2003-09-09 | 排気ガス浄化用触媒及び排気ガス浄化装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004122122A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006305522A (ja) * | 2005-05-02 | 2006-11-09 | Cataler Corp | 硫化水素発生抑制触媒 |
| US7344683B2 (en) | 2005-04-14 | 2008-03-18 | Mazda Motor Corporation | Exhaust gas catalytic converter |
| JP2010036103A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-02-18 | Nissan Motor Co Ltd | ディーゼルエンジンの排気浄化装置 |
-
2003
- 2003-09-09 JP JP2003316274A patent/JP2004122122A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7344683B2 (en) | 2005-04-14 | 2008-03-18 | Mazda Motor Corporation | Exhaust gas catalytic converter |
| JP2006305522A (ja) * | 2005-05-02 | 2006-11-09 | Cataler Corp | 硫化水素発生抑制触媒 |
| US7825063B2 (en) | 2005-05-02 | 2010-11-02 | Cataler Corporation | Hydrogen sulfide generation-suppressed catalyst |
| JP2010036103A (ja) * | 2008-08-05 | 2010-02-18 | Nissan Motor Co Ltd | ディーゼルエンジンの排気浄化装置 |
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