JP2004126064A - 導電部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易に製造可能であり、さらに通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、環境による抵抗の変化の少ない、均一帯電または転写が可能な導電部材を提供することである。
【解決手段】バイアス電流を給電されることにより帯電または転写を行う導電性弾性体と、該導電性弾性体に給電し、かつこれを支持する給電支持体とを備えてなる導電部材であって、少なくとも導電性の支持体と導電性弾性体とからなる導電部材であって、前記導電性弾性体が、無機酸化物微粒子の表面が電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末を含有することを特徴とする導電部材である。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザプリンター、ファクシミリ、これらの複合OA機器等の電子写真装置に用いられる導電部材に関する。なお、本発明において、導電部材とは、導電部材とは、電子写真方式の画像形成装置における帯電部材、転写部材を示す。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、まず、無機または有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体表面に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー画像が形成される。そして、該トナー画像を中間転写体を介して、あるいは直接記録紙等の記録材に静電的に転写し、記録材に定着することにより所望の再生画像を得られる。
【0003】
特に、上記像担持体に形成したトナー画像を中間転写体に一次転写し、さらに中間転写体表面のトナー画像を記録紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置が一般によく知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上述のように、電子写真方式を利用した画像形成装置では、像担持体上に一様な電荷を形成しする帯電処理することが行われている。このような帯電部材の一つとして、接触式帯電方式がある。このような接触式帯電方式の帯電部材は、一般的に印加する電流が小さく、オゾン発生量が非常に少ないという利点があるが、帯電の均一性に関して信頼性が低いという欠点がある。帯電の均一性を低下させる要因としては、例えば、感光体の傷やピンホール等の欠陥がある。これは、感光体の欠陥部分は他の部分と比較して低抵抗であるので、リークが発生して帯電電位を低下させたり、更には局部的に電荷が集中することにより絶縁破壊を発生させたりするためである。また、帯電部材自身の電気抵抗のバラツキなどがあると、同様に局部的に電荷が集中することにより絶縁破壊を発生させたりする。また特にイオン導電性ゴムからなる帯電部材では、抵抗の環境依存性および連続通電による変動が発生する。
【0005】
また、半導電性領域で樹脂材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の樹脂材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。このため、半導電性の帯電ロールなどの全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コスト高となっている。
【0006】
上記のように、抵抗値の制御が難しい理由は、樹脂材料などの高分子中にカーボンブラックを添加していくと、カーボンブラックの添加が少量であるうちは導電率が小さく、あるしきい値を超える添加量からカーボンブラックが高分子中に導体回路を形成し、導電性が急激に向上することにより、中抵抗値を得ることができないためである(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
さらに上述のように、電子写真方式を利用した画像形成装置では、トナー画像を中間転写体を介して、或いは直接記録媒体に静電的に転写している。このような転写を行う転写部材も、上記帯電部材と同様の問題が発生する場合が多い。
【0008】
このため、上記帯電部材や転写部材などの電気特性を改善する研究が様々なされている。しかし、電気特性面のみならず、低コスト化を図る製造性面の改善も望まれており、未だ十分とはいえないのが現状である
【0009】
【特許文献1】
特開昭62−206567号公報
【非特許文献1】
高分子加工,43(4),1977
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを目的とする。
すなわち、本発明は、簡易に製造可能であり、さらに通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、環境による抵抗の変化の少ない、均一帯電または転写が可能な導電部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、
<1> バイアス電流を給電されることにより帯電または転写を行う導電性弾性体と、該導電性弾性体に給電し、かつこれを支持する給電支持体とを備えてなる導電部材であって、前記導電性弾性体が、無機酸化物微粒子の表面が電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末を含有することを特徴とする導電部材である。
【0012】
<2> 前記複合粒子粉末が、カーボンブラック層を被覆してなる、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする<1>に記載の導電部材である。
【0013】
<3> 前記微細な複合粒子粉末が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを被覆してなり、該被覆面にカーボンブラックが付着している、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする<1>または<2>に記載の導電部材である。
【0014】
<4> 前記無機酸化物微粒子が、酸化鉄微粒子であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の導電部材である。
【0015】
<5> 前記複合粒子粉末が、カーボンブラック層を被覆してなる、アスペクト比が2〜300の無機酸化物微粒子であることを特徴とする<1>に記載の導電部材である。
【0016】
<6> 前記複合粒子粉末が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを被覆してなり、該被覆面にカーボンブラックが付着している、平均径0.01mm以上で10mm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする<5>に記載の導電部材である。
【0017】
<7> 前記無機酸化物微粒子が、酸化ケイ素微粒子であることを特徴とする<1>、<5>、<6>のいずれかに記載の導電部材である。
【0018】
<8> 帯電部材であることを特徴とする<1>〜<7>のいずれかに記載の導電部材である。
【0019】
<9> 導電性弾性体に給電するバイアス電流が直流のみの帯電プロセスであり、かつ逆バイアス電流を給電することによって残留トナーをクリーニングすることを特徴とする<8>に記載の導電部材である。
【0020】
<10> 転写部材であることを特徴とする<1>〜<7>に記載の導電部材である。
【0021】
なお、本発明においては、前記導電性弾性体は弾性部と抵抗調整部とを有してなり、弾性部の体積抵抗率が、10〜1010Ω・cmの範囲であることが好ましく、抵抗調整部の体積抵抗率が、10〜1013Ω・cmの範囲であることが好ましい。
【0022】
また、導電性弾性体の厚さは、10〜300μmの範囲にあることが好ましい。
【0023】
さらに、本発明の導電部材に関し、前記帯電部材としては、帯電フィルム、帯電ロールであることが好ましい。また、前記転写部材としては、転写ロールであることが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
<導電部材>
本発明の導電部材は、バイアス電流を給電されることにより帯電または転写を行う導電性弾性体と、該導電性弾性体に給電し、かつこれを支持する給電支持体とを備えてなる導電部材であって、前記導電性弾性体が、無機酸化物微粒子の表面が電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末を含有することを特徴とする。
【0025】
本発明の導電部材は、上記のように電子導電性を有する表面層で被覆してなる微細な複合粒子粉末を用いることで、基材への分散性が高く、抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、通電による電界集中がおきずらくなる。その結果、通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化が少なく、均一帯電または転写が可能である。
【0026】
このため、カーボンブラックの大きな凝集体に起因する電場集中、絶縁破壊によって発生すると考えられるピンホールリーク等のリーク放電を防止することができ、トナーの固着をも防止しすることができる。さらに抵抗変化や抵抗のバラツキによる帯電ムラやリーク放電に起因する画質欠陥、環境変動による画像濃度の変動が少なくなり、長期に渡り高画質画像を得ることができる。
【0027】
−電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末−
本発明における電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末に用いられる芯粒子粉末としては、無機酸化物微粒子が用いられる。また、該無機酸化物微粒子は、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満の微細な無機酸化物微粒子であることが好ましい。
【0028】
前記無機酸化物微粒子粉末の粒子の形状は、針状または直方体状であるのが好ましい。ここで「針状」とは、文字通りの針状はもちろん、紡錘状及び米粒状を含む意味である。
【0029】
本発明における無機酸化物微粒子としては、酸化鉄微粒子であることが好ましく、該酸化鉄微粒子としては、ゲータイト(α−FeOOH)粒子粉末及びレピドクロサイト(γ−FeOOH)粒子粉末などの含水酸化鉄微粒子が特に好ましく用いられる。得られるカーボンブラック被覆無機酸化物微粒子粉末の耐熱性を考慮すると、無機酸化物微粒子に耐熱処理を施した無機酸化物微粒子粉末が好ましく、具体的には、無機酸化物微粒子表面にアルミニウム化合物を処理した無機酸化物微粒子粉末、無機酸化物微粒子内部にアルミニウムを含有している無機酸化物微粒子粉末、無機酸化微粒子表面にアルミニウムと鉄からなる複合水酸化物層を有する無機酸化物微粒子粉末及びこれらの耐熱処理を複合化した無機酸化物微粒子粉末が好ましい。
【0030】
上記無機酸化物微粒子表面にアルミニウム化合物を処理した無機酸化物微粒子粉末のアルミニウム含有量は、該無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜20.0質量%の範囲であることが好ましく、無機酸化物微粒子内部にアルミニウムを含有している無機酸化物微粒子粉末のアルミニウム含有量は、該無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.05〜50質量%の範囲であることが好ましい。また、無機酸化物微粒子表面にアルミニウムと鉄とからなる複合水酸化物層を有する無機酸化物微粒子粉末の粒子表面に被着されている複合水酸化物層中のアルミニウム含有量は、無機酸化物微粒子粉末に対してAl換算で0.1〜10質量%の範囲であることが好ましく、鉄含有量は、無機酸化物微粒子粉末に対してFe換算で0.1〜30質量%の範囲であることが好ましい。
【0031】
本発明における無機酸化物微粒子粉末の平均長軸径は、0.005μm以上で0.1μm未満であることが好ましい。平均長軸径が0.005μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、後述する無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。平均長軸径が0.1μm以上の場合には、得られる微細なカーボンブラック粒子が粗大となって、好ましくない。
【0032】
上記微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理、並びに得られる微細なカーボンブラック被覆粒子の均一な分散を考慮すると、平均長軸径は0.008〜0.096μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.092μmの範囲である。
【0033】
一方、本発明における無機酸化物微粒子粉末は、平均短軸径が0.0025μm以上で0.05μm未満であることが好ましく、0.004〜0.048μmの範囲であることがより好ましく、さらに好ましくは0.005〜0.046μmの範囲である。
【0034】
平均短軸径が0.0025μm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。平均短軸径が0.05μm以上のものは、工業的に得ることが困難である。
【0035】
また、軸比(平均長軸径と平均短軸径の比)(以下、「軸比」という。)は20以下であることが好ましく、より好ましくは15以下、さらに好ましくは10以下であり、下限値は2である。
【0036】
軸比が20を超える場合には、粒子相互間の絡み合いが多くなり、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0037】
前記無機酸化物微粒子のBET比表面積値は50〜300m/gが好ましく、より好ましくは70〜280m/g、さらに好ましくは、80〜250m/gである。長軸径の幾何標準偏差値は1.80以下であることが好ましく、より好ましくは1.70以下であり、下限値は1.01である。
【0038】
BET比表面積値が50m/g未満の場合には、無機酸化物微粒子粉末が粗大であり、得られる微細なカーボンブラック被覆してなる粒子もまた粗大粒子となるため好ましくない。BET比表面積値が300m/gを超える場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。
【0039】
長軸径の幾何標準偏差値が1.80を超える場合には、存在する粗大粒子によって均一な分散が阻害されるため、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。幾何標準偏差値の下限値は1.01であり、1.01未満のものは工業的に得られ難い。
【0040】
また、本発明における無機酸化物微粒子としては、酸化ケイ素微粒子が好ましく用いられる。該酸化ケイ素の微粉末としては、日本アエロジル(株)製の300CF、(一次粒径の平均径:0.007μm、BET比表面積300m/g)、90G(一次粒径の平均径:0.02μm、BET比表面積:90m/g)、200V(一次粒径の平均径:0.012μm、BET比表面積:200m/g)、R974(一次粒径の平均径:0.012μm、BET比表面積:170m/g)、R972(一次粒径の平均径:0.016μm、BET比表面積:110m/g)、R202((一次粒径の平均径:0.014μm、BET比表面積:100m/g)、R812(一次粒径の平均径:0.007μm、BET比表面積:260m/g)、OX50(一次粒径の平均径:0.04μm、BET比表面積:50m/g)などを挙げることができる。
【0041】
さらに、上記酸化ケイ素微粒子としては、含水ケイ酸アルミニウム粒子が好ましく用いられる。該含水ケイ酸アルミニウムカリウムの示性式で表されるものとしては、マスコバイト(白雲母)、フロコバイト金(雲母)、バイオタイト(黒雲母)、フッ素金雲母(人造雲母)、などの板状無機酸化物を挙げることができる。
【0042】
上記含水ケイ酸アルミニュムカリウム粒子のような無機酸化物微粒子の場合には、アスペクト比が、2〜300の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜200の範囲であり、さらに好ましくは、5〜100の範囲である。ここでアスペクト比とは、粒子の厚みに対する直径の比(厚み/直径)をいう。
【0043】
アスペクト比が2未満の場合には、板状の無機酸化物微粒子を樹脂組成物に添加した場合でも、クリープ特性などの機械特性への補強効果が少なく、添加量を増やす必要になるので、ベルト表面の外観が悪くなるなどの問題が生じる場合がある。アスペクト比が300を超える場合には、無機酸化物微粒子の粒子表面への、後述するルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる場合がある。
【0044】
また、上記無機酸化物微粒子の平均径は、0.01mm以上で10mm未満であることが好ましい。平均径が0.01mm未満の場合には、粒子の微細化により凝集を起こしやすいため、無機酸化物微粒子粉末の粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理が困難となる。平均径が、10mm以上の場合には、得られるカーボンブラック被覆粒子が粗大となって、好ましくない。
【0045】
含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子のような無機酸化物微粒子表面へのアルコキシシランまたはポリシロキサンによる均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理並びに得られる微細なカーボンブラック被覆粒子の均一な分散を考慮すると、平均径は0.05〜9mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5mmの範囲である。
【0046】
本発明において、導電性を有する微細な複合粒子粉末の表面層は、発現する導電性が、環境による変動が少ないことより、電子伝導性を有することが好ましい。電子伝導性を発現させるための導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金等の金属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン複合酸化物等の金属酸化物等が挙げられ、一般に用いられる導電性を付与するために用いられる導電剤として、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックが好ましく用いられる。
【0047】
より具体的には、電気化学(株)製粒状アセチレンブラック、旭カーボン(株)製HS−500、アサヒサーマルFT、アサヒサーマルMT、ライオンアグゾ(株)製ケッチェンブラック、キャボット(株)製バルカンXC−72、キャボット社の「REGAL 400R」、「MONARCH 1300」、Degussa社の「Color Black FW200」、「SPECIAL BLACK 4」、「PRINTEX150T」、「PRINTEX140T」、「PRINTEX U」等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0048】
また、本発明においては、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを被覆することが好ましく、この場合には電子伝導性を付与するために、被覆面にカーボンブラックを付着させる。
【0049】
上記アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物(以下、「オルガノシラン化合物」という。)は、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物である。
アルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0050】
上記の中では、カーボンブラックの付着効果及び脱離率を考慮すると、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物が好ましく、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びフェニルトリエトキシシランから生成するオルガノシラン化合物がより好ましい。
【0051】
本発明におけるポリシロキサンとしては、ポリシロキサン、変性ポリシロキサン、末端変性ポリシロキサンまたはこれらの混合物を用いることができる。
【0052】
オルガノシラン化合物またはポリシロキサンの表面層としての被覆量は、オルガノシラン化合物被覆無機酸化物微粒子粉末、または、ポリシロキサン被覆無機酸化物微粒子粉末に対して、Si換算で0.02〜5.0質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.03〜4.0質量%の範囲であり、さらにより好ましくは0.05〜3.0質量%の範囲である。
【0053】
被覆量が0.02質量%未満の場合には、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対して5質量部以上のカーボンブラックを付着させることが困難である。また、5.0質量%を超える場合には、無機酸化物微粒子粉末100質量部に対してカーボンブラックを5〜30質量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0054】
無機酸化物微粒子とアルコキシシランまたはポリシロキサンとの混合攪拌や、前記カーボンブラックと粒子表面にアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンが被覆されている無機酸化物微粒子との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなどで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール形混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができる。本発明の実施にあたっては、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
【0055】
上記ホイール型混練機としては、具体的に、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。上記ボール型混練機としては、具体的に、振動ミル等がある。上記ブレード型混練機としては、具体的に、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウタミキサー等がある。上記ロール型混練機としては、具体的に、エクストルーダー等がある。
【0056】
混合撹拌の条件は、無機酸化物微粒子の粒子表面に、アルコキシシランまたはポリシロキサンができるだけ均一に被覆されるように、線荷重は19.6〜1960N/cm(2〜200kg/cm)の範囲、好ましくは98〜1470N/cm(10〜150kg/cm)の範囲、より好ましくは147〜980N/cm(15〜100kg/cm)の範囲で、処理時間は5〜120分、好ましくは10〜90分の範囲で処理条件を適宜調整すればよい。なお、撹拌速度は2〜2000rpmの範囲、好ましくは5〜1000rpmの範囲、より好ましくは10〜800rpmの範囲で処理条件を適宜調整すればよい。
【0057】
アルコキシシランまたはポリシロキサンの添加量は、無機酸化物微粒子100質量部に対して0.15〜45質量部の範囲であることが好ましい。0.15質量部未満の場合には、目的とするカーボンブラックを付着させることが困難である。0.15〜45質量部の範囲の添加量とすることにより、含水ケイ酸アルミニウムカリウム粒子100質量部に対してカ−ボンブラックを5〜30質量部を付着させることができる。
【0058】
次いで、アルコキシシランまたはポリシロキサンを被覆した無機酸化物微粒子粉末にカーボンブラックを添加し、混合攪拌して、アルコキシシラン被覆またはポリシロキサン被覆にカーボンブラックを付着させる。必要によりさらに、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。
【0059】
−導電性弾性体−
導電性弾性体は、通常、ベースとなる基材にカーボンブラックを被覆してなる微細な複合粒子を分散、配合してなる。 基材としては、特に制限はなく、従来公知の材料を用いることができるが、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルテーテルケトン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材料;ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴムなど弾性材料;等が挙げられる。熱可塑性エラストマー、熱収縮性(熱硬化性)ゴム、発泡性ゴム、上述に挙げたようにジエン系に問わず非ジエン系のゴム等も好適に利用するができる。これらは2種以上を配合したアロイ(ブレンド材)として用いることもできる。
【0060】
導電性弾性体には、上記電子導電性の表面層を被覆してなる微細な複合粒子粉末、基材の他に、必要に応じて、硬化剤、可塑剤、加硫促進剤等を用いてもよい。また、発泡させる場合、適宜発泡剤等も用いることができる。
【0061】
導電性弾性体は、給電支持体によりバイアス電流を給電されることにより帯電または転写を行う部材であるが、給電支持体に所謂層として被覆され給電支持体と一部材(ロール型帯電部材、ロール型転写部材等)で構成させていてもよいし、フィルム(ベルト)状の筒状体、ブラシ状或いはブレード状として給電支持体とは別部材(フィルム型帯電部材、ブラシ型帯電部材、ブレード型帯電部材等)で構成されていてもよい。
【0062】
導電性弾性体は、弾性部のみからなってもよいし、弾性部と抵抗調整部とを有していてもよい。該弾性部と抵抗調整部の少なくとも一方にカーボンブラックを被覆してなる微細な複合粒子を含有してなる。なお、通常、導電性弾性体は、上述のように給電支持体に被覆されたり、フィルム(ベルト)状の筒状に、層として形成されるので、導電性弾性体、弾性部、抵抗調整部を、それぞれ導電性弾性層、弾性層、抵抗調整層ということがある。
【0063】
導電性弾性体における弾性部(層)は、単層のみからなってもよいし、複数層からなってもよい。この弾性部(層)の基材としては、上述の導電性弾性体の基材として挙げた同様のものが利用することができるが、給電支持体に被覆する場合、発泡ゴムが好ましい。また、弾性部(層)の体積抵抗率は、10〜1010Ω・cmの範囲であること好ましく、より好ましくは、帯電部材として用いる場合10〜10Ω・cmの範囲である。
【0064】
導電性弾性体における抵抗調整部(層)は、抵抗調整部(層)は、単層のみからなってもよいし、複数層からなってもよい。抵抗調整部(層)は、導電部材の抵抗調節のみならず、弾性部(層)からのブリード物のブロッキング、汚染物からの保護等の働きを担うため、最表面層として形成されることが好ましい。また、抵抗調整部(層)の体積抵抗率が、10〜1013Ω・cmの範囲であること好ましく、より好ましくは、帯電部材として用いる場合10〜1010Ω・cmの範囲であり、転写部材として用いる場合10〜1012Ω・cmの範囲である。
【0065】
本発明の導電部材において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ等)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。
【0066】
具体的には、導電性弾性体の電気的特性は以下のようにして測定することができる。
−表面抵抗率−
表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPの「HRプローブ」)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。 以下、表面抵抗率の測定方法を、図4を用いて説明する。図4は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図4に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に導電性弾性体を挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、導電性弾性体の表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示し、D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)  ・・・  式(1)
【0067】
−体積抵抗率−
体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS  K6991に従って測定することができる。前記体積抵抗率の測定方法を図を用いて説明する。図5は、円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図5に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に導電性弾性体を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、導電性弾性体の体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは導電性弾性体の厚さを示す。
ρv=19.6×(V/I)×t  ・・・  式(2)
【0068】
導電性弾性体を、筒状のフィルムとして形成する場合、押し出し成型法が好適に用いられる。広汎に採用されている方法を簡単に説明すれば、例えば、酸性カーボンブラックを基材と混練しコンパウンド化したものをペレット状にして、これを押し出し機で環状に押しだし、無端筒状フィルムとすることができる。また、給電支持体に被覆させる場合、例えば、上述と同様にコンパウンド化したものを給電支持体巻き付けてプレスしたり、或いは溶液化したものを、塗布成膜したりすることで、被覆することができる。
【0069】
導電性弾性体を、フィルム状に形成する、或いは給電支持体に被覆させる場合、その厚さとしては、諸特性と製造性、製造コストなどを勘案して適宜選択することができる。特にフィルム状に形成する場合、10〜300μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜200μmの範囲が好ましい。この厚さが10μm未満では帯電操作を繰り返すうちにねじれや破れを生ずる虞があり、また膜厚が厚い方が機械的強度は高くなり、かつピンホールリークに対しても有利になるが、帯電不良を起こす可能性があるので300μm以下であることが好ましい。
【0070】
−給電支持体−
給電支持体としては、導電性弾性体に給電しかつこれを支持するものであれば、特に制限はなく、従来公知の金属シャフト等を利用することができる。また、フィルム型帯電部材の場合、給電支持体には、上記同様の導電性弾性体(層)を被覆してあってもよい。
【0071】
本発明の導電部材は、帯電部材として用いてもよいし、転写部材として用いてもよい。導電性弾性体に、直流のみのバイアス電流を印可しても、直流に交流を重畳したバイアス電流を給電しても、帯電または転写させることが可能であるが、帯電または転写される部材の摩耗の観点からは前者が遙に好ましい。また、本発明の導電部材を、電子写真方式の画像形成装置における帯電部材として用いる場合、導電性弾性体に給電するバイアス電流が直流のみの帯電プロセスであり、且つ逆バイアス電流を給電することによって残留トナーをクリーニングすることができる。帯電部材の場合、繰り返し帯電・露光・転写を繰り返して行うと、微量の逆極性のトナーが表面に堆積することがあるが、逆バイアスを給電し、像担持体上に移行させ、この場で或いは中間転写体などに逆バイアスで移行させた後ブレードなどで残留トナーをクリーニングすることができる。
【0072】
以下、本発明の導電部材の具体例を挙げるが、これに限定されるわけではない。図1は、本発明の導電部材の一例であるフィルム型帯電部材を示す概略構成図である。図中のフィルム型帯電部材は、複合粒子粉末を含む上記導電性弾性体の単層構造からなっている。
【0073】
図1(a)に示すフィルム型帯電部材は、楕円筒状の帯電フィルム(導電性弾性体)110と、導電性金属シャフトからなる給電支持体111と、押圧部材112とからなる。帯電フィルム110の内面に給電支持体111が配置され、帯電フィルム110にバイアス電流を給電すると共に、これを支持している。また、帯電フィルム110は、外面から押圧部材112により、押圧されることで像担持体113と接触しつつ、従動回転を規制される。これにより、像担持体113表面を帯電させることができる。
【0074】
図1(b)に示すフィルム型帯電部材は、円筒状の帯電フィルム(導電性弾性体)120と、導電性金属シャフト121表面に導電性弾性層22を被覆してなる給電支持体123とからなる。帯電フィルム120の内面に給電支持体123が配置され、帯電フィルム110にバイアス電流を給電すると共にこれを支持し、像担持体124を帯電フィルム120を介して押圧する。これにより、像担持体124表面を帯電させることができる。
【0075】
また、本発明の導電部材は、上記帯電フィルムに限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像担持体表面に担持されたトナー画像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体に沿ってに直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等に適用される。
【0076】
上記画像形成装置には、前記本発明の導電部材が、転写ロールなどの転写部材として、また、帯電ロール・帯電フィルムなどの帯電部材等として適宜用いられる。
【0077】
一例として、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置の概要を図2に示す。
図2は本発明を適用する画像形成装置の要部部分を説明する模試図であって、1は、像担持体としての感光体ドラム、2は中間転写体としての転写ベルト、3は転写電極である2次転写ロール(転写部材)、4は転写媒体である記録紙を供給するトレー、5はB(ブラック)トナーによる現像装置、6はY(イエロー)トナーによる現像装置、8はC(シアン)トナーによる現像装置、9はベルトクリーナー、13は剥離爪、21、23、24はベルトローラ、22はバックアップロール、25は1次転写ロール(転写部材)、26は電極ロール、31はクリーニングブレード、41は記録紙、42はピックアップローラある。
【0078】
同図において、感光体ドラム1は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書き込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えば、B)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置5によってトナー現像されて可視化されたトナー画像Tが形成される。トナー画像Tは感光体ドラム1の回転で1次転写ロール25が配置された一次転写部に到り、1次転写ロール25からトナー画像Tに逆極性の電界を作用させることにより、上記トナー画像Tを静電的に転写ベルト2に吸着されつつ転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。
以下、同様にして第2色のトナー画像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形成され転写ベルト2において重ね合わせ、多重トナー画像が形成される。
【0079】
転写ベルト2に転写された多重トナー画像は転写ベルト2の回転で2次転写ロール3が設置された二次転写部に到る。
二次転写部は転写ベルト2のトナー画像が担持された表面側に設置された2次転写ロール3と当該転写ベルト2の裏側から2次転写ロールに対向するごとく配置されたバックアップロール22及びこのバックアップロール22に圧接して回転する電極ロール26から構成される。
【0080】
記録紙41は、記録紙トレー4に収容された記録紙束からピックアップローラ42で一枚ずつ取り出され、フィードロールで二次転写部の転写ベルト2と2次転写ロール3との間に所定のタイミングで給送される。
給送された記録紙41は、2次転写ロール3及びバックアップロール22による圧接搬送と転写ベルト2の回転で、当該転写ベルト2に担持されたトナー画像が転写される。
【0081】
トナー画像が転写された記録紙41は、最終トナー画像の二次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー画像を固定して永久画像とされる。
【0082】
なお、多重トナー画像の記録紙41への転写の終了した転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、2次転写ロール3にはポリウレタン等からなるクリーニングブレード31が常時当接するごとくとりつけられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0083】
単色画像の転写の場合は、一次転写されたトナー画像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合は各色のトナー画像が一次転写部で正確に一致するように転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー画像がずれないようにする。
上記二次転写部では、2次転写ロール3と転写ベルト2を介して対向配置したバックアップロール22に圧接した電極ロール26にトナー画像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで当該トナー画像を記録紙41に静電反発で転写する。
【0084】
また本発明の導電部材は、図3に示すようなタンデム型カラー画像形成装置にも適用される。尚、タンデム型カラー画像形成装置とは、感光体が2個以上ある画像形成装置であり、本実施例の感光体が4個ある構成は、タンデム型カラー画像形成装置の一例である。
【0085】
図3に例示する画像形成装置は、ブラック(K),イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各色のトナー画像をそれぞれ形成する4つの画像形成装置ユニット3y、3m、3c、3kをこの順にならべて配置し、この各画像形成ユニット3の転写部(感光体ドラムの転写部)に用紙搬送ベルト60表面を用紙Pを通過させるように配設したタンデムタイプのカラー画像形成装置である。各画像ユニット3は、そのいずれも、前記図1に係る画像形成装置と同様に、矢印方向に回転する感光体ドラム22(y、m、c、k)を備え、その感光体ドラム22の周囲に、帯電ロール(帯電部材)23、現像装置24、転写ロール(転写部材)25及びクリーニング装置26等を図3における左側からこの順に配設したものである。また、この各画像形成ユニット3の転写部で接触して矢印方向に回転するように、用紙搬送ベルト60は駆動ロール61、導電性ロール62、金属ロール63、テンションロール64間に張架して配設されている。そしてベルト周長の変化に対しては、テンションロール64の位置を変更して対応するようになっている。
【0086】
図3中の45は定着装置、67は、ベルト60のクリーニング装置である。そして、この画像形成装置においては、図示しない給紙部から搬送される用紙Pを、搬送ロール65によって用紙搬送ベルト60表面に搬送して、用紙搬送ベルト60表面の用紙Pにトナー画像を転写させ、定着装置45に送り込むことにより、用紙P表面のトナー画像を定着させてカラー画像を得るようになっている。
【0087】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0088】
−複合粒子粉末の製造−
ゲータイト微粒子粉末(粒子形状:針状、平均長軸径0.0710μm、平均短軸径0.0081μm、軸比:8.8、幾何標準偏差値:1.38、BET比表面積値:159.8m/g、アルミニウムの含有量:0.83質量%、L値:51.6、a値:31.4、b値:61.7、h値:63.0°、隠蔽力:152cm/g、耐熱性:245℃)11.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、メチルトリエトキシシラン(商品名:TSL8123、東芝シリコーン株式会社製)220gを200mlのエタノールで混合希釈して得られるメチルトリエトキシシラン溶液を、エッジランナーを稼動させながら上記ゲータイト微粒子粉末に添加し、392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間混合攪拌を行った。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0089】
次に、カーボンブラックとして、Degussa社のPRINTEX150T:1100gを、エッジランナーを稼動させながら10分間かけて添加し、さらに392N/cm(40Kg/cm)の線荷重で20分間、混合攪拌を行い、メチルトリエトキシシラン表面層の表面にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて105℃で60分間加熱処理を行い、カーボンブラック複合無機酸化物微粒子粉末を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
【0090】
得られた微細なカーボンブラック被覆複合微粒子は、平均長軸径が0.0722μm、平均短軸径が0.0082μm、軸比が8.8の針状粒子粉末であった。メチルトリエトキシシランから生成したオルガノシラン化合物の被覆量は、Si換算で0.30質量%であった。
【0091】
<帯電フィルム>
(実施例1)
ポリフッ化ビニリデン樹脂と、前記カーボンブラックを被覆してなる複合粒子粉末を用いて、100V印加時の表面固有抵抗を5×10Ωに調整し、膜厚100μm、外径14mmの帯電フィルムを作製した。
【0092】
―評価―
得られた帯電フィルムについて、ピンホール試験、ブリード試験、実装実機テストを行った。結果を表1に示す。
【0093】
―ピンホール試験―
帯電部材として帯電フィルムにより構成させた図1示すフィルム型帯電部材を、また、像担持体としてドラム状の有機感光体(富士ゼロックス製、Docu Print C411用)を用い、該感光体の電荷輸送層に直径0.1mmの穴を微細なドリルであけ、アルミニウム基板まで貫通させる。穴をあけていない像担持体の表面電位は400Vであった。このプリンタにパーソナルコンピュータから白紙に相当する信号を送って像担持体上の穴に相当する部分の画像を現像して確認したところ、約0.5mmの黒点として検出された。
【0094】
―ブリード試験―
帯電フィルムを、新品の像担持体ドラム(ドラム状の有機感光体(富士ゼロックス製「Docu Print C411」用))に1kgの加重で押しつけ、45℃、95%RHの環境で1週間放置し、1昼夜で通常環境になじませてから絵出しを行って感光体汚染が発生しているかどうかを確認した。
【0095】
―実装実機テスト―
帯電部材として帯電フィルムにより構成させた図1示すフィルム型帯電部材を用い、これを改造「DocuPrint C411」に、新しい像担持体ドラムとともに実装し、3万枚の実写試験を行った。
なお、富士ゼロックス製プリンタ(改造DocuPrint C411)は、次のように改造したものである。(1)帯電部材を実施例および比較例により取り替えた。(2)転写部材として用いられている転写ローラに近接してポリウレタンからなるクリーニング・ブレードを備え、トナー除去サイクル時にだけ、転写ローラに接触するようにした。(3)通常の複写サイクル以外にトナー除去モードをプリントサイクル20枚ごとおよびプリンタ立ち上げ時に行わせるようにした。(4)同機は、直流に交流を重畳した帯電部材を使っているが、交流電源を除去し、同時に直流電源を1000Vに設定した。(5)同機には像担持体(感光体)に接触するポリウレタンからなるクリーニングブレードとトナー回収部が装備されているが、本評価においては感光体に接触するブレードは除去した。なお同機はカラープリンタであるが、評価の絵だしには白黒モードを使った。
【0096】
(実施例2)
実施例1において、ポリフッ化ビニリデン樹脂をポリアミドエラストマー(ナイロン12とポリアルキレンエーテルとのブロック共重合体)に代えた以外は、実施例1と同様に帯電フィルムを作製し、評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ピンホール試験を行った結果、穴に相当する部分は、0.5mmの黒点として検出された。結果を表1に示す。
【0097】
(比較例1)
ポリフッ化ビニリデン樹脂とpH5.7のカーボンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック(製造法からアセチレンブラックに分類される)」揮発分0.89%)とを用い、100V印加時の表面固有抵抗が5×10Ωに調整した以外は、実施例1と同様に帯電フィルムを作製し、評価を行った。ピンホール試験を行った結果、穴に相当する部分はプロセス方向と垂直に約5mmの黒い直線となって像担持体の1周に相当するピッチで紙面全面に検出された。結果を表1に示す。
【0098】
(比較例2)
複合粒子粉末をカーボンブラック(ライオンアクゾ社製「ケッチェンブラック(製法からはファーネスブラックに分類される)」揮発分1.5%)に代えた以外は、実施例1と同様に帯電フィルムを作製し、評価を行った。ピンホール試験を行った結果、穴に相当する部分はプロセス方向と垂直に約5mmの黒い直線となって像担持体の1周に相当するピッチで紙面全面に検出された。結果を表1に示す。
【0099】
(比較例3)
ポリフッ化ビニリデンとポリエーテルセグメントを含む制電樹脂(三洋化成製「ペレスタット6321」)とを用い(カーボンブラックを含まない組成)、膜厚150μm、表面固有抵抗l×10Ωとなるように調整した以外は、実施例1と同様に帯電フィルムを作製し、評価を行った。ピンホール試験を行った結果、穴に相当する部分は0.5mmの黒点として検出された。結果を表1に示す。
【0100】
【表1】
Figure 2004126064
【0101】
表1の結果から、帯電フィルムはカーボンブラックを被覆してなる複合粒子粉末と任意のフィルム形成材料とを組み合わせることによって、像担持体汚染を惹起することなしにピンホールリークを防止することができ、トナーの帯電フィルムへの固着も起きず、画質が低下することもないことがわかる。
【0102】
<帯電ロール>
(実施例3)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、カーボンブラックを被覆してなる複合粒子粉末45質量部、発泡剤(永和化成社製 ネオセルボンR700)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、4mm厚の弾性層を形成した。この成形物のアスカーC法での硬度は42度であった。この弾性層の体積抵抗率は電場100V/cmで10Ω・cmであった。
【0103】
ついで、ポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製「ニッポラン3113」)100質量部に、カーボンブラックを被覆してなる複合粒子粉末8質量部とシクロヘキサノン50質量部とを添加し、これをサンドミルで分散した分散溶液を導電性弾性体表面に塗布し、乾燥後200μmの抵抗調整層を形成した。この抵抗調整層のみの体積抵抗率は電場100V/cmにおいて3×1010Ω・cmであった。
このようにして帯電ロールを作製した。
【0104】
―評価―
この帯電ロールを、富士ゼロックス(株)製カラー複写機Acolor 635に組み込んで耐刷テストを行ったところ、像担持体(感光体)とのニップ形成性も良好であり、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、帯電ムラやリークによる画質欠陥や環境変動による画像濃度の変動はなかった。結果を表2に示す。
【0105】
(実施例4)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、カーボンブラックを被覆してなる微細な複合粒子42質量部、発泡剤(永和化成社製 ネオセルボンR700)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、4mm厚の弾性層を形成した。この成形物のアスカーC法での硬度は40度であった。この弾性層の体積抵抗率は電場100V/cmで3×10Ω・cmであった。
【0106】
ついで、ポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製「ニッポラン3113」)100質量部に、pH2.5のカーボンブラック(Cabot社製「Monarch 1000」)5質量部とシクロヘキサノン50質量部とを添加し、これをサンドミルで分散した分散溶液を導電性弾性体上に塗布し、乾燥後200μmの抵抗調整層を形成した。この抵抗調整層のみの体積抵抗率は電場100V/cmにおいて3×1010Ω・cmであった。
このようにして帯電ロールを作製した。
【0107】
―評価―
この帯電ロールを用い、実施例3と同様にして、耐刷テストを行ったところ、感光体とのニップ形成性も良好であり、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、帯電ムラやリークによる画質欠陥や環境変動による画像濃度の変動はなかった。結果を表2に示す。
【0108】
(実施例5)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、pH8.5のカーボンブラック(Cabot社製「Black Pearls 3500」)36質量部、発泡剤(永和化成社製 ネオセルボンR700)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、4mm厚の弾性層を形成した。この成形物のアスカーC法での硬度は40度であった。この弾性層の体積抵抗率は電場100V/cmで 1×10Ω・cmであった。ついで、実施例1と同じカーボンブラックを被覆してなる微細な複合粒子を含有してなる抵抗調整層を形成した。
【0109】
―評価―
この帯電ロールを用い、実施例3と同様にして、耐刷テストを行ったところ、感光体とのニップ形成性も良好であり、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、帯電ムラやリークによる画質欠陥や環境変動による画像濃度の変動はなかった。結果を表2に示す。
【0110】
(比較例4)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、pH8.5のカーボンブラック(Cabot社製「Black Pearls 3500」)36質量部、発泡剤(永和化成社製 ネオセルボンR700)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ8mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、4mm厚の弾性層を形成した。この成形物のアスカーC法での硬度は40度であった。この弾性層の体積抵抗率は電場100V/cmで3×10Ω・cmであった。
【0111】
ついで、ポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製「ニッポラン3113」)100質量部に、pH5.7のカーボンブラック(電気化学工業社製「デンカブラック4質量部とシクロヘキサノン50質量部とを添加し、これをサンドミルで分散した分散溶液を導電性弾性体上に塗布し、乾燥後200μmの抵抗調整層を形成した。この抵抗調整層のみの体積抵抗率は電場100V/cmにおいて3×1010Ω・cmであった。
このようにして帯電ロールを作製した。
【0112】
−評価―
この帯電ロールを用い、実施例3と同様にして、耐刷テストを行ったところ、像担持体(感光体)とのニップ形成性は良好であったが、テスト初期にリークによる画質欠陥が発生した。結果を表2に示す。
【0113】
(比較例5)
弾性層のカーボンブラックを、pH9.0のカーボンブラック(Cabot社製「Monarch 800」)25質量部に変えた以外は、比較例4と同様にして帯電ロールを作製した。なお、弾性層の体積抵抗率は電場100V/cmで1×10Ω・cmであった。
【0114】
−評価―
この帯電ロールを用い、実施例3と同様にして、耐刷テストを行ったところ、像担持体(感光体)とのニップ形成性は良好であったが、テスト初期にリークによる画質欠陥が発生した。また、テスト中に帯電ロールの抵抗の変動が生じた。結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
Figure 2004126064
【0116】
表2の結果から、カーボンブラックを被覆してなる複合粒子粉末と任意の基材とを組み合わせた層を有する帯電ロールを用いると、良好な画像が得られることがわかる。
【0117】
<転写ロール>
(実施例6)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部にカーボンブラック複合粒子粉末42質量部、発泡剤(永和化成社製「ネオセルボンR700))15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ12mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、6mm厚の弾性層を形成した。この弾性層のアスカーC法での硬度は40度であり、電場1000V/cmで体積抵抗率は3×10Ω・cmであった。
このようにして転写ロールを作製した。
【0118】
―評価―
この転写ロールを、富士ゼロックス(株)製カラー複写機「color laser wind 3310」にを組み込んで耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性も良好であり、通電による抵抗変化もなく、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、抵抗変動による画質欠陥や画像濃度の変動はなかった。結果を表3に示す。
【0119】
(実施例7)
NBRポリマー(JSR社製「N230SV」)100質量部に、カーボンブラック複合粒子粉末30質量部、発泡剤(永和化成社製「ビニホールAC#3」)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーCZ」)1.0質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ12mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、170℃で15分プレス加硫発泡させ、6mm厚の弾性層を形成した。この弾性層のアスカーC法での硬度は33度であり、電場1000V/cmで体積抵抗率は9×10Ω・cmであった。
【0120】
―評価―
この転写ロールを用い、実施例6と同様にして耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性も良好であり、通電による抵抗変化もなく、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、抵抗変動による画質欠陥や画像濃度の変動はなかった。結果を表3に示す。
【0121】
(実施例8)
実施例6における弾性層表面に、ポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製「ニッポラン3113」)100質量部に、pH2.5のカーボンブラック(米Cabot社製「Monarch1000」)23質量部とMEK100質量部とを添加し、これをペイントシェイカーで混合した分散溶液をロールコーターで塗布し、乾燥後100μmの抵抗調整層を形成した以外は、実施例6と同様にして転写ロールを作製した。この抵抗調整層の電場1000V/cmで体積抵抗率は5×10Ω・cmであった。
【0122】
―評価―
この転写ロールを用い、実施例6と同様にして耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性も良好であり、通電による抵抗変化もなく、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られ、抵抗変動による画質欠陥や画像濃度の変動がなく、クリーニング性の高いロールを構成することが可能となった。結果を表3に示す。
【0123】
(比較例6)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、pH8.5の中性カーボンブラック(米Cabot社製「Vulcan XC72R」)28質量部、発泡剤(永和化成社製「ネオセルボンR700」)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ12mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、6mm厚の弾性層を得た。この弾性層のアスカーC法での硬度は36度であり、電場1000V/cmで体積抵抗率5×10Ω・cmであった。
【0124】
―評価―
この転写ロールを用い、実施例6と同様にして耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性は良好であるが、通電による抵抗低下が起こり20万枚後では鮮明なフルカラー画像が得られず、画質欠陥や画像濃度のムラが発生した。結果を表3に示す。
【0125】
(比較例7)
NBRポリマー(JSR社製「N230SV」)100質量部に、pH8.5の中性カーボンブラック(米Cabot社製「Vulcan XC72R」)28質量部、発泡剤(永和化成社製「ビニホールAC#3」)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーCZ」)1.0質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ12mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、170℃で15分プレス加硫発泡させ、6mm厚の弾性層を形成した。この弾性層のアスカーC法での硬度は30度であり、電場1000V/cmで体積抵抗率は3×10Ω・cmであった。
【0126】
―評価―
この転写ロールを用い、実施例6と同様にして耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性は良好であるが、通電による抵抗低下が起こり20万枚後では鮮明なフルカラー画像が得られず、画質欠陥や画像濃度のムラが発生した。結果を表3に示す。
【0127】
(比較例8)
EPDMポリマー(JSR社製「EP33」)100質量部に、pH8.5の中性カーボンブラック(米Cabot社製「Vulcan XC72R」)28質量部、発泡剤(永和化成社製「ネオセルボンR700」)15質量部、硫黄(鶴見化学工業社製「200メッシュ」)1質量部、及び加硫促進剤(大内新興化学工業社製「ノクセラーM」)1.5質量部をオープンロールで混練りした混合物をφ12mmの芯金(給電支持体)に巻き付け、160℃で20分プレス加硫発泡させ、6mm厚の弾性層を形成した。この弾性層のアスカーC法での硬度は36度であり、電場1000V/cmで体積抵抗率は5×10Ω・cmであった。
【0128】
ついで、この弾性層上に、ポリウレタン樹脂溶液(日本ポリウレタン社製「ニッポラン3113」)100質量部に、pH9.0の中性カーボンブラック(米Cabot社製「Monarch 800」)16質量部とMEK100質量部とを添加し、これをボールミルで混合した分散溶液をロールコーターで塗布し、乾燥後100μmの抵抗調整層を形成した。抵抗調整層の電場1000V/cmで体積抵抗率は5×10Ω・cmであった。
【0129】
―評価―
この転写ロールを用い、実施例6と同様にして耐刷テストを行ったところ、中間転写体とのニップ形成性は良好であるが、通電による抵抗低下が起こり、20万枚後も鮮明なフルカラー画像が得られず、画質欠陥や画像濃度のムラが発生した。結果を表3に示す。
【0130】
【表3】
Figure 2004126064
【0131】
表3の結果から、カーボンブラック複合粒子粉末と任意の基材とを組み合わせた層を有する転写ロールを用いると、良好な画像が得られることがわかる
【0132】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、簡易に製造可能であり、さらに通電による抵抗変化を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、環境による抵抗の変化の少ない、均一帯電または転写が可能な導電部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導電部材の一例であるフィルム型帯電部材を示す概略構成図である。
【図2】本発明の半導電性ベルトを適用したカラー電子写真複写機の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の半導電性ベルトを適用したカラー電子写真複写機の他の構成を示す概略図である。
【図4】表面抵抗率の計測方法を示す図である。
【図5】体積抵抗率の計測方法を示す図である。
【符号の説明】
1、22 感光体ドラム(潜像担持体)
2 中間転写体
3 導電性ロール、
4 用紙トレイ、
5 ブラック現像器
6 イエロー現像器、
7 マゼンタ現像器
8 シアン現像器、
9 中間転写体クリーナ
13 用紙剥離爪、
21、23、24 中間転写体支持ロール、
22 バックアップロール
25 1次転写ロール、
26 導電性ロール
31 導電性ロールクリーナ
41 記録媒体、
42 フィードローラ、
T 未定着トナー
3k、3y、3m、3c 帯電器
45 定着装置
60 用紙搬送ベルト
61 駆動ロール
62 導電性ロール
63 金属ロール
64 テンションロール
65 用紙吸着用ロール
67 クリーニング装置
P 記録媒体、
110、120 帯電フィルム(導電性弾性体)
111、123 給電支持体
112 押圧部材
113、124 像担持体
121 導電性金属シャフト
122 導電性弾性層

Claims (10)

  1. バイアス電流を給電されることにより帯電または転写を行う導電性弾性体と、該導電性弾性体に給電し、かつこれを支持する給電支持体とを備えてなる導電部材であって、前記導電性弾性体が、無機酸化物微粒子の表面が電子伝導性を有する表面層で被覆された複合粒子粉末を含有することを特徴とする導電部材。
  2. 前記複合粒子粉末が、カーボンブラック層を被覆してなる、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
  3. 前記微細な複合粒子粉末が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを被覆してなり、該被覆面にカーボンブラックが付着している、平均長軸径が0.005μm以上で0.1μm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の導電部材。
  4. 前記無機酸化物微粒子が、酸化鉄微粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電部材。
  5. 前記複合粒子粉末が、カーボンブラック層を被覆してなる、アスペクト比が2〜300の無機酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の導電部材。
  6. 前記複合粒子粉末が、アルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物またはポリシロキサンを被覆してなり、該被覆面にカーボンブラックが付着している、平均径0.01mm以上で10mm未満の無機酸化物微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の導電部材。
  7. 前記無機酸化物微粒子が、酸化ケイ素微粒子であることを特徴とする請求項1、5、6のいずれかに記載の導電部材。
  8. 帯電部材であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の導電部材。
  9. 導電性弾性体に給電するバイアス電流が直流のみの帯電プロセスであり、かつ逆バイアス電流を給電することによって残留トナーをクリーニングすることを特徴とする請求項8に記載の導電部材。
  10. 転写部材であることを特徴とする請求項1〜7に記載の導電部材。
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