JP2004126538A - 位相差板および円偏光板 - Google Patents

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Abstract

【課題】広帯域(可視光波長域)において位相差板として機能するとともに、薄層化が可能であり、容易かつ安定的に製造可能な位相差板を提供する。
【解決手段】長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、且つ前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜である位相差板である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明支持体と2つの光学異方性層を有する位相差板およびそれを用いた円偏光板に関する。特に本発明は、反射型液晶表示装置、光ディスクの書き込み用のピックアップ、あるいは反射防止膜に利用されるλ/4板として有効な位相差板に関する。特に本発明は、長尺状の透明支持体とその上に塗布によって形成される棒状液晶性化合物を含む光学異方性層の重層構造からなる位相差板およびそれを用いた偏光板とのロール to ロールで貼り合わせて製造可能な円偏光板、ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
λ/4板は、非常に多くの用途を有しており、既に実際に使用されている。しかし、λ/4板と称していても、ある特定波長でλ/4を達成しているものが大部分である。特開平10−68816号および同10−90521号公報に、光学異方性を有する二枚のポリマーフィルムを積層することにより得られる位相差板が開示されている。特開平10−68816号公報記載の位相差板は、複屈折光の位相差が1/4波長である1/4波長板と、複屈折光の位相差が1/2波長である1/2波長板とを、それらの光軸が交差した状態で貼り合わせている。特開平10−90521号公報記載の位相差板は、レターデーション値が160〜320nmである位相差板を少なくとも2枚、その遅相軸が互いに平行でも直交でもない角度になるように積層している。いずれの公報に記載の位相差板も、具体的には、二枚のポリマーフィルムの積層体からなり、いずれの公報も、この構成により広い波長領域でλ/4を達成できると説明している。しかしながら、特開平10−68816号および同10−90521号公報記載の位相差板の製造では、二枚のポリマーフィルムの光学的向き(光軸や遅相軸)を調節するためには、二種類のポリマーフィルムを所定の角度にカットして、得られるチップを貼り合わせる必要がある。チップの貼り合わせで位相差板を製造しようとすると、処理が煩雑であり、軸ズレによる品質低下が起きやすく、歩留まりが低下し、コストが増大し、汚染による劣化も起きやすい。また、ポリマーフィルムでは、レターデーション値を厳密に調節することも難しい。これに対し、液晶性化合物からなる光学異方性層を少なくとも2層設けることによってより簡便に広帯域λ/4板を提供する方法が特開2001−4837号公報、同2001−21720号公報、同2000−206331号公報に開示されている。特に同一の液晶性化合物を用いることが可能な特開2001−4837号公報の方法は製造コストの点からも魅力がある方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、長尺状の円偏光板を連続的に製造する場合には張り合わせる偏光板の偏光透過軸に対し所定の角度でλ/2層を配向させる必要がある。特開2001−4837号公報に開示された方法では長尺状の長手方向に対し75°にラビングする必要があり、実際の製造において75°の斜めラビングを実施することは容易ではない。
【0004】
本発明は前記諸問題に鑑みなされたものであって、広帯域(可視光波長域)において位相差板として機能するとともに、薄層化が可能であり、容易かつ安定的に製造可能な位相差板を提供することを課題とする。また、本発明は、広帯域(可視光波長域)において円偏光板として機能するとともに、薄層化が可能であり、容易かつ安定的に製造可能な円偏光板を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者が検討した結果、+30°および−30°で棒状液晶性化合物をそれぞれ水平配向させてなる光学異方性層を積層した位相差板により、前記課題を解決し得るとの知見を得た。さらに、該位相差板と、偏光透過軸が長手方向に対して45°をなす偏光膜を積層することによって、容易に円偏光板を製造できるとの知見を得た。さらに、貼り合わせ方法によって、容易に右円偏光板と左円偏光板を作り分けられることが判った。これらの知見に基づいて、さらに鋭意検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の目的は以下の方法によって解決された。即ち、下記(1)、(2)の位相差板、下記(7)、(8)の円偏光板、ならびに、下記(3)〜(6)の位相差板の製造方法、下記(9)〜(12)の円偏光板の製造方法により達成された。
(1) 長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、且つ前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜である位相差板。
(2) 長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜であり、前記第1の光学異方性層の液晶の方位角を決定する配向膜のラビング軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の液晶の方位角を決定する配向膜のラビング軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜である位相差板。
【0007】
(3)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、前記第1の配向膜上に棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させ、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、前記第1の光学異方性層上に、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜方向にラビングする工程と、前記第2の配向膜上に棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させ、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程とを含む位相差板の製造方法。
(4)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜方向にラビングする工程と、前記第1の配向膜上に棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させ、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、前記第2の光学異方性層の上にラビング軸に沿って棒状液晶が配向する配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、前記第2の配向膜上に、棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程とを含む位相差板の製造方法。
【0008】
(5)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、前記透明支持体上の前記第2の光学異方性層とは反対側にラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第2の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程を含む位相差板の製造方法。
(6)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の配向膜上に塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、前記透明支持体上の前記第1の光学異方性層とは反対側に、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第2の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程とを含む位相差板の製造方法。
【0009】
(7)フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜、長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、且つ前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜である円偏光板。
(8)前記第1の光学異方性層の液晶の方位角を決定する液晶配向膜のラビング軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層(B)の液晶の方位角を決定する液晶配向膜のラビング軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜である(7)に記載の円偏光板。
【0010】
(9)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、前記第1の光学異方性層上にラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の光学異方性層上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜を、その吸収軸と前記透明支持体の長手方向とを一致させて、前記透明支持体の前記第1および第2の光学異方性層と反対側に設置する工程とを含む円偏光板の製造方法。
(10)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜方向にラビングする工程と、前記第1の配向膜上に棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させ、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、前記第2の光学異方性層の上にラビング軸に沿って棒状液晶が配向する配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、前記第2の配向膜上に、棒状液晶性化合物を含む組成物を塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜を、その吸収軸と前記透明支持体の長手方向とを一致させて、前記透明支持体の前記第1および第2の光学異方性層側に設置する工程とを含む円偏光板の製造方法。
【0011】
(11)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、前記透明支持体上の前記第2の光学異方性層とは反対側にラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第2の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜を、その吸収軸と前記透明支持体の長手方向とを一致させて、前記透明支持体の前記第1および第2の光学異方性層側に設置する工程とを含む円偏光板の製造方法。
(12)長尺状の透明支持体上に設置された、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第1の配向膜を、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第1の配向膜上に塗布して、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπである第1の光学異方性層を形成する工程と、前記透明支持体上の前記第1の光学異方性層とは反対側に、ラビング軸に沿って棒状液晶が配向する第2の配向膜を設置し、透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜方向にラビングする工程と、棒状液晶性化合物を含む組成物を前記第2の配向膜上に塗布し、前記棒状液晶性化合物を前記ラビング軸に沿って水平配向させて、測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層を形成する工程と、フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜を、その吸収軸と前記透明支持体の長手方向とを一致させて、前記透明支持体の前記第1および第2の光学異方性層側に設置する工程とを含む円偏光板の製造方法。
【0012】
(13)前記第1および第2の光学異方性層の少なくとも一方の光学異方性層を形成する棒状液晶性化合物が、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有する(1)または(2)に記載の位相差板。
一般式(I)
−L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
(式中、QおよびQはそれぞれ独立に重合性基を表し、LおよびLはそれぞれ独立に二価の連結基を表し、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、Cy、CyおよびCyはそれぞれ二価の環状基を表し、nは0、1または2である。)
(14)前記第1および第2の光学異方性層の少なくとも一方の光学異方性層を形成する棒状液晶性化合物が、前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有する(3)〜(6)に記載の位相差板の製造方法
(15)前記第1および第2の光学異方性層の少なくとも一方の光学異方性層を形成する棒状液晶性化合物が、下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする(7)および(8)に記載の円偏光板
一般式(I)
−L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
(式中、QおよびQはそれぞれ独立に重合性基を表し、LおよびLはそれぞれ独立に二価の連結基を表し、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表し、Cy,CyおよびCyはそれぞれ二価の環状基を表し、nは0、1または2である。)
(16)前記第1および第2の光学異方性層の少なくとも一方の光学異方性層を形成する棒状液晶性化合物が、前記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする(9)〜(12)に記載の円偏光板の製造方法。
【0013】
本明細書において、角度について「実質的に」とは、厳密な角度±5゜未満の範囲内であることを意味する。厳密な角度との誤差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であることがより好ましい。また、角度についての「+」および「−」は、どちらが右方向であっても左方向であってもよく、互いに異なる方向の角度であることを示すために相対的な意味で用いている。また、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
[位相差板の光学的性質]
本発明の位相差板は、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有する。2つの光学異方性層は、特定の波長において実質的に、一方がπおよび他方がπ/2の位相差を達成していればよい。特定波長(λ)において位相差πを達成するには、特定波長(λ)において測定した光学異方性層のレターデーション値をλ/2に調整すればよい。特定波長(λ)において位相差π/2を達成するには、特定波長(λ)において測定した光学異方性層のレターデーション値をλ/4に調整すればよい。可視領域のほぼ中間の波長である550nmにおいて、位相差πまたはπ/2を達成していることが好ましい。すなわち、第1の光学異方性層(A)は、波長550nmで測定したレターデーション値が200nm〜350nmであることが好ましく、240nm〜300nmであることがより好ましい。第2の光学異方性層(B)は、波長550nmで測定したレターデーション値が100nm〜180nmであることが好ましく、120nm〜150nmであることがより好ましい。
【0015】
レターデーション値は、光学異方性層の法線方向から入射した光に対する面内のレターデーション値を意味する。具体的には、下記式により定義される値である。
レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d
式中、nxおよびnyは光学異方性層の面内の主屈折率であり、そしてdは光学異方性層の厚み(nm)である。
【0016】
前記第1および第2の光学異方性層の厚さは、各々の層が所望のレターデーションを示す範囲で任意に決定することができる。第1の光学異方性層の厚みの好ましい範囲は、用いる棒状液晶性化合物の種類によって異なり、限定できないが、一般的には、約0.3〜約20μmであり、0.4〜15μmがより好ましく、0.6〜10μmがさらに好ましい。本発明では、各々の光学異方性層を、液晶性化合物を水平配向させて形成することによって、位相差板の薄層化を達成している。
【0017】
[位相差板および円偏光板の構成]
図1〜図4は、本発明の位相差板の代表的な構成を示す模式図である。図1〜図4に示すように、基本的な位相差板は、長尺状の透明支持体(S)および第1の光学異方性層(A)に加えて、さらに第2の光学異方性層(B)を有する。第1の光学異方性層(A)の位相差はπである。第2の光学異方性層(B)の位相差は、π/2である。透明支持体(S)の長手方向と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)とのなす角は30°である。第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)との角度(γ)は60゜である。図1〜図4に示す第1の光学異方性層(A)および第2の光学異方性層(B)は、それぞれ棒状液晶性化合物(c1およびc2)を含む。棒状液晶性化合物c1およびc2は水平に配向している。棒状液晶性化合物の長軸方向が光学異方性層の遅相軸(aおよびb)に相当する。
図1では、透明支持体(S)の上に第1の光学異方性層(A)が設置され、さらにその上に第2の光学異方性層(B)が設置されている。図2では透明支持体(S)の上に第2の光学異方性層(B)が設置され、さらにその上に第1の光学異方性層(A)が設置されている。図3では、透明支持体の一方の面に第1の光学異方性層(A)が設置されており、もう一方の面に第2の光学異方性層(B)が設置されている。図4では、透明支持体の上に第1の光学異方性層(A)が設置され、さらにその上に第2の光学異方性層(B)が設置されているが、図1との違いは、第1の光学異方性層(A)と第2の光学異方性層(B)の遅相軸の向き(+と−)が入れ替わって設置されている点である。本発明においては、図1〜図4のいずれの構成においても、第1の光学異方性層(A)の遅相軸の方向と、第2の光学異方性層(B)の遅相軸の方向が入れ替わっていてもよい。本発明では、図1の態様(透明支持体(S)の上に光学異方性層(A)(位相差π)、さらにその上に光学異方性層(B)(位相差π/2))が好ましい。
【0018】
図5〜図9は、本発明の円偏光板の代表的な構成を示す模式図である。図5〜図9に示す円偏光板は、図1〜図4に示した透明支持体(S)、第1の光学異方性層(A)および第2の光学異方性層(B)に加えて、さらに偏光膜(P)を有する。図1〜図4と同様に、第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)とのなす角は60°である。図5〜図9に示す第1の光学異方性層(A)および第2の光学異方性層(B)も、それぞれ棒状液晶性化合物(c1およびc2)を含む。棒状液晶性化合物(c1およびc2)は、それぞれ水平に配向している。棒状液晶性化合物(c1およびc2)の長軸方向が、光学異方性層(AおよびB)の面内の遅相軸(aおよびb)に相当する。偏光膜の偏光透過軸(p)は透明支持体(S)の長手方向(s)のなす角は45°である。
【0019】
図5の円偏光板は、図1に相当する位相差板と偏光板の積層からなる円偏光板であり、偏光透過軸と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は15°であり、偏光透過軸と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)のなす角は75°である。かかる円偏光板では偏光膜を透過した直線偏光は右円偏光に変換される。
図6の円偏光板は、図1に相当する位相差板と偏光板の積層からなる円偏光板であり、偏光透過軸と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は75°であり、偏光透過軸と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)のなす角は15°である。かかる円偏光板では偏光膜を透過した直線偏光は左円偏光に変換される。
図7の円偏光板は、図2に相当する位相差板と偏光板の積層からなる円偏光板であり、偏光透過軸と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は15°であり、偏光透過軸と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)のなす角は75°である。かかる円偏光板では偏光膜を透過した直線偏光は右円偏光に変換される。
図8の円偏光板は、図3に相当する位相差板と偏光板の積層からなる円偏光板であり、偏光透過軸と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は15°であり、偏光透過軸と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)のなす角は75°である。かかる円偏光板では偏光膜を透過した直線偏光は右円偏光に変換される。
図9の円偏光板は、図4に相当する位相差板と偏光板の積層からなる円偏光板であり、偏光透過軸と第1の光学異方性層(A)の遅相軸(a)のなす角は75°であり、偏光透過軸と第2の光学異方性層(B)の遅相軸(b)のなす角は15°である。かかる円偏光板では偏光膜を透過した直線偏光は右円偏光に変換される。
【0020】
[液晶性化合物からなる光学異方性層]
本発明の位相差板および円偏光板では、第1の光学異方性層および第2の光学異方性層は、水平配向した棒状液晶性化合物を含む。第1および第2の光学異方性層に用いられる棒状液晶性化合物は同一であっても異なっていてもよい。
前記第1および第2の光学異方性層において、液晶性化合物は、実質的に均一に配向していることが好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性化合物が固定されていることが最も好ましい。液晶性化合物の配向は、光学異方性層の面内の遅相軸と透明支持体の長手方向との角度が実質的に+30゜または−30゜となるように調整する。液晶性化合物は、ホモジニアス配向にすることが好ましい。棒状液晶性化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性化合物だけではなく、高分子液晶性化合物も用いることができる。棒状液晶性化合物を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶性化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、世界特許(WO)95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、および特願2001−64627号などに記載の化合物を用いることができる。
【0021】
前記棒状液晶性化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物を用いるのがより好ましい。
一般式(I)
−L−Cy−L−(Cy−L)n−Cy−L−Q
式中、QおよびQはそれぞれ独立に重合性基であり、L,およびLはそれぞれ独立に二価の連結基であり、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基であり、Cy、CyおよびCyは二価の環状基であり、nは0、1または2である。
【0022】
以下にさらに重合性棒状液晶化合物について説明する。
式中、QおよびQはそれぞれ独立に重合性基である。重合性基の重合反応は、付加重合(開環重合を含む)または縮合重合であることが好ましい。言い換えると、重合性基は、付加重合反応または縮合重合反応が可能な官能基であることが好ましい。以下に重合性基の例を示す。
【0023】
【化1】
Figure 2004126538
【0024】
およびLはそれぞれ独立に二価の連結基である。LおよびLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子である。
組み合わせからなる二価の連結基の例を以下に示す。ここで、左側がQまたはQに、右側がCyまたはCyに結合する。
【0025】
L−1:−CO−O−二価の鎖状基−O−
L−2:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−
L−3:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−
L−4:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−
L−5:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−CO−O−
L−6:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−O−CO−
L−7:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−8:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−9:−CO−O−二価の鎖状基−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−10:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−
L−11:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−CO−O−
L−12:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−O−CO−
L−13:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−14:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−15:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
L−16:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−
L−17:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−CO−O−
L−18:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−O−CO−
L−19:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−
L−20:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−CO−O−
L−21:−CO−O−二価の鎖状基−O−CO−O−二価の環状基−二価の鎖状基−O−CO−
【0026】
二価の鎖状基は、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基,置換アルキニレン基を意味する。アルキレン基,置換アルキレン基,アルケニレン基,置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基およびアルケニレン基がさらに好ましい。
アルキレン基は,分岐を有していてもよい。アルキレン基の炭素数は1〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。
置換アルキレン基のアルキレン部分は、上記アルキレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルケニレン基は、分岐を有していてもよい。アルケニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。
置換アルケニレン基のアルケニレン部分は、上記アルケニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
アルキニレン基は、分岐を有していてもよい。アルキニレン基の炭素数は2〜12であることが好ましく、2〜10であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。
置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、上記アルキニレン基と同様である。置換基の例としてはハロゲン原子が含まれる。
二価の鎖状基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、プロピレン、ブタメチレン、1−メチル−ブタメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、2−ブテニレン、2−ブチニレンなどが上げられる。
【0027】
二価の環状基の定義および例は、後述するCy、CyおよびCyの定義および例と同様である。
は、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0028】
またはLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基である。LおよびLはそれぞれ独立に、−O−、−S−、−CO−、−NR−、二価の鎖状基、二価の環状基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基または単結合であることが好ましい。上記Rは炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子であり、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基または水素原子であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。二価の鎖状基、および二価の環状基についてはLおよびLの定義と同義である。
【0029】
式(I)において、nは0、1または2である。nが2の場合、二つのLは同じであっても異なっていてもよく、二つのCyも同じであっても異なっていてもよい。nは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。
【0030】
式(I)において、Cy、CyおよびCyは、それぞれ独立に、二価の環状基である。
環状基に含まれる環は、5員環、6員環、または7員環であることが好ましく、5員環または6員環であることがさらに好ましく、6員環であることが最も好ましい。
環状基に含まれる環は、縮合環であってもよい。ただし、縮合環よりも単環であることがより好ましい。環状基に含まれる環は、芳香族環、脂肪族環、および複素環のいずれでもよい。芳香族環の例には、ベンゼン環およびナフタレン環が含まれる。脂肪族環の例には、シクロヘキサン環が含まれる。複素環の例には、ピリジン環およびピリミジン環が含まれる。
ベンゼン環を有する環状基としては、1,4−フェニレンが好ましい。ナフタレン環を有する環状基としては、ナフタレン−1,5−ジイルおよびナフタレン−2,6−ジイルが好ましい。シクロヘキサン環を有する環状基としては1,4−シクロへキシレンであることが好ましい。ピリジン環を有する環状基としてはピリジン−2,5−ジイルが好ましい。ピリミジン環を有する環状基としては、ピリミジン−2,5−ジイルが好ましい。
環状基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数が1〜5のアルキル基、炭素原子数が1〜5のハロゲン置換アルキル基、炭素原子数が1〜5のアルコキシ基、炭素原子数が1〜5のアルキルチオ基、炭素原子数が2〜6のアシルオキシ基、炭素原子数が2〜6のアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、炭素原子数が2〜6のアルキル置換カルバモイル基および炭素原子数が2〜6のアシルアミノ基が含まれる。
【0031】
以下に、式(I)で表される重合性液晶化合物の例を示す。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【化2】
Figure 2004126538
【0033】
【化3】
Figure 2004126538
【0034】
【化4】
Figure 2004126538
【0035】
【化5】
Figure 2004126538
【0036】
前記第1および第2の光学異方性層は、棒状液晶性化合物および下記の重合開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成することが好ましい。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
【0037】
配向させた液晶性化合物は、配向状態を維持して固定することが好ましい。固定化は、液晶性化合物に導入した重合性基(QおよびQ)の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれるが、光重合反応がさらに好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
【0038】
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、100〜800mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
【0039】
[空気界面側の配向制御用添加剤]
重合性棒状液晶化合物のホモジニアス配向(水平配向)においては配向膜側では水平であるものの空気界面側では傾斜(チルト)配向してしまう。この現象を抑えるためには添加剤をもちいることが好ましいが、下記一般式(V)で表される添加剤を用いるのが特に好ましい。なお、本発明において、前記添加剤は液晶性化合物に対して0.01〜5質量%が好ましい。
【0040】
重合性棒状液晶化合物のホモジニアス配向(水平配向)においては配向膜側では水平であるものの空気界面側では傾斜(チルト)配向する傾向がある。この現象を抑えるためには添加剤を用いることが好ましいが、下記式(V)で表される添加剤を用いるのが特に好ましい。
式(V)
(Hb−L52−)51
式(V)において、Hbは、炭素原子数が6〜40の脂肪族基または炭素原子数が6〜40の脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基を表す。Hbは、炭素原子数が6〜40の脂肪族基であることが好ましく、炭素原子数が6〜40のフッ素置換脂肪族基または炭素原子数が6〜40の分岐を有する脂肪族基であることがさらに好ましく、炭素原子数が6〜40のフッ素置換アルキル基もしくは炭素原子数が6〜40の分岐を有するアルキル基であることが最も好ましい。
【0041】
脂肪族基は、環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基の方が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、7〜35であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、9〜25であることがさらに好ましく、10〜20であることが最も好ましい。
脂肪族基には、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基および置換アルキニル基が含まれる。アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基および置換アルケニル基が好ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ましい。
脂肪族基の置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、置換アルコキシ基(例えば、オリゴアルコキシ基)、アルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ)、アシル基(例、アクリロイル、メタクリロイル)、アシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、スルファモイル基、脂肪族置換スルファモイル基およびエポキシアルキル基(例、エポキシエチル)が含まれる。置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がさらに好ましい。フッ素置換脂肪族基において、フッ素原子が脂肪族基の水素原子を置換している割合は、50〜100%であることが好ましく、60〜100%であることがより好ましく、70〜100%であることがさらに好ましく、80〜100%であることがさらにまた好ましく、85〜100%であることが最も好ましい。
【0042】
前記脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基の炭素原子数は、7〜35であることが好ましく、8〜30であることがより好ましく、9〜25であることがさらに好ましく、10〜20であることが最も好ましい。脂肪族置換オリゴシロキサノキシ基は、下記式で表される。
51−(Si(R52−O)
式中、R51は水素原子、ヒドロキシルまたは脂肪族基を表し;R52は水素原子、脂肪族基またはアルコキシ基を表し;そして、qは1〜12のいずれかの整数を表す。R51およびR52でそれぞれ表される脂肪族基は、環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基の方が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることが特に好ましい。R51およびR52でそれぞれ表される脂肪族基には、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基および置換アルキニル基が含まれる。アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基および置換アルケニル基が好ましく、アルキル基および置換アルキル基がさらに好ましい。
51およびR52でそれぞれ表される脂肪族基は、置換基を有していてもよく、該置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、置換アルコキシ基(例えば、オリゴアルコキシ基)、アルケニルオキシ基(例、ビニルオキシ)、アシル基(例、アクリロイル、メタクリロイル)、アシルオキシ基(例、アクリロイルオキシ、ベンゾイルオキシ)、スルファモイル基、脂肪族置換スルファモイル基およびエポキシアルキル基(例、エポキシエチル)が含まれる。
【0043】
52で表されるアルコキシ基は、環状構造あるいは分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜6であることがさらに好ましく、1〜4であることがさらにまた好ましい。
以下に、Hbの例を示す。
【0044】
Hb1:n−C1633
Hb2:n−C2041
Hb3:n−C6 13−CH(n−C)−CH−CH
Hb4:n−C1225
Hb5:n−C1837
Hb6:n−C1429
Hb7:n−C1531
Hb8:n−C1021
Hb9:n−C1021−CH(n−C)−CH−CH
Hb10:n−C17
【0045】
Hb11:n−C17
Hb12:CH(CH−{C−CH(CH)}−C
Hb13:CH(CH−{C−CH(CH)}−C−C(CH)=CH−CH
Hb14:n−C17−CH(n−C13)−CH−CH
Hb15:n−C13−CH(C)−CH−CH
Hb16:n−C17−CH(n−C)−CH
Hb17:n−C17−CF(n−C13)−CF−CF
Hb18:n−C−CF(CF)−CF
Hb19:Si(CH−{Si(CH−O}−O−
Hb20:Si(OC)(C1633)(C−SO−NH−C17)−O−
【0046】
前記式(V)において、L52は、単結合または二価の連結基を表す。前記二価の連結基は、−アルキレン基−、−フッ素置換アルキレン基−、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる基であることが好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が1〜20のアルキル基である。水素原子または炭素原子数が1〜15のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜12のアルキル基であることがより好ましい。
上記アルキレン基またはフッ素置換アルキレン基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。
以下に、L52の例を示す。左側がHbに結合し、右側がB51に結合する。
【0047】
5210:単結合
5211:−O−
5212:−O−CO−
5213:−CO−C−O−
5214:−O−C−O−C−O−
5215:−S−
5216:−N(n−C1225)−
5217:−SO−N(n−C)−CHCH−O−
5218:−O−{CF(CF)−CF−O}−CF(CF)−
【0048】
前記式(V)において、nは2〜12のいずれかの整数を表す。nは2〜9のいずれかの整数であることが好ましく、2〜6のいずれかの整数であることがより好ましく、2、3または4であることがさらに好ましく、3または4であることが最も好ましい。
【0049】
前記式(V)において、B51は、少なくとも三つの環状構造を含む排除体積効果を有するn価の基である。B51は下記式(V−a)で表されるn価の基であることが好ましい。
一般式(V−a)
(−Cy51−L53−)Cy52
前記式(V−a)において、Cy51は二価の環状基を表す。Cy51は二価の芳香族炭化水素基または二価の複素環基を表すのが好ましく、二価の芳香族炭化水素基を表すのがより好ましい。
二価の芳香族炭化水素基とは、アリーレン基および置換アリーレン基を意味する。
アリーレン基の例には、フェニレン基、インデニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基、フェナントレニレン基、アントリレン基およびピレニレン基が含まれる。フェニレン基およびナフチレン基が好ましい。
置換アリーレン基の置換基の例には、脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、プロピルアミノ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基およびウレイド基が含まれる。
二価の芳香族炭化水素基に、別の芳香族炭化水素環が単結合、ビニレン結合またはエチニレン結合を介して置換基として結合していると、前述したように特定の液晶配向促進機能が得られる。
また、Hb−L52−に相当する基を、置換基として有してもよい。
【0050】
Cy51で表される二価の複素環基は、5員、6員または7員の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環がさらに好ましく、6員環が最も好ましい。複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。前記複素環は、芳香族性複素環であることが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環である。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好ましい。複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含まれる。
【0051】
複素環に、他の複素環、脂肪族環または芳香族炭化水素環が縮合していてもよい。縮合複素環の例には、ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、インドリン環、イソインドール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インダゾール環、ベンゾイミダゾール環、クロメン環、クロマン環、イソクロマン環、キノリン環、イソキノリン環、シンノリン環、フタラジン環、キナゾリン環、キノキサリン環、ジベンゾフラン環、カルバゾール環、キサンテン環、アクリジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フェナジン環、フェノキサジン環、チアントレン環、インドリジン環、キノリジン環、キヌクリジン環、ナフチリジン環、プリン環およびプテリジン環が含まれる。
二価の複素環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、置換アリーレン基の置換基の例と同様である。
二価の複素環基は、複素原子(例えば、ピペリジン環の窒素原子)で、L53または(L53が単結合の場合)分子中心の環状基(Cy52)と結合してもよい。また、結合する複素原子がオニウム塩(例、オキソニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩)を形成していてもよい。
【0052】
Cy51および後述するCy52の環状構造が、全体として平面構造を形成していてもよい。環状構造が全体として平面構造(すなわち円盤状構造)を形成していると、前述したように特定の液晶配向促進機能が得られる。
以下に、Cy51の例を示す。複数のHb−L52−に相当する基が芳香族炭化水素基または複素環基に結合している場合、いずれか一つが前記式で定義するHb−L52−であって、残りは芳香族炭化水素基または複素環基の置換基とみなす。
【0053】
【化6】
Figure 2004126538
【0054】
【化7】
Figure 2004126538
【0055】
【化8】
Figure 2004126538
【0056】
【化9】
Figure 2004126538
【0057】
【化10】
Figure 2004126538
【0058】
【化11】
Figure 2004126538
【0059】
【化12】
Figure 2004126538
【0060】
式(V−a)において、L53は、単結合またはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。Rは、水素原子または炭素原子数が1〜30のアルキル基を表す。L53は、−O−、−S−、−CO−、−NR−、−SO−およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。Rは水素原子または炭素原子数が1〜20のアルキル基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜15のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜12のアルキル基であることが最も好ましい。
上記アルキレン基の炭素原子数は、1〜40であることが好ましく、1〜30であることがより好ましく、1〜20であることがさらに好ましく、1〜15であることがさらにまた好ましく、1〜12であることが最も好ましい。
上記アルケニレン基またはアルキニレン基の炭素原子数は、2〜40であることが好ましく、2〜30であることがより好ましく、2〜20であることがさらに好ましく、2〜15であることがさらにまた好ましく、2〜12であることが最も好ましい。
以下に、L53の例を示す。左側がCy51に結合し、右側がCy52に結合する。
【0061】
L20:単結合
L21:−S−
L22:−NH−
L23:−NH−SO−NH−
L24:−NH−CO−NH−
L25:−SO
L26:−O−NH−
L27:−C≡C−
L28:−CH=CH−S−
L29:−CH−O−
L30:−N(CH)−
L31:−CO−O−
【0062】
前記式(V−a)において、nは2〜12のいずれかの整数を表す。nは2〜9のいずれかの整数であることが好ましく、2〜6のいずれかの整数であることがより好ましく、2、3または4であることがさらに好ましく、3または4であることが最も好ましい。
前記式(V−a)において、Cy52は、n価の環状基である。Cy52は、n価の芳香族炭化水素基またはn価の複素環基であることが好ましい。
Cy52で表される芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素環の例には、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン環およびピレン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレン環が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
Cy52で表される芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基の例には、脂肪族基、芳香族炭化水素基、複素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アリールアゾ基(例えば、フェニルアゾ基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ基、プロピルアミノ基)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、オクタノイル基、ベンゾイル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、スルホ基、カルバモイル基、スルファモイル基およびウレイド基が含まれる。
【0063】
Cy52で表される複素環基は、5員、6員または7員の複素環を有することが好ましい。5員環または6員環がさらに好ましく、6員環が最も好ましい。前記複素環を構成する複素原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原子が好ましい。前記複素環は、芳香族性複素環であることが好ましい。芳香族性複素環は、一般に不飽和複素環である。最多二重結合を有する不飽和複素環がさらに好ましい。前記複素環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、ピロリン環、ピロリジン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、イミダゾール環、イミダゾリン環、イミダゾリジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、フラザン環、テトラゾール環、ピラン環、チイン環、ピリジン環、ピペリジン環、オキサジン環、モルホリン環、チアジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペラジン環およびトリアジン環が含まれる。トリアジン環が好ましく、1,3,5−トリアジン環が特に好ましい。
前記複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族炭化水素環が縮合していてもよい。ただし、単環式複素環が好ましい。
以下に、Cy52の例を示す。
【0064】
【化13】
Figure 2004126538
【0065】
【化14】
Figure 2004126538
【0066】
【化15】
Figure 2004126538
【0067】
【化16】
Figure 2004126538
【0068】
液晶配向促進剤は、以上述べた疎水性基(Hb)、連結基(L52)および排除体積効果を有する基(B51)を組み合わせた化合物である。これらの組み合わせについて、特に制限はない。
以下に、前記一般式(V)で表される液晶配向促進剤の例を示す。
【0069】
【化17】
Figure 2004126538
【0070】
【化18】
Figure 2004126538
【0071】
【化19】
Figure 2004126538
【0072】
【化20】
Figure 2004126538
【0073】
【化21】
Figure 2004126538
【0074】
【化22】
Figure 2004126538
【0075】
【化23】
Figure 2004126538
【0076】
【化24】
Figure 2004126538
【0077】
【化25】
Figure 2004126538
【0078】
【化26】
Figure 2004126538
【0079】
【化27】
Figure 2004126538
【0080】
【化28】
Figure 2004126538
【0081】
【化29】
Figure 2004126538
【0082】
【化30】
Figure 2004126538
【0083】
【化31】
Figure 2004126538
【0084】
【化32】
Figure 2004126538
【0085】
【化33】
Figure 2004126538
【0086】
【化34】
Figure 2004126538
【0087】
【化35】
Figure 2004126538
【0088】
【化36】
Figure 2004126538
【0089】
【化37】
Figure 2004126538
【0090】
【化38】
Figure 2004126538
【0091】
【化39】
Figure 2004126538
【0092】
【化40】
Figure 2004126538
【0093】
【化41】
Figure 2004126538
【0094】
【化42】
Figure 2004126538
【0095】
【化43】
Figure 2004126538
【0096】
【化44】
Figure 2004126538
【0097】
【化45】
Figure 2004126538
【0098】
【化46】
Figure 2004126538
【0099】
【化47】
Figure 2004126538
【0100】
【化48】
Figure 2004126538
【0101】
【化49】
Figure 2004126538
【0102】
【化50】
Figure 2004126538
【0103】
【化51】
Figure 2004126538
【0104】
【化52】
Figure 2004126538
【0105】
【化53】
Figure 2004126538
【0106】
【化54】
Figure 2004126538
【0107】
【化55】
Figure 2004126538
【0108】
【化56】
Figure 2004126538
【0109】
【化57】
Figure 2004126538
【0110】
【化58】
Figure 2004126538
【0111】
【化59】
Figure 2004126538
【0112】
【化60】
Figure 2004126538
【0113】
【化61】
Figure 2004126538
【0114】
【化62】
Figure 2004126538
【0115】
[配向膜]
棒状液晶性化合物を配向させるためには配向膜を用いることが好ましい。配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例えば、ω−トリコ酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリル酸メチルなど)の累積のような手段で設けることが出来る。さらに電場の付与、磁場の付与あるいは光照射により配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜がとくに好ましい。ラビング処理はポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。
配向膜に用いるポリマーの種類は、液晶性化合物の配向(特に平均傾斜角)に応じて決定する。本発明において、ラビング軸に沿って棒状液晶性化合物を水平配向させる配向膜を用いる場合は、各々の配向膜のラビング軸を、それぞれ長手方向に対して+30°および−30°とするのが好ましい。
【0116】
液晶化合物を水平に配向させるためには配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマー(通常の配向用ポリマー)を用いる。具体的なポリマーの種類については液晶セルまたは光学補償シートについて種々の文献に記載がある。いずれの配向膜においても、液晶化合物と透明支持体の密着性を改善する目的で、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。界面で液晶性化合物と化学結合を形成する配向膜を用いることがより好ましく、かかる配向膜としては特開平9−152509号に記載されている。
【0117】
配向膜の厚さは0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜1μmであることがさらに好ましい。
なお、配向膜を用いて棒状液晶性化合物を配向させてから、その配向状態のまま棒状液晶性化合物を固定して光学異方性層を形成し、光学異方性層のみをポリマーフィルム(または透明支持体)上に転写してもよい。配向状態の固定された棒状液晶性化合物は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。そのため、本発明の位相差板では、配向膜は(位相差板の製造において必須ではあるが)必須ではない。
【0118】
[透明支持体]
透明支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。透明支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。長尺状の透明支持体は、ロール状の形状を有し、ロール状の透明支持体を用いて、光学異方性層を積層してから、必要な大きさに切断することが好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。透明支持体の厚さは、20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層(接着層、垂直配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理、けん化処理)を実施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。
【0119】
[円偏光板]
本発明の位相差板は、反射型液晶表示装置において使用されるλ/4板、光ディスクの書き込み用のピックアップに使用されるλ/4板、あるいは反射防止膜として利用されるλ/4板として、特に有利に用いることができる。λ/4板は、一般に偏光膜と組み合わせた円偏光板として使用される。よって、位相差板と偏光膜とを組み合わせた円偏光板として構成しておくと、容易に反射型液晶表示装置のような用途とする装置に組み込むことができる。偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
【0120】
偏光膜の偏光透過軸は、フィルムの延伸方向に実質的に45°の方向に相当する。このような実質的に45°方向に偏光の透過軸を有する偏光膜(以下45°偏光膜と称する)は、特開2002−86554号公報に記載の斜め延伸方法により作製することができ、第0009欄〜第0045欄の記載の条件、使用可能な装置の構成等を参考に作製することができる。
【0121】
偏光膜は、一般に両側に保護膜を有するが、本発明では、本発明の位相差板を偏光膜の片側の保護膜として機能させることができる。45°偏光膜を用いて円偏光板を作製する場合、重ね合わせ方を変えることで容易に右および左円偏光板を作り分けることができる。
【0122】
図10に本発明の円偏光板の一態様の概念図を示す。
図10に示す円偏光板は、本発明の位相差板に45°偏光膜Pおよび保護膜Gを積層した構成である。位相差板は、光学異方性層AおよびB(但し、図中には一層として示した)と、透明支持体Sとからなる。位相差板は、透明支持体Sの光学異方性層AおよびBが設けられていない側の面を、45°偏光膜Pに向けて積層されている。この構成において、前記位相差板は45°偏光膜Pの保護膜としても機能する。図10中に、透明支持体Sの長手方向sと、光学異方性層AおよびBの遅相軸aおよびbと、45°偏光膜Pの偏光透過軸pとの関係を併せて示す。
【0123】
図10の円偏光板を表示装置に組み込む場合は、保護膜P側を表示面側にする(図中の矢印で示す方向が見る方向を示す)。図10の構成から得られる円偏光は右円偏光である。図10中、矢印方向から入射した光は、偏光膜P、光学異方性層AおよびBを順次通過することによって右円偏光となって出射する。
【0124】
本発明の円偏光板の他の構成を図11に示す。図11に示す円偏光板は、図10に示す円偏光板の保護膜Gと位相差板の位置を代えた構成であり、図11中下方から、保護膜G、45°偏光膜P、透明支持体Sおよび光学異方性層A、Bを積層した構成である。かかる構成の円偏光板では、左円偏光が得られる。
この様に、45°偏光膜に、保護膜と位相差板を張り合わせる場合に、上下を入れ替えて張り合わせるだけで右円偏光と左円偏光を製造することができる。
【0125】
広域帯λ/4とは、具体的には、波長450nm、550nmおよび650nmで測定したレターデーション値/波長の値が、いずれも0.2〜0.3の範囲内であることを意味する。レターデーション値/波長の値は、0.21〜0.29の範囲内であることが好ましく、0.22〜0.28の範囲内であることがより好ましく、0.23〜0.27の範囲内であることがさらに好ましく、0.24〜0.26の範囲内であることが最も好ましい。
【0126】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。
[実施例1]
厚さ100μm、幅150mm、長さ20mの光学的に等方性のトリアセチルセルロースフィルムを透明支持体として用いた。配向膜(下記構造式のポリマー)の希釈液を透明支持体の片面に連続塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し左手30°の方向に連続的にラビング処理を実施した。
【0127】
配向膜用ポリマー
【化63】
Figure 2004126538
【0128】
配向膜の上に、下記の組成の塗布液をバーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥、および加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ2.0μmの光学異方性層(A)を形成した。光学異方性層は透明支持体の長手方向に対して左手30°の方向に遅相軸を有していた。550nmにおけるレターデーション値(Re550)は265nmであった。
光学異方性層塗布液組成
下記の棒状液晶性化合物(1)             14.5質量%
下記の増感剤(1)                  0.15質量%
下記の光重合開始剤(1)               0.29質量%
下記の添加剤(1)                  0.15質量%
メチルエチルケトン                 84.91質量%
【0129】
棒状液晶化合物(1)
【化64】
Figure 2004126538
【0130】
増感剤(1)
【化65】
Figure 2004126538
【0131】
光重合開始剤(1)
【化66】
Figure 2004126538
【0132】
添加剤 V−(20)
【化67】
Figure 2004126538
【0133】
上記作製した光学異方性層Aの上に、上記で使用した配向膜の希釈液を連続塗布し、厚さ0.5μmの配向膜を形成した。次いで、該配向膜を、光学異方性層(A)の遅相軸に対し右手60°であり、かつ長手方向に対し右手30°になるように連続的にラビング処理を施した。
ラビング処理された配向膜上に、下記の組成の塗布液を、バーコーターを用いて連続的に塗布、乾燥、および加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ1.0μmの光学異方性層(B)を形成した。
光学異方性層塗布液組成
上記棒状液晶性化合物(1)              13.0質量%
上記増感剤(1)                   0.13質量%
上記光重合開始剤(1)                0.39質量%
上記添加剤(1)                   0.13質量%
メチルエチルケトン                 86.35質量%
【0134】
[比較例1]
実施例1と同様に配向膜を作成し、75°に連続的にラビングしたが欠陥が多く配向している部分の遅相軸は60°程度であった。
【0135】
[比較例2]
厚さ100μm、幅150mm、長さ20mの光学的に等方性のトリアセチルセルロースフィルムを透明支持体として用いた。配向膜(下記構造式のポリマー)の希釈液を透明支持体の片面に連続塗布し、厚さ0.5μmの直交配向膜を形成した。次いで、透明支持体の長手方向に対し右手15°の方向に連続的にラビング処理を実施した。
【0136】
【化68】
Figure 2004126538
【0137】
光学異方性層Aの形成は実施例1と同様に行った。
ついで、光学異方性層A上に、実施例1と同様に配向膜を形成し、透明支持体の長手方向に対し左15°の方向に連続的にラビング処理を施した。
光学異方性層Bは実施例1と同様にして作製した。
【0138】
[実施例2]
PVAフィルムをヨウ素2.0g/L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、特開2002−86554号公報の図2の形態のテンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し、特開2002−86554号公報の図2の如く屈曲させ、以降幅を一定に保ち、収縮させながら80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。延伸開始前のPVAフィルムの含水率は31%で、乾燥後の含水率は1.5%であった。
左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フイルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。
得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに、特開2002−86554号公報の図8の如く310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得ることができた。
【0139】
次に、図12(a)に示すように、上記で作製したヨウ素系偏光フィルム91の片面上に、実施例1で作製した位相差板94を設け、もう一方の面上にケン化処理した防眩性反射防止フィルム95を貼り合わせて、円偏光板92を作製した。
【0140】
[比較例3]
図12(b)に示すように、比較例2で作製した位相差板を日東電工(株)製の偏光板HEG1425DUHCARS(防呟機能付き偏光板)96と長手方向が一致する様に貼り合わせて円偏光板93を作製した。
【0141】
得られた円偏光板92および93について、防眩性反射防止フィルム95側から光(測定波長は450nm、550nm、および650nm)を照射し、通過した光の位相差(レターデーション値:Re)を測定した。また、円偏光板に加工する前の位相差板を偏光顕微鏡下で観察し、配向欠陥の数を調べた結果を下記表に示す。
【0142】
【表1】
Figure 2004126538
【0143】
表1に示すように、本発明の構成に従えば欠陥の少ない安定した円偏光板が作製できる。
【0144】
[実施例3]
(反射型液晶表示装置の作製)
市販の反射型液晶表示装置(「カラーザウルス MI−310」;シャープ(株)製)の偏光板と位相差板を剥ぎとり、代わりに実施例2で作製した円偏光板を取り付けた。
作製した反射型液晶表示装置について、目視で評価したところ、実施例1および比較例2で作製した位相差板由来のいずれの円偏光板を用いても、白表示、黒表示、そして中間調のいずれにおいても、色味がなく、ニュートラルグレーが表示されていることがわかった。
次に、測定機(EZcontrast160D、Eldim社製)を用いて反射輝度のコントラスト比を測定した。実施例1で作製した位相差板由来の円偏光板を用いたときの正面からのコントラスト比は10であり、比較例2で作製した位相差板由来の円偏光板を用いたときの正面からのコントラスト比は5であった。
【0145】
【発明の効果】
本発明によれば、広帯域(可視光波長域)において位相差板として機能するとともに、薄層化が可能であり、容易かつ安定的に製造可能な位相差板を提供することができる。また、本発明によれば、広帯域(可視光波長域)において円偏光板として機能するとともに、薄層化が可能であり、容易かつ安定的に製造可能な円偏光板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位相差板の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の位相差板の他の例を示す概略図である。
【図3】本発明の位相差板の他の例を示す概略図である。
【図4】本発明の位相差板の他の例を示す概略図である。
【図5】本発明の円偏光板の一例を示す概略図である。
【図6】本発明の円偏光板の他の例を示す概略図である。
【図7】本発明の円偏光板の他の例を示す概略図である。
【図8】本発明の円偏光板の他の例を示す概略図である。
【図9】本発明の円偏光板の他の例を示す概略図である。
【図10】本発明の円偏光板の層構成の一例を示す概略断面図である。
【図11】本発明の円偏光板の層構成の他の例を示す概略断面図である。
【図12】実施例2および比較例3で作製した円偏光板の層構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
S  透明支持体
A  第1の光学異方性層
B  第2の光学異方性層
s  透明支持体の長手方向
a    第一の光学異方性層の遅相軸
b  第2の光学異方性層の遅相軸
c1 棒状液晶性化合物
c2 棒状液晶性化合物
91 実施例2で作製した偏光膜
92 実施例1で作製した位相差板を用いた円偏光板
93 比較例2で作製した位相差板を用いた円偏光板
94 実施例1で作製した位相差板
94’ 比較例2で作製した位相差板
95 防眩性反射防止フィルム
96 偏光板

Claims (2)

  1. 長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、且つ前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜である位相差板。
  2. フィルムの長手方向と実質的に45°または−45°の角度に偏光透過軸を有する偏光膜、長尺状の透明支持体、水平配向した棒状液晶性化合物を含む第1の光学異方性層および水平配向した棒状液晶性化合物を含む第2の光学異方性層を有し、前記第1の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、前記第2の光学異方性層の測定波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2であり、前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に30゜であり、前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記透明支持体の長手方向との角度が実質的に−30゜であり、且つ前記第2の光学異方性層の面内の遅相軸と前記第1の光学異方性層の面内の遅相軸との角度が実質的に60゜である円偏光板。
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