JP2004127190A - ロボットの設計支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロボットの設計技術を有さない者でも、簡単な操作でかつ短時間に、要求仕様に対する評価とロボットの簡易設計が客先で即座にできるロボットの設計支援装置を提供する。
【解決手段】周辺機器やワーク等の3次元形状を生成、配置し、ロボットタイプを選択し、ロボットの寸法を入力する形状生成手順S1と、ロボットを配置して静的干渉チェックを行い、干渉した場合、ロボットの配置を変更するか寸法を変更するかを選択するロボット配置決定手順S2と、教示点を入力し、ロボットが教示点に到達しない場合、ロボットの形状寸法変更かロボットのタイプ変更かを選択し、ロボットが教示点へ到達した場合、動的な干渉チェックを行い、干渉した場合、教示軌跡を修正するか寸法の変更量を算出するかを選択するロボットの寸法決定手順S3と、寸法が決定したロボットに対して、動作速度を決定する手順S4とを実行する手段を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】周辺機器やワーク等の3次元形状を生成、配置し、ロボットタイプを選択し、ロボットの寸法を入力する形状生成手順S1と、ロボットを配置して静的干渉チェックを行い、干渉した場合、ロボットの配置を変更するか寸法を変更するかを選択するロボット配置決定手順S2と、教示点を入力し、ロボットが教示点に到達しない場合、ロボットの形状寸法変更かロボットのタイプ変更かを選択し、ロボットが教示点へ到達した場合、動的な干渉チェックを行い、干渉した場合、教示軌跡を修正するか寸法の変更量を算出するかを選択するロボットの寸法決定手順S3と、寸法が決定したロボットに対して、動作速度を決定する手順S4とを実行する手段を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定められた作業環境内で使用される産業用ロボットについて、そのロボットのアーム長さ、高さ、幅などの形状寸法、ロボットの配置、例えばサーボモータ等のロボットを動作させる動力源の最大出力(トルク・推力など)、最大速度などのアクチュエータ仕様等を自動的に設計するロボットの設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロボットの設計は、ロボットの作業範囲や動作パターン等、客先からの要求仕様に基づいて行われるものであった。図4に、客先との打合せからロボットの仕様が決定するまでのフロー例を示す。まず、営業担当者は客先を訪問して、周辺装置のサイズ、配置やロボットの作業範囲、動作パターン、及びスループットの要求仕様を得る(S61)。営業担当者は、その仕様を持ち帰り、設計担当者に実現可能か否かの検討を依頼する。設計担当者は、ロボットのアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法と周辺装置の形状からレイアウト設計(S62)により干渉チェックを実施する。
【0003】
このレイアウト設計法として、例えば特開2000−24970号公報(特許文献1)には、図5に示すロボットシミュレーション装置が記載されている。
図5において、611はプログラム変換部、612は記憶部、613は入力部、614は出力部、615は演算・制御部である。以上の構成において、プログラム変換部611はロボット用プログラム記述言語をシミュレーション用プログラムに変換し、記憶部612は標準ロボットやハンド(先端ツール)や周辺装置の3次元形状を記憶し、入力部613はロボットモデルへプログラムを入力し、出力部614はモデルの動作を出力し、演算・制御部615はロボットモデルの配置、教示点の設定、シミュレーションを実行する。上記の装置により、ロボットの先端ツールを含めたレイアウト設計ができるようになっている。しかし、この作業では、約1週間を要することが予想される。
【0004】
図4に戻って、次には、ロボットを動作させるアクチュエータや駆動系の設計を行い、スループット時間(サイクルタイム)を算出する(S63)。
この手法として、例えば川崎重工技報88号(1995−4)pp.128−134(非特許文献1)には、図6に示すロボットシミュレータが記載されている。
図6において、701はシミュレータ部、702は対象作成部、ポスト部、ロボット定義部である。以上の構成において、シミュレータ部701はデータ解析や教示データを作成し、対象作成部702はワークの形状を定義し、ポスト部703は教示データやサイクルタイム計算結果を出力し、ロボット定義部704はロボット形状や先端ツール形状を定義する。上記のシミュレータにより、ロボット作業のサイクルタイムが算出できるようになっている。しかし、この作業にも約1週間を要することが予想される。
【0005】
これらの設計検討結果、客先要求仕様を満足すれば、詳細設計に移る。仕様を満たさない場合、仕様変更を提案し(S64,S65)、客先にその必要性を説明し、納得させる必要がある。客先が納得した場合は詳細設計に移る(S66,S67)。その打合せで改めて、仕様が変わると再度、レイアウト設計やアクチュエータ設計を繰り返す。詳細設計後に最終確認として客先と仕様確認を実施する(S68)。ここで両者の間に完成イメージのずれがあると設計は再びやり直しとなる。
このような一連のフローを繰り返し行うことによって、ロボットを設計する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−24970号公報
【非特許文献1】
川崎重工技報88号(1995−4)pp.128−134
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロボットシミュレーション装置においては、形状や動作パターンが決まっている産業用ロボットには有効であるが、ウェハ搬送用ロボットのように客先の要求仕様に応じて、ロボット形状をその都度変更したり、クリーンな環境を維持するため周辺装置の容積が小さく、そのクリーン環境の領域も客先の仕様で変わるため、ロボットを装置内に収納することが極めて困難である。
また、ウェハ搬送ロボットの客先との仕様決定は、文章や図面で行っている。その内容は、周辺装置との寸法の取り合い、ロボットのタイプ選定や動作仕様、スループット時間等の項目である。文章のやりとりでは、両者のイメージが一致せず、詳細図面完成後に変更が生じる場合があった。さらに、要求仕様に対して繰り返し検討するため、客先への返答に時間を要する問題がある。
そこで本発明の目的は、ロボットの設計技術を有さない者でも、簡単な操作でかつ短時間に、要求仕様に対する評価とロボットの簡易設計が客先で即座にできるロボットの設計支援装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明の第1の構成は、コンピュータにて、ロボットおよび周辺機器やワーク等の作業環境の3次元データを利用し、静的干渉チェック、動的干渉チェック、スループット時間より、前記ロボットのタイプとアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法、ロボットの配置と動作速度を決定するロボットの設計支援装置において、周辺機器やワーク等の3次元形状を生成、配置する手順S11、あらかじめ軸数やエンドエフェクタ数の異なった複数種類のロボットをロボットタイプテーブルに保有し、手順S11のデータを参照しながら、ロボットタイプを選択する手順S12、選択したロボットタイプにアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法を入力する手順S13によって構成される形状生成手順S1と、手順S13で生成されたロボットを手順S11で生成した周辺機器やワークの中に配置する手順S21、前記ロボットと周辺機器との静的干渉チェックを行う手順S22、静的干渉チェックの結果、干渉した場合、前記ロボットの配置を変更するか寸法を変更するかを選択する手順S23によって構成されるロボット配置決定手順S2と、手順S2で配置が決定したロボットに対して、教示点を入力する手順S31、教示点に従って逆運動学を計算する手順S32、その結果ロボットのエンドエフェクタが教示点に到達しない場合、ロボットの形状寸法変更かロボットのタイプ変更かを選択する手順S33、ロボットが教示点へ到達した場合、さらに周辺機器との動的な干渉チェックを行う手順S34、干渉した場合、教示軌跡を修正する手順S37か寸法の変更量を算出する手順S36かを選択する手順S35によって構成されるロボットの寸法決定手順S3と、手順S3で寸法が決定したロボットに対して、教示点間を移動する場合、指令に対して加減速を入力する手順S41、手順S41により生成された指令をもとに作業開始から終了までのスループットを計算する手順S42、スループット時間が要求仕様を満足するか否かチェックし、満足しない場合、変更すべき内容が教示軌跡か指令加減速かを選択する手順S43、教示軌跡を修正する手順S44によって構成されるロボットの動作速度決定手順S4とを実行する手段を設け、これによりロボットの形状および配置を自動的に決定するようにしたものである。
この第1の構成によれば、ロボットの設計技術を有さない者でも、簡単な操作でかつ短時間に、要求仕様に対する評価とロボットの簡易設計が客先で即座にできるロボットの設計支援装置が得られる。
【0009】
本発明の第2の構成は、ロボットタイプテーブルで分類されたデータの組合せの中に、あらかじめ、数種類のロボットタイプを構築しておき、そのロボットには関節の定義と関連性を付けたアームの寸法、動作範囲を有するようにしたことで、ロボットタイプの選択が容易になる。
【0010】
本発明の第3の構成は、手順S23において、ロボットと周辺装置との干渉部分の体積が、ロボットの体積に対して、あらかじめ設定した割合以下の場合、ロボットの配置変更が自動的に選択され、それ以外の場合、ロボットの寸法変更が自動的に選択されるようにしたことで、ロボットと周辺装置との干渉のない設計を行うことができる。
【0011】
本発明の第4の構成は、手順S31の教示点の入力の際に、ウェハ中心のX値、Y値、Z値の座標を入力するか、もしくはコンピュータ上に生成された3次元形状の頂点や中心点をマウスでピックして入力するようにしたことで、教示点の入力が容易になる。
【0012】
本発明の第5の構成は、手順S33の、ロボット寸法変更かロボットタイプ変更かの選択の際に、最初にロボットの寸法変更が自動的に選択され、手順S1に戻り、このループを全ての軸数分変更後、それでもロボットが教示点に到達しない場合、自動的にロボットタイプの変更ルーチンに進むようにしたことで、選択の優先順位を迷うことなく選択が可能となる。
【0013】
本発明の第6の構成は、手順S36のロボット寸法変更量計算の際に、ロボットの配置される位置から最も遠い教示点までの距離L1をリンクの数で除した長さL2を算出し、ロボットの配置される位置から障害物までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内で前記ロボットのアーム長さを定めたうえで、ロボットの形状を算出することで、ロボットの移動範囲を考慮した設計が可能となる。
【0014】
本発明の第7の構成は、手順S37の教示軌跡修正の際に、干渉した教示点間に新たな教示点を設けるか、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更することで、干渉のない教示軌跡修正が可能となる。
【0015】
本発明の第8の構成は、手順S44の教示軌跡修正の際に、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更するか、教示点を追加あるいは削除することで、教示軌跡修正を容易に行うことが可能となる。
【0016】
本発明の第9の構成は、手順S43において、ロボットのスループット時間が要求仕様を満たさない場合、教示軌跡の修正あるいは指令加減速入力を選択するようにしたことで、要求を満たすための方策の選択が可能となる。
【0017】
本発明の第10の構成は、手順S34において、ロボットがウェハを搭載する場合と搭載しない場合に分け、搭載する場合にはウェハをロボット形状の一部分と仮定してウェハの動的干渉をチェックすることで、ロボットの用途に応じた設計が可能となる。
【0018】
本発明の第11の構成は、手順S1〜S4を実行することにより仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメント、質量や関節剛性などの特性をロボットタイプテーブルに入力することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を出力することができるようにしたことで、ロボットの性能を評価することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態のロボットの設計支援装置を表す説明図、図2はロボット寸法変更量計算方法を示す説明図、図3は本発明による仕様決定、試作開始までのフロー図である。
本設計支援装置は、図1に示すように、形状生成手順S1、ロボット配置決定手順S2、ロボット設計手順S3、動作速度決定手順S4を実行する手段、およびロボットタイプテーブル12からなる。
【0020】
形状生成手順S1は、周辺装置の3Dモデル作成する手順S11、ロボットタイプを選択する手順S12、ロボットの寸法を入力する手順S13からなる。
周辺装置の3Dモデル生成手順S11では、円柱、ブロック、球、コーンなどプリミティブな形状に寸法を与え、3D形状を生成する。また、これらプリミテゥブ形状を組み合わせて、1個の周辺装置とする。あるいは、他の3次元CADで作成した形状データを取込むことにより、あるいは、あらかじめ周辺装置の3D形状をテーブルとして選択することにより、形状を生成してもよい。
ロボット選択手順S12では、仕様であるロボット作業の種類に合致したロボットをロボットタイプテーブル12から選択する。また、ロボット軸数の多い順に選択する。あるいは、動作範囲の大きい順、エンドエフェクタの多い順にロボットタイプテーブル12から選択してもよい。
【0021】
ロボットタイプテーブル12には、あらかじめ軸数やエンドエフェクタ数の異なった複数種類のロボットをロボットタイプテーブル12に分類し登録する。ロボットタイプテーブル12には、複数種類のロボットタイプ12α、12β…のデータが分類され、各ロボットタイプには、ロボットのリンク情報・リンクの形状・質量・重心位置・慣性モーメントなどの形状情報やロボット各関節の動作範囲、ロボットのエンドエフェクタの位置および向き、得意とする作業の種類などが定義されている。
ロボット選択後、ロボット寸法入力手順S13に進む。ここでは、ロボットアームの長さ、幅、厚み等を入力する。入力にあたり、ロボット選択時に設定されている初期値を用いこともできる。入力された寸法を用いて、パラメトリックなロボットの形状を生成する。
【0022】
ロボット寸法入力手順S13の実行後、ロボット配置決定手順S2に進む。ここでは、ロボットの配置手順S21と静的干渉チェック手順S22からなる。
ロボットの配置手順S21では、所定高さの水平面内で各周辺装置とのロボットの位置が最短となるようにロボットを設置する。上記所定高さは周辺装置床面やウェハが移動する高さでもよい。
静的干渉チェック手順S22では、周辺装置とロボットとの静的干渉を計算し、さらに干渉部分の体積とロボット配置位置からの干渉部分の最短点と最遠点を計算させる。干渉しない場合は、次のロボット寸法決定手順S3へ進み、干渉する場合は選択手順S23へ進む。
手順23では、干渉した部分の体積がロボットの体積に対してあらかじめ設定した割合以下の場合、自動的にロボットの設計変更を選択し、それ以外の場合、ロボットの形状変更を選択する。
手順23で選択後、ロボット寸法手順S21、または、ロボット配置手順S22に進み、静的干渉が無くなるまで、繰り返す。
【0023】
次のロボット寸法決定手順S3は、ロボットの動作位置を決める教示点入力手順S31、教示点からロボットの動作位置(関節位置)を算出する逆運動学計算手順S32、動作時の干渉を調べる動的干渉チェック手順S34からなる。
手順S31では、ウェハ中心のX座標値、Y座標値、Z座標値を入力するか、もしくは、生成された周辺装置の3次元形状の頂点や中心点をマウスでピック(選択)することにより入力する。あるいは教示点の位置と姿勢角を直接与えることにより定義する。
ここで、上記教示点に対して、ロボットが到達できるかをロボットタイプテーブル12に記載された動作範囲内で到達できるかを計算し、到達する場合は動的干渉チェック手順S34に進み、到達しない場合は選択手順S33に進む。
【0024】
手順33では、最初にロボット寸法変更が自動的に選択され、手順S13に戻り、ロボットの全ての軸について寸法を変更し、教示点に到達するかを調べる。教示点に到達しない場合はロボットタイプの変更を行うため手順S12に戻る。
教示点に到達した場合は、動的干渉チェック手順S34に進む。ここでは、手順S32で算出されたロボットのセグメント時間ごとの関節位置にロボットを動作させ、周辺装置との動的干渉を調べる。
干渉しない場合は、動作速度決定手順S4に進み、干渉する場合は選択手順S35に進む。
手順S35では、最初に教示軌跡変更手順S37を自動的に選定し、所定回数このループを繰り返す。それでも干渉する場合は、寸法変更量計算手順S36に進む。
【0025】
手順S36では、図2に示すように配置されたロボット1の位置P1から最も遠い教示点P2までの距離L1をリンク2,3の数で除した長さL2を算出し、ロボット1の配置される位置P1と障害物5までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内でロボット1のアーム長さ(ロボット配置点P1からエンドエフェクタ4までの長さ)を定める。この値を手順S13の入力値として用いる。
手順37では、教示軌跡の修正を行う。干渉した経路を構成する両端の教示点を修正する。または、その両教示点間に新たな教示点を設ける。あるいは、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更してもよい。
手順S32に戻り、修正された修正された教示点を用いて、手順S34を実施する。
【0026】
動作速度決定手順S4は、指令加減速入力手順S41、スループット計算手順S42からなる。要求仕様を満たすどうかの判定を行い、満たさない場合は、選択手順S43に進む。
手順S43では、自動的に指令加減速変更が選択され、スループット時間がオーバする場合は、例えば、加減速度を10%アップした値が手順S41に設定され、手順S42にてスループット時間が再計算される。上記指令加減速変更を、例えば10回、あるいは、ロボットの最大加減速度の2倍になるまで繰り返しても、要求仕様を満足しない場合は、選択手順S43にて教示軌跡修正手順S44が自動的に選択される。以降、前記手順S37と同様な手順を繰り返す。
【0027】
図3は、以上の手順を実行することにより決定された仕様に基づいて試作を行う手順を示すフロー図である。
図3において、営業担当者は客先と周辺装置のサイズ、配置やロボットの作業範囲、動作パターン、及びスループット等の要求仕様の打合せを行う(S51)。営業担当者は、ノートパソコン等にインストールされて構成された本発明の設計支援装置10を用いて要求仕様を入力し、簡易設計を行う(S52)。その最終仕様をディスプレイに表示することで客に提示し、イメージが一致しているかどうか確認する(S53)。客が抱いているイメージと異なる場合は再度使用について打ち合わせる(S51)。
【0028】
客がその簡易設計を了承したときは、営業担当者は設計担当者にその設計支援装置10を手渡すか、データを渡し、設計担当者はレイアウト設計、図面作成を行う(S54)。引き続いてアクチュエータ設計、スループット時間算出を行い(S55)、詳細設計、詳細図面作成を行って試作に入る(S56)。
前記手順S1〜S4までを実行することで仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメントや質量、関節の剛性等の特性をロボットタイプテーブル12に入力し、アームを駆動するアクチュエータの慣性モーメント等機械特性およびPI、PID等の制御方法を設定することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を自動的に算出する。
【0029】
【発明の効果】
本発明の第1の構成によれば、上記の形状生成手順、ロボット配置決定手順、ロボット寸法決定手順および動作速度決定手順を繰り返し行うことにより、客先の要求仕様を満足するロボットの形状寸法・配置および動作速度が自動的に決定されるので、ロボット設計の経験の少ない者でも、簡単な操作かつ短時間で、簡易的にロボットを設計し、その要求仕様を検討することができる。また、営業担当者が実施する客先との仕様打合せにて、その場で最終仕様の確認が可能となる。ロボットの寸法、配置、動作速度を決定することで、この後に続く設計では設計変更への戻りがゼロとなり、開発期間の大幅短縮が可能となる。
【0030】
本発明の第2の構成によれば、ロボットタイプテーブルで分類されたデータの組合せの中に、あらかじめ、数種類のロボットタイプを構築しておき、そのロボットには関節の定義と関連性を付けたアームの寸法、動作範囲を有するようにしたことで、ロボットタイプを容易に選択することができる。
【0031】
本発明の第3の構成によれば、手順S23において、ロボットと周辺装置との干渉部分の体積が、ロボットの体積に対して、あらかじめ設定した割合以下の場合、ロボットの配置変更が自動的に選択され、それ以外の場合、ロボットの寸法変更が自動的に選択されるようにしたことで、ロボットと周辺装置との干渉のない設計を行うことができる。
【0032】
本発明の第4の構成によれば、手順S31の教示点の入力の際に、ウェハ中心のX値、Y値、Z値の座標を入力するか、もしくはコンピュータ上に生成された3次元形状の頂点や中心点をマウスでピックして入力するようにしたことで、教示点の入力を容易に行うことができる。
【0033】
本発明の第5の構成によれば、手順S33の、ロボット寸法変更かロボットタイプ変更かの選択の際に、最初にロボットの寸法変更が自動的に選択され、手順S1に戻り、このループを全ての軸数分変更後、それでもロボットが教示点に到達しない場合、自動的にロボットタイプの変更ルーチンに進むようにしたことで、選択の優先順位を迷うことなく選択することができる。
【0034】
本発明の第6の構成によれば、手順S36のロボット寸法変更量計算の際に、ロボットの配置される位置から最も遠い教示点までの距離L1をリンクの数で除した長さL2を算出し、ロボットの配置される位置から障害物までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内で前記ロボットのアーム長さを定めたうえで、ロボットの形状を算出することで、ロボットの移動範囲を考慮した設計を行うことができる。
【0035】
本発明の第7の構成によれば、手順S37の教示軌跡修正の際に、干渉した教示点間に新たな教示点を設けるか、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更することで、干渉のない教示軌跡修正を行うことができる。
【0036】
本発明の第8の構成によれば、手順S44の教示軌跡修正の際に、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更するか、教示点を追加あるいは削除することで、教示軌跡修正を容易に行うことができる。
【0037】
本発明の第9の構成によれば、手順S43において、ロボットのスループット時間が要求仕様を満たさない場合、教示軌跡の修正あるいは指令加減速入力を選択するようにしたことで、要求を満たすための方策の選択ができる。
【0038】
本発明の第10の構成によれば、手順S34において、ロボットがウェハを搭載する場合と搭載しない場合に分け、搭載する場合にはウェハをロボット形状の一部分と仮定してウェハの動的干渉をチェックすることで、ロボットの用途に応じた設計を行うことができる。
【0039】
本発明の第11の構成によれば、手順S1〜S4を実行することにより仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメント、質量や関節剛性などの特性をロボットタイプテーブルに入力することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を出力することができるようにしたことで、ロボットの性能を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロボット設計支援装置を示す説明図である。
【図2】本実施の形態におけるロボット寸法変更量計算方法を示す説明図である。
【図3】本発明による仕様決定・試作開始までのフロー図である。
【図4】従来の仕様決定・試作開始までのフロー図である。
【図5】従来のロボットシミュレーション装置である。
【図6】従来のロボットシミュレータである。
【符号の説明】
1 ロボット
2,3 リンク
4 エンドエフェクタ
10 ロボット設計支援装置
12 ロボットタイプテーブル
12α,12β ロボットタイプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、定められた作業環境内で使用される産業用ロボットについて、そのロボットのアーム長さ、高さ、幅などの形状寸法、ロボットの配置、例えばサーボモータ等のロボットを動作させる動力源の最大出力(トルク・推力など)、最大速度などのアクチュエータ仕様等を自動的に設計するロボットの設計支援装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロボットの設計は、ロボットの作業範囲や動作パターン等、客先からの要求仕様に基づいて行われるものであった。図4に、客先との打合せからロボットの仕様が決定するまでのフロー例を示す。まず、営業担当者は客先を訪問して、周辺装置のサイズ、配置やロボットの作業範囲、動作パターン、及びスループットの要求仕様を得る(S61)。営業担当者は、その仕様を持ち帰り、設計担当者に実現可能か否かの検討を依頼する。設計担当者は、ロボットのアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法と周辺装置の形状からレイアウト設計(S62)により干渉チェックを実施する。
【0003】
このレイアウト設計法として、例えば特開2000−24970号公報(特許文献1)には、図5に示すロボットシミュレーション装置が記載されている。
図5において、611はプログラム変換部、612は記憶部、613は入力部、614は出力部、615は演算・制御部である。以上の構成において、プログラム変換部611はロボット用プログラム記述言語をシミュレーション用プログラムに変換し、記憶部612は標準ロボットやハンド(先端ツール)や周辺装置の3次元形状を記憶し、入力部613はロボットモデルへプログラムを入力し、出力部614はモデルの動作を出力し、演算・制御部615はロボットモデルの配置、教示点の設定、シミュレーションを実行する。上記の装置により、ロボットの先端ツールを含めたレイアウト設計ができるようになっている。しかし、この作業では、約1週間を要することが予想される。
【0004】
図4に戻って、次には、ロボットを動作させるアクチュエータや駆動系の設計を行い、スループット時間(サイクルタイム)を算出する(S63)。
この手法として、例えば川崎重工技報88号(1995−4)pp.128−134(非特許文献1)には、図6に示すロボットシミュレータが記載されている。
図6において、701はシミュレータ部、702は対象作成部、ポスト部、ロボット定義部である。以上の構成において、シミュレータ部701はデータ解析や教示データを作成し、対象作成部702はワークの形状を定義し、ポスト部703は教示データやサイクルタイム計算結果を出力し、ロボット定義部704はロボット形状や先端ツール形状を定義する。上記のシミュレータにより、ロボット作業のサイクルタイムが算出できるようになっている。しかし、この作業にも約1週間を要することが予想される。
【0005】
これらの設計検討結果、客先要求仕様を満足すれば、詳細設計に移る。仕様を満たさない場合、仕様変更を提案し(S64,S65)、客先にその必要性を説明し、納得させる必要がある。客先が納得した場合は詳細設計に移る(S66,S67)。その打合せで改めて、仕様が変わると再度、レイアウト設計やアクチュエータ設計を繰り返す。詳細設計後に最終確認として客先と仕様確認を実施する(S68)。ここで両者の間に完成イメージのずれがあると設計は再びやり直しとなる。
このような一連のフローを繰り返し行うことによって、ロボットを設計する。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−24970号公報
【非特許文献1】
川崎重工技報88号(1995−4)pp.128−134
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のロボットシミュレーション装置においては、形状や動作パターンが決まっている産業用ロボットには有効であるが、ウェハ搬送用ロボットのように客先の要求仕様に応じて、ロボット形状をその都度変更したり、クリーンな環境を維持するため周辺装置の容積が小さく、そのクリーン環境の領域も客先の仕様で変わるため、ロボットを装置内に収納することが極めて困難である。
また、ウェハ搬送ロボットの客先との仕様決定は、文章や図面で行っている。その内容は、周辺装置との寸法の取り合い、ロボットのタイプ選定や動作仕様、スループット時間等の項目である。文章のやりとりでは、両者のイメージが一致せず、詳細図面完成後に変更が生じる場合があった。さらに、要求仕様に対して繰り返し検討するため、客先への返答に時間を要する問題がある。
そこで本発明の目的は、ロボットの設計技術を有さない者でも、簡単な操作でかつ短時間に、要求仕様に対する評価とロボットの簡易設計が客先で即座にできるロボットの設計支援装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明の第1の構成は、コンピュータにて、ロボットおよび周辺機器やワーク等の作業環境の3次元データを利用し、静的干渉チェック、動的干渉チェック、スループット時間より、前記ロボットのタイプとアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法、ロボットの配置と動作速度を決定するロボットの設計支援装置において、周辺機器やワーク等の3次元形状を生成、配置する手順S11、あらかじめ軸数やエンドエフェクタ数の異なった複数種類のロボットをロボットタイプテーブルに保有し、手順S11のデータを参照しながら、ロボットタイプを選択する手順S12、選択したロボットタイプにアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法を入力する手順S13によって構成される形状生成手順S1と、手順S13で生成されたロボットを手順S11で生成した周辺機器やワークの中に配置する手順S21、前記ロボットと周辺機器との静的干渉チェックを行う手順S22、静的干渉チェックの結果、干渉した場合、前記ロボットの配置を変更するか寸法を変更するかを選択する手順S23によって構成されるロボット配置決定手順S2と、手順S2で配置が決定したロボットに対して、教示点を入力する手順S31、教示点に従って逆運動学を計算する手順S32、その結果ロボットのエンドエフェクタが教示点に到達しない場合、ロボットの形状寸法変更かロボットのタイプ変更かを選択する手順S33、ロボットが教示点へ到達した場合、さらに周辺機器との動的な干渉チェックを行う手順S34、干渉した場合、教示軌跡を修正する手順S37か寸法の変更量を算出する手順S36かを選択する手順S35によって構成されるロボットの寸法決定手順S3と、手順S3で寸法が決定したロボットに対して、教示点間を移動する場合、指令に対して加減速を入力する手順S41、手順S41により生成された指令をもとに作業開始から終了までのスループットを計算する手順S42、スループット時間が要求仕様を満足するか否かチェックし、満足しない場合、変更すべき内容が教示軌跡か指令加減速かを選択する手順S43、教示軌跡を修正する手順S44によって構成されるロボットの動作速度決定手順S4とを実行する手段を設け、これによりロボットの形状および配置を自動的に決定するようにしたものである。
この第1の構成によれば、ロボットの設計技術を有さない者でも、簡単な操作でかつ短時間に、要求仕様に対する評価とロボットの簡易設計が客先で即座にできるロボットの設計支援装置が得られる。
【0009】
本発明の第2の構成は、ロボットタイプテーブルで分類されたデータの組合せの中に、あらかじめ、数種類のロボットタイプを構築しておき、そのロボットには関節の定義と関連性を付けたアームの寸法、動作範囲を有するようにしたことで、ロボットタイプの選択が容易になる。
【0010】
本発明の第3の構成は、手順S23において、ロボットと周辺装置との干渉部分の体積が、ロボットの体積に対して、あらかじめ設定した割合以下の場合、ロボットの配置変更が自動的に選択され、それ以外の場合、ロボットの寸法変更が自動的に選択されるようにしたことで、ロボットと周辺装置との干渉のない設計を行うことができる。
【0011】
本発明の第4の構成は、手順S31の教示点の入力の際に、ウェハ中心のX値、Y値、Z値の座標を入力するか、もしくはコンピュータ上に生成された3次元形状の頂点や中心点をマウスでピックして入力するようにしたことで、教示点の入力が容易になる。
【0012】
本発明の第5の構成は、手順S33の、ロボット寸法変更かロボットタイプ変更かの選択の際に、最初にロボットの寸法変更が自動的に選択され、手順S1に戻り、このループを全ての軸数分変更後、それでもロボットが教示点に到達しない場合、自動的にロボットタイプの変更ルーチンに進むようにしたことで、選択の優先順位を迷うことなく選択が可能となる。
【0013】
本発明の第6の構成は、手順S36のロボット寸法変更量計算の際に、ロボットの配置される位置から最も遠い教示点までの距離L1をリンクの数で除した長さL2を算出し、ロボットの配置される位置から障害物までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内で前記ロボットのアーム長さを定めたうえで、ロボットの形状を算出することで、ロボットの移動範囲を考慮した設計が可能となる。
【0014】
本発明の第7の構成は、手順S37の教示軌跡修正の際に、干渉した教示点間に新たな教示点を設けるか、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更することで、干渉のない教示軌跡修正が可能となる。
【0015】
本発明の第8の構成は、手順S44の教示軌跡修正の際に、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更するか、教示点を追加あるいは削除することで、教示軌跡修正を容易に行うことが可能となる。
【0016】
本発明の第9の構成は、手順S43において、ロボットのスループット時間が要求仕様を満たさない場合、教示軌跡の修正あるいは指令加減速入力を選択するようにしたことで、要求を満たすための方策の選択が可能となる。
【0017】
本発明の第10の構成は、手順S34において、ロボットがウェハを搭載する場合と搭載しない場合に分け、搭載する場合にはウェハをロボット形状の一部分と仮定してウェハの動的干渉をチェックすることで、ロボットの用途に応じた設計が可能となる。
【0018】
本発明の第11の構成は、手順S1〜S4を実行することにより仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメント、質量や関節剛性などの特性をロボットタイプテーブルに入力することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を出力することができるようにしたことで、ロボットの性能を評価することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態のロボットの設計支援装置を表す説明図、図2はロボット寸法変更量計算方法を示す説明図、図3は本発明による仕様決定、試作開始までのフロー図である。
本設計支援装置は、図1に示すように、形状生成手順S1、ロボット配置決定手順S2、ロボット設計手順S3、動作速度決定手順S4を実行する手段、およびロボットタイプテーブル12からなる。
【0020】
形状生成手順S1は、周辺装置の3Dモデル作成する手順S11、ロボットタイプを選択する手順S12、ロボットの寸法を入力する手順S13からなる。
周辺装置の3Dモデル生成手順S11では、円柱、ブロック、球、コーンなどプリミティブな形状に寸法を与え、3D形状を生成する。また、これらプリミテゥブ形状を組み合わせて、1個の周辺装置とする。あるいは、他の3次元CADで作成した形状データを取込むことにより、あるいは、あらかじめ周辺装置の3D形状をテーブルとして選択することにより、形状を生成してもよい。
ロボット選択手順S12では、仕様であるロボット作業の種類に合致したロボットをロボットタイプテーブル12から選択する。また、ロボット軸数の多い順に選択する。あるいは、動作範囲の大きい順、エンドエフェクタの多い順にロボットタイプテーブル12から選択してもよい。
【0021】
ロボットタイプテーブル12には、あらかじめ軸数やエンドエフェクタ数の異なった複数種類のロボットをロボットタイプテーブル12に分類し登録する。ロボットタイプテーブル12には、複数種類のロボットタイプ12α、12β…のデータが分類され、各ロボットタイプには、ロボットのリンク情報・リンクの形状・質量・重心位置・慣性モーメントなどの形状情報やロボット各関節の動作範囲、ロボットのエンドエフェクタの位置および向き、得意とする作業の種類などが定義されている。
ロボット選択後、ロボット寸法入力手順S13に進む。ここでは、ロボットアームの長さ、幅、厚み等を入力する。入力にあたり、ロボット選択時に設定されている初期値を用いこともできる。入力された寸法を用いて、パラメトリックなロボットの形状を生成する。
【0022】
ロボット寸法入力手順S13の実行後、ロボット配置決定手順S2に進む。ここでは、ロボットの配置手順S21と静的干渉チェック手順S22からなる。
ロボットの配置手順S21では、所定高さの水平面内で各周辺装置とのロボットの位置が最短となるようにロボットを設置する。上記所定高さは周辺装置床面やウェハが移動する高さでもよい。
静的干渉チェック手順S22では、周辺装置とロボットとの静的干渉を計算し、さらに干渉部分の体積とロボット配置位置からの干渉部分の最短点と最遠点を計算させる。干渉しない場合は、次のロボット寸法決定手順S3へ進み、干渉する場合は選択手順S23へ進む。
手順23では、干渉した部分の体積がロボットの体積に対してあらかじめ設定した割合以下の場合、自動的にロボットの設計変更を選択し、それ以外の場合、ロボットの形状変更を選択する。
手順23で選択後、ロボット寸法手順S21、または、ロボット配置手順S22に進み、静的干渉が無くなるまで、繰り返す。
【0023】
次のロボット寸法決定手順S3は、ロボットの動作位置を決める教示点入力手順S31、教示点からロボットの動作位置(関節位置)を算出する逆運動学計算手順S32、動作時の干渉を調べる動的干渉チェック手順S34からなる。
手順S31では、ウェハ中心のX座標値、Y座標値、Z座標値を入力するか、もしくは、生成された周辺装置の3次元形状の頂点や中心点をマウスでピック(選択)することにより入力する。あるいは教示点の位置と姿勢角を直接与えることにより定義する。
ここで、上記教示点に対して、ロボットが到達できるかをロボットタイプテーブル12に記載された動作範囲内で到達できるかを計算し、到達する場合は動的干渉チェック手順S34に進み、到達しない場合は選択手順S33に進む。
【0024】
手順33では、最初にロボット寸法変更が自動的に選択され、手順S13に戻り、ロボットの全ての軸について寸法を変更し、教示点に到達するかを調べる。教示点に到達しない場合はロボットタイプの変更を行うため手順S12に戻る。
教示点に到達した場合は、動的干渉チェック手順S34に進む。ここでは、手順S32で算出されたロボットのセグメント時間ごとの関節位置にロボットを動作させ、周辺装置との動的干渉を調べる。
干渉しない場合は、動作速度決定手順S4に進み、干渉する場合は選択手順S35に進む。
手順S35では、最初に教示軌跡変更手順S37を自動的に選定し、所定回数このループを繰り返す。それでも干渉する場合は、寸法変更量計算手順S36に進む。
【0025】
手順S36では、図2に示すように配置されたロボット1の位置P1から最も遠い教示点P2までの距離L1をリンク2,3の数で除した長さL2を算出し、ロボット1の配置される位置P1と障害物5までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内でロボット1のアーム長さ(ロボット配置点P1からエンドエフェクタ4までの長さ)を定める。この値を手順S13の入力値として用いる。
手順37では、教示軌跡の修正を行う。干渉した経路を構成する両端の教示点を修正する。または、その両教示点間に新たな教示点を設ける。あるいは、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更してもよい。
手順S32に戻り、修正された修正された教示点を用いて、手順S34を実施する。
【0026】
動作速度決定手順S4は、指令加減速入力手順S41、スループット計算手順S42からなる。要求仕様を満たすどうかの判定を行い、満たさない場合は、選択手順S43に進む。
手順S43では、自動的に指令加減速変更が選択され、スループット時間がオーバする場合は、例えば、加減速度を10%アップした値が手順S41に設定され、手順S42にてスループット時間が再計算される。上記指令加減速変更を、例えば10回、あるいは、ロボットの最大加減速度の2倍になるまで繰り返しても、要求仕様を満足しない場合は、選択手順S43にて教示軌跡修正手順S44が自動的に選択される。以降、前記手順S37と同様な手順を繰り返す。
【0027】
図3は、以上の手順を実行することにより決定された仕様に基づいて試作を行う手順を示すフロー図である。
図3において、営業担当者は客先と周辺装置のサイズ、配置やロボットの作業範囲、動作パターン、及びスループット等の要求仕様の打合せを行う(S51)。営業担当者は、ノートパソコン等にインストールされて構成された本発明の設計支援装置10を用いて要求仕様を入力し、簡易設計を行う(S52)。その最終仕様をディスプレイに表示することで客に提示し、イメージが一致しているかどうか確認する(S53)。客が抱いているイメージと異なる場合は再度使用について打ち合わせる(S51)。
【0028】
客がその簡易設計を了承したときは、営業担当者は設計担当者にその設計支援装置10を手渡すか、データを渡し、設計担当者はレイアウト設計、図面作成を行う(S54)。引き続いてアクチュエータ設計、スループット時間算出を行い(S55)、詳細設計、詳細図面作成を行って試作に入る(S56)。
前記手順S1〜S4までを実行することで仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメントや質量、関節の剛性等の特性をロボットタイプテーブル12に入力し、アームを駆動するアクチュエータの慣性モーメント等機械特性およびPI、PID等の制御方法を設定することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を自動的に算出する。
【0029】
【発明の効果】
本発明の第1の構成によれば、上記の形状生成手順、ロボット配置決定手順、ロボット寸法決定手順および動作速度決定手順を繰り返し行うことにより、客先の要求仕様を満足するロボットの形状寸法・配置および動作速度が自動的に決定されるので、ロボット設計の経験の少ない者でも、簡単な操作かつ短時間で、簡易的にロボットを設計し、その要求仕様を検討することができる。また、営業担当者が実施する客先との仕様打合せにて、その場で最終仕様の確認が可能となる。ロボットの寸法、配置、動作速度を決定することで、この後に続く設計では設計変更への戻りがゼロとなり、開発期間の大幅短縮が可能となる。
【0030】
本発明の第2の構成によれば、ロボットタイプテーブルで分類されたデータの組合せの中に、あらかじめ、数種類のロボットタイプを構築しておき、そのロボットには関節の定義と関連性を付けたアームの寸法、動作範囲を有するようにしたことで、ロボットタイプを容易に選択することができる。
【0031】
本発明の第3の構成によれば、手順S23において、ロボットと周辺装置との干渉部分の体積が、ロボットの体積に対して、あらかじめ設定した割合以下の場合、ロボットの配置変更が自動的に選択され、それ以外の場合、ロボットの寸法変更が自動的に選択されるようにしたことで、ロボットと周辺装置との干渉のない設計を行うことができる。
【0032】
本発明の第4の構成によれば、手順S31の教示点の入力の際に、ウェハ中心のX値、Y値、Z値の座標を入力するか、もしくはコンピュータ上に生成された3次元形状の頂点や中心点をマウスでピックして入力するようにしたことで、教示点の入力を容易に行うことができる。
【0033】
本発明の第5の構成によれば、手順S33の、ロボット寸法変更かロボットタイプ変更かの選択の際に、最初にロボットの寸法変更が自動的に選択され、手順S1に戻り、このループを全ての軸数分変更後、それでもロボットが教示点に到達しない場合、自動的にロボットタイプの変更ルーチンに進むようにしたことで、選択の優先順位を迷うことなく選択することができる。
【0034】
本発明の第6の構成によれば、手順S36のロボット寸法変更量計算の際に、ロボットの配置される位置から最も遠い教示点までの距離L1をリンクの数で除した長さL2を算出し、ロボットの配置される位置から障害物までの最短距離L3を算出し、L2からL3までの範囲内で前記ロボットのアーム長さを定めたうえで、ロボットの形状を算出することで、ロボットの移動範囲を考慮した設計を行うことができる。
【0035】
本発明の第7の構成によれば、手順S37の教示軌跡修正の際に、干渉した教示点間に新たな教示点を設けるか、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更することで、干渉のない教示軌跡修正を行うことができる。
【0036】
本発明の第8の構成によれば、手順S44の教示軌跡修正の際に、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更するか、教示点を追加あるいは削除することで、教示軌跡修正を容易に行うことができる。
【0037】
本発明の第9の構成によれば、手順S43において、ロボットのスループット時間が要求仕様を満たさない場合、教示軌跡の修正あるいは指令加減速入力を選択するようにしたことで、要求を満たすための方策の選択ができる。
【0038】
本発明の第10の構成によれば、手順S34において、ロボットがウェハを搭載する場合と搭載しない場合に分け、搭載する場合にはウェハをロボット形状の一部分と仮定してウェハの動的干渉をチェックすることで、ロボットの用途に応じた設計を行うことができる。
【0039】
本発明の第11の構成によれば、手順S1〜S4を実行することにより仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメント、質量や関節剛性などの特性をロボットタイプテーブルに入力することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を出力することができるようにしたことで、ロボットの性能を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロボット設計支援装置を示す説明図である。
【図2】本実施の形態におけるロボット寸法変更量計算方法を示す説明図である。
【図3】本発明による仕様決定・試作開始までのフロー図である。
【図4】従来の仕様決定・試作開始までのフロー図である。
【図5】従来のロボットシミュレーション装置である。
【図6】従来のロボットシミュレータである。
【符号の説明】
1 ロボット
2,3 リンク
4 エンドエフェクタ
10 ロボット設計支援装置
12 ロボットタイプテーブル
12α,12β ロボットタイプ
Claims (11)
- コンピュータにて、ロボットおよび周辺機器やワーク等の作業環境の3次元データを利用し、静的干渉チェック、動的干渉チェック、スループット時間より、前記ロボットのタイプとアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法、ロボットの配置と動作速度を決定するロボットの設計支援装置において、
周辺機器やワーク等の3次元形状を生成、配置する手順S11、
あらかじめ軸数やエンドエフェクタ数の異なった複数種類のロボットをロボットタイプテーブルに保有し、手順S11のデータを参照しながら、ロボットタイプを選択する手順S12、
選択したロボットタイプにアーム長さ・高さ・幅などの形状寸法を入力する手順S13
によって構成される形状生成手順S1と、
手順S13で生成されたロボットを手順S11で生成した周辺機器やワークの中に配置する手順S21、
前記ロボットと周辺機器との静的干渉チェックを行う手順S22、
静的干渉チェックの結果、干渉した場合、前記ロボットの配置を変更するか寸法を変更するかを選択する手順S23
によって構成されるロボット配置決定手順S2と、
手順S2で配置が決定したロボットに対して、教示点を入力する手順S31、
教示点に従って逆運動学を計算する手順S32、
その結果ロボットのエンドエフェクタが教示点に到達しない場合、ロボットの形状寸法変更かロボットのタイプ変更かを選択する手順S33、
ロボットが教示点へ到達した場合、さらに周辺機器との動的な干渉チェックを行う手順S34、
干渉した場合、教示軌跡を修正する手順S37か寸法の変更量を算出する手順S36かを選択する手順S35
によって構成されるロボットの寸法決定手順S3と、
手順S3で寸法が決定したロボットに対して、教示点間を移動する場合、指令に対して加減速を入力する手順S41、
手順S41により生成された指令をもとに作業開始から終了までのスループットを計算する手順S42、
スループット時間が要求仕様を満足するか否かチェックし、満足しない場合、変更すべき内容が教示軌跡か指令加減速かを選択する手順S43、
教示軌跡を修正する手順S44
によって構成されるロボットの動作速度決定手順S4と
を実行する手段を設け、これによりロボットの形状および配置を自動的に決定するようにしたことを特徴とするロボットの設計支援装置。 - 前記ロボットタイプテーブルで分類されたデータの組合せの中に、あらかじめ数種類のロボットタイプを構築しておき、そのロボットには関節の定義と関連性を付けたアームの寸法、動作範囲を有することを特徴とする請求項1に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S23において、前記ロボットと周辺装置との干渉部分の体積が、ロボットの体積に対して、あらかじめ設定した割合以下の場合、ロボットの配置変更を自動的に選択し、それ以外の場合、ロボットの寸法変更を自動的に選択することを特徴とする請求項1または2に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S31の教示点の入力では、ウェハ中心のX値、Y値、Z値の座標を入力するか、もしくはコンピュータ上に生成された3次元形状の頂点や中心点をマウスでピックして入力することを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S33の、ロボット寸法変更かロボットタイプ変更かの選択の際に、最初にロボットの寸法変更を自動的に選択して手順S1に戻り、このループを全ての軸数分変更後、それでもロボットが教示点に到達しない場合、自動的にロボットタイプの変更ルーチンに進むことを特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S36のロボット寸法変更量計算の際に、前記ロボットの配置される位置から最も遠い教示点までの距離L1をリンクの数で除した長さL2を算出し、前記ロボットの配置される位置から障害物までの最短距離L3を算出し、前記L2からL3までの範囲内で前記ロボットのアーム長さを定めたうえで、前記ロボットの形状を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S37の教示軌跡修正の際に、干渉した教示点間に新たな教示点を設けるか、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更することを特徴とする請求項1から6のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S44の教示軌跡修正の際に、ロボット動作を初期の動作方式とは異なる関節動作あるいは直線動作に変更するか、教示点を追加あるいは削除することを特徴とする請求項1から7のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S43において、ロボットのスループット時間が要求仕様を満たさない場合、教示軌跡の修正あるいは指令加減速入力を選択することを特徴とする請求項1から8のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S34において、ロボットがウェハを搭載する場合と搭載しない場合に分け、搭載する場合にはウェハをロボット形状の一部分と仮定してウェハの動的干渉をチェックすることを特徴とする請求項1から9のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
- 前記手順S1〜S4を実行することにより仕様を決定したロボットに対して、アームの慣性モーメント、質量や関節剛性などの特性をロボットタイプテーブルに入力することによって、動力学シミュレーションから軌跡ずれや振動応答を出力する機能を備えたことを特徴とする請求項1から10のいずれかの項に記載のロボットの設計支援装置。
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