JP2004129761A - 医療用酸素濃縮装置 - Google Patents

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Kazukiyo Takano
高野 和潔
Motoji Yasugi
矢杉 元二
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Abstract

【課題】ガス流量設定器で製品ガスの流量を変更した場合において、流量をある特定流量値未満に設定した場合でもその酸素濃度が該特定流量値の酸素濃度よりも低下しないようにする。
【解決手段】
製品ガスの供給路に、使用に供するガスの流量を制御する工程と余剰ガスを廃棄する工程とを有し、ガス流量制御工程において製品ガスの量がある特定流量値未満になる場合に、ガス濃度が低下しないように廃棄ガスの量を制御する工程を備えると共に、製品ガスの流量設定器がガス供給路の途中に付設した細孔選択手段である円盤6であり、取出しガス流量がある特定流量値未満になる場合に、この特定流量値と取出しする製品ガスの流量値との差分を廃棄するよう構成し、これら二つの細孔郡を円盤6にそれぞれ相互に対応して配置し、この細孔選択手段により取出しする製品ガスの流量を選択するだけで自動的に余剰ガスの流量も選択される構成とする。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力変動吸着法(PSA法ともいう)により空気から窒素ガスを分離除去して酸素ガスを濃縮して医療用等に使用する酸素濃縮装置のガス濃度の安定化に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公 平7−4499号公報
この特許文献1に記載の第1図 (フロー図)に関して、同文献の実施例の欄に、「バッファタンク13より配管14を通して製品ガスとして酸素富加ガスが得られる。」との圧力変動吸着方式による気体分離装置についての開示はあるものの、同文献の明細書や図面のどこにも、本発明の濃度の安定化に係る廃棄ガスを制御する工程の細孔B 28を有する流量設定器44に関する開示や示唆の記載は無い。
【0003】
【特許文献2】
特開 平11−246201号公報
この特許文献2に記載の図1におけるサージタンク2の出口から加湿器7の酸素濃縮空気の入口に至る配管の途中に、電磁弁 → 流量調整弁 → バクテリヤフィルターを付設した構成の開示はあるものの、同文献の明細書や図面のどこにも、本発明の濃度安定化に係る廃棄ガスを制御する工程の細孔B 28を有する流量設定器44に関する開示や示唆の記載は無い。
【0004】
自然界の平地における空気の組成は、次の表1に示す4種類のガスでそのほとんどを占めている。
但し、極めて微量なガス(例えば水素ガスやヘリュウムガス)を除く。
【表1】
Figure 2004129761
即ち、窒素ガス78.0%,酸素ガス20.8%,アルゴンガス0.9%,炭酸ガス0.3% (いずれも容量比%、以下同じ)である。これらのガスの他に、水分が水蒸気の形で加わる。
この空気を原料として、吸着材として合成ゼオライト等を用いる圧力変動吸着法によるガス濃縮が行われ、酸素ガス濃度を90%以上に濃縮し、製品ガスとして酸素療法用に使用する。
【0005】
この装置により得られる酸素濃縮ガスの最も高い酸素濃度は95.68%であり、そのときの残りのほとんどがアルゴンガスである。酸素ガスの取出し量を装置能力を超えて増やして行くと、窒素ガスが若干含まれるようになり酸素濃度が下がってくる。
これは、取出し量の増加とともに窒素ガスの濃度が高くなってくることによる。
反対に酸素ガスの取出し量を少なくしてゆくと95%前後の安定した濃度の後、ある特定流量値未満に下げると酸素濃度が低下してくる。図3にその一例の様子を示す。この例の場合、装置の酸素発生能力が3リットル/分であり、取出し量が増えて3.5リットル/分では酸素濃度は、87%であり、4.0リットル/分では70%であった。また減じていった場合、1リットル/分(特定流量値)を境に酸素濃度が下がってゆき、0.5リットル/分では88.2%であり、0.25リットル/分では85.0%であった。
特定流量値とは、吸着剤の特性と装置容量等により定まるもので、その流量値未満にガス流量を絞っていった場合に、酸素濃縮ガスの酸素濃度が低下するという現象が生ずる境界点の流量をいう。例えば本実施例の場合1.0リットル/分である。
【0006】
医療用酸素濃縮装置として使用する場合に、装置性能を超えて使用した場合は、酸素濃度が下がってもやむをえないが、性能の範囲内で使用量が少ないときに、その濃度が下がることは患者に必要な酸素ガスを供給できないことになる。
患者が吸入する(使用する)ガス流量は医師の処方により決められるものである。
酸素濃縮装置の流量設定手段を大別すると次の二種類のものがある。
【0007】
▲1▼ ニードル式絞り弁とフロート式ガス流量計を組合わせたもの。(多くの場合は、この絞り弁とガス流量計とは一体構造の物として提供される)
▲2▼ 予め設計値に基づいて加工されたそれぞれ面積の異なる複数個の細孔(オリフィスともいう)を有する細孔選択手段の一つである円盤の各細孔を適宜選択して所望のガス流量が得られるように設定する。
【0008】
昭和60年3月から医師の処方によって自宅で医療用酸素濃縮装置を用いて行なう在宅酸素吸入療法に健康保険が適用されるようになり、該医療用酸素濃縮装置の普及が飛躍的に多くなった。
昭和60年頃から平成5年頃までの装置のガス流量設定手段は、前者のニードル式絞り弁のものが主流であった。この方式のものは任意のガス流量値に設定できるという利点があるものの、医師の処方値は任意なガス流量値(例えば0.67リットル/分)を指示することは殆ど無く、例えば0.25リットル/分、又は0.5リットル/分、あるいは1.5リットル/分といった区切りのある流量値が処方値として指示される。
【0009】
このようなガス流量値に設定するためにはニードル弁のツマミを回してガス流量を設定するよりも、予め設定されたガス流量に一挙動で変更でき、しかも同時にそのガス流量値も表示できるいわゆる「ワンタッチ・デジタル表示式」のガス流量設定手段が提供されるようになり、平成5年頃から現時点に至るまでこの後者のものが主流となっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
医療用酸素濃縮装置のガス流量設定手段を操作して取出しガス流量を変更した場合に、該取出しガス流量をある特定流量値未満に設定した場合に、その酸素濃縮ガスの酸素濃度が低下する。(図3参照)
本発明は、その特定流量値未満に使用流量を設定した場合でも、実質的に高い酸素濃度を維持するようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記のような課題を解決すめために、本発明は次のようにするものである。
圧力変動吸着法により空気から酸素ガスを濃縮して製品ガスとして使用に供する方法において、該製品ガスの供給路にガスの流量を制御する工程と、ガスを廃棄する工程とを有し、ガス流量制御工程において製品ガスとして使用するガスの量が、ある特定流量値未満になる場合にもガス濃度が低下しないように廃棄するガスの量を制御する工程を備えた酸素濃縮方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、製品ガスとして使用されるガスの量と廃棄されるガスの量は、ガス供給路に配置される円盤に設けた細孔を選択し、その面積で制御するガス流量制御工程を有するような方法にするのが好ましい。
また、本発明は、製品ガスの量が、ある特定流量値未満の時は細孔の関係が製品ガス用細孔と廃棄ガス用細孔の面積の和が前記の特定流量値を流す細孔の面積と実質的に同じ関係にあるガス流量制御工程を有するような方法にするのが好ましい。
【0013】
更に、本発明は次のようにもする。
圧力変動吸着法により空気から酸素ガスを濃縮して製品ガスとして使用に供する装置において、濃縮した製品ガスの圧力調整弁と該装置の製品ガス吐出口までのガス供給路に配置する複数の細孔の中よりある細孔を選択し、その細孔の面積によって製品ガスとして使用するガス流量を設定する手段を有しており、その選択した流量がある特定流量値未満になる場合、該細孔の選択と同時に選択される別の細孔により、前記の特定流量値と使用に供する製品ガス流量の差分を廃棄ガスとして前記のガス供給路の系外に放出するようにした医療用酸素濃縮装置を構成する。
【0014】
また、本発明は、圧力変動吸着法により空気から酸素を濃縮して、バッファータンクに貯留し、該バッファータンクに貯留した製品ガスをガス供給路を介して製品ガス吐出口より導出して使用に供する酸素濃縮装置において、該ガス供給路に設けられ、該バッファータンクに貯留した製品ガスの圧力を調整するための圧力調整弁と、該圧力調整弁の下流側のガス供給路に設けられ、製品ガス吐出口に導く製品ガスの流量及び製品ガスのうち廃棄するガスの流量を制御する流量設定器と、該流量設定器の下流側のガス供給路に設けられ、製品ガス吐出口に送る製品ガスに水分を与える加湿器とを備えると共に、前記流量設定器には、製品ガスとして使用に供されるガスの量がある特定流量値よりも少なくなる様に設定された場合、製品ガスの濃度が低下しないように廃棄するガスの量を制御する制御手段を有し、この廃棄するガスは該ガス供給路の系外に放出されることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記制御手段は製品ガスを使用に供する製品ガス吐出口へ導くための第1の細孔群と、製品ガスを廃棄するための出口に導く第2の細孔群とを有する板状部材を備え、該ガス供給路における第1の細孔群と第2の細孔群との組合わせ関係を変更することにより、廃棄するガスの量を制御することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
自然界の平地における空気の組成のうち主要なものは、前述のように窒素ガス78.0%,酸素ガス20.8%,アルゴンガス0.9%,炭酸ガス0.3%であり、これらのガスの他に水分が水蒸気の形で加わる。
一般に、医療用酸素濃縮装置の取出しガス流量の最大流量値は、3リットル/分のものが多い。なかには、重篤患者の需要に応えるために5リットル/分のものもある。
PSA方式の医療用酸素濃縮装置において、装置の酸素濃縮能力を越えて取出す流量を増やすと酸素濃度が低下してくる。本実施例の場合では、取出しガス流量が3.0リットル/分以上になると、窒素ガスが若干含まれてくるので、酸素濃度も若干低下し、取出し酸素ガスが多くなる程、酸素濃度は低下する。(図3参照)
【0017】
そして前記の製品ガスの取出しガス流量を2.0リットル/分に設定した場合の該製品ガスの組成は、表1に示すように酸素ガスの濃度が95.68%であった。これは、窒素ガスや炭酸ガスは吸着剤にほぼ完全に吸着されるが、酸素ガスと同様に吸着剤に殆ど吸着しないアルゴンガスはそのまま製品ガスの方に含まれる。
従って、PSA式気体分離による酸素濃縮装置においては、大気中の20.8%の酸素ガスは4.6倍の95.68%に濃縮されるが、吸着しない0.9%のアルゴンガスも同様に4.6倍の4.14%に濃縮されるので、窒素ガスや炭酸ガスを如何に完全に吸着除去しても100%の酸素ガスは得られないことになる。
一方、前記の製品ガスの取出しガス流量を、同じく前記のある特定流量値未満に設定した場合において酸素濃度が低下することが判った。本実施例の場合、取出しガス流量を1.0リットル/分に設定した場合の酸素濃度は93.6%であったが、取出し流量を0.5リットル/分では89.2%であり,同じく0.25リットル/分では85.0%になることが判った。この点について鋭意研究した結果本発明をするに至ったものである。
【0018】
【実施例】
一般に、吸着剤(例えばゼオライト)を充填した吸着筒の入口端から空気を加圧供給して行く吸着工程では、該吸着剤に水分が最も良く吸着し、次いで窒素ガスと炭酸ガスが良く吸着するので、吸着しにくい(いわゆる難吸着性ガス)酸素ガスとアルゴンガスが濃縮されて前記の吸着筒の他端の出口から製品ガスとして取出される。そして吸着剤に酸素ガスも極僅かに吸着するが、アルゴンガスはほとんど吸着しないので、この両者の吸着性の違いが前記の製品ガスの取出し流量をある特定流量値未満に絞っていった場合に、該製品ガスに含まれる両ガスの濃度値の変化として表れる。 即ち、取出しガス流量を絞ってゆくと上記理由により、製品ガス中に含まれるアルゴンガスの濃度が高くなるために製品ガスの酸素濃度が下がることが判った。
【0019】
取出し製品ガスが特定流量値未満になると、その製品ガス中のアルゴンガスの濃度が高くなるので前記の特定流量値未満では、該製品ガスを分流してその一部を余剰ガスとしてガス供給路の系外に廃棄して酸素濃縮過程で得られる製品ガスの流量を一定値とすることで該製品ガスの酸素濃度を高い値に維持しようとするものである。
【0020】
以下、図を参照して本発明の1実施例を説明するが、これは説明のためのものであって、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
図5に、圧力変動吸着法による医療用酸素濃縮装置のフロー図を示す。
吸着剤を充填した2本の吸着筒36,37、製品ガスを貯留するバッファータンク42、コンプレッサー32、2個の三方電磁弁34,35、吸入フィルター30を配管で接続して構成する。なお、この図5では煩雑になるので電源部や配線類の図示は省略した
吸入フィルター30より外気をコンプレッサー32に取り込み圧縮空気として三方電磁弁34,35を介して吸着筒36,37に交互に送り込む、これらの吸着筒には吸着剤として水分、炭酸ガス、窒素ガスをよく吸着するゼオライトがそれぞれ吸着筒内に吸着剤38,39として充填されており、水分、炭酸ガス、窒素ガスが吸着除去され他端より酸素ガスが濃縮されて出てくる。これを流量制限器40,41を介してバッファータンク42に貯留する。(吸着工程)
【0021】
いま三方電磁弁34により圧縮空気を吸着筒36に送り込み酸素ガスを濃縮しているとした場合、吸着剤38が窒素ガスの吸着等で飽和する前に三方電磁弁34を切替えて圧縮空気を三方電磁弁35から吸着筒37におくる。三方電磁弁34は吸着筒36とサイレンサー48が接続する方向に切り替わり、吸着筒の圧力を大気圧まで減圧して吸着筒36内の吸着剤38が吸着している水分、炭酸ガス、窒素ガスを脱着し大気中にサイレンサー48から放出する。このことにより吸着剤の吸着能力が再生し、繰り返し使用が可能となる。(再生工程)
【0022】
吸着筒37に送られた圧縮空気は、前と同じく酸素を濃縮し流量制限器41より取出し、バッファータンク42に貯留する。吸着筒37の吸着剤39が窒素ガス等で飽和する直前に三方電磁弁35を切替えて圧縮空気を再生工程の終わった吸着筒36に切替えて吸着工程を行なう。このように吸着工程と再生工程を繰返して連続して酸素を濃縮する。バッファータンク42に貯留した製品ガスは圧力調整弁43により圧力を一定に調圧した後、流量設定器44を介して加湿器45に接続して吸着工程で水分を除いて乾燥した製品ガスに患者の鼻腔内が乾燥しないために水分を与えて、装置外に導出する製品ガス吐出口46に接続し、患者に製品ガスとして酸素濃縮ガスを供給するガス供給路を形成する。
【0023】
吸着筒36,37に原料空気を加圧吸着、減圧脱着(再生)を繰り返しながら酸素濃縮ガスを得て、製品ガスとしてバッファータンク42に貯留する。PSA式の酸素濃縮装置にあっては、特許文献1の第6図にも記載があるように当然のことながらこのバッファタンク内の製品ガスの圧力も変動する。バッファタンク内の圧力が変動すると流量設定器44で設定する流量も変動するので、該流量設定器44の上流側に圧力調整弁43を付設して製品ガスの圧力を一定にした後に該製品ガスを流量設定器44に供給することが好ましい。また、加湿器45は、流量設定器44の上流側に付設すると、結露条件によっては、円盤6の細孔群に結露水が付着して所望のガス流量値に設定できないこともあり、また、廃棄するガスにも水分が含まれることになり、廃棄ガスの放出口部に不適切な濡れを生ずることとなるために該加湿器45は、流量設定器44の下流側に付設するのが好ましい。
【0024】
流量設定器44には並列に、製品ガスとして患者等の使用に供するガスの流量を制御する工程を具現化する細孔群(そのうちの一つを細孔A26として示す)と余剰ガスを廃棄する工程を具現化する細孔群(そのうちの一つを細孔B28として示す)がある。
【0025】
図1はガスの流量設定器44の模式的な断面図で説明用の図である。
この図において、製品ガスは、酸素濃縮ガス入口8から流量設定器44に入り、流量を設定する者(例えば患者)が、細孔を選択するための円盤6の中から細孔A 26を選ぶことにより、所望する取出しガス流量に設定する。その製品ガスは加湿器45を経由して装置本体の製品ガス吐出口46から導出され患者等に供給される。
【0026】
そして並列に接続される細孔B 28によって廃棄されるガスの流量が設定され、製品ガスの供給路の系外へ放出して廃棄される。患者等の使用に供する流量が少なく特定流量値未満に設定する場合についてのみこの余剰ガス廃棄工程が働くことになる。この工程は使用に供される流量が特定流量値より少ないときに、該特定流量値との差分の流量を流す細孔面積の細孔B28を廃棄ガスの流量として選ぶこととなる。使用に供される製品ガス量が特定流量値より多い場合は廃棄するガスは不要であり、その細孔は無い。
【0027】
図2に示すように細孔を選択するための円盤6は、円盤に前記二つの工程の流量を設定する細孔群が一定の角度で配置されている。使用に供される流量を設定する細孔群が同一半径に、廃棄するガスの流量を設定する細孔B28が別の半径の円周上にそれぞれあり、使用に供される流量と廃棄されるガスの流量はお互い一定の関係がある。そして相互に対応した細孔が同一角度に対になって配置されている。
その関係は酸素濃度の維持、即ち、アルゴンガスの濃度を増加させないように前記の特定流量値を保つため使用に供される流量を設定する細孔A26の面積と廃棄ガス流量を設定する細孔B28の面積の和は、前記の特定流量値を流す細孔の面積と実質的に同じとなるように構成する。
【0028】
オーリングA 16とオーリングB 18とは、細孔選択手段である円盤6と製品ガスや余剰ガスの流路との気密を保ちつつ、かつ、該円盤6の回転をスムースに行なうためのものである。
さらに、この細孔選択手段である円盤6の回転に伴ない製品ガスの所望する取出しガス流量に設定できるように所定の位置に椀形状のくぼみを設けた設定値固定盤22と直径約3mmの金属製ボールとスプリングを用いたノッチ機構23を設けたので、操作ツマミ24を回転することにより容易に目的とする所望のガス流量に固定できるような構成とした。
【0029】
前記の円盤6は、本実施例では厚さ0.5mm,直径40mmの金属製の円盤を用いた。
また、細孔A 26は、最小のものは直径0.18mm、最大のものは直径0.69mmである。(図2参照)図2の細孔は説明のために若干誇張した図になっている。
この細孔A 26によって設定するガス流量の最小値は、0.25リットル/分から順次0.5, 0.75, 1.0, 1.5, 2.0, 2.5, 3.0(何れもリットル/分)となる。
この場合、廃棄ガス流量を設定する細孔B28は、特定流量値である1リットル/分からの差分となるので、0.75,0.5,0.25リットル/分を流す断面積を有するものが細孔A26に対応した位置に配置されることになる。
【0030】
この細孔A 26を通過する亜音速(音速未満)で流れるガスの流量[リットル/秒]は、近似的に次式で求めることができる。
【数1】
Figure 2004129761
【0031】
但し、
Q:ガスの流量[リットル/秒]
S:細孔の有効断面積[平方ミリメートル]
PH↓:流入側の圧力[メガPa]
PL↓:流出側の圧力[メガPa]
T   :室温[K](273+t℃)
T0↓:基準状態の温度[273K]
本実施例では、この流入側の圧力は0.033メガPa,流出側の圧力は0.03メガPaとした。
【0032】
本実施例では細孔選択手段である円盤6は、金属製の円盤を用いたが、この例に限らずいろんな材質の板またはフィルム等を用いても良い。
また、その形状も円盤に限らず、平板のものをスライドさせるような構成としても良く、さらに、その平板状のものを円筒状に加工して回転できるように構成しても良く、本発明の作用効果に変わりはない。
【0033】
流量表示器20は、円盤6と連動して操作できるようにしたもので、所望するガス流量の細孔に対応した位置にそのガス流量を文字で表示できるようにした。例えば「0.5」,「1.0」等、そして、枠外の本体パネル側にそのガス流量の単位を表示した。例えば「L/分」。
この流量表示器20の文字は、装置の本体側からランプで照明するようにしたが、当該文字が蛍光色等で明示できればこの照明はなくても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、取出しガス流量を所定の流量値未満に設定した場合でも製品ガスの酸素濃度がほとんど低下しないと言う優れた作用効果がある。
また、取出しガスの流量を設定することにより、廃棄ガスの流量が自動的に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流量設定器44の1実施例を示す説明用の一部平面図を含む模式的な断面図である。
【図2】円盤6の1実施例の説明図である。
【図3】従来の技術による製品ガス流量対酸素濃度のグラフ図である。
【図4】本発明を実施した場合の製品ガス流量対酸素濃度のグラフ図である。
【図5】医療用酸素濃縮装置50のフロー図である。
【符号の説明】
2 流量設定器の本体構造物
4 シャフト
6 円盤
8 酸素濃縮ガス入口
10 製品ガス出口
12 余剰ガス出口
14 シャフト止め具
16 オーリングA
18 オーリングB
20 流量表示器
22 設定値固定盤
23 ノッチ機構
24 操作ツマミ
26 細孔A
28 細孔B
30 吸入フィルター
32 コンプレッサー
34,35 三方電磁弁
36,37 吸着筒
38,39 吸着剤
40,41 流量制限器
42 バッファータンク
43 圧力調整弁
44 流量設定器
45 加湿器
46 製品ガス吐出口
48 サイレンサー
50 医療用酸素濃縮装置

Claims (6)

  1. 圧力変動吸着法により空気から酸素ガスを濃縮して製品ガスとして使用に供する方法において、該製品ガスの供給路にガスの流量を制御する工程と、ガスを廃棄する工程とを有し、ガス流量制御工程において製品ガスとして使用するガスの量が、ある特定流量値未満になる場合にもガス濃度が低下しないように廃棄するガスの量を制御する工程を備えたことを特徴とする酸素濃縮方法。
  2. 製品ガスとして使用されるガスの量と廃棄されるガスの量は、ガス供給路に配置される円盤に設けた細孔を選択し、その面積で制御するガス流量制御工程を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 製品ガスの量が、ある特定流量値未満の時は細孔の関係が製品ガス用細孔と廃棄ガス用細孔との面積の和が前記の特定流量値を流す細孔の面積と実質的に同じ関係にあるガス流量制御工程を有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 圧力変動吸着法により空気から酸素ガスを濃縮して製品ガスとして使用に供する装置において、濃縮した製品ガスの圧力調整弁と該装置の製品ガス吐出口までのガス供給路に配置する複数の細孔の中よりある細孔を選択し、その細孔の面積によって製品ガスとして使用するガス流量を設定する手段を有しており、その選択した流量がある特定流量値未満になる場合、該細孔の選択と同時に選択される別の細孔により、前記の特定流量値と使用に供する製品ガス流量の差分を廃棄ガスとして前記のガス供給路の系外に放出するようにしたことを特徴とする医療用酸素濃縮装置。
  5. 圧力変動吸着法により空気から酸素を濃縮して、バッファータンクに貯留し、該バッファータンクに貯留した製品ガスをガス供給路を介して製品ガス吐出口より導出して使用に供する酸素濃縮装置において、該ガス供給路に設けられ、該バッファータンクに貯留した製品ガスの圧力を調整するための圧力調整弁と、該圧力調整弁の下流側のガス供給路に設けられ、製品ガス吐出口に導く製品ガスの流量及び製品ガスのうち廃棄するガスの流量を制御する流量設定器と、該流量設定器の下流側のガス供給路に設けられ、製品ガス吐出口に送る製品ガスに水分を与える加湿器とを備えると共に、前記流量設定器には、製品ガスとして使用に供されるガスの量がある特定流量値よりも少なくなる様に設定された場合、製品ガスの濃度が低下しないように廃棄するガスの量を制御する制御手段を有し、この廃棄するガスは該ガス供給路の系外に放出されることを特徴とする医療用酸素濃縮装置。
  6. 前記制御手段は製品ガスを使用に供する製品ガス吐出口へ導くための第1の細孔群と、製品ガスを廃棄するための出口に導く第2の細孔群とを有する板状部材を備え、該ガス供給路における第1の細孔群と第2の細孔群との組合わせ関係を変更することにより、廃棄するガスの量を制御することを特徴とする請求項5に記載の医療用酸素濃縮装置。
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