JP2004129972A - フリークライミング用人工壁のホールド及びホールド板、フリークライミング用人工壁 - Google Patents
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Abstract
【課題】自然の岩壁と同じ感触を持つフリークライミング用人工壁のホールド等を提供する。
【解決手段】フリークライミング用人工壁のホールド1は、玉石を切断して作製される。玉石の切断面P1が、人工壁に当たる当たり面3となる。ホールド1には、人工壁に取り付ける取付具の係合する貫通孔3が加工されている。このようにホールドを自然石石材で作製することにより、人工壁におけるフリークライミングであっても、自然壁と同じ感触を得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】フリークライミング用人工壁のホールド1は、玉石を切断して作製される。玉石の切断面P1が、人工壁に当たる当たり面3となる。ホールド1には、人工壁に取り付ける取付具の係合する貫通孔3が加工されている。このようにホールドを自然石石材で作製することにより、人工壁におけるフリークライミングであっても、自然壁と同じ感触を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリークライミング用の人工壁に取り付けられるホールド及びホールド板、それらを有するフリークライミング用人工壁に関する。特には、自然の岩壁におけるフリークライミングの雰囲気を楽しめるような改良を加えた人工壁用ホールド等に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリークライミングは、岩壁の凸部や凹部を手掛かり又は足掛かりとして、自己の握力や脚力で壁面を登るスポーツである。近年では、都市の屋外や屋内に人工のフリークライミング用の壁を設ける場合も多くなっている。フリークライミング用人工壁には、複数のホールドと呼ばれる取っ手がランダムに配置して固定されている。
【0003】
ホールドは一般に樹脂製で、様々な形状、大きさ、色のものが販売されている。そして、クライミングの難易度に合わせて、ホールド全体の厚さを変えたり、ホールドに形成された凹凸や穴の深さを変えて手や足の掛かりのバリエーションを持たせている。また、貝殻に似た形状としたり、特徴的な着色を施して、クライマーの趣向を増すように外観が考慮されている。
【0004】
このようなホールドは上述のように樹脂で作製されているものが多い。そして、鋭い角や出っ張りがないような形状に加工して指を痛めないようにしている。また、様々な自然の壁面に近い感触を持つように表面をざらざらに加工している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような樹脂製のホールドは、もともとは人工の樹脂であり、自然の岩壁の感触とは異なる。また、長年使用すると、表面のざらざらが滑らかになって滑りやすくなり、指や足が掛かりにくくなるため、交換の必要があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、自然の岩壁と同じ感触を持つフリークライミング用人工壁のホールド等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のフリークライミング用人工壁のホールドは、 フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなるホールドであって、 花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とする。
ホールドを自然石石材で作製することにより、人工壁におけるフリークライミングであっても、自然壁と同じ感触を得ることができる。自然石は長年使用して磨耗により磨り減っても、表面の自然のざらざら感は維持され、滑りを防止できる。
【0008】
本発明においては、 前記自然石石材が建築用壁貼材を切断したものとすれば、標準的な厚さ(一例で2、4、6cm)のものが市場で容易に入手できるため、製作が楽でコストも安い。
【0009】
本発明においては、 前記自然石石材として玉石を切断したものを用い、 前記当たり面を前記石材の切断面とすることも好ましい。玉石は、川原等で容易に採取できる。そして、比較的滑らかな曲面で囲まれた形状をしており、鋭い角や突起がない。また、様々な形状、大きさのものがあり、変化に富んだ形状のホールドを作製できる。
【0010】
本発明のホールド板は、 フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなる複数のホールドを有するホールド板であって、 花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とする。
手や足が直に当たる部分だけでなく、その周囲も自然石石材で作製することにより、より自然壁に近い感触を与えることができる。
【0011】
本発明のフリークライミング用人工壁は、 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、 前記ホールドの一部又は全てが上記に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが上記に記載のホールド板であることを特徴とする。
実際には、樹脂製の従来のホールドやホールド板と組み合わせて人工壁を構成する。これにより多様なクライミング感覚を楽しむことができて好ましい。
【0012】
本発明の他のフリークライミング用人工壁は、 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、 該人工壁の壁面が、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 該人工壁を所望の角度に傾斜させる角度調整手段を備え、 前記ホールドの一部又は全てが上記に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが上記に記載のホールド板であることを特徴とする。
【0013】
壁面及びホールドを自然石石材で作製することにより、クライマーが壁に取り付いた際に指や足が触れる部分が自然石であるため、自然の岩場にきわめて近い感覚を与えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する図であり、図1(A)はホールドの正面図、図1(B)、(C)は側面図である。
図2は、図1のホールドの加工前の玉石の斜視図である。
このホールド1は、図2の玉石10から作製される。玉石10を斜めに通る線A−Aで切断すると、二つの石片10´が得られる。この石片10´を後述のように加工してホールド1を作製する。このような玉石10は川原等に自然に転がっているものであり、適宜な形状や大きさのものを選択して採取すればよい。玉石10は、図2に示すように、サツマ芋状の略楕円体であり、表面が滑らかな湾曲面であり、適度な凹凸を有する。
【0015】
ホールド1は、玉石10を切断した石片10´から作製される。石片10´の切断面P1は、人工壁に当たる当たり面3となる。当たり面3は平面に加工されている。人工壁のホールドが取り付けられる取付部は平面となっており、この取付面にホールド1の当たり面3が面で接触する。また、人工壁の取付面には、取付具(ボルト)が螺合する貫通孔が開けられている。ホールド1には、当たり面3に対して直角方向(図の矢印で示す)に延びる貫通孔(取付部)5が開けられている。貫通孔5の最上部は、ボルトのヘッドが収まるように径大ザグリ部7となっている。この貫通孔5にボルトを係合させ、ボルトを人工壁の貫通孔に螺合させて、ホールド1を人工壁に取り付ける。
【0016】
なお、ホールド1に偏った力がかかったり、ボルトの締め付け力が緩いと、ホールド1がボルトを中心にして回転することがある。これに対して、ホールド1に、回り止め防止用のボルトを付けてもよい。または、ホールド1の当たり面3に樹脂を塗布し、その面に砂を吹き掛けてざらざらの面として摩擦による回り止めとしてもよい。
【0017】
このホールドの作製工程について説明する。
まず、図2に示す玉石10を、切断面A−Aに沿ってダイヤモンドディスクカッター等で切断して2つの石片10´を形成する。このときの切断面P1は平坦面であり、前述のように人工壁のホールド取付面に当たる当たり面3となる。そして、石片10´の適宜な位置にダイヤモンドドリル等で貫通孔5を開ける。
最後に、人工壁の適当な位置のホールド取付面にホールド1を配置して、ボルトで固定する。このとき、ホールド1の向きは、難易度に合わせて最も好ましい向きとなるように向ける。例えば、図1(B)に示すように、比較的出っ張った部分Aを下に向ければ、掛かりとなる部分は滑らかに下方に傾斜した面となる。この場合、指や足を掛けにくくなり、手でつかみにくいホールドとなる。また、図1(C)に示すように、図1(B)を上下さかさまにして出っ張った部分Aを上に向ければ、掛かりとなる部分は、比較的急激に上方に傾斜した面となる、この場合、指や足が掛かりやすくなり、手でつかみやすいホールドとなる。
【0018】
フリークライミング用人工壁の人工壁自身が合板等で作製されている場合でも、ホールドは自然の石材で作製することができる。このため、指先や足先が触れる部分は自然の石であり、自然の石や岩の感覚を得ることができる。なお、ホールド用の自然石としては、他に、花崗岩、安山岩、砂岩等を使用できる。
また、玉石は表面が比較的滑らかで手に優しいので、飛びついて手を掛けるような動作をする箇所にも取り付けることができる。また、樹脂に比べて硬いので、最も手や足が掛かる部分もつるつるになることはない。
【0019】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する斜視図である。
この例のホールド21は、花崗岩製の建築用壁貼材から作製されており、ほぼ直方角材状である。ホールド21の一面は人工壁へ当たる当たり面23である。そして、当たり面23に対して直角方向(図の矢印で示す)に延びるボルトの貫通孔25が開けられている。貫通孔25の上部はボルトのヘッドが収まるザグリ部27となっている。
【0020】
花崗岩製の建築用壁貼材の表面はある程度でこぼこしており、裏面は平面加工されている。このため、ホールド21の表面29はでこぼこの形状であり、自然壁面に近い形状となる。また、ホールド21の裏面23は平面であり、そのまま当たり面23として使用できる。建築用壁貼材の大きさは一例で6cm×9cm、厚さは4cmである。厚さは、他に2cm、6cm等がある。このような壁貼材を適宜な大きさと形状の石片に切断する。なお、表面に特に鋭い角やばりがある場合は、この角等を落とす加工を行ってもよい。特に、直方体状に切断した場合は、表面がざらざらしていることと、角が角張っていることにより、樹脂のホールドに比べてはるかに強い摩擦感を得ることができる。
【0021】
図4は、本発明の第一の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図4(A)は全体の斜視図、図4(B)は全体の側面図である。
このフリークライミング用人工壁30は、2つの壁31を備える。各壁31は、合板で作製されている。壁31の寸法は、一例で高さが2.5〜3m、幅が2〜3mである。各壁は、表面(壁貼材側の面、クライマーが登り降りする面)が相反する方向を向くように配置されている。各壁31の表面には、複数のホールド33及びホールド板35が固定されている。ホールド35としては、図1や図3に示すホールド1、21を使用できる。
【0022】
ホールド板35は、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材で作製された板であり、いろいろな形状に加工されている。寸法は、例えば1×1m程度とできる。表面にはホールドとして使用できる複数の凹凸35aが設けられている。このような凹凸は自然に発生したものでも、加工したものでもよい。ホールド板35の裏面は壁31に当たる当たり面となる。同ホールド板35には、当たり面(裏面)に対して直角方向に延びる貫通孔(取付部、図示されず)が開けられている。貫通孔の最上部は、ボルトのヘッドが収まるように径大ザグリ部となっている。この貫通孔にボルトを係合させ、ボルトを壁31の貫通孔に螺合させて、ホールド板35を壁31に取り付ける。なお、ホールド板35は面積が広く、重いため、貫通孔は複数個設けられている。
なお、自然石石材からこのホールド板35を加工する際に発生した破材をホールドとして使用することもできる。
【0023】
なお、実際には、従来の樹脂製のホールドやホールド板と組み合わせて人工壁を構成する。この際、樹脂製のホールドやホールド板は、全体の2/3〜3/4程度の割合とする場合もあり得る。このように、自然石石材製のホールドやホールド板と、樹脂製のホールドやホールド板とを適度な比率で組み合わせて人工壁を構成することにより、多様なクライミング感覚を楽しむことができる。
【0024】
各壁31は、方形のベース39上に取り付けられている。各壁31の下端には、補強用ブラケット37が設けられており、このブラケット37は、ベース39上のブラケット41に回動可能に固定されている。各壁31の裏面とベース39とは、2つのシリンダ43−1、43−2で連結されている。このとき、各シリンダ43は、側面からみて交差するように配置されており、各壁が倒れることを防いでいる。シリンダ43によって、各壁31は一例で角度が80°から130°程度まで傾斜可能である。
また、ベース39は、各壁31の前側(ホールド等が設けられた面側)に突き出ないような、できるだけ短い寸法とする。このような構成とすることによって、各壁の前側の面上及び空間にクライミングの邪魔になるような障害物がなくなる。
【0025】
図5は、本発明の第二の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は全体の斜視図、図5(B)、(C)は同人工壁の壁の側面図である。
この例の人工壁50も、2つの壁51を備える。各壁51は、ベース板53上に複数枚の建築用壁貼材55を縦横に並べて配置して固定したものである。建築用壁貼材55は、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材で作製されている。壁51の寸法は、一例で高さが2.5〜3m、幅が2〜3mである。各壁は、表面(壁貼材側の面、クライマーが登り降りする面)が相反する方向を向くように配置されている。
なお、図5において、図4と同じ作用・構成を有する部品・部材は図4と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0026】
図5(B)に示すように、建築用壁貼材55の表面には、ホールドとなる凹凸55aが設けられている。この凹凸55aはもとから存在するものでもよく、後から加工してもよい。また、図5(C)に示すように、同表面に単体のホールド57を取り付けてもよい。このホールド57としては、図1や図3に示すホールド1、21を使用できる。
【0027】
このようなフリークライミング用人工壁は、ホールドも壁自体も自然石で作製されている。このため、クライマーが壁に取り付いた際にも、指や足が当たる部分が自然石であるため、自然の石や岩の感覚を得ることができる。
なお、安全ロープを使用しないで練習するような用途(ボルダリング)では、壁の高さは3m以下が通常である。そこで、壁を横方向に延ばしたい場合には、壁を横方向に並べて横方向に延ばすこともできる。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ホールドや壁面を自然石で作製するため、自然の石や岩の感覚を得ることのできるフリークライミング用人工壁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する図であり、図1(A)はホールドの正面図、図1(B)、(C)は側面図である。
【図2】図1のホールドの加工前の玉石の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図4(A)は全体の斜視図、図4(B)は全体の側面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は全体の斜視図、図5(B)、(C)は同人工壁の壁の側面図である。
【符号の説明】
1、21 ホールド 3、23 当たり面
5、25 貫通孔(取付部) 7、27 径大ザグリ部
10 玉石 29 表面
30、50 フリークライミング用人工壁
31、51 壁 35 ホールド板
33、57 ホールド 37 補強用ブラケット
39 ベース 41 ブラケット
43 シリンダ 55 建築用壁貼材
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリークライミング用の人工壁に取り付けられるホールド及びホールド板、それらを有するフリークライミング用人工壁に関する。特には、自然の岩壁におけるフリークライミングの雰囲気を楽しめるような改良を加えた人工壁用ホールド等に関する。
【0002】
【従来の技術】
フリークライミングは、岩壁の凸部や凹部を手掛かり又は足掛かりとして、自己の握力や脚力で壁面を登るスポーツである。近年では、都市の屋外や屋内に人工のフリークライミング用の壁を設ける場合も多くなっている。フリークライミング用人工壁には、複数のホールドと呼ばれる取っ手がランダムに配置して固定されている。
【0003】
ホールドは一般に樹脂製で、様々な形状、大きさ、色のものが販売されている。そして、クライミングの難易度に合わせて、ホールド全体の厚さを変えたり、ホールドに形成された凹凸や穴の深さを変えて手や足の掛かりのバリエーションを持たせている。また、貝殻に似た形状としたり、特徴的な着色を施して、クライマーの趣向を増すように外観が考慮されている。
【0004】
このようなホールドは上述のように樹脂で作製されているものが多い。そして、鋭い角や出っ張りがないような形状に加工して指を痛めないようにしている。また、様々な自然の壁面に近い感触を持つように表面をざらざらに加工している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような樹脂製のホールドは、もともとは人工の樹脂であり、自然の岩壁の感触とは異なる。また、長年使用すると、表面のざらざらが滑らかになって滑りやすくなり、指や足が掛かりにくくなるため、交換の必要があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、自然の岩壁と同じ感触を持つフリークライミング用人工壁のホールド等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のフリークライミング用人工壁のホールドは、 フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなるホールドであって、 花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とする。
ホールドを自然石石材で作製することにより、人工壁におけるフリークライミングであっても、自然壁と同じ感触を得ることができる。自然石は長年使用して磨耗により磨り減っても、表面の自然のざらざら感は維持され、滑りを防止できる。
【0008】
本発明においては、 前記自然石石材が建築用壁貼材を切断したものとすれば、標準的な厚さ(一例で2、4、6cm)のものが市場で容易に入手できるため、製作が楽でコストも安い。
【0009】
本発明においては、 前記自然石石材として玉石を切断したものを用い、 前記当たり面を前記石材の切断面とすることも好ましい。玉石は、川原等で容易に採取できる。そして、比較的滑らかな曲面で囲まれた形状をしており、鋭い角や突起がない。また、様々な形状、大きさのものがあり、変化に富んだ形状のホールドを作製できる。
【0010】
本発明のホールド板は、 フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなる複数のホールドを有するホールド板であって、 花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とする。
手や足が直に当たる部分だけでなく、その周囲も自然石石材で作製することにより、より自然壁に近い感触を与えることができる。
【0011】
本発明のフリークライミング用人工壁は、 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、 前記ホールドの一部又は全てが上記に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが上記に記載のホールド板であることを特徴とする。
実際には、樹脂製の従来のホールドやホールド板と組み合わせて人工壁を構成する。これにより多様なクライミング感覚を楽しむことができて好ましい。
【0012】
本発明の他のフリークライミング用人工壁は、 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、 該人工壁の壁面が、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、 該人工壁を所望の角度に傾斜させる角度調整手段を備え、 前記ホールドの一部又は全てが上記に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが上記に記載のホールド板であることを特徴とする。
【0013】
壁面及びホールドを自然石石材で作製することにより、クライマーが壁に取り付いた際に指や足が触れる部分が自然石であるため、自然の岩場にきわめて近い感覚を与えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する図であり、図1(A)はホールドの正面図、図1(B)、(C)は側面図である。
図2は、図1のホールドの加工前の玉石の斜視図である。
このホールド1は、図2の玉石10から作製される。玉石10を斜めに通る線A−Aで切断すると、二つの石片10´が得られる。この石片10´を後述のように加工してホールド1を作製する。このような玉石10は川原等に自然に転がっているものであり、適宜な形状や大きさのものを選択して採取すればよい。玉石10は、図2に示すように、サツマ芋状の略楕円体であり、表面が滑らかな湾曲面であり、適度な凹凸を有する。
【0015】
ホールド1は、玉石10を切断した石片10´から作製される。石片10´の切断面P1は、人工壁に当たる当たり面3となる。当たり面3は平面に加工されている。人工壁のホールドが取り付けられる取付部は平面となっており、この取付面にホールド1の当たり面3が面で接触する。また、人工壁の取付面には、取付具(ボルト)が螺合する貫通孔が開けられている。ホールド1には、当たり面3に対して直角方向(図の矢印で示す)に延びる貫通孔(取付部)5が開けられている。貫通孔5の最上部は、ボルトのヘッドが収まるように径大ザグリ部7となっている。この貫通孔5にボルトを係合させ、ボルトを人工壁の貫通孔に螺合させて、ホールド1を人工壁に取り付ける。
【0016】
なお、ホールド1に偏った力がかかったり、ボルトの締め付け力が緩いと、ホールド1がボルトを中心にして回転することがある。これに対して、ホールド1に、回り止め防止用のボルトを付けてもよい。または、ホールド1の当たり面3に樹脂を塗布し、その面に砂を吹き掛けてざらざらの面として摩擦による回り止めとしてもよい。
【0017】
このホールドの作製工程について説明する。
まず、図2に示す玉石10を、切断面A−Aに沿ってダイヤモンドディスクカッター等で切断して2つの石片10´を形成する。このときの切断面P1は平坦面であり、前述のように人工壁のホールド取付面に当たる当たり面3となる。そして、石片10´の適宜な位置にダイヤモンドドリル等で貫通孔5を開ける。
最後に、人工壁の適当な位置のホールド取付面にホールド1を配置して、ボルトで固定する。このとき、ホールド1の向きは、難易度に合わせて最も好ましい向きとなるように向ける。例えば、図1(B)に示すように、比較的出っ張った部分Aを下に向ければ、掛かりとなる部分は滑らかに下方に傾斜した面となる。この場合、指や足を掛けにくくなり、手でつかみにくいホールドとなる。また、図1(C)に示すように、図1(B)を上下さかさまにして出っ張った部分Aを上に向ければ、掛かりとなる部分は、比較的急激に上方に傾斜した面となる、この場合、指や足が掛かりやすくなり、手でつかみやすいホールドとなる。
【0018】
フリークライミング用人工壁の人工壁自身が合板等で作製されている場合でも、ホールドは自然の石材で作製することができる。このため、指先や足先が触れる部分は自然の石であり、自然の石や岩の感覚を得ることができる。なお、ホールド用の自然石としては、他に、花崗岩、安山岩、砂岩等を使用できる。
また、玉石は表面が比較的滑らかで手に優しいので、飛びついて手を掛けるような動作をする箇所にも取り付けることができる。また、樹脂に比べて硬いので、最も手や足が掛かる部分もつるつるになることはない。
【0019】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する斜視図である。
この例のホールド21は、花崗岩製の建築用壁貼材から作製されており、ほぼ直方角材状である。ホールド21の一面は人工壁へ当たる当たり面23である。そして、当たり面23に対して直角方向(図の矢印で示す)に延びるボルトの貫通孔25が開けられている。貫通孔25の上部はボルトのヘッドが収まるザグリ部27となっている。
【0020】
花崗岩製の建築用壁貼材の表面はある程度でこぼこしており、裏面は平面加工されている。このため、ホールド21の表面29はでこぼこの形状であり、自然壁面に近い形状となる。また、ホールド21の裏面23は平面であり、そのまま当たり面23として使用できる。建築用壁貼材の大きさは一例で6cm×9cm、厚さは4cmである。厚さは、他に2cm、6cm等がある。このような壁貼材を適宜な大きさと形状の石片に切断する。なお、表面に特に鋭い角やばりがある場合は、この角等を落とす加工を行ってもよい。特に、直方体状に切断した場合は、表面がざらざらしていることと、角が角張っていることにより、樹脂のホールドに比べてはるかに強い摩擦感を得ることができる。
【0021】
図4は、本発明の第一の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図4(A)は全体の斜視図、図4(B)は全体の側面図である。
このフリークライミング用人工壁30は、2つの壁31を備える。各壁31は、合板で作製されている。壁31の寸法は、一例で高さが2.5〜3m、幅が2〜3mである。各壁は、表面(壁貼材側の面、クライマーが登り降りする面)が相反する方向を向くように配置されている。各壁31の表面には、複数のホールド33及びホールド板35が固定されている。ホールド35としては、図1や図3に示すホールド1、21を使用できる。
【0022】
ホールド板35は、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材で作製された板であり、いろいろな形状に加工されている。寸法は、例えば1×1m程度とできる。表面にはホールドとして使用できる複数の凹凸35aが設けられている。このような凹凸は自然に発生したものでも、加工したものでもよい。ホールド板35の裏面は壁31に当たる当たり面となる。同ホールド板35には、当たり面(裏面)に対して直角方向に延びる貫通孔(取付部、図示されず)が開けられている。貫通孔の最上部は、ボルトのヘッドが収まるように径大ザグリ部となっている。この貫通孔にボルトを係合させ、ボルトを壁31の貫通孔に螺合させて、ホールド板35を壁31に取り付ける。なお、ホールド板35は面積が広く、重いため、貫通孔は複数個設けられている。
なお、自然石石材からこのホールド板35を加工する際に発生した破材をホールドとして使用することもできる。
【0023】
なお、実際には、従来の樹脂製のホールドやホールド板と組み合わせて人工壁を構成する。この際、樹脂製のホールドやホールド板は、全体の2/3〜3/4程度の割合とする場合もあり得る。このように、自然石石材製のホールドやホールド板と、樹脂製のホールドやホールド板とを適度な比率で組み合わせて人工壁を構成することにより、多様なクライミング感覚を楽しむことができる。
【0024】
各壁31は、方形のベース39上に取り付けられている。各壁31の下端には、補強用ブラケット37が設けられており、このブラケット37は、ベース39上のブラケット41に回動可能に固定されている。各壁31の裏面とベース39とは、2つのシリンダ43−1、43−2で連結されている。このとき、各シリンダ43は、側面からみて交差するように配置されており、各壁が倒れることを防いでいる。シリンダ43によって、各壁31は一例で角度が80°から130°程度まで傾斜可能である。
また、ベース39は、各壁31の前側(ホールド等が設けられた面側)に突き出ないような、できるだけ短い寸法とする。このような構成とすることによって、各壁の前側の面上及び空間にクライミングの邪魔になるような障害物がなくなる。
【0025】
図5は、本発明の第二の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は全体の斜視図、図5(B)、(C)は同人工壁の壁の側面図である。
この例の人工壁50も、2つの壁51を備える。各壁51は、ベース板53上に複数枚の建築用壁貼材55を縦横に並べて配置して固定したものである。建築用壁貼材55は、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材で作製されている。壁51の寸法は、一例で高さが2.5〜3m、幅が2〜3mである。各壁は、表面(壁貼材側の面、クライマーが登り降りする面)が相反する方向を向くように配置されている。
なお、図5において、図4と同じ作用・構成を有する部品・部材は図4と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0026】
図5(B)に示すように、建築用壁貼材55の表面には、ホールドとなる凹凸55aが設けられている。この凹凸55aはもとから存在するものでもよく、後から加工してもよい。また、図5(C)に示すように、同表面に単体のホールド57を取り付けてもよい。このホールド57としては、図1や図3に示すホールド1、21を使用できる。
【0027】
このようなフリークライミング用人工壁は、ホールドも壁自体も自然石で作製されている。このため、クライマーが壁に取り付いた際にも、指や足が当たる部分が自然石であるため、自然の石や岩の感覚を得ることができる。
なお、安全ロープを使用しないで練習するような用途(ボルダリング)では、壁の高さは3m以下が通常である。そこで、壁を横方向に延ばしたい場合には、壁を横方向に並べて横方向に延ばすこともできる。
【0028】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ホールドや壁面を自然石で作製するため、自然の石や岩の感覚を得ることのできるフリークライミング用人工壁を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する図であり、図1(A)はホールドの正面図、図1(B)、(C)は側面図である。
【図2】図1のホールドの加工前の玉石の斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁のホールドの構造を説明する斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図4(A)は全体の斜視図、図4(B)は全体の側面図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係るフリークライミング用人工壁の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は全体の斜視図、図5(B)、(C)は同人工壁の壁の側面図である。
【符号の説明】
1、21 ホールド 3、23 当たり面
5、25 貫通孔(取付部) 7、27 径大ザグリ部
10 玉石 29 表面
30、50 フリークライミング用人工壁
31、51 壁 35 ホールド板
33、57 ホールド 37 補強用ブラケット
39 ベース 41 ブラケット
43 シリンダ 55 建築用壁貼材
Claims (5)
- フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなるホールドであって、
花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、
前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とするフリークライミング用人工壁のホールド。 - 前記自然石石材が玉石を切断したものであり、
前記当たり面が前記石材の切断面であることを特徴とする請求項1記載のフリークライミング用人工壁のホールド。 - フリークライミング用の人工壁に取り付けられ、クライマーの手掛かり又は足掛かりとなる複数のホールドを有するホールド板であって、
花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、
前記人工壁に当たる当たり面、及び、該壁に取り付ける取付具の係合する取付部が加工されていることを特徴とするフリークライミング用人工壁のホールド板。 - 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、
前記ホールドの一部又は全てが請求項1又は2に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが請求項3に記載のホールド板であることを特徴とするフリークライミング用人工壁。 - 壁面に複数のホールド及び/又はホールド板が取り付けられたフリークライミング用の人工壁であって、
該人工壁の壁面が、花崗岩、安山岩、砂岩等の自然石石材からなり、
該人工壁を所望の角度に傾斜させる角度調整手段を備え、
前記ホールドの一部又は全てが請求項1又は2に記載のホールドであるか、又は、前記ホールド板の一部又は全てが請求項3に記載のホールド板であることを特徴とするフリークライミング用人工壁。
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| JP2002299805A JP2004129972A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | フリークライミング用人工壁のホールド及びホールド板、フリークライミング用人工壁 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002299805A JP2004129972A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | フリークライミング用人工壁のホールド及びホールド板、フリークライミング用人工壁 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004129972A true JP2004129972A (ja) | 2004-04-30 |
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| JP2002299805A Pending JP2004129972A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | フリークライミング用人工壁のホールド及びホールド板、フリークライミング用人工壁 |
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101561079B1 (ko) | 2015-05-28 | 2015-10-16 | 포스마텍 주식회사 | 가변식 스포츠 클라이밍 시스템 |
| JP2020178895A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | アイデス株式会社 | クライミング遊具 |
| JP2020192010A (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 株式会社ジャクエツ | クライミング遊具およびクライミング遊具用部材 |
-
2002
- 2002-10-15 JP JP2002299805A patent/JP2004129972A/ja active Pending
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| JP2020178895A (ja) * | 2019-04-25 | 2020-11-05 | アイデス株式会社 | クライミング遊具 |
| JP7204206B2 (ja) | 2019-04-25 | 2023-01-16 | アイデス株式会社 | クライミング遊具 |
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