JP2004130179A - 塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒であって、ハニカム構造のセルのピッチが2〜6mm、セルとセルとの間の壁厚さが0.2〜1mmであり、比表面積が40m2/g以上である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法に関し、詳しくは、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ゴミや産業廃棄物を処理する焼却炉などから排出される燃焼排ガスは、各種の有害成分を含有しているが、毒性の強いダイオキシンとその前駆体である芳香族塩素化合物などの塩素化有機化合物および光化学スモッグの原因物質である窒素酸化物の除去は、特に重要である。
【0003】
燃焼排ガス中の塩素化有機化合物の除去方法としては、各種の方法が知られているが、特に接触分解法は、500℃以下の条件で塩素化有機化合物を分解する優れた方法である。ところで、塩素化有機化合物の接触分解は、300℃以上の分解温度では一旦分解されたダイオキシン等が再生成するため、250℃以下の温度で行うことが要求されている。
【0004】
更に近年、都市ゴミ焼却設備では、ゴミ焼却時に発生した熱を回収する目的で得たスチームで発電し、都市ゴミ焼却設備に電力供給すると共に余剰電力の売電が行なわれている。ところで、塩素化有機化合物分解用触媒層の反応温度の維持に上記のスチームが利用されている場合、反応温度が高い程に多量のスチームが消費される不利益がある。従って、斯かる観点からも可及的に低い反応温度、具体的には200℃以下の反応温度での運転が要求されている。
【0005】
一方、塩素化有機化合物の接触分解は、酸化反応と考えられ、反応温度が低下すると反応速度が必然的に低下する。従って、より低い温度で接触分解を行って所定の分解率を得ようとした場合は、触媒量の増加や単位時間当たりの処理ガス量の低下が必要となる。しかしながら、都市ゴミ焼却設備では、処理ガス量の低下が困難なため、処理装置が巨大化するという問題がある。
【0006】
一方、触媒の担体としては、一般的に、TiO2、SiO2、Al2O3、ZrO2等が使用できるが、塩素化有機化合物分解用触媒の場合は、燃焼排ガス中にSO2が含有されている場合が多いため、SO2に耐性を有するTiO2が一般的に使用される。例えば、TiO2担体に活性成分V2O5とWO3を担持した触媒が使用され(例えば特許文献1参照)、また、担体として、Ti、Si、Zrの2元または3元複合酸化物を使用することにより活性成分の分散性を向上させて触媒性能の向上を図っている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
そして、270〜290℃の反応温度が採用されているが(例えば特許文献3参照)、斯かる温度は十分に低温とは言い難く、また、温度が200℃でSV(空間速度)が2,000Hr−1の反応条件が採用されており(例えば特許文献4参照)、多量の触媒を使用する必要がある。
【0008】
上述の様に、従来の塩素化有機化合物分解用触媒は、何れも、低温条件で且つコンパクトな処理装置で使用するには十分に満足し得る性能ではない。
【0009】
【特許文献1】
特許第2633316号公報
【特許文献2】
特許第2916259号公報
【特許文献3】
特許第2633316号公報
【特許文献4】
特許第2916259号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、ハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒の場合、ダイオキシン等の塩素化有機化合物の分解は、ハニカム構造のセルのピッチ及びセルとセルとの間の壁厚さ並びに触媒の比表面積によって著しく異なるとの知見を得た。
【0012】
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その第1の要旨は、担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒であって、ハニカム構造のセルのピッチが2〜6mm、セルとセルとの間の壁厚さが0.2〜1mmであり、比表面積が40m2/g以上であることを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒に存する。
【0013】
そして、本発明の第2の要旨は、上記の塩素化有機化合物分解用触媒と塩素化有機化合物含有ガスを接触させることを特徴とする塩素化有機化合物の分解方法に存する。
【0014】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の塩素化有機化合物分解用触媒(以下、単に「触媒」と略記する)について説明する。本発明の触媒は、担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の触媒である。
【0015】
上記の担体および活性成分としては、塩素化有機化合物分解用触媒に使用されている従来公知のものを制限なく使用することが出来る。担体の例としては、TiO2、SiO2、Al2O3、WO3等の単一酸化物、これらの2元系複合酸化物(例えばTiO2−SiO2)又は3元系複合酸化物(例えばTiO2−SiO2−WO3)又はこれらの複合酸化物と単一酸化物との混合物が挙げれる。活性成分の例としては、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Y、Ce、Nd、W、In及びIrの群から選ばれる少なくとも1種の金属および/またはその酸化物が挙げられる。これらの中では、バナジウム(V)酸化物が安価であり且つ有機ハロゲン化合物の分解率が高いために好適に使用される。活性成分の担体に対する割合は、通常1〜10重量%の範囲である。
【0016】
ハニカム構造は平行に貫通した多数の小孔(セル)を有する構造である。斯かる構造の触媒は反応管内にぴったりと収めて使用される。そして、上記のセルの形としては、六角形、四角形、三角形、円形などがある。通常、セルの大きさ(径)は目開き、セルとセルとの間は壁、1つのセルに注目した場合に対向する左右または上下の壁の各中心間の距離はピッチと呼ばれる。
【0017】
ハニカム触媒の製造方法としては、(a)担体成分と活性成分またはその原料を成形助材と共に混練した後に、押出成形法などにより所定の形状と大きさのセルを備えたハニカム状の形状に賦形する方法、(b)ハニカム形状の基材上に担体成分および活性成分を含浸・担持する方法を挙げることが出来る。上述の製造方法(a)の1例として、以下の方法が例示される。
【0018】
(1)メタバナジン酸アンモニウムを約10重量%モノエタノールアミン水溶液に溶解する。
(2)硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸スラリーを得る。
(3)メタチタン酸スラリーに15重量%アンモニア水を加えてpH調整した後、リフラックス処理を1時間以上行なう。
(4)シリカゾルを加え、更に、リフラックス処理を1時間以上行なう。
(5)得られたスラリーを濾過し、得られたケーキを50〜150℃の温度で3〜50時間乾燥した後、400〜650℃の温度で焼成し、冷却後に粉砕する。
(6)得られた粉末状のSiO2−TiO22元系複合酸化物を50重量%以下の割合のTiO2と混合して担体とする。
(7)上記の担体と上記の(1)で調製した水溶液とをニーダーで混練する。
【0019】
(8)(i)更に成形助材を加えて混練した混練物を押出成形し、50〜150℃の温度で3〜50時間乾燥した後、SV100〜2,000Hr−1の空気気流中、450〜650℃の温度で焼成する、または(ii)混練物を50〜150℃の温度で3〜50時間乾燥し、450〜650℃の温度で焼成した後、成形助材を加えて成形する。
【0020】
また、上述の製造方法(b)の1例として、次の方法が例示される。すなわち、円柱状、球状、ハニカム状、板状など、所望の形状の基材上に上記の(2)〜(6)で調製した担体成分をコーティングし、上記の(1)で調製した水溶液を塗布して活性成分を含浸させ、50〜150℃で3〜50時間乾燥した後、450〜650℃の温度で焼成する。
【0021】
基材上に形成された触媒の場合、基材としては、TiO2に、シリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)等を単独で又は併用して使用する。SiO2−TiO22元系複合酸化物とTiO2との混合物(担体成分)の量は、担体成分と活性成分との合計量に対し、通常70〜99重量%である。また、担体成分と活性成分との合計量は、基材、担体成分および活性成分の総量に対し、通常5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。
【0022】
混練・成形方法の様に添加した原料が全て活性成分となる場合は、それぞれの金属塩などの原料成分が対応する金属酸化物に変化したものとして、触媒組成は添加量から推算する。また、含浸方法で製造された場合は、触媒をフッ化水素酸で処理した後、硫酸アンモニウムで融解してプラズマ発光分析法(ICP−AES分析法)により触媒組成を測定する。
【0023】
本発明の触媒は、前記の様なハニカム構造を備え、ハニカム構造のセルのピッチが2〜6mm、セルとセルとの間の壁厚さが0.2〜1mmであり、比表面積が40m2/g以上であることを特徴とし、これらの条件を同時に満足することにより、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る。ピッチの好ましい範囲は2.5〜5.0mm、セルとセルとの間の壁厚さの好ましい範囲は0.3〜0.9mmであり、比表面積の好ましい範囲は50m2/g以上である。なお、比表面積の上限は通常150m2/gである。
【0024】
上記のセルのピッチやセルとセルとの間の壁厚さは、押出成形の条件によって任意に達成することが出来る。また、上記の比表面積は、焼成条件、特に、焼成温度を適宜選択して達成することが出来る。焼成温度が低すぎる場合は、触媒の強度不足となり、焼成温度が高すぎる場合は、焼結が進み過ぎて細孔が減少して上記の比表面積が達成されない。従って、焼成温度はこれらのことを考慮して適宜選択する必要があり、本発明においては、細孔径が50nm以下の細孔容積が触媒全体の細孔容積の40%以上となる様な焼成温度を選択するのが好ましい。
【0025】
次に、本発明の触媒の使用方法(塩素化有機化合物の分解方法)について説明する。本発明においては前記の触媒と塩素化有機化合物含有ガスを接触させる。塩素化有機化合物含有ガスとしては、例えば、2,3,7,8−テトラクロロジベンゾダイオキシン及び2,3,4,7,8−ぺンタクロロジベンゾフランで代表されるダイオキシン類や3,3’,4,4’,5−ペンタクロロビフェニルで代表されるコプラナーPCB類が約0.01〜200ng/m3(N.T.P)(毒性等価換算値)含有され、更に、ダイオキシン類の前駆体物質である、モノクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のクロロベンゼン類、O−クロロフェノール、トリクロロフェノール等のクロロフェノール類、クロロベンゾフラン等が含有されたガス、具体的には、都市ごみや産業廃棄物などを燃焼した際の排ガス等が挙げられる。斯かる塩素化有機化合物含有ガスは、水分と共に酸素を含有し、その含有量は、通常0.5〜25容量%、好ましく1〜21容量%である。
【0026】
上記の様な塩素化有機化合物含有ガスは、通常、バグフィルターに通じて粉塵や重金属などを除去した後に接触工程に導入される。また、必要に応じ、バグフィルターでの前段でガス中に消石灰粉末を添加して酸性ガスを除去してもよい。
【0027】
塩素化有機化合物含有ガスと触媒との接触温度は、通常100〜250℃、好ましくは100〜200℃である。接触温度が250℃を超える場合は、塩素化有機化合物の分解率も増加するが、分解されたダイオキシン類が再合成する問題と共に触媒層加熱用スチームの節約の観点からも不利である。接触温度が100℃未満の場合は、運転上支障を来す結露が惹起される。触媒層の圧力は、ゲージ圧として、通常−0.05〜0.9MPa、好ましくは−0.01〜0.5MPaである。また、SVは、通常100〜50,000Hr−1、好ましくは1,000〜20,000Hr−1である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
実施例1
<TiO2粉末の調製>
硫酸法による酸化チタンの製造工程より得られる硫酸チタン溶液を熱加水分解してメタチタン酸を得、これを酸化チタンとして800g取り出し、環流器付撹拌槽に仕込み、これに15重量%アンモニア水498gを加えてPH9.5に調整した後、95℃にて1時間に亘り充分な撹拌を行いつつ加熱熟成した。その後、冷却してスラリーを取り出し、濾過脱水し、得られたケーキを100℃で20時間乾燥した後、600℃まで75℃/Hrの速度で昇温し、同温度で5時間保持した。そして、冷却後、適当な粒度に粉砕し、TiO2粉末を得た。
【0030】
<触媒の調製>
メタバナジン酸アンモニウム1029gとパラモリブデン酸アンモニウム736gを80℃に加温した10重量%モノエタノールアミン水溶液6000gに溶解して原料液を調製した。前記で得たTiO2粉末7600gを双腕型ニーダーで1時間に亘り乾式混合し、当該混合物に上記の原料液と成形助剤1000gを加えて更に2時間混練した。得られた混合物を押し出し機に充填し、ハニカム構造に押出成形し後、130℃の温度で24時間乾燥し、次いで、SV100Hr−1、温度500℃の条件下で3時間焼成し、表1に示すハニカム触媒A(3cm×3cm×50cm)を得た。
【0031】
<触媒の評価>
ハニカム触媒Aが充填された、内径5cm、長さ60cmのガラス製反応器を2本直列に接続し、縦内径80cm、横内径80cm高さ1.5mの恒温槽内に設置し、常圧固定床流通反応装置を組み立てた。そして、この装置を使用し、都市ゴミ焼却炉のモデル排ガスの処理試験を次の要領で行った。
【0032】
温度200℃、SV5,000Hr−1の条件下、平均濃度50ppmのアンモニアを添加しながら、上記の装置に平均濃度0.3ngTEQ/m3NTPのダイオキシン類と平均濃度30ppmのSO2と平均濃度50ppmのNOxを含有するガスを通過させた。処理後の排ガスの分析はガスクロマトグラフィー質量分析法で「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアル」(厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課(平成9年2月))に準じて行った。分析は通ガス後2週間後に行った。結果を表1に示す。
【0033】
実施例2
実施例1において、ハニカム触媒の壁厚さを変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒Bを調製して評価を行なった。結果を表1に示す。
【0034】
比較例1
実施例1において、ハニカム触媒の壁厚さを変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒Cを調製して評価を行なった。結果を表1に示す。
【0035】
比較例2
実施例1において、触媒調製の際の焼成温度を650℃に変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒Dを調製して評価を行なった。結果を表1に示す。
【0036】
比較例3
実施例1において、ハニカム触媒のピッチ及び壁厚さを変更した以外は、実施例1と同様の方法で触媒Eを調製して評価を行なった。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、低温度でダイオキシン等の塩素化有機化合物を高効率で分解することが出来る塩素化有機化合物分解用触媒および塩素化有機化合物の分解方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
Claims (5)
- 担体に活性成分を担持して成るハニカム構造の塩素化有機化合物分解用触媒であって、ハニカム構造のセルのピッチが2〜6mm、セルとセルとの間の壁厚さが0.2〜1mmであり、比表面積が40m2/g以上であることを特徴とする塩素化有機化合物分解用触媒。
- 細孔径が50nm以下の細孔容積が触媒全体の細孔容積の40%以上である請求項1に記載の塩素化有機化合物分解用触媒。
- 触媒の活性成分が、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Ni、Cu、Ag、Au、Pd、Y、Ce、Nd、W、In及びIrの群から選ばれる少なくとも1種の金属および/またはその酸化物である請求項1又は2に記載の塩素化有機化合物分解用触媒。
- 触媒の担体成分が、TiO2、SiO2−TiO22元系複合酸化物、WO3−TiO22元系複合酸化物、SiO2−TiO22元系混合酸化物、WO3−SiO2−TiO23元系複合酸化物、MoO3−SiO2−TiO23元系複合酸化物の何れかである請求項1〜3の何れかに記載の塩素化有機化合物分解用触媒。
- 請求項1〜4の何れかに記載の塩素化有機化合物分解用触媒と塩素化有機化合物含有ガスを接触させることを特徴とする塩素化有機化合物の分解方法。
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| CN102896002A (zh) * | 2012-10-10 | 2013-01-30 | 浙江海亮环境材料有限公司 | 一种TiO2-WO3复合粉体的制备方法 |
| CN103263912A (zh) * | 2013-05-27 | 2013-08-28 | 四川中自尾气净化有限公司 | 一种柴油车尾气净化催化剂及其制备方法 |
| CN109647190A (zh) * | 2019-01-25 | 2019-04-19 | 湖南宏福环保股份有限公司 | 一种联合脱硝脱二噁英一体化协同处理设备 |
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2002
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