JP2004132004A - スイングドアの開閉速度制御装置及びこれを備えたスイングドア - Google Patents
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Abstract
【課題】廉価で高性能かつ信頼性の高いオートスイングドアの開閉速度制御装置を提供する。
【解決手段】全開から全閉までのドア開閉範囲を複数区間に区切り、各区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段と、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせと前記記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段と、区間判別手段による各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段と、各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を有している。
【選択図】 図6
【解決手段】全開から全閉までのドア開閉範囲を複数区間に区切り、各区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段と、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせと前記記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段と、区間判別手段による各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段と、各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を有している。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、オートスイングドアの開閉速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から例えばマイクロバス等にはオートスイングドアが一般的に使用されている。かかるオートスイングドアはモータで開閉されるようになっているが、例えば車両が急坂で停車している場合、ドア開閉する際に大きなトルクでモータを駆動する必要がある。さらには、通常のドア閉止動作においてもドア全閉時にはドア周囲のウェザーストリップの反力等に抗してドアのラッチが車体パネルのストライカに完全に係合するようにドア全閉直前には大きなトルクでモータを駆動する必要もある。
【0003】
さらにまた、ドア開閉途中においてドアに人や物が挟まった時、これを速やかに検出してドア駆動モータを停止させる必要もある。
【0004】
このようにドアの開度に応じてモータのトルクを制御するためのドア開閉制御装置が従来から知られている。
【0005】
一例として、車両が坂道に停車している際、モータ制御用ロータリエンコーダを用いてスライドドアの自重による移動方向や移動速度を求め、これに基づいて車両の傾斜度合いを算出してこれに応じたドア開閉速度制御を行なうドア開閉制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このドア開閉制御装置は、ロータリエンコーダから出力される2相パルス信号の位相関係からロータリエンコーダの回転方向、すなわちスライドドアの移動方向を検出すると共に、割り込みパルス間のクロックパルス数をカウントすることでスライドドアの速度を認識するようになっている。そして、これらの検出結果よりスライドドアの加速度を求めることで車両停車時における傾きを求め、スライドドアの開閉速度制御に役立てている。
【0007】
一方、このようなロータリエンコーダを用いる代わりに主モータと補助モータの2つのモータを備えてドア開閉速度制御を行なうドア開閉装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
このドア開閉装置は、車両用ドアの開閉を指示する操作スイッチと、この操作スイッチの操作に応じて正転及び逆転する主モータと、この他に車両用ドアの閉止直前の状態を検出する検出スイッチと、この検出スイッチの状態検出に応答して主モータとともにドア開閉機構を
車両用ドアの閉止方向へ駆動する補助モータとを備えている。
【0009】
そして、図11に示すようにドア全開状態(ドア全開スイッチオンの状態)からドア全閉状態(ドア全閉スイッチオンの状態)までの間において、ドア中間スイッチがオンからオフになった状態(ドア全閉直前の状態)を検出し、この時点からドア全閉までの間を加速区間として主モータに加えて補助モータを駆動し、他の区間より大きな駆動力でドアを動かすようになっている。そして、このドアの加速動作によって、ドアのラッチを車体パネルのストライカに確実に係合させている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−280805号公報(第5頁、図9)
【特許文献2】
実開平2−47377号公報(第25−26頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
前者のドア自動開閉制御装置はロータリエンコーダを備えているが、ロータリエンコーダは立ち上がりパルス間のクロックパルス数をカウントしてモータ回転数を検出すると共に、モータ回転方向に応じたパルス変化をみることでモータ回転方向を検出しているので構造的に複雑となりコスト的に高くつく。
【0011】
一方、後者のドア開閉装置は主モータの他にドア加速用の補助モータも備えなければならず、ロータリエンコーダを用いた場合と同様にコスト的に高くつく。
【0012】
なお、ドアが車体側のパネルに対してハーフラッチ(半ロック)位置にくるとドアのラッチをフルラッチ(フルロック)位置まで閉め込むオートクロージャーという機構も存在するが、構造上さらに複雑となり、上述の2つの従来例に比べてさらにコスト上割高となる。
【0013】
本発明の目的は、廉価で高性能かつ信頼性の高いオートスイングドアの開閉速度制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかるスイングドアの開閉速度制御装置は、全開から全閉までのドア開閉範囲を複数区間に区切り、複数区間には、ドア全開保持区間と、ドア全閉前加速区間と、当該ドア全開保持区間とドア全閉前加速区間の間の中間区間とが設けられ、中間区間は、さらに所定距離ごとに区切られた複数の区間が設けられており、各区間に対応した複数のスイッチのON・OFF状態の組み合わせによって各区間の1つが特定されるように、各区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段と、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせと記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段と、各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段と、各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を有することを特徴としている。
【0015】
ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、当該区間のどの区間にドアがあるかを廉価なスイッチで検出してドア開閉速度をドア開度に応じて変更する。そのため、高価なエンコーダによる速度制御を行なうことなく、また、ドアが坂道停車時にドアの自重により閉じ方向に移動しないようにドアを全開位置に開保持しているチェッカー等の保持力に抗して開閉作動しなければならない区間とドアの自重にのみ抗して開閉作動すれば良い区間とウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせなければならない区間とがあってもドア全閉とドア全開との間でどの区間においてもスムーズにドアを動かすことができる。また、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、各区間のいずれにドアが移動したか区間判別手段で判別し、各区間のドア移動時間を区間移動時間計測手段で計測し、区間の移動時間が所定の移動時間を超えると駆動モータ速度上昇手段でドア開閉用駆動モータの速度を上昇させるので、車両が平坦地に停車していようが坂道に停車していようが常に一定の開閉速度でドアの開閉を行うことができる。また、ドア開閉範囲の途中で停止しているドアを、ドア開閉度合いの途中区間から自動開/閉しても速度制御ができる。
【0016】
さらに、スイッチのON・OFF状態の組み合わせで各区間の検出を行なうので、スイッチを各区間に対応した数まで設ける必要がなく、装置全体を安価に提供できる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、請求項1に記載のスイングドアの開閉速度制御装置において、駆動モータ速度上昇手段が、全開保持区間においてドア全開時にドアを全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせ、全閉前加速区間では、100%デューティ比で駆動モータをスタートさせ、中間区間では前記ドアの取り付けられた車両が平坦地に停車した際に所定のドア開閉速度を得ることが可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせることを特徴としている。
【0018】
ドア開度が全開保持区間、全閉前加速区間、中間区間毎に異なるデューティ比で駆動モータをスタートさせるようにしたので、区間毎に必要なモータ速度を早く得られる。
【0019】
また、ドアの全開保持区間において全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを全閉位置に開保持しているチェッカーの乗り越しを早くスムーズに行うことができる。
【0020】
また、ドア全閉直前に100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドア全閉直前に駆動モータの発生させ得る最大の駆動力で開閉速度を最大に加速させてドアを閉じる。そのため、ウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせ、ドアを確実に閉じることができる。また、加速区間の距離または時間が短く、加速区間を更に複数の区間に区切って始めの加速区間を所定の移動時間を超えて移動したときに次の加速区間で駆動モータの速度を上昇させるという制御が行うことができない場合でも、100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを閉じ確実にロックさせることができる。また、ドア全閉の直前で加速するための補助モータを設ける必要もない。同じく、ドアロックの際にオートクロージャー装置などの特別な機構を必要ともしない。
【0021】
また、本発明の請求項3に記載のスイングドアは、請求項1又は請求項2に記載のドア開閉速度制御装置と、請求項1に記載の複数区間に対応して設けられ、ドア開閉速度制御装置にスイッチON・OFF状態を知らせる複数のスイッチと、請求項1に記載の駆動モータ速度上昇手段によって駆動制御される駆動モータとを備えたことを特徴としている。
【0022】
廉価なスイッチを最小限必要なだけ備えこれを使用してドア速度開閉制御を行っているので、安価で信頼性の高いオートスイングドアを実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるオートスイングドアの開閉速度制御装置について、図面に基づいて説明する。
【0024】
最初にオートスイングドアの構造について説明する。
【0025】
オートスイングドア(以下、単に「ドア」とする)1は、図1及び図2に示すように例えばマイクロバスのフロア2から一段下がったステップ3を有する乗降口を形成しているフロントピラー4とリヤピラー5間のドア開口部に設けられ、ドア開口部を閉じるドア全閉位置からドア1が車体に対して平行に移動し、ドア開口部の後外側に位置するドア全開位置に至るようになっている。すなわち、ドア全閉位置においては、ドアは図示しないウェザーストリップを介してドアピラー(フロントピラー4及びリアピラー5等)と密着し(図1中2点鎖線参照)、ドア全開位置においては車体側方から一定距離離間して車体と平行に位置するようになっている(図1中実線参照)。そして、ドア全開位置には図示しないチェッカーが設けられ、ドア全開位置にドア1を開保持している。ドア全開時このチェッカーを乗り越えてドア1が保持され、ドア閉時、最初にこのチェッカーを乗り越えて閉作動が行われる。
【0026】
ドア1は、U字型のメインリンク10,20及び棒状のサブリンク30を介して車体に連結している。メインリンク10,20は、図2に示すドア側リンク固定シャフト40と車体側リンク固定シャフト50とを連結する二本の略U字型リンクからなり、下側のリンク20には突出部21が設けられ、その先端にドアパネル部と当接するゴム製のストッパ22が備わっている。また、ドア側リンク固定シャフト40の両端はドアパネルに取り付けられたブラケット41,42によって回動自在に支持されている。一方、車体側リンク固定シャフト50もその両端部が車体に取り付けられたブラケット51,52(図2参照)を介して回動自在に支持されている。そして、下側メインリンク20の突出部近傍にさらに固定端アーム23が設けられ、ドア開閉用ロッド24の一端とボールジョイント25を介して回動自在に連結されている。
【0027】
サブリンク30は一端がドア下端前方(車体のフロントピラー4側)に備わったブラケット31に回動自在に取り付けられ、他端が図示しないブラケットを介してステップ3の裏面に回動自在に取り付けられている。
【0028】
一方、ステップ3の後方部にはドア開閉モータ駆動ユニットボックス6が設けられ、駆動ユニットボックス6から突出したモータ駆動シャフト64(図2参照)にドア開閉用ロッド24の他端が接続されている。なお、ドア開閉用ロッド24の一部には長さ調整用のネジ部24aとナット24bが備わっている(図3参照)。
【0029】
また、ドア1には図2に示すようにドア内側に手動操作用のインナーハンドル1aとロックレバー1bが備わり、ドア外側には図示しないアウターハンドルが備わっている。また、車体のフロア2には乗客保護用のガードバー2aがドア近傍に備わっている。
【0030】
そして、ドア1にはその前後に図示しないラッチ及びポールが備わったドアロック装置が設けられており、車体のフロントピラー4とリアピラー5には当該ラッチと係合する図示しないストライカが備わっている。なお、ポールはドア1のラッチが車体パネルのストライカに嵌合した際、ラッチの段差に引っかかりラッチがストライカとの嵌合を解除する方向へ回動するのを阻止し、ドア1を全閉位置でロックするためのものである。
【0031】
一方、ドア全開位置においては、ドアに設けられた図示しないチェッカーが車体パネルのリアピラー5内部に入り込み、チェッカーに備わったゴムの弾性力によってドア全開状態を保持するようになっている。そして、このチェッカーによって例えば車両が急坂で停車した時、ドア全開時にドアが自重で閉まるのを防止する。
【0032】
続いて、ドア開閉モータ駆動ユニットボックス(以下、単に「駆動ユニットボックス」とする)6について説明する。駆動ユニットボックス6はドア1を自動で動かすための駆動装置であり、図3に内部構造を露出した状態で示すように、駆動モータ61と、ギアボックス及びコントローラボックスからなるパワーユニット62と、パワーユニット62の側方に設けられたオート/マニュアル切替スイッチ63と、パワーユニット62から上方に突出したモータ駆動シャフト64とを備えている。なお、オート/マニュアル切替スイッチ63はドア1を自動で開閉するか手動で開閉するかの切替スイッチである。また、上述したようにモータ駆動シャフト64にはドア開閉用ロッド24の端部が駆動リンク28及びボールジョイント29を介して回動自在に取り付けられている(図4参照)。
【0033】
そして、モータ駆動シャフト64の一部には、図4に示すようにカム65が固定されるとともに、カム65によってオン・オフされるドア中間位置検出用の3つのリミットスイッチ71〜73が設けられている。カム65は樹脂で一体成型された2枚のカムプレートからなり、各カムプレートの周方向適所にリミットスイッチ動作用の凸部65a,65b,65cが一定範囲に亘って形成されている。
【0034】
ドア中間位置検出用の3つのリミットスイッチ71〜73にはいわゆる公知の物体有無検知用リミットスイッチが使用されており、第1スイッチ71及び第2スイッチ72の検出端ローラ71a,72aがカム周方向に一定距離離間して下段カムプレート65dとそれぞれ摺動接触し、第3スイッチ73の検出端ローラ73aが下段カムプレート65dから上方へ突出した上段カムプレート65uの凸部65a,65bと適所で摺動接触し、後述するドア中間位置の分割されたエリアごとに各スイッチが異なる組み合わせでオン・オフするようになっている。
【0035】
続いて、上述したドア1の開閉速度を制御するドア開閉制御装置100の回路構成を図5のブロック図に基づいて説明する。
【0036】
ドア開閉制御装置100の回路は、ドア開閉制御用CPU(ECU)101と、当該CPUに電気的に接続された図中一点鎖線で囲むドアロック/アンロック駆動ユニット110と、同じく当該CPUに電気的に接続された図中二点鎖線で囲むドア開閉駆動用ユニット120を備えている。
【0037】
ドア開閉制御用CPU101は後述するドア開閉速度制御のフローチャートに従って駆動モータ61を駆動制御するようになっており、内部にドア開度区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段(メモリ)、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせとスイッチ出力記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段、区間判別手段による各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段(タイマ)、及び各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を備えている。
【0038】
一方、ドアロック/アンロック駆動ユニット110はイグニッション131から電源をとっている。そして、ドアロック/アンロック駆動ユニット110はモータ111と、ドアアンロック用リレー112と、ドアロック用リレー113を備え、これらのリレー112,113のオン・オフでモータ111の回転方向を変えるようになっている。また、モータ111にはドアロック検出スイッチ114とドアアンロック検出スイッチ115とが設けられている。なお、モータ111はストライカに対してラッチをロック可能状態にするかロック解除状態にするかの役目を果たしている。すなわち、モータ111の作動によりラッチに係合しているポールを強制的に係合解除でき、これによってドア1を選択的に施錠可能状態又は解除状態とする。
【0039】
なお、モータ111に備わったスイッチ114,115のほかに、車体のリアピラー側にはドアロックスイッチ116が備わり、ドアの車体フロントピラー側にはドアスイッチ117が備わり、実際のドアの全閉状態を確認できるようになっている。
【0040】
一方、ドア開閉駆動用ユニット120には駆動モータ61が備わり、車種に応じた24Vまたは12Vの電源をバッテリー132から当該駆動モータ61に供給するようになっている。また、ドア開閉駆動用ユニット120には、ドア自動・手動切り替え用のオート/マニュアル切替スイッチ63と、ドア中間位置検出用の上述した3つのリミットスイッチ71〜73と、ドア全閉及び全開からのドア開閉駆動直前に警報音を発するブザー122と、ドア開閉いずれかの方向に押している間だけ(OPEN又はCLOSE側にスイッチ接点が接合しているときだけ)ドア1を開閉作動させ、離すとドア開閉動作を停止するドア開閉スイッチ123が備わっている。さらには、ドア開閉駆動用ユニット120には車速センサ124が設けられ、所定の車速有りを検知するとドア1の自動開閉を不可能にし、安全なドア開閉制御を行なうようになっている。
【0041】
なお、ドア開閉スイッチ123はそのオープン側とクローズ側が駆動モータ61に接続された二つのモータリレー125,126にそれぞれ導通接続され、ドア開閉スイッチ123の選択によって駆動モータ61の回転方向を変え、ドア1の開閉方向を選択できるようになっている。
【0042】
続いて、3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73の検出状態とドア開閉位置との関係を図6に基づいて説明する。
【0043】
ドア開閉位置は、図6に示す記号A−B間のドア完全開き区間と、記号B−C間のドア全開保持区間(チェッカー乗り越し区間)と、記号C−D間に示す中間区間、すなわちチェッカーがドアピラーから外れた時点とドア閉止速度を加速する時点との間のドア中間区間と、記号D−E間で示すドア閉止のための加速域を表すドア全閉前加速区間と、記号E−F間で示すドア全閉区間とで区分される。そして、ドア中間区間は、第1の中間位置、第2の中間位置、及び第3の中間位置とで均等に区切られ、その結果この中間区間が4つの均等な距離を有する中間エリア(区間)に更に分割されている。
【0044】
なお、ドア全開保持区間においては、ドアチェッカーをリアピラー5から外すために駆動モータ61をデューティ比30%と通常トルクより若干大きいトルクで駆動する。また、4つのエリアからなるドア中間区間では各エリアを通常0.7秒でドアが通過するように駆動モータ61をデューティ比15%とし通常トルクで駆動する。さらに、ドア全閉前加速区間においては、ドア1のラッチを車体のストライカにしっかりと係合させるためにデューティ100%の最大トルクでモータを駆動する。
【0045】
続いて、ドアスイッチ116,117及びドア中間位置検出用としてのリミットスイッチ71〜73のオン・オフ状態とドアの位置関係との相関関係について説明する。なお、図6においては各スイッチがオンの場合は1、各スイッチがオフの場合は0として表している。また、ここではスイングドアが全開状態から全閉状態に至るまでの過程について各スイッチの状態変化を説明する。まず、ドア1が完全開き区間A−B(エリア0)にある場合、ドアスイッチは0、スイッチ1は1、スイッチ2は0、スイッチ3は1である。続いて、ドア全開保持区間B−C(エリア1)に移行した場合のスイッチの状態変化を(ドアスイッチ,スイッチ1,スイッチ2,スイッチ3)とすると、ドア全開保持区間のエリア1において、各スイッチの状態は(0,0,0,1)となる。さらにドア1が閉じるとドア1は中間区間C−Dに至る。この中間区間C−Dは上述したように予め4つの均等なエリアに区分けされている。そして、最初のエリア2では各スイッチの状態変化は(0,0,0,0)となる。続くエリア3においては各スイッチの状態変化は、(0,0,1,0)となる。そして、続くエリア4におけるスイッチの状態変化は、(0,0,1,1)となる。更にドア中間区間の最後のエリア、すなわちエリア5においては、各スイッチの状態変化は(0,1,1,1)となる。続いて、ドア1が閉じる直前の状態であるドア全閉前加速区間D−Eに至ると、各スイッチの状態変化はエリア6に示すように、(0,1,1,0)となる。そして、ドア1が全閉区間になったとき、各スイッチの状態変化はエリア7に示すように(1,1,1,0)となる。このようにエリア0からエリア7の全てのエリアにおいて各スイッチの状態変化が同一の状態であるエリアは存在せず、各スイッチの出力である0と1の組み合わせによる状態変化が予め定められた順番でシーケンシャルにかつ一義的に変化していくようになっている。従って、このような組み合わせにないスイッチの状態組み合わせが生じた場合や組み合わせは正しいがスイッチの状態変化が上述の順番通りに生じない場合はドアスイッチ116,117,リミットスイッチ71〜73の何れかのスイッチが故障であると判断することができる。
【0046】
なお、ドア全閉状態からドア1を開放する場合は各スイッチの状態変化が上述と逆のパターンで順々に変化していくので、上述のドア閉止動作の場合と同様に、図6に示す組み合わせにないスイッチの状態組み合わせが生じた場合や組み合わせは正しいがスイッチの状態変化が上述と逆の順番(図6に示す右から左の順番)に生じない場合も同様にドアスイッチ116,117、リミットスイッチ71〜73の何れかのスイッチが故障と判断することができる。
【0047】
続いて、CPU101で行われるドア開閉速度制御のフローチャートを図面に基づいて説明する。
【0048】
図7に示すドア開閉速度制御ルーチンを開始すると(ステップS100)、車両の運転席に取り付けられたドア開閉スイッチ123が操作されてオフからオン(ドア開かドア閉かのいずれか)に変化したか否かを判断する(ステップS101)。
【0049】
ここでドア開閉スイッチ123がオフからオンに操作された場合は、以下に説明するようにドアの開度に応じたモータのデューティ比設定を行う。なお、ドアがどの区間にいるか否かはドアスイッチ116,117と3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73のオン・オフ(1,0)組み合わせ状態が図6に示すオン・オフの組み合わせのいずれかと合致するかをCPU101が判断する。
【0050】
本フローチャートにおいてはまず、ドア1が全開保持区間(ドアがチェッカーにより全開位置で保持されているドア全開状態からチェッカー乗り切り状態に至るまでの区間)にあるか否かを判断する(ステップS121)。ここでドア1が全開保持区間にある場合はモータのデューティ比を30%にセットして(ステップS131)モータのトルクを若干大きくする。これはドアを保持しているチェッカーの弾発力に抗してドアをチェッカーから外しドアを動かし始めるのに若干大きめのトルクを必要とするためである。
【0051】
一方、ステップS121でドア1が全開保持区間にない場合は、中間区間(チェッカー乗り切った状態から加速状態に至るまでの区間)にあるか否かを判断する(ステップS122)。ここでドア1が中間区間にある場合は、デューティ比を15%にセットする(ステップS132)。ここで、デューティ比を15%とした理由は、ドア1が中間区間にある場合はほぼドア自重のみが負荷となるので他の区間にある場合に比べて小さなトルクで開閉動作を行うことができるためである。
【0052】
一方、ステップS122でドア1が中間区間にない場合、ドア1が開作動時で全閉から加速区間にあるか否かを判断し(ステップS123)、この区間内にドア1がある場合もデューティ比を同じく15%にセットする(ステップS132)。デューティ比を15%とした理由は、このドア開放作動直前にドアロック/アンロック駆動ユニットのモータ111が作動し、図外のポールを動かしラッチがストライカに係合されたドアロック状態から解除されているので、この場合もほぼドア自重のみが負荷となるため小さなトルクでドア開放動作を行うことができるためである。
【0053】
続いて、ドア1がステップS123で開作動時全閉〜加速区間にない場合、ドア1が全閉前加速区間(閉作動時加速開始から全閉に至るまでの区間)にあるか否かを判断し(ステップS124)、この区間内にある場合はデューティ比を100%にセットする(ステップS133)。これは、図外のウェザーストリップの反力や車室内空気圧縮による反力に抗してドア1のラッチを車体パネルのストライカにしっかりと係合させるためにドア全閉直前状態においてドア移動速度を最も大きくする必要があるためである。
【0054】
また、ステップS124でドア1が全閉前加速区間にないと判断した場合は閉作動時ドア全閉状態か否かを判断し(ステップS125)、ドア閉作動時で全閉の場合はドア開閉動作が終了しているとして図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータを停止して(ステップS191)、ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0055】
一方、図7のステップS125においてドア閉作動時で全閉でない場合は、ドア開作動時全開か否かを判断し(ステップS126)、ドア開作動時で全開の場合は同じくドア開閉動作が終了しているとして図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0056】
一方、図7に示すステップS126でドア開作動時全開でないと判断した場合、すなわち各スイッチのオン・オフ組み合わせが図6に示すいずれの状態にもない場合は図10に示すようにスイッチ故障と判断する(ステップS127)。そして、速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0057】
なお、前述の全開保持区間、中間区間にドア1があるときは、ドア1の閉作動時も、開作動時も同じ制御、すなわちステップS121、ステップS131、ステップS122、ステップS132の流れで同様に処理される。
【0058】
一方、図7のステップS101でドア開閉スイッチ123が操作されてオフからオンに変化したときでない場合、図8に示すようにドア開閉スイッチがオンであるかオフであるか(ドア開閉作動状態にあるかドア停止状態にあるか)を判断する(ステップS102)。また、上述したモータのデューティ比をドアの開閉度合いに応じてセットした(ステップS131,S132,S133)後にも開閉スイッチ123がオンかオフかを判断する(ステップS102)。
【0059】
そして、ドア開閉スイッチ123がオフの状態であると、図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0060】
一方、図8に示すステップS102でドア開閉スイッチ123がオンの状態であると、時間計測を開始するとともに(ステップS103)、モータ出力を行う(ステップS104)。
【0061】
そして、ドア全閉前加速区間であるか否かを判断し(ステップS105)、この区間である場合は、開閉スイッチがオフからオンへの操作されているか否かの判断ステップS101(図7)に戻る。
【0062】
一方、図8に示すステップS105でドア全閉前加速区間でない場合、ドア閉作動時全閉か否かを判断し(ステップS106)、ドア閉作動時で全閉である場合は、図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0063】
図8に示すステップS106でドア閉作動時全閉でない場合は、区間変更があったか否かを判断する(ステップS107)。なお、この区間変更の有無はドアスイッチ116,117及び3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73のオン・オフ状態変化が図6に示すスイッチ出力の組み合わせに沿って変化したか否かを確認することで容易に判断できる。
【0064】
ステップS107でドア開閉位置の区間変更がない場合、図10に示すように区間時間はデューティアップしないで1秒以上3秒未満であるか否かを判断する(ステップS108)。そして、この範囲内に入っている場合はデューティ比を1段階アップし(ステップS171)、図7に示すステップS101に戻る。ここでデューティアップの段階は、中間区間の場合、1段階アップを40%、2段階アップを60%に設定し、全開保持区間の場合、1段階アップを45%、2段階アップを60%に設定している。これによってデューティ比は40%となる。なお、このデューティアップの段階は2段階に限られるものではなく増やしても逆に減らしても良い。また、中間区間と全開保持区間とで段階数を変え、例えば中間区間は3段階、全開保持区間は1段階としても良い。これは、駆動モータの出力、減速ギヤ、ドアの重量、作動保障する坂道の勾配、ドア開閉速度変化の許容範囲等によって設定すれば良いものである。
【0065】
このように、デューティ比を1段階アップする理由は、例えば車両が傾斜の緩い坂に停車してドアの自重に加えて坂上に上げるエネルギー消費分でドア1の開閉速度が遅くなり、開閉時間が若干かかってしまう場合において、モータのトルクを上げてドア1の開閉速度を速く(開閉速度を回復)し、坂であっても一定の速度でドア開閉を行うためである。
【0066】
一方、区間時間が図10に示すステップS108の範囲から外れている場合、デューティ1段アップして区間時間が1秒以上から3秒未満であるか否かを判断する(ステップS109)。ここで、区間時間がデューティ1段アップして1秒以上から3秒未満の場合はデューティ比を2段階アップして(ステップS172)、図7に示すステップS101に戻る。これによってデューティ比は60%となる。
【0067】
なお、これは車両が急坂に停車中などドア1の開閉速度がかなり遅くなっている場合において、デューティ比をさらに上げてモータのトルクをさらに大きくドアの開閉速度を速く(開閉速度を回復)し、急坂であっても一定の速度でドア開閉するためである。
【0068】
また、これに該当しない場合は図10に示すように区間時間が3秒以上か否かを判断し(ステップS110)、3秒以上でない場合は図7に示すステップS101に戻る。
【0069】
一方、図10に示すステップS110で区間時間が3秒以上である場合はドアの区間通過時間がかかり過ぎるのでドア故障と判断し(ステップS111)、速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0070】
これは、車両が平坦な場所で停車した状態でドア中間位置において通常の開閉速度でドア開閉を行う場合に区間通過に要する時間が0.8秒にしてあるが、1秒以内に通過すれば正常な一定速度の範囲に入っていると設定した場合に生じるフローであり、区間時間がデューティアップしても3秒以上かかるのであれば故障と設定したものである。
【0071】
図8に示すステップS107でドア開閉位置の区間変更がある場合、計測カウンタをクリアして(ステップS141)、ドア1の開閉度合いに応じたデューティ比の再セット動作を行う。
【0072】
具体的には、図9に示すようにドア1がどの区間にあるか否かを判断する。なお、この区間判断も上述と同様に各スイッチ116,117,71〜73のオン・オフ組み合わせが図6の何れの区間に該当するか否かで行う。
【0073】
まずドア全開保持区間にドア1があるか否かを判断する(ステップS142)。ここで、ドア全開保持区間にドアがある場合はデューティ比を30%にセットし(ステップS151)、以前が30%デューティ比でなくて既にデューティ比がアップしているか否かを判断する(ステップS152)。そして、これに該当する場合(YESの場合)はデューティ比を2段階までアップして(ステップS153)、図7に示すステップS101に戻る。これによって前述のようにデューティ比は最高60%までアップされる。
【0074】
このようにデューティ比をアップすることで前区間において経過時間がかかってデューティ比をアップした状態のまま引き続き高いデューティ比でモータを駆動でき、ドア1の開閉速度を一定に保ち、ドア1の開閉動作をスムーズに行うことが可能となる。
【0075】
一方、ステップS152でこれに該当しない場合(NOの場合)は図7に示すステップS101に戻る。
【0076】
続いて、図9に示すステップS142でドア全開保持区間にドアがない場合、ドア1が中間区間にあるか否かを判断する(ステップS143)。ドアが中間区間にある場合はデューティ比を15%にセット(ステップS161)し、以前が15%デューティでなくて既にデューティアップしているか否かを判断する(ステップS162)。そして、これに該当する場合(YESの場合)はデューティ比を2段階までアップして(ステップS162)、図7に示すステップS101に戻る。これによって前述のようにデューティ比は最高60%までアップされる。
【0077】
なお、このようにデューティアップする理由はステップS152でデューティアップさせた理由と同様にドア1の開閉速度を一定に保ち、ドア1の開閉動作をスムーズに行うためである。
【0078】
一方、ステップS162でこれに該当しない場合(NOの場合)はデューティ比をアップさせずにそのまま図7に示すステップS101に戻る。
【0079】
なお、前述の全開保持区間、中間区間にドア1があるときは、ドア1の閉作動時も、開作動時も同じ制御、すなわちステップS142、S143、S151、S152、S153、S161、S162、S163の流れで同等に処理される。
【0080】
続いて、図9に示すステップS143でドア1が中間区間にない場合、ドア1が開作動時全閉〜加速区間にあるか否かを判断する(ステップS144)。ここで、ドア1が開作動時全閉〜加速区間にある場合は同じくデューティ比を15%にセットする。これは、この区間においては前述のように特に大きな駆動トルクを必要としないためである。
【0081】
一方、ステップS144でドア1が開作動時全閉〜加速区間にない場合、ドア1が全閉前加速区間にあるか否かを判断する(ステップS145)。ここでドア1が全閉前加速区間にある場合、ドア1を閉じる直前の状態であり、前述のようにモータ61のトルクを最大限必要とするのでデューティ比を100%にセットする(ステップS149)。そして、図7に示すステップS101に戻る。
【0082】
また、図9に示すステップS145においてドア1が全閉前加速区間にない場合は、ドア1が閉作動時全閉か否かを判断し(ステップS146)、ドア1が閉作動時全閉である場合は、ドア開閉動作が終了しているので図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0083】
一方、図9に示すステップS146でドア1が閉作動時全閉でない場合は、ドア1が開作動時全開であるか否かを判断し(ステップS147)、ドア1が開作動時全開である場合はドア開閉動作が終了しているので図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0084】
そして、図9に示すステップS147でドア1が開作動時全開でない場合は、ドアスイッチのオン・オフ組み合わせがいずれのドア開度状態にも該当しないので、図10に示すようにスイッチ故障と判断して(ステップS127)、速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0085】
続いて、以上説明したドア開閉速度制御ルーチンの一部を具体的な時間を例示して説明する。
【0086】
ドア1が中間区間内にある場合で図8に示すステップ103において時間計測開始後、例えば1.2秒経過しても区間変更が行われないときは、中間区間におけるドア1の開閉に若干時間がかかるとして図10に示すステップS108、ステップS171によってデューティ比が1段階アップされる。その結果、モータ61のトルクが若干大きくなり、ドア開閉速度が上がる。そして、図7に示すステップS101に戻り、再び図8に示すステップS107で区間変更の有無を判断する。この段階で区間変更が行われた場合は、変更後に各区間に対応するデューティ比がステップS161(図9)で再セットされるとともに変更前においてデューティ比が1段階アップされているので区間変更後もこれを引き継いでステップS162でデューティ比を1段階アップする。これによって例えば緩やかな坂でもドア開度中間区間において平地と同様な開閉速度でドアをスムーズに開閉することができる。
【0087】
一方、デューティ比1段階アップしたにもかかわらずステップS109(図10)でYES(デューティ比1段階アップ後、区間時間が例えば1.2秒かかった)と判断した場合、ドアの開閉にかなり時間がかかるとしてステップS172によってデューティ比が2段階アップされる。その結果、モータ61のトルクがかなり大きくなる。そして、図7に示すステップS101に戻り、再び図8に示すステップS107で区間変更の有無を判断する。この段階で区間変更が行われた場合は、変更後に各区間に対応するデューティ比がステップS161(図9)で再セットされるとともに変更前においてデューティ比が2段階アップされているので区間変更後もこれを引き継いでステップS163でデューティ比を2段階アップする。
【0088】
これによって例えばかなり急な坂でもドア開度中間区間において平地と同様な開閉速度でドアをスムーズに開閉することができる。なお、この場合、区間時間は合計2.4秒である。
【0089】
一方、ドア中間区間における時間計測開始後、ステップS110(図10)で区間経過時間が3秒超えた場合はドアの開閉に時間がかかり過ぎるとして車両が急坂に停車しているために時間がかかるのではなく、ドア開閉に何らかの不具合があるとしてドア故障と判断する。
【0090】
また、経過時間が例えば0.8秒の場合は、ステップS108(図10)、ステップS109、ステップS110、ステップS101と移行し、続くステップS107(図8)を経てデューティ比が再セットされ(ステップS161)、ステップS162から図7に示すステップS101に戻る。なお、この場合平坦地におけるドア開閉時のようにドア1の開閉速度は正常範囲内にあるのでデューティ比の再セットに際してステップS162、ステップS163(図9)においてデューティ比がアップされることはなく、通常の中間区間を経過するドア開閉速度でもってモータ61が駆動される。
【0091】
尚、上述のフローチャートは本発明の目的を実現するための一例として示したものであり、本発明を逸脱しない範囲での上述のフローチャートと異なるフローチャートも考えられることは言うまでもない。
【0092】
また、上述のドア中間位置を検出する3つのスイッチにはいわゆるリミットスイッチを用いたが、これに限定されず物体有無検知用の他のオン・オフスイッチを用いても良いことは言うまでもない。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、当該区間のどの区間にドアがあるかを廉価なスイッチで検出してドア開閉速度をドアの開度に応じて変更する。そのため、高価なエンコーダによる速度制御を行なうことなく、また、ドアが坂道停車時にドアの自重により閉じ方向に移動しないようにドアを全開位置に開保持しているチェッカー等の保持力に抗して開閉作動しなければならない区間とドア自重にのみ抗して開閉作動すれば良い区間とウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせなければならない区間とがあってもドア全閉とドア全開との間でどの区間においてもスムーズにドアを動かすことができる。また、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、各区間のいずれにドアが移動したか区間判別手段で判別し、各区間のドア移動時間を区間移動時間計測手段で計測し、区間の移動時間が所定の移動時間を超えると駆動モータ速度上限手段でドア開閉用駆動モータの速度を上昇させるので、車両が平坦地に停車していようが坂道に停車していようが常に一定の開閉速度でドアの開閉を行うことができる。また、ドア開閉範囲の途中で停止しているドアを、ドア開閉度合いの途中区間から自動開/閉しても速度制御ができる。
【0094】
さらに、スイッチのON・OFF状態の組み合わせで各区間の検出を行なうので、スイッチを各区間に対応した数まで設ける必要がなく、装置全体を安価に提供できる。
【0095】
また、本発明の請求項2に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、ドア開度が全開保持区間、全閉前加速区間、中間区間毎に異なるデューティ比で駆動モータをスタートさせるようにしたので、区間毎に必要なモータ速度を早く得られる。また、ドアの全開保持区間において全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを全開位置に開保持しているチェッカーの乗り越しを早くスムーズに行うことができる。
【0096】
また、ドア全閉直前に100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドア全閉直前に駆動モータの発生させ得る最大の駆動力で開閉速度を最大に加速させてドアを閉じる。そのため、ウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせ、ドアを確実に閉じることができる。また、加速区間の距離または時間が短く、加速区間を更に複数の区間に区切って、始めの加速区間を所定の移動時間を超えて移動したときに次の加速区間で駆動モータの速度を上昇させるという制御が行うことができない場合でも100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるのでドアを閉じ確実にロックさせることができる。また、ドア全閉の直前で加速するための補助モータを設ける必要もない。同じく、ドアロックの際にオートクロージャー装置などの特別な機構を必要ともしない。
【0097】
また、本発明の請求項3に記載のスイングドアは、廉価なスイッチを最小限必要なだけ備えこれを使用してドア速度開閉制御を行っているので、安価で信頼性の高いオートスイングドアを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置のドア構造を、車体パネル部を破断して示す平面図である。
【図2】図1のドア構造を車両フロア側から示した斜視図である。
【図3】図1のドア構造に示したドア開閉モータ駆動ユニットボックスの内部構造を示した図である。
【図4】図3のドア開閉モータ駆動ユニットボックスの駆動シャフト部近傍を示した詳細斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置のドア開閉駆動用ユニット回路図である。
【図6】図5のドアスイッチとドア中間位置検出スイッチのオン・オフをドア開閉度合いに応じて示す状態変化図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置によるドア開閉制御を示すフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】図8に続くフローチャートである。
【図11】従来のドア開閉装置の開閉制御を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 オートスイングドア
1a インナーハンドル
1b ロックレバー
2 フロア
2a ガードバー
3 ステップ
4 フロントピラー
5 リアピラー
6 駆動ユニットボックス
10 上側メインリンク
20 下側メインリンク
21 突出部
22 ストッパ
23 固定端アーム
24 ドア開閉用ロッド
24a ネジ部
24b ナット
25 ボールジョイント
28 駆動リンク
29 ボールジョイント
30 サブリンク
31 ブラケット
40 ドア側リンク固定シャフト
41,42 ブラケット
50 車体側リンク固定シャフト
51,52 ブラケット
61 駆動モータ
62 パワーユニット
63 オート/マニュアル切替スイッチ
64 モータ駆動シャフト
65 カム
65a,65b,65c 凸部
65d 下段カムプレート
65u 上段カムプレート
71〜73 リミットスイッチ
71a,72a,73a 検出端ローラ
100 ドア開閉制御装置
101 ドア開閉制御用CPU
110 ドアロック/アンロック駆動ユニット
111 モータ
112 ドアアンロック用リレー
113 ドアロック用リレー
114 ドアロック検出スイッチ
115 ドアアンロック検出スイッチ
116 ドア(ロック)スイッチ
117 ドアスイッチ
120 ドア開閉駆動用ユニット
122 ブザー
123 ドア開閉スイッチ
124 車速センサ
125,126 モータリレー
131 イグニッション
132 バッテリー
【発明が属する技術分野】
本発明は、オートスイングドアの開閉速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から例えばマイクロバス等にはオートスイングドアが一般的に使用されている。かかるオートスイングドアはモータで開閉されるようになっているが、例えば車両が急坂で停車している場合、ドア開閉する際に大きなトルクでモータを駆動する必要がある。さらには、通常のドア閉止動作においてもドア全閉時にはドア周囲のウェザーストリップの反力等に抗してドアのラッチが車体パネルのストライカに完全に係合するようにドア全閉直前には大きなトルクでモータを駆動する必要もある。
【0003】
さらにまた、ドア開閉途中においてドアに人や物が挟まった時、これを速やかに検出してドア駆動モータを停止させる必要もある。
【0004】
このようにドアの開度に応じてモータのトルクを制御するためのドア開閉制御装置が従来から知られている。
【0005】
一例として、車両が坂道に停車している際、モータ制御用ロータリエンコーダを用いてスライドドアの自重による移動方向や移動速度を求め、これに基づいて車両の傾斜度合いを算出してこれに応じたドア開閉速度制御を行なうドア開閉制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
このドア開閉制御装置は、ロータリエンコーダから出力される2相パルス信号の位相関係からロータリエンコーダの回転方向、すなわちスライドドアの移動方向を検出すると共に、割り込みパルス間のクロックパルス数をカウントすることでスライドドアの速度を認識するようになっている。そして、これらの検出結果よりスライドドアの加速度を求めることで車両停車時における傾きを求め、スライドドアの開閉速度制御に役立てている。
【0007】
一方、このようなロータリエンコーダを用いる代わりに主モータと補助モータの2つのモータを備えてドア開閉速度制御を行なうドア開閉装置も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
このドア開閉装置は、車両用ドアの開閉を指示する操作スイッチと、この操作スイッチの操作に応じて正転及び逆転する主モータと、この他に車両用ドアの閉止直前の状態を検出する検出スイッチと、この検出スイッチの状態検出に応答して主モータとともにドア開閉機構を
車両用ドアの閉止方向へ駆動する補助モータとを備えている。
【0009】
そして、図11に示すようにドア全開状態(ドア全開スイッチオンの状態)からドア全閉状態(ドア全閉スイッチオンの状態)までの間において、ドア中間スイッチがオンからオフになった状態(ドア全閉直前の状態)を検出し、この時点からドア全閉までの間を加速区間として主モータに加えて補助モータを駆動し、他の区間より大きな駆動力でドアを動かすようになっている。そして、このドアの加速動作によって、ドアのラッチを車体パネルのストライカに確実に係合させている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−280805号公報(第5頁、図9)
【特許文献2】
実開平2−47377号公報(第25−26頁、第1図)
【発明が解決しようとする課題】
前者のドア自動開閉制御装置はロータリエンコーダを備えているが、ロータリエンコーダは立ち上がりパルス間のクロックパルス数をカウントしてモータ回転数を検出すると共に、モータ回転方向に応じたパルス変化をみることでモータ回転方向を検出しているので構造的に複雑となりコスト的に高くつく。
【0011】
一方、後者のドア開閉装置は主モータの他にドア加速用の補助モータも備えなければならず、ロータリエンコーダを用いた場合と同様にコスト的に高くつく。
【0012】
なお、ドアが車体側のパネルに対してハーフラッチ(半ロック)位置にくるとドアのラッチをフルラッチ(フルロック)位置まで閉め込むオートクロージャーという機構も存在するが、構造上さらに複雑となり、上述の2つの従来例に比べてさらにコスト上割高となる。
【0013】
本発明の目的は、廉価で高性能かつ信頼性の高いオートスイングドアの開閉速度制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかるスイングドアの開閉速度制御装置は、全開から全閉までのドア開閉範囲を複数区間に区切り、複数区間には、ドア全開保持区間と、ドア全閉前加速区間と、当該ドア全開保持区間とドア全閉前加速区間の間の中間区間とが設けられ、中間区間は、さらに所定距離ごとに区切られた複数の区間が設けられており、各区間に対応した複数のスイッチのON・OFF状態の組み合わせによって各区間の1つが特定されるように、各区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段と、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせと記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段と、各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段と、各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を有することを特徴としている。
【0015】
ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、当該区間のどの区間にドアがあるかを廉価なスイッチで検出してドア開閉速度をドア開度に応じて変更する。そのため、高価なエンコーダによる速度制御を行なうことなく、また、ドアが坂道停車時にドアの自重により閉じ方向に移動しないようにドアを全開位置に開保持しているチェッカー等の保持力に抗して開閉作動しなければならない区間とドアの自重にのみ抗して開閉作動すれば良い区間とウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせなければならない区間とがあってもドア全閉とドア全開との間でどの区間においてもスムーズにドアを動かすことができる。また、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、各区間のいずれにドアが移動したか区間判別手段で判別し、各区間のドア移動時間を区間移動時間計測手段で計測し、区間の移動時間が所定の移動時間を超えると駆動モータ速度上昇手段でドア開閉用駆動モータの速度を上昇させるので、車両が平坦地に停車していようが坂道に停車していようが常に一定の開閉速度でドアの開閉を行うことができる。また、ドア開閉範囲の途中で停止しているドアを、ドア開閉度合いの途中区間から自動開/閉しても速度制御ができる。
【0016】
さらに、スイッチのON・OFF状態の組み合わせで各区間の検出を行なうので、スイッチを各区間に対応した数まで設ける必要がなく、装置全体を安価に提供できる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、請求項1に記載のスイングドアの開閉速度制御装置において、駆動モータ速度上昇手段が、全開保持区間においてドア全開時にドアを全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせ、全閉前加速区間では、100%デューティ比で駆動モータをスタートさせ、中間区間では前記ドアの取り付けられた車両が平坦地に停車した際に所定のドア開閉速度を得ることが可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせることを特徴としている。
【0018】
ドア開度が全開保持区間、全閉前加速区間、中間区間毎に異なるデューティ比で駆動モータをスタートさせるようにしたので、区間毎に必要なモータ速度を早く得られる。
【0019】
また、ドアの全開保持区間において全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを全閉位置に開保持しているチェッカーの乗り越しを早くスムーズに行うことができる。
【0020】
また、ドア全閉直前に100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドア全閉直前に駆動モータの発生させ得る最大の駆動力で開閉速度を最大に加速させてドアを閉じる。そのため、ウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせ、ドアを確実に閉じることができる。また、加速区間の距離または時間が短く、加速区間を更に複数の区間に区切って始めの加速区間を所定の移動時間を超えて移動したときに次の加速区間で駆動モータの速度を上昇させるという制御が行うことができない場合でも、100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを閉じ確実にロックさせることができる。また、ドア全閉の直前で加速するための補助モータを設ける必要もない。同じく、ドアロックの際にオートクロージャー装置などの特別な機構を必要ともしない。
【0021】
また、本発明の請求項3に記載のスイングドアは、請求項1又は請求項2に記載のドア開閉速度制御装置と、請求項1に記載の複数区間に対応して設けられ、ドア開閉速度制御装置にスイッチON・OFF状態を知らせる複数のスイッチと、請求項1に記載の駆動モータ速度上昇手段によって駆動制御される駆動モータとを備えたことを特徴としている。
【0022】
廉価なスイッチを最小限必要なだけ備えこれを使用してドア速度開閉制御を行っているので、安価で信頼性の高いオートスイングドアを実現できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態にかかるオートスイングドアの開閉速度制御装置について、図面に基づいて説明する。
【0024】
最初にオートスイングドアの構造について説明する。
【0025】
オートスイングドア(以下、単に「ドア」とする)1は、図1及び図2に示すように例えばマイクロバスのフロア2から一段下がったステップ3を有する乗降口を形成しているフロントピラー4とリヤピラー5間のドア開口部に設けられ、ドア開口部を閉じるドア全閉位置からドア1が車体に対して平行に移動し、ドア開口部の後外側に位置するドア全開位置に至るようになっている。すなわち、ドア全閉位置においては、ドアは図示しないウェザーストリップを介してドアピラー(フロントピラー4及びリアピラー5等)と密着し(図1中2点鎖線参照)、ドア全開位置においては車体側方から一定距離離間して車体と平行に位置するようになっている(図1中実線参照)。そして、ドア全開位置には図示しないチェッカーが設けられ、ドア全開位置にドア1を開保持している。ドア全開時このチェッカーを乗り越えてドア1が保持され、ドア閉時、最初にこのチェッカーを乗り越えて閉作動が行われる。
【0026】
ドア1は、U字型のメインリンク10,20及び棒状のサブリンク30を介して車体に連結している。メインリンク10,20は、図2に示すドア側リンク固定シャフト40と車体側リンク固定シャフト50とを連結する二本の略U字型リンクからなり、下側のリンク20には突出部21が設けられ、その先端にドアパネル部と当接するゴム製のストッパ22が備わっている。また、ドア側リンク固定シャフト40の両端はドアパネルに取り付けられたブラケット41,42によって回動自在に支持されている。一方、車体側リンク固定シャフト50もその両端部が車体に取り付けられたブラケット51,52(図2参照)を介して回動自在に支持されている。そして、下側メインリンク20の突出部近傍にさらに固定端アーム23が設けられ、ドア開閉用ロッド24の一端とボールジョイント25を介して回動自在に連結されている。
【0027】
サブリンク30は一端がドア下端前方(車体のフロントピラー4側)に備わったブラケット31に回動自在に取り付けられ、他端が図示しないブラケットを介してステップ3の裏面に回動自在に取り付けられている。
【0028】
一方、ステップ3の後方部にはドア開閉モータ駆動ユニットボックス6が設けられ、駆動ユニットボックス6から突出したモータ駆動シャフト64(図2参照)にドア開閉用ロッド24の他端が接続されている。なお、ドア開閉用ロッド24の一部には長さ調整用のネジ部24aとナット24bが備わっている(図3参照)。
【0029】
また、ドア1には図2に示すようにドア内側に手動操作用のインナーハンドル1aとロックレバー1bが備わり、ドア外側には図示しないアウターハンドルが備わっている。また、車体のフロア2には乗客保護用のガードバー2aがドア近傍に備わっている。
【0030】
そして、ドア1にはその前後に図示しないラッチ及びポールが備わったドアロック装置が設けられており、車体のフロントピラー4とリアピラー5には当該ラッチと係合する図示しないストライカが備わっている。なお、ポールはドア1のラッチが車体パネルのストライカに嵌合した際、ラッチの段差に引っかかりラッチがストライカとの嵌合を解除する方向へ回動するのを阻止し、ドア1を全閉位置でロックするためのものである。
【0031】
一方、ドア全開位置においては、ドアに設けられた図示しないチェッカーが車体パネルのリアピラー5内部に入り込み、チェッカーに備わったゴムの弾性力によってドア全開状態を保持するようになっている。そして、このチェッカーによって例えば車両が急坂で停車した時、ドア全開時にドアが自重で閉まるのを防止する。
【0032】
続いて、ドア開閉モータ駆動ユニットボックス(以下、単に「駆動ユニットボックス」とする)6について説明する。駆動ユニットボックス6はドア1を自動で動かすための駆動装置であり、図3に内部構造を露出した状態で示すように、駆動モータ61と、ギアボックス及びコントローラボックスからなるパワーユニット62と、パワーユニット62の側方に設けられたオート/マニュアル切替スイッチ63と、パワーユニット62から上方に突出したモータ駆動シャフト64とを備えている。なお、オート/マニュアル切替スイッチ63はドア1を自動で開閉するか手動で開閉するかの切替スイッチである。また、上述したようにモータ駆動シャフト64にはドア開閉用ロッド24の端部が駆動リンク28及びボールジョイント29を介して回動自在に取り付けられている(図4参照)。
【0033】
そして、モータ駆動シャフト64の一部には、図4に示すようにカム65が固定されるとともに、カム65によってオン・オフされるドア中間位置検出用の3つのリミットスイッチ71〜73が設けられている。カム65は樹脂で一体成型された2枚のカムプレートからなり、各カムプレートの周方向適所にリミットスイッチ動作用の凸部65a,65b,65cが一定範囲に亘って形成されている。
【0034】
ドア中間位置検出用の3つのリミットスイッチ71〜73にはいわゆる公知の物体有無検知用リミットスイッチが使用されており、第1スイッチ71及び第2スイッチ72の検出端ローラ71a,72aがカム周方向に一定距離離間して下段カムプレート65dとそれぞれ摺動接触し、第3スイッチ73の検出端ローラ73aが下段カムプレート65dから上方へ突出した上段カムプレート65uの凸部65a,65bと適所で摺動接触し、後述するドア中間位置の分割されたエリアごとに各スイッチが異なる組み合わせでオン・オフするようになっている。
【0035】
続いて、上述したドア1の開閉速度を制御するドア開閉制御装置100の回路構成を図5のブロック図に基づいて説明する。
【0036】
ドア開閉制御装置100の回路は、ドア開閉制御用CPU(ECU)101と、当該CPUに電気的に接続された図中一点鎖線で囲むドアロック/アンロック駆動ユニット110と、同じく当該CPUに電気的に接続された図中二点鎖線で囲むドア開閉駆動用ユニット120を備えている。
【0037】
ドア開閉制御用CPU101は後述するドア開閉速度制御のフローチャートに従って駆動モータ61を駆動制御するようになっており、内部にドア開度区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段(メモリ)、複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせとスイッチ出力記憶手段とから各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段、区間判別手段による各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段(タイマ)、及び各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を備えている。
【0038】
一方、ドアロック/アンロック駆動ユニット110はイグニッション131から電源をとっている。そして、ドアロック/アンロック駆動ユニット110はモータ111と、ドアアンロック用リレー112と、ドアロック用リレー113を備え、これらのリレー112,113のオン・オフでモータ111の回転方向を変えるようになっている。また、モータ111にはドアロック検出スイッチ114とドアアンロック検出スイッチ115とが設けられている。なお、モータ111はストライカに対してラッチをロック可能状態にするかロック解除状態にするかの役目を果たしている。すなわち、モータ111の作動によりラッチに係合しているポールを強制的に係合解除でき、これによってドア1を選択的に施錠可能状態又は解除状態とする。
【0039】
なお、モータ111に備わったスイッチ114,115のほかに、車体のリアピラー側にはドアロックスイッチ116が備わり、ドアの車体フロントピラー側にはドアスイッチ117が備わり、実際のドアの全閉状態を確認できるようになっている。
【0040】
一方、ドア開閉駆動用ユニット120には駆動モータ61が備わり、車種に応じた24Vまたは12Vの電源をバッテリー132から当該駆動モータ61に供給するようになっている。また、ドア開閉駆動用ユニット120には、ドア自動・手動切り替え用のオート/マニュアル切替スイッチ63と、ドア中間位置検出用の上述した3つのリミットスイッチ71〜73と、ドア全閉及び全開からのドア開閉駆動直前に警報音を発するブザー122と、ドア開閉いずれかの方向に押している間だけ(OPEN又はCLOSE側にスイッチ接点が接合しているときだけ)ドア1を開閉作動させ、離すとドア開閉動作を停止するドア開閉スイッチ123が備わっている。さらには、ドア開閉駆動用ユニット120には車速センサ124が設けられ、所定の車速有りを検知するとドア1の自動開閉を不可能にし、安全なドア開閉制御を行なうようになっている。
【0041】
なお、ドア開閉スイッチ123はそのオープン側とクローズ側が駆動モータ61に接続された二つのモータリレー125,126にそれぞれ導通接続され、ドア開閉スイッチ123の選択によって駆動モータ61の回転方向を変え、ドア1の開閉方向を選択できるようになっている。
【0042】
続いて、3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73の検出状態とドア開閉位置との関係を図6に基づいて説明する。
【0043】
ドア開閉位置は、図6に示す記号A−B間のドア完全開き区間と、記号B−C間のドア全開保持区間(チェッカー乗り越し区間)と、記号C−D間に示す中間区間、すなわちチェッカーがドアピラーから外れた時点とドア閉止速度を加速する時点との間のドア中間区間と、記号D−E間で示すドア閉止のための加速域を表すドア全閉前加速区間と、記号E−F間で示すドア全閉区間とで区分される。そして、ドア中間区間は、第1の中間位置、第2の中間位置、及び第3の中間位置とで均等に区切られ、その結果この中間区間が4つの均等な距離を有する中間エリア(区間)に更に分割されている。
【0044】
なお、ドア全開保持区間においては、ドアチェッカーをリアピラー5から外すために駆動モータ61をデューティ比30%と通常トルクより若干大きいトルクで駆動する。また、4つのエリアからなるドア中間区間では各エリアを通常0.7秒でドアが通過するように駆動モータ61をデューティ比15%とし通常トルクで駆動する。さらに、ドア全閉前加速区間においては、ドア1のラッチを車体のストライカにしっかりと係合させるためにデューティ100%の最大トルクでモータを駆動する。
【0045】
続いて、ドアスイッチ116,117及びドア中間位置検出用としてのリミットスイッチ71〜73のオン・オフ状態とドアの位置関係との相関関係について説明する。なお、図6においては各スイッチがオンの場合は1、各スイッチがオフの場合は0として表している。また、ここではスイングドアが全開状態から全閉状態に至るまでの過程について各スイッチの状態変化を説明する。まず、ドア1が完全開き区間A−B(エリア0)にある場合、ドアスイッチは0、スイッチ1は1、スイッチ2は0、スイッチ3は1である。続いて、ドア全開保持区間B−C(エリア1)に移行した場合のスイッチの状態変化を(ドアスイッチ,スイッチ1,スイッチ2,スイッチ3)とすると、ドア全開保持区間のエリア1において、各スイッチの状態は(0,0,0,1)となる。さらにドア1が閉じるとドア1は中間区間C−Dに至る。この中間区間C−Dは上述したように予め4つの均等なエリアに区分けされている。そして、最初のエリア2では各スイッチの状態変化は(0,0,0,0)となる。続くエリア3においては各スイッチの状態変化は、(0,0,1,0)となる。そして、続くエリア4におけるスイッチの状態変化は、(0,0,1,1)となる。更にドア中間区間の最後のエリア、すなわちエリア5においては、各スイッチの状態変化は(0,1,1,1)となる。続いて、ドア1が閉じる直前の状態であるドア全閉前加速区間D−Eに至ると、各スイッチの状態変化はエリア6に示すように、(0,1,1,0)となる。そして、ドア1が全閉区間になったとき、各スイッチの状態変化はエリア7に示すように(1,1,1,0)となる。このようにエリア0からエリア7の全てのエリアにおいて各スイッチの状態変化が同一の状態であるエリアは存在せず、各スイッチの出力である0と1の組み合わせによる状態変化が予め定められた順番でシーケンシャルにかつ一義的に変化していくようになっている。従って、このような組み合わせにないスイッチの状態組み合わせが生じた場合や組み合わせは正しいがスイッチの状態変化が上述の順番通りに生じない場合はドアスイッチ116,117,リミットスイッチ71〜73の何れかのスイッチが故障であると判断することができる。
【0046】
なお、ドア全閉状態からドア1を開放する場合は各スイッチの状態変化が上述と逆のパターンで順々に変化していくので、上述のドア閉止動作の場合と同様に、図6に示す組み合わせにないスイッチの状態組み合わせが生じた場合や組み合わせは正しいがスイッチの状態変化が上述と逆の順番(図6に示す右から左の順番)に生じない場合も同様にドアスイッチ116,117、リミットスイッチ71〜73の何れかのスイッチが故障と判断することができる。
【0047】
続いて、CPU101で行われるドア開閉速度制御のフローチャートを図面に基づいて説明する。
【0048】
図7に示すドア開閉速度制御ルーチンを開始すると(ステップS100)、車両の運転席に取り付けられたドア開閉スイッチ123が操作されてオフからオン(ドア開かドア閉かのいずれか)に変化したか否かを判断する(ステップS101)。
【0049】
ここでドア開閉スイッチ123がオフからオンに操作された場合は、以下に説明するようにドアの開度に応じたモータのデューティ比設定を行う。なお、ドアがどの区間にいるか否かはドアスイッチ116,117と3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73のオン・オフ(1,0)組み合わせ状態が図6に示すオン・オフの組み合わせのいずれかと合致するかをCPU101が判断する。
【0050】
本フローチャートにおいてはまず、ドア1が全開保持区間(ドアがチェッカーにより全開位置で保持されているドア全開状態からチェッカー乗り切り状態に至るまでの区間)にあるか否かを判断する(ステップS121)。ここでドア1が全開保持区間にある場合はモータのデューティ比を30%にセットして(ステップS131)モータのトルクを若干大きくする。これはドアを保持しているチェッカーの弾発力に抗してドアをチェッカーから外しドアを動かし始めるのに若干大きめのトルクを必要とするためである。
【0051】
一方、ステップS121でドア1が全開保持区間にない場合は、中間区間(チェッカー乗り切った状態から加速状態に至るまでの区間)にあるか否かを判断する(ステップS122)。ここでドア1が中間区間にある場合は、デューティ比を15%にセットする(ステップS132)。ここで、デューティ比を15%とした理由は、ドア1が中間区間にある場合はほぼドア自重のみが負荷となるので他の区間にある場合に比べて小さなトルクで開閉動作を行うことができるためである。
【0052】
一方、ステップS122でドア1が中間区間にない場合、ドア1が開作動時で全閉から加速区間にあるか否かを判断し(ステップS123)、この区間内にドア1がある場合もデューティ比を同じく15%にセットする(ステップS132)。デューティ比を15%とした理由は、このドア開放作動直前にドアロック/アンロック駆動ユニットのモータ111が作動し、図外のポールを動かしラッチがストライカに係合されたドアロック状態から解除されているので、この場合もほぼドア自重のみが負荷となるため小さなトルクでドア開放動作を行うことができるためである。
【0053】
続いて、ドア1がステップS123で開作動時全閉〜加速区間にない場合、ドア1が全閉前加速区間(閉作動時加速開始から全閉に至るまでの区間)にあるか否かを判断し(ステップS124)、この区間内にある場合はデューティ比を100%にセットする(ステップS133)。これは、図外のウェザーストリップの反力や車室内空気圧縮による反力に抗してドア1のラッチを車体パネルのストライカにしっかりと係合させるためにドア全閉直前状態においてドア移動速度を最も大きくする必要があるためである。
【0054】
また、ステップS124でドア1が全閉前加速区間にないと判断した場合は閉作動時ドア全閉状態か否かを判断し(ステップS125)、ドア閉作動時で全閉の場合はドア開閉動作が終了しているとして図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータを停止して(ステップS191)、ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0055】
一方、図7のステップS125においてドア閉作動時で全閉でない場合は、ドア開作動時全開か否かを判断し(ステップS126)、ドア開作動時で全開の場合は同じくドア開閉動作が終了しているとして図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0056】
一方、図7に示すステップS126でドア開作動時全開でないと判断した場合、すなわち各スイッチのオン・オフ組み合わせが図6に示すいずれの状態にもない場合は図10に示すようにスイッチ故障と判断する(ステップS127)。そして、速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0057】
なお、前述の全開保持区間、中間区間にドア1があるときは、ドア1の閉作動時も、開作動時も同じ制御、すなわちステップS121、ステップS131、ステップS122、ステップS132の流れで同様に処理される。
【0058】
一方、図7のステップS101でドア開閉スイッチ123が操作されてオフからオンに変化したときでない場合、図8に示すようにドア開閉スイッチがオンであるかオフであるか(ドア開閉作動状態にあるかドア停止状態にあるか)を判断する(ステップS102)。また、上述したモータのデューティ比をドアの開閉度合いに応じてセットした(ステップS131,S132,S133)後にも開閉スイッチ123がオンかオフかを判断する(ステップS102)。
【0059】
そして、ドア開閉スイッチ123がオフの状態であると、図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)、モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0060】
一方、図8に示すステップS102でドア開閉スイッチ123がオンの状態であると、時間計測を開始するとともに(ステップS103)、モータ出力を行う(ステップS104)。
【0061】
そして、ドア全閉前加速区間であるか否かを判断し(ステップS105)、この区間である場合は、開閉スイッチがオフからオンへの操作されているか否かの判断ステップS101(図7)に戻る。
【0062】
一方、図8に示すステップS105でドア全閉前加速区間でない場合、ドア閉作動時全閉か否かを判断し(ステップS106)、ドア閉作動時で全閉である場合は、図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータ61を停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0063】
図8に示すステップS106でドア閉作動時全閉でない場合は、区間変更があったか否かを判断する(ステップS107)。なお、この区間変更の有無はドアスイッチ116,117及び3つのドア中間位置検出用リミットスイッチ71〜73のオン・オフ状態変化が図6に示すスイッチ出力の組み合わせに沿って変化したか否かを確認することで容易に判断できる。
【0064】
ステップS107でドア開閉位置の区間変更がない場合、図10に示すように区間時間はデューティアップしないで1秒以上3秒未満であるか否かを判断する(ステップS108)。そして、この範囲内に入っている場合はデューティ比を1段階アップし(ステップS171)、図7に示すステップS101に戻る。ここでデューティアップの段階は、中間区間の場合、1段階アップを40%、2段階アップを60%に設定し、全開保持区間の場合、1段階アップを45%、2段階アップを60%に設定している。これによってデューティ比は40%となる。なお、このデューティアップの段階は2段階に限られるものではなく増やしても逆に減らしても良い。また、中間区間と全開保持区間とで段階数を変え、例えば中間区間は3段階、全開保持区間は1段階としても良い。これは、駆動モータの出力、減速ギヤ、ドアの重量、作動保障する坂道の勾配、ドア開閉速度変化の許容範囲等によって設定すれば良いものである。
【0065】
このように、デューティ比を1段階アップする理由は、例えば車両が傾斜の緩い坂に停車してドアの自重に加えて坂上に上げるエネルギー消費分でドア1の開閉速度が遅くなり、開閉時間が若干かかってしまう場合において、モータのトルクを上げてドア1の開閉速度を速く(開閉速度を回復)し、坂であっても一定の速度でドア開閉を行うためである。
【0066】
一方、区間時間が図10に示すステップS108の範囲から外れている場合、デューティ1段アップして区間時間が1秒以上から3秒未満であるか否かを判断する(ステップS109)。ここで、区間時間がデューティ1段アップして1秒以上から3秒未満の場合はデューティ比を2段階アップして(ステップS172)、図7に示すステップS101に戻る。これによってデューティ比は60%となる。
【0067】
なお、これは車両が急坂に停車中などドア1の開閉速度がかなり遅くなっている場合において、デューティ比をさらに上げてモータのトルクをさらに大きくドアの開閉速度を速く(開閉速度を回復)し、急坂であっても一定の速度でドア開閉するためである。
【0068】
また、これに該当しない場合は図10に示すように区間時間が3秒以上か否かを判断し(ステップS110)、3秒以上でない場合は図7に示すステップS101に戻る。
【0069】
一方、図10に示すステップS110で区間時間が3秒以上である場合はドアの区間通過時間がかかり過ぎるのでドア故障と判断し(ステップS111)、速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0070】
これは、車両が平坦な場所で停車した状態でドア中間位置において通常の開閉速度でドア開閉を行う場合に区間通過に要する時間が0.8秒にしてあるが、1秒以内に通過すれば正常な一定速度の範囲に入っていると設定した場合に生じるフローであり、区間時間がデューティアップしても3秒以上かかるのであれば故障と設定したものである。
【0071】
図8に示すステップS107でドア開閉位置の区間変更がある場合、計測カウンタをクリアして(ステップS141)、ドア1の開閉度合いに応じたデューティ比の再セット動作を行う。
【0072】
具体的には、図9に示すようにドア1がどの区間にあるか否かを判断する。なお、この区間判断も上述と同様に各スイッチ116,117,71〜73のオン・オフ組み合わせが図6の何れの区間に該当するか否かで行う。
【0073】
まずドア全開保持区間にドア1があるか否かを判断する(ステップS142)。ここで、ドア全開保持区間にドアがある場合はデューティ比を30%にセットし(ステップS151)、以前が30%デューティ比でなくて既にデューティ比がアップしているか否かを判断する(ステップS152)。そして、これに該当する場合(YESの場合)はデューティ比を2段階までアップして(ステップS153)、図7に示すステップS101に戻る。これによって前述のようにデューティ比は最高60%までアップされる。
【0074】
このようにデューティ比をアップすることで前区間において経過時間がかかってデューティ比をアップした状態のまま引き続き高いデューティ比でモータを駆動でき、ドア1の開閉速度を一定に保ち、ドア1の開閉動作をスムーズに行うことが可能となる。
【0075】
一方、ステップS152でこれに該当しない場合(NOの場合)は図7に示すステップS101に戻る。
【0076】
続いて、図9に示すステップS142でドア全開保持区間にドアがない場合、ドア1が中間区間にあるか否かを判断する(ステップS143)。ドアが中間区間にある場合はデューティ比を15%にセット(ステップS161)し、以前が15%デューティでなくて既にデューティアップしているか否かを判断する(ステップS162)。そして、これに該当する場合(YESの場合)はデューティ比を2段階までアップして(ステップS162)、図7に示すステップS101に戻る。これによって前述のようにデューティ比は最高60%までアップされる。
【0077】
なお、このようにデューティアップする理由はステップS152でデューティアップさせた理由と同様にドア1の開閉速度を一定に保ち、ドア1の開閉動作をスムーズに行うためである。
【0078】
一方、ステップS162でこれに該当しない場合(NOの場合)はデューティ比をアップさせずにそのまま図7に示すステップS101に戻る。
【0079】
なお、前述の全開保持区間、中間区間にドア1があるときは、ドア1の閉作動時も、開作動時も同じ制御、すなわちステップS142、S143、S151、S152、S153、S161、S162、S163の流れで同等に処理される。
【0080】
続いて、図9に示すステップS143でドア1が中間区間にない場合、ドア1が開作動時全閉〜加速区間にあるか否かを判断する(ステップS144)。ここで、ドア1が開作動時全閉〜加速区間にある場合は同じくデューティ比を15%にセットする。これは、この区間においては前述のように特に大きな駆動トルクを必要としないためである。
【0081】
一方、ステップS144でドア1が開作動時全閉〜加速区間にない場合、ドア1が全閉前加速区間にあるか否かを判断する(ステップS145)。ここでドア1が全閉前加速区間にある場合、ドア1を閉じる直前の状態であり、前述のようにモータ61のトルクを最大限必要とするのでデューティ比を100%にセットする(ステップS149)。そして、図7に示すステップS101に戻る。
【0082】
また、図9に示すステップS145においてドア1が全閉前加速区間にない場合は、ドア1が閉作動時全閉か否かを判断し(ステップS146)、ドア1が閉作動時全閉である場合は、ドア開閉動作が終了しているので図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0083】
一方、図9に示すステップS146でドア1が閉作動時全閉でない場合は、ドア1が開作動時全開であるか否かを判断し(ステップS147)、ドア1が開作動時全開である場合はドア開閉動作が終了しているので図10に示すように速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0084】
そして、図9に示すステップS147でドア1が開作動時全開でない場合は、ドアスイッチのオン・オフ組み合わせがいずれのドア開度状態にも該当しないので、図10に示すようにスイッチ故障と判断して(ステップS127)、速度計測を停止し(ステップS190)モータを停止して(ステップS191)ドア開閉速度制御ルーチンを終了する(ステップS192)。
【0085】
続いて、以上説明したドア開閉速度制御ルーチンの一部を具体的な時間を例示して説明する。
【0086】
ドア1が中間区間内にある場合で図8に示すステップ103において時間計測開始後、例えば1.2秒経過しても区間変更が行われないときは、中間区間におけるドア1の開閉に若干時間がかかるとして図10に示すステップS108、ステップS171によってデューティ比が1段階アップされる。その結果、モータ61のトルクが若干大きくなり、ドア開閉速度が上がる。そして、図7に示すステップS101に戻り、再び図8に示すステップS107で区間変更の有無を判断する。この段階で区間変更が行われた場合は、変更後に各区間に対応するデューティ比がステップS161(図9)で再セットされるとともに変更前においてデューティ比が1段階アップされているので区間変更後もこれを引き継いでステップS162でデューティ比を1段階アップする。これによって例えば緩やかな坂でもドア開度中間区間において平地と同様な開閉速度でドアをスムーズに開閉することができる。
【0087】
一方、デューティ比1段階アップしたにもかかわらずステップS109(図10)でYES(デューティ比1段階アップ後、区間時間が例えば1.2秒かかった)と判断した場合、ドアの開閉にかなり時間がかかるとしてステップS172によってデューティ比が2段階アップされる。その結果、モータ61のトルクがかなり大きくなる。そして、図7に示すステップS101に戻り、再び図8に示すステップS107で区間変更の有無を判断する。この段階で区間変更が行われた場合は、変更後に各区間に対応するデューティ比がステップS161(図9)で再セットされるとともに変更前においてデューティ比が2段階アップされているので区間変更後もこれを引き継いでステップS163でデューティ比を2段階アップする。
【0088】
これによって例えばかなり急な坂でもドア開度中間区間において平地と同様な開閉速度でドアをスムーズに開閉することができる。なお、この場合、区間時間は合計2.4秒である。
【0089】
一方、ドア中間区間における時間計測開始後、ステップS110(図10)で区間経過時間が3秒超えた場合はドアの開閉に時間がかかり過ぎるとして車両が急坂に停車しているために時間がかかるのではなく、ドア開閉に何らかの不具合があるとしてドア故障と判断する。
【0090】
また、経過時間が例えば0.8秒の場合は、ステップS108(図10)、ステップS109、ステップS110、ステップS101と移行し、続くステップS107(図8)を経てデューティ比が再セットされ(ステップS161)、ステップS162から図7に示すステップS101に戻る。なお、この場合平坦地におけるドア開閉時のようにドア1の開閉速度は正常範囲内にあるのでデューティ比の再セットに際してステップS162、ステップS163(図9)においてデューティ比がアップされることはなく、通常の中間区間を経過するドア開閉速度でもってモータ61が駆動される。
【0091】
尚、上述のフローチャートは本発明の目的を実現するための一例として示したものであり、本発明を逸脱しない範囲での上述のフローチャートと異なるフローチャートも考えられることは言うまでもない。
【0092】
また、上述のドア中間位置を検出する3つのスイッチにはいわゆるリミットスイッチを用いたが、これに限定されず物体有無検知用の他のオン・オフスイッチを用いても良いことは言うまでもない。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、当該区間のどの区間にドアがあるかを廉価なスイッチで検出してドア開閉速度をドアの開度に応じて変更する。そのため、高価なエンコーダによる速度制御を行なうことなく、また、ドアが坂道停車時にドアの自重により閉じ方向に移動しないようにドアを全開位置に開保持しているチェッカー等の保持力に抗して開閉作動しなければならない区間とドア自重にのみ抗して開閉作動すれば良い区間とウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせなければならない区間とがあってもドア全閉とドア全開との間でどの区間においてもスムーズにドアを動かすことができる。また、ドアの開き度合いを複数の区間に区切り、各区間のいずれにドアが移動したか区間判別手段で判別し、各区間のドア移動時間を区間移動時間計測手段で計測し、区間の移動時間が所定の移動時間を超えると駆動モータ速度上限手段でドア開閉用駆動モータの速度を上昇させるので、車両が平坦地に停車していようが坂道に停車していようが常に一定の開閉速度でドアの開閉を行うことができる。また、ドア開閉範囲の途中で停止しているドアを、ドア開閉度合いの途中区間から自動開/閉しても速度制御ができる。
【0094】
さらに、スイッチのON・OFF状態の組み合わせで各区間の検出を行なうので、スイッチを各区間に対応した数まで設ける必要がなく、装置全体を安価に提供できる。
【0095】
また、本発明の請求項2に記載のスイングドアの開閉速度制御装置は、ドア開度が全開保持区間、全閉前加速区間、中間区間毎に異なるデューティ比で駆動モータをスタートさせるようにしたので、区間毎に必要なモータ速度を早く得られる。また、ドアの全開保持区間において全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドアを全開位置に開保持しているチェッカーの乗り越しを早くスムーズに行うことができる。
【0096】
また、ドア全閉直前に100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるので、ドア全閉直前に駆動モータの発生させ得る最大の駆動力で開閉速度を最大に加速させてドアを閉じる。そのため、ウェザーストリップの反力やドア閉時に車室内空気を圧縮するために生じる反力に抗してドアを確実にロックさせ、ドアを確実に閉じることができる。また、加速区間の距離または時間が短く、加速区間を更に複数の区間に区切って、始めの加速区間を所定の移動時間を超えて移動したときに次の加速区間で駆動モータの速度を上昇させるという制御が行うことができない場合でも100%デューティ比で駆動モータをスタートさせるのでドアを閉じ確実にロックさせることができる。また、ドア全閉の直前で加速するための補助モータを設ける必要もない。同じく、ドアロックの際にオートクロージャー装置などの特別な機構を必要ともしない。
【0097】
また、本発明の請求項3に記載のスイングドアは、廉価なスイッチを最小限必要なだけ備えこれを使用してドア速度開閉制御を行っているので、安価で信頼性の高いオートスイングドアを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置のドア構造を、車体パネル部を破断して示す平面図である。
【図2】図1のドア構造を車両フロア側から示した斜視図である。
【図3】図1のドア構造に示したドア開閉モータ駆動ユニットボックスの内部構造を示した図である。
【図4】図3のドア開閉モータ駆動ユニットボックスの駆動シャフト部近傍を示した詳細斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置のドア開閉駆動用ユニット回路図である。
【図6】図5のドアスイッチとドア中間位置検出スイッチのオン・オフをドア開閉度合いに応じて示す状態変化図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるスイングドア開閉速度制御装置によるドア開閉制御を示すフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】図8に続くフローチャートである。
【図10】図8に続くフローチャートである。
【図11】従来のドア開閉装置の開閉制御を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
1 オートスイングドア
1a インナーハンドル
1b ロックレバー
2 フロア
2a ガードバー
3 ステップ
4 フロントピラー
5 リアピラー
6 駆動ユニットボックス
10 上側メインリンク
20 下側メインリンク
21 突出部
22 ストッパ
23 固定端アーム
24 ドア開閉用ロッド
24a ネジ部
24b ナット
25 ボールジョイント
28 駆動リンク
29 ボールジョイント
30 サブリンク
31 ブラケット
40 ドア側リンク固定シャフト
41,42 ブラケット
50 車体側リンク固定シャフト
51,52 ブラケット
61 駆動モータ
62 パワーユニット
63 オート/マニュアル切替スイッチ
64 モータ駆動シャフト
65 カム
65a,65b,65c 凸部
65d 下段カムプレート
65u 上段カムプレート
71〜73 リミットスイッチ
71a,72a,73a 検出端ローラ
100 ドア開閉制御装置
101 ドア開閉制御用CPU
110 ドアロック/アンロック駆動ユニット
111 モータ
112 ドアアンロック用リレー
113 ドアロック用リレー
114 ドアロック検出スイッチ
115 ドアアンロック検出スイッチ
116 ドア(ロック)スイッチ
117 ドアスイッチ
120 ドア開閉駆動用ユニット
122 ブザー
123 ドア開閉スイッチ
124 車速センサ
125,126 モータリレー
131 イグニッション
132 バッテリー
Claims (3)
- 全開から全閉までのドア開閉範囲を複数区間に区切り、
前記複数区間には、ドア全開保持区間と、ドア全閉前加速区間と、前記ドア全開保持区間とドア全閉前加速区間の間の中間区間とが設けられ、前記中間区間は、さらに所定距離ごとに区切られた複数の区間が設けられており、
前記各区間に対応した複数のスイッチのON・OFF状態の組み合わせによって前記各区間の1つが特定されるように、前記各区間毎に異なるスイッチ出力の組み合わせが設定されたスイッチ出力記憶手段と、
前記複数のスイッチで検出されたON・OFF状態の組み合わせと前記記憶手段とから前記各区間のいずれにドアが移動したかを判別する区間判別手段と、
前記各区間のドア移動時間を計測する区間移動時間計測手段と、
各区間の移動時間のうちいずれかの区間の移動時間が所定の移動時間を超えたとき、ドア開閉用駆動モータの速度を上昇させる駆動モータ速度上昇手段を有することを特徴とするスイングドアの開閉速度制御装置。 - 前記駆動モータ速度上昇手段は、前記全開保持区間においてドア全開時にドアを全開位置に開保持している保持力に抗して閉作動可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせ、
前記全閉前加速区間では、100%デューティ比で駆動モータをスタートさせ、
前記中間区間では前記ドアの取り付けられた車両が平坦地に停車した際に所定のドア開閉速度を得ることが可能なデューティ比で駆動モータをスタートさせることを特徴とする、請求項1に記載のスイングドアの開閉速度制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のドア開閉速度制御装置と、請求項1に記載の複数区間に対応して設けられ、前記ドア開閉速度制御装置にスイッチON・OFF状態を知らせる複数のスイッチと、請求項1に記載の駆動モータ速度上昇手段によって駆動制御される駆動モータとを備えたことを特徴とするスイングドア。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002296288A JP2004132004A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | スイングドアの開閉速度制御装置及びこれを備えたスイングドア |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002296288A JP2004132004A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | スイングドアの開閉速度制御装置及びこれを備えたスイングドア |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004132004A true JP2004132004A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32286317
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002296288A Pending JP2004132004A (ja) | 2002-10-09 | 2002-10-09 | スイングドアの開閉速度制御装置及びこれを備えたスイングドア |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004132004A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009243044A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-22 | Shiroki Corp | パワースライドドア |
| US20200386032A1 (en) * | 2019-06-04 | 2020-12-10 | Inventus Engineering Gmbh | Method for controlling door movements of the door of a motor vehicle, and motor vehicle component |
| US10947764B2 (en) * | 2017-09-08 | 2021-03-16 | Schlage Lock Compaq, y LLC | Door closer diagnostics system |
| US11566423B2 (en) | 2021-03-08 | 2023-01-31 | Plascon Plastics Corporation | Lattice of hollow bodies with reinforcement member supports |
-
2002
- 2002-10-09 JP JP2002296288A patent/JP2004132004A/ja active Pending
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| US11560745B2 (en) | 2017-09-08 | 2023-01-24 | Schlage Lock Company Llc | Door closer diagnostics system |
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| US11566423B2 (en) | 2021-03-08 | 2023-01-31 | Plascon Plastics Corporation | Lattice of hollow bodies with reinforcement member supports |
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