JP2004133041A - マルチパネル型液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数枚の液晶パネルを互いに端面が隣接するよう配置して接着剤により接合した液晶表示パネルを用いたマルチパネル型液晶表示装置において、液晶パネルの接合領域が視認され難い構造を有するマルチパネル型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】マルチパネル型液晶表示装置10は、複数枚の液晶パネル26a〜26dを互いに端面が隣接するよう配置して接着剤により接合した液晶表示パネル26をカバープレート40およびベースプレート42とで挟持し、ベースプレートの外側にバックライト50を配置してなり、前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの液晶表示パネル側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0<θ<41.8°の範囲とした。
【選択図】 図1
【解決手段】マルチパネル型液晶表示装置10は、複数枚の液晶パネル26a〜26dを互いに端面が隣接するよう配置して接着剤により接合した液晶表示パネル26をカバープレート40およびベースプレート42とで挟持し、ベースプレートの外側にバックライト50を配置してなり、前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの液晶表示パネル側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0<θ<41.8°の範囲とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、AV(オーディオビジュアル)機器やOA(オフィスオートメーション)機器に使用される、大画面の液晶表示装置に関し、特に、複数の液晶パネルを接合して大画面の液晶表示パネルを構成したマルチパネル型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器に用いられる表示装置は、軽量化、薄型化、低消費電力化、高精細化および画面の大型化が要求されている。一般家庭においても、より一層の臨場感が体験できる大画面のテレビジョンへの要求は強いが、従来のCRTは大画面化に伴い容積、重量が増大するため、薄型軽量化可能な大面積のフラットパネルディスプレイの実用化が強く望まれている。
【0003】
このため、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、EL(electro luminescent)表示装置、LED(light emitting display)等の表示装置においても大画面化の開発・実用化が進められている。なかでも液晶表示装置は、他の表示装置に比べ、厚さ(奥行き)が格段に薄くできること、消費電力が小さいこと、フルカラー化が容易なこと等の利点を有するので、近年においては種々の分野で用いられつつあり、画面の大型化への期待も大きい。
【0004】
ところがその反面、液晶表示装置は、画面の大型化を図ると、製造工程において信号線の断線、画素欠陥等による不良率が急激に高くなり、ひいては液晶表示装置の価格上昇をもたらすといった問題が生じる。例えば、対角80インチ級の大画面を1枚の液晶パネルで構成するのは、製造設備、歩留まりの点で容易には達成し難いという問題がある。そこでこれを解決するために、複数の液晶パネルを継ぎ合わせて、全体で1台のマルチパネル型の液晶表示装置とすることで、画面の大型化を図ることが行われている。この方式は液晶パネルの持つ薄いという特長を生かしたまま大画面が実現できるという利点を有する。
【0005】
液晶パネルを互いに端面が隣接するよう配置して接着剤により接合する方法をとる場合、液晶パネル間の接合領域の幅が合成された表示画面の表示品質に大きく影響する。接合領域幅が広く、接合された複数の液晶パネル内の表示領域が離間している場合、接合領域は非表示領域であるため妨害線として視認されることになる。液晶パネルの接合部が妨害線として視認されないようにするためには、液晶パネルの接合領域を十分に細く、画像の視野位置から見て視認限界解像度程度まで細くすることが必要である。さらに、接合領域をまたがって隣接する画素の配設ピッチを各液晶パネル内の画素の配設ピッチと等しくすることが最も望ましい条件といえる。
【0006】
このような条件を満たすために、液晶パネルの接合に必要となる幅と同等以上の幅をブラックマトリクス(BM)領域として各液晶パネルの画素間に設ける方法が考えられるが、この場合、接合領域が視認されないためには接合領域以外の表示領域のBMの幅を、接合領域のBMの幅と等しくする必要がある。単一の液晶表示パネルにおいて信号線に平行な方向のBMの幅を考えた場合、接合領域のBMの幅は接合しろとシール幅の和になり、現状では約2000μm程度以上の接合領域が必要となる。これに対し、接合領域以外でのBΜの幅は信号線、および信号線と画素電極の間を覆うことが必要だが、これには約150μm程度のBΜ幅があればよい。つまり、複数の液晶表示パネルを接合して大画面を得る液晶表示装置の場合、接合領域以外のBM幅を必要以上に太くすることは、開口度を小さくすることにつながり、明度が小さくなるばかりか全くの無駄となる。
【0007】
このような無駄をなくすために、表示領域および接合領域のBM幅をそれぞれ必要な幅とし、接合領域が妨害線として視認されないように考慮したマルチパネル型表示装置が下記の特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0008】
下記特許文献1に開示されたマルチパネル型液晶表示装置は、図8に示すように、液晶パネル1とバックライト2の間に液晶パネル1の接合部を覆うようにプリズム3を配設し、バックライト2からの光を屈折させて接合領域近傍の画素を透過した光が接合部方向に進行するようにして、前面パネル4から液晶パネル1を視認した時、液晶パネル1の接合領域が視認され難くしようとしたものである。
【0009】
また、下記特許文献2に開示されたマルチパネル型液晶表示装置は、図9に示すように、液晶パネル5と該液晶パネルの視野側に配設されるカバープレート6との間に多数の光ファイバーを束ねた導光体7を設け、バックライト(図示せず)から液晶パネル5を透過した光が該導光体7を通して液晶パネル5の接合部の幅だけ中央部に寄せられ、接合領域が視認されないようにしたものである。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−118789号公報(第1図)
【特許文献2】
特開2000−347587号公報(第4図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたマルチパネル型液晶表示装置においては、バックライト2からの光は屈折して液晶パネル1に入射するものの、液晶パネル1を構成するガラス基板やアクリル等で形成される前面パネル4や両者の間に存在する空気層の屈折率等の関係で、接合部近傍の画素を透過した光は接合部方向に屈折せず、接合領域の視認防止効果が十分には得られないという問題点を本発明の出願人によるテスト結果によって見出した。さらには接合領域が妨害線として視認されないようにするためだけにプリズム3を用いることは製造コストの増加だけでなく、薄型化を目指す上での妨げとなる。
【0012】
また、上記特許文献2に開示されたマルチパネル型液晶表示装置においては、液晶パネル1の接合領域の視認防止効果は認められるものの、多数の光ファイバーを束ねた導光体3を必要とするため、構造が複雑になるばかりでなく、製造コストの増大、薄型化の妨げという問題点があった。
【0013】
本願の発明者は、前記の問題点を解消すべく種々検討を行った結果、液晶パネルの上側(視野側)に配置されるカバープレートに、液晶パネルの接合部に沿った溝を構成することによって、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は前記の問題点を解決することを課題とし、複数枚の液晶パネルを互いに端面が隣接するよう配置して接合した液晶表示パネルを用いたマルチパネル型液晶表示装置において、液晶パネルの接合領域が視認され難い構造を有するマルチパネル型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は以下の構成により達成することができる。すなわち本発明に係る第1の実施形態は、
複数枚の液晶パネルを互いに接合した液晶表示パネルを、該液晶表示パネルの前面側に配置したカバープレートを用いて固定したマルチパネル型液晶表示装置において、前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの液晶表示パネル側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<41.8°の範囲としたことを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏する。また、前記第1の実施形態においては、前記溝がカバープレートの液晶パネル側に設けられているため、溝の内部にゴミ、埃等が付着することを防止でき、接合領域の視認防止効果を損なうことがない。
【0017】
また、本発明の第2の実施形態は、前記溝を、カバープレートの視野側に設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<90°の範囲としたことを特徴とする。かかる構成においても、カバープレートの液晶パネル側に設けた場合と同様に接合領域の視認防止効果を奏する。
【0018】
更に、前記第1または第2の実施形態において、前記溝の形状は断面が三角形、五角形、円弧状、または台形であり、また、前記溝を、液晶パネルの接合部を挟んで、複数設けたことを特徴とする。かかる構成においても、接合領域の視認防止効果を奏する。
【0019】
また、更に、前記第1の実施形態において、前記溝の内部に、屈折率がカバープレートの屈折率より小さい接着剤を充填し、該接着剤により液晶表示パネルとカバープレートを接着したことを特徴とする。かかる構成によれば、接合領域の視認を防止する効果を奏するとともに、カバープレートと液晶パネルの接着固定をより強固に行うことができる。
【0020】
以下、本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、図2はその上面から見た平面図、図3は要部を分解して示した分解斜視図である。本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置10においては、4枚の液晶パネル26a〜26d(図2参照)を互いに端面が隣接するように配置し、両面接着テープ等の接着剤で接合して1枚の大きな液晶表示パネル26を形成している。
【0022】
各液晶パネル26a〜26dは、それぞれTFT基板24およびカラーフィルタ基板22を、該TFT基板24上に形成された画素電極と、該カラーフィルタ基板22上に形成された共通電極とが対向するように、シール材28を介して貼り合わせ、該TFT基板24およびカラーフィルタ基板22の間に液晶25を封入することによって形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルである。
【0023】
上記の接合された1枚の液晶表示パネル26の上側と下側には、互いに偏光軸が直交する方向に、偏光板30、32が設置されている。そして更に偏光板30の上側(外側)にカバープレート40が、偏光板32の下側(外側)にベースプレート42が配置されている。このカバープレート40、ベースプレート42は液晶表示パネル26を固定する際に用いるものであり、液晶表示パネル26をカバープレート40とベースプレート42で挟持する等によって、運搬や使用の際の振動、また熱による反りなどから液晶表示パネル26を保護する。特に液晶表示パネル26が大型化するほど、接合強度等の理由から液晶表示パネル26だけでなくそれを保護するための部材を用いる必要性が増す。このカバープレート40、ベースプレート42は、ある程度の強度を備えた透明な部材であればよいが、本実施形態においては高精度の加工が容易である等の理由でアクリルを用いている。
【0024】
ベースプレート42の下側には液晶表示パネルの光源として、蛍光管を複数並べた所謂直下型のバックライト50が配置されている。そしてこれらの構成体全体を外枠(フレーム)52で強固に保持した構造になっている。
【0025】
4枚の液晶パネル26a〜26dの大きさは、例えば、各々対角40インチ程度であり、これを接合した液晶表示パネル26の大きさは対角80インチ程度となり、大画面の液晶表示パネル26を構成することができる。
【0026】
また、カラー表示を行う場合、上記のカラーフィルタ基板22上には、各画素電極に対応したR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタと、各画素を分離するブラックマトリクス(BM)とが形成される。なお、このブラックマトリクスの幅は、例えば、前述のように、表示領域におけるBMでは約150μm程度であり、各液晶パネル26a〜26dの接合領域におけるBMでは約2000μm程度である。
【0027】
カバープレート40の液晶表示パネル26側(カバープレート40の内側)には、液晶パネル26a〜26dの接合部に沿って、また接合領域を覆うように溝60が形成されている(図1、図2参照)。この溝60は、溝の内部の幅がカバープレート40表面にでき溝の開口部の幅よりも狭くなっている。そして後述するように、この溝60によってバックライト50から液晶パネル26a〜26dの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝60内に存在する空気の屈折率とカバープレート40の屈折率(カバープレート40の屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネル26a〜26dの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部方向に寄った位置に形成され、実際の接合領域のBM幅に対して実質的に接合領域のBM幅が狭くなっているように働く。従って、接合領域が視認され難くなる。すなわち、接合領域の視認防止する効果を奏する。また液晶表示パネル26の固定に用いるカバープレート40に溝60を形成するだけなので簡単な構成で接合領域の視認を防止することができ、また接合領域の視認防止のためだけにプリズム等を別途備える必要がないため製造コストの増加、及び薄型化の妨げを防止できる。
【0028】
なお、本実施形態においてはベースプレート42にも溝が形成されている。この溝は液晶パネル26a〜26dの接合部に沿って、また接合領域を覆うように形成されている。そしてこの溝の内部には接着剤72が充填され液晶パネル26a〜26dの接合をより強固にしている。
【0029】
図4は、この効果を説明するためのマルチパネル型液晶表示装置10の要部を示す断面図である。図4においてTFT基板24、カラーフィルタ基板22、液晶からなる液晶表示パネル26が模式的に示されている(なお液晶25は図示せず)。線27は2つの液晶パネル(例えば、液晶パネル26aと26b)の接合部を示し、70は接合部27近傍の幅aの画素を示している。そして接合部27を挟んで隣接する画素70の間が接合領域となる。
【0030】
TFT基板24の下側にはベースプレート42、バックライト50が配置され、カラーフィルタ基板22の上側にはカバープレート40が配置されている。カバープレート40には、液晶表示パネル26の接合部27に沿って、該接合部27を覆うように溝60が形成されている。また溝60は画素70を覆うように形成されている。したがって溝60の開口部の幅は遮光領域の幅と接合部27を挟んで隣接する画素70の幅よりも広くなっている。なお図4において溝60は画素70をひとつ分だけ覆っているが、溝60が覆う画素はひとつ分だけに限られず、接合領域の視認防止のために複数の接合部27近傍の画素を複数覆っていてもよい。
【0031】
図4における溝60の断面形状は、溝60の底部断面がカバープレート40の平面と角度θをなす三角形状の部分と、カバープレート40に垂直な方向の深さdの直方体形状の部分からなる5角形状しているが、後述するように他の形状であってもよい。また、カラーフィルタ基板22はガラス基材からなりその厚みは0.7mmであるが、これに限られるものではない。
【0032】
溝60内部には組み立て時に空気が封入された状態になっており、バックライト50からベースプレート42を介して画素70に入射した光は、それぞれの屈折率、すなわち、カラーフィルタ基板22の基材であるガラスの屈折率、溝60内の空気の屈折率、カバープレート40の基材である、例えば、アクリルの屈折率と溝60の底部断面の三角形状における角度θに従ってそれぞれの基材を透過する時に屈折し、接合部27の方向に曲げられ、カバープレート40から出射することになる。
【0033】
図4は視野角が90°の場合を図示したものであり、この視野角から観察した場合、前記の屈折の結果、接合部27の方向に寄って画素70の虚像71が観察されることになり、実際のBM幅が実質的に狭まったと同様の効果を生じるから、接合領域が視認され難くなる。
【0034】
ここで、ガラスの屈折率をnガラス、アクリルの屈折率をmアクリル、画素70の幅をa、その右端を透過してガラス(カラーフィルタ基板22)を出射する角度(垂線に対する角度)をε、溝60を出射する角度(垂線に対する角度)をγとした場合、溝60の垂直部分の深さをd、底部断面の三角形の斜面とカバープレート40の平面とのなす角度をθとした場合、虚像71の右端までの距離Xは、y+xとなり、
γ=sin−1 (mアクリル×sinθ)−θ………(式1)
となり、xは、
x=[tanγ×[d+(a+y)tanθ]]/(1−tanγ×tanθ)………(式2)
となる。また、
ε=sin−1 (sinγ/nガラス)………(式3)
となり、yは、
y=0.7×tanε………(式4)
となる。
【0035】
従って、画素70の虚像71が距離X(y+x)だけ接合部27に寄って結像することとなり、接合領域が視認され難くなる。上記(式1)、(式2)からわかるように、角度θの値によって画素70の虚像71が接合部27の方向に距離Xだけ寄って形成されることとなる。この角度θは0から、垂直方向の光が反射に変わる角度である41.8°の範囲内であればよく、その大きさによって程度の差はあるもののだいたい上記の範囲であれば本発明の効果を奏する。
【0036】
図5は、前記第1の実施形態における溝60に適用し得る種々の断面形状を示す図である。図5(a)は、溝60の断面が三角形状の場合を示し、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されている。この場合の角度θも図4と同様0°<θ<41.8°の範囲内にあればよい。
【0037】
図5(b)は溝60の断面形状が円弧状の場合を示す図であり、この場合は該円弧の接線がカバープレート40の平面となす角θが前記の範囲内であればよい。
【0038】
図5(c)は図5(a)に示す溝60の三角形状を変形した断面形状を示す図であり、溝60を構成する断面の三角形の斜辺の角度を、溝60の底部に向かって段階的に変化させた形状としたものである。この場合も角度θが前記の範囲内であればよい。また、溝の断面形状として台形(図示せず)等の形状も適用できる。
【0039】
図5(d)は断面が三角形状の溝60、60’を液晶パネル26の接合部に沿って、該接合部を挟んでその両側に位置するようにカバープレート40に設けた場合を示す図である。この場合の角度θもまた図5(a)の場合と同様である。
【0040】
また、溝60、60’の断面形状も前記図5(a)〜(c)に示す断面形状等を適用し得る。
【0041】
なお図5(a)〜(d)に示した溝60、及び60’の形状は溝部27を境にして略左右対称となっているが、用途によっては液晶表示パネル26を観察する位置がそれぞれ異なるため、その都度最も良い表示状態にするために、溝の形状が左右非対称であっても構わない。
【0042】
図6は、本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置の第2の実施形態の概略構造を示す図である。図6においては、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されており、この実施形態において溝80は、カバープレート40の外側(液晶表示パネルの視野側)に設けてあり、その断面形状は三角形状である。溝の縁から底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θは0°<θ<90°の範囲である。
【0043】
図7は、図6における溝80に適用し得る種々の断面形状を示す図であり、図6と同様に、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されている。図7(a)は溝80の断面形状が円弧状の場合を示す図であり、この場合は該円弧の接線がカバープレート40の平面となす角度θが前記の範囲内であればよい。
【0044】
図7(b)は、溝80の断面形状が台形状(上底をカバープレート40の外側とする)の場合を示す図であり、この場合は台形の斜辺がカバープレート40の平面となす角度θが前記の範囲内であればよい。
【0045】
図7(c)は溝80の断面が、上記(b)の台形状の断面部分と、更にカバープレート40の垂線方向に一定の深さを有する矩形の断面部分からなる6角形状の場合を示す図である。この場合も角度θは上記(b)の場合と同様である。
【0046】
図7(d)は図6に示す溝80の三角形状を変形した断面形状を示す図であり、溝80を構成する断面の三角形の斜辺の角度を、溝80の底部に向かって段階的に変化させた形状としたものである。この場合も角度θは図6の場合と同様である。
【0047】
図7(e)は断面が三角形状の溝80、80’を液晶パネル26の接合部に沿って、該接合部を挟んでその両側に位置するようにカバープレート40に設けた場合を示す図である。この場合の角度θもまた図6の場合と同様である。また溝80、80’の断面形状も前記図7(a)〜(d)に示す断面形状を適用し得る。
【0048】
本発明の第3の実施形態は、前記第1の実施形態において、カバープレート40に設けた溝60内に、ベースプレート42の溝内に充填した接着剤72と同様に接着剤を充填し、液晶表示パネル26とカバープレート40の接着を行うことができる。この場合、充填する接着剤は、その屈折率がカバープレート40の基材、例えば、アクリルの場合は該アクリルの屈折率よりも小さいことが条件となる。これにより液晶表示パネル26とカバープレート40とをより一層強固に接着固定することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏する。また製造コストの増加等を防止する効果を奏する。
【0050】
また、本発明の第2の実施形態によれば、前記溝をカバープレートの視野側に設けたものであり、かかる構成によっても第1の実施形態と同様に接合領域の視認防止、製造コストの増加防止等の効果を奏する。
【0051】
更に、本発明の第3の実施形態によれば、接合領域の視認を防止する効果を奏するとともに、カバープレートと液晶表示パネルの接着固定をより強固に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のマルチパネル型液晶表示装置を上面から見た平面図である。
【図3】図1のマルチパネル型液晶表示装置の要部を分解して示した分解斜視図である。
【図4】図1のマルチパネル型液晶表示装置の画素の表示状態を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る溝の種々の断面形状を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る溝の種々の断面形状を示す図である。
【図8】特許文献1に開示された従来のマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図9】特許文献2に開示された従来のマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10…マルチパネル型液晶表示装置
22…カラーフィルタ基板
24…TFT基板
25…液晶
26a〜26d…液晶パネル
26…液晶表示パネル
28…シール材
30、32…偏光板
40…カバープレート
42…ベースプレート
50…バックライト
52…外枠
60,60’…溝
70…画素
72…接着剤
80,80’…溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、AV(オーディオビジュアル)機器やOA(オフィスオートメーション)機器に使用される、大画面の液晶表示装置に関し、特に、複数の液晶パネルを接合して大画面の液晶表示パネルを構成したマルチパネル型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器に用いられる表示装置は、軽量化、薄型化、低消費電力化、高精細化および画面の大型化が要求されている。一般家庭においても、より一層の臨場感が体験できる大画面のテレビジョンへの要求は強いが、従来のCRTは大画面化に伴い容積、重量が増大するため、薄型軽量化可能な大面積のフラットパネルディスプレイの実用化が強く望まれている。
【0003】
このため、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)、EL(electro luminescent)表示装置、LED(light emitting display)等の表示装置においても大画面化の開発・実用化が進められている。なかでも液晶表示装置は、他の表示装置に比べ、厚さ(奥行き)が格段に薄くできること、消費電力が小さいこと、フルカラー化が容易なこと等の利点を有するので、近年においては種々の分野で用いられつつあり、画面の大型化への期待も大きい。
【0004】
ところがその反面、液晶表示装置は、画面の大型化を図ると、製造工程において信号線の断線、画素欠陥等による不良率が急激に高くなり、ひいては液晶表示装置の価格上昇をもたらすといった問題が生じる。例えば、対角80インチ級の大画面を1枚の液晶パネルで構成するのは、製造設備、歩留まりの点で容易には達成し難いという問題がある。そこでこれを解決するために、複数の液晶パネルを継ぎ合わせて、全体で1台のマルチパネル型の液晶表示装置とすることで、画面の大型化を図ることが行われている。この方式は液晶パネルの持つ薄いという特長を生かしたまま大画面が実現できるという利点を有する。
【0005】
液晶パネルを互いに端面が隣接するよう配置して接着剤により接合する方法をとる場合、液晶パネル間の接合領域の幅が合成された表示画面の表示品質に大きく影響する。接合領域幅が広く、接合された複数の液晶パネル内の表示領域が離間している場合、接合領域は非表示領域であるため妨害線として視認されることになる。液晶パネルの接合部が妨害線として視認されないようにするためには、液晶パネルの接合領域を十分に細く、画像の視野位置から見て視認限界解像度程度まで細くすることが必要である。さらに、接合領域をまたがって隣接する画素の配設ピッチを各液晶パネル内の画素の配設ピッチと等しくすることが最も望ましい条件といえる。
【0006】
このような条件を満たすために、液晶パネルの接合に必要となる幅と同等以上の幅をブラックマトリクス(BM)領域として各液晶パネルの画素間に設ける方法が考えられるが、この場合、接合領域が視認されないためには接合領域以外の表示領域のBMの幅を、接合領域のBMの幅と等しくする必要がある。単一の液晶表示パネルにおいて信号線に平行な方向のBMの幅を考えた場合、接合領域のBMの幅は接合しろとシール幅の和になり、現状では約2000μm程度以上の接合領域が必要となる。これに対し、接合領域以外でのBΜの幅は信号線、および信号線と画素電極の間を覆うことが必要だが、これには約150μm程度のBΜ幅があればよい。つまり、複数の液晶表示パネルを接合して大画面を得る液晶表示装置の場合、接合領域以外のBM幅を必要以上に太くすることは、開口度を小さくすることにつながり、明度が小さくなるばかりか全くの無駄となる。
【0007】
このような無駄をなくすために、表示領域および接合領域のBM幅をそれぞれ必要な幅とし、接合領域が妨害線として視認されないように考慮したマルチパネル型表示装置が下記の特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0008】
下記特許文献1に開示されたマルチパネル型液晶表示装置は、図8に示すように、液晶パネル1とバックライト2の間に液晶パネル1の接合部を覆うようにプリズム3を配設し、バックライト2からの光を屈折させて接合領域近傍の画素を透過した光が接合部方向に進行するようにして、前面パネル4から液晶パネル1を視認した時、液晶パネル1の接合領域が視認され難くしようとしたものである。
【0009】
また、下記特許文献2に開示されたマルチパネル型液晶表示装置は、図9に示すように、液晶パネル5と該液晶パネルの視野側に配設されるカバープレート6との間に多数の光ファイバーを束ねた導光体7を設け、バックライト(図示せず)から液晶パネル5を透過した光が該導光体7を通して液晶パネル5の接合部の幅だけ中央部に寄せられ、接合領域が視認されないようにしたものである。
【0010】
【特許文献1】
特開昭61−118789号公報(第1図)
【特許文献2】
特開2000−347587号公報(第4図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたマルチパネル型液晶表示装置においては、バックライト2からの光は屈折して液晶パネル1に入射するものの、液晶パネル1を構成するガラス基板やアクリル等で形成される前面パネル4や両者の間に存在する空気層の屈折率等の関係で、接合部近傍の画素を透過した光は接合部方向に屈折せず、接合領域の視認防止効果が十分には得られないという問題点を本発明の出願人によるテスト結果によって見出した。さらには接合領域が妨害線として視認されないようにするためだけにプリズム3を用いることは製造コストの増加だけでなく、薄型化を目指す上での妨げとなる。
【0012】
また、上記特許文献2に開示されたマルチパネル型液晶表示装置においては、液晶パネル1の接合領域の視認防止効果は認められるものの、多数の光ファイバーを束ねた導光体3を必要とするため、構造が複雑になるばかりでなく、製造コストの増大、薄型化の妨げという問題点があった。
【0013】
本願の発明者は、前記の問題点を解消すべく種々検討を行った結果、液晶パネルの上側(視野側)に配置されるカバープレートに、液晶パネルの接合部に沿った溝を構成することによって、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0014】
すなわち、本発明は前記の問題点を解決することを課題とし、複数枚の液晶パネルを互いに端面が隣接するよう配置して接合した液晶表示パネルを用いたマルチパネル型液晶表示装置において、液晶パネルの接合領域が視認され難い構造を有するマルチパネル型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記の目的は以下の構成により達成することができる。すなわち本発明に係る第1の実施形態は、
複数枚の液晶パネルを互いに接合した液晶表示パネルを、該液晶表示パネルの前面側に配置したカバープレートを用いて固定したマルチパネル型液晶表示装置において、前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの液晶表示パネル側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<41.8°の範囲としたことを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏する。また、前記第1の実施形態においては、前記溝がカバープレートの液晶パネル側に設けられているため、溝の内部にゴミ、埃等が付着することを防止でき、接合領域の視認防止効果を損なうことがない。
【0017】
また、本発明の第2の実施形態は、前記溝を、カバープレートの視野側に設け、前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<90°の範囲としたことを特徴とする。かかる構成においても、カバープレートの液晶パネル側に設けた場合と同様に接合領域の視認防止効果を奏する。
【0018】
更に、前記第1または第2の実施形態において、前記溝の形状は断面が三角形、五角形、円弧状、または台形であり、また、前記溝を、液晶パネルの接合部を挟んで、複数設けたことを特徴とする。かかる構成においても、接合領域の視認防止効果を奏する。
【0019】
また、更に、前記第1の実施形態において、前記溝の内部に、屈折率がカバープレートの屈折率より小さい接着剤を充填し、該接着剤により液晶表示パネルとカバープレートを接着したことを特徴とする。かかる構成によれば、接合領域の視認を防止する効果を奏するとともに、カバープレートと液晶パネルの接着固定をより強固に行うことができる。
【0020】
以下、本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、図2はその上面から見た平面図、図3は要部を分解して示した分解斜視図である。本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置10においては、4枚の液晶パネル26a〜26d(図2参照)を互いに端面が隣接するように配置し、両面接着テープ等の接着剤で接合して1枚の大きな液晶表示パネル26を形成している。
【0022】
各液晶パネル26a〜26dは、それぞれTFT基板24およびカラーフィルタ基板22を、該TFT基板24上に形成された画素電極と、該カラーフィルタ基板22上に形成された共通電極とが対向するように、シール材28を介して貼り合わせ、該TFT基板24およびカラーフィルタ基板22の間に液晶25を封入することによって形成されるアクティブマトリクス型の液晶パネルである。
【0023】
上記の接合された1枚の液晶表示パネル26の上側と下側には、互いに偏光軸が直交する方向に、偏光板30、32が設置されている。そして更に偏光板30の上側(外側)にカバープレート40が、偏光板32の下側(外側)にベースプレート42が配置されている。このカバープレート40、ベースプレート42は液晶表示パネル26を固定する際に用いるものであり、液晶表示パネル26をカバープレート40とベースプレート42で挟持する等によって、運搬や使用の際の振動、また熱による反りなどから液晶表示パネル26を保護する。特に液晶表示パネル26が大型化するほど、接合強度等の理由から液晶表示パネル26だけでなくそれを保護するための部材を用いる必要性が増す。このカバープレート40、ベースプレート42は、ある程度の強度を備えた透明な部材であればよいが、本実施形態においては高精度の加工が容易である等の理由でアクリルを用いている。
【0024】
ベースプレート42の下側には液晶表示パネルの光源として、蛍光管を複数並べた所謂直下型のバックライト50が配置されている。そしてこれらの構成体全体を外枠(フレーム)52で強固に保持した構造になっている。
【0025】
4枚の液晶パネル26a〜26dの大きさは、例えば、各々対角40インチ程度であり、これを接合した液晶表示パネル26の大きさは対角80インチ程度となり、大画面の液晶表示パネル26を構成することができる。
【0026】
また、カラー表示を行う場合、上記のカラーフィルタ基板22上には、各画素電極に対応したR(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタと、各画素を分離するブラックマトリクス(BM)とが形成される。なお、このブラックマトリクスの幅は、例えば、前述のように、表示領域におけるBMでは約150μm程度であり、各液晶パネル26a〜26dの接合領域におけるBMでは約2000μm程度である。
【0027】
カバープレート40の液晶表示パネル26側(カバープレート40の内側)には、液晶パネル26a〜26dの接合部に沿って、また接合領域を覆うように溝60が形成されている(図1、図2参照)。この溝60は、溝の内部の幅がカバープレート40表面にでき溝の開口部の幅よりも狭くなっている。そして後述するように、この溝60によってバックライト50から液晶パネル26a〜26dの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝60内に存在する空気の屈折率とカバープレート40の屈折率(カバープレート40の屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネル26a〜26dの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部方向に寄った位置に形成され、実際の接合領域のBM幅に対して実質的に接合領域のBM幅が狭くなっているように働く。従って、接合領域が視認され難くなる。すなわち、接合領域の視認防止する効果を奏する。また液晶表示パネル26の固定に用いるカバープレート40に溝60を形成するだけなので簡単な構成で接合領域の視認を防止することができ、また接合領域の視認防止のためだけにプリズム等を別途備える必要がないため製造コストの増加、及び薄型化の妨げを防止できる。
【0028】
なお、本実施形態においてはベースプレート42にも溝が形成されている。この溝は液晶パネル26a〜26dの接合部に沿って、また接合領域を覆うように形成されている。そしてこの溝の内部には接着剤72が充填され液晶パネル26a〜26dの接合をより強固にしている。
【0029】
図4は、この効果を説明するためのマルチパネル型液晶表示装置10の要部を示す断面図である。図4においてTFT基板24、カラーフィルタ基板22、液晶からなる液晶表示パネル26が模式的に示されている(なお液晶25は図示せず)。線27は2つの液晶パネル(例えば、液晶パネル26aと26b)の接合部を示し、70は接合部27近傍の幅aの画素を示している。そして接合部27を挟んで隣接する画素70の間が接合領域となる。
【0030】
TFT基板24の下側にはベースプレート42、バックライト50が配置され、カラーフィルタ基板22の上側にはカバープレート40が配置されている。カバープレート40には、液晶表示パネル26の接合部27に沿って、該接合部27を覆うように溝60が形成されている。また溝60は画素70を覆うように形成されている。したがって溝60の開口部の幅は遮光領域の幅と接合部27を挟んで隣接する画素70の幅よりも広くなっている。なお図4において溝60は画素70をひとつ分だけ覆っているが、溝60が覆う画素はひとつ分だけに限られず、接合領域の視認防止のために複数の接合部27近傍の画素を複数覆っていてもよい。
【0031】
図4における溝60の断面形状は、溝60の底部断面がカバープレート40の平面と角度θをなす三角形状の部分と、カバープレート40に垂直な方向の深さdの直方体形状の部分からなる5角形状しているが、後述するように他の形状であってもよい。また、カラーフィルタ基板22はガラス基材からなりその厚みは0.7mmであるが、これに限られるものではない。
【0032】
溝60内部には組み立て時に空気が封入された状態になっており、バックライト50からベースプレート42を介して画素70に入射した光は、それぞれの屈折率、すなわち、カラーフィルタ基板22の基材であるガラスの屈折率、溝60内の空気の屈折率、カバープレート40の基材である、例えば、アクリルの屈折率と溝60の底部断面の三角形状における角度θに従ってそれぞれの基材を透過する時に屈折し、接合部27の方向に曲げられ、カバープレート40から出射することになる。
【0033】
図4は視野角が90°の場合を図示したものであり、この視野角から観察した場合、前記の屈折の結果、接合部27の方向に寄って画素70の虚像71が観察されることになり、実際のBM幅が実質的に狭まったと同様の効果を生じるから、接合領域が視認され難くなる。
【0034】
ここで、ガラスの屈折率をnガラス、アクリルの屈折率をmアクリル、画素70の幅をa、その右端を透過してガラス(カラーフィルタ基板22)を出射する角度(垂線に対する角度)をε、溝60を出射する角度(垂線に対する角度)をγとした場合、溝60の垂直部分の深さをd、底部断面の三角形の斜面とカバープレート40の平面とのなす角度をθとした場合、虚像71の右端までの距離Xは、y+xとなり、
γ=sin−1 (mアクリル×sinθ)−θ………(式1)
となり、xは、
x=[tanγ×[d+(a+y)tanθ]]/(1−tanγ×tanθ)………(式2)
となる。また、
ε=sin−1 (sinγ/nガラス)………(式3)
となり、yは、
y=0.7×tanε………(式4)
となる。
【0035】
従って、画素70の虚像71が距離X(y+x)だけ接合部27に寄って結像することとなり、接合領域が視認され難くなる。上記(式1)、(式2)からわかるように、角度θの値によって画素70の虚像71が接合部27の方向に距離Xだけ寄って形成されることとなる。この角度θは0から、垂直方向の光が反射に変わる角度である41.8°の範囲内であればよく、その大きさによって程度の差はあるもののだいたい上記の範囲であれば本発明の効果を奏する。
【0036】
図5は、前記第1の実施形態における溝60に適用し得る種々の断面形状を示す図である。図5(a)は、溝60の断面が三角形状の場合を示し、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されている。この場合の角度θも図4と同様0°<θ<41.8°の範囲内にあればよい。
【0037】
図5(b)は溝60の断面形状が円弧状の場合を示す図であり、この場合は該円弧の接線がカバープレート40の平面となす角θが前記の範囲内であればよい。
【0038】
図5(c)は図5(a)に示す溝60の三角形状を変形した断面形状を示す図であり、溝60を構成する断面の三角形の斜辺の角度を、溝60の底部に向かって段階的に変化させた形状としたものである。この場合も角度θが前記の範囲内であればよい。また、溝の断面形状として台形(図示せず)等の形状も適用できる。
【0039】
図5(d)は断面が三角形状の溝60、60’を液晶パネル26の接合部に沿って、該接合部を挟んでその両側に位置するようにカバープレート40に設けた場合を示す図である。この場合の角度θもまた図5(a)の場合と同様である。
【0040】
また、溝60、60’の断面形状も前記図5(a)〜(c)に示す断面形状等を適用し得る。
【0041】
なお図5(a)〜(d)に示した溝60、及び60’の形状は溝部27を境にして略左右対称となっているが、用途によっては液晶表示パネル26を観察する位置がそれぞれ異なるため、その都度最も良い表示状態にするために、溝の形状が左右非対称であっても構わない。
【0042】
図6は、本発明に係るマルチパネル型液晶表示装置の第2の実施形態の概略構造を示す図である。図6においては、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されており、この実施形態において溝80は、カバープレート40の外側(液晶表示パネルの視野側)に設けてあり、その断面形状は三角形状である。溝の縁から底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θは0°<θ<90°の範囲である。
【0043】
図7は、図6における溝80に適用し得る種々の断面形状を示す図であり、図6と同様に、カラーフィルタ基板22、TFT基板24と、カバープレート40およびベースプレート42のみが示されている。図7(a)は溝80の断面形状が円弧状の場合を示す図であり、この場合は該円弧の接線がカバープレート40の平面となす角度θが前記の範囲内であればよい。
【0044】
図7(b)は、溝80の断面形状が台形状(上底をカバープレート40の外側とする)の場合を示す図であり、この場合は台形の斜辺がカバープレート40の平面となす角度θが前記の範囲内であればよい。
【0045】
図7(c)は溝80の断面が、上記(b)の台形状の断面部分と、更にカバープレート40の垂線方向に一定の深さを有する矩形の断面部分からなる6角形状の場合を示す図である。この場合も角度θは上記(b)の場合と同様である。
【0046】
図7(d)は図6に示す溝80の三角形状を変形した断面形状を示す図であり、溝80を構成する断面の三角形の斜辺の角度を、溝80の底部に向かって段階的に変化させた形状としたものである。この場合も角度θは図6の場合と同様である。
【0047】
図7(e)は断面が三角形状の溝80、80’を液晶パネル26の接合部に沿って、該接合部を挟んでその両側に位置するようにカバープレート40に設けた場合を示す図である。この場合の角度θもまた図6の場合と同様である。また溝80、80’の断面形状も前記図7(a)〜(d)に示す断面形状を適用し得る。
【0048】
本発明の第3の実施形態は、前記第1の実施形態において、カバープレート40に設けた溝60内に、ベースプレート42の溝内に充填した接着剤72と同様に接着剤を充填し、液晶表示パネル26とカバープレート40の接着を行うことができる。この場合、充填する接着剤は、その屈折率がカバープレート40の基材、例えば、アクリルの場合は該アクリルの屈折率よりも小さいことが条件となる。これにより液晶表示パネル26とカバープレート40とをより一層強固に接着固定することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、バックライトから液晶パネルの接合部近傍の画素を透過した光が、該溝部に存在する空気の屈折率とカバープレートの屈折率(カバープレートの屈折率>空気の屈折率)の関係で、液晶パネルの接合部方向に屈折して曲げられることにより、接合部近傍の画素の虚像が接合部に寄った位置に形成され、接合領域の視認を防止する効果を奏する。また製造コストの増加等を防止する効果を奏する。
【0050】
また、本発明の第2の実施形態によれば、前記溝をカバープレートの視野側に設けたものであり、かかる構成によっても第1の実施形態と同様に接合領域の視認防止、製造コストの増加防止等の効果を奏する。
【0051】
更に、本発明の第3の実施形態によれば、接合領域の視認を防止する効果を奏するとともに、カバープレートと液晶表示パネルの接着固定をより強固に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のマルチパネル型液晶表示装置を上面から見た平面図である。
【図3】図1のマルチパネル型液晶表示装置の要部を分解して示した分解斜視図である。
【図4】図1のマルチパネル型液晶表示装置の画素の表示状態を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る溝の種々の断面形状を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る溝の種々の断面形状を示す図である。
【図8】特許文献1に開示された従来のマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図9】特許文献2に開示された従来のマルチパネル型液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10…マルチパネル型液晶表示装置
22…カラーフィルタ基板
24…TFT基板
25…液晶
26a〜26d…液晶パネル
26…液晶表示パネル
28…シール材
30、32…偏光板
40…カバープレート
42…ベースプレート
50…バックライト
52…外枠
60,60’…溝
70…画素
72…接着剤
80,80’…溝
Claims (6)
- 複数枚の液晶パネルを互いに接合した液晶表示パネルを、該液晶表示パネルの前面側に配置したカバープレートを用いて固定したマルチパネル型液晶表示装置において、
前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの液晶表示パネル側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、
前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<41.8°の範囲としたことを特徴とするマルチパネル型液晶表示装置。 - 複数枚の液晶パネルを互いに接合した液晶表示パネルを、該液晶表示パネルの前面側に配置したカバープレートを用いて固定したマルチパネル型液晶表示装置において、
前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートの視野側に該液晶表示パネルの接合部を覆う溝を設け、
前記溝の縁またはその垂直延長端から該溝の底部に向かう面の前記カバープレート平面に対する角度θを0°<θ<90°の範囲としたことを特徴とするマルチパネル型液晶表示装置。 - 前記溝の形状は断面が三角形、五角形、円弧状、または台形であることを特徴とする請求項1または2に記載のマルチパネル型液晶表示装置。
- 前記溝を、液晶パネルの接合部を挟んで、複数設けたことを特徴とする請求項3に記載のマルチパネル型液晶表示装置。
- 前記溝の内部に、屈折率がカバープレートの屈折率より小さい接着剤を充填し、該接着剤により液晶表示パネルとカバープレートを接着したことを特徴とする請求項1に記載のマルチパネル型液晶表示装置。
- 複数枚の液晶パネルを互いに接合した液晶表示パネルを、該液晶表示パネルの前面側に配置したカバープレートを用いて固定したマルチパネル型液晶表示装置において、
前記液晶パネルの接合部に沿って、前記カバープレートに該接合部を覆う溝が設けられており、
該溝の内部の幅は、前記カバープレート表面にできた該溝の開口部の幅よりも狭くなっていることを特徴とするマルチパネル型液晶表示装置。
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|---|---|---|---|---|
| JP2007047620A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Hitachi Ltd | 液晶表示装置 |
| JPWO2009157161A1 (ja) * | 2008-06-26 | 2011-12-08 | シャープ株式会社 | 表示装置及び電子機器 |
| KR101589959B1 (ko) * | 2015-06-08 | 2016-02-12 | 임명관 | 평판 투광커버와 평판 투광커버 고정장치를 구비한 베젤 프리 멀티 스크린 디스플레이 장치 |
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2002
- 2002-10-08 JP JP2002295080A patent/JP2004133041A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007047620A (ja) * | 2005-08-12 | 2007-02-22 | Hitachi Ltd | 液晶表示装置 |
| JPWO2009157161A1 (ja) * | 2008-06-26 | 2011-12-08 | シャープ株式会社 | 表示装置及び電子機器 |
| KR101589959B1 (ko) * | 2015-06-08 | 2016-02-12 | 임명관 | 평판 투광커버와 평판 투광커버 고정장치를 구비한 베젤 프리 멀티 스크린 디스플레이 장치 |
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