JP2004134175A - 電池用電極及びそれを用いた電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の反応を均一化し、高容量で長寿命の電池用電極とそれを用いた電池がない。
【解決手段】電池用電極4は圧力が加えられたとき、合剤1中にその厚さを一定に保持するスペーサ2を含ませるたものを集電体3に加工ことにより電極4内の反応を均一化し、それを電池に用いることにより、高容量で長寿命の電池となる。
【選択図】 図1
【解決手段】電池用電極4は圧力が加えられたとき、合剤1中にその厚さを一定に保持するスペーサ2を含ませるたものを集電体3に加工ことにより電極4内の反応を均一化し、それを電池に用いることにより、高容量で長寿命の電池となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電池の電極に関し、より詳細には合剤層に関し、ならびにそれを用いた電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、カメラ一体型ビデオレコーダなどといった電子機器の性能向上とともに消費電力が増大し、より一層の機器の小型化や携帯化が要望されている。これに加えて、これらの電子機器の大電流及びより長時間の駆動も要望されている。これら電子機器に対する要望を満たすため、より小型で高出力かつ高容量の電池が要望されている。このため最近では、スパイラル構造の電極群の採用により、正・負両電極の対向面積を拡大し、大電流を取り出せる構造での高容量化が進められている。
【0003】
従来の電池用電極は、正・負両電極の対向面積を拡大し、大電流を取り出せる構造での高容量化を行うために、スズやシリコンといった、リチウムを吸蔵および放出する金属及びその合金を活物質として用いたものがあり、負極に空孔を設けて活物質の体積変化の吸収と電解液の保持を図るものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−242954号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、電極が空孔を有し体積変化を吸収できるということは、力を加えると電極が変形しやすく、電池を作製するとき、折り曲げ部などにかかる力で電極が潰され、電解液を十分に保持することは困難であるという課題を有していた。
【0006】
さらに、放電時にも今度は折り曲げ部分から放電しきれない分周囲から深く放電することになり、周囲への負荷が大きくなる。このような反応の不均一が電池のサイクル劣化の進行を促進していたという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するためのもので、電極の反応を均一化し、高容量で長寿命の電池用電極とそれを用いた電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するため、本発明の電池用電極は、少なくとも活物質と導電剤と結着剤とを含む合剤層と、集電体とを備え、前記合剤層はスペーサを含む。
【0009】
さらに、本発明の電池用電極は、合剤層中に占めるスペーサの体積当たりの含有率は、前記スペーサの割合をXとすると、0<X≦20である。
【0010】
さらに、本発明の電池用電極はスペーサ粒子の大きさは活物質が電子伝達体を吸蔵していない状態において、合剤層の厚みの0.8〜1.2倍である。
【0011】
また、本発明の電池用電極を用いた電池は、正極と負極と非水電解液とを有し、少なくとも前記正極または負極は、スペーサを含む。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電池用電極の横断面図である。図1は、集電体3をはさんで、その両側に合剤層1が形成されている。なお、同図では、正極、負極をあえて指定していない。活物質(図示せず)と導電剤(図示せず)と結着剤(図示せず)とスペーサ2とを含む合剤1が、集電体3の両側に形成される電池用電極4である。この電極は例えばセパレータ(図示せず)を挟んでもう一方の電極(図示せず)と対向することになる。
【0014】
合剤層1中のスペーサ2量はその添加量の増加に応じて容量が低下するので、合剤層1におけるスペーサ2量は体積率でスペーサ2の体積率をXとすると、0<X≦20の範囲であることが望ましい。それ以上の体積率になると、導電性を確保できない材料もある。
【0015】
さらにスペーサ2の配置は、合剤層中で適度に分散していることが製造の観点から望ましい。また、折り曲げ部のみの電極潰れなどが問題となる場合は、スペーサ2は折り曲げ部には頻度を上げて、あるいは折り曲げ部のみにスペーサ2を配置させてもよい。
【0016】
スペーサ2の大きさは、電極の厚みに対して小さすぎると力が加わったときに電極の潰れを抑制できず、また大きすぎると無駄な空間が生じて電極容量が低下してしまうため、平均の大きさは活物質が収縮した状態での合剤層1の厚みの0.8倍から1.2倍の範囲内にあることが望ましく、0.95倍から1.05倍がより好ましい。スペーサ2が合剤層1の厚みの0.8倍以下になると、合剤層1が所定の厚さを維持できない。スペーサ2が合剤層1の厚みの1.2倍以上になると、セパレータ(図示せず)と合剤層1と集電体3からなる電極との間に隙間ができ、容量が低下する。
【0017】
かかる構成によれは、本発明の電極は、スペーサ2の添加により、圧力が加えられたとき、合剤層中にその厚さを一定に保持することができる。その結果、電極の潰れを起こさない電極となる。さらに、本発明実施の形態の電極は電解液不足の問題を解消し、反応を電極全体で均一にすることでサイクル特性の向上を期待できる。
【0018】
合剤層1にスペーサ2を添加することより以下に述べる効果がある。
【0019】
スペーサ2を添加することにより、プレス圧延で電池用電極4の厚み調整を行うときスペーサの大きさ以下には同電極4がつぶれない。これは空孔を有する同電極4において、空孔率の微調整が必要な空孔率の高い電極では非常に有効である。
【0020】
さらに、充放電時の体積変化が大きい活物質を用いた場合、活物質膨張時は同電極4に大きな力がかかるようにして合剤層中の空孔に体積膨張を吸収させることができる。よって合剤層中に設ける空孔体積は電解液保持及び膨張体積吸収分のみでよく、空孔利用率を上げることで電極の容量を増加させることが可能となる。
【0021】
ここで空孔率について、説明する。空孔率とは電極体積中に占める隙間の割合のことであり、電解液保持や活物質の体積変化を吸収するのに役立つが、空孔率が高くなるとその分体積容量が減少する。
【0022】
さらに、スペーサ2添加分の容量低下を補って、電池のさらなる高容量化並びに高性能化を実現するために、スペーサ2が導電性、容量、電解液保持機能のいずれか一つ以上を有することが望ましい。
【0023】
スペーサ2が導電性を有する場合、導電補助剤として機能することにより放電特性などの向上が期待される。また、スペーサ2が容量を有する場合、スペーサ2が置き換わった活物質の容量減少を補填することができる。また、スペーサ2が電解液保持機能を有する場合、スペーサ2以外の合剤層の多孔度を下げても、電極としての電解液保持量を維持することができ、電極容量の増加が見込める。
【0024】
なお、材料の選定、複合化などにより、上記導電性、容量、電解液保持の1つ以上の機能を持たせることも有効である。
【0025】
電池は組立時または動作時に内部の群に力がかかる構造になっていることが望ましい。活物質の体積変化を電極内の空孔に吸収させ、電極の体積変化を抑制するには電極に力がかかるようにすることが必要だからである。かかる力としては具体的には電極群の緊縛力や、ケースから受ける力、初期の充放電時にケース外部から加えられる圧迫、などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いられるスペーサ2の材料としては、電池合剤層内部で化学的に安定な材料が使用可能であり、例えばジルコニアなどのセラミックス、ガラス、ジビニルベンゼン系あるいはポリメチルメタクリレート系等の硬質プラスチックを用いることができる。また、導電性、容量、電解液保持の1つ以上の機能を持たせるには、ニッケルや銅などの金属、黒鉛及びこれらの多孔体、複合体などを用いることが好ましい。
【0027】
本発明のスペーサ2の形状は、直方体、繊維状、球状、鱗片状などを用いることができる。さらに、合剤層1の厚み制御の均一性及び製造方法の観点から粒子形状に異方性のない球状が好ましい。
【0028】
本発明の電極の活物質としては、一般的に電池に用いられるものであれば何でもよいが、特にリチウムイオン二次電池においては高容量化の観点からリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出できるものが好ましい。
【0029】
より具体的には、正極材料としては、一般式LixMO2(0.1≦x≦1.1)で表される化合物を主成分とするリチウム複合酸化物が好ましい。Mとしては、コバルト、ニッケル、マンガンなどが好ましい。また、Mは単独元素でなくコバルトとニッケルなど複数種の元素でも可能である。また、鉄系酸化物、バナジウム系酸化物などのリチウムを可逆的に吸蔵放出する金属酸化物も使用可能であるし、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物も使用できる。
【0030】
また、負極材料としても同様に、一般的に電池に用いられるものであれば何でもよいが、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する物質が好ましい。
【0031】
具体的に例示すれば、二酸化スズ、金属スズ、金属アルミニウム、シリコン酸化物、炭化ケイ素、ケイ素化ニッケル、ケイ素化銅、ケイ素化鉄、ケイ素化コバルト、ケイ素化マンガン、ケイ素化チタン、ケイ素化マグネシウム、黒鉛、難黒鉛化性炭素、低温焼成易黒鉛化炭素などが挙げられる。また、これらを混合するのも可能である。
【0032】
本発明の電極を用いた電池としては、正極/電解質層/負極を単に積層するのも、捲回するのも複数段積層するのも可能である。
【0033】
以下に実施例によりさらに詳しく説明する。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
本発明の電極を用いた電池として、試験用扁平形電池(試験セル)の作製方法を図2の扁平形電池の断面図とともに説明する。
【0035】
まず、正極11の作製方法について説明する。正極活物質(図示せず)であるLiCoO2は、Li2CO3とCoC03とを所定のモル比で混合し、950℃で加熱することによって合成した。さらに、これを100メッシュ以下の大きさに分級したものを用いた。正極活物質100gに対して、導電剤としてアセチレンブラックを10g、結着剤としてポリ4フッ化エチレンの水性分散液8g(樹脂成分)および純水を加え、充分に混合し、正極合剤ペースト(図示せず)を得た。このペーストをアルミニウムの芯材に塗布し、乾燥し、圧延して正極11を得た。
【0036】
次に、負極13の作製方法について説明する。負極合剤ペースト(図示せず)は、負極活物質として平均粒径1μmのチタンスズ合金(Ti2Sn)を用いて、導電剤としてのアセチレンブラック(以降ABと表記)粉末と、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(以降CMCと表記)及びスチレンブタジエンゴム(以降SBRと表記)とを混合し、水を加えて得た。負極用スラリー内の(活物質)/AB/CMC/SBRの重量比は、100/12/4/8とした。得られた負極スラリーにスペーサ2として直径50μmのジルコニアを添加したものを、厚さ15μmの銅箔の両面に塗布した後、常圧60℃で15分間予備乾燥し、空孔率調整の圧延後、さらに180℃で10時間真空乾燥して負極13を得た。
【0037】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのジルコニア粉を活物質100に対して重量21を混合した負極負極ペーストを厚さ15μmの銅箔の両面に厚さそれぞれ約80μm塗布した後、常圧60℃で15分間予備乾燥し、圧延によりジルコニアスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調整した。さらに180℃で10時間真空乾燥して空孔率50%の負極を得た。
【0038】
次に、超音波溶接で、先に得られた正極11にアルミニウムからなる正極リード12を取り付けた。同様に先に得られた負極13に銅の負極リード14を取り付けた。そして、正極、負極、および両電極より幅が広く、帯状の多孔性ポリプロピレン製セパレータ15を積層した。このとき両電極の間に前出のセパレータ15を介在させた。次いで、得られた積層物(図示せず)を扁平状に捲回して電極群(図示せず)とした。
【0039】
電極群は、その上下にそれぞれポリプロピレン製の絶縁板(図示せず)を配して電池ケース17に挿入した。そして、電池ケース17の上部に枠体16を形成した後、所定の非水電解液(1.0モル/LのLiPF6を含むエチレンカーボネート+ジエチルカーボネート(1:3体積比混合溶媒)、図示せず)を注入し、正極端子を有する封口板18で密閉して扁平形電池とした。
【0040】
試験セルの評価は20℃で以下のように実施した。まず、試験セルの定電流充電を、充電電流0.2C(1Cは1時間率電流)で電池電圧が4.2Vになるまで行い、次いで定電圧充電を4.2V、電流値が0.01Cになるまで行った。その後、試験セルの放電を、0.2Cの電流で電池電圧が2.5Vになるまで行った。この充放電サイクルを100回繰り返した。
【0041】
(実施例2)
負極にスペーサ2として平均粒径35〜65μmのジルコニア粉を添加した。他の作製方法は実施例1と同様である。なお、(表2)では、加したジルコニア粉の粒径を、スペーサ径という表現で示した。
【0042】
(実施例3)
負極にスペーサ2として導電補助剤を兼ねてニッケルを添加した。その他は実施例1と同様である。
【0043】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのニッケル粉を負極活物質100に対して重量32を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延によりニッケルスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0044】
(実施例4)
負極にスペーサ2として容量増加及び導電性を有するものとして黒鉛を添加した。その他は実施例1と同様である。具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmの球状黒鉛を活物質100に対して重量7.8を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延により黒鉛スペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0045】
(実施例5)
負極にスペーサ2として、多孔体スペーサである内部に空孔を有するポリエチレンを添加した。その他は実施例1と同様である。
【0046】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのポリエチレン粒子(空孔率30%)を活物質100に対して重量2.3を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延によりポリエチレンスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0047】
(比較例1)
比較例1として、スペーサ−添加しない負極を作製した。スペーサ−を添加しないことを除いては、上記実施例と同じ作製方法である。
【0048】
結果を(表1)、(表2)、(表3)及び図3、4に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
まず、(表1)と図3をもとに実施例1と比較例1を説明する。図3中の、シンボル●は実施例1を、×は比較例1を示す。実施例1では、比較例1に比べ添加したセラミックスペーサの体積分初期容量は低下したが、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。これは、スペーサ2の導入により折り曲げ部分などの電極潰れを抑制した結果、電極反応が均一化されたためである。
【0051】
OCVを調べることにより電極の充電深度を見積もることができる。図4に電極各部位の厚みと充放電後のOCVを示す。
【0052】
まず電極の各部位について3mm幅で切り出し、合剤層の厚みと電解液中でセパレータを介してLiと対向させたときの電位(開放電圧OCV)を測定した。
【0053】
記号は丸印が合剤層厚み、菱形と三角形はそれぞれ放電後、充電後のLiに対するOCVを示し、塗り潰し●◆黒三角が実施例1、白抜き○◇△が比較例1である。
【0054】
縦軸は右が合剤層厚みを示し、図中の●○が対応する。組立前の合剤層厚みは50μmである。
【0055】
縦軸左は充放電後30分後負極のLiに対するOCVを示し、図中の◆◇(放電後)と黒三角△(充電後)が対応する。負極のLiに対するOCVは充電深度が深いほど0Vに近づき、逆に放電深度が深いほど大きくなる。本試験条件において充電終了時の負極のLiに対するOCVは0.05Vに設計しているが、抵抗成分による電圧降下などの影響で、充電後のOCVはそれよりも大きくなる。また、同様に放電終了時の負極のLiに対する電位は1.0Vに設計しているが、放電後のOCVはそれよりも小さくなる。
【0056】
比較例1では平坦部に比べ折り曲げ部の合剤層が潰れて厚みが小さくなっている。また折曲部のOCVは平坦部に比べて、充電後は大きく、放電後は小さくなっており、その傾向は群の内周側になるほど顕著となっている。これは内周側の折り曲げ曲率が大きく、より大きな力がかかって合剤層が潰れて電解液が不足し、充放電に十分寄与できていないことを示している。
【0057】
しかし、実施例1に示すようにスペーサ2を添加することにより合剤層の潰れが抑制され、各部位の合剤層厚み及び充放電後のOCVが均一になっていることがわかる。これはスペーサ2添加により合剤層の潰れを抑制し、電解液不足を解消した結果、電極の充放電反応が均一化されたためである。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例2では、比較例1に比べ、添加したスペーサ2の大きさが合剤層厚さの0.8〜1.2倍、特に0.95〜1.05倍の範囲内で、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。これはスペーサ2の大きさが合剤層厚さの0.8倍以下になるとスペーサ2として機能せずに電極潰れが起きてしまい、また1.2倍を超えると電極表面の凹凸が大きくなりスペーサ2周囲の電極の反応が阻害され、いずれも電極の不均一反応によるサイクル劣化率増大が引き起こされるためである。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例3では、比較例1に比べ添加したニッケルスペーサの体積分初期容量は低下したが、サイクル特性及び特に放電効率が大きく向上した。スペーサ2として伝導度の高いニッケルを用いたため電極潰れを抑制しつつ、電極の電子伝導度が高くなった結果である。
【0062】
実施例4では、比較例1に比べ添加した黒鉛スペーサの体積分初期容量は低下したが黒鉛が容量をもつため容量低下は緩和され、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。スペーサ2として伝導度も高い黒鉛を用いたため電極潰れを抑制しつつ、電極伝導が向上したためである。なお、実施例2にサイクル劣化率が及ばないのは、球状黒鉛自身が充放電時に約10%の体積変化を繰り返し行うため、黒鉛スペーサ周囲の合剤がもろくなり電極の電子伝導が低下したためである。
【0063】
実施例5では、比較例1に比べ添加した多孔体スペーサの体積分初期容量は低下したが、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。スペーサ2内の空孔に電解液を保持できるため、電極潰れを抑制しつつ、電極内に含まれる電解液量が増加した。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、合剤層中にその厚さを制御するスペーサを含ませることにより、合剤層の厚さが一定以下に潰れないようにして電極内の反応を均一化することにより、高容量で長寿命の電池用電極を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電池用電極の構成を示す図
【図2】本発明の実施例で使用した扁平型電池の断面図
【図3】本発明の電池容量のサイクル特性を示す図
【図4】本発明の実施例における充電後及び放電後の電極の状態を示す図
【符号の説明】
1 合剤層
2 スペーサ
3 集電体
4 電池用電極
11 正極
12 正極リード
13 負極
14 負極リード
15 セパレータ
16 枠体
17 電池ケース
18 封口板
【発明の属する技術分野】
本発明は電池の電極に関し、より詳細には合剤層に関し、ならびにそれを用いた電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、カメラ一体型ビデオレコーダなどといった電子機器の性能向上とともに消費電力が増大し、より一層の機器の小型化や携帯化が要望されている。これに加えて、これらの電子機器の大電流及びより長時間の駆動も要望されている。これら電子機器に対する要望を満たすため、より小型で高出力かつ高容量の電池が要望されている。このため最近では、スパイラル構造の電極群の採用により、正・負両電極の対向面積を拡大し、大電流を取り出せる構造での高容量化が進められている。
【0003】
従来の電池用電極は、正・負両電極の対向面積を拡大し、大電流を取り出せる構造での高容量化を行うために、スズやシリコンといった、リチウムを吸蔵および放出する金属及びその合金を活物質として用いたものがあり、負極に空孔を設けて活物質の体積変化の吸収と電解液の保持を図るものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−242954号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、電極が空孔を有し体積変化を吸収できるということは、力を加えると電極が変形しやすく、電池を作製するとき、折り曲げ部などにかかる力で電極が潰され、電解液を十分に保持することは困難であるという課題を有していた。
【0006】
さらに、放電時にも今度は折り曲げ部分から放電しきれない分周囲から深く放電することになり、周囲への負荷が大きくなる。このような反応の不均一が電池のサイクル劣化の進行を促進していたという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するためのもので、電極の反応を均一化し、高容量で長寿命の電池用電極とそれを用いた電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するため、本発明の電池用電極は、少なくとも活物質と導電剤と結着剤とを含む合剤層と、集電体とを備え、前記合剤層はスペーサを含む。
【0009】
さらに、本発明の電池用電極は、合剤層中に占めるスペーサの体積当たりの含有率は、前記スペーサの割合をXとすると、0<X≦20である。
【0010】
さらに、本発明の電池用電極はスペーサ粒子の大きさは活物質が電子伝達体を吸蔵していない状態において、合剤層の厚みの0.8〜1.2倍である。
【0011】
また、本発明の電池用電極を用いた電池は、正極と負極と非水電解液とを有し、少なくとも前記正極または負極は、スペーサを含む。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における電池用電極の横断面図である。図1は、集電体3をはさんで、その両側に合剤層1が形成されている。なお、同図では、正極、負極をあえて指定していない。活物質(図示せず)と導電剤(図示せず)と結着剤(図示せず)とスペーサ2とを含む合剤1が、集電体3の両側に形成される電池用電極4である。この電極は例えばセパレータ(図示せず)を挟んでもう一方の電極(図示せず)と対向することになる。
【0014】
合剤層1中のスペーサ2量はその添加量の増加に応じて容量が低下するので、合剤層1におけるスペーサ2量は体積率でスペーサ2の体積率をXとすると、0<X≦20の範囲であることが望ましい。それ以上の体積率になると、導電性を確保できない材料もある。
【0015】
さらにスペーサ2の配置は、合剤層中で適度に分散していることが製造の観点から望ましい。また、折り曲げ部のみの電極潰れなどが問題となる場合は、スペーサ2は折り曲げ部には頻度を上げて、あるいは折り曲げ部のみにスペーサ2を配置させてもよい。
【0016】
スペーサ2の大きさは、電極の厚みに対して小さすぎると力が加わったときに電極の潰れを抑制できず、また大きすぎると無駄な空間が生じて電極容量が低下してしまうため、平均の大きさは活物質が収縮した状態での合剤層1の厚みの0.8倍から1.2倍の範囲内にあることが望ましく、0.95倍から1.05倍がより好ましい。スペーサ2が合剤層1の厚みの0.8倍以下になると、合剤層1が所定の厚さを維持できない。スペーサ2が合剤層1の厚みの1.2倍以上になると、セパレータ(図示せず)と合剤層1と集電体3からなる電極との間に隙間ができ、容量が低下する。
【0017】
かかる構成によれは、本発明の電極は、スペーサ2の添加により、圧力が加えられたとき、合剤層中にその厚さを一定に保持することができる。その結果、電極の潰れを起こさない電極となる。さらに、本発明実施の形態の電極は電解液不足の問題を解消し、反応を電極全体で均一にすることでサイクル特性の向上を期待できる。
【0018】
合剤層1にスペーサ2を添加することより以下に述べる効果がある。
【0019】
スペーサ2を添加することにより、プレス圧延で電池用電極4の厚み調整を行うときスペーサの大きさ以下には同電極4がつぶれない。これは空孔を有する同電極4において、空孔率の微調整が必要な空孔率の高い電極では非常に有効である。
【0020】
さらに、充放電時の体積変化が大きい活物質を用いた場合、活物質膨張時は同電極4に大きな力がかかるようにして合剤層中の空孔に体積膨張を吸収させることができる。よって合剤層中に設ける空孔体積は電解液保持及び膨張体積吸収分のみでよく、空孔利用率を上げることで電極の容量を増加させることが可能となる。
【0021】
ここで空孔率について、説明する。空孔率とは電極体積中に占める隙間の割合のことであり、電解液保持や活物質の体積変化を吸収するのに役立つが、空孔率が高くなるとその分体積容量が減少する。
【0022】
さらに、スペーサ2添加分の容量低下を補って、電池のさらなる高容量化並びに高性能化を実現するために、スペーサ2が導電性、容量、電解液保持機能のいずれか一つ以上を有することが望ましい。
【0023】
スペーサ2が導電性を有する場合、導電補助剤として機能することにより放電特性などの向上が期待される。また、スペーサ2が容量を有する場合、スペーサ2が置き換わった活物質の容量減少を補填することができる。また、スペーサ2が電解液保持機能を有する場合、スペーサ2以外の合剤層の多孔度を下げても、電極としての電解液保持量を維持することができ、電極容量の増加が見込める。
【0024】
なお、材料の選定、複合化などにより、上記導電性、容量、電解液保持の1つ以上の機能を持たせることも有効である。
【0025】
電池は組立時または動作時に内部の群に力がかかる構造になっていることが望ましい。活物質の体積変化を電極内の空孔に吸収させ、電極の体積変化を抑制するには電極に力がかかるようにすることが必要だからである。かかる力としては具体的には電極群の緊縛力や、ケースから受ける力、初期の充放電時にケース外部から加えられる圧迫、などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いられるスペーサ2の材料としては、電池合剤層内部で化学的に安定な材料が使用可能であり、例えばジルコニアなどのセラミックス、ガラス、ジビニルベンゼン系あるいはポリメチルメタクリレート系等の硬質プラスチックを用いることができる。また、導電性、容量、電解液保持の1つ以上の機能を持たせるには、ニッケルや銅などの金属、黒鉛及びこれらの多孔体、複合体などを用いることが好ましい。
【0027】
本発明のスペーサ2の形状は、直方体、繊維状、球状、鱗片状などを用いることができる。さらに、合剤層1の厚み制御の均一性及び製造方法の観点から粒子形状に異方性のない球状が好ましい。
【0028】
本発明の電極の活物質としては、一般的に電池に用いられるものであれば何でもよいが、特にリチウムイオン二次電池においては高容量化の観点からリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出できるものが好ましい。
【0029】
より具体的には、正極材料としては、一般式LixMO2(0.1≦x≦1.1)で表される化合物を主成分とするリチウム複合酸化物が好ましい。Mとしては、コバルト、ニッケル、マンガンなどが好ましい。また、Mは単独元素でなくコバルトとニッケルなど複数種の元素でも可能である。また、鉄系酸化物、バナジウム系酸化物などのリチウムを可逆的に吸蔵放出する金属酸化物も使用可能であるし、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどの金属硫化物も使用できる。
【0030】
また、負極材料としても同様に、一般的に電池に用いられるものであれば何でもよいが、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムイオンを可逆的に吸蔵放出する物質が好ましい。
【0031】
具体的に例示すれば、二酸化スズ、金属スズ、金属アルミニウム、シリコン酸化物、炭化ケイ素、ケイ素化ニッケル、ケイ素化銅、ケイ素化鉄、ケイ素化コバルト、ケイ素化マンガン、ケイ素化チタン、ケイ素化マグネシウム、黒鉛、難黒鉛化性炭素、低温焼成易黒鉛化炭素などが挙げられる。また、これらを混合するのも可能である。
【0032】
本発明の電極を用いた電池としては、正極/電解質層/負極を単に積層するのも、捲回するのも複数段積層するのも可能である。
【0033】
以下に実施例によりさらに詳しく説明する。また、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【実施例】
(実施例1)
本発明の電極を用いた電池として、試験用扁平形電池(試験セル)の作製方法を図2の扁平形電池の断面図とともに説明する。
【0035】
まず、正極11の作製方法について説明する。正極活物質(図示せず)であるLiCoO2は、Li2CO3とCoC03とを所定のモル比で混合し、950℃で加熱することによって合成した。さらに、これを100メッシュ以下の大きさに分級したものを用いた。正極活物質100gに対して、導電剤としてアセチレンブラックを10g、結着剤としてポリ4フッ化エチレンの水性分散液8g(樹脂成分)および純水を加え、充分に混合し、正極合剤ペースト(図示せず)を得た。このペーストをアルミニウムの芯材に塗布し、乾燥し、圧延して正極11を得た。
【0036】
次に、負極13の作製方法について説明する。負極合剤ペースト(図示せず)は、負極活物質として平均粒径1μmのチタンスズ合金(Ti2Sn)を用いて、導電剤としてのアセチレンブラック(以降ABと表記)粉末と、結着剤としてのカルボキシメチルセルロース(以降CMCと表記)及びスチレンブタジエンゴム(以降SBRと表記)とを混合し、水を加えて得た。負極用スラリー内の(活物質)/AB/CMC/SBRの重量比は、100/12/4/8とした。得られた負極スラリーにスペーサ2として直径50μmのジルコニアを添加したものを、厚さ15μmの銅箔の両面に塗布した後、常圧60℃で15分間予備乾燥し、空孔率調整の圧延後、さらに180℃で10時間真空乾燥して負極13を得た。
【0037】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのジルコニア粉を活物質100に対して重量21を混合した負極負極ペーストを厚さ15μmの銅箔の両面に厚さそれぞれ約80μm塗布した後、常圧60℃で15分間予備乾燥し、圧延によりジルコニアスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調整した。さらに180℃で10時間真空乾燥して空孔率50%の負極を得た。
【0038】
次に、超音波溶接で、先に得られた正極11にアルミニウムからなる正極リード12を取り付けた。同様に先に得られた負極13に銅の負極リード14を取り付けた。そして、正極、負極、および両電極より幅が広く、帯状の多孔性ポリプロピレン製セパレータ15を積層した。このとき両電極の間に前出のセパレータ15を介在させた。次いで、得られた積層物(図示せず)を扁平状に捲回して電極群(図示せず)とした。
【0039】
電極群は、その上下にそれぞれポリプロピレン製の絶縁板(図示せず)を配して電池ケース17に挿入した。そして、電池ケース17の上部に枠体16を形成した後、所定の非水電解液(1.0モル/LのLiPF6を含むエチレンカーボネート+ジエチルカーボネート(1:3体積比混合溶媒)、図示せず)を注入し、正極端子を有する封口板18で密閉して扁平形電池とした。
【0040】
試験セルの評価は20℃で以下のように実施した。まず、試験セルの定電流充電を、充電電流0.2C(1Cは1時間率電流)で電池電圧が4.2Vになるまで行い、次いで定電圧充電を4.2V、電流値が0.01Cになるまで行った。その後、試験セルの放電を、0.2Cの電流で電池電圧が2.5Vになるまで行った。この充放電サイクルを100回繰り返した。
【0041】
(実施例2)
負極にスペーサ2として平均粒径35〜65μmのジルコニア粉を添加した。他の作製方法は実施例1と同様である。なお、(表2)では、加したジルコニア粉の粒径を、スペーサ径という表現で示した。
【0042】
(実施例3)
負極にスペーサ2として導電補助剤を兼ねてニッケルを添加した。その他は実施例1と同様である。
【0043】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのニッケル粉を負極活物質100に対して重量32を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延によりニッケルスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0044】
(実施例4)
負極にスペーサ2として容量増加及び導電性を有するものとして黒鉛を添加した。その他は実施例1と同様である。具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmの球状黒鉛を活物質100に対して重量7.8を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延により黒鉛スペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0045】
(実施例5)
負極にスペーサ2として、多孔体スペーサである内部に空孔を有するポリエチレンを添加した。その他は実施例1と同様である。
【0046】
具体的にはスペーサ2の体積比率が電極体積中の約5%を占めるように、平均粒径50μmのポリエチレン粒子(空孔率30%)を活物質100に対して重量2.3を混合した負極負極ペーストを塗布乾燥し、圧延によりポリエチレンスペーサ以外の負極合剤の空孔率が50%になるように調製した。
【0047】
(比較例1)
比較例1として、スペーサ−添加しない負極を作製した。スペーサ−を添加しないことを除いては、上記実施例と同じ作製方法である。
【0048】
結果を(表1)、(表2)、(表3)及び図3、4に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
まず、(表1)と図3をもとに実施例1と比較例1を説明する。図3中の、シンボル●は実施例1を、×は比較例1を示す。実施例1では、比較例1に比べ添加したセラミックスペーサの体積分初期容量は低下したが、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。これは、スペーサ2の導入により折り曲げ部分などの電極潰れを抑制した結果、電極反応が均一化されたためである。
【0051】
OCVを調べることにより電極の充電深度を見積もることができる。図4に電極各部位の厚みと充放電後のOCVを示す。
【0052】
まず電極の各部位について3mm幅で切り出し、合剤層の厚みと電解液中でセパレータを介してLiと対向させたときの電位(開放電圧OCV)を測定した。
【0053】
記号は丸印が合剤層厚み、菱形と三角形はそれぞれ放電後、充電後のLiに対するOCVを示し、塗り潰し●◆黒三角が実施例1、白抜き○◇△が比較例1である。
【0054】
縦軸は右が合剤層厚みを示し、図中の●○が対応する。組立前の合剤層厚みは50μmである。
【0055】
縦軸左は充放電後30分後負極のLiに対するOCVを示し、図中の◆◇(放電後)と黒三角△(充電後)が対応する。負極のLiに対するOCVは充電深度が深いほど0Vに近づき、逆に放電深度が深いほど大きくなる。本試験条件において充電終了時の負極のLiに対するOCVは0.05Vに設計しているが、抵抗成分による電圧降下などの影響で、充電後のOCVはそれよりも大きくなる。また、同様に放電終了時の負極のLiに対する電位は1.0Vに設計しているが、放電後のOCVはそれよりも小さくなる。
【0056】
比較例1では平坦部に比べ折り曲げ部の合剤層が潰れて厚みが小さくなっている。また折曲部のOCVは平坦部に比べて、充電後は大きく、放電後は小さくなっており、その傾向は群の内周側になるほど顕著となっている。これは内周側の折り曲げ曲率が大きく、より大きな力がかかって合剤層が潰れて電解液が不足し、充放電に十分寄与できていないことを示している。
【0057】
しかし、実施例1に示すようにスペーサ2を添加することにより合剤層の潰れが抑制され、各部位の合剤層厚み及び充放電後のOCVが均一になっていることがわかる。これはスペーサ2添加により合剤層の潰れを抑制し、電解液不足を解消した結果、電極の充放電反応が均一化されたためである。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例2では、比較例1に比べ、添加したスペーサ2の大きさが合剤層厚さの0.8〜1.2倍、特に0.95〜1.05倍の範囲内で、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。これはスペーサ2の大きさが合剤層厚さの0.8倍以下になるとスペーサ2として機能せずに電極潰れが起きてしまい、また1.2倍を超えると電極表面の凹凸が大きくなりスペーサ2周囲の電極の反応が阻害され、いずれも電極の不均一反応によるサイクル劣化率増大が引き起こされるためである。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例3では、比較例1に比べ添加したニッケルスペーサの体積分初期容量は低下したが、サイクル特性及び特に放電効率が大きく向上した。スペーサ2として伝導度の高いニッケルを用いたため電極潰れを抑制しつつ、電極の電子伝導度が高くなった結果である。
【0062】
実施例4では、比較例1に比べ添加した黒鉛スペーサの体積分初期容量は低下したが黒鉛が容量をもつため容量低下は緩和され、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。スペーサ2として伝導度も高い黒鉛を用いたため電極潰れを抑制しつつ、電極伝導が向上したためである。なお、実施例2にサイクル劣化率が及ばないのは、球状黒鉛自身が充放電時に約10%の体積変化を繰り返し行うため、黒鉛スペーサ周囲の合剤がもろくなり電極の電子伝導が低下したためである。
【0063】
実施例5では、比較例1に比べ添加した多孔体スペーサの体積分初期容量は低下したが、放電効率及びサイクル劣化率が改善している。スペーサ2内の空孔に電解液を保持できるため、電極潰れを抑制しつつ、電極内に含まれる電解液量が増加した。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、合剤層中にその厚さを制御するスペーサを含ませることにより、合剤層の厚さが一定以下に潰れないようにして電極内の反応を均一化することにより、高容量で長寿命の電池用電極を得ることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における電池用電極の構成を示す図
【図2】本発明の実施例で使用した扁平型電池の断面図
【図3】本発明の電池容量のサイクル特性を示す図
【図4】本発明の実施例における充電後及び放電後の電極の状態を示す図
【符号の説明】
1 合剤層
2 スペーサ
3 集電体
4 電池用電極
11 正極
12 正極リード
13 負極
14 負極リード
15 セパレータ
16 枠体
17 電池ケース
18 封口板
Claims (4)
- 少なくとも活物質と導電剤と結着剤とを含む合剤層と、集電体とを備え、前記合剤層はスペーサを含むことを特徴とする電池用電極。
- 合剤層中に占めるスペーサの体積当たりの含有率は、前記スペーサの割合をXとすると、0<X≦20であることを特徴とする請求項1記載の電池用電極。
- スペーサ粒子の大きさは活物質が電子伝達体を吸蔵していない状態において、合剤層の厚みの0.8〜1.2倍であることを特徴とする請求項1または2記載の電池用電極。
- 正極と負極と非水電解液とを有し、少なくとも前記正極または負極は、スペーサを含むことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の電池用電極を用いた電池。
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