JP2004135267A - 表面波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気機械結合係数が大きく、伝搬損失が小さく、位相速度が「遅い横波」の位相速度より速い、高周波化に適した縦波型の表面波を利用した表面波装置を提供する。
【解決手段】LiNbO基板のオイラー角が、例えば座標▲1▼(0°,7°,101°)、座標▲2▼(0°,23°,101°)、座標▲3▼(0°,23°,79°)及び座標▲4▼(0°,7°,79°)及び座標▲1▼を結んだ線で囲まれた領域A01のような特定の範囲にあるLiNbO基板と、該LiNbO基板上に形成されており、かつAu膜よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用している表面波装置。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振子や帯域フィルタなどに用いられる表面波装置に関し、より詳細には、LiNbO基板上にAuからなる電極膜が形成されており、いわゆる第2漏洩表面波を用いた表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面波装置は、高性能であり、軽量及び小型であるため、携帯型の移動体通信機器用の帯域フィルタなどに広く用いられている。
【0003】
表面波フィルタでは、動作周波数Fは、表面波の位相速度Vと、インターデジタルトランスデューサ(IDT)のフィンガ周期Lとの比により決定される。すなわち、F=V/Lの関係がある。
【0004】
近年、動作周波数の高周波化の要求が高くなってきており、従って、位相速度Vの速い表面波を用いることが検討されている。
また、表面波フィルタの帯域幅は、表面波の電気機械結合係数k に依存する。電気機械結合係数が大きい場合、広帯域のフィルタ特性を得ることができ、小さい場合には狭帯域のフィルタ特性を得ることができる。従って、電気機械結合係数k は、用途に応じた値とすることが必要である。
【0005】
また、表面波の伝搬に伴う損失、すなわち伝搬損失は、表面波装置の挿入損失を劣化させたり、表面波共振子の共振抵抗や、反共振点のインピーダンスと共振点のインピーダンスとの比であるインピーダンス比を劣化させたりする。従って、伝搬損失が小さいことが望ましい。
【0006】
さらに、温度による表面波装置の動作周波数の変化も小さい方が望ましい。変化が大きい場合には、表面波フィルタでは実用可能な通過帯域や阻止帯域が減少し、表面波共振子の場合には発振回路を構成した際の異常発振の原因となる。そのため、1℃あたりの動作周波数の変化量(TCF)ができるだけ小さいことが求められている。
【0007】
表面波装置で利用される表面波として、レイリー波や漏洩表面波が知られている。漏洩表面波は、レイリー波より位相速度が速いことが多い。従って、高周波帯で用いられる表面波装置では、36〜42°YカットX伝搬LiTaO基板や41°YカットX伝搬のLiNbO基板や64°YカットX伝搬LiNbO基板を伝搬する表面波伝搬方向に水平に横波成分(u2成分)が主体である漏洩表面波を利用することが多い。これらの漏洩表面波の位相速度は、4000〜4500m/秒程度である。
【0008】
近年、位相速度が5000〜7000m/秒であり、従来の漏洩表面波よりも高い、縦波成分(u1成分)が主体の第2漏洩表面波が注目されている。この第2漏洩表面波を用いた表面波装置が、以下の非特許文献1〜3及び特許文献1に開示されている。
【0009】
非特許文献1には、四ほう酸リチウム基板を伝搬する位相速度が6656m/秒の縦波成分主体の漏洩波が開示されている。
非特許文献2には、には、LiTaO基板及びLiNbO基板を伝搬する縦波成分主体の第2漏洩表面波が開示されている。非特許文献2では、LiNbO基板を用いた場合、オイラー角(90°,90°,36°)で電気機械結合係数k が12.9%と最大となること、電気的開放(自由表面)と電気的短絡(短絡表面)における伝搬損失が、それぞれ、約0.06dB/λ、約3.9dB/λであり、自由表面に比べて短絡表面の伝搬損失が大きいことが示されている。また、オイラー角(90°,90°,36°)における自由表面と短絡表面における周波数温度特性TCFは、それぞれ、約67ppm及び約78ppmであることが示されている。
【0010】
非特許文献3には、オイラー角(82°,92°,37°)のLiNbO基板を伝搬する第2漏洩表面波の伝搬損失が0.00362と非常に小さい値であることが示されている。なお、非特許文献3の表1に記載されているオイラー角(90°,90°,37°)の伝搬損失と、上記非特許文献2のFig.6に示された伝搬損失との対比により、上記伝搬損失は自由表面における伝搬損失であると考えられる。
【0011】
また、特許文献1には、縦波型疑似表面波を「速い横波」及び「遅い横波」よりも遅くすると、伝搬損失が0の縦波型表面波となること、基板としてLiNbO基板を、導体膜としてAuを用いた場合には、KH=0.3(H/λ=4.8%)以上の膜厚の導体膜を形成することにより、縦波型表面波の伝搬損失が0となることが示されている。
【0012】
他方、非特許文献4には、漏洩表面波のTCFが、SiO膜の形成により改善されることが示されている。
【0013】
【非特許文献1】
「四ほう酸リチウム基板における縦波型リーキー波」(1994年信学春季全大,A443,1994)
【非特許文献2】
「Characteristics of Leaky Surface Acoustic Waves Propagating on LiNbO and LiTaO Substrates」(S.Tonami, A.Nishitaka, Y.Shimizu, Jpn.J.Appl.Phys.Vol34(1995)pp.2664−2667)
【非特許文献3】
「LiNbO基板を伝搬する低損失な第2漏洩弾性表面波」(1996年電子情報通信学会総合大会,A305、當波、西方、清水)
【非特許文献4】
「プラズマCVD法SiO膜を用いた層上構造弾性表面波基板」(中条、山之内、柴山、電子情報通信学会超音波研究会資料US80−3(1980))
【特許文献1】
特開平8−288788号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に示されている四ほう酸リチウム基板を伝搬する縦波型リーキー波では、電気機械結合係数が2.7%と小さい。従って、表面波フィルタを構成した場合には、帯域幅が狭くならざるを得ず、携帯電話などのRFフィルタに要求される特性を満たすことはできなかった。
【0015】
非特許文献2及び3に記載されているLiTaO基板やLiNbO基板を伝搬する第2漏洩表面波では、適当な電気機械結合係数を得ることができ、かつ自由表面における伝搬損失は小さい。しかしながら、基板表面を金属膜などで電気的に短絡した場合の伝搬損失が大きいという問題があった。IDTの伝搬損失は、短絡表面の場合の伝搬損失に近いため、短絡表面もしくはメタライズ表面における伝搬損失を小さくすることが求められる。しかしながら、非特許文献2及び非特許文献3に記載の第2漏洩表面波では、この要求を満たすことはできない。
【0016】
他方、特許文献1に開示されている構成では、伝搬損失が0とされるものの、位相速度はレイリー波と同等であり、3000m/秒程度に過ぎない。従って、高周波化に対応することが困難であった。加えて、TCFは79ppm程度である。よって、表面波装置が−20〜+80℃程度の温度範囲で用いられた場合、7000ppmもの周波数変化が生じる。そのため、使用温度域全体で急峻なフィルタ特性を保証することは困難であった。
【0017】
なお、上述した非特許文献4には、漏洩表面波を用いた表面波装置においてSiO膜の形成により温度特性TCFを改善する方法が示されているが、上記第2漏洩表面波を用いた基板における温度特性を改善するための構成については従来知られていなかった。
【0018】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、電気機械結合係数が大きく、伝搬損失が小さく、位相速度が「遅い横波」の位相速度よりも速く、温度特性TCFが小さい第2漏洩表面波を用いた表面波装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されており、AuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、下記の表2に示す座標▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼及び▲1▼を順に結んだ線に囲まれた各領域A01〜A17に含まれるオイラー角、または該オイラー角と等価なオイラー角であることを特徴とする、表面波装置である。
【0020】
【表2】
Figure 2004135267
【0021】
第1の発明に係る表面波装置によれば、LiNbO基板のオイラー角が上記特定の範囲とされているため、伝搬損失が小さく、電気機械結合係数が大きく、位相速度が高速の第2漏洩表面波を用いた表面波装置が構成される。
【0022】
本願の第2の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−13°〜13°、θは7°〜23°、ψは79°〜101°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0023】
第2の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0024】
本願の第3の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−6°〜6°、θは14°〜34°、ψは84°〜96°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0025】
第3の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、位相速度が速く、伝搬損失αfが小さい表面波装置を提供し得る。
【0026】
本願の第4の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−6°〜6°、θは14°〜23°、ψは84°〜96°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0027】
第4の発明では、LiNbO基板のオイラー角及び電極膜の膜厚が上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、位相速度が速く、短絡表面における伝搬損失αm及び開放表面における伝搬損失αfの双方が小さい表面波装置を提供することができる。
【0028】
第5の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは21.5°〜38.5°、θは80°〜100°、ψは24.5°〜91.8°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.08の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0029】
第5の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0030】
本願の第6の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは21.5°〜38.5°、θは80°〜100°、ψは1°〜96.5°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.08の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0031】
第6の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0032】
第7の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−42°〜42°、θは74.8°〜94.2°、ψは77°〜103°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.077の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0033】
第7の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0034】
第8の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されており、AuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記電極膜の膜厚をH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.0125〜0.0267の範囲にあることを特徴とする、表面波装置である。
【0035】
第8の発明では、電極膜の膜厚Hが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、共振点及び反共振点におけるインピーダンスの比が大きく、位相速度が高い表面波装置を提供することができる。
【0036】
第9の発明は、LiNbO基板と、前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは85°〜95°、θは85°〜95°、ψは30°〜130°)またはこれと等価なオイラー角であることを特徴とする、表面波装置である。
【0037】
第9の発明では、LiNbO基板のオイラー角が上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、共振点及び反共振点におけるインピーダンス比が大きく、位相速度が高速である表面波装置を提供することができる。
【0038】
第1〜第9の発明のある特定の局面では、前記電極膜が、バスバー、IDT、反射器、及び表面波導波路である。
第1〜第9の発明の他の特定の局面によれば、電極膜を覆うようにSiO膜が形成されており、それによって、表面波装置の温度特性TCFを小さくすることができる。
【0039】
SiO膜の膜厚が上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用した表面波装置において、温度特性TCFを小さくすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0041】
(用語の定義)
本願明細書では、下記の用語については、以下の意味を有するものとする。
第2漏洩表面波…本明細書では、第2漏洩表面波は、前述した第2漏洩表面波、非特許文献4などに示されている縦波型表面波及び縦波型表面スベリ波を総称する表現として用いる。第2漏洩表面波は、2ndリーキー波とも呼ばれている。この第2漏洩表面波は、縦波型漏洩表面波、縦波型疑似表面波あるいは縦波型リーキー波とも呼ばれている。リーキー成分がなくなった場合には、縦波型表面波と呼ばれている。縦波が基板表面にエネルギーを集中させて伝搬する場合には、SH型表面スベリ波のBGS波と同様に縦波型表面スベリ波と呼ばれている。
【0042】
オイラー角…本明細書では、基板の切断面と表面波の伝搬方向を表現するオイラー角(φ,θ,ψ)は、「弾性波素子技術ハンドブック」(日本学術振興会弾性波素子技術第150委員会、第1版第1刷、平成3年11月30日発行、549頁)記載の右手系オイラー角を用いた。
【0043】
結晶軸…オイラー角の初期値として与えられるLiNbOの結晶軸X,Y,Zは、Z軸をc軸と平行とし、X軸を等価な3方向のa軸のうちの任意の1つと平行とし、Y軸はX軸及びZ軸を含む面の法線方向とした。
【0044】
変位成分…本明細書においては、u1,u2,u3と表記した。u1は、X軸方向の変位であり、u2はY軸方向の変位であり、u3はZ軸方向の変位である。上記第2漏洩表面波は、u1成分が主体の場合の縦波型漏洩表面波と呼ばれている。
【0045】
等価なオイラー角…本明細書においては、等価なオイラー角なる表現が用いられているが、これは、LiNbO基板のオイラー角(φ,θ,ψ)が概して結晶学的に等価なオイラー角をいうものとする。例えば、日本音響学会誌36巻3号、1980年、140〜145頁)によれば、LiNbOは、三方晶系3m点群に属する結晶であるため、以下の式(1)が成り立つ。
【0046】
Figure 2004135267
なお、Fは、電気機械結合係数、伝搬損失、温度特性TCF、パワーフロ角PFA及びナチュラル一方向性などの、オイラー角依存性を有する任意の表面波特性を示す。なお、PFAやナチュラル一方向性は、伝搬方向を正負反転した場合、符号は変わるものの絶対量は等しくなる。従って、例えば、オイラー角(30°,θ,ψ)の表面波伝搬特性は、オイラー角(90°,180°−θ,180°−ψ)の表面波伝搬特性と等価であることになる。また、例えば、オイラー角(30°,90°,45°)の表面波伝搬特性は、下記の表3に示すオイラー角の表面波伝搬特性と等価である。
【0047】
【表3】
Figure 2004135267
【0048】
なお、本発明において計算に用いたAuの材料定数は、多結晶体の値であるが、エピタキシャル膜などの結晶体においても、膜自体の結晶方位依存性により基板の結晶方位依存性が表面波特性に対して支配的であるため、式(1)により、実用上問題ない程度と同等の表面波伝搬特性が得られる。
【0049】
なお、以下においては、「A method for estimating optimal cuts and propagation directions for excitation and propagation directions for excitation of piezoelectric surface waves」(J.J.Cambell and W.R.Jones.IEEE Trans.Sonics and Ultrason.,Vol.SU−15(1968)pp.209−217)及び「疑似弾性表面波解析における放射条件の取り扱いについて」(橋本、遠藤、山口、信学技報、US95−46、1995−09、第25頁〜30頁)などにおいて記載されている、表面波の伝搬特性を解析する手法を用いて、以下の実施例において短絡表面と開放表面における表面波の伝搬特性を求めた。なお、開放表面における伝搬特性は、Auの導電率を0、比誘電率を1とすることにより求めた。
【0050】
(実施例1)
図1〜図4は、オイラー角(0°,θ,ψ)、(10°,θ,ψ)、(20°,θ,ψ)、及び(30°,θ,ψ)の各LiNbO表面にAu膜がH/λ=0.035(HはAu膜の膜厚、λは表面波の波長)の厚みで形成されている構造を伝搬するu1成分主体の表面波における短絡表面における伝搬損失を示す。
【0051】
金属膜としてAuが用いられているのは、表面波装置に比較的に良く利用されているAlに比べて、膜自体の横波バルク波及び縦波バルク波の音速が遅いため、基板表面への表面波の集中度が高まり易く、伝搬損失を改善し得るからである。図1〜図4において、φ及びθは0〜180°の範囲でそれぞれ2°間隔で計算した。なお、本発明の実施例において、主体となる変位成分は、基板表面から深さ3λの範囲において最大変位を有する変位成分とした。
【0052】
図1〜図4において、それぞれ、伝搬損失αmが0.1dB/λ以下と小さい領域を求めた。すなわち、図1〜図4の領域A01〜A17において、短絡表面の伝搬損失αmが0.1dB/λ以下と小さいことがわかる。A01〜A17の各領域を、オイラー角の座標で示した。下記の表4に結果を示す。
【0053】
表4の領域A01を例にとると、領域A01は、図1において、オイラー角の座標▲1▼(0°,7°,101°)、座標▲2▼(0°,23°,101°)、座標▲3▼(0°,23°,79°)及び座標▲4▼(0°,7°,79°)及び座標▲1▼の順に結んだ線で囲まれた領域であり、この領域内であれば伝搬損失αmがほぼ0.1dB/λ以下と小さいことがわかる。
【0054】
なお、図1〜図4では、φ=0°、10°、20°及び30°の場合が示されているが、各φの値に対し、±5°の範囲であれば、同様に伝搬損失をほぼ0.1dB/λ以下とすることができる。
【0055】
【表4】
Figure 2004135267
【0056】
短絡表面の伝搬損失αmが小さい場合、Au膜により表面波導波路を形成する場合やIDTとIDTとの間に直達波防止パターンをAu膜などで形成する場合に特に有利である。また、IDTを構成する電極指部分の伝搬損失が小さくなるため、IDT全体の伝搬損失を改善することも可能となる。さらに、IDTを伝搬する表面波は、表面波の伝搬方向を水平に配置したバスバー部分に指数関数的にしみだしながら伝搬することが知られている。従って、バスバー部分での伝搬損失を抑制できれば、それによってもIDT全体の伝搬損失の改善を図ることができる。よって、本実施例によれば、上記領域A01〜A17のオイラー角を用いることにより、伝搬損失を効果的に改善することができる。
【0057】
また、図1〜図4は、短絡表面の伝搬損失αmの結果を示したが、図5〜図8は、オイラー角(0°,θ,ψ)、(10°,θ,ψ)、(20°,θ,ψ)及び(30°,θ,ψ)の各LiNbO基板表面に、同様にAu膜をH/λ=0.035の厚さで形成した構造において、u1成分主体の表面波の開放表面の伝搬損失αfの分布を示す。
【0058】
図1〜図4及び図5〜図8を比較すれば明らかなように、図1に示した領域A01〜A04では、開放表面における伝搬損失も小さく、すなわち短絡表面及び開放表面のいずれにおいても伝搬損失が小さく望ましいことがわかる。
【0059】
(実施例2)
次に、上述した領域A01近傍のオイラー角のLiNbO基板上に、Au膜を形成した構造を伝搬するu1成分主体の表面波の伝搬特性と、Au膜の厚みと、オイラー角との関係を調べた。図9は、オイラー角(0°,16°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の規格化膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す。図9から明らかなように、H/λ≧0.027において伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、H/λ≧0.03でαmが0.05dB/λ以下となり、H/λ≧0.034でαmが0.02dB/λ以下となり、H/λ=0.044以上でαmが最小となることがわかる。
【0060】
なお、H/λが0.06以下では、表面波の位相速度が「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度よりも速くなるため、わずかに漏洩成分を有している。これに対してH/λが0.06以上では、表面波の位相速度が「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度よりも遅くなるため、短絡表面の伝搬損失αmと、開放表面の伝搬損失αfがともに0となるが、短絡表面の位相速度Vm及び開放表面の位相速度Vfは、それぞれ3856m/秒及び4066m/秒と遅くなることが確かめられている。
【0061】
他方、H/λが0.044の場合の短絡表面及び開放表面における位相速度Vm及びVfは、それぞれ、4330m/秒及び4603m/秒と速いことが確かめられており、従って、高周波化に容易に対応し得る。また、一般にAuは高価であるため、できるだけ薄く形成することが望まれる。よって、H/λを0.06以下とし、H/λを0.027以上とすることにより、伝搬損失の低減を図り得るだけでなく、高周波化に対応でき、かつコストの増大を避けることができる。
【0062】
図10は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(0°,16°,ψ)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0063】
図10から明らかなように、ψが79°以上、101°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、83°以上、97°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、87°以上、93°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、ψ=90°においてαmは最小となることがわかる。他方、ψが84°以上96°以下の範囲では、開放表面の伝搬損失αfが0.10dB/λ以下となり、ψ=90°においてαfが最小となることがわかる。
【0064】
従って、ψを79〜101°とすれば、短絡表面の伝搬損失αmを0.10dB/λ以下とし得ることがわかり、84°以上、96°以下とすることにより、短絡表面及び開放表面の双方の伝搬損失αm,αfをともに0.10dB/λ以下とし得ることがわかる。
【0065】
図11は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(0°,θ,90°)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0066】
図11から明らかなように、θ=16°近傍では、θが7°以上、23°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、10°以上、21°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、13°以上、18°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、θ=16°においてαmは最小となることがわかる。他方、θが14°以上、34°以下の範囲では、開放表面の伝搬損失αfが0.10dB/λ以下となり、17°以上、30°以下でαfが0.05dB/λ以下となり、20°以上、27°以下で0.02dB/λ以下となり、θ=24°においてαfが最小となることがわかる。
【0067】
図12は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(φ,16°,90°)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0068】
式(1)より、F(φ,16°,90°)=F(−φ,16°,90°)であるため、図12から明らかなように、φが−13°以上、13°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、−8°以上、8°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、−3°以上、3°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、φ=0°〜3°においてαmは最小となることがわかる。
【0069】
他方、φが−6°以上、6°以下の範囲では、開放表面の伝搬損失αfが0.10dB/λ以下となり、φ=0°においてαfが最小となることがわかる。
図13は、オイラー角(0°,24°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の規格化膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0070】
図13から明らかなように、Au膜の規格化膜厚H/λが0.038以上であれば、短絡表面における伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となることがわかる。また、H/λが0.046以上の場合には、αmが0.05dB/λ以下となり、H/λが0.05以上でαmが0.02dB/λ以下となることがわかる。
【0071】
また、開放表面における伝搬損失αfは、H/λが0.022以上であれば、0.10dB/λ以下となり、より好ましくは、H/λが0.024以上、0.043以下でαfが0.05dB/λ以下となることがわかる。
【0072】
なお、H/λが0.06以上では、短絡表面及び開放表面の位相速度Vm、Vfが「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度より遅くなるため、前述したように、伝搬損失αm、αfがともに0となるか、Vm、Vfは、それぞれ、3853m/秒、4077m/秒と遅くなり、高周波化に対応することが困難となる。従って、H/λを、0.038以上、0.06以下とすることが望ましいことがわかる。
【0073】
図14は、Au膜の膜厚H/λを0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(0°,24°,ψ)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0074】
図14から明らかなように、ψが84°以上、96°以下では、開放表面における伝搬損失αfが0.10dB/λ以下と小さいことがわかる。また、この範囲における位相速度は、5022m/秒<Vf<5030m/秒及び4662m/秒<Vm<4664m/秒である。
【0075】
従って、高周波化に容易に対応し得る表面波装置を提供し得ることがわかる。図15は、Au膜の膜厚H/λを0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(φ,24°,90°)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0076】
図15から明らかなように、φが−6°〜+6°の範囲であれば、伝搬損失αmが0.15dB/λ以下、αfが0.05dB/λ以下とされ得ることがわかる。また、φが上記範囲にある場合の短絡表面及び開放表面における表面波の位相速度は、それぞれ、5023m/秒<Vf<5030m/秒及び4663m/秒<Vm<4664m/秒であり、高周波化に容易に対応することができる。
【0077】
(実施例3)
次に、オイラー角が(30°,90°,45°)近傍のLiNbO基板上に、Au膜を形成した構造を伝搬するu1成分主体の表面波の伝搬特性と、Au膜の厚みと、オイラー角との関係を調べた。
【0078】
図16は、オイラー角(30°,90°,45°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の規格化膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す。図16から明らかなように、H/λ≧0.024において伝搬損失αmが0.10dB/λとなり、H/λが0.0264以上、0.0499以下でαmが0.05dB/λ以下となり、H/λが0.0298以上、0.0424以下でαmが0.02dB/λ以下となり、H/λ=0.035でαmが最小となることがわかる。
【0079】
なお、オイラー角(30°,90°,45°)における「遅い横波」の位相速度は3536m/秒であり「速い横波」の位相速度は4121m/秒である。他方、H/λ>0.08では、表面波の位相速度が「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度よりも遅くなるため、短絡表面の伝搬損失αmと、開放表面の伝搬損失αfがともに0となるが、短絡表面の位相速度Vm及び開放表面の位相速度Vfは、3536m/秒より遅い。
【0080】
これに対して、H/λが0.035では、短絡表面の位相速度Vm及び開放表面の位相速度Vfは、それぞれ、4693m/秒及び5008m/秒と速いため、高周波化に容易に対応し得る。従って、H/λを0.035以下とし、H/λを0.024以上とすることにより、伝搬損失の低減を図り得るだけでなく、高周波化に対応でき、かつコストの増大を避けることができる。
【0081】
図17は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.035とした場合のLiNbO基板のオイラー角(30°,90°,ψ)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0082】
図17から明らかなように、ψが24.5°以上、91.8°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、29.8°以上、86.8°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、34.5°以上、79.0°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、ψ=45°においてαmは最小となることがわかる。
【0083】
図18は、H/λ=0.035におけるオイラー角(30°,θ,45°)と、短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
図18から明らかなように、θが、80°以上、100°以下において、αmが0.10dB/λ以下となり、83°以上、97°以下において、0.05dB/λ以下となり、85.5°以上、94.5°以下において、0.02dB/λ以下となり、θ=90°において、αmが最小となることがわる。
【0084】
図19は、H/λ=0.035におけるオイラー角(φ,90°,45°)と、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
図19から明らかなように、φが21.5°以上、38.5°以下において、短絡表面における伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、24°以上、36°以下において、αmが0.05dB/λ以下となり、26.5°以上、33.5°以下において0.02dB/λ以下となり、φ=30°においてαmが最小となることがわかる。
【0085】
なお、図3及び図4により、オイラー角(30°,90°,81.6°)近傍に伝搬損失αmのφと、θに対する依存性は、オイラー角(30°,90°,45°)近傍の値に準ずる。また、オイラー角(30°,90°,81.6°)において、第2漏洩表面波の位相速度Vm,Vfが「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度よりも遅くなるAu膜厚はH/λ>0.08である。
従って、H/λを0.0292以上、0.08以下とすることにより、伝搬損失αmを0.01dB/λ以下とし得ることがわかる。
【0086】
(実施例4)
次に、オイラー角(30°,90°,81.6°)近傍のLiNbO基板上に、Au膜を形成した構造を伝搬するu1成分主体の表面波の伝搬特性と、Au膜の厚みと、オイラー角との関係を調べた。図20は、オイラー角(30°,90°,81.6°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の規格化膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す。図20から明らかなように、H/λ≧0.0292において伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、H/λ≧0.0325でαmが0.05dB/λ以下となり、H/λ≧0.0358でαmが0.02dB/λ以下となり、H/λ≧0.043でαmが最小となることがわかる。
【0087】
図21は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.044とした場合のLiNbO基板のオイラー角(30°,90°,ψ)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0088】
図21から明らかなように、ψが1°以上、96.5°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、1.8°以上、92.5°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、67.2°以上、88.8°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、ψ=81.6°においてαmは最小となることがわかる。他方、負極が84°以上96°以下の範囲では、開放表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、ψ=90°においてαfが最小となることがわかる。
従って、ψを10〜96.5°とすれば、短絡表面の伝搬損失を0.10dB/λ以下とし得ることがわかる。
【0089】
(実施例5)
次に、オイラー角(0°,84°,90°)近傍のLiNbO基板上に、Au膜を形成した構造を伝搬するu1成分主体の表面波の伝搬特性と、Au膜の厚みと、オイラー角との関係を調べた。図22は、オイラー角(0°,84°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の規格化膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す。
【0090】
図22から明らかなように、H/λ≧0.0305において伝搬損失αmが0.10dB/λとなり、H/λ≧0.0335でαmが0.05dB/λ以下となり、H/λ≧0.038でαmが0.02dB/λ以下となり、H/λ=0.0455でαmが最小となることがわかる。
【0091】
なお、オイラー角(0°,84°,90°)において、表面波の位相速度Vm,Vfが「速い横波」及び「遅い横波」の位相速度よりも遅くなるAuの規格化膜厚は、H/λ≧0.077の範囲である。
【0092】
図23は、Au膜の規格化膜厚H/λ=0.046とした場合のLiNbO基板のオイラー角(0°,84°,ψ)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0093】
図23から明らかなように、ψが77°以上、103°以下の場合、短絡表面の伝搬損失αmが0.10dB/λ以下となり、81°以上、99°以下において、αmは0.05dB/λ以下となり、84.2°以上、95.8°以下において、αmは0.02dB/λ以下となり、ψ=90°においてαmは最小となることがわかる。
【0094】
従って、ψを79〜103°とすれば、短絡表面の伝搬損失を0.10dB/λ以下とし得ることがわかる。
図24は、Au膜の膜厚H/λを0.046とした場合のLiNbO基板のオイラー角(0°,θ,90°)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0095】
図24から明らかなように、θが74.8°以上、94.2°以下において、αmが0.10dB/λ以下となり、77°以上、91°以下において、0.05dB/λ以下となり、79.4°以上、88.2°以下において、0.02dB/λ以下となり、θ=84°においてαmが最小となることがわかる。
【0096】
図25は、Au膜の膜厚H/λを0.046とした場合のLiNbO基板のオイラー角(φ,84°,90°)と短絡表面及び開放表面の伝搬損失αm,αfとの関係を示す図である。
【0097】
式(1)よりF(φ,84°,90°)=F(−φ,84°,90°)となるため、図25から明らかなように、φが−42°以上、42°以下においてαmが0.10dB/λ以下となり、−28.5°以上、28.5°以下において0.05dB/λ以下となり、−18°以上、18°以下において0.02dB/λ以下となり、φ=0°においてαmが最小となることがわかる。
【0098】
なお、実施例1〜5において、Au膜の形成による効果は、伝搬損失の低減だけでなく、電気機械結合係数k の改善にも効果がある。例えば、オイラー角(30°,90°45°)における電気機械結合係数k は、Au膜の膜厚がH/λ=4.6%と小さいが、H/λを0.05〜0.1の範囲とすれば、k をAu膜がない状態またはAu膜が薄い状態よりも大きくすることができる。さらに、H/λを0.05以上、0.06以下とすることにより、電気機械結合係数k を10%以上とすることができ、望ましい。
【0099】
(実施例6)
図26は、本発明に従って構成された表面波装置の一実施形態としての表面波共振子を示す模式的平面図である。表面波共振子1では、LiNbO基板2上に、電極膜としてIDT3及び反射器4,5が形成されている。IDT3及び反射器4,5は、LiNbO基板上に全面にAu膜を形成した後、フォトリソグラフィー技術によりパターニングすることにより形成されている。ここでは、IDT3の電極指の対数は50対、反射器4,5の電極指の本数は各50本とした。また、IDT3の電極指周期は、反射器の電極指周期の0.998倍の長さとした。IDT3における電極指の幅と隣接する電極指間のスペースの比であるデューティー比は0.6とした。IDT3の電極指の交差幅は30λとし、周期λは3.2〜5.2μmの範囲とした。
【0100】
LiNbO基板2のオイラー角を種々異ならせ、オイラー角のψとインピーダンス比、共振抵抗及び位相速度との関係を求めた。結果を図27〜図29に示す。なお、インピーダンス比とは、反共振点におけるインピーダンスの共振点におけるインピーダンスに対する比を示す。
【0101】
なお、図27〜図29に示した結果は、IDT3及び反射器4,5の規格化膜厚H/λを0.019とした場合である。
また、図30〜図32は、オイラー角(90°,90°,110°)のLiNbO基板を用い、IDT3及び反射器4,5の規格化膜厚H/λを変化させた場合のH/λと、インピーダンス比、共振抵抗及び位相速度の関係を示す図である。
【0102】
前述した式(1)より、オイラー角(90°,θ,ψ)のLiNbO基板における表面波の伝搬特性は、オイラー角(30°,180°−θ,180°−ψ)と等しいため、オイラー角(30°,90°,ψ)における表面波の伝搬特性を示した図17の横軸を左右反転すれば、(90°,90°,ψ)における伝搬損失が求められる。このようにして求められたH/λ=0.035の場合の短絡表面の伝搬損失及び開放表面の伝搬損失αm,αfと、電気機械結合係数k の計算値を図33に示す。
【0103】
実用上、表面波共振子1のインピーダンス比は30dB程度必要である。図27から、ψが31°以上の場合にインピーダンス比が30dB以上であることがわかる。また、好ましくは、ψが60°以上でインピーダンス比が40dB以上となり、ψ=112°で最大となることがわかる。
【0104】
図33の計算値と、図28及び図27の計算値とを比較すれば、H/λに差があるものの、電気機械結合係数k が大きく、短絡表面における伝搬損失αmが小さいオイラー角では、インピーダンス比が大きくかつ共振抵抗が小さいという傾向において一致している。従って、IDTの特性は、短絡表面の伝搬損失αmと相関が高いことがわかる。
【0105】
よって、図33の計算結果より、インピーダンス比のピークは、ψが110〜114°の範囲で得られるものと考えられる。
また、図30より、H/λが0.0125以上、0.0267以下でインピーダンス比が30dB以上となり、0.0163以上、0.0228以下で40dB以上となり、H/λ=0.019でインピーダンス比が最大となることがわかる。なお、この時の共振周波数における位相速度は5512m/秒であり、高位相速度である。
【0106】
(実施例7)
実施例1〜6に示した表面波装置では、温度特性TCFが大きかった。従って、例えば使用温度が−20℃〜+80℃で急峻なフィルタ特性を要求された場合、周波数の温度変化が大きいため対応が困難である。
【0107】
そこで、本願発明者らは、温度特性TCFを改善するために、前述した非特許文献4に記載の横波成分主体の漏洩表面波で用いられた手法であるSiO膜の形成を、第2漏洩表面波に適用し得るかどうかを検討した。
【0108】
図34は、オイラー角(90°,90°,110°)のLiNbO基板上にSiO膜を形成した場合のSiO膜の規格化膜厚Hs/λと、短絡表面及び開放表面における温度特性TCFの関係を示す。また、図35は、オイラー角(90°,90°,112°)のLiNbO基板を用いて実施例6と同様の1ポート型表面波共振子を作製し、さらにIDT及び反射器を覆うようにSiO膜をRFマグネトロンスパッタにより形成した場合のSiO膜の規格化膜厚Hs/λとTCFとの関係を示す。なお、Auからなる電極膜の厚みH/λは0.028とした。
【0109】
縦波成分主体の第2漏洩表面波を用いた場合においても、SiO膜の形成により温度特性TCFの補正が有効であることが、図34及び図35からわかる。なお、温度特性TCFの改善効果は、電極膜をAuで形成した場合に限らず、Alにより形成した場合でも有効であると考えられる。しかしながら、Alは密度がAuの7分の1と小さいため、Alからなる電極膜では膜厚を厚くする必要がある。本願発明者の実験によれば、Au膜の7倍の厚みで形成したAl膜からなるIDTでは、IDTにおける凹凸が大きいために、SiO膜に欠陥が生じ、インピーダンス比が劣化することがわかった。Auを用いた場合には、IDT反射器は比較的薄い厚みで形成され得るため、SiO膜に欠陥を生じさせることなくSiO膜を成膜することができる。
【0110】
実施例1〜5に示した表面波装置において、基板上にAu膜を形成し、位相速度が速くかつ伝搬損失の小さい条件における縦波表面波の温度特性TCFは−60〜−80ppm/℃程度である。従って、SiO膜を形成する前の状態でTCF=−60ppmの場合には、図34から、温度特性TCFを±30ppm以下とするには、SiO膜の膜厚Hs/λを0.095以上、0.192以下とすれば良く、±10ppm以下とするには、0.136以上、0.168以下とすれば良く、Hs/λ=0.152とすれば、TCFを0とし得ることがわかる。また、SiO形成前のTCFが−80ppmの場合には、図35から、TCFを±30ppmとするには、SiO膜の膜厚Hs/λを0.136以上、0.299以下とすればよく、±10ppm以下とするには、0.167以上、0.193以下とすればよく、Hs/λ=0.185でTCF=0とすることができることがわかる。
【0111】
従って、温度特性TCFを±30ppm以下とし得る条件は、Hs/λが0.095〜0.229の範囲であり、±10ppm以下とし得る条件は、0.136〜0.193であることがわかる。
【0112】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。表面波装置の構造についても、1ポート型表面波共振子だけでなく、複数の表面波共振子を直列及び並列に接続してなるラダー型フィルタや、各種共振器型フィルタ、あるいはトランスバーサル型の表面波フィルタにも本発明を適用することができる。
【0113】
さらに、電極膜については、Auのみからなるものである必要は必ずしもなく、Auを主成分とする合金により構成されてもよい。
【0114】
【発明の効果】
第1の発明に係る表面波装置によれば、LiNbO基板のオイラー角が上記特定の範囲とされているため、伝搬損失が小さく、電気機械結合係数が大きく、位相速度が高速の第2漏洩表面波を用いた表面波装置が構成される。
【0115】
第2の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0116】
第3の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、位相速度が速く、伝搬損失αfが小さい表面波装置を提供し得る。
【0117】
第4の発明では、LiNbO基板のオイラー角及び電極膜の膜厚が上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、位相速度が速く、短絡表面における伝搬損失αm及び自由表面における伝搬損失αfの双方が小さい表面波装置を提供することができる。
【0118】
第5の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0119】
第6の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0120】
第7の発明では、LiNbO基板のオイラー角が、上記特定の範囲とされているため、かつ電極膜の厚みが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を用いて構成された表面波装置であって、電気機械結合係数が大きく、位相速度が速く、伝搬損失αmが小さい表面波装置を提供し得る。
【0121】
第8の発明では、電極膜の膜厚Hが上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、共振点及び反共振点におけるインピーダンスの比が大きく、位相速度が高い表面波装置を提供することができる。
【0122】
第9の発明では、LiNbO基板のオイラー角が上記特定の範囲とされているため、第2漏洩表面波を利用しており、共振点及び反共振点におけるインピーダンス比が大きく、位相速度が高速である表面波装置を提供することができる。
【0123】
第1〜第9の発明の特定の局面によれば、電極膜を覆うようにSiO膜が形成されているため、表面波装置の温度特性TCFを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイラー角(0°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の短絡表面における伝搬損失αmとオイラー角との関係を示す図。
【図2】オイラー角(10°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の短絡表面における伝搬損失αmとオイラー角との関係を示す図。
【図3】オイラー角(20°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の短絡表面における伝搬損失αmとオイラー角との関係を示す図。
【図4】オイラー角(30°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の短絡表面における伝搬損失αmとオイラー角との関係を示す図。
【図5】オイラー角(0°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の開放表面における伝搬損失αfとオイラー角との関係を示す図。
【図6】オイラー角(10°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の開放表面における伝搬損失αfとオイラー角との関係を示す図。
【図7】オイラー角(20°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の開放表面における伝搬損失αfとオイラー角との関係を示す図。
【図8】オイラー角(30°,θ,ψ)のLiNbO基板上にAu膜をH/λ=0.035の厚みに形成してなる構造において、u1成分主体の表面波の開放表面における伝搬損失αfとオイラー角との関係を示す図。
【図9】オイラー角(0°,16°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図10】オイラー角(0°,16°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図11】オイラー角(0°,θ,90°)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図12】オイラー角(φ,16°,90°)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図13】オイラー角(0°,24°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図14】オイラー角(0°,24°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図15】オイラー角(φ,24°,90°)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図16】オイラー角(30°,90°,45°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図17】オイラー角(30°,90°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図18】オイラー角(30°,θ,45°)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図19】オイラー角(φ,90°,45°)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図20】オイラー角(30°,90°,81.6°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図21】オイラー角(30°,90°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.044の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図22】オイラー角(0°,84°,90°)のLiNbO基板を用いた場合のAu膜の膜厚H/λと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図23】オイラー角(0°,84°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.046の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図24】オイラー角(0°,θ,90°)のLiNbO基板上にH/λ=0.046の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図25】オイラー角(φ,84°,90°)のLiNbO基板上にH/λ=0.046の厚みのAu膜を形成した場合のψと、短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αfとの関係を示す図。
【図26】本発明の一実施例の1ポート型表面波共振子を示す模式的平面図。
【図27】オイラー角(90°,90°,ψ)のLiNbO基板上に、厚みH/λ=0.019のAuからなる電極膜を形成した図26の表面波共振子におけるψと、インピーダンス比との関係を示す図。
【図28】オイラー角(90°,90°,ψ)のLiNbO基板上に、厚みH/λ=0.019のAuからなる電極膜を形成した図26の表面波共振子におけるψと、共振抵抗との関係を示す図。
【図29】オイラー角(90°,90°,ψ)のLiNbO基板上に、厚みH/λ=0.019のAuからなる電極膜を形成した図26の表面波共振子におけるψと、位相速度との関係を示す図。
【図30】図26に示した表面波共振子において、オイラー角を(90°,90°,110°)とした場合のAu膜よりなる電極膜の厚みH/λとインピーダンス比との関係を示す図。
【図31】図26に示した表面波共振子において、オイラー角を(90°,90°,110°)とした場合のAu膜よりなる電極膜の厚みH/λと共振抵抗との関係を示す図。
【図32】図26に示した表面波共振子において、オイラー角を(90°,90°,110°)とした場合のAu膜よりなる電極膜の厚みH/λと位相速度との関係を示す図。
【図33】計算により求められた(90°,90°,ψ)のLiNbO基板上にH/λ=0.035の厚みのAuよりなる電極膜を形成した場合の短絡表面及び開放表面における伝搬損失αm,αf及び電気機械結合係数k とψとの関係を示す図。
【図34】オイラー角の(90°,90°,110°)のLiNbO基板上にSiO膜を形成した構造におけるSiO膜の膜厚Hs/λと、短絡表面及び開放表面におけるTCFとの関係を示す図。
【図35】オイラー角(90°,90°,112°)のLiNbO基板上に、H/λ=0.028のAu膜からなる電極膜を形成した、図26に示した表面波共振子において、IDT及び反射器を覆うようにSiO膜を形成した場合のSiO膜の膜厚Hs/λとTCFとの関係を示す図。
【符号の説明】
1…表面波共振子
2…LiNbO基板
3…IDT
4,5…反射器

Claims (11)

  1. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されており、AuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、下記の表1に示す座標▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼及び▲1▼を順に結んだ線に囲まれた各領域A01〜A17に含まれるオイラー角、または該オイラー角と等価なオイラー角であることを特徴とする、表面波装置。
    Figure 2004135267
  2. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−13°〜13°、θは7°〜23°、ψは79°〜101°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  3. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−6°〜6°、θは14°〜34°、ψは84°〜96°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  4. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−6°〜6°、θは14°〜23°、ψは84°〜96°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.06の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  5. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは21.5°〜38.5°、θは80°〜100°、ψは24.5°〜91.8°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.08の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  6. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは21.5°〜38.5°、θは80°〜100°、ψは1°〜96.5°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.08の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  7. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは−42°〜42°、θは74.8°〜94.2°、ψは77°〜103°)またはこれと等価なオイラー角であり、かつ
    前記電極膜の厚みをH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.005〜0.077の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  8. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されており、AuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記電極膜の膜厚をH、表面波の波長をλとしたときに、H/λが0.0125〜0.0267の範囲にあることを特徴とする、表面波装置。
  9. LiNbO基板と、
    前記LiNbO基板上に形成されたAuもしくはAuを主成分とする合金よりなる電極膜とを備え、縦波成分が主体の表面波を利用しており、
    前記LiNbO基板のオイラー角が、(φ,θ,ψ)(但し、φは85°〜95°、θは85°〜95°、ψは30°〜130°)またはこれと等価なオイラー角であることを特徴とする、表面波装置。
  10. 前記電極膜が、バスバー、IDT、反射器、及び表面波導波路である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面波装置。
  11. 前記電極膜を覆うように形成されたSiO膜をさらに備えるように構成されている、請求項1〜10のいずれかに記載の表面波装置。
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