JP2004138317A - 耐火物厚さ測定方法と異常検知方法、及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】炉内に大きな穴を開ける必要がなく、簡易な設備でかつ精度良く耐火物厚さを計測し、また耐火物の厚さの減少による異常を検知する方法及び装置を提供する。
【解決手段】耐火物24間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極12を埋設し、該電極12間の静電容量を計測した後、耐火物誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記計測した静電容量から前記電極面積を算出し、該電極面積より耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】耐火物24間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極12を埋設し、該電極12間の静電容量を計測した後、耐火物誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記計測した静電容量から前記電極面積を算出し、該電極面積より耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉内の高温雰囲気により侵食される炉壁若しくは炉底耐火物の厚さを測定し、また耐火物の厚さの減少による異常を検知する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉の炉壁若しくは炉底は、鉄皮に囲繞された炉内壁をアルミナ酸化物系セラミックやカーボン等で形成された耐火レンガ、耐火キャスタブル等の耐火物により形成されている。かかる耐火物は高温雰囲気に晒されて侵食し、高炉の操業に伴い徐々に肉厚が減少する。耐火物厚さを測定することは、炉の寿命、補修時期を適切に把握する上で非常に重要であり、炉を円滑に稼動するためには耐火物厚さを精度良く測定することが要求される。
そのため、耐火物厚さを測定する技術が数多く提案されている。
【0003】
例えば、特開平9−61144号公報(特許文献1)に示される厚さ測定装置は、図8のように、電圧発生器により発生させた弾性波を弾性波送信子101により耐火物100の表面に送信し、該弾性波によって生じた反射波を弾性波受信子102により受信するように構成され、弾性波を送信してから反射波を受信するまでの時間に基づき耐火物100の厚さを算出することにより、耐火物厚みを簡便かつ正確に計測することができる。
【0004】
また、超音波等の波を利用したシステムとして特開2000−105116公報(特許文献2)は、炉壁に差込んだセラミック等の導波体に音波を若しくは電磁波等の波を発振し、前記導波体の炉内側端面で反射して受信した波の信号に基づき該導波体の長さを計算する構成となっている。
このように、耐火物を伝播する波を利用した技術は、例えば耐火物に挿入したプローブに高周波信号を入力し、入力端に戻ってきた反射信号を検出しその伝播速度から耐火物厚さを測定する方法(特許文献3:特開平11−264706号公報)等にも用いられている。
【0005】
一方、特開平8−261741号公報(特許文献4)には、前記技術のように同軸ケーブル、プローブ等を埋め込む必要のない耐火物厚さ測定方法が提案されている。かかる方法は、耐火物が侵食するとミューオン透過強度が増加する特性を利用し、ミューオン強度を検出することにより耐火物厚さを計測するもので、これによれば機器が経年変化する惧れがなく、何時でも高炉耐火物厚さを測定することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−61144号公報
【特許文献2】
特開2000−105116公報
【特許文献3】
特開平11−264706号公報
【特許文献4】
特開平8−261741号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ミューオンの検出による厚さ測定方法は一般的でなく実現性に乏しく、また設備が大掛かりとなり設置コストが嵩む。
また、前記特開平9−61144号公報のように高炉の炉壁外面から超音波を送受信する技術では、炉壁外面が高温になり超音波振動子の機能が低下し、正確な耐火物厚さを測定することは困難である。
さらに、前記特開2000−105116公報及び特開平11−264706号のように炉壁にプローブや導波体を挿入すると炉内耐火物に大きな貫通穴が必要となる。
従って本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、炉内に大きな穴を開ける必要がなく、簡易な設備でかつ精度良く耐火物厚さを計測し、また耐火物の厚さの減少による異常を検知する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、耐火物誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記計測した静電容量から前記電極面積を算出し、該電極面積より耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
また、前記静電容量は、前記電極間に交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより計測することが好適である。
【0009】
かかる発明は、耐火物の厚み方向に挿入した2以上の電極間に交番電圧をかけ、例えばLCR計、ミリオーム計等で静電容量を測定することにより電極面積を求める。前記電極は、耐火物の侵食にともない損耗して面積が小さくなる。そこで、電極面積を求めることで耐火物厚さを測定でき、耐火物の侵食度合が把握できる。
一般に、静電容量は電極面積及び電極間距離との間に次式の関係が成り立つ。
C = ε・S/d …(1)
ここで、Cは静電容量(pF)、εは誘電率、Sは電極面積(cm2)、dは電極間距離(cm)である。
【0010】
この式より、εは耐火物に固有の値で、かつ電極間距離dは固定値であるため、電極間の静電容量Cを計測することで電極面積Sを算出することができ、容易に電極長さ、即ち耐火物厚さを導き出すことができる。
また、前記式(1)より、電極面積Sは静電容量Cと比例関係にあるため、静電容量の減少比率から電極面積の減少比率を容易に推測することも可能である。このように、耐火物間に薄肉の電極を挿入するのみで容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することができ、耐火物に大きな穴を開ける必要もない。
【0011】
また、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、該計測した静電容量と前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値とを比較して、前記静電容量が前記閾値より小さい場合には前記耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知しても良い。このように、許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を予め設定し、該閾値と計測した静電容量とを比較して耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することで、炉の寿命、補修時期を的確に把握することができる。
【0012】
さらに、耐火物厚さの測定装置として、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極と接続されて該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の誘電率に基づく静電容量と電極面積との関係が蓄積されている記憶部と、前記記憶部に蓄積された静電容量と電極面積との関係に基づき前記静電容量計測器で計測された静電容量から電極面積を算出し、該算出された電極面積から耐火物厚さを導き出す演算部と、を備え、
前記電極間の静電容量から耐火物厚さを導き出す構成としたことを特徴とする。
【0013】
かかる発明は、耐火物厚み方向に挿入した2以上の電極間の静電容量を計測し、予め蓄積しておいた耐火物の誘電率に基づく静電容量と電極面積との関係、即ち前記式(1)の関係より電極面積を算出して耐火物厚さを導きだす構成となっており、これにより、容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することが可能となる。また、前記静電容量計測器は、交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより電極間の静電容量を計測する構成とすることが好適である。
【0014】
さらに、前記電極を炉壁垂直方向に各電極が対向するごとく複数配設し、各電極間の静電容量を計測して耐火物の垂直方向の厚さ分布を測定することにより、例えば炉内の溶融物の状態など、炉内状況を的確に把握することができる。
また、前記耐火物が炉壁に設けられた耐火レンガであって、前記電極を該耐火レンガの目地部に埋設することを特徴とする。このように、耐火レンガの目地部に電極を埋設することにより、電極の挿入孔を別に設ける必要がなく簡単にかかる装置を設置することができる。
【0015】
また、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極に接続され該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を記憶する記憶部と、前記静電容量計測器で検出された静電容量を前記閾値と比較する判定部と、を備え、
前記電極間の静電容量が前記閾値より小さい場合には前記判定部にて耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することを特徴とする。
【0016】
このように、予め前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を設定し、前記計測した静電容量と前記閾値を比較することにより炉の寿命、補修時期を簡単に把握することができる。
尚、計測した静電容量が前記閾値より小である場合には炉の運転を停止、若しくは炉への供給電力を低下させ、大である場合には定常運転を続行することが好ましい。
【0017】
また、炉外から炉内へ向けて耐火物間に挿入した光ファイバーと、炉外に設置し該光ファイバーにパルス状のレーザー光を発振するレーザー発振器と、該レーザー光により発生した散乱光を前記光ファイバーを介して受光する光検出器と、該検出された散乱光を受光する時間間隔を計測し、該計測された時間間隔に基づき光ファイバー長を算出する算出部と、を備え、
前記耐火物の侵食に伴い変化した光ファイバー長さを算出して、前記耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
【0018】
かかる発明は、例えば炉外から炉内へ向けて耐火レンガの目地部に埋設した光ファイバーにパルス状のレーザー光を発振した後、該光ファイバーの先端部で反射した散乱光を受光し、前記発振から受光までの時間間隔から光ファイバー長を算出することにより耐火物厚さを測定する。このように、耐火物の侵食とともに損耗した光ファイバー長を測定することで簡単に耐火物厚さを導き出すことができる。また、前記光ファイバーは小径であるため、耐火物に大きな穴を開ける必要がなく目地部に埋設することもできる。このとき、前記光ファイバーを炉壁に複数設けても良く、耐火物厚さ分布を把握することも可能である。
【0019】
さらにまた、前記光検出器で検出された散乱光に基づき、光ファイバー内各部の温度を算出する温度計測手段を備え、前記耐火物厚さとともに耐火物内の温度分布を計測することが好適である。これは、耐火物はある一定温度以上になると侵食が急激に進行するため、耐火物厚さとともに耐火物内の温度分布を計測することにより、耐火物の侵食を事前に予測することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1及び図2は本発明の第1及び第2実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びA−A、B−B線断面図(b)、図4は本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を配設した溶融炉の全体概略図である。
【0021】
図4において、20は耐火物厚さ測定装置を配設したプラズマアーク式溶融炉で、溶融炉内側は絶縁性を有する耐火材24及び炉底25で形成され、炉外側は鉄皮23で形成されている。そして、炉蓋に嵌挿された主電極21と、炉底25から挿入された炉底電極22とを有し、これらに接続された直流電源29により該電極間に電圧を印加してプラズマを生成し被溶融物を溶融処理する。炉内温度は1000℃以上に維持され、炉底部には被溶融物が溶融したスラグ層27と、その下部にメタル層28とが層状に形成される。
【0022】
前記耐火物24は、一般にSiC等の材料を利用した耐火レンガを積層して目地で固定した構造を採っているが、前記スラグ層27及びメタル層28からなる高温流体の周囲に位置する耐火物24は常時高温雰囲気に晒されるため侵食が著しい。
かかる実施形態における耐火物厚さ計測装置の電極12は、特に侵食が著しい溶融スラグ層27の周囲の耐火物24に配設されることが好ましく、さらに目地26に埋設することが好適である。これにより、耐火物に大きな穴を開ける必要がなく、また炉内に簡単に配設することができる。
【0023】
本実施形態の耐火物厚さ計測装置は、炉内へ向けて耐火物厚さ方向に挿入した2以上の導電体からなる電極12と、該電極12に接続した同軸ケーブル11と、該同軸ケーブル11を介して電極12に接続されたLCR計10と、該LCR計からの信号に基づき耐火物厚さを算出する耐火物厚さ算出機13と、これに接続されて前記直流電源29を制御する制御装置14と、から構成されている。
図1(a)は図4の断面を示す拡大図で、耐火物24の厚さ方向に前記スラグ層27に接触する耐火物の侵食部30に向けて挿入した少なくとも2枚の電極12と、炉外部に設置されたLCR計10とを同軸ケーブル11で接続している。
【0024】
本第1実施形態では図1(b)に示されるように、前記電極12をレンガ積み上げ方向の目地26に垂直方向に対向して埋設している。該電極12は、最も侵食が著しい溶融スラグ層27に接触する耐火物に位置させることが好ましいが、特に限定されない。
前記LCR計10は、L(リアクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)を測定可能で、前記電極12に高周波若しくは交流等の電圧を印加することにより静電容量を計測する汎用装置である。かかる装置では、前記電極12がコンデンサとして機能し、従来のコンデンサの静電容量測定と同様の手法で静電容量を計測できる。このとき、静電容量計測装置10は前記LCR計10に限らず、例えばミリオーム計のように前記電極間の抵抗を計測し、該抵抗から静電容量を算出する装置でも良い。
【0025】
また、かかる実施形態では、前記電極12を垂直方向に複数設置して多層構造とし、夫々の静電容量を測定して炉壁耐火物の厚さ分布を測定することも可能である。
そして、前記計測された静電容量に基づき前記電極12の面積を算出し、耐火物厚さを導き出す。前記電極12は、高温流体との接触による耐火物24の侵食に伴い損耗して面積が小さくなる。そこで本実施形態のごとく、電極12の面積を求めることで耐火物24の厚さを測定でき、耐火物の侵食度合を簡単に把握することができる。
【0026】
図2は本発明の第2実施形態であって、炉内へ向けて挿入した導電体からなる電極12を、炉の円周方向に対向させて2以上配設した構成としている。さらにかかる耐火物厚さ測定装置は、該電極12に接続した同軸ケーブル11と、該同軸ケーブル11を介して電極12に接続されたLCR計10とを有している。
そして、前記第1実施形態と同様に、前記電極12に交番電圧を印加して前記LCR計10にて静電容量を計測し、該静電容量から電極12の面積を算出し、耐火物厚さを導きだす。
これにより、耐火物厚さを簡単に把握できるとともに、炉の円周方向に電極12を配設しているため、対向した電極12の損耗度合いが略同一で、より精度良く静電容量即ち耐火物厚さを測定することができる。
【0027】
ここで、図5乃至図7に示される前記耐火物厚さ測定装置の詳細な構成及び処理動作を説明する。
図5に示されるように耐火物厚さ測定装置は、耐火物24に配設された電極12と、該電極12に印加した交番電圧から静電容量を計測する静電容量計測装置10と、該静電容量計測装置10にて計測された静電容量と、予め記憶された耐火物の誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記静電容量から耐火物厚さを算出する耐火物厚さ算出機13と、から構成されている。
【0028】
前記耐火物厚さ算出機13は、次式(1)より関係付けられた静電容量と電極面積のデータが蓄積された記憶部13aと、前記計測された静電容量から記憶部13aに蓄積されたデータを基に電極面積を算出し、耐火物厚さを導き出す演算部13bとを有している。
C = ε・S/d …(1)
ここで、Cは静電容量(pF)、εは誘電率、Sは電極面積(cm2)、dは電極間距離(cm)である。
【0029】
この式より、εは耐火物に固有の値で、かつ電極間距離dは固定値であるため、電極間の静電容量Cを計測することで電極面積Sを算出することができ、容易に電極長さ、即ち耐火物厚さを導き出すことができる。
また、前記式(1)より、電極面積Sは静電容量Cと比例関係にあるため、静電容量の減少比率から電極面積の減少比率を容易に算出することも可能である。
このようにして出力された耐火物厚さにより、炉壁耐火物状態を的確に把握することができる。
【0030】
図6は図5の別の実施形態を示し、図7はそのフローを示している。かかる実施形態によれば、炉の運転を開始し主電極及び炉底電極に一定電力を供給して定常運転を行い(S1)、所定時間間隔毎に前記電極12に交番電圧を印加して静電容量計測装置10にて電極間の静電容量を計測する(S2)。そして、予め記憶部13a’に蓄積された耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値と、前記計測された静電容量とを判定部13b’にて比較、判定する(S3)。尚、本実施形態では、耐火物厚さ算出機13’は前記記憶部13a’及び判定部13b’とで構成されている。
【0031】
そして、前記静電容量が閾値以上である場合には定常運転(S1)を続行し、一方前記静電容量が閾値以下である場合には制御装置14により直流電源への電力供給を停止若しくは低下させ、炉の運転を停止(S4)若しくは炉内温度を低下させる。
このように、予め前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を設定し、前記計測した静電容量と前記閾値を比較することにより炉の寿命、補修時期を簡単に把握することができる。
【0032】
図3は本発明の第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を示す。本第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置は、耐火物24の目地部26に埋設した光ファイバー11’と、該光ファイバー11’に接続され炉外に設置されたレーザー発振/受信器10’と、から構成される。前記光ファイバー11’は炉内へ向けて挿入され、侵食部30で耐火物とともに侵食されて損耗する。
かかる実施形態では、前記レーザー発振/受信器10’から光ファイバー11’に導入したパルス状レーザ光の発振信号と、溶融スラグ27面、即ち光ファイバー先端で反射した散乱光の受信信号から散乱光発生までの距離及び光ファイバー内部の温度分布を計測する。
前記光ファイバー11’の材質は石英であるため腐食の惧れがなく、またスラグ27に溶融しやすいため耐火物と共に侵食し、光ファイバー11’を測定することで耐火物厚さを正確に測定することができる。
【0033】
【発明の効果】
かかる発明によれば、耐火物間に薄肉の電極を挿入するのみで該電極間の静電容量から容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することができ、耐火物に大きな穴をあける必要もない。
また、電極を垂直方向若しくは炉壁円周方向に複数設置することで、耐火物の厚さ分布を簡単に把握することができる。
また、耐火物に挿入した光ファイバーにレーザー光を導入することで、その発振信号及び受信信号から光ファイバー長、即ち耐火物厚さを正確に測定することができるとともに、炉内耐火物の温度分布も同時に測定できる。
さらに、前記電極若しくは光ファイバーを耐火物の目地部に埋設することで、炉壁に穴を開ける必要がなく装置を炉内に簡単に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びA−A線断面図(b)である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びB−B線断面図(b)である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びC−C線断面図(b)である。
【図4】本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を配設した溶融炉の全体概略図である。
【図5】本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の別の実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の耐火物厚さ測定装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の耐火物厚さ測定装置を示す概要図である。
【符号の説明】
10 静電容量計測装置(LCR計)
10’ レーザー発振/受信機
11 同軸ケーブル
11’ 光ファイバー
12 電極
13 厚さ算出機
14 制御装置
20 プラズマアーク式溶融炉
21 主電極
24 耐火物
26 目地
27 溶融スラグ層
28 溶融メタル層
29 直流電源
30 侵食部
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉内の高温雰囲気により侵食される炉壁若しくは炉底耐火物の厚さを測定し、また耐火物の厚さの減少による異常を検知する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高炉の炉壁若しくは炉底は、鉄皮に囲繞された炉内壁をアルミナ酸化物系セラミックやカーボン等で形成された耐火レンガ、耐火キャスタブル等の耐火物により形成されている。かかる耐火物は高温雰囲気に晒されて侵食し、高炉の操業に伴い徐々に肉厚が減少する。耐火物厚さを測定することは、炉の寿命、補修時期を適切に把握する上で非常に重要であり、炉を円滑に稼動するためには耐火物厚さを精度良く測定することが要求される。
そのため、耐火物厚さを測定する技術が数多く提案されている。
【0003】
例えば、特開平9−61144号公報(特許文献1)に示される厚さ測定装置は、図8のように、電圧発生器により発生させた弾性波を弾性波送信子101により耐火物100の表面に送信し、該弾性波によって生じた反射波を弾性波受信子102により受信するように構成され、弾性波を送信してから反射波を受信するまでの時間に基づき耐火物100の厚さを算出することにより、耐火物厚みを簡便かつ正確に計測することができる。
【0004】
また、超音波等の波を利用したシステムとして特開2000−105116公報(特許文献2)は、炉壁に差込んだセラミック等の導波体に音波を若しくは電磁波等の波を発振し、前記導波体の炉内側端面で反射して受信した波の信号に基づき該導波体の長さを計算する構成となっている。
このように、耐火物を伝播する波を利用した技術は、例えば耐火物に挿入したプローブに高周波信号を入力し、入力端に戻ってきた反射信号を検出しその伝播速度から耐火物厚さを測定する方法(特許文献3:特開平11−264706号公報)等にも用いられている。
【0005】
一方、特開平8−261741号公報(特許文献4)には、前記技術のように同軸ケーブル、プローブ等を埋め込む必要のない耐火物厚さ測定方法が提案されている。かかる方法は、耐火物が侵食するとミューオン透過強度が増加する特性を利用し、ミューオン強度を検出することにより耐火物厚さを計測するもので、これによれば機器が経年変化する惧れがなく、何時でも高炉耐火物厚さを測定することが可能となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−61144号公報
【特許文献2】
特開2000−105116公報
【特許文献3】
特開平11−264706号公報
【特許文献4】
特開平8−261741号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ミューオンの検出による厚さ測定方法は一般的でなく実現性に乏しく、また設備が大掛かりとなり設置コストが嵩む。
また、前記特開平9−61144号公報のように高炉の炉壁外面から超音波を送受信する技術では、炉壁外面が高温になり超音波振動子の機能が低下し、正確な耐火物厚さを測定することは困難である。
さらに、前記特開2000−105116公報及び特開平11−264706号のように炉壁にプローブや導波体を挿入すると炉内耐火物に大きな貫通穴が必要となる。
従って本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、炉内に大きな穴を開ける必要がなく、簡易な設備でかつ精度良く耐火物厚さを計測し、また耐火物の厚さの減少による異常を検知する方法及び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、耐火物誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記計測した静電容量から前記電極面積を算出し、該電極面積より耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
また、前記静電容量は、前記電極間に交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより計測することが好適である。
【0009】
かかる発明は、耐火物の厚み方向に挿入した2以上の電極間に交番電圧をかけ、例えばLCR計、ミリオーム計等で静電容量を測定することにより電極面積を求める。前記電極は、耐火物の侵食にともない損耗して面積が小さくなる。そこで、電極面積を求めることで耐火物厚さを測定でき、耐火物の侵食度合が把握できる。
一般に、静電容量は電極面積及び電極間距離との間に次式の関係が成り立つ。
C = ε・S/d …(1)
ここで、Cは静電容量(pF)、εは誘電率、Sは電極面積(cm2)、dは電極間距離(cm)である。
【0010】
この式より、εは耐火物に固有の値で、かつ電極間距離dは固定値であるため、電極間の静電容量Cを計測することで電極面積Sを算出することができ、容易に電極長さ、即ち耐火物厚さを導き出すことができる。
また、前記式(1)より、電極面積Sは静電容量Cと比例関係にあるため、静電容量の減少比率から電極面積の減少比率を容易に推測することも可能である。このように、耐火物間に薄肉の電極を挿入するのみで容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することができ、耐火物に大きな穴を開ける必要もない。
【0011】
また、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、該計測した静電容量と前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値とを比較して、前記静電容量が前記閾値より小さい場合には前記耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知しても良い。このように、許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を予め設定し、該閾値と計測した静電容量とを比較して耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することで、炉の寿命、補修時期を的確に把握することができる。
【0012】
さらに、耐火物厚さの測定装置として、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極と接続されて該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の誘電率に基づく静電容量と電極面積との関係が蓄積されている記憶部と、前記記憶部に蓄積された静電容量と電極面積との関係に基づき前記静電容量計測器で計測された静電容量から電極面積を算出し、該算出された電極面積から耐火物厚さを導き出す演算部と、を備え、
前記電極間の静電容量から耐火物厚さを導き出す構成としたことを特徴とする。
【0013】
かかる発明は、耐火物厚み方向に挿入した2以上の電極間の静電容量を計測し、予め蓄積しておいた耐火物の誘電率に基づく静電容量と電極面積との関係、即ち前記式(1)の関係より電極面積を算出して耐火物厚さを導きだす構成となっており、これにより、容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することが可能となる。また、前記静電容量計測器は、交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより電極間の静電容量を計測する構成とすることが好適である。
【0014】
さらに、前記電極を炉壁垂直方向に各電極が対向するごとく複数配設し、各電極間の静電容量を計測して耐火物の垂直方向の厚さ分布を測定することにより、例えば炉内の溶融物の状態など、炉内状況を的確に把握することができる。
また、前記耐火物が炉壁に設けられた耐火レンガであって、前記電極を該耐火レンガの目地部に埋設することを特徴とする。このように、耐火レンガの目地部に電極を埋設することにより、電極の挿入孔を別に設ける必要がなく簡単にかかる装置を設置することができる。
【0015】
また、耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極に接続され該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を記憶する記憶部と、前記静電容量計測器で検出された静電容量を前記閾値と比較する判定部と、を備え、
前記電極間の静電容量が前記閾値より小さい場合には前記判定部にて耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することを特徴とする。
【0016】
このように、予め前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を設定し、前記計測した静電容量と前記閾値を比較することにより炉の寿命、補修時期を簡単に把握することができる。
尚、計測した静電容量が前記閾値より小である場合には炉の運転を停止、若しくは炉への供給電力を低下させ、大である場合には定常運転を続行することが好ましい。
【0017】
また、炉外から炉内へ向けて耐火物間に挿入した光ファイバーと、炉外に設置し該光ファイバーにパルス状のレーザー光を発振するレーザー発振器と、該レーザー光により発生した散乱光を前記光ファイバーを介して受光する光検出器と、該検出された散乱光を受光する時間間隔を計測し、該計測された時間間隔に基づき光ファイバー長を算出する算出部と、を備え、
前記耐火物の侵食に伴い変化した光ファイバー長さを算出して、前記耐火物厚さを導き出すことを特徴とする。
【0018】
かかる発明は、例えば炉外から炉内へ向けて耐火レンガの目地部に埋設した光ファイバーにパルス状のレーザー光を発振した後、該光ファイバーの先端部で反射した散乱光を受光し、前記発振から受光までの時間間隔から光ファイバー長を算出することにより耐火物厚さを測定する。このように、耐火物の侵食とともに損耗した光ファイバー長を測定することで簡単に耐火物厚さを導き出すことができる。また、前記光ファイバーは小径であるため、耐火物に大きな穴を開ける必要がなく目地部に埋設することもできる。このとき、前記光ファイバーを炉壁に複数設けても良く、耐火物厚さ分布を把握することも可能である。
【0019】
さらにまた、前記光検出器で検出された散乱光に基づき、光ファイバー内各部の温度を算出する温度計測手段を備え、前記耐火物厚さとともに耐火物内の温度分布を計測することが好適である。これは、耐火物はある一定温度以上になると侵食が急激に進行するため、耐火物厚さとともに耐火物内の温度分布を計測することにより、耐火物の侵食を事前に予測することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1及び図2は本発明の第1及び第2実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びA−A、B−B線断面図(b)、図4は本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を配設した溶融炉の全体概略図である。
【0021】
図4において、20は耐火物厚さ測定装置を配設したプラズマアーク式溶融炉で、溶融炉内側は絶縁性を有する耐火材24及び炉底25で形成され、炉外側は鉄皮23で形成されている。そして、炉蓋に嵌挿された主電極21と、炉底25から挿入された炉底電極22とを有し、これらに接続された直流電源29により該電極間に電圧を印加してプラズマを生成し被溶融物を溶融処理する。炉内温度は1000℃以上に維持され、炉底部には被溶融物が溶融したスラグ層27と、その下部にメタル層28とが層状に形成される。
【0022】
前記耐火物24は、一般にSiC等の材料を利用した耐火レンガを積層して目地で固定した構造を採っているが、前記スラグ層27及びメタル層28からなる高温流体の周囲に位置する耐火物24は常時高温雰囲気に晒されるため侵食が著しい。
かかる実施形態における耐火物厚さ計測装置の電極12は、特に侵食が著しい溶融スラグ層27の周囲の耐火物24に配設されることが好ましく、さらに目地26に埋設することが好適である。これにより、耐火物に大きな穴を開ける必要がなく、また炉内に簡単に配設することができる。
【0023】
本実施形態の耐火物厚さ計測装置は、炉内へ向けて耐火物厚さ方向に挿入した2以上の導電体からなる電極12と、該電極12に接続した同軸ケーブル11と、該同軸ケーブル11を介して電極12に接続されたLCR計10と、該LCR計からの信号に基づき耐火物厚さを算出する耐火物厚さ算出機13と、これに接続されて前記直流電源29を制御する制御装置14と、から構成されている。
図1(a)は図4の断面を示す拡大図で、耐火物24の厚さ方向に前記スラグ層27に接触する耐火物の侵食部30に向けて挿入した少なくとも2枚の電極12と、炉外部に設置されたLCR計10とを同軸ケーブル11で接続している。
【0024】
本第1実施形態では図1(b)に示されるように、前記電極12をレンガ積み上げ方向の目地26に垂直方向に対向して埋設している。該電極12は、最も侵食が著しい溶融スラグ層27に接触する耐火物に位置させることが好ましいが、特に限定されない。
前記LCR計10は、L(リアクタンス)、C(キャパシタンス)、R(レジスタンス)を測定可能で、前記電極12に高周波若しくは交流等の電圧を印加することにより静電容量を計測する汎用装置である。かかる装置では、前記電極12がコンデンサとして機能し、従来のコンデンサの静電容量測定と同様の手法で静電容量を計測できる。このとき、静電容量計測装置10は前記LCR計10に限らず、例えばミリオーム計のように前記電極間の抵抗を計測し、該抵抗から静電容量を算出する装置でも良い。
【0025】
また、かかる実施形態では、前記電極12を垂直方向に複数設置して多層構造とし、夫々の静電容量を測定して炉壁耐火物の厚さ分布を測定することも可能である。
そして、前記計測された静電容量に基づき前記電極12の面積を算出し、耐火物厚さを導き出す。前記電極12は、高温流体との接触による耐火物24の侵食に伴い損耗して面積が小さくなる。そこで本実施形態のごとく、電極12の面積を求めることで耐火物24の厚さを測定でき、耐火物の侵食度合を簡単に把握することができる。
【0026】
図2は本発明の第2実施形態であって、炉内へ向けて挿入した導電体からなる電極12を、炉の円周方向に対向させて2以上配設した構成としている。さらにかかる耐火物厚さ測定装置は、該電極12に接続した同軸ケーブル11と、該同軸ケーブル11を介して電極12に接続されたLCR計10とを有している。
そして、前記第1実施形態と同様に、前記電極12に交番電圧を印加して前記LCR計10にて静電容量を計測し、該静電容量から電極12の面積を算出し、耐火物厚さを導きだす。
これにより、耐火物厚さを簡単に把握できるとともに、炉の円周方向に電極12を配設しているため、対向した電極12の損耗度合いが略同一で、より精度良く静電容量即ち耐火物厚さを測定することができる。
【0027】
ここで、図5乃至図7に示される前記耐火物厚さ測定装置の詳細な構成及び処理動作を説明する。
図5に示されるように耐火物厚さ測定装置は、耐火物24に配設された電極12と、該電極12に印加した交番電圧から静電容量を計測する静電容量計測装置10と、該静電容量計測装置10にて計測された静電容量と、予め記憶された耐火物の誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記静電容量から耐火物厚さを算出する耐火物厚さ算出機13と、から構成されている。
【0028】
前記耐火物厚さ算出機13は、次式(1)より関係付けられた静電容量と電極面積のデータが蓄積された記憶部13aと、前記計測された静電容量から記憶部13aに蓄積されたデータを基に電極面積を算出し、耐火物厚さを導き出す演算部13bとを有している。
C = ε・S/d …(1)
ここで、Cは静電容量(pF)、εは誘電率、Sは電極面積(cm2)、dは電極間距離(cm)である。
【0029】
この式より、εは耐火物に固有の値で、かつ電極間距離dは固定値であるため、電極間の静電容量Cを計測することで電極面積Sを算出することができ、容易に電極長さ、即ち耐火物厚さを導き出すことができる。
また、前記式(1)より、電極面積Sは静電容量Cと比例関係にあるため、静電容量の減少比率から電極面積の減少比率を容易に算出することも可能である。
このようにして出力された耐火物厚さにより、炉壁耐火物状態を的確に把握することができる。
【0030】
図6は図5の別の実施形態を示し、図7はそのフローを示している。かかる実施形態によれば、炉の運転を開始し主電極及び炉底電極に一定電力を供給して定常運転を行い(S1)、所定時間間隔毎に前記電極12に交番電圧を印加して静電容量計測装置10にて電極間の静電容量を計測する(S2)。そして、予め記憶部13a’に蓄積された耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値と、前記計測された静電容量とを判定部13b’にて比較、判定する(S3)。尚、本実施形態では、耐火物厚さ算出機13’は前記記憶部13a’及び判定部13b’とで構成されている。
【0031】
そして、前記静電容量が閾値以上である場合には定常運転(S1)を続行し、一方前記静電容量が閾値以下である場合には制御装置14により直流電源への電力供給を停止若しくは低下させ、炉の運転を停止(S4)若しくは炉内温度を低下させる。
このように、予め前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を設定し、前記計測した静電容量と前記閾値を比較することにより炉の寿命、補修時期を簡単に把握することができる。
【0032】
図3は本発明の第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を示す。本第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置は、耐火物24の目地部26に埋設した光ファイバー11’と、該光ファイバー11’に接続され炉外に設置されたレーザー発振/受信器10’と、から構成される。前記光ファイバー11’は炉内へ向けて挿入され、侵食部30で耐火物とともに侵食されて損耗する。
かかる実施形態では、前記レーザー発振/受信器10’から光ファイバー11’に導入したパルス状レーザ光の発振信号と、溶融スラグ27面、即ち光ファイバー先端で反射した散乱光の受信信号から散乱光発生までの距離及び光ファイバー内部の温度分布を計測する。
前記光ファイバー11’の材質は石英であるため腐食の惧れがなく、またスラグ27に溶融しやすいため耐火物と共に侵食し、光ファイバー11’を測定することで耐火物厚さを正確に測定することができる。
【0033】
【発明の効果】
かかる発明によれば、耐火物間に薄肉の電極を挿入するのみで該電極間の静電容量から容易にかつ精度良く耐火物厚さを測定することができ、耐火物に大きな穴をあける必要もない。
また、電極を垂直方向若しくは炉壁円周方向に複数設置することで、耐火物の厚さ分布を簡単に把握することができる。
また、耐火物に挿入した光ファイバーにレーザー光を導入することで、その発振信号及び受信信号から光ファイバー長、即ち耐火物厚さを正確に測定することができるとともに、炉内耐火物の温度分布も同時に測定できる。
さらに、前記電極若しくは光ファイバーを耐火物の目地部に埋設することで、炉壁に穴を開ける必要がなく装置を炉内に簡単に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びA−A線断面図(b)である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びB−B線断面図(b)である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の断面図(a)、及びC−C線断面図(b)である。
【図4】本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置を配設した溶融炉の全体概略図である。
【図5】本実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図5の別の実施形態に係る耐火物厚さ測定装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の耐火物厚さ測定装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の耐火物厚さ測定装置を示す概要図である。
【符号の説明】
10 静電容量計測装置(LCR計)
10’ レーザー発振/受信機
11 同軸ケーブル
11’ 光ファイバー
12 電極
13 厚さ算出機
14 制御装置
20 プラズマアーク式溶融炉
21 主電極
24 耐火物
26 目地
27 溶融スラグ層
28 溶融メタル層
29 直流電源
30 侵食部
Claims (10)
- 耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、耐火物誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係に基づき前記計測した静電容量から前記電極面積を算出し、該電極面積より耐火物厚さを導き出すことを特徴とする耐火物厚さ測定方法。
- 前記静電容量は、前記電極間に交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより計測することを特徴とする請求項1記載の耐火物厚さ測定方法。
- 耐火物間に所定間隔を隔てて対向して2以上の導電体からなる電極を埋設し、該電極間の静電容量を計測した後、該計測した静電容量と前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値とを比較して、前記静電容量が前記閾値より小さい場合には前記耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することを特徴とする耐火物厚さ異常検知方法。
- 耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極と接続されて該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の誘電率に応じた静電容量と電極面積との関係が蓄積されている記憶部と、前記記憶部に蓄積された静電容量と電極面積との関係に基づき前記静電容量計測器で計測された静電容量から電極面積を算出し、該算出された電極面積から耐火物厚さを導き出す演算部と、を備え、
前記電極間の静電容量から耐火物厚さを導き出す構成としたことを特徴とする耐火物厚さ測定装置。 - 前記静電容量計測器は、交番電圧(交流、高周波を含む)を印加することにより電極間の静電容量を計測する構成であることを特徴とする請求項4記載の耐火物厚さ測定装置。
- 前記電極を炉壁垂直方向に各電極が対向するごとく複数配設し、各電極間の静電容量を計測して耐火物の垂直方向の厚さ分布を測定することを特徴とする請求項4若しくは5記載の耐火物厚さ測定装置。
- 前記耐火物が炉壁に設けられた耐火レンガであって、前記電極を該耐火レンガの目地部に埋設することを特徴とする請求項4乃至6の何れか一に記載の耐火物厚さ測定装置。
- 耐火物間に所定間隔を隔てて対向して埋設した2以上の導電体からなる電極と、炉外に設置され前記電極に接続され該電極間の静電容量を計測する静電容量計測器と、該静電容量計測器に接続した耐火物厚さ算出機と、を具備し、
前記耐火物厚さ算出機が、前記耐火物の許容限界厚みに対応する静電容量の閾値を記憶する記憶部と、前記静電容量計測器で検出された静電容量を前記閾値と比較する判定部と、を備え、
前記電極間の静電容量が前記閾値より小さい場合には前記判定部にて耐火物が許容限界厚みに満たないことを通知することを特徴とする耐火物厚さ異常検知装置。 - 炉外から炉内へ向けて耐火物間に挿入した光ファイバーと、炉外に設置し該光ファイバーにパルス状のレーザー光を発振するレーザー発振器と、該レーザー光により発生した散乱光を前記光ファイバーを介して受光する光検出器と、該検出された散乱光を受光する時間間隔を計測し、該計測された時間間隔に基づき光ファイバー長を算出する算出部と、を備え、
前記耐火物の侵食に伴い変化した光ファイバー長さを算出して、前記耐火物厚さを導き出すことを特徴とする耐火物厚さ測定装置。 - 前記光検出器で検出された散乱光に基づき、光ファイバー内各部の温度を算出する温度計測手段を備え、前記耐火物厚さとともに耐火物内の温度分布を計測することを特徴とする請求項9記載の耐火物厚さ測定装置。
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| JP2008070061A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 溶融炉の炉底監視方法及び装置 |
| CN113884195A (zh) * | 2021-10-14 | 2022-01-04 | 华东理工大学 | 一种耐火砖层的厚度、温度的监测装置和监测方法 |
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