JP2004140100A - 薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】発電に用いられる受光面の有効面積を妨げないように配線がなされた薄膜太陽電池モジュールにおいて、その配線と光電半導体層の間の絶縁性または耐水性、および電極付近における絶縁性または耐水性に関し、高い信頼性を持つ薄膜太陽電池モジュールを、簡易な手段で提供する。
【解決手段】配線の裏面電極に面した片面に絶縁テープを配置して充填材に埋設するとともに、バスバーとの接点では配線と絶縁テープを裏面電極とバスバーの隙間に配置することで、絶縁テープのバス領域付近における熱伸縮の影響を減らす。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜太陽電池に関し、特に薄膜太陽電池の絶縁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜太陽電池は、ガラスなどの透明な絶縁性の基板の上に複数の発電セルを有している。該発電セルは、高電圧を出力するために、電気的に直列に接続されている。
【0003】
太陽電池モジュールは、外部に電力を供給するために、端子ボックス等の接続手段を備えている。薄膜太陽電池が発生した電力を端子ボックス等の接続手段に導く配線は、発電に用いられる受光面の有効面積をできるだけ妨げないことが望ましい。そのような配線方法として、発電セルの裏面(受光面と反対側の面)に沿って配線が配置された薄膜太陽電池が知られている。この方法において、発電セルの裏面と配線の間には、何らかの絶縁手段が設けられる。
【0004】
発電セルの裏面と配線との間の絶縁手段として、次の構成が知られている(特許文献1参照)。図3を参照して、薄膜太陽電池は、直列に接続された複数の発電セル101を備えており、発電セル101が発生した電力は、電極102に集められる。電極102に集められた電力は、導電材103を通して配線104によって太陽電池モジュールの外部に供給される。配線104と発電セル101のあいだを絶縁するために、発電セル101の上にストリップ状に絶縁材105が敷かれている。発電セル101は、熱可塑性の樹脂である充填材106によって保護される。充填材106は保護カバー107で封止される。
【0005】
また発電セルの裏面と配線との間の絶縁手段として、図4に示すように、配線104と発電セル101との間を絶縁するために、配線104を絶縁材108で全面被覆した構成が知られている(特許文献1参照)。
【0006】
太陽電池は20年以上の長期間、野外に設置された状態で使用される。そのため太陽電池の絶縁性は長期にわたって安定的に保たれる必要がある。絶縁性と関係して、長期間の使用に耐える耐久性を保つために、高い防水性が要求される。
【0007】
【特許文献1】特開平9−326497号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、長期の使用において高い絶縁性または耐水性を保つ薄膜太陽電池モジュールとその製造方法を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、長期の使用において高い絶縁性または耐水性を保ち、構造が簡単な薄膜太陽電池モジュールとその製造方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、長期の使用において高い絶縁性または耐水性を保ち、製造方法が簡易な薄膜太陽電池モジュールとその製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以下に、[発明の実施の形態]で使用される番号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明の実施の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明による薄膜太陽電池モジュール(1)は、基板(2)を有している。基板(2)の主面の上には、受光した光によって電力を発生する発電セル(7)が設けられている。発電セル(7)が発生する電力は、導体(8a)に集められる。導体(8a)には、発電セル(7)が発生した電力を薄膜太陽電池モジュール(1)の外部に取り出す箔状の配線(10)が接続されている。配線(10)が有する複数の面のうち、発電セル(7)に対向する対向面には絶縁材(11)が配置され、配線(10)と発電セル(7)との間を絶縁する。
【0013】
このような構成の薄膜太陽電池モジュールは、構造が単純で、簡易な製造方法によって製造される。
【0014】
また本発明における薄膜太陽電池モジュール(1)は、基板(2)の該主面の側を被覆する保護カバー(13)を備えている。発電セル(7)と保護カバー(13)との間には充填材(12)が充填されている。充填材(12)は、薄膜太陽電池モジュール(1)の内部を外気の影響から遮断し、部材の劣化を防いでいる。
【0015】
配線(10)と絶縁材(11)は、充填材(12)に埋め込まれている。配線(10)は複数の面を有しており、そのうち発電セル(7)に面する対向面は絶縁材(11)に接合しており、他の面は充填材(12)に直接に接している。
【0016】
配線(10)の両面を絶縁材(11)によって被覆すると、配線(10)に用いられる箔の厚さのために、配線の側面に沿って線状に両面の絶縁材(11)が密着しない隙間(19)ができる。この隙間(19)は、充填材が存在しない空間であり、水分の侵入経路になる可能性がある。配線(10)が有する複数の面のうち、発電セル(7)と対向する対向面は絶縁材(11)と密着し、他の面は充填材(12)に直接、接している構造では、こうした隙間(19)はできずに、配線(10)と絶縁材(11)のまわりは充填材(12)で隙間なく埋められる。これにより配線(10)と被覆材(11)は空気や水分から遮断され、長期にわたって高い絶縁性あるいは耐水性が保たれる。
【0017】
さらに、配線(10)の対向面だけを絶縁材(11)によって被覆した構成では、配線(10)の他の面も被覆するのに比べて組み立て工程数が少なく、かつ使用する部材を節約できる。
【0018】
また、本発明による薄膜太陽電池モジュールにおいて、電力を集める導体(8a)は、電極(8)と導電材(9)を含んでいる。電極(8)は、複数の接点(20)で導電材(9)に接続されている。導電材(9)には、配線(10)が接続されており、配線(10)は、その片面に配置された絶縁材(11)によって発電セル(7)との間を絶縁されている。
【0019】
配線(10)のうち導電材(9)に接合される接合部と、絶縁材(11)のうちその接合部において配線(10)に接合している部分とは、電極(8)と導電材(9)の間に配置される。
【0020】
このような構成をもつ薄膜太陽電池モジュール(1)において、絶縁材(11)が熱によって伸長した場合、絶縁材(11)は電極(8)と導電材(9)との間に敷かれているために、導電材(9)に突き当たって変形するという問題を生じない。絶縁材(11)が熱によって収縮した場合、絶縁材(11)は設置時に電極(8)の上まで配置されているため、絶縁材(11)のうち電極(8)の上に配置された部分が収縮しても、配線(10)と発電セル(7)との間は確実に絶縁が保たれる。したがって、このような構成の薄膜太陽電池モジュールは、絶縁材の熱伸縮に対して安定した性質を持ち、長期間の使用において高い絶縁性を保つ。
【0021】
更に、絶縁材(11)が熱膨張して導電材(9)に突き当たって変形すると、絶縁材(11)が充填材(12)を圧迫して、絶縁材(11)の付近に充填材(12)が無い隙間が生じる可能性がある。こうした隙間は、長期間の使用においては水分の侵入経路となる可能性がある。本発明による薄膜太陽電池モジュールは、こうした隙間ができる可能性を低減し、長期間の使用において高い耐水性を保つ。
【0022】
更に、こうした構成を取ることによって、絶縁材(11)の熱伸縮性に対して設計上要求される条件が緩和されるため、高い信頼性を保った上で、材料を選択する上の自由度が増す。
【0023】
更に、このような構成をもつ薄膜太陽電池モジュールは、構造が単純であり、簡易な製造方法で製造される。
【0024】
また、本発明による薄膜太陽電池モジュールにおいて、配線(10)と絶縁材(11)とは、長手方向に連続した隙間が無い状態で密着されている。密着は、真空ラミネートに例示される手段で行われる。
【0025】
こうした構成をもつ薄膜太陽電池モジュールは、配線(10)と絶縁材(11)の相対的な位置がずれる可能性を低減し、長期間の使用において高い絶縁性を保つ。配線(10)と絶縁材(11)との間が長手方向に連続した隙間が無い状態で密着されていると、水分の侵入経路になる可能性のある隙間が無く、さらに長期間の使用において配線(10)と絶縁材(11)が徐々にはがれてくる可能性が低減する。そのため、長期間の使用において高い絶縁性あるいは耐水性が保たれる。
【0026】
こうした構成をもつ薄膜太陽電池モジュールを製造する際、配線(10)の片面に絶縁材(11)を密着させた後、該片面を発電セル(7)に面する向きにして、配線(10)が導体(8a)に接合される。こうした薄膜太陽電池の製造方法は、配線(10)を薄膜太陽電池モジュール(1)に設置する際に、配線(10)と絶縁材(11)の相対的な位置がずれないための格別な注意を払う必要がなく、簡易な作業で高い信頼性が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による薄膜太陽電池モジュールの実施の形態を、図を参照しながら示す。
【0028】
図1は、本発明による薄膜太陽電池モジュールの実施の形態を示す断面図である。薄膜太陽電池モジュール1は、ガラス等の透明な材質でできた絶縁基板2を備えている。絶縁基板2の上には透明電極層4が形成され、透明電極層4の上には光電素子からなる薄膜半導体層5が形成され、薄膜半導体層5の上には裏面電極層6が形成される。透明電極層4、薄膜半導体層5、裏面電極層6の三層は、発電層3をなしている。
【0029】
発電層3は、レーザーによって加工されることで、直列に接続された複数の発電セル7と、発電セル3の両端の電極8とに分けられる。電極8の裏面電極層6の上には、良導体であるバスバー9が設置されている。
【0030】
バスバー9は、銅箔の配線10に接続されている。配線10は、発電セル7の裏面電極層6に沿って配置される。配線10の裏面電極層6に対向する面には、帯状の絶縁材11が接着され、配線10と発電セル7の間を絶縁する。絶縁材11の素材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)性の樹脂が好適に用いられる。
【0031】
配線10と絶縁材11は、あらかじめ真空ラミネートに例示される接着手段によって接着される。こうして接着された絶縁材11は、配線10との相対的な配置がずれることなく、簡易な手段で配線10と裏面電極層6の間を確実に絶縁する。絶縁材11を配線10の片面に接着する作業は、両面を被覆する作業に比べて工程数が少なく、使用される部材も少ない。
【0032】
裏面電極層6は、充填材12によって保護されている。充填材12は熱可塑性の樹脂である。充填材12は、配線10および絶縁材11を埋設し、太陽電池モジュール1の内部を外気の影響から保護する。充填材12としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、PVB(ポリビニールブラチール)、シリコーン等の樹脂が例示される。
【0033】
配線10の発電セル7に対向する面は絶縁材11で被覆されており、他の面は直接、充填材に接している。図5を参照して、箔状の配線10を帯状の絶縁材11で両面被覆すると、配線10の厚さのために、配線10の両側面に沿って線状の隙間19ができる。隙間19は充填材12が充填されていない空間であり、水分の侵入経路になる可能性がある。隙間19は、長期間の使用において次第に広がる可能性がある。絶縁材11の発電セル3に対向する面が絶縁材で被覆され、他の面が充填材に接した構成では、隙間19は生じない。
【0034】
配線10として銅箔を用い、充填材12としてEVAを採用すると、配線10の厚さは50μm程度であり、EVAは10μm程度の隙間にも入り込む。そのため、配線10とその片面に被覆された絶縁材11のまわりは、充填材12が隙間なく充填され、高い防水性が得られる。
【0035】
充填材12は、保護カバー13によって封止されている。配線10は、保護カバー13に設けられた取出し口14を通って端子ボックス15のなかに導かれ、端子17に接続される。端子17には図示しないケーブルが接続され、図示しないケーブルは、端子ボックス15の外部に延びている。端子ボックス15の内部はポッティング材が充填され保護されている。
【0036】
本発明におけるバスバー9と配線10の接続部の構成を図2に示す。裏面電極層6の上には、絶縁材11が配置され、絶縁材11の上には、それより幅の狭い配線10が接着されている。絶縁材11と配線10は、その一端が電極8の領域に置かれている。
【0037】
電極8の裏面電極層6の上には、絶縁材11と配線10を跨いで、バスバー9が設置される。バスバー9は、半田20によって裏面電極層6に接続される。バスバー9と配線10は、半田21によって接続される。半田20または半田21は、導電性ペーストに例示される他の導電性の接着部材によって代替されてもよい。
【0038】
こうした構成を持つ薄膜太陽電池モジュールにおいて、絶縁材11が熱膨張した場合、絶縁材11がバスバー9と裏面電極層6の間の隙間をくぐる位置に配置されているために、絶縁材11はバスバー9に突き当たって変形することなく伸張する。絶縁材11が熱収縮した場合、電極8に配線10が接触してもショートにならないので、絶縁材11はバスバー9の幅の分収縮しても、配線10と発電セル7との間の絶縁を維持する。したがって、本発明による薄膜太陽電池モジュールは、絶縁材の熱伸縮に対して安定した性質を持つ。
【0039】
こうした配置を取ることによって、絶縁材11として用いられる材料の熱伸縮性に対する設計上の要求が緩和されるため、高い信頼性を保ちつつ、絶縁材11として用いる材料を選択する際に自由度が高くなる。
【0040】
【発明の効果】
本発明によって、長期の使用において高い絶縁性または耐水性を保つ薄膜太陽電池モジュールとその製造方法が提供される。
【0041】
本発明によって、長期の使用において高い絶縁性または耐水性を保ち、構造が簡単な薄膜太陽電池モジュールが提供される。
【0042】
本発明によって、長期の使用において高い絶縁性、耐水性を保つ太陽電池モジュールが簡易な製造方法で提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態のバス領域付近を示す斜視図である。
【図3】図3は、従来の発明における絶縁構造の実施例を示す積層斜視図である。
【図4】図4は、従来の発明における絶縁構造の実施例を示す積層斜視図である。
【図5】図5は、絶縁材で両面を被覆された箔状の配線を示す破断斜視図である。
【符号の説明】
1…太陽電池モジュール
2…透明絶縁基板
3…発電層
4…透明電極層
5…薄膜半導体層
6…裏面電極層
7…発電セル
8…電極
8a…導体
9…導電材
10…配線
11…絶縁材
12…充填材
13…保護カバー
14…取出し口
15…端子ボックス
16…ポッティング材
17…端子
20、21…半田
101…発電セル
102…電極
103…導電材
104…配線
105…絶縁材
106…充填材
107…保護カバー
108…絶縁材

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板の主面の上に形成され、受光した光によって電力を発生する発電セルと、
    前記電力を集める導体と、
    前記導体に接続され、当該薄膜太陽電池モジュールの外部に前記電力を取り出す箔状の配線と、
    前記配線が有する複数の面のうち、前記発電セルに対向する対向面に配置され、前記配線と前記発電セルとのあいだを絶縁する絶縁材
    とを具備する、
    薄膜太陽電池モジュール。
  2. 請求項1に記載の薄膜太陽電池モジュールにおいて、さらに、
    前記基板の前記主面の側を被覆する保護カバーと、
    前記発電セルと前記保護カバーとの間に充填される充填材
    とを具備し、
    前記配線と前記絶縁材とは、前記充填材に埋め込まれ、
    前記配線が有する前記複数の面のうち、前記対向面以外の面は,前記充填材に直接に接する
    薄膜太陽電池モジュール。
  3. 請求項1または2に記載の薄膜太陽電池モジュールにおいて、
    前記導体は、
    前記発電セルに接続される電極と、
    前記電極に沿って延設され、前記電極に複数の接点で接続された導電材とを含み、
    前記配線は、前記導電材に接合され、
    前記配線のうち前記導電材に接合される接合部と、前記絶縁材の前記接合部に接合する部分とは、前記電極と前記導電材との間に位置する
    薄膜太陽電池モジュール。
  4. 受光した光によって電力を発生する発電セルと、
    前記電力を集める電極と、
    前記電極に沿って延設され、前記電極に複数の接点で接続された導電材と、
    前記導電材に接続され、当該薄膜太陽電池モジュールの外部に前記電力を取り出す箔状の配線と、
    前記配線が有する複数の面のうち、前記発電セルに対向する対向面に配置され、前記配線と前記発電セルとの間を絶縁する絶縁材
    とを具備し、
    前記配線のうち前記導電材に接合される接合部と、前記絶縁材の前記接合部に接合する部分とは、前記電極と前記導電材との間に位置する
    薄膜太陽電池モジュール。
  5. 請求項1から4のうちのいずれか一つに記載の薄膜太陽電池モジュールにおいて、
    前記絶縁材と前記配線とは、長手方向に連続した隙間が無い状態に密着された、
    薄膜太陽電池モジュール。
  6. 受光した光によって電力を発生する発電セルを形成するステップと、
    前記電力を集める導体を設けるステップと、
    箔状の配線の片面に帯状に絶縁材を接着するステップと、
    前記片面を前記発電セルに面する向きにして、前記配線を前記導体に接合するステップ
    とを含む、薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
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