JP2004140505A - 放送番組の提供方法および受信装置および送信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一時的な受信状況の劣化が生じた場合でも、欠落した音声出力を置換できる放送番組の提供方法およびその放送番組を受信する受信装置およびその放送番組を放送する送信装置を提供する。
【解決手段】符号化部106aにより符号化されたステレオ音声データを遅延バッファ112により遅延させる。上記符号化部106aにより符号化されたステレオ音声データを、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、遅延バッファ115により遅延させる。また、符号化部106bにより符号化されたモノラル音声データを、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、遅延バッファ116により遅延させる。そして、遅延バッファ112,115,116からの音声データを、システム符号化多重化部117により多重化してデータストリームを作成する。
【選択図】 図1
【解決手段】符号化部106aにより符号化されたステレオ音声データを遅延バッファ112により遅延させる。上記符号化部106aにより符号化されたステレオ音声データを、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、遅延バッファ115により遅延させる。また、符号化部106bにより符号化されたモノラル音声データを、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、遅延バッファ116により遅延させる。そして、遅延バッファ112,115,116からの音声データを、システム符号化多重化部117により多重化してデータストリームを作成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間インターリーブ処理を行う方式のデジタル放送の放送番組の提供方法、および、デジタル放送の放送番組を受信する受信装置、および、デジタル放送の放送番組を送信する送信装置に関する。特に、日本方式の地上デジタル放送(ISDB−T:Integrated Service Digital Broadcast−Terrestrial)による放送番組の提供方法、および、その放送を受信する受信装置、および、その放送を送信する送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動受信の受信状態を向上することを目的としたデジタル放送の例として、図10のスペクトル図に示される放送番組の提供方法を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。図10では、横軸401は周波数を表し、縦軸402は放送電力を表しており、上記デジタル放送の放送信号403を表示している。このデジタル放送は、図10に示すように、デジタル変調された複数の搬送波からなるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)セグメントを複数集めた地上デジタル放送の放送信号403によって形成されている。上記OFDMセグメントは図中で隣接した矩形406,407,408から409等で示されている。
【0003】
ここで、「OFDMセグメント」とは、OFDM方式の放送波を形成する複数の搬送波、たとえば、地上デジタル放送であれば、1405個から5617個の搬送波による放送波全体の中での隣接する搬送波のグループを意味する。たとえば地上デジタル放送では、1放送波を13セグメントに分割し、セグメント単位で、エラー訂正のためのデータの冗長化や各種インターリーブ処理等を別々に行うことができるように構成されている(実際には更にセグメントをまとめた3グループに対して処理を行う)。
【0004】
上記放送信号403は、OFDMセグメントを複数集めて放送信号403を形成するとき、各OFDMセグメントのうちの少なくともいずれかの特定セグメントの電力を他のセグメントとは異なるように設定している。
【0005】
つまり、上記の他のセグメントより放送電力を大きくした特定のセグメント(405または406)のみを用いて移動受信用の放送を行うことで移動受信においての受信強度を増加させて、移動しながらの受信においても受信障害を生じにくい放送の提供方法が可能となっている。
【0006】
以降、上記のように特定のセグメントのみを用いて行う放送を「部分受信セグメントによる放送」と呼ぶ。また、特に、上記部分受信セグメントの内、1セグメントのみを受信して視聴することを目的とした放送を、以降、「1セグメント放送」と呼ぶ。上記日本方式の地上デジタル放送では、上記1セグメント放送の放送波は、放送波全体のセグメントの中央(図10のセグメント405の位置)に配置される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−101542号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記放送番組の提供方法では、送受信装置の構成が複雑となってしまうため、地上デジタル放送の規格として採用されず、実質上利用することができない。また、特に地上デジタル放送の移動受信で重要視されている上記1セグメント放送では、上記放送番組の提供方法においても、セグメント内で放送出力電力を変化させることができないため、受信電波が弱いなど受信状況が劣化した場合、映像も音声も字幕もほぼ同時に乱れてしまい視聴者が番組の進行についていけなくなるという問題を生じてしまう。
【0009】
本発明の課題は、一時的な受信状況の劣化が生じた場合でも音声出力を置換することを可能とする放送番組の提供方法、および、その放送番組を受信する受信装置、および、その放送番組を送信する送信装置を提供することである。
【0010】
特に、地上テレビ放送のデジタル化は、放送局側のデジタル化に対応するための大きな設備投資が必要な割に、デジタル化による利点が少ないということが問題となっている。その中で、移動中の受信機会の増加、すなわち視聴者の視聴時間の増加は、デジタル化による利点の中で最も大きなもののひとつである。これは、現状で視聴時間が生活の中でほぼ上限にまで増加しているため、視聴時間を増加させるには、移動中の時間や、駅,停留所等の待ち時間に視聴するなどの新しい視聴機会を増加させる必要があるからである。そのため、持ち運びに適した小型受信機に適した狭帯域放送の上記部分受信セグメントによる放送や、とりわけ上記1セグメント放送が特に重要視されている。
【0011】
そのため、移動中に受信状態の劣化が生じた場合でも、視聴者が放送番組の進行を追いかけることができるようにし、放送番組への興味を継続させることは、非常に大きな課題のひとつである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の放送番組の提供方法は、データ多重放送が可能なデジタル放送において、上記デジタル放送の放送方式で時間インターリーブ処理を行う。そして、置換可能な複数の音声データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する。このとき、上記置換可能な複数の音声データのうちの少なくとも2つの音声データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上とする。
【0013】
つまり、上記放送方式の時間インターリーブ処理によってデータが時間軸上に拡散される時間的な長さ(以降、時間インターリーブ長と呼ぶ)以上に、上記置換可能な複数の音声データの夫々が時間間隔をあけて放送番組中で放送される。
【0014】
上記放送番組の提供方法によれば、一時的に放送電波の受信強度が弱まったり妨害波が入ったりして、上記放送方式のエラー訂正方式によってエラーが訂正しきれない場合でも、上記の時間間隔をあけて放送した置換可能な別の音声データによって置換して音声出力を行うことが可能な放送番組を提供することができる。また、上記時間間隔が時間インターリーブ長以上としていることで、上記の別の音声データで置換できる確率が向上する。
【0015】
この場合の「置換可能な複数の音声データ」とは、本来放送される音声データと、少なくとも1つ以上の上記本来放送される音声データと音声内容が同じ別の音声データであり、ある音声データを別の音声データの代りに置換して出力することが可能なものを意味する。
【0016】
上記の「音声内容が同じ」とは、視聴者が聴く音声内容が同じ物であり、データの多重化等を行うための識別符号等の制御符号は異なっていてもよい。また、意図的に音声の音量、音響効果を微妙に変えたり、音声の圧縮比や、ステレオ/モノラルを変えたりするなどしても本発明の構成に含まれる。
【0017】
一方、複数の別の音声を放送して視聴者が選択するような場合、たとえば、二カ国語放送、多カ国語放送や、スポーツ中継など一方のチームの側に肩入れした解説音声を別に放送するなど、視聴者がその一つを選択して視聴することを目的とする複数の音声データは、1つの音声データに受信障害が発生しても、他の音声データで置換することができない。つまり、一般の視聴者にとって意味を成さないため、本発明には含まれない。
【0018】
また、この場合の「複数の音声データの夫々を時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する」とは、たとえば、前述の時間インターリーブ処理によって、各音声データが時間軸上に拡散される時間の中央値をもって、上記複数の音声データ間での上記中央値同士の時間間隔が時間インターリーブ長以上となるように設定して、上記複数の音声データを送信することを指す。
【0019】
あるいは、たとえば、各音声データに付随する提示時刻と、その音声データの放送時刻とのずれの時間の各音声データ間での差が、時間インターリーブ長以上となるように設定して、上記複数の音声データを送信することを指す。
【0020】
つまり、上記置換できる複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成とすることで、ある音声データの時間インターリーブ処理による時間軸方向での拡散の範囲が、置換できる別の音声データの時間インターリーブ処理による時間軸方向での拡散の範囲に対して重なりがなくなる。それにより、一時的に放送電波の受信強度が低下して、ある音声データの受信に障害が生じても、上記時間インターリーブ長以上の時間をずらして放送される置換可能な別の音声データには影響しない。そのため、一定の個数の置換できる音声データにおいて、受信障害の場合に音声出力を置換できる確率が大きく向上する。
【0021】
また、上記置換可能な複数の音声データが3個以上ある場合は、その全ての音声データ間で上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔を設けて放送することで、より確実に受信障害の出力を置換することができるので好ましい。しかし、上記置換可能な複数の音声データの組み合わせのいずれかについて、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送すればよく、必ずしも全ての置換可能な音声データを上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔を設けて放送する必要はない。
【0022】
また、上記の「時間インターリーブ処理」とは、放送方式において、時間軸上で積極的にデータを拡散させる処理であり、主に、フェージングによる一時的な受信電力の低下による放送の途切れを防止する目的のものである。上記のデータを拡散させる方法は、上記の時間インターリーブ処理の他にも、バイトインターリーブ処理や、ビットインターリーブ処理によってデータの拡散が行われ、その拡散の一部は、時間軸上に広がりを持つ場合がある。本発明の時間インターリーブ長は、それらの時間軸方向への拡散の幅を含めてもよい。しかし、たとえば、日本方式の地上デジタル放送の放送方式では、それらの時間軸方向への拡散幅は、時間インターリーブ処理による拡散幅に比べて小さく、実質上、無視して考えられる。
【0023】
また、上記の時間インターリーブ処理を用いた放送方式におけるエラー訂正では、上記時間インターリーブ長にわたって受信に障害が生じた場合は、エラー訂正ができなくなってしまう。それに対して、この発明では、置換可能な複数の音声データの夫々を上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成により、より長い時間の受信障害においても音声を置換して出力することが可能となる。
【0024】
また、特に視聴者の視聴時間の向上に大きく寄与する移動受信では、視聴者は、移動の状況に気を配りながら放送番組を視聴することが多く、周りの状況に目を配りながら映像をみるため、映像の一時的な途切れは意外と気にならない。一方、音声の途切れは聞いていて非常に気になることが多く、場合によってはせりふを聞き逃して番組の進行についていけなくなってしまう場合もある。そのため、この発明の放送番組の提供方法が特に効果を有する。
【0025】
また、音声データは、映像のデータに比べてきわめてデータ量が少ないため、置換可能な複数の音声データを放送しても本来の放送に支障を来たすことが少ない。そのため、特に映像のデータを置換可能な複数のデータとして送らず、音声データを置換可能な複数の音声データを放送する構成は、放送局、受信装置双方の負担が少ない割に上記のように視聴率を向上させる効果が大きいので特に好ましい。
【0026】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記置換可能な複数の音声データの夫々を放送する上記の時間的な間隔が1秒以上である。つまり、上記置換可能な複数の音声データの夫々が、1秒以上時間をずらして放送される。
【0027】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、移動受信において、特に音声の受信障害のない放送番組が提供できる。
【0028】
1秒以上時間をずらすというのは、たとえば、前述の時間インターリーブ処理によって、各音声データが時間軸上に拡散される時間の中央値をもって、上記複数の音声データ間での上記中央値同士の時間間隔が1秒以上として送信することを指す。
【0029】
あるいは、たとえば、各音声データに付随する提示時刻と、その音声データの放送時刻とのずれの時間の各音声データ間での差が、1秒以上となるように設定して送信することを指す。
【0030】
この場合も、上記置換可能な音声データが3個以上ある場合は、その全ての置換可能な音声データ間で1秒以上の時間的な間隔を設けて放送することで、より確実に受信障害の出力を置換することができるので好ましいが、必ずしも全ての音声データ同士を1秒以上の時間的な間隔を設けて放送する必要はない。
【0031】
上記の時間インターリーブ処理は、前述のように主にフェージングによる放送電波の受信強度の一時的な低下によるデータの欠落を補償することを目的としており、短時間の受信強度の低下を想定している。しかし、実際に放送を行ってみると、受信障害を起こしやすい条件が複数重なったり、受信位置が完全に電波的な影に入ってしまったりし、受信が途絶える機会が想定以上あった。
【0032】
たとえば、電車やバスに乗って移動している場合では、複雑なビルの配置によってフェージングによる受信強度の低下が連続して生じたり、大きなビルの影に入ったりして電波的に影になったりして受信が途切れる場合がある。また、歩行中や、駅のホームや、バスの停留所等の待合所では、通行する乗り物や人の影響が重なり受信が途切れる場合がある。
【0033】
しかし、上記のような環境で検討した結果、上記の受信障害は、ほとんどが1秒以上にわたって続くことがまれであることがわかった。そのため、置換可能な複数の音声データの夫々の間隔を1秒以上として放送する上記実施形態が特に効果を有する。
【0034】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記データ多重放送が、デジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによる放送である。
【0035】
つまり、置換可能な複数の音声データは、その他のデータ(例えば映像や字幕のデータ)と共にデータ多重化され、デジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによって放送される。OFDM変調方式では、他の放送法式と異なり、元々周波数帯域の一部を使用して狭帯域の放送を行うことができる利点を有する。たとえば、前述の地上デジタル放送のように、放送波の中の特定のOFDMセグメントを使用して番組を放送する部分受信セグメントによる放送が行われる場合がある。そして、移動受信では、受信装置の携帯性の制約から、この部分受信セグメントを利用する場合が多い。しかし、上記部分受信セグメントによる放送の場合、特に地上デジタル放送の規格では、映像、音声、字幕等のデータは同じエラー訂正方式、たとえば、同じ冗長度、同じ時間インターリーブ長で放送が行われるために、受信中に受信障害を生じる場合は全てが同じように受信できなくなってしまい、視聴者が番組の進行を見失いやすく、番組の視聴率が増加しない問題を生じる可能性がある。
【0036】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、上記のように音声の途切れを減少させて番組の視聴率を増加させる効果を有する。
【0037】
また、特に、上記部分受信セグメント放送では、受信装置が小型化されて移動受信の機会が増加するので上記の問題が著しい。また、とりわけ、移動受信では、受信アンテナに十分な指向性アンテナを用いない場合が多いので、フェージングの影響がより大きくより頻繁になる傾向がある。そのため、本発明の構成による効果が特に大きい。
【0038】
また、音声データは映像データに比べてデータ量が非常に少ないため、置換可能な複数の音声データを放送しても放送データ全体のデータ量の増加が少なく、部分受信セグメントによる狭帯域放送、とりわけ1セグメント放送に特に適する。
【0039】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データと、上記ステレオ音声データより時間的に早く放送される少なくとも1つ以上のモノラル音声データからなる。つまり、ステレオ音声データの放送時刻に対して、置換可能なモノラル音声データを相対的に早く放送する。
【0040】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する場合、置換可能な音声データの数が多いほど、あるいは時間的な間隔が長いほど音声の置換を正しく行える可能性が高くなる。しかし、一方、時間的に早く放送される音声データを保存しておくため受信装置の記憶容量を増加させる必要が生じる。本構成によってデータ量の小さいモノラル音声を早く放送することで、受信装置に必要な記憶容量の増加を小さくすることができる利点を有する。あるいは同じ記憶量でより多くの個数の置換可能な音声データを放送して音声出力を置換することを可能とする。
【0041】
また、放送する置換可能な複数の音声データのうちの少なくとも1つ以上をモノラル音声データとすることで、データ量の増加が小さくてすむ。そのため特に、放送帯域の小さな部分受信セグメントによる放送、とりわけ1セグメント放送に適している。
【0042】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、置換可能な複数の字幕データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する。このとき、上記置換可能な複数の字幕データのうちの少なくとも2つの字幕データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の字幕データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上とする。
【0043】
つまり、置換可能な複数の音声データと同じく、置換可能な複数の字幕データの夫々が、時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送される。映像データにエラーがあって映像が表示できない場合、視聴者はディスプレイ装置から情報が得られないのでつまらないと思う場合があり、視聴者は画面からつい目を離してしまう。
【0044】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、音声だけでなく、字幕の途切れも少なくなり、映像が途切れた場合でも、視聴者の視線を画面に引き付け、視聴率を向上させることができる。
【0045】
当然、音声や字幕に限らず、映像のデータも同様に置換できるデータを複数回放送しても構わないが、映像データは、音声や字幕のデータに比べてデータ量が格段に多く、限られた放送帯域の中で、特に部分受信セグメントによる放送等では、複数のデータを送信することができない場合が多い。
【0046】
それに対して、上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、データ量の少ない字幕を用いて上記のように視聴率を効果的に向上させることができる。
【0047】
この場合の「置換可能な複数の字幕データ」とは、本来放送される字幕データと、少なくとも1つ以上の上記本来放送される字幕データと字幕内容が同じ別の字幕データであり、ある字幕データを別の字幕データの代りに置換して出力することが可能なものを意味する。
【0048】
上記の「字幕内容が同じ」とは、視聴者が見る字幕内容が同じ物であり、データの多重化等を行うための識別符号等の制御符号は異なっていてもよい。また、意図的に字幕の表記を、あるいはその一部を、たとえば、漢字、ひらがな、カタカナとするなど、あるいは字体(筆記体、行書体、ゴシック体、斜体、等)を変えたりするなどしても本発明の構成に含まれる。
【0049】
一方、たとえば、日本語、英語、中国語、その他の外国語等のように、本来、別々の言語により視聴する目的で複数の字幕を放送する場合、つまり、二カ国語字幕、あるいは、多カ国語字幕で放送される場合もある。この場合は、ある言語の字幕の受信障害を他の言語によって置換しても一般の視聴者にとって意味をなさないため、本発明には含まれない。また、スポーツ中継など一方のチームの側に肩入れした解説字幕を別に放送するなど、視聴者がその一つを選択して視聴するような放送番組は、ある字幕データに受信障害が発生しても他の字幕データで置換することができないため、本発明には含まれない。
【0050】
また、たとえば、低年齢用の字幕(例えば仮名を主体とした字幕)と大人用の字幕(例えば漢字主体の字幕)の場合では、大人用の字幕の受信障害を低年齢用の字幕で置換することが可能であるので本発明に含まれるが、逆に低年齢用の字幕の受信障害を大人用の字幕で置換することは、低年齢者には意味をなさないので、この発明の目的としてはあまり好ましくない。
【0051】
また、この発明の受信装置では、データ多重放送が可能なデジタル放送で、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の音声データを含む放送を受信手段で受信して、受信された音声データを音声出力手段により出力する。そして、上記置換可能な複数の音声データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた音声データとは異なる置換可能な別の音声データによって上記音声出力手段の出力を音声置換手段で置換する。
【0052】
つまり、音声データを含む放送は、受信手段によって受信され、音声データは、たとえばスピーカ等から音声として出力される。このとき、受信障害が生じた音声データは、時間間隔をあけて放送されている置換可能な別の音声データによって置換されて出力される。
【0053】
上記構成の受信装置によれば、一時的に放送電波の受信強度が弱まったり妨害波が入ったりして、放送規格のエラー訂正方式によってエラーが訂正しきれない場合でも、上記の時間間隔をあけて放送した置換可能な別の音声データによって置換して音声出力を行うことができる。そして、時間的な間隔をあけて放送される置換可能な音声データが全ての放送時刻で受信障害とならない限りは、スピーカ等から音声が出力される。
【0054】
そのため、受信状態が劣化した場合でも、視聴者は、番組の進行でせりふ等の重要な情報が抜け落ちることがなくなり、視聴者に連続した放送を提供することができる。
【0055】
特に、置換可能な音声データは、時間的な間隔をあけて放送されていることにより、データの置換が効果的に行えることから、たとえば、受信装置はバッファなどの遅延手段を用いて、時間間隔をあけて放送されたデータを同期して置換出力する構成とする。
【0056】
また、一実施形態の受信装置では、上記複数の音声データ間で、上記音声データ毎にそれぞれ付加されている提示時刻または復号時刻を比較して、各音声データの受信障害を上記音声置換手段の障害検出手段で検出する。そして、上記障害検出手段によって受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ないと判断した音声データを、上記音声置換手段の選択送出手段により上記音声出力手段に出力する。つまり、複数回放送される音声データの提示時刻または復号時刻を比較して、複数の音声データ間での違いから各音声データの受信障害の有無を検出する。
【0057】
たとえば、別に放送された音声データに存在する、ある提示時刻または復号時刻の音声データが無ければ、その放送では、その音声データが受信障害で欠落していると判断する。そして、たとえば、受信障害のない別の置換可能な音声データを音声出力手段に出力する。
【0058】
この場合の「提示時刻」とは、音声を出力する時刻情報としての時刻である。また、「復号時刻」とは、圧縮された音声データを復号する順序や、復号する処理の時間を考慮して復号処理を始める時間を示す情報としての時刻である。
【0059】
上記実施形態の受信装置によれば、音声データに付加されている提示時刻または復号時刻を比較して音声データの受信障害の有無を検出することで、放送方式の規格上、特別な変更を行うことなく、複数の音声データから受信障害のない音声データ(あるいは受信障害の少ない音声データ)を選択し、障害のある音声データを、受信障害のない音声データ(あるいは受信障害の少ない音声データ)で置換して出力することができる。
【0060】
また、一実施形態の受信装置では、上記置換可能な複数の音声データが少なくとも1つ以上のステレオ音声データからなり、その置換可能な複数の音声データのうちのステレオ音声データの受信障害を障害予測手段で予測する。そして、上記障害予測手段によって、ステレオ音声データに受信障害が予測された場合、切り替え制御手段で、ステレオ音声データを加工してステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に次第に切り替える制御を行う。
【0061】
放送されるステレオ音声データに対して、置換可能な音声データとしてモノラル音声データが別に放送されているものとする。その場合、データ量が少なくて済むため、同じ放送帯域でより多くの置換可能な音声データを送信できるので、受信障害時に置換出力を行うことができる機会を増加させることができる。しかし、音声出力がステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に切り替わるとき、使用者に違和感を与えてしまう場合があった。
【0062】
上記実施形態の受信装置によれば、ステレオ音声出力からモノラル化した音声出力へ次第に切り替わることで、使用者の違和感を低減することができる。
【0063】
また、上記の受信障害が生じる可能性が高い場合とは、過去の所定期間でステレオ音声データが途切れる頻度が多かった場合や、実際にステレオ音声データが途切れなくとも、その他のデータ(例えば映像データ)などが、受信障害で途切れた場合、あるいはまた、復調時、復号時のエラー発生頻度が増加した場合をさす。たとえば、復号時のエラー発生頻度に所定のしきい値を設けて、そのしきい値を上回るエラー頻度を生じた場合に受信障害の可能性が高まったと判断するように構成することができる。特に、復調時、復号時のエラー発生頻度が増加した場合に、実際にステレオ音声データが途切れる前にモノラル音声データに切り替えをするように構成する方がより好ましい。
【0064】
また、一実施形態の受信装置では、上記切り替え制御手段により上記モノラル化した音声出力に切り換えられた状態から、上記障害予測手段によってステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、復旧制御手段で上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声出力に切り替える制御を行う。
【0065】
上記実施形態の受信装置によれば、上記の受信障害が復旧した場合、あるいは、上記の受信障害が生じる可能性が低くなった場合、上記のモノラル化した音声を次第にステレオ音声に自動的に切り替えることで、切り替えによる使用者の違和感を低減しつつ、利便性を向上させる。特に、移動受信の場合では、受信状況が繰り返し変化する場合が多く、そのたび毎に利用者が音声出力を設定する操作をしなければならなくなる場合がある。そのため本構成が特に適している。
【0066】
また、モノラル音声からステレオ音声への自動的な切り替えは、受信障害の復旧後すぐに切り替えを行ってもよいが、一定時間おいて切り替えを行うよう構成することがより好ましい。
【0067】
また、この発明の送信装置は、音声符号化手段で音声データを符号化する。そして、第1の遅延手段で、上記音声符号化手段で符号化された音声データを遅延させる。また、上記第1の遅延手段の遅延時間よりも、放送方式の時間インターリーブ処理によって音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上短い遅延時間で、第2の遅延手段で、上記音声符号化手段により符号化された音声データを遅延させる。そして、少なくとも上記第1の遅延手段と上記第2の遅延手段からの上記符号化された音声データを多重化したデータストリームをデータストリーム作成手段で作成する。そして、上記データストリームを放送手段により、データ多重放送が可能なデジタル放送として放送する。
【0068】
つまり、音声データはまず符号化される。放送を行うためには、上記の符号化された音声データを含めて放送全体で単位時間あたりのデータ量を放送帯域にあわせたデータストリームとする必要がある。そのために、上記符号化された音声データを遅延手段によって遅延させて、上記データストリーム作成手段への送出を調節することが行われる。このとき、上記第1の遅延手段の遅延時間に対して、上記第2の遅延手段の遅延時間を時間インターリーブ長以上の差だけ小さくする。なお、上記音声符号化手段により符号化され音声データは、置換可能な複数の音声データであって、そのうちの少なくとも2つの音声データの時間的な間隔が、上記第1,第2の遅延手段により時間インターリーブ長以上となるようにする。
【0069】
上記構成の送信装置によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて放送する放送番組を提供することができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の放送番組の提供方法および受信装置および送信装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0071】
〔第1実施形態〕
この発明の第1実施形態では、データ多重放送が可能なデジタル放送の一例としての日本方式の地上デジタル放送の伝送方式(BST−OFDM:Band Segmented Transmision−Orthogonal Frequency Division Multiplexing)による放送において、本発明の放送番組の提供方法およびそれを放送するための送信装置およびその放送を受信するための受信装置の説明を行う。上記の日本方式の地上デジタル放送は、時間インターリーブ処理を行う放送方式を採用している。
【0072】
また、特にデジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによる放送の一例として1セグメント放送(部分受信セグメントのうちの1セグメントのみを受信して視聴することを目的とした放送)における放送の場合について説明する。
【0073】
図1は、この発明の第1実施形態の送信装置のブロック図を示している。また、図2は、この発明の第1実施形態の受信装置のブロック図を示している。
【0074】
まず、全体の構成について説明する。図1は、上記のデータ多重放送が可能なデジタル放送を送信する送信装置の一例として本発明に関連する構成を中心として表記している。
【0075】
図1に示す送信装置は、音声データを符号化する音声符号化手段の一例として符号化部106aを有し、また、上記符号化部106aにより符号化された音声データを遅延させる第1の遅延手段の一例として遅延バッファ112と、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、上記符号化された音声データを遅延させる第2の遅延手段の一例として遅延バッファ115,116を有している。
【0076】
また、上記送信装置は、上記遅延112,バッファ115,116からの上記符号化された音声データを受け取り、それらを多重化したデータストリームを作成するデータストリーム作成手段の一例としてシステム符号化多重化部117を有している。
【0077】
また、上記送信装置は、データストリームを放送する放送手段の一例として、復調部119,送信部122を有している。
【0078】
また、図2は、上記のデータ多重放送が可能なデジタル放送を受信する受信装置の一例として本発明に関連する構成を中心として表記している。
【0079】
図2に示す受信装置は、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の音声データを含む放送を受信する受信手段の一例として、受信部201,復調部203,分離システム復号化部205を有している。
【0080】
また、上記受信装置は、上記音声データを出力する音声出力手段の一例として、音声用の復号化部225,スピーカ227を有している。
【0081】
また、上記受信装置は、上記置換可能な複数の音声データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた音声データとは異なる置換可能な別の音声データによって上記音声出力手段の出力を置換する音声置換手段の一例として音声置換部224を有している。
【0082】
次に、図1を用いて、放送番組の提供方法について、送信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0083】
放送番組のデータは、映像用のデータ入力部101、字幕用のデータ入力部102、音声用のデータ入力部103よりそれぞれ供給されるものとする。
【0084】
音声用の符号化部104,映像用の符号化部105,映像用の符号化部106では、上記データ入力部101,102,103よりの入力データをそれぞれ符号化し、1次パケット107,108,109aとして、それぞれ遅延バッファ110,111,112に送出する。
【0085】
たとえば、上記映像用のデータ入力部101,音声用のデータ入力部103からのテレビ映像データやテレビステレオ音声データは、上記符号化部104,106aで、MPEG−2(Moving Picture Experts Group Phase 2)やMPEG−4(Moving Picture Experts Group Phase 4)等の符号化方式により、映像フレーム毎、あるいは音声フレーム毎に符号化され、上記1次パケット107,109aが作成される。
【0086】
ここでは、1セグメント放送であるため、映像データの符号化にはMPEG−4方式が用いられ、音声データの符号化にはMPEG−2方式が用いられる。
【0087】
ここで、「映像フレーム」とは、1画面の映像データを意味し、「音声フレーム」とは、所定時間の音声波形のデータを意味し、共に各フレーム単位で1つの1次パケットを構成している。
【0088】
また、上記字幕用のデータ入力部102よりの字幕データは、上記字幕用の符号化部105で、一時期に表示する字幕(以降、字幕フレームと呼ぶ)のデータをまとめて、放送規格のフォーマットに従い、文字コードの変換を行い、文字フォントや、表示位置の指定データなどと共に符号化され、上記1次パケット108が作成される。
【0089】
このとき、システムタイムクロック(STC:System Time Clock)113からの時刻情報を用いて、受信装置での同期再生に必要な提示時刻(PTS:Presentation Time Stamp)114が上記各1次パケットに付加される。また、映像データ等では、更に復号を行う時刻を示す復号時刻(DTS:Decoding Time Stamp)が付加される場合もある。つまり、上記提示時刻や復号時刻は、上記の映像フレーム、音声フレーム、字幕フレームを視聴者へ提示するためのタイミングを示す情報の一例である。
【0090】
上記のMPEG−2、MPEG−4、字幕データの放送規格のフォーマットや、1次パケットへの変換は、各放送方式の既存の技術であり詳細な説明は省略する。
【0091】
この第1実施形態では、更に、上記音声用の符号化部106aの出力の1次パケット109aを複製して、別の1次パケットを作成し、遅延バッファ112と異なる遅延バッファ115に送出するように構成した。つまり、置換可能な複数の音声データの一例として同じ音声データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ112,115に送るように構成している。
【0092】
また、別の置換可能な複数の音声データの一例として、上記符号化部106aとは別の符号化部106bで、音声用のデータ入力部103からの音声データをステレオ音声の左右の音声波形を平均してモノラル化した音声データとして符号化して1次パケット109bを作成し、遅延バッファ116に送出するように構成している。
【0093】
そして、上記システム符号化多重化部117では、上記の各遅延バッファ110,111,112,115,116の1次パケットを読み出し、各1次パケットの違い、この場合、バッファ毎の違いを区別するための識別符号が付加された2次パケット(TSP:Transport Stream Packet)に再変換する。そして、上記2次パケットを多重化し、上記2次パケットが連続するトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)118を作成し、変調部119に送出する。
【0094】
また、上記システム符号化多重化部117では、図示していないが、他に番組配列情報(SI:Servece Information)や番組仕様情報(PSI:Program Specific Information)などのその他のデータ情報も符号化されて同様に多重化される。
【0095】
また、上記システムタイムクロック113からの上記時刻情報により受信時に各データの同期再生を行うためのシステムタイムクロックのリファレンス信号(PCR:Program Clock Reference)120が作成され、同様に上記システム符号化多重化部117で多重化される。
【0096】
このとき、上記各遅延バッファは、上記符号化部104,105,106a,106bの処理時間の変動を平滑化したり、データ量の変動のある1次パケットから一定の伝送速度の上記トランスポートストリーム118を作成するためのデータ量の不整合によるオーバーフローやアンダーフローを防止するバッファリングの働きをしたりする。そのため、微視的には遅延バッファの遅延時間は処理によってある程度変動する。以降、遅延バッファの遅延時間は、上記の遅延時間の微視的な変動を無視できる程度に平均化した値とする。
【0097】
この第1実施形態では、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて、上記置換可能な複数の音声データの夫々を時間間隔をあけて放送する方法の一例として、上記遅延バッファ116の遅延時間を上記遅延バッファ115の遅延時間より短く、上記遅延バッファ115の遅延時間を上記遅延バッファ112の遅延時間より短くし、各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とするように構成している。
【0098】
上記各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とすることで、1つのフェージングによる受信強度の低下の影響が別の置換可能な音声データにまで影響することをより確実に防ぐことができる。
【0099】
また、これは、上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データと、上記ステレオ音声データより時間的に早く放送される少なくとも1つ以上のモノラル音声データとからなる複数の音声データの一例となっている。つまり、上記遅延バッファ112,115の1次パケットが置換可能なステレオ音声データであり、上記遅延バッファ116の1次パケットが置換可能なモノラル音声データである。
【0100】
そして、上記変調部119では、上記システム符号化多重化部117で作成された上記トランスポートストリーム118を変調し、ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を作成して送信部122に送出する。
【0101】
この第1実施形態の送信装置では、地上デジタル放送の伝送方式を用い、上記変調部119で、エラー訂正のための冗長化処理、エネルギー拡散処理、時間インターリーブ処理、周波数インターリーブ処理等のインターリーブ処理などの後、離散逆フーリエ変換やデジタルアナログ変換等を行ってベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を作成する。
【0102】
そして、上記送信部122で、ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を、周波数変換器,フィルタ,アンプ等を通して高周波信号とし、アンテナより放送電波として放送する。
【0103】
上記システム符号化多重化部117での2次パケットの生成方法や上記変調部119や上記送信部122の構成は、既存の技術であり詳細は省略する。
【0104】
上記第1実施形態の送信装置によれば、上記遅延バッファ112,115,116の遅延時間の差を上記時間インターリーブ長以上にしているために、置換可能な複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する放送番組を提供することが可能となる。
【0105】
また、上記放送番組の提供方法によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を放送方式の時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送するため、上記変調部119のエラー訂正方式によるデータの拡散が上記の置換可能な複数の音声データ間で時間的に重ならない。そのため、放送方式のエラー訂正でエラーが訂正しきれなかった場合でも、上記置換可能な複数の音声データの内の置換可能な別の音声データが正常に受信できている可能性が高く、上記のエラー訂正しきれなかった場合でも音声の出力を継続できる放送番組を提供することができる。
【0106】
また、上記放送番組の提供方法では、視聴者の利用状況に合わせて、放送局が上記置換可能な音声データの放送回数や、複数回放送するそれぞれの放送時間の時間間隔を簡単に調節することが可能となる利点を有する。特に放送方式の規格を変更することなく変更することができる特別の利点がある。
【0107】
また、この第1実施形態では、上記符号化部106aの出力の上記1次パケット109aを複製して、上記遅延バッファ112に対して別の置換可能な音声データの1次パケットを作成し、遅延バッファ115に送出するように構成したが、上記音声用のデータ入力部103からの音声データを用いて、上記符号化部106bと同じように、上記符号化部106aとは別の符号化部を用いてパケット化されたデータを作成し、上記遅延バッファ115に送出するように構成してもよい。
【0108】
上記符号化部106a,106bのように符号化部が別の場合、置換可能な音声データ間で、同一の内容の音声データに対して、付加する提示時刻を同一にすることが好ましいが、上記提示時刻を一定時間のオフセット量だけずらして放送し、受信側でオフセット量だけ考慮して処理するように構成することもできる。
【0109】
次に、図2を用いて、放送番組を受信する受信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0110】
まず、受信部201において、放送電波をアンテナで受信し、チューナ,アンプ,フィルタ,周波数変換器等を通して選局した放送局の放送番組のベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202に変換する。
【0111】
そして、復調部203では、上記ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202を復調して、2次パケット(TSP)が連続するトランスポートストリーム(TS)204を再生する。
【0112】
この第1実施形態では、地上デジタル放送方式の受信装置として、上記復調部203で、上記ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202をアナログデジタル変換、離散フーリエ変換、デインターリーブ処理、エラー訂正処理を行って2次パケットを復調する。
【0113】
この過程で、図1に示す送信装置の変調部119で作成された冗長化された符号を用いて、2次パケット単位でエラー訂正が行われる。そのため、エラーが訂正しきれなかった2次パケットは欠落することになる。
【0114】
次に、分離システム復号化部205で、上記トランスポートストリーム204をデータの種類毎に1次パケット206,207,208,209,210に分離復号し、それぞれ、映像用のデータバッファ211、字幕用のデータバッファ212、音声用のデータバッファ213,214,215に送出する。
【0115】
つまり、図1のシステム符号化多重化部117で、2次パケットに付加した上記識別符号によりデータを区別することで多重化されたデータを分離し、図1の遅延バッファ110,111,112,115,116における送信側の1次パケットに対応する1次パケットとして、上記1次パケット206,207,208,209,210を再生する。
【0116】
このとき、エラーが訂正しきれずに欠落した2次パケットから再生されるべき1次パケットは、同じく再生できずに欠落することになる。
【0117】
また、システムタイムクロックのリファレンス信号(PCR)216も同様に復号され、システムタイムクロック再生部217により同期再生のためのシステムタイムクロックが再生される。
【0118】
そして、映像用の復号化部218では、上記映像用のデータバッファ211の1次パケットを復号してテレビ映像信号219とし、映像合成部220に送出する。
【0119】
また、映像合成部220では、複数の入力映像信号、つまり、テレビ映像信号や字幕映像信号や装置の状態を示す映像信号等を合成してディスプレイ221に表示する。
【0120】
また、上記字幕用の復号化部222では、放送方式のフォーマットに従い1次パケットを復号し、字幕映像信号223を作成し、上記映像合成部220に送出する。それによって、字幕が上記映像信号に合成されてディスプレイ221に表示される。
【0121】
また、音声置換部224では、上記音声用のデータバッファ213,214,215の1次パケットを読み出し、音声データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な音声データの1次パケットを音声用の復号化部225に送出する。
【0122】
音声用の復号化部225では、上記音声用の復号化部225からの1次パケットを復号して音声信号226とし、スピーカ227より出力する。
【0123】
このとき、上記各データの復号化部218,222,225では、各1次パケットに付加されている提示時刻と、上記システムタイムクロック再生部217からの時刻情報228とによって出力時刻を制御することで、各復号化部からの出力を同期させる。
【0124】
また、場合によっては、地上デジタル放送での映像データのように、1次パケットに付加されている復号時刻にあわせて復号処理を行い、提示時刻にあわせて出力するように処理を行う場合もある。
【0125】
上記の復調部203、分離システム復号化部205、および、各復号化部218,222,225の構成や、復調処理、分離処理、システム復号化処理、および、各データの復号処理の手順は、既存の技術であり詳細は省略する。
【0126】
次に、上記音声置換部224において音声データの受信障害を検出する方法について図5に示すフローチャートで説明する。この第1実施形態では、1次パケット中の音声データに付加される提示時刻を用いて受信障害を検出している。
【0127】
先ず、各置換可能な複数の音声データを有する音声用のデータバッファ213,214,215から、それぞれデータバッファ中で最も早い提示時刻の音声データを取得し、その中でさらに最も早い提示時刻の音声データを選出する(S11)。この第1実施形態の場合、音声データの1次パケットは、提示時刻順に送信されてくるので、各データバッファに最も速く送出されたデータをデータバッファ間で比較することになる。このとき、たとえば、データバッファにデータが保持されていないものがあれば、最も早い提示時刻の所定時間前の時刻(つまり、表示処理の時間を考慮して提示時刻に表示が間に合う時間)まで、次のステップS12に進まないようにし、データバッファにデータが着信するのを待つようにすることができる。
【0128】
次に、ステップS11で選出した音声データについて受信障害を判断する(S12)。つまり、選出した音声データの提示時刻と同じ提示時刻の音声データは受信障害が無いと判断し、それよりも遅い提示時刻の音声データは、受信障害が発生して正常な音声データではないと判断する。当然、ステップS11,S12では、全ての音声用のデータバッファのデータが受信障害を生じてしまっている場合には、それらの中でより受信障害の少ない音声データを選択することになる。
【0129】
このとき、音声置換部224では、受信障害が無い場合はステレオ音声データを有している音声用のデータバッファ213,214のデータを優先し、音声用のデータバッファ213,214共に受信障害で1次パケットが欠落している場合に、モノラル音声データを有している音声用のデータバッファ215のデータを出力するように構成し、できるだけ高音質の音声を視聴者に提供するようにしている。
【0130】
次に、上記受信障害のない音声データを音声用の復号化部に送出する(S13)。上記音声用の復号化部225に送出された音声データは、前述のように復号され、スピーカ227より出力される。
【0131】
その後、上記受信障害のなかった音声データ(送出が終了した音声データ)は破棄し、受信障害で正常な音声データでないものは、時間的に後の音声データなので、後で利用するために対応する元のデータバッファに戻す(S14)。
【0132】
そして、終了の指示が無ければ、ステップS11に戻り、処理の終了の指示があった場合は、処理を終了する(S15)。
【0133】
以上によって、各データバッファの音声データを比較して、受信障害を検出することが可能となる。そして、受信障害のない音声データを用いてスピーカ227より出力することができる。
【0134】
上記のステップS12において、比較する上で、提示時刻は各データバッファの複数の音声データで一致していることが好ましいが、規定の一定の間隔をあけるように、あるいは、規定の時間内で提示時刻をずらすように放送されている場合、それを考慮して比較することも可能である。
【0135】
あるいはまた、地上デジタル放送での映像データのように、1次パケットに付加されている復号時刻にあわせて復号処理を行い、提示時刻にあわせて出力するように制御を行う場合もあるので、上記提示時刻の代りに上記復号時刻を用いて上記の受信障害の検出、また、その場合の置換出力を行う場合もある。
【0136】
このように、ステップS11,S12によって、上記複数の音声データ間で、上記音声データ毎にそれぞれ付加されている提示時刻または復号時刻を比較して、各音声データの受信障害を検出する障害検出手段が構成される。
【0137】
また、ステップS13によって、上記障害検出手段により受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ないと判断した音声データを音声出力手段に出力する選択送出手段が構成される。
【0138】
また、この第1実施形態では、音声データの受信障害の検出は、上記データバッファ213,214,215の後で行っているが、これに限られるものではなく、たとえば、音声波形に復号後、各音声波形間で復号時刻を比較して受信障害を検出することもできる。しかし、復号後に行うと、復号されたデータ量の大きくなった複数の音声波形を保持する容量の大きな記憶領域が必要となる。そのため復号前に置換処理を行うことがより好ましい。
【0139】
あるいは、上記分離システム復号化部205の直後で各1次パケットを、既に蓄積されている1次パケットと比較して受信障害を検出して、置換することもできる。この場合、データバッファを複数持つ必要がなくなる利点を有する。
【0140】
次に、受信装置の受信障害時とその復旧後の動作について説明する。
【0141】
ここでは、音声と映像による通常のテレビの視聴を行う場合を例としている。
【0142】
先ず、上記分離システム復号化部205は、字幕の1次パケットの分離およびシステム復号を停止し、映像と音声の1次パケットの分離およびシステム復号を行うよう設定される。これによって字幕の1次パケット207は出力されずに字幕出力が停止する。
【0143】
映像と音声の1次パケット206,208,209,210は、各バッファに出力され、上記の説明のように提示時刻に映像が上記ディスプレイ221に表示され、音声がスピーカ227から出力される。これによって、利用者はテレビ映像と音声を視聴することができる。
【0144】
そして、一時的に受信電波が弱くなるなどの受信障害が発生し、上記復調部203で行われる放送方式のエラー訂正でデータを復元できる許容量を超えると、2次パケットのあるものは欠落し、映像や音声の1次パケットが欠落する。
【0145】
しかし、上記音声置換部224では、置換可能な複数の音声データの1次パケットを用いて置換して音声データを出力するため、しばらくは、正しい1次パケットを出力することができる。この場合、音声出力は上記のようにモノラル音声となる場合もある。
【0146】
移動受信では、フェージングや障害物による電波の遮蔽によって一時的に受信ができなくなる場合が多く、移動に伴って復旧するので、1次パケットの欠落は、その後、ほとんどの場合1秒以内で復旧する。
【0147】
受信障害が復旧するまでの時間より、置換可能な複数の音声データの放送される放送時刻の間隔、すなわち、遅延バッファ112,115,116の遅延時間の差が大きければ、受信障害前に受信した1次パケットによって置換して正しい音声データを出力することが可能となる。
【0148】
上記第1実施形態の受信装置によれば、上記のように時間間隔をあけて放送された置換可能な音声データを用いて、エラー訂正しきれなかった場合でも、置換可能な別の音声で置換出力できるため、音声が途切れることが少なくなり、利用者は音声を聴きながら、番組の進行を追いかけることができ、番組の進行を見失うことなく受信障害の復旧を待つことができる。
【0149】
〔第2実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した放送番組の提供方法および送信装置の異なる形態について第2実施形態として説明する。
【0150】
この第2実施形態では、上記第1実施形態の図1に示す送信装置のシステム符号化多重化部117で、全体の送信データ量に応じて、放送帯域に収まる範囲内で、置換可能な音声データの放送回数を増減させるように構成している。
【0151】
この第2実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0152】
図1で説明すると、符号化多重化部117で送信データ量が多い場合は、遅延バッファ116から読み出した音声データを2次パケットに変換せずにデータを捨て、送信データ量が少なく放送帯域に余裕がある場合は、遅延バッファ116から読み出した音声データを2次パケットに変換するように構成する。
【0153】
上記の処理を、図4のフローチャートで説明すれば、先ず、送信データ量を算出する(S1)。この場合の送信量は、映像、音声、字幕、その他、前述の番組配列情報(SI)や番組仕様情報(PSI)などの上記放送回数を増減させる音声データ以外、つまり遅延バッファ116の1次パケット以外の合計の送信データ量を指す。
【0154】
次に、置換可能な音声データを追加した場合の送信データ量を算出し(S2)、放送帯域に収まるか否かを判断する(S3)。
【0155】
そして、上記ステップS3で放送帯域に収まる範囲のデータ量の場合は、置換可能な音声データを追加し(S4)、上記ステップS3でデータ量が放送帯域に収まらないデータ量の場合は、置換可能な音声データを追加せずに、破棄する(S5)。
【0156】
以上を、たとえば、単位時間毎、あるいは、置換可能な音声データの1次パケットの取得毎に行う。
【0157】
このように、データが送信されたりされなかったりする置換可能な音声データは、結果として不定期にデータが間引かれた置換可能な音声データとなる。そのため、以上の放送を受信した場合では、置換可能な音声データのあるものは、放送帯域の混み具合によって元々欠落しているものがあることになる。しかし、欠落した置換可能な音声データは、第1実施形態で説明した受信装置において、通信障害によって置換可能な音声データが欠落したものと同様に扱うことができ、欠落していない置換可能な音声データは、他の正常に受信された音声データと同じく音声を置換出力することが可能となる。
【0158】
置換可能な複数の音声データを放送した場合、特に上記の部分受信セグメントによる放送、とりわけ1セグメント放送では、放送帯域の多くを占めて、番組配列情報や、番組仕様情報など、その他のデータ放送を多重することに支障が生じる場合がある。しかし、一定以上の放送帯域を確保しておいたのでは、置換可能な複数の音声データの数が減ってしまうことになる。
【0159】
上記第2実施形態の放送番組の提供方法および送信装置によれば、放送データの少ないときには置換可能な音声データの放送回数を増加し、放送データの多いときには置換可能な音声データの放送回数を減少するため、放送帯域をより有効に利用して音声データを置換出力することができる。
【0160】
また、上記ステップS3,S5で意図的に音声データを欠落させた場合でも、実際の通信障害と同様に扱うことができ、受信装置に特別な機構を追加する必要がない利点を有する。
【0161】
つまり、ステップS1,S2,S3,S4,S5によって、上記置換可能な複数の音声データの一部の放送が、上記一部のデータ以外の他のデータのデータ量に応じて行われ、全体のデータ量が放送帯域以下となるように制御するデータ量調整手段が構成される。
【0162】
また、ステップS3で放送帯域とデータ量の比較を行う場合、放送帯域ぎりぎりまで置換可能な音声データを追加するように構成しても構わないし、総データ量が帯域よりある程度少なくなるように設定することもできる。地上デジタル放送では、総データ量が放送帯域より少ない場合は、2次パケットに自動的にダミーデータが付加されて、最終的なデータ量を一定にする様に規格化されている。
【0163】
〔第3実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した受信装置の異なる形態について第3実施形態として説明する。
【0164】
この第3実施形態の受信装置では、受信した個々の置換可能な複数の音声データの受信障害を検出せず、置換可能な複数の音声データを提示時刻または復号時刻に応じて、音声置換部224で音声用の復号化部225に送出するかどうかを切り替えるように構成している。
【0165】
この第3実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0166】
図2を用いて説明すれば、音声置換部224は、提示時刻または復号時刻から、まだ音声用の復号化部225へ送出していないと判断されるものは送出し、既に置換可能な別の音声データを送出したと判断されるものは送出しないように構成している。
【0167】
つまり、図6のフローチャートで説明すれば、先ず、最後に送出した音声データの提示時刻を記憶する(S21)。つまり、最後に音声用の復号化部225に送出した音声データの提示時刻を記憶する。
【0168】
次に、各置換可能な複数の音声データの提示時刻となったものを順次取得する(S22)。実際には、表示までの処理に要する時間を考慮して提示時刻より少し前に取得する様にする。つまり、各置換可能な複数の音声データを、各データバッファ213,214,215から順番に検索して、現時点で表示処理すべき提示時刻の音声データを取得する。
【0169】
次に、ステップS22で取得した音声データの提示時刻と、ステップS21の最後に送出した音声の提示時刻とを比較して、提示時刻が同じか否かを判断する(S23)。
【0170】
一方、ステップS23で提示時刻が同じであれば、音声データを破棄する(S24)。つまり、既に音声復号化部に送出した音声データと同じ内容の置換可能な別の音声データであるため復号が不要なため破棄する。
【0171】
ステップS23で提示時刻が異なれば、音声データを音声用の復号化部225に送出する(S25)。つまり、音声出力を行う時期となっているが、まだ出力されていない音声データであり、上記音声復号化部で復号し、音声出力を行う。
【0172】
ステップS24,S25の後、終了の指示が無ければ、ステップS21に戻り、処理の終了の指示があった場合は、処理を終了する(S26)。そして、ステップS21に戻った場合は、ステップS24,S25で送出された音声データの提示時刻が最後に送出した音声データの提示時刻として記憶されることになる。
【0173】
以上によって、個々の置換可能な複数の音声データの受信障害を検出する特別な機構を設けることなく、受信障害において置換可能な音声データを相互の間で置換して画面に出力することができる。
【0174】
このように、ステップS21,S22,S23,S24,S25によって、上記置換可能な複数の音声データを置換可能な音声データが重複しないよう選別して送出する音声データ送出手段が構成される。
【0175】
上記第3実施形態によれば、受信障害が無い場合は、置換可能な複数の音声データは、最初のもの以外は次々に破棄される。そして、ある音声データに受信障害が生じた場合は、受信障害が生じていない別の置換可能な音声データで置換されて音声データが送出される。つまり、破棄されるデータの個数が減るだけで、置換可能な音声データの全てが受信障害となるまでは正しく音声データの送出が行われ、音声出力が行われる。
【0176】
〔第4実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した受信装置の異なる形態について第4実施形態として説明する。
【0177】
この第4実施形態の受信装置では、ステレオ音声データの受信障害に応じてステレオ音声出力を自動的に次第にモノラル化した音声出力に、あるいはモノラル化した音声出力を自動的に次第にステレオ音声出力に戻す構成としている。
【0178】
この第4実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0179】
以下、上記第1実施形態での放送番組のように、本来のステレオ音声放送と、置換可能な音声データとして、別のステレオ音声放送とまた別のモノラル音声放送とを受信しているものとする。また、制御は音声の切り替えに関する動作に限って説明を行う。
【0180】
図2で説明すれば、分離システム復号化部205は、音声,映像の1次パケットの分離および復号化を行うよう設定する。また、音声置換部224は、1次パケットとともに、ステレオ音声のデータの数を音声復号化部に通知するように構成する。
【0181】
音声用の復号化部225は、ステレオ音声データをステレオの音声出力とモノラルの音声出力との間で、滑らかに次第に変化するように加工できるように構成する。
【0182】
そして、音声用の復号化部225は、音声置換部224から通知される欠落のないステレオ音声のデータの数が2未満になるとステレオ音声を次第にモノラル化して出力するように構成する。また、欠落のないステレオ音声のデータの数が2になり、2の状態のまま一定時間が経過した場合は、モノラル化した音声をステレオに次第に戻すように設定する。
【0183】
まず、図3で、横軸301に時間の経過を、縦軸302に音声データの出力、例としてヘッドホンの片方のスピーカの出力を示して上記の音声を次第に切り替える様子を説明する。
【0184】
図3では、横軸の矢印303で示した期間が、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値(上記の場合2)未満になった時間とする。
【0185】
先ず、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステレオ音声を出力し(304)、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値未満になると、ステレオ音声の出力を次第に小さくし(305)、ステレオ音声の左右の波形を平均化して作成したモノラル音声の出力を次第に大きくする(306)。これによって使用者にステレオ音声出力からモノラル化した音声出力への切り替わりがあったことをあまり感じさせずに切り替えを行うことができる。
【0186】
これによって、更に受信状態が劣化して欠落のないステレオ音声データの数が0になって、音声データが切り替わってモノラル音声データとなった場合でも、既にモノラル音声となっているので違和感を生じない。
【0187】
そして、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の状態に復帰し、矢印308で示す一定期間だけ欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の状態が継続すると、ステレオ音声出力を次第に増加し(309)、モノラル音声出力を次第に減少する(310)ことで使用者があまり気づかないようにステレオ音声(311)に切り替える。
【0188】
ステレオ音声出力とモノラル音声出力をこのように次第に切り替えることで使用者に違和感を与えないで切り替えることが可能となる。
【0189】
また、図3では、ステレオとモノラルとの切り替えを次第に行う方法の一例として、直線的に変化させる構成(305,306)と、階段的に変化させる構成(309,310)を示しているが、直線的な変化や、階段的な変化に限定されるものではなく、視聴者に気づきにくい程度に滑らかに変化させるように構成すればよい。
【0190】
以上の処理の流れをより詳しく図7に示すフローチャートで説明すれば、まず、音声用の復号化部225はステレオ音声を出力する設定とする(S31)。つまり、受信障害がなく正常に放送番組が受信できている場合は、利用者はディスプレイに表示されるテレビ映像と、スピーカから出力されるステレオテレビ音声によって放送番組を視聴する。
【0191】
次に、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満かどうか判断する(S32)。受信状態が悪くなった時にステレオ音声データのがある間に次第にモノラル音声に切り替えることからしきい値は2以上とすることが好ましい。1の場合は、1音声フレームの時間の間にステレオからモノラルに切り替えることになり切り替えがあまり滑らかにできないためである。当然、1未満は効果が無い。この場合は、しきい値はたとえば2に設定している。
【0192】
また、当然、置換可能なステレオ音声データの数より大きな値でも効果がない。
【0193】
ステップS32で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステップS32に戻って判断を繰り返す。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数だけ受信できているので、ステレオ音声が途切れる心配がない状態である。
【0194】
一方、ステップS32で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満の場合は、ステレオ音声出力を次第にモノラル音声出力に切り替える指示を出す(S33)。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数を下回りステレオ音声が途切れる心配が生じた状態である。
【0195】
この第4実施形態では、上記の切り替える指示は音声用の復号化部225で処理され、音声データを復号するときにステレオ音声のデータでもモノラル音声となるように左右の音声波形を加算する等して加工するように処理を切り替える。また、このとき、図3に示したようにステレオ音声からモノラル音声に滑らかに切り替わるようにする。
【0196】
次に、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上かどうか判断する(S34)。このときのしきい値は、ステップS32でのしきい値と同じでも異なっても構わない。しかし、上記と同じ理由で、2以上が好ましい。0では効果が無い。また、同じように、ステレオ音声データの数より大きな値でも効果がない。ここでは、しきい値は同じ値の2に設定する。
【0197】
ステップS34で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満の場合は、ステップS34に戻る。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数だけ受信できていないので、ステレオ音声が途切れる心配が続いている状態である。このとき、たとえば、受信障害の無いステレオ音声データの数が0になり、モノラル音声のデータしか無い場合は、当然モノラルの音声出力となる。しかし、既にモノラル音声となっているので、ステレオからモノラルに急に切り替わることがないため、視聴者に違和感を与えない。
【0198】
一方、ステップS34で受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステップS34でのしきい値を超えた期間が所定の期間続いたか判断する(S35)。
【0199】
そして、ステップS35で、しきい値以上の期間が所定の期間続いていない場合、ステップS34に戻る。
【0200】
一方、ステップS35で、しきい値を超えた期間が所定の期間続いた場合、モノラル音声出力を次第にステレオ音声出力に切り替える指示を出す(S36)。この場合、受信障害のないステレオ音声のデータがあるので、音声出力は、ステレオ音声データをモノラル音声に加工して出力している状態である。上記の指示は音声復号化部で処理されステレオ音声のデータをモノラル音声に加工していた処理を、図3に示すようにステレオ音声の出力の処理に滑らかに切り替える。
【0201】
以上を終了の指示があるまでステップS32に戻って繰り返す(S37)。
【0202】
このように、ステップS32およびステップS34によって、上記置換可能な複数の音声データの中で、ステレオ音声データの受信障害を予測する障害予測手段が構成される。
【0203】
また、ステップS33によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測された場合、ステレオ音声データを加工してステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に次第に切り替える制御を行う切り替え制御手段が構成される。
【0204】
また、ステップS36によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声に切り替える制御を行う復旧制御手段が構成される。
【0205】
また、特に、ステップS34,S35,S36によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、その状態が一定期間を経た後、上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声に切り替える制御を行う手段が構成される。
【0206】
また、受信装置の電源の切断や受信の設定、出力の設定の変更等のために、記載していないが、上記の各ステップから処理が終了される場合もある。
【0207】
上記第1実施形態の図1に示す送信装置での1次パケット109bのように、音声データをモノラル化して符号化した場合、ステレオのままよりもデータ量が約半分となり、音声データを複数回放送する場合でも放送帯域の増加が小さくて済む利点がある。あるいは、一定の放送帯域ではより多くの置換可能な複数の音声データを放送することができる。
【0208】
しかし、一方でステレオ音声データの受信障害の前後で、ステレオの音声データ(1次パケット109a)とモノラルの音声データ(1次パケット109b)との間で切り替わる時、視聴者は音の広がりの変化に違和感を感じてしまう場合がある。
【0209】
特に、受信障害によってステレオ音声出力とモノラル音声出力の切り替わりが頻繁に生じた場合、使用者が特に耳障りに感じてしまう場合がある。
【0210】
上記第4実施形態によって、ステレオ音声の受信障害のない音声データがなくなるか、または、なくなる可能性が高くなると、あらかじめモノラル音声に次第に出力を切り替え、モノラル音声に切り替わったときに違和感を与えないようにすることができる。
【0211】
また、上記の状況から復旧すると、モノラル音声からステレオ音声に次第に切り替え、このときも視聴者に違和感を与えないようにすることができる。
【0212】
そのため、視聴者は音声の切り替わりに違和感を感じることが少なくなり、安定した視聴が可能になる。
【0213】
また、復調部203での2次パケット単位のエラー訂正において検出されるエラーの頻度を信号化(エラー信号229)し、それを用いて受信状態が悪くなった場合に、受信障害の発生に先駆けて音声を次第にモノラル化するように構成することもできる。つまり、この第4実施形態での地上デジタル放送では、2次パケットあたり一定量までのエラーは復調部203のエラー訂正機構により訂正されるので、エラーの頻度がエラー訂正できる限界の量に近づいたとき音声を次第にモノラル化するように構成する。たとえば、エラー頻度に所定頻度としてのしきい値を設け、しきい値を境として音声を切り替えるように構成する。それによって、受信障害に先駆けて音声をモノラル化することができる。
【0214】
その場合、置換可能な複数のステレオ音声データを持つことなく、エラーに先駆けてモノラル音声に次第に切り替えることが可能である。
【0215】
また、復調部203のエラー頻度が一定以上となり受信障害が生じた後、1秒弱程度の音声データは音声用のデータバッファにあるデータで音声出力ができる場合があるので、その時間で音声を次第にモノラルに切り替えるようにしても良い。しかし、音声用のデータバッファで出力できる時間は短いので、十分滑らかに音声を切り替えることができないので、前述のように一定のしきい値のエラー検出頻度で音声をモノラル化するようにした方がより好ましい。
【0216】
また、受信障害(あるいは音声をモノラル化する条件)から復旧して一定時間を置いて音声をステレオに自動的に戻すようにした方が、音声がモノラル化したりステレオ化したりを短期間の間に繰り返すことがなく、より好ましい。
【0217】
この第4実施形態では、受信状態の回復後、自動的にステレオ音声に戻すように構成したが、利用者が指示をしてステレオ音声出力に戻すように構成してもよい。その場合、たとえば受信状態をエラーの頻度としてディスプレイに棒グラフなどでの表示をするように構成し、利用者が受信状態を確認できるようにすることが好ましい。
【0218】
この第4実施形態では、上記のようにステレオ音声とモノラル音声との切り替えを滑らかに行う方法について説明したが、その他に、データ量の多い高音質の音声とデータ量の少ない低音質の音声の切り替えを同じように行うことができる。
【0219】
つまり、受信できている高音質の音声データの数に所定のしきい値を設けて、その値を下回った場合に次第に低音質の音声に切り替えるように音質を切り替える。また、受信状態が回復して、しきい値以上となれば、高音質に再び次第に切り替える。上記音質の切り替えは、たとえば図3に示したように直線的に、あるいは段階的に高音質の音声と低音質の音声の音量を変化させることで可能である。
【0220】
特に地上デジタル放送規格で移動受信に主に利用される部分受信セグメントでは、放送帯域が小さく、置換可能な音声データの一部の音声データの音質を低下させてデータ量を小さくし、置換可能な音声データの数を多くすることが効果的である。
【0221】
〔第5実施形態〕
次に、この発明の第5実施形態では、第1実施形態と同じく、データ多重放送が可能なデジタル放送の一例としての日本方式の地上デジタル放送の伝送方式による放送において、データ多重放送が可能なデジタル放送を送信する送信装置および受信装置の一例について説明する。この第5実施形態の送信装置は、置換可能な複数の音声データに加えて、置換可能な複数の字幕データの夫々を時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成をしている。
【0222】
この第5実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0223】
図8は、この発明の第5実施形態の送信装置のブロック図の一部であり、図1の送信装置と一部が異なる部分を示しており、それ以外の部分は図1と同じであり省略している。また、図9は、この発明の第5実施形態の受信装置のブロック図の一部であり、図2の受信装置と一部が異なる部分を示しており、それ以外の部分は図2と同じであり省略している。なお、図8,図9において、図1,図2と同一の構成部は同一参照番号を付している。
【0224】
まず、全体の構成について説明する。
【0225】
図8に示す送信装置には、字幕データを符号化する字幕符号化手段の一例として符号化部105を有し、また、上記符号化部105により符号化された字幕データを遅延させる遅延バッファ111と、上記字幕データを遅延させる遅延バッファ111の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、上記符号化された字幕データを遅延させる遅延バッファ901を有している。
【0226】
また、上記送信装置は、上記字幕データを遅延させる遅延バッファ111と上記字幕データを遅延させる遅延バッファ901からの上記符号化された字幕データを受け取り、それらを多重化したデータストリームを作成するデータストリーム作成手段の一例としてシステム符号化多重化部117を有している。
【0227】
また、図9に示す受信装置は、上記字幕データを出力する字幕出力手段の一例として、字幕用の復号化部222,映像合成部220,ディスプレイ221を有している。
【0228】
また、上記受信装置は、上記置換可能な複数の字幕データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた字幕データとは異なる置換可能な別の字幕データによって上記字幕出力手段の出力を置換する字幕置換手段の一例として字幕置換部904を有している。
【0229】
また、図9では省略しているが、上記受信装置は、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の字幕データを含む放送を受信する受信手段の一例として、図2に示す受信部201,復調部203,分離システム復号化部205を有している。
【0230】
次に、図8を用いて、放送番組の提供方法について、送信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0231】
放送番組のデータが、映像用のデータ入力部101,字幕用のデータ入力部102,音声用のデータ入力部103よりそれぞれ供給され、符号化部104,105,106aでそれぞれ符号化し、1次パケット107,108,109aとして、それぞれ遅延バッファ110,111,112に送出するのは第1実施形態と同じである。
【0232】
この第5実施形態では、更に、上記字幕データ符号化部105の出力の1次パケット108を複製して別の1次パケットを作成し、遅延バッファ111と異なる遅延バッファ901に送出するように構成した。つまり、置換可能な複数の字幕データの一例として同じ字幕データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ111,901に送るように構成している。
【0233】
また、上記音声データ符号化部106aの出力の1次パケット109を複製したものは、遅延バッファ115に送出するように構成した。
【0234】
この第5実施形態では、第1実施形態とは異なって、図2での音声データ符号化部106bおよび遅延バッファ116がない構成としている。つまり、置換可能な複数の音声データの一例として同じ音声データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ112,115の2箇所に送るように構成している。
【0235】
そして、上記システム符号化多重化部117では、上記の各遅延バッファ110,111,901,112,115の1次パケットを読み出し、各1次パケットの違い、この場合、バッファ毎の違いを区別するための識別符号が付加された2次パケット(TSP)に再変換する。そして、上記2次パケットを多重化し、上記2次パケットが連続するトランスポートストリーム(TS)118(図1に示す)を作成し、変調部119(図1に示す)に送出する。。
【0236】
この第5実施形態では、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて、上記置換可能な複数の字幕データの夫々を時間間隔をあけて放送する方法の一例として、上記遅延バッファ901の遅延時間を上記遅延バッファ111の遅延時間より短くし、各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とするように構成している。
【0237】
以降は、第1実施形態と同様に処理されて放送電波として放送される。
【0238】
次に、図9を用いて、放送番組を受信する受信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0239】
放送電波をアンテナで受信し、選局した放送局の放送番組のベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202(図2に示す)に変換し、復調部203(図2に示す)で2次パケット(TSP)が連続するトランスポートストリーム(TS)204(図2に示す)を再生するのは、第1実施形態の図2における処理と同じである。
【0240】
次に、分離システム復号化部205で、上記トランスポートストリーム204をデータの種類毎に1次パケット206,207,902,208,209に分離復号し、それぞれ、映像用のデータバッファ211、字幕用のデータバッファ212,903、音声用のデータバッファ213,214に送出する。
【0241】
つまり、図8のシステム符号化多重化部117で、2次パケットに付加した上記識別符号によりデータを区別することで多重化されたデータを分離し、図8の遅延バッファ110,111,901,112,115における送信側の1次パケットに対応する1次パケットとして、上記1次パケット206,207,902,208,209を再生する。
【0242】
この第5実施形態では、字幕置換部904で、上記字幕用のデータバッファ212,903の1次パケットを読み出し、字幕データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な字幕データの1次パケットを字幕用の復号化部222に送出する。
【0243】
また、第5実施形態では、音声置換部224で、上記音声用のデータバッファ213,214の1次パケットを読み出し、音声データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な音声データの1次パケットを音声用の復号化部225に送出する。
【0244】
そして、字幕用の復号化部222では、上記字幕置換部904からの1次パケットを復号して字幕信号223とし、映像合成部220に送出する。それによって、字幕は映像と合成されディスプレイ221に表示される。
【0245】
また、上記音声用の復号化部225では、上記音声置換部224からの1次パケットを復号して音声波形信号226を作成し、スピーカ227から出力する。
【0246】
上記字幕置換部904で、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な字幕データの1次パケットを字幕用の復号化部222に送出する方法は、第1実施形態で音声データの提示時刻を比較して音声データの受信障害を検出した方法と同じ方法を用いることができる。
【0247】
つまり、各字幕用のデータバッファ212,903の字幕データの復号時刻を比較して字幕データの受信障害を検出する。
【0248】
また、この場合、字幕データは提示時刻の代りに復号時刻を用いて上記の処理の順を行う場合もある。
【0249】
上記第5実施形態の送信装置によれば、上記遅延バッファ111,901の遅延時間の差を上記時間インターリーブ長以上にしているために、置換可能な複数の音声データのほかに、置換可能な複数の字幕データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する放送番組を提供することが可能となる。
【0250】
また、上記放送番組の提供方法によれば、放送方式の時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて、置換可能な複数の音声データおよび置換可能な複数の字幕データを放送するため、変調部119(図1に示す)のエラー訂正方式によるデータの拡散が上記の置換可能な複数の音声データ間だけでなく、置換可能な複数の字幕データ間でも時間的に重ならない。そのため、放送方式のエラー訂正でエラーが訂正しきれなかった場合でも、上記置換可能な複数の字幕データの内の置換可能な別の字幕データが正常に受信できている可能性が高く、上記のエラー訂正しきれなかった場合でも音声と字幕の表示を継続できる放送番組を提供することができる。
【0251】
また、上記放送番組の提供方法では、視聴者の利用状況に合わせて、放送局が上記置換可能な字幕データの放送回数や、複数回放送するそれぞれの放送時間の時間間隔を簡単に調節することが可能となる利点を有する。特に放送方式の規格を変更することなく変更することができる特別の利点がある。
【0252】
上記第5実施形態の受信装置によれば、エラー訂正しきれなかった場合でも、置換可能な別の音声や置換可能な別の字幕で置換出力できるため、音声や字幕が途切れることが少なくなり、利用者は音声と字幕を見ながら、番組の進行を追いかけることができ、番組の進行を見失うことなく受信障害の復旧を待つことができる。
【0253】
また、上記の第1実施形態、第5実施形態では、置換可能な複数の音声データを放送する時間間隔を時間インターリーブ長の2倍としているが、時間インターリーブ長以上であればよく、より好ましくは1秒以上とする。これは、実際には、駅のホームや、バスの停留所等の待合所や、電車での移動中での受信障害が1秒弱にわたって続くことがあることが多いためである。しかし、待合所などでは人や車の移動によって、また、電車やバスなどの移動車両中では車両の移動によって、受信状態が刻々変化し、実際に利用してみると受信障害が生じても1秒程度で回復する場合がほとんどであるためである。また、より好ましくは、上記の遅延時間の間隔はその倍の2秒以上とすることで、都市近郊の複雑な地形で受信状況が劣化した場合でもより確実に別の時刻に放送された置換可能な音声データで置換が可能となる。
【0254】
また、受信装置のバッファを必要以上大きくしないため、置換可能な複数の音声データの夫々を時間間隔をあけて放送するそれぞれの時刻の間隔、すなわち上記の遅延時間の間隔は1分以下にすることが好ましい。また、この遅延時間の値が大きいと提示時刻とデータが送信される時刻との差が大きくなり、電源を入れた後や、チャンネルを変えたあとで音声出力の置換が行える状態となるまでの時間が大きくなるので、より好ましくは15秒以下にすることが好ましい。
【0255】
これは、放送番組中のコマーシャルのほとんどが15秒単位で編成されているように、視聴者が場面をおおよそ理解するのに必要な時間である。そのため、反対に、視聴者は電源を入れたり、チャンネルを変えたりした後、15秒程度は、番組内容に必ずしもついていっていないため、放送が途切れてもあまり気にならない。それに対して、15秒を過ぎると、番組内容を把握し、番組を楽しむ姿勢になっているため、放送が途切れた場合、満足感を得られない場合が多い。そのため、15秒以内で上記のようにデータの置換が行える状態とすることが好ましい。
【0256】
また、上記第1実施形態では、本来のステレオ音声データに(遅延バッファ112に貯えられるデータに相当)対して、別の置換可能なステレオ音声データ(遅延バッファ115に貯えられるデータに相当)と、また別の置換可能なのモノラル音声データ(遅延バッファ116に貯えられるデータに相当)とを2回放送するように構成したが、置換可能な音声データは更に多くの回数放送することもできるし、ステレオ音声データのみ、あるいはモノラル音声データのみとすることもできる。
【0257】
また、送信された置換可能な複数の音声データとして、本来の音声データ(遅延バッファ112に貯えられるデータに相当)に対して、別々の置換可能な音声データ(遅延バッファ115,116に貯えられるデータに相当)を2回放送して、合計3回置換可能な音声データを放送するように構成したが、第5実施形態のように別の置換可能な音声データを1回放送して、合計2回置換可能な音声データを放送するように構成することもできる。あるいは、別の置換可能な音声データを3回以上放送して、合計4回以上の置換可能な音声データを放送するように構成することもできる。
【0258】
また、上記の第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態では、送信された置換可能な複数の音声の全てを用いて、受信障害時に音声出力を置換出力するように構成しているが、本発明はこの構成に限られるものではなく、上記放送された置換可能な複数の音声データの一部のみを用いて、受信装置において受信障害の音声データの置換出力を行うこともできる。
【0259】
つまり、放送局で上記置換可能な音声データとして、多めの置換可能な複数の音声データを放送しておき、受信装置の性能に応じて放送された置換可能な複数の音声データの一部を使用して、受信障害時の置換出力を行うように構成する。
【0260】
特に移動受信を行う場合、受信装置は音声用のデータバッファの容量や処理速度の面で制限があるので、性能に応じて置換可能な音声データの一部を使用する構成が適している。この場合、図1の遅延バッファの遅延時間が大きい音声データの置換可能な音声データから順に用いるようにすることで、受信装置の記憶容量を低減させることができる。
【0261】
あるいは、置換可能な複数の音声データの存在を視聴者に提示して、視聴者にその中から置換出力に使用する置換可能な複数の音声データを選択するようにすることもできる。あるいはまた、自動的に置換可能な複数の音声データの複数の組み合わせを順番に選択して、それぞれの置換可能な複数の音声データの組み合わせで置換処理が行われる頻度を算出し、置換処理が行われる頻度の大きい置換可能な複数の音声データの組み合わせを採用するように構成することもできる。
【0262】
また、上記の第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態では、映像用の復号化部218は、映像データが欠落した場合、エラーのない最後の映像を出力するように構成した方が好ましい。
【0263】
あるいは、映像用の復号化部は、保存している過去の映像、あるいは、それを用いて種々の加工を行った映像を表示するように構成することもできる。たとえば、縮小した数秒おきの映像を順次ならべて表示したり、映像の一部を拡大したり縮小したり、色彩を変化させたり、形を歪ませたりして表示する。
【0264】
これによって、利用者は、受信障害時に置換可能な複数の音声データを用いて置換出力した音声で番組の進行を追いかけつつ、変化した場面の視聴を楽しみながら、受信障害の復旧を待つことができる。
【0265】
あるいは、受信障害が長引く場合は、放送番組の場面が変わる場合があり、過去の映像と、音声で得る番組の進行が一致しなくなることが多い。そのため、映像の受信障害が一定期間続いた場合、映像を次第に消す、つまりフェードアウトするように加工して出力するように構成することがより好ましい。この場合、テレビ放送の画面が変わる平均的なタイミングから映像の受信障害が4から10秒続いた時に映像を次第に消すように設定することで、番組の進行と映像との不一致による違和感が少なく好ましい。
【0266】
また、上記の第1実施形態から第5実施形態では、放送方式として、地上デジタル放送の規格を用いたが、放送方式は地上デジタル放送の規格に限られるものではなく、その他の時間インターリーブ処理を行う規格のデータ多重放送が可能なデジタル放送に適用することが可能である。つまり、日本の地上デジタル放送方式のように、移動受信に優れた時間インターリーブ処理を行う方式と組み合わせていることで、少ない個数の置換可能な複数の音声データで、より効果的に置換して正しい音声データを出力することが可能となっている。これは、時間インターリーブ処理により、ほとんどのフェージングによる受信障害がエラー訂正されるため、エラー訂正しきれなかった受信障害の頻度が小さくなり、時間インターリーブ長より時間をあけて放送した置換可能な音声データが同時に受信障害となることが確率的に少なくなるためである。
【0267】
デジタル放送の規格の放送方式では一般に、映像、音声、字幕等のデータは、パリティを付加するなど冗長化され、周波数軸上や時間軸上でインターリーブ処理によって拡散される。それによって、部分的または一時的に電波の受信が途切れた場合でも、受信装置でエラー訂正を行い正しいデータを出力することができるように構成されている。
【0268】
本発明の実施形態における置換可能な複数の音声データの夫々を放送する構成は正しいデータを視聴者に提供する面では同じ目的を有するが、上記の放送方式でのパリティの付加等のエラー訂正のための処理と比べると、時間インターリーブ処理が、放送方式すなわち、送受信装置に密接に関連して構成され規格で決められているのに対して、本発明は番組の提供方法として構成されていることが最も大きな違いである。そのため、番組放送の送受信装置に大きな特別な変更を行うことなく、また、本構成を用いない放送番組と共存することが可能である利点を有する。
【0269】
つまり、本実施の形態では、1次パケットの作成時点で置換可能な複数の音声データを作成するか、または、1次パケットの複製によって置換可能な複数の音声データを作成し、それらの1次パケットを2次パケットに再構成して多重化している。この構成により、放送方式の規格の変更を行うことなく置換可能な複数の音声データを放送することができる。すなわち、放送方式では、2次パケットの連続した2次パケットストリームを符号化,変調して放送するので、本発明の構成の1次パケットの中身は、放送方式としては一定の規格にさえ入っていれば放送規格の変更ではなく、番組編成の段階での編集で可能となる。
【0270】
そのため、置換可能な音声データは、上記の受信障害の置換方法に対応していない受信機からは、単なる重複したデータの放送であって、受信に障害を与えない。これは、たとえば、選択可能な日本語の音声と英語の音声と同様に扱われることになる。
【0271】
たとえば、受信障害の置換方法に対応した受信機には、置換可能な複数の音声データの存在を、上記の番組配列情報(SI)や番組仕様情報(PSI)で通知して、受信機側で自動的に受信障害での置換出力を開始するように構成してもよい。
【0272】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の放送番組の提供方法によれば、放送規格の伝送方式のエラー訂正方式によってエラー訂正ができなかった一時的な受信状況の劣化の際でも、音声データを、別の置換可能な音声データで置換して出力することができる放送番組を提供することが可能となる。
【0273】
また、この発明の受信装置によれば、上記放送番組を受信し、放送の伝送方式のエラー訂正方式規格によってエラー訂正ができなかった一時的な受信状況の劣化の際でも、音声データを、別の置換可能な音声データで置換して出力することができる。
【0274】
また、この発明の送信装置によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を、放送規格の時間インターリーブ処理以上の時間的な間隔をあけて放送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図2】図2は上記第1実施形態の受信装置のブロック図である。
【図3】図3は本発明の第4実施形態の放送番組の提供方法を用いた受信装置のステレオ音声とモノラル音声の切り替えを説明するための図である。
【図4】図4は本発明の第2実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置の置換可能な音声データの放送回数を変化させる構成を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は上記第1実施形態の受信装置の受信障害の検出を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は本発明の第3実施形態の放送番組の提供方法を用いた受信装置の音声データの置換を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は本発明の第4実施形態の受信装置のステレオ音声出力とモノラル音声出力の切り替えを説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は本発明の第5実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図9】図9は上記第5実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図10】図10は従来の放送番組の提供方法を説明するための図である。
【符号の説明】
101,102,103…データ入力部、
104,105,106a,106b…符号化部、
107,108,109a,109b…1次パケット、
113…システムタイムクロック、
114…提示時刻、
110,111,112,115,116,901…遅延バッファ、
117…システム符号化多重化部、
118…トランスポートストリーム、
119…変調部、
120…システムタイムクロックのリファレンス信号、
121…ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)、
122…送信部、
201…受信部、
202…ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)、
203…復調部、
204…トランスポートストリーム、
205…分離システム復号化部、
206,207,208,209,210,902…1次パケット、
211,212,213,214,215,903…データバッファ、
216…システムタイムクロックのリファレンス信号、
217…システムタイムクロック再生部、
218,222,225…復号化部、
227…スピーカ、
220…映像合成部、
221…ディスプレイ、
904…字幕置換部、
219…テレビ映像信号、
223…字幕映像信号、
224…音声置換部、
226…音声信号、
229…エラー信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、時間インターリーブ処理を行う方式のデジタル放送の放送番組の提供方法、および、デジタル放送の放送番組を受信する受信装置、および、デジタル放送の放送番組を送信する送信装置に関する。特に、日本方式の地上デジタル放送(ISDB−T:Integrated Service Digital Broadcast−Terrestrial)による放送番組の提供方法、および、その放送を受信する受信装置、および、その放送を送信する送信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動受信の受信状態を向上することを目的としたデジタル放送の例として、図10のスペクトル図に示される放送番組の提供方法を用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。図10では、横軸401は周波数を表し、縦軸402は放送電力を表しており、上記デジタル放送の放送信号403を表示している。このデジタル放送は、図10に示すように、デジタル変調された複数の搬送波からなるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)セグメントを複数集めた地上デジタル放送の放送信号403によって形成されている。上記OFDMセグメントは図中で隣接した矩形406,407,408から409等で示されている。
【0003】
ここで、「OFDMセグメント」とは、OFDM方式の放送波を形成する複数の搬送波、たとえば、地上デジタル放送であれば、1405個から5617個の搬送波による放送波全体の中での隣接する搬送波のグループを意味する。たとえば地上デジタル放送では、1放送波を13セグメントに分割し、セグメント単位で、エラー訂正のためのデータの冗長化や各種インターリーブ処理等を別々に行うことができるように構成されている(実際には更にセグメントをまとめた3グループに対して処理を行う)。
【0004】
上記放送信号403は、OFDMセグメントを複数集めて放送信号403を形成するとき、各OFDMセグメントのうちの少なくともいずれかの特定セグメントの電力を他のセグメントとは異なるように設定している。
【0005】
つまり、上記の他のセグメントより放送電力を大きくした特定のセグメント(405または406)のみを用いて移動受信用の放送を行うことで移動受信においての受信強度を増加させて、移動しながらの受信においても受信障害を生じにくい放送の提供方法が可能となっている。
【0006】
以降、上記のように特定のセグメントのみを用いて行う放送を「部分受信セグメントによる放送」と呼ぶ。また、特に、上記部分受信セグメントの内、1セグメントのみを受信して視聴することを目的とした放送を、以降、「1セグメント放送」と呼ぶ。上記日本方式の地上デジタル放送では、上記1セグメント放送の放送波は、放送波全体のセグメントの中央(図10のセグメント405の位置)に配置される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−101542号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記放送番組の提供方法では、送受信装置の構成が複雑となってしまうため、地上デジタル放送の規格として採用されず、実質上利用することができない。また、特に地上デジタル放送の移動受信で重要視されている上記1セグメント放送では、上記放送番組の提供方法においても、セグメント内で放送出力電力を変化させることができないため、受信電波が弱いなど受信状況が劣化した場合、映像も音声も字幕もほぼ同時に乱れてしまい視聴者が番組の進行についていけなくなるという問題を生じてしまう。
【0009】
本発明の課題は、一時的な受信状況の劣化が生じた場合でも音声出力を置換することを可能とする放送番組の提供方法、および、その放送番組を受信する受信装置、および、その放送番組を送信する送信装置を提供することである。
【0010】
特に、地上テレビ放送のデジタル化は、放送局側のデジタル化に対応するための大きな設備投資が必要な割に、デジタル化による利点が少ないということが問題となっている。その中で、移動中の受信機会の増加、すなわち視聴者の視聴時間の増加は、デジタル化による利点の中で最も大きなもののひとつである。これは、現状で視聴時間が生活の中でほぼ上限にまで増加しているため、視聴時間を増加させるには、移動中の時間や、駅,停留所等の待ち時間に視聴するなどの新しい視聴機会を増加させる必要があるからである。そのため、持ち運びに適した小型受信機に適した狭帯域放送の上記部分受信セグメントによる放送や、とりわけ上記1セグメント放送が特に重要視されている。
【0011】
そのため、移動中に受信状態の劣化が生じた場合でも、視聴者が放送番組の進行を追いかけることができるようにし、放送番組への興味を継続させることは、非常に大きな課題のひとつである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の放送番組の提供方法は、データ多重放送が可能なデジタル放送において、上記デジタル放送の放送方式で時間インターリーブ処理を行う。そして、置換可能な複数の音声データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する。このとき、上記置換可能な複数の音声データのうちの少なくとも2つの音声データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上とする。
【0013】
つまり、上記放送方式の時間インターリーブ処理によってデータが時間軸上に拡散される時間的な長さ(以降、時間インターリーブ長と呼ぶ)以上に、上記置換可能な複数の音声データの夫々が時間間隔をあけて放送番組中で放送される。
【0014】
上記放送番組の提供方法によれば、一時的に放送電波の受信強度が弱まったり妨害波が入ったりして、上記放送方式のエラー訂正方式によってエラーが訂正しきれない場合でも、上記の時間間隔をあけて放送した置換可能な別の音声データによって置換して音声出力を行うことが可能な放送番組を提供することができる。また、上記時間間隔が時間インターリーブ長以上としていることで、上記の別の音声データで置換できる確率が向上する。
【0015】
この場合の「置換可能な複数の音声データ」とは、本来放送される音声データと、少なくとも1つ以上の上記本来放送される音声データと音声内容が同じ別の音声データであり、ある音声データを別の音声データの代りに置換して出力することが可能なものを意味する。
【0016】
上記の「音声内容が同じ」とは、視聴者が聴く音声内容が同じ物であり、データの多重化等を行うための識別符号等の制御符号は異なっていてもよい。また、意図的に音声の音量、音響効果を微妙に変えたり、音声の圧縮比や、ステレオ/モノラルを変えたりするなどしても本発明の構成に含まれる。
【0017】
一方、複数の別の音声を放送して視聴者が選択するような場合、たとえば、二カ国語放送、多カ国語放送や、スポーツ中継など一方のチームの側に肩入れした解説音声を別に放送するなど、視聴者がその一つを選択して視聴することを目的とする複数の音声データは、1つの音声データに受信障害が発生しても、他の音声データで置換することができない。つまり、一般の視聴者にとって意味を成さないため、本発明には含まれない。
【0018】
また、この場合の「複数の音声データの夫々を時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する」とは、たとえば、前述の時間インターリーブ処理によって、各音声データが時間軸上に拡散される時間の中央値をもって、上記複数の音声データ間での上記中央値同士の時間間隔が時間インターリーブ長以上となるように設定して、上記複数の音声データを送信することを指す。
【0019】
あるいは、たとえば、各音声データに付随する提示時刻と、その音声データの放送時刻とのずれの時間の各音声データ間での差が、時間インターリーブ長以上となるように設定して、上記複数の音声データを送信することを指す。
【0020】
つまり、上記置換できる複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成とすることで、ある音声データの時間インターリーブ処理による時間軸方向での拡散の範囲が、置換できる別の音声データの時間インターリーブ処理による時間軸方向での拡散の範囲に対して重なりがなくなる。それにより、一時的に放送電波の受信強度が低下して、ある音声データの受信に障害が生じても、上記時間インターリーブ長以上の時間をずらして放送される置換可能な別の音声データには影響しない。そのため、一定の個数の置換できる音声データにおいて、受信障害の場合に音声出力を置換できる確率が大きく向上する。
【0021】
また、上記置換可能な複数の音声データが3個以上ある場合は、その全ての音声データ間で上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔を設けて放送することで、より確実に受信障害の出力を置換することができるので好ましい。しかし、上記置換可能な複数の音声データの組み合わせのいずれかについて、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送すればよく、必ずしも全ての置換可能な音声データを上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔を設けて放送する必要はない。
【0022】
また、上記の「時間インターリーブ処理」とは、放送方式において、時間軸上で積極的にデータを拡散させる処理であり、主に、フェージングによる一時的な受信電力の低下による放送の途切れを防止する目的のものである。上記のデータを拡散させる方法は、上記の時間インターリーブ処理の他にも、バイトインターリーブ処理や、ビットインターリーブ処理によってデータの拡散が行われ、その拡散の一部は、時間軸上に広がりを持つ場合がある。本発明の時間インターリーブ長は、それらの時間軸方向への拡散の幅を含めてもよい。しかし、たとえば、日本方式の地上デジタル放送の放送方式では、それらの時間軸方向への拡散幅は、時間インターリーブ処理による拡散幅に比べて小さく、実質上、無視して考えられる。
【0023】
また、上記の時間インターリーブ処理を用いた放送方式におけるエラー訂正では、上記時間インターリーブ長にわたって受信に障害が生じた場合は、エラー訂正ができなくなってしまう。それに対して、この発明では、置換可能な複数の音声データの夫々を上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成により、より長い時間の受信障害においても音声を置換して出力することが可能となる。
【0024】
また、特に視聴者の視聴時間の向上に大きく寄与する移動受信では、視聴者は、移動の状況に気を配りながら放送番組を視聴することが多く、周りの状況に目を配りながら映像をみるため、映像の一時的な途切れは意外と気にならない。一方、音声の途切れは聞いていて非常に気になることが多く、場合によってはせりふを聞き逃して番組の進行についていけなくなってしまう場合もある。そのため、この発明の放送番組の提供方法が特に効果を有する。
【0025】
また、音声データは、映像のデータに比べてきわめてデータ量が少ないため、置換可能な複数の音声データを放送しても本来の放送に支障を来たすことが少ない。そのため、特に映像のデータを置換可能な複数のデータとして送らず、音声データを置換可能な複数の音声データを放送する構成は、放送局、受信装置双方の負担が少ない割に上記のように視聴率を向上させる効果が大きいので特に好ましい。
【0026】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記置換可能な複数の音声データの夫々を放送する上記の時間的な間隔が1秒以上である。つまり、上記置換可能な複数の音声データの夫々が、1秒以上時間をずらして放送される。
【0027】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、移動受信において、特に音声の受信障害のない放送番組が提供できる。
【0028】
1秒以上時間をずらすというのは、たとえば、前述の時間インターリーブ処理によって、各音声データが時間軸上に拡散される時間の中央値をもって、上記複数の音声データ間での上記中央値同士の時間間隔が1秒以上として送信することを指す。
【0029】
あるいは、たとえば、各音声データに付随する提示時刻と、その音声データの放送時刻とのずれの時間の各音声データ間での差が、1秒以上となるように設定して送信することを指す。
【0030】
この場合も、上記置換可能な音声データが3個以上ある場合は、その全ての置換可能な音声データ間で1秒以上の時間的な間隔を設けて放送することで、より確実に受信障害の出力を置換することができるので好ましいが、必ずしも全ての音声データ同士を1秒以上の時間的な間隔を設けて放送する必要はない。
【0031】
上記の時間インターリーブ処理は、前述のように主にフェージングによる放送電波の受信強度の一時的な低下によるデータの欠落を補償することを目的としており、短時間の受信強度の低下を想定している。しかし、実際に放送を行ってみると、受信障害を起こしやすい条件が複数重なったり、受信位置が完全に電波的な影に入ってしまったりし、受信が途絶える機会が想定以上あった。
【0032】
たとえば、電車やバスに乗って移動している場合では、複雑なビルの配置によってフェージングによる受信強度の低下が連続して生じたり、大きなビルの影に入ったりして電波的に影になったりして受信が途切れる場合がある。また、歩行中や、駅のホームや、バスの停留所等の待合所では、通行する乗り物や人の影響が重なり受信が途切れる場合がある。
【0033】
しかし、上記のような環境で検討した結果、上記の受信障害は、ほとんどが1秒以上にわたって続くことがまれであることがわかった。そのため、置換可能な複数の音声データの夫々の間隔を1秒以上として放送する上記実施形態が特に効果を有する。
【0034】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記データ多重放送が、デジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによる放送である。
【0035】
つまり、置換可能な複数の音声データは、その他のデータ(例えば映像や字幕のデータ)と共にデータ多重化され、デジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによって放送される。OFDM変調方式では、他の放送法式と異なり、元々周波数帯域の一部を使用して狭帯域の放送を行うことができる利点を有する。たとえば、前述の地上デジタル放送のように、放送波の中の特定のOFDMセグメントを使用して番組を放送する部分受信セグメントによる放送が行われる場合がある。そして、移動受信では、受信装置の携帯性の制約から、この部分受信セグメントを利用する場合が多い。しかし、上記部分受信セグメントによる放送の場合、特に地上デジタル放送の規格では、映像、音声、字幕等のデータは同じエラー訂正方式、たとえば、同じ冗長度、同じ時間インターリーブ長で放送が行われるために、受信中に受信障害を生じる場合は全てが同じように受信できなくなってしまい、視聴者が番組の進行を見失いやすく、番組の視聴率が増加しない問題を生じる可能性がある。
【0036】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、上記のように音声の途切れを減少させて番組の視聴率を増加させる効果を有する。
【0037】
また、特に、上記部分受信セグメント放送では、受信装置が小型化されて移動受信の機会が増加するので上記の問題が著しい。また、とりわけ、移動受信では、受信アンテナに十分な指向性アンテナを用いない場合が多いので、フェージングの影響がより大きくより頻繁になる傾向がある。そのため、本発明の構成による効果が特に大きい。
【0038】
また、音声データは映像データに比べてデータ量が非常に少ないため、置換可能な複数の音声データを放送しても放送データ全体のデータ量の増加が少なく、部分受信セグメントによる狭帯域放送、とりわけ1セグメント放送に特に適する。
【0039】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データと、上記ステレオ音声データより時間的に早く放送される少なくとも1つ以上のモノラル音声データからなる。つまり、ステレオ音声データの放送時刻に対して、置換可能なモノラル音声データを相対的に早く放送する。
【0040】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する場合、置換可能な音声データの数が多いほど、あるいは時間的な間隔が長いほど音声の置換を正しく行える可能性が高くなる。しかし、一方、時間的に早く放送される音声データを保存しておくため受信装置の記憶容量を増加させる必要が生じる。本構成によってデータ量の小さいモノラル音声を早く放送することで、受信装置に必要な記憶容量の増加を小さくすることができる利点を有する。あるいは同じ記憶量でより多くの個数の置換可能な音声データを放送して音声出力を置換することを可能とする。
【0041】
また、放送する置換可能な複数の音声データのうちの少なくとも1つ以上をモノラル音声データとすることで、データ量の増加が小さくてすむ。そのため特に、放送帯域の小さな部分受信セグメントによる放送、とりわけ1セグメント放送に適している。
【0042】
また、一実施形態の放送番組の提供方法では、置換可能な複数の字幕データの夫々を時間的な間隔をあけて放送する。このとき、上記置換可能な複数の字幕データのうちの少なくとも2つの字幕データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の字幕データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上とする。
【0043】
つまり、置換可能な複数の音声データと同じく、置換可能な複数の字幕データの夫々が、時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送される。映像データにエラーがあって映像が表示できない場合、視聴者はディスプレイ装置から情報が得られないのでつまらないと思う場合があり、視聴者は画面からつい目を離してしまう。
【0044】
上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、音声だけでなく、字幕の途切れも少なくなり、映像が途切れた場合でも、視聴者の視線を画面に引き付け、視聴率を向上させることができる。
【0045】
当然、音声や字幕に限らず、映像のデータも同様に置換できるデータを複数回放送しても構わないが、映像データは、音声や字幕のデータに比べてデータ量が格段に多く、限られた放送帯域の中で、特に部分受信セグメントによる放送等では、複数のデータを送信することができない場合が多い。
【0046】
それに対して、上記実施形態の放送番組の提供方法によれば、データ量の少ない字幕を用いて上記のように視聴率を効果的に向上させることができる。
【0047】
この場合の「置換可能な複数の字幕データ」とは、本来放送される字幕データと、少なくとも1つ以上の上記本来放送される字幕データと字幕内容が同じ別の字幕データであり、ある字幕データを別の字幕データの代りに置換して出力することが可能なものを意味する。
【0048】
上記の「字幕内容が同じ」とは、視聴者が見る字幕内容が同じ物であり、データの多重化等を行うための識別符号等の制御符号は異なっていてもよい。また、意図的に字幕の表記を、あるいはその一部を、たとえば、漢字、ひらがな、カタカナとするなど、あるいは字体(筆記体、行書体、ゴシック体、斜体、等)を変えたりするなどしても本発明の構成に含まれる。
【0049】
一方、たとえば、日本語、英語、中国語、その他の外国語等のように、本来、別々の言語により視聴する目的で複数の字幕を放送する場合、つまり、二カ国語字幕、あるいは、多カ国語字幕で放送される場合もある。この場合は、ある言語の字幕の受信障害を他の言語によって置換しても一般の視聴者にとって意味をなさないため、本発明には含まれない。また、スポーツ中継など一方のチームの側に肩入れした解説字幕を別に放送するなど、視聴者がその一つを選択して視聴するような放送番組は、ある字幕データに受信障害が発生しても他の字幕データで置換することができないため、本発明には含まれない。
【0050】
また、たとえば、低年齢用の字幕(例えば仮名を主体とした字幕)と大人用の字幕(例えば漢字主体の字幕)の場合では、大人用の字幕の受信障害を低年齢用の字幕で置換することが可能であるので本発明に含まれるが、逆に低年齢用の字幕の受信障害を大人用の字幕で置換することは、低年齢者には意味をなさないので、この発明の目的としてはあまり好ましくない。
【0051】
また、この発明の受信装置では、データ多重放送が可能なデジタル放送で、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の音声データを含む放送を受信手段で受信して、受信された音声データを音声出力手段により出力する。そして、上記置換可能な複数の音声データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた音声データとは異なる置換可能な別の音声データによって上記音声出力手段の出力を音声置換手段で置換する。
【0052】
つまり、音声データを含む放送は、受信手段によって受信され、音声データは、たとえばスピーカ等から音声として出力される。このとき、受信障害が生じた音声データは、時間間隔をあけて放送されている置換可能な別の音声データによって置換されて出力される。
【0053】
上記構成の受信装置によれば、一時的に放送電波の受信強度が弱まったり妨害波が入ったりして、放送規格のエラー訂正方式によってエラーが訂正しきれない場合でも、上記の時間間隔をあけて放送した置換可能な別の音声データによって置換して音声出力を行うことができる。そして、時間的な間隔をあけて放送される置換可能な音声データが全ての放送時刻で受信障害とならない限りは、スピーカ等から音声が出力される。
【0054】
そのため、受信状態が劣化した場合でも、視聴者は、番組の進行でせりふ等の重要な情報が抜け落ちることがなくなり、視聴者に連続した放送を提供することができる。
【0055】
特に、置換可能な音声データは、時間的な間隔をあけて放送されていることにより、データの置換が効果的に行えることから、たとえば、受信装置はバッファなどの遅延手段を用いて、時間間隔をあけて放送されたデータを同期して置換出力する構成とする。
【0056】
また、一実施形態の受信装置では、上記複数の音声データ間で、上記音声データ毎にそれぞれ付加されている提示時刻または復号時刻を比較して、各音声データの受信障害を上記音声置換手段の障害検出手段で検出する。そして、上記障害検出手段によって受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ないと判断した音声データを、上記音声置換手段の選択送出手段により上記音声出力手段に出力する。つまり、複数回放送される音声データの提示時刻または復号時刻を比較して、複数の音声データ間での違いから各音声データの受信障害の有無を検出する。
【0057】
たとえば、別に放送された音声データに存在する、ある提示時刻または復号時刻の音声データが無ければ、その放送では、その音声データが受信障害で欠落していると判断する。そして、たとえば、受信障害のない別の置換可能な音声データを音声出力手段に出力する。
【0058】
この場合の「提示時刻」とは、音声を出力する時刻情報としての時刻である。また、「復号時刻」とは、圧縮された音声データを復号する順序や、復号する処理の時間を考慮して復号処理を始める時間を示す情報としての時刻である。
【0059】
上記実施形態の受信装置によれば、音声データに付加されている提示時刻または復号時刻を比較して音声データの受信障害の有無を検出することで、放送方式の規格上、特別な変更を行うことなく、複数の音声データから受信障害のない音声データ(あるいは受信障害の少ない音声データ)を選択し、障害のある音声データを、受信障害のない音声データ(あるいは受信障害の少ない音声データ)で置換して出力することができる。
【0060】
また、一実施形態の受信装置では、上記置換可能な複数の音声データが少なくとも1つ以上のステレオ音声データからなり、その置換可能な複数の音声データのうちのステレオ音声データの受信障害を障害予測手段で予測する。そして、上記障害予測手段によって、ステレオ音声データに受信障害が予測された場合、切り替え制御手段で、ステレオ音声データを加工してステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に次第に切り替える制御を行う。
【0061】
放送されるステレオ音声データに対して、置換可能な音声データとしてモノラル音声データが別に放送されているものとする。その場合、データ量が少なくて済むため、同じ放送帯域でより多くの置換可能な音声データを送信できるので、受信障害時に置換出力を行うことができる機会を増加させることができる。しかし、音声出力がステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に切り替わるとき、使用者に違和感を与えてしまう場合があった。
【0062】
上記実施形態の受信装置によれば、ステレオ音声出力からモノラル化した音声出力へ次第に切り替わることで、使用者の違和感を低減することができる。
【0063】
また、上記の受信障害が生じる可能性が高い場合とは、過去の所定期間でステレオ音声データが途切れる頻度が多かった場合や、実際にステレオ音声データが途切れなくとも、その他のデータ(例えば映像データ)などが、受信障害で途切れた場合、あるいはまた、復調時、復号時のエラー発生頻度が増加した場合をさす。たとえば、復号時のエラー発生頻度に所定のしきい値を設けて、そのしきい値を上回るエラー頻度を生じた場合に受信障害の可能性が高まったと判断するように構成することができる。特に、復調時、復号時のエラー発生頻度が増加した場合に、実際にステレオ音声データが途切れる前にモノラル音声データに切り替えをするように構成する方がより好ましい。
【0064】
また、一実施形態の受信装置では、上記切り替え制御手段により上記モノラル化した音声出力に切り換えられた状態から、上記障害予測手段によってステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、復旧制御手段で上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声出力に切り替える制御を行う。
【0065】
上記実施形態の受信装置によれば、上記の受信障害が復旧した場合、あるいは、上記の受信障害が生じる可能性が低くなった場合、上記のモノラル化した音声を次第にステレオ音声に自動的に切り替えることで、切り替えによる使用者の違和感を低減しつつ、利便性を向上させる。特に、移動受信の場合では、受信状況が繰り返し変化する場合が多く、そのたび毎に利用者が音声出力を設定する操作をしなければならなくなる場合がある。そのため本構成が特に適している。
【0066】
また、モノラル音声からステレオ音声への自動的な切り替えは、受信障害の復旧後すぐに切り替えを行ってもよいが、一定時間おいて切り替えを行うよう構成することがより好ましい。
【0067】
また、この発明の送信装置は、音声符号化手段で音声データを符号化する。そして、第1の遅延手段で、上記音声符号化手段で符号化された音声データを遅延させる。また、上記第1の遅延手段の遅延時間よりも、放送方式の時間インターリーブ処理によって音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上短い遅延時間で、第2の遅延手段で、上記音声符号化手段により符号化された音声データを遅延させる。そして、少なくとも上記第1の遅延手段と上記第2の遅延手段からの上記符号化された音声データを多重化したデータストリームをデータストリーム作成手段で作成する。そして、上記データストリームを放送手段により、データ多重放送が可能なデジタル放送として放送する。
【0068】
つまり、音声データはまず符号化される。放送を行うためには、上記の符号化された音声データを含めて放送全体で単位時間あたりのデータ量を放送帯域にあわせたデータストリームとする必要がある。そのために、上記符号化された音声データを遅延手段によって遅延させて、上記データストリーム作成手段への送出を調節することが行われる。このとき、上記第1の遅延手段の遅延時間に対して、上記第2の遅延手段の遅延時間を時間インターリーブ長以上の差だけ小さくする。なお、上記音声符号化手段により符号化され音声データは、置換可能な複数の音声データであって、そのうちの少なくとも2つの音声データの時間的な間隔が、上記第1,第2の遅延手段により時間インターリーブ長以上となるようにする。
【0069】
上記構成の送信装置によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて放送する放送番組を提供することができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の放送番組の提供方法および受信装置および送信装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0071】
〔第1実施形態〕
この発明の第1実施形態では、データ多重放送が可能なデジタル放送の一例としての日本方式の地上デジタル放送の伝送方式(BST−OFDM:Band Segmented Transmision−Orthogonal Frequency Division Multiplexing)による放送において、本発明の放送番組の提供方法およびそれを放送するための送信装置およびその放送を受信するための受信装置の説明を行う。上記の日本方式の地上デジタル放送は、時間インターリーブ処理を行う放送方式を採用している。
【0072】
また、特にデジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによる放送の一例として1セグメント放送(部分受信セグメントのうちの1セグメントのみを受信して視聴することを目的とした放送)における放送の場合について説明する。
【0073】
図1は、この発明の第1実施形態の送信装置のブロック図を示している。また、図2は、この発明の第1実施形態の受信装置のブロック図を示している。
【0074】
まず、全体の構成について説明する。図1は、上記のデータ多重放送が可能なデジタル放送を送信する送信装置の一例として本発明に関連する構成を中心として表記している。
【0075】
図1に示す送信装置は、音声データを符号化する音声符号化手段の一例として符号化部106aを有し、また、上記符号化部106aにより符号化された音声データを遅延させる第1の遅延手段の一例として遅延バッファ112と、遅延バッファ112の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、上記符号化された音声データを遅延させる第2の遅延手段の一例として遅延バッファ115,116を有している。
【0076】
また、上記送信装置は、上記遅延112,バッファ115,116からの上記符号化された音声データを受け取り、それらを多重化したデータストリームを作成するデータストリーム作成手段の一例としてシステム符号化多重化部117を有している。
【0077】
また、上記送信装置は、データストリームを放送する放送手段の一例として、復調部119,送信部122を有している。
【0078】
また、図2は、上記のデータ多重放送が可能なデジタル放送を受信する受信装置の一例として本発明に関連する構成を中心として表記している。
【0079】
図2に示す受信装置は、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の音声データを含む放送を受信する受信手段の一例として、受信部201,復調部203,分離システム復号化部205を有している。
【0080】
また、上記受信装置は、上記音声データを出力する音声出力手段の一例として、音声用の復号化部225,スピーカ227を有している。
【0081】
また、上記受信装置は、上記置換可能な複数の音声データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた音声データとは異なる置換可能な別の音声データによって上記音声出力手段の出力を置換する音声置換手段の一例として音声置換部224を有している。
【0082】
次に、図1を用いて、放送番組の提供方法について、送信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0083】
放送番組のデータは、映像用のデータ入力部101、字幕用のデータ入力部102、音声用のデータ入力部103よりそれぞれ供給されるものとする。
【0084】
音声用の符号化部104,映像用の符号化部105,映像用の符号化部106では、上記データ入力部101,102,103よりの入力データをそれぞれ符号化し、1次パケット107,108,109aとして、それぞれ遅延バッファ110,111,112に送出する。
【0085】
たとえば、上記映像用のデータ入力部101,音声用のデータ入力部103からのテレビ映像データやテレビステレオ音声データは、上記符号化部104,106aで、MPEG−2(Moving Picture Experts Group Phase 2)やMPEG−4(Moving Picture Experts Group Phase 4)等の符号化方式により、映像フレーム毎、あるいは音声フレーム毎に符号化され、上記1次パケット107,109aが作成される。
【0086】
ここでは、1セグメント放送であるため、映像データの符号化にはMPEG−4方式が用いられ、音声データの符号化にはMPEG−2方式が用いられる。
【0087】
ここで、「映像フレーム」とは、1画面の映像データを意味し、「音声フレーム」とは、所定時間の音声波形のデータを意味し、共に各フレーム単位で1つの1次パケットを構成している。
【0088】
また、上記字幕用のデータ入力部102よりの字幕データは、上記字幕用の符号化部105で、一時期に表示する字幕(以降、字幕フレームと呼ぶ)のデータをまとめて、放送規格のフォーマットに従い、文字コードの変換を行い、文字フォントや、表示位置の指定データなどと共に符号化され、上記1次パケット108が作成される。
【0089】
このとき、システムタイムクロック(STC:System Time Clock)113からの時刻情報を用いて、受信装置での同期再生に必要な提示時刻(PTS:Presentation Time Stamp)114が上記各1次パケットに付加される。また、映像データ等では、更に復号を行う時刻を示す復号時刻(DTS:Decoding Time Stamp)が付加される場合もある。つまり、上記提示時刻や復号時刻は、上記の映像フレーム、音声フレーム、字幕フレームを視聴者へ提示するためのタイミングを示す情報の一例である。
【0090】
上記のMPEG−2、MPEG−4、字幕データの放送規格のフォーマットや、1次パケットへの変換は、各放送方式の既存の技術であり詳細な説明は省略する。
【0091】
この第1実施形態では、更に、上記音声用の符号化部106aの出力の1次パケット109aを複製して、別の1次パケットを作成し、遅延バッファ112と異なる遅延バッファ115に送出するように構成した。つまり、置換可能な複数の音声データの一例として同じ音声データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ112,115に送るように構成している。
【0092】
また、別の置換可能な複数の音声データの一例として、上記符号化部106aとは別の符号化部106bで、音声用のデータ入力部103からの音声データをステレオ音声の左右の音声波形を平均してモノラル化した音声データとして符号化して1次パケット109bを作成し、遅延バッファ116に送出するように構成している。
【0093】
そして、上記システム符号化多重化部117では、上記の各遅延バッファ110,111,112,115,116の1次パケットを読み出し、各1次パケットの違い、この場合、バッファ毎の違いを区別するための識別符号が付加された2次パケット(TSP:Transport Stream Packet)に再変換する。そして、上記2次パケットを多重化し、上記2次パケットが連続するトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)118を作成し、変調部119に送出する。
【0094】
また、上記システム符号化多重化部117では、図示していないが、他に番組配列情報(SI:Servece Information)や番組仕様情報(PSI:Program Specific Information)などのその他のデータ情報も符号化されて同様に多重化される。
【0095】
また、上記システムタイムクロック113からの上記時刻情報により受信時に各データの同期再生を行うためのシステムタイムクロックのリファレンス信号(PCR:Program Clock Reference)120が作成され、同様に上記システム符号化多重化部117で多重化される。
【0096】
このとき、上記各遅延バッファは、上記符号化部104,105,106a,106bの処理時間の変動を平滑化したり、データ量の変動のある1次パケットから一定の伝送速度の上記トランスポートストリーム118を作成するためのデータ量の不整合によるオーバーフローやアンダーフローを防止するバッファリングの働きをしたりする。そのため、微視的には遅延バッファの遅延時間は処理によってある程度変動する。以降、遅延バッファの遅延時間は、上記の遅延時間の微視的な変動を無視できる程度に平均化した値とする。
【0097】
この第1実施形態では、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて、上記置換可能な複数の音声データの夫々を時間間隔をあけて放送する方法の一例として、上記遅延バッファ116の遅延時間を上記遅延バッファ115の遅延時間より短く、上記遅延バッファ115の遅延時間を上記遅延バッファ112の遅延時間より短くし、各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とするように構成している。
【0098】
上記各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とすることで、1つのフェージングによる受信強度の低下の影響が別の置換可能な音声データにまで影響することをより確実に防ぐことができる。
【0099】
また、これは、上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データと、上記ステレオ音声データより時間的に早く放送される少なくとも1つ以上のモノラル音声データとからなる複数の音声データの一例となっている。つまり、上記遅延バッファ112,115の1次パケットが置換可能なステレオ音声データであり、上記遅延バッファ116の1次パケットが置換可能なモノラル音声データである。
【0100】
そして、上記変調部119では、上記システム符号化多重化部117で作成された上記トランスポートストリーム118を変調し、ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を作成して送信部122に送出する。
【0101】
この第1実施形態の送信装置では、地上デジタル放送の伝送方式を用い、上記変調部119で、エラー訂正のための冗長化処理、エネルギー拡散処理、時間インターリーブ処理、周波数インターリーブ処理等のインターリーブ処理などの後、離散逆フーリエ変換やデジタルアナログ変換等を行ってベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を作成する。
【0102】
そして、上記送信部122で、ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)121を、周波数変換器,フィルタ,アンプ等を通して高周波信号とし、アンテナより放送電波として放送する。
【0103】
上記システム符号化多重化部117での2次パケットの生成方法や上記変調部119や上記送信部122の構成は、既存の技術であり詳細は省略する。
【0104】
上記第1実施形態の送信装置によれば、上記遅延バッファ112,115,116の遅延時間の差を上記時間インターリーブ長以上にしているために、置換可能な複数の音声データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する放送番組を提供することが可能となる。
【0105】
また、上記放送番組の提供方法によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を放送方式の時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送するため、上記変調部119のエラー訂正方式によるデータの拡散が上記の置換可能な複数の音声データ間で時間的に重ならない。そのため、放送方式のエラー訂正でエラーが訂正しきれなかった場合でも、上記置換可能な複数の音声データの内の置換可能な別の音声データが正常に受信できている可能性が高く、上記のエラー訂正しきれなかった場合でも音声の出力を継続できる放送番組を提供することができる。
【0106】
また、上記放送番組の提供方法では、視聴者の利用状況に合わせて、放送局が上記置換可能な音声データの放送回数や、複数回放送するそれぞれの放送時間の時間間隔を簡単に調節することが可能となる利点を有する。特に放送方式の規格を変更することなく変更することができる特別の利点がある。
【0107】
また、この第1実施形態では、上記符号化部106aの出力の上記1次パケット109aを複製して、上記遅延バッファ112に対して別の置換可能な音声データの1次パケットを作成し、遅延バッファ115に送出するように構成したが、上記音声用のデータ入力部103からの音声データを用いて、上記符号化部106bと同じように、上記符号化部106aとは別の符号化部を用いてパケット化されたデータを作成し、上記遅延バッファ115に送出するように構成してもよい。
【0108】
上記符号化部106a,106bのように符号化部が別の場合、置換可能な音声データ間で、同一の内容の音声データに対して、付加する提示時刻を同一にすることが好ましいが、上記提示時刻を一定時間のオフセット量だけずらして放送し、受信側でオフセット量だけ考慮して処理するように構成することもできる。
【0109】
次に、図2を用いて、放送番組を受信する受信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0110】
まず、受信部201において、放送電波をアンテナで受信し、チューナ,アンプ,フィルタ,周波数変換器等を通して選局した放送局の放送番組のベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202に変換する。
【0111】
そして、復調部203では、上記ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202を復調して、2次パケット(TSP)が連続するトランスポートストリーム(TS)204を再生する。
【0112】
この第1実施形態では、地上デジタル放送方式の受信装置として、上記復調部203で、上記ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202をアナログデジタル変換、離散フーリエ変換、デインターリーブ処理、エラー訂正処理を行って2次パケットを復調する。
【0113】
この過程で、図1に示す送信装置の変調部119で作成された冗長化された符号を用いて、2次パケット単位でエラー訂正が行われる。そのため、エラーが訂正しきれなかった2次パケットは欠落することになる。
【0114】
次に、分離システム復号化部205で、上記トランスポートストリーム204をデータの種類毎に1次パケット206,207,208,209,210に分離復号し、それぞれ、映像用のデータバッファ211、字幕用のデータバッファ212、音声用のデータバッファ213,214,215に送出する。
【0115】
つまり、図1のシステム符号化多重化部117で、2次パケットに付加した上記識別符号によりデータを区別することで多重化されたデータを分離し、図1の遅延バッファ110,111,112,115,116における送信側の1次パケットに対応する1次パケットとして、上記1次パケット206,207,208,209,210を再生する。
【0116】
このとき、エラーが訂正しきれずに欠落した2次パケットから再生されるべき1次パケットは、同じく再生できずに欠落することになる。
【0117】
また、システムタイムクロックのリファレンス信号(PCR)216も同様に復号され、システムタイムクロック再生部217により同期再生のためのシステムタイムクロックが再生される。
【0118】
そして、映像用の復号化部218では、上記映像用のデータバッファ211の1次パケットを復号してテレビ映像信号219とし、映像合成部220に送出する。
【0119】
また、映像合成部220では、複数の入力映像信号、つまり、テレビ映像信号や字幕映像信号や装置の状態を示す映像信号等を合成してディスプレイ221に表示する。
【0120】
また、上記字幕用の復号化部222では、放送方式のフォーマットに従い1次パケットを復号し、字幕映像信号223を作成し、上記映像合成部220に送出する。それによって、字幕が上記映像信号に合成されてディスプレイ221に表示される。
【0121】
また、音声置換部224では、上記音声用のデータバッファ213,214,215の1次パケットを読み出し、音声データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な音声データの1次パケットを音声用の復号化部225に送出する。
【0122】
音声用の復号化部225では、上記音声用の復号化部225からの1次パケットを復号して音声信号226とし、スピーカ227より出力する。
【0123】
このとき、上記各データの復号化部218,222,225では、各1次パケットに付加されている提示時刻と、上記システムタイムクロック再生部217からの時刻情報228とによって出力時刻を制御することで、各復号化部からの出力を同期させる。
【0124】
また、場合によっては、地上デジタル放送での映像データのように、1次パケットに付加されている復号時刻にあわせて復号処理を行い、提示時刻にあわせて出力するように処理を行う場合もある。
【0125】
上記の復調部203、分離システム復号化部205、および、各復号化部218,222,225の構成や、復調処理、分離処理、システム復号化処理、および、各データの復号処理の手順は、既存の技術であり詳細は省略する。
【0126】
次に、上記音声置換部224において音声データの受信障害を検出する方法について図5に示すフローチャートで説明する。この第1実施形態では、1次パケット中の音声データに付加される提示時刻を用いて受信障害を検出している。
【0127】
先ず、各置換可能な複数の音声データを有する音声用のデータバッファ213,214,215から、それぞれデータバッファ中で最も早い提示時刻の音声データを取得し、その中でさらに最も早い提示時刻の音声データを選出する(S11)。この第1実施形態の場合、音声データの1次パケットは、提示時刻順に送信されてくるので、各データバッファに最も速く送出されたデータをデータバッファ間で比較することになる。このとき、たとえば、データバッファにデータが保持されていないものがあれば、最も早い提示時刻の所定時間前の時刻(つまり、表示処理の時間を考慮して提示時刻に表示が間に合う時間)まで、次のステップS12に進まないようにし、データバッファにデータが着信するのを待つようにすることができる。
【0128】
次に、ステップS11で選出した音声データについて受信障害を判断する(S12)。つまり、選出した音声データの提示時刻と同じ提示時刻の音声データは受信障害が無いと判断し、それよりも遅い提示時刻の音声データは、受信障害が発生して正常な音声データではないと判断する。当然、ステップS11,S12では、全ての音声用のデータバッファのデータが受信障害を生じてしまっている場合には、それらの中でより受信障害の少ない音声データを選択することになる。
【0129】
このとき、音声置換部224では、受信障害が無い場合はステレオ音声データを有している音声用のデータバッファ213,214のデータを優先し、音声用のデータバッファ213,214共に受信障害で1次パケットが欠落している場合に、モノラル音声データを有している音声用のデータバッファ215のデータを出力するように構成し、できるだけ高音質の音声を視聴者に提供するようにしている。
【0130】
次に、上記受信障害のない音声データを音声用の復号化部に送出する(S13)。上記音声用の復号化部225に送出された音声データは、前述のように復号され、スピーカ227より出力される。
【0131】
その後、上記受信障害のなかった音声データ(送出が終了した音声データ)は破棄し、受信障害で正常な音声データでないものは、時間的に後の音声データなので、後で利用するために対応する元のデータバッファに戻す(S14)。
【0132】
そして、終了の指示が無ければ、ステップS11に戻り、処理の終了の指示があった場合は、処理を終了する(S15)。
【0133】
以上によって、各データバッファの音声データを比較して、受信障害を検出することが可能となる。そして、受信障害のない音声データを用いてスピーカ227より出力することができる。
【0134】
上記のステップS12において、比較する上で、提示時刻は各データバッファの複数の音声データで一致していることが好ましいが、規定の一定の間隔をあけるように、あるいは、規定の時間内で提示時刻をずらすように放送されている場合、それを考慮して比較することも可能である。
【0135】
あるいはまた、地上デジタル放送での映像データのように、1次パケットに付加されている復号時刻にあわせて復号処理を行い、提示時刻にあわせて出力するように制御を行う場合もあるので、上記提示時刻の代りに上記復号時刻を用いて上記の受信障害の検出、また、その場合の置換出力を行う場合もある。
【0136】
このように、ステップS11,S12によって、上記複数の音声データ間で、上記音声データ毎にそれぞれ付加されている提示時刻または復号時刻を比較して、各音声データの受信障害を検出する障害検出手段が構成される。
【0137】
また、ステップS13によって、上記障害検出手段により受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ないと判断した音声データを音声出力手段に出力する選択送出手段が構成される。
【0138】
また、この第1実施形態では、音声データの受信障害の検出は、上記データバッファ213,214,215の後で行っているが、これに限られるものではなく、たとえば、音声波形に復号後、各音声波形間で復号時刻を比較して受信障害を検出することもできる。しかし、復号後に行うと、復号されたデータ量の大きくなった複数の音声波形を保持する容量の大きな記憶領域が必要となる。そのため復号前に置換処理を行うことがより好ましい。
【0139】
あるいは、上記分離システム復号化部205の直後で各1次パケットを、既に蓄積されている1次パケットと比較して受信障害を検出して、置換することもできる。この場合、データバッファを複数持つ必要がなくなる利点を有する。
【0140】
次に、受信装置の受信障害時とその復旧後の動作について説明する。
【0141】
ここでは、音声と映像による通常のテレビの視聴を行う場合を例としている。
【0142】
先ず、上記分離システム復号化部205は、字幕の1次パケットの分離およびシステム復号を停止し、映像と音声の1次パケットの分離およびシステム復号を行うよう設定される。これによって字幕の1次パケット207は出力されずに字幕出力が停止する。
【0143】
映像と音声の1次パケット206,208,209,210は、各バッファに出力され、上記の説明のように提示時刻に映像が上記ディスプレイ221に表示され、音声がスピーカ227から出力される。これによって、利用者はテレビ映像と音声を視聴することができる。
【0144】
そして、一時的に受信電波が弱くなるなどの受信障害が発生し、上記復調部203で行われる放送方式のエラー訂正でデータを復元できる許容量を超えると、2次パケットのあるものは欠落し、映像や音声の1次パケットが欠落する。
【0145】
しかし、上記音声置換部224では、置換可能な複数の音声データの1次パケットを用いて置換して音声データを出力するため、しばらくは、正しい1次パケットを出力することができる。この場合、音声出力は上記のようにモノラル音声となる場合もある。
【0146】
移動受信では、フェージングや障害物による電波の遮蔽によって一時的に受信ができなくなる場合が多く、移動に伴って復旧するので、1次パケットの欠落は、その後、ほとんどの場合1秒以内で復旧する。
【0147】
受信障害が復旧するまでの時間より、置換可能な複数の音声データの放送される放送時刻の間隔、すなわち、遅延バッファ112,115,116の遅延時間の差が大きければ、受信障害前に受信した1次パケットによって置換して正しい音声データを出力することが可能となる。
【0148】
上記第1実施形態の受信装置によれば、上記のように時間間隔をあけて放送された置換可能な音声データを用いて、エラー訂正しきれなかった場合でも、置換可能な別の音声で置換出力できるため、音声が途切れることが少なくなり、利用者は音声を聴きながら、番組の進行を追いかけることができ、番組の進行を見失うことなく受信障害の復旧を待つことができる。
【0149】
〔第2実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した放送番組の提供方法および送信装置の異なる形態について第2実施形態として説明する。
【0150】
この第2実施形態では、上記第1実施形態の図1に示す送信装置のシステム符号化多重化部117で、全体の送信データ量に応じて、放送帯域に収まる範囲内で、置換可能な音声データの放送回数を増減させるように構成している。
【0151】
この第2実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0152】
図1で説明すると、符号化多重化部117で送信データ量が多い場合は、遅延バッファ116から読み出した音声データを2次パケットに変換せずにデータを捨て、送信データ量が少なく放送帯域に余裕がある場合は、遅延バッファ116から読み出した音声データを2次パケットに変換するように構成する。
【0153】
上記の処理を、図4のフローチャートで説明すれば、先ず、送信データ量を算出する(S1)。この場合の送信量は、映像、音声、字幕、その他、前述の番組配列情報(SI)や番組仕様情報(PSI)などの上記放送回数を増減させる音声データ以外、つまり遅延バッファ116の1次パケット以外の合計の送信データ量を指す。
【0154】
次に、置換可能な音声データを追加した場合の送信データ量を算出し(S2)、放送帯域に収まるか否かを判断する(S3)。
【0155】
そして、上記ステップS3で放送帯域に収まる範囲のデータ量の場合は、置換可能な音声データを追加し(S4)、上記ステップS3でデータ量が放送帯域に収まらないデータ量の場合は、置換可能な音声データを追加せずに、破棄する(S5)。
【0156】
以上を、たとえば、単位時間毎、あるいは、置換可能な音声データの1次パケットの取得毎に行う。
【0157】
このように、データが送信されたりされなかったりする置換可能な音声データは、結果として不定期にデータが間引かれた置換可能な音声データとなる。そのため、以上の放送を受信した場合では、置換可能な音声データのあるものは、放送帯域の混み具合によって元々欠落しているものがあることになる。しかし、欠落した置換可能な音声データは、第1実施形態で説明した受信装置において、通信障害によって置換可能な音声データが欠落したものと同様に扱うことができ、欠落していない置換可能な音声データは、他の正常に受信された音声データと同じく音声を置換出力することが可能となる。
【0158】
置換可能な複数の音声データを放送した場合、特に上記の部分受信セグメントによる放送、とりわけ1セグメント放送では、放送帯域の多くを占めて、番組配列情報や、番組仕様情報など、その他のデータ放送を多重することに支障が生じる場合がある。しかし、一定以上の放送帯域を確保しておいたのでは、置換可能な複数の音声データの数が減ってしまうことになる。
【0159】
上記第2実施形態の放送番組の提供方法および送信装置によれば、放送データの少ないときには置換可能な音声データの放送回数を増加し、放送データの多いときには置換可能な音声データの放送回数を減少するため、放送帯域をより有効に利用して音声データを置換出力することができる。
【0160】
また、上記ステップS3,S5で意図的に音声データを欠落させた場合でも、実際の通信障害と同様に扱うことができ、受信装置に特別な機構を追加する必要がない利点を有する。
【0161】
つまり、ステップS1,S2,S3,S4,S5によって、上記置換可能な複数の音声データの一部の放送が、上記一部のデータ以外の他のデータのデータ量に応じて行われ、全体のデータ量が放送帯域以下となるように制御するデータ量調整手段が構成される。
【0162】
また、ステップS3で放送帯域とデータ量の比較を行う場合、放送帯域ぎりぎりまで置換可能な音声データを追加するように構成しても構わないし、総データ量が帯域よりある程度少なくなるように設定することもできる。地上デジタル放送では、総データ量が放送帯域より少ない場合は、2次パケットに自動的にダミーデータが付加されて、最終的なデータ量を一定にする様に規格化されている。
【0163】
〔第3実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した受信装置の異なる形態について第3実施形態として説明する。
【0164】
この第3実施形態の受信装置では、受信した個々の置換可能な複数の音声データの受信障害を検出せず、置換可能な複数の音声データを提示時刻または復号時刻に応じて、音声置換部224で音声用の復号化部225に送出するかどうかを切り替えるように構成している。
【0165】
この第3実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0166】
図2を用いて説明すれば、音声置換部224は、提示時刻または復号時刻から、まだ音声用の復号化部225へ送出していないと判断されるものは送出し、既に置換可能な別の音声データを送出したと判断されるものは送出しないように構成している。
【0167】
つまり、図6のフローチャートで説明すれば、先ず、最後に送出した音声データの提示時刻を記憶する(S21)。つまり、最後に音声用の復号化部225に送出した音声データの提示時刻を記憶する。
【0168】
次に、各置換可能な複数の音声データの提示時刻となったものを順次取得する(S22)。実際には、表示までの処理に要する時間を考慮して提示時刻より少し前に取得する様にする。つまり、各置換可能な複数の音声データを、各データバッファ213,214,215から順番に検索して、現時点で表示処理すべき提示時刻の音声データを取得する。
【0169】
次に、ステップS22で取得した音声データの提示時刻と、ステップS21の最後に送出した音声の提示時刻とを比較して、提示時刻が同じか否かを判断する(S23)。
【0170】
一方、ステップS23で提示時刻が同じであれば、音声データを破棄する(S24)。つまり、既に音声復号化部に送出した音声データと同じ内容の置換可能な別の音声データであるため復号が不要なため破棄する。
【0171】
ステップS23で提示時刻が異なれば、音声データを音声用の復号化部225に送出する(S25)。つまり、音声出力を行う時期となっているが、まだ出力されていない音声データであり、上記音声復号化部で復号し、音声出力を行う。
【0172】
ステップS24,S25の後、終了の指示が無ければ、ステップS21に戻り、処理の終了の指示があった場合は、処理を終了する(S26)。そして、ステップS21に戻った場合は、ステップS24,S25で送出された音声データの提示時刻が最後に送出した音声データの提示時刻として記憶されることになる。
【0173】
以上によって、個々の置換可能な複数の音声データの受信障害を検出する特別な機構を設けることなく、受信障害において置換可能な音声データを相互の間で置換して画面に出力することができる。
【0174】
このように、ステップS21,S22,S23,S24,S25によって、上記置換可能な複数の音声データを置換可能な音声データが重複しないよう選別して送出する音声データ送出手段が構成される。
【0175】
上記第3実施形態によれば、受信障害が無い場合は、置換可能な複数の音声データは、最初のもの以外は次々に破棄される。そして、ある音声データに受信障害が生じた場合は、受信障害が生じていない別の置換可能な音声データで置換されて音声データが送出される。つまり、破棄されるデータの個数が減るだけで、置換可能な音声データの全てが受信障害となるまでは正しく音声データの送出が行われ、音声出力が行われる。
【0176】
〔第4実施形態〕
次に、上記第1実施形態で示した受信装置の異なる形態について第4実施形態として説明する。
【0177】
この第4実施形態の受信装置では、ステレオ音声データの受信障害に応じてステレオ音声出力を自動的に次第にモノラル化した音声出力に、あるいはモノラル化した音声出力を自動的に次第にステレオ音声出力に戻す構成としている。
【0178】
この第4実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0179】
以下、上記第1実施形態での放送番組のように、本来のステレオ音声放送と、置換可能な音声データとして、別のステレオ音声放送とまた別のモノラル音声放送とを受信しているものとする。また、制御は音声の切り替えに関する動作に限って説明を行う。
【0180】
図2で説明すれば、分離システム復号化部205は、音声,映像の1次パケットの分離および復号化を行うよう設定する。また、音声置換部224は、1次パケットとともに、ステレオ音声のデータの数を音声復号化部に通知するように構成する。
【0181】
音声用の復号化部225は、ステレオ音声データをステレオの音声出力とモノラルの音声出力との間で、滑らかに次第に変化するように加工できるように構成する。
【0182】
そして、音声用の復号化部225は、音声置換部224から通知される欠落のないステレオ音声のデータの数が2未満になるとステレオ音声を次第にモノラル化して出力するように構成する。また、欠落のないステレオ音声のデータの数が2になり、2の状態のまま一定時間が経過した場合は、モノラル化した音声をステレオに次第に戻すように設定する。
【0183】
まず、図3で、横軸301に時間の経過を、縦軸302に音声データの出力、例としてヘッドホンの片方のスピーカの出力を示して上記の音声を次第に切り替える様子を説明する。
【0184】
図3では、横軸の矢印303で示した期間が、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値(上記の場合2)未満になった時間とする。
【0185】
先ず、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステレオ音声を出力し(304)、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値未満になると、ステレオ音声の出力を次第に小さくし(305)、ステレオ音声の左右の波形を平均化して作成したモノラル音声の出力を次第に大きくする(306)。これによって使用者にステレオ音声出力からモノラル化した音声出力への切り替わりがあったことをあまり感じさせずに切り替えを行うことができる。
【0186】
これによって、更に受信状態が劣化して欠落のないステレオ音声データの数が0になって、音声データが切り替わってモノラル音声データとなった場合でも、既にモノラル音声となっているので違和感を生じない。
【0187】
そして、欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の状態に復帰し、矢印308で示す一定期間だけ欠落のないステレオ音声データの数がしきい値以上の状態が継続すると、ステレオ音声出力を次第に増加し(309)、モノラル音声出力を次第に減少する(310)ことで使用者があまり気づかないようにステレオ音声(311)に切り替える。
【0188】
ステレオ音声出力とモノラル音声出力をこのように次第に切り替えることで使用者に違和感を与えないで切り替えることが可能となる。
【0189】
また、図3では、ステレオとモノラルとの切り替えを次第に行う方法の一例として、直線的に変化させる構成(305,306)と、階段的に変化させる構成(309,310)を示しているが、直線的な変化や、階段的な変化に限定されるものではなく、視聴者に気づきにくい程度に滑らかに変化させるように構成すればよい。
【0190】
以上の処理の流れをより詳しく図7に示すフローチャートで説明すれば、まず、音声用の復号化部225はステレオ音声を出力する設定とする(S31)。つまり、受信障害がなく正常に放送番組が受信できている場合は、利用者はディスプレイに表示されるテレビ映像と、スピーカから出力されるステレオテレビ音声によって放送番組を視聴する。
【0191】
次に、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満かどうか判断する(S32)。受信状態が悪くなった時にステレオ音声データのがある間に次第にモノラル音声に切り替えることからしきい値は2以上とすることが好ましい。1の場合は、1音声フレームの時間の間にステレオからモノラルに切り替えることになり切り替えがあまり滑らかにできないためである。当然、1未満は効果が無い。この場合は、しきい値はたとえば2に設定している。
【0192】
また、当然、置換可能なステレオ音声データの数より大きな値でも効果がない。
【0193】
ステップS32で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステップS32に戻って判断を繰り返す。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数だけ受信できているので、ステレオ音声が途切れる心配がない状態である。
【0194】
一方、ステップS32で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満の場合は、ステレオ音声出力を次第にモノラル音声出力に切り替える指示を出す(S33)。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数を下回りステレオ音声が途切れる心配が生じた状態である。
【0195】
この第4実施形態では、上記の切り替える指示は音声用の復号化部225で処理され、音声データを復号するときにステレオ音声のデータでもモノラル音声となるように左右の音声波形を加算する等して加工するように処理を切り替える。また、このとき、図3に示したようにステレオ音声からモノラル音声に滑らかに切り替わるようにする。
【0196】
次に、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上かどうか判断する(S34)。このときのしきい値は、ステップS32でのしきい値と同じでも異なっても構わない。しかし、上記と同じ理由で、2以上が好ましい。0では効果が無い。また、同じように、ステレオ音声データの数より大きな値でも効果がない。ここでは、しきい値は同じ値の2に設定する。
【0197】
ステップS34で、受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値未満の場合は、ステップS34に戻る。つまり、ステレオ音声データが上記しきい値で設定された所定の数だけ受信できていないので、ステレオ音声が途切れる心配が続いている状態である。このとき、たとえば、受信障害の無いステレオ音声データの数が0になり、モノラル音声のデータしか無い場合は、当然モノラルの音声出力となる。しかし、既にモノラル音声となっているので、ステレオからモノラルに急に切り替わることがないため、視聴者に違和感を与えない。
【0198】
一方、ステップS34で受信障害の無いステレオ音声データの数がしきい値以上の場合は、ステップS34でのしきい値を超えた期間が所定の期間続いたか判断する(S35)。
【0199】
そして、ステップS35で、しきい値以上の期間が所定の期間続いていない場合、ステップS34に戻る。
【0200】
一方、ステップS35で、しきい値を超えた期間が所定の期間続いた場合、モノラル音声出力を次第にステレオ音声出力に切り替える指示を出す(S36)。この場合、受信障害のないステレオ音声のデータがあるので、音声出力は、ステレオ音声データをモノラル音声に加工して出力している状態である。上記の指示は音声復号化部で処理されステレオ音声のデータをモノラル音声に加工していた処理を、図3に示すようにステレオ音声の出力の処理に滑らかに切り替える。
【0201】
以上を終了の指示があるまでステップS32に戻って繰り返す(S37)。
【0202】
このように、ステップS32およびステップS34によって、上記置換可能な複数の音声データの中で、ステレオ音声データの受信障害を予測する障害予測手段が構成される。
【0203】
また、ステップS33によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測された場合、ステレオ音声データを加工してステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に次第に切り替える制御を行う切り替え制御手段が構成される。
【0204】
また、ステップS36によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声に切り替える制御を行う復旧制御手段が構成される。
【0205】
また、特に、ステップS34,S35,S36によって、上記障害予測手段によりステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、その状態が一定期間を経た後、上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声に切り替える制御を行う手段が構成される。
【0206】
また、受信装置の電源の切断や受信の設定、出力の設定の変更等のために、記載していないが、上記の各ステップから処理が終了される場合もある。
【0207】
上記第1実施形態の図1に示す送信装置での1次パケット109bのように、音声データをモノラル化して符号化した場合、ステレオのままよりもデータ量が約半分となり、音声データを複数回放送する場合でも放送帯域の増加が小さくて済む利点がある。あるいは、一定の放送帯域ではより多くの置換可能な複数の音声データを放送することができる。
【0208】
しかし、一方でステレオ音声データの受信障害の前後で、ステレオの音声データ(1次パケット109a)とモノラルの音声データ(1次パケット109b)との間で切り替わる時、視聴者は音の広がりの変化に違和感を感じてしまう場合がある。
【0209】
特に、受信障害によってステレオ音声出力とモノラル音声出力の切り替わりが頻繁に生じた場合、使用者が特に耳障りに感じてしまう場合がある。
【0210】
上記第4実施形態によって、ステレオ音声の受信障害のない音声データがなくなるか、または、なくなる可能性が高くなると、あらかじめモノラル音声に次第に出力を切り替え、モノラル音声に切り替わったときに違和感を与えないようにすることができる。
【0211】
また、上記の状況から復旧すると、モノラル音声からステレオ音声に次第に切り替え、このときも視聴者に違和感を与えないようにすることができる。
【0212】
そのため、視聴者は音声の切り替わりに違和感を感じることが少なくなり、安定した視聴が可能になる。
【0213】
また、復調部203での2次パケット単位のエラー訂正において検出されるエラーの頻度を信号化(エラー信号229)し、それを用いて受信状態が悪くなった場合に、受信障害の発生に先駆けて音声を次第にモノラル化するように構成することもできる。つまり、この第4実施形態での地上デジタル放送では、2次パケットあたり一定量までのエラーは復調部203のエラー訂正機構により訂正されるので、エラーの頻度がエラー訂正できる限界の量に近づいたとき音声を次第にモノラル化するように構成する。たとえば、エラー頻度に所定頻度としてのしきい値を設け、しきい値を境として音声を切り替えるように構成する。それによって、受信障害に先駆けて音声をモノラル化することができる。
【0214】
その場合、置換可能な複数のステレオ音声データを持つことなく、エラーに先駆けてモノラル音声に次第に切り替えることが可能である。
【0215】
また、復調部203のエラー頻度が一定以上となり受信障害が生じた後、1秒弱程度の音声データは音声用のデータバッファにあるデータで音声出力ができる場合があるので、その時間で音声を次第にモノラルに切り替えるようにしても良い。しかし、音声用のデータバッファで出力できる時間は短いので、十分滑らかに音声を切り替えることができないので、前述のように一定のしきい値のエラー検出頻度で音声をモノラル化するようにした方がより好ましい。
【0216】
また、受信障害(あるいは音声をモノラル化する条件)から復旧して一定時間を置いて音声をステレオに自動的に戻すようにした方が、音声がモノラル化したりステレオ化したりを短期間の間に繰り返すことがなく、より好ましい。
【0217】
この第4実施形態では、受信状態の回復後、自動的にステレオ音声に戻すように構成したが、利用者が指示をしてステレオ音声出力に戻すように構成してもよい。その場合、たとえば受信状態をエラーの頻度としてディスプレイに棒グラフなどでの表示をするように構成し、利用者が受信状態を確認できるようにすることが好ましい。
【0218】
この第4実施形態では、上記のようにステレオ音声とモノラル音声との切り替えを滑らかに行う方法について説明したが、その他に、データ量の多い高音質の音声とデータ量の少ない低音質の音声の切り替えを同じように行うことができる。
【0219】
つまり、受信できている高音質の音声データの数に所定のしきい値を設けて、その値を下回った場合に次第に低音質の音声に切り替えるように音質を切り替える。また、受信状態が回復して、しきい値以上となれば、高音質に再び次第に切り替える。上記音質の切り替えは、たとえば図3に示したように直線的に、あるいは段階的に高音質の音声と低音質の音声の音量を変化させることで可能である。
【0220】
特に地上デジタル放送規格で移動受信に主に利用される部分受信セグメントでは、放送帯域が小さく、置換可能な音声データの一部の音声データの音質を低下させてデータ量を小さくし、置換可能な音声データの数を多くすることが効果的である。
【0221】
〔第5実施形態〕
次に、この発明の第5実施形態では、第1実施形態と同じく、データ多重放送が可能なデジタル放送の一例としての日本方式の地上デジタル放送の伝送方式による放送において、データ多重放送が可能なデジタル放送を送信する送信装置および受信装置の一例について説明する。この第5実施形態の送信装置は、置換可能な複数の音声データに加えて、置換可能な複数の字幕データの夫々を時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する構成をしている。
【0222】
この第5実施形態では、以下、上記第1実施形態との違いの部分についてのみ説明を行う。
【0223】
図8は、この発明の第5実施形態の送信装置のブロック図の一部であり、図1の送信装置と一部が異なる部分を示しており、それ以外の部分は図1と同じであり省略している。また、図9は、この発明の第5実施形態の受信装置のブロック図の一部であり、図2の受信装置と一部が異なる部分を示しており、それ以外の部分は図2と同じであり省略している。なお、図8,図9において、図1,図2と同一の構成部は同一参照番号を付している。
【0224】
まず、全体の構成について説明する。
【0225】
図8に示す送信装置には、字幕データを符号化する字幕符号化手段の一例として符号化部105を有し、また、上記符号化部105により符号化された字幕データを遅延させる遅延バッファ111と、上記字幕データを遅延させる遅延バッファ111の遅延時間よりも時間インターリーブ長以上短くした遅延時間で、上記符号化された字幕データを遅延させる遅延バッファ901を有している。
【0226】
また、上記送信装置は、上記字幕データを遅延させる遅延バッファ111と上記字幕データを遅延させる遅延バッファ901からの上記符号化された字幕データを受け取り、それらを多重化したデータストリームを作成するデータストリーム作成手段の一例としてシステム符号化多重化部117を有している。
【0227】
また、図9に示す受信装置は、上記字幕データを出力する字幕出力手段の一例として、字幕用の復号化部222,映像合成部220,ディスプレイ221を有している。
【0228】
また、上記受信装置は、上記置換可能な複数の字幕データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた字幕データとは異なる置換可能な別の字幕データによって上記字幕出力手段の出力を置換する字幕置換手段の一例として字幕置換部904を有している。
【0229】
また、図9では省略しているが、上記受信装置は、時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の字幕データを含む放送を受信する受信手段の一例として、図2に示す受信部201,復調部203,分離システム復号化部205を有している。
【0230】
次に、図8を用いて、放送番組の提供方法について、送信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0231】
放送番組のデータが、映像用のデータ入力部101,字幕用のデータ入力部102,音声用のデータ入力部103よりそれぞれ供給され、符号化部104,105,106aでそれぞれ符号化し、1次パケット107,108,109aとして、それぞれ遅延バッファ110,111,112に送出するのは第1実施形態と同じである。
【0232】
この第5実施形態では、更に、上記字幕データ符号化部105の出力の1次パケット108を複製して別の1次パケットを作成し、遅延バッファ111と異なる遅延バッファ901に送出するように構成した。つまり、置換可能な複数の字幕データの一例として同じ字幕データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ111,901に送るように構成している。
【0233】
また、上記音声データ符号化部106aの出力の1次パケット109を複製したものは、遅延バッファ115に送出するように構成した。
【0234】
この第5実施形態では、第1実施形態とは異なって、図2での音声データ符号化部106bおよび遅延バッファ116がない構成としている。つまり、置換可能な複数の音声データの一例として同じ音声データの内容の1次パケットを複数の遅延バッファ112,115の2箇所に送るように構成している。
【0235】
そして、上記システム符号化多重化部117では、上記の各遅延バッファ110,111,901,112,115の1次パケットを読み出し、各1次パケットの違い、この場合、バッファ毎の違いを区別するための識別符号が付加された2次パケット(TSP)に再変換する。そして、上記2次パケットを多重化し、上記2次パケットが連続するトランスポートストリーム(TS)118(図1に示す)を作成し、変調部119(図1に示す)に送出する。。
【0236】
この第5実施形態では、上記時間インターリーブ長以上の時間的な間隔をあけて、上記置換可能な複数の字幕データの夫々を時間間隔をあけて放送する方法の一例として、上記遅延バッファ901の遅延時間を上記遅延バッファ111の遅延時間より短くし、各遅延バッファの遅延時間の差を上記時間インターリーブ長の2倍とするように構成している。
【0237】
以降は、第1実施形態と同様に処理されて放送電波として放送される。
【0238】
次に、図9を用いて、放送番組を受信する受信装置の処理の流れを追って説明を行う。
【0239】
放送電波をアンテナで受信し、選局した放送局の放送番組のベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)202(図2に示す)に変換し、復調部203(図2に示す)で2次パケット(TSP)が連続するトランスポートストリーム(TS)204(図2に示す)を再生するのは、第1実施形態の図2における処理と同じである。
【0240】
次に、分離システム復号化部205で、上記トランスポートストリーム204をデータの種類毎に1次パケット206,207,902,208,209に分離復号し、それぞれ、映像用のデータバッファ211、字幕用のデータバッファ212,903、音声用のデータバッファ213,214に送出する。
【0241】
つまり、図8のシステム符号化多重化部117で、2次パケットに付加した上記識別符号によりデータを区別することで多重化されたデータを分離し、図8の遅延バッファ110,111,901,112,115における送信側の1次パケットに対応する1次パケットとして、上記1次パケット206,207,902,208,209を再生する。
【0242】
この第5実施形態では、字幕置換部904で、上記字幕用のデータバッファ212,903の1次パケットを読み出し、字幕データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な字幕データの1次パケットを字幕用の復号化部222に送出する。
【0243】
また、第5実施形態では、音声置換部224で、上記音声用のデータバッファ213,214の1次パケットを読み出し、音声データの受信障害を検出し、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な音声データの1次パケットを音声用の復号化部225に送出する。
【0244】
そして、字幕用の復号化部222では、上記字幕置換部904からの1次パケットを復号して字幕信号223とし、映像合成部220に送出する。それによって、字幕は映像と合成されディスプレイ221に表示される。
【0245】
また、上記音声用の復号化部225では、上記音声置換部224からの1次パケットを復号して音声波形信号226を作成し、スピーカ227から出力する。
【0246】
上記字幕置換部904で、受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ない置換可能な字幕データの1次パケットを字幕用の復号化部222に送出する方法は、第1実施形態で音声データの提示時刻を比較して音声データの受信障害を検出した方法と同じ方法を用いることができる。
【0247】
つまり、各字幕用のデータバッファ212,903の字幕データの復号時刻を比較して字幕データの受信障害を検出する。
【0248】
また、この場合、字幕データは提示時刻の代りに復号時刻を用いて上記の処理の順を行う場合もある。
【0249】
上記第5実施形態の送信装置によれば、上記遅延バッファ111,901の遅延時間の差を上記時間インターリーブ長以上にしているために、置換可能な複数の音声データのほかに、置換可能な複数の字幕データの夫々を、上記時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて放送する放送番組を提供することが可能となる。
【0250】
また、上記放送番組の提供方法によれば、放送方式の時間インターリーブ長以上の時間間隔をあけて、置換可能な複数の音声データおよび置換可能な複数の字幕データを放送するため、変調部119(図1に示す)のエラー訂正方式によるデータの拡散が上記の置換可能な複数の音声データ間だけでなく、置換可能な複数の字幕データ間でも時間的に重ならない。そのため、放送方式のエラー訂正でエラーが訂正しきれなかった場合でも、上記置換可能な複数の字幕データの内の置換可能な別の字幕データが正常に受信できている可能性が高く、上記のエラー訂正しきれなかった場合でも音声と字幕の表示を継続できる放送番組を提供することができる。
【0251】
また、上記放送番組の提供方法では、視聴者の利用状況に合わせて、放送局が上記置換可能な字幕データの放送回数や、複数回放送するそれぞれの放送時間の時間間隔を簡単に調節することが可能となる利点を有する。特に放送方式の規格を変更することなく変更することができる特別の利点がある。
【0252】
上記第5実施形態の受信装置によれば、エラー訂正しきれなかった場合でも、置換可能な別の音声や置換可能な別の字幕で置換出力できるため、音声や字幕が途切れることが少なくなり、利用者は音声と字幕を見ながら、番組の進行を追いかけることができ、番組の進行を見失うことなく受信障害の復旧を待つことができる。
【0253】
また、上記の第1実施形態、第5実施形態では、置換可能な複数の音声データを放送する時間間隔を時間インターリーブ長の2倍としているが、時間インターリーブ長以上であればよく、より好ましくは1秒以上とする。これは、実際には、駅のホームや、バスの停留所等の待合所や、電車での移動中での受信障害が1秒弱にわたって続くことがあることが多いためである。しかし、待合所などでは人や車の移動によって、また、電車やバスなどの移動車両中では車両の移動によって、受信状態が刻々変化し、実際に利用してみると受信障害が生じても1秒程度で回復する場合がほとんどであるためである。また、より好ましくは、上記の遅延時間の間隔はその倍の2秒以上とすることで、都市近郊の複雑な地形で受信状況が劣化した場合でもより確実に別の時刻に放送された置換可能な音声データで置換が可能となる。
【0254】
また、受信装置のバッファを必要以上大きくしないため、置換可能な複数の音声データの夫々を時間間隔をあけて放送するそれぞれの時刻の間隔、すなわち上記の遅延時間の間隔は1分以下にすることが好ましい。また、この遅延時間の値が大きいと提示時刻とデータが送信される時刻との差が大きくなり、電源を入れた後や、チャンネルを変えたあとで音声出力の置換が行える状態となるまでの時間が大きくなるので、より好ましくは15秒以下にすることが好ましい。
【0255】
これは、放送番組中のコマーシャルのほとんどが15秒単位で編成されているように、視聴者が場面をおおよそ理解するのに必要な時間である。そのため、反対に、視聴者は電源を入れたり、チャンネルを変えたりした後、15秒程度は、番組内容に必ずしもついていっていないため、放送が途切れてもあまり気にならない。それに対して、15秒を過ぎると、番組内容を把握し、番組を楽しむ姿勢になっているため、放送が途切れた場合、満足感を得られない場合が多い。そのため、15秒以内で上記のようにデータの置換が行える状態とすることが好ましい。
【0256】
また、上記第1実施形態では、本来のステレオ音声データに(遅延バッファ112に貯えられるデータに相当)対して、別の置換可能なステレオ音声データ(遅延バッファ115に貯えられるデータに相当)と、また別の置換可能なのモノラル音声データ(遅延バッファ116に貯えられるデータに相当)とを2回放送するように構成したが、置換可能な音声データは更に多くの回数放送することもできるし、ステレオ音声データのみ、あるいはモノラル音声データのみとすることもできる。
【0257】
また、送信された置換可能な複数の音声データとして、本来の音声データ(遅延バッファ112に貯えられるデータに相当)に対して、別々の置換可能な音声データ(遅延バッファ115,116に貯えられるデータに相当)を2回放送して、合計3回置換可能な音声データを放送するように構成したが、第5実施形態のように別の置換可能な音声データを1回放送して、合計2回置換可能な音声データを放送するように構成することもできる。あるいは、別の置換可能な音声データを3回以上放送して、合計4回以上の置換可能な音声データを放送するように構成することもできる。
【0258】
また、上記の第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態では、送信された置換可能な複数の音声の全てを用いて、受信障害時に音声出力を置換出力するように構成しているが、本発明はこの構成に限られるものではなく、上記放送された置換可能な複数の音声データの一部のみを用いて、受信装置において受信障害の音声データの置換出力を行うこともできる。
【0259】
つまり、放送局で上記置換可能な音声データとして、多めの置換可能な複数の音声データを放送しておき、受信装置の性能に応じて放送された置換可能な複数の音声データの一部を使用して、受信障害時の置換出力を行うように構成する。
【0260】
特に移動受信を行う場合、受信装置は音声用のデータバッファの容量や処理速度の面で制限があるので、性能に応じて置換可能な音声データの一部を使用する構成が適している。この場合、図1の遅延バッファの遅延時間が大きい音声データの置換可能な音声データから順に用いるようにすることで、受信装置の記憶容量を低減させることができる。
【0261】
あるいは、置換可能な複数の音声データの存在を視聴者に提示して、視聴者にその中から置換出力に使用する置換可能な複数の音声データを選択するようにすることもできる。あるいはまた、自動的に置換可能な複数の音声データの複数の組み合わせを順番に選択して、それぞれの置換可能な複数の音声データの組み合わせで置換処理が行われる頻度を算出し、置換処理が行われる頻度の大きい置換可能な複数の音声データの組み合わせを採用するように構成することもできる。
【0262】
また、上記の第1実施形態、第3実施形態、第4実施形態では、映像用の復号化部218は、映像データが欠落した場合、エラーのない最後の映像を出力するように構成した方が好ましい。
【0263】
あるいは、映像用の復号化部は、保存している過去の映像、あるいは、それを用いて種々の加工を行った映像を表示するように構成することもできる。たとえば、縮小した数秒おきの映像を順次ならべて表示したり、映像の一部を拡大したり縮小したり、色彩を変化させたり、形を歪ませたりして表示する。
【0264】
これによって、利用者は、受信障害時に置換可能な複数の音声データを用いて置換出力した音声で番組の進行を追いかけつつ、変化した場面の視聴を楽しみながら、受信障害の復旧を待つことができる。
【0265】
あるいは、受信障害が長引く場合は、放送番組の場面が変わる場合があり、過去の映像と、音声で得る番組の進行が一致しなくなることが多い。そのため、映像の受信障害が一定期間続いた場合、映像を次第に消す、つまりフェードアウトするように加工して出力するように構成することがより好ましい。この場合、テレビ放送の画面が変わる平均的なタイミングから映像の受信障害が4から10秒続いた時に映像を次第に消すように設定することで、番組の進行と映像との不一致による違和感が少なく好ましい。
【0266】
また、上記の第1実施形態から第5実施形態では、放送方式として、地上デジタル放送の規格を用いたが、放送方式は地上デジタル放送の規格に限られるものではなく、その他の時間インターリーブ処理を行う規格のデータ多重放送が可能なデジタル放送に適用することが可能である。つまり、日本の地上デジタル放送方式のように、移動受信に優れた時間インターリーブ処理を行う方式と組み合わせていることで、少ない個数の置換可能な複数の音声データで、より効果的に置換して正しい音声データを出力することが可能となっている。これは、時間インターリーブ処理により、ほとんどのフェージングによる受信障害がエラー訂正されるため、エラー訂正しきれなかった受信障害の頻度が小さくなり、時間インターリーブ長より時間をあけて放送した置換可能な音声データが同時に受信障害となることが確率的に少なくなるためである。
【0267】
デジタル放送の規格の放送方式では一般に、映像、音声、字幕等のデータは、パリティを付加するなど冗長化され、周波数軸上や時間軸上でインターリーブ処理によって拡散される。それによって、部分的または一時的に電波の受信が途切れた場合でも、受信装置でエラー訂正を行い正しいデータを出力することができるように構成されている。
【0268】
本発明の実施形態における置換可能な複数の音声データの夫々を放送する構成は正しいデータを視聴者に提供する面では同じ目的を有するが、上記の放送方式でのパリティの付加等のエラー訂正のための処理と比べると、時間インターリーブ処理が、放送方式すなわち、送受信装置に密接に関連して構成され規格で決められているのに対して、本発明は番組の提供方法として構成されていることが最も大きな違いである。そのため、番組放送の送受信装置に大きな特別な変更を行うことなく、また、本構成を用いない放送番組と共存することが可能である利点を有する。
【0269】
つまり、本実施の形態では、1次パケットの作成時点で置換可能な複数の音声データを作成するか、または、1次パケットの複製によって置換可能な複数の音声データを作成し、それらの1次パケットを2次パケットに再構成して多重化している。この構成により、放送方式の規格の変更を行うことなく置換可能な複数の音声データを放送することができる。すなわち、放送方式では、2次パケットの連続した2次パケットストリームを符号化,変調して放送するので、本発明の構成の1次パケットの中身は、放送方式としては一定の規格にさえ入っていれば放送規格の変更ではなく、番組編成の段階での編集で可能となる。
【0270】
そのため、置換可能な音声データは、上記の受信障害の置換方法に対応していない受信機からは、単なる重複したデータの放送であって、受信に障害を与えない。これは、たとえば、選択可能な日本語の音声と英語の音声と同様に扱われることになる。
【0271】
たとえば、受信障害の置換方法に対応した受信機には、置換可能な複数の音声データの存在を、上記の番組配列情報(SI)や番組仕様情報(PSI)で通知して、受信機側で自動的に受信障害での置換出力を開始するように構成してもよい。
【0272】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の放送番組の提供方法によれば、放送規格の伝送方式のエラー訂正方式によってエラー訂正ができなかった一時的な受信状況の劣化の際でも、音声データを、別の置換可能な音声データで置換して出力することができる放送番組を提供することが可能となる。
【0273】
また、この発明の受信装置によれば、上記放送番組を受信し、放送の伝送方式のエラー訂正方式規格によってエラー訂正ができなかった一時的な受信状況の劣化の際でも、音声データを、別の置換可能な音声データで置換して出力することができる。
【0274】
また、この発明の送信装置によれば、置換可能な複数の音声データの夫々を、放送規格の時間インターリーブ処理以上の時間的な間隔をあけて放送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図2】図2は上記第1実施形態の受信装置のブロック図である。
【図3】図3は本発明の第4実施形態の放送番組の提供方法を用いた受信装置のステレオ音声とモノラル音声の切り替えを説明するための図である。
【図4】図4は本発明の第2実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置の置換可能な音声データの放送回数を変化させる構成を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は上記第1実施形態の受信装置の受信障害の検出を説明するためのフローチャートである。
【図6】図6は本発明の第3実施形態の放送番組の提供方法を用いた受信装置の音声データの置換を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は本発明の第4実施形態の受信装置のステレオ音声出力とモノラル音声出力の切り替えを説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は本発明の第5実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図9】図9は上記第5実施形態の放送番組の提供方法を用いた送信装置のブロック図である。
【図10】図10は従来の放送番組の提供方法を説明するための図である。
【符号の説明】
101,102,103…データ入力部、
104,105,106a,106b…符号化部、
107,108,109a,109b…1次パケット、
113…システムタイムクロック、
114…提示時刻、
110,111,112,115,116,901…遅延バッファ、
117…システム符号化多重化部、
118…トランスポートストリーム、
119…変調部、
120…システムタイムクロックのリファレンス信号、
121…ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)、
122…送信部、
201…受信部、
202…ベースバンド信号(あるいは中間周波数信号)、
203…復調部、
204…トランスポートストリーム、
205…分離システム復号化部、
206,207,208,209,210,902…1次パケット、
211,212,213,214,215,903…データバッファ、
216…システムタイムクロックのリファレンス信号、
217…システムタイムクロック再生部、
218,222,225…復号化部、
227…スピーカ、
220…映像合成部、
221…ディスプレイ、
904…字幕置換部、
219…テレビ映像信号、
223…字幕映像信号、
224…音声置換部、
226…音声信号、
229…エラー信号。
Claims (10)
- データ多重放送が可能なデジタル放送における放送番組の提供方法であって、
上記デジタル放送が時間インターリーブ処理を行う放送方式を用い、
置換可能な複数の音声データの夫々を時間的な間隔をあけて放送し、かつ、上記置換可能な複数の音声データのうちの少なくとも2つの音声データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上であることを特徴とする放送番組の提供方法。 - 請求項1に記載の放送番組の提供方法において、
上記置換可能な複数の音声データの夫々を放送する上記の時間的な間隔が、1秒以上であることを特徴とする放送番組の提供方法。 - 請求項1に記載の放送番組の提供方法において、
上記データ多重放送が、デジタル変調された複数の搬送波からなる複数のOFDMセグメントの部分受信セグメントによる放送であることを特徴とする放送番組の提供方法。 - 請求項1に記載の放送番組の提供方法において、
上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データと、上記ステレオ音声データより時間的に早く放送される少なくとも1つ以上のモノラル音声データからなることを特徴とする放送番組の提供方法。 - 請求項1に記載の放送番組の提供方法において、
置換可能な複数の字幕データの夫々を時間的な間隔をあけて放送し、かつ、上記置換可能な複数の字幕データのうちの少なくとも2つの字幕データの時間的な間隔が、上記時間インターリーブ処理によって上記複数の字幕データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上であることを特徴とする放送番組の提供方法。 - データ多重放送が可能なデジタル放送を受信する受信装置において、
時間的な間隔をあけて放送された置換可能な複数の音声データを含む放送を受信する受信手段と、
上記受信手段により受信された上記音声データを出力する音声出力手段と、
上記置換可能な複数の音声データのあるものに受信障害が生じた場合、上記受信障害が生じた音声データとは異なる置換可能な別の音声データによって上記音声出力手段の出力を置換する音声置換手段とを有することを特徴とする受信装置。 - 請求項6に記載の受信装置において、
上記音声置換手段は、
上記複数の音声データ間で、上記音声データ毎にそれぞれ付加されている提示時刻または復号時刻を比較して、各音声データの受信障害を検出する障害検出手段と、
上記障害検出手段によって受信障害がないかまたは受信障害が所定頻度より少ないと判断した音声データを、上記音声出力手段に出力する選択送出手段とを有することを特徴とする受信装置。 - 請求項6に記載の受信装置において、
上記置換可能な複数の音声データが、少なくとも1つ以上のステレオ音声データからなり、
上記置換可能な複数の音声データのうちの上記ステレオ音声データの受信障害を予測する障害予測手段と、
上記障害予測手段によって、ステレオ音声データに受信障害が予測された場合、上記ステレオ音声データを加工してステレオ音声出力からモノラル化した音声出力に次第に切り替える制御を行う切り替え制御手段を有することを特徴とする受信装置。 - 請求項8に記載の受信装置において、
上記切り替え制御手段により上記モノラル化した音声出力に切り換えられた状態から、上記障害予測手段によって上記ステレオ音声データに受信障害が予測されなくなった場合、上記のモノラル化した音声出力を次第にステレオ音声出力に切り替える制御を行う復旧制御手段を有することを特徴とする受信装置。 - データ多重放送が可能なデジタル放送を送信する送信装置において、
音声データを符号化する音声符号化手段と、
上記音声符号化手段により符号化された音声データを遅延させる第1の遅延手段と、
上記第1の遅延手段の遅延時間よりも、放送方式の時間インターリーブ処理によって音声データが時間軸上に拡散される時間的な長さ以上短くした遅延時間で、上記音声符号化手段により符号化された音声データを遅延させる第2の遅延手段と、
少なくとも上記第1の遅延手段と上記第2の遅延手段からの上記符号化された音声データを多重化したデータストリームを作成するデータストリーム作成手段とを有することを特徴とする送信装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002301819A JP2004140505A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 放送番組の提供方法および受信装置および送信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2002301819A JP2004140505A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 放送番組の提供方法および受信装置および送信装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004140505A true JP2004140505A (ja) | 2004-05-13 |
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ID=32450069
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002301819A Pending JP2004140505A (ja) | 2002-10-16 | 2002-10-16 | 放送番組の提供方法および受信装置および送信装置 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004140505A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006141009A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Harman Becker Automotive Systems Gmbh | 移動式テレビジョン受信機 |
| JP2007300270A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Canon Inc | デジタル放送受信装置及びその制御方法 |
| JP2010072364A (ja) * | 2008-09-18 | 2010-04-02 | Toshiba Corp | オーディオデータ補間装置及びオーディオデータ補間方法 |
| JP5973616B1 (ja) * | 2015-04-15 | 2016-08-23 | 西日本電信電話株式会社 | 受信端末及びその映像取得方法 |
-
2002
- 2002-10-16 JP JP2002301819A patent/JP2004140505A/ja active Pending
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