JP2004141995A - マイクロマシンおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マイクロマシンにおけるビームの支持部が立設された下地層の影響を抑制し、ビームの支持部の高さを均一にすることで、この支持部の強度を均一にするマイクロマシンおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜21上に形成された下部電極14と、下部電極14との間に空隙部15を有して配設されたビーム13と、ビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたマイクロマシンにおいて、下部電極14は絶縁膜21に達する第1の開口パターン14aを有し、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上にビーム13の支持部17が立設されていることを特徴とするマイクロマシンおよびその製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】絶縁膜21上に形成された下部電極14と、下部電極14との間に空隙部15を有して配設されたビーム13と、ビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたマイクロマシンにおいて、下部電極14は絶縁膜21に達する第1の開口パターン14aを有し、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上にビーム13の支持部17が立設されていることを特徴とするマイクロマシンおよびその製造方法である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロマシンおよびその製造方法であって、特にGLV(Grating Light Valve)デバイス等に適用される光を干渉、回折し、変調する光変調素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細技術の進展に伴い、いわゆるマイクロマシン(MEMS:Micro Electro−Mechanical System、超小型電気的・機械的複合体)素子(以下、MEMS素子と言う)が注目されている。
MEMS素子はシリコン基板、ガラス基板等の基板上に微細構造体として形成され、機械的駆動力を出力する駆動体と、駆動体の駆動を制御する半導体集積回路等とを電気的に、更には機械的に結合させた素子である。MEMS素子の基本的な特徴は、機械的構造として構成されている駆動体が素子の一部に組み込まれていることであって、駆動体の駆動出力は、電極間のクーロン引力などを応用して電気的に行われることが一般的である。
【0003】
MEMS素子の一例として、光変調器として開発されたGLV(Grating Light Valve)デバイスを例に挙げ、その構造を説明する。
【0004】
図7(a)は、MEMS素子30によって構成されるGLVデバイスの構造を説明する斜視図であり、図7(b)はMEMS素子の構造を示すA−A´断面の要部拡大図である。
図7(a)に示すように、GLVデバイスは複数個のMEMS素子30が並列して密に配置されたデバイスであり、このMEMS素子30は、上面に光反射面を有する静電駆動型のビーム13を備えた、MOEMS(Micro Optical Electro−Mechanical Systems)と称されているものである。
このようなMEMS素子30からなるGLVデバイスは、共通基板である基板10と、共通電極である下部電極14とを備え、下部電極14上に並列されブリッジ状に配置された複数のビーム13とビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えている。
【0005】
ここで、図7(b)の断面図に示すように、このMEMS素子30におけるビーム13は、その端部が下部電極14上に保護膜22を介して配置されたブリッジ形状に形成されており、その表面には光反射膜としての機能も有する上部電極12が形成されている。
ビーム13は下部電極14に対向して所定間隔の空隙部15を有した状態で、下部電極14に対して平行に上部電極12を支持するものである。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13により電気的に絶縁されている。
【0006】
このビーム13の端部の内側にはビーム13と一体で形成された支持部17が下部電極14上に保護膜22を介して立設されており、この支持部17はブリッジ状のビーム13を下部電極14側から支持している。
支持部17はビーム13の高さやビーム13を駆動させた場合の可動部分の長さおよび位置を規定するために形成され、支持部17を形成せずにビーム13の端部で支持するよりも共振周波数等の機械特性を安定させることができる。
【0007】
このようなMEMS素子30は、下部電極14とビーム13表面側の上部電極12との間に電圧を印加すると、図7(a)に示すように、静電現象によって支持部17よりも内側のビーム13が下部電極14に向かって接近し、また、電圧の印加を停止すると、離間して元の状態に戻る。
GLVデバイスはこのようなMEMS素子30が並列して複数配置されており、下部電極14に対するビーム13の接近、離間の動作により、上部電極12の高さを変えて、回折格子を形成し、反射する光の強度を変調して光変調素子として機能する。
【0008】
次に、上述したようなGLVデバイスに用いられるMEMS素子の製造方法を図8、図9の製造工程断面図を用いて説明する。
まず始めに、図8(a)に示すように、例えばシリコン基板(Si基板)からなる基板20上に例えば酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁膜21を形成する。その後、絶縁膜21上に下部電極14を形成する。下部電極14にはタングステン(W)、クロム(Cr)等の高融点金属や多結晶シリコン(Poly−Si)が用いられる。
【0009】
次に、図8(b)に示すように、下部電極14の表面に酸化膜からなる保護膜22を形成する。この保護膜22は後述する工程で犠牲層を除去する際の保護膜として機能する。
そして、図8(c)に示すように、保護膜22上に例えばa−Si膜またはPoly−Si膜からなる犠牲層23を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、下部電極14の形成領域よりも内側に犠牲層23が形成されるようにパターニングするとともに、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の犠牲層23に、保護膜22に達する開口パターン23bを形成する。
【0010】
次に、図8(d)に示すように、この犠牲層23を覆うように保護膜22上に例えばSiN膜からなるビーム材料層を成膜し、開口パターン23bを含んだ帯状にパターニングする。これにより、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状のビーム13を形成するとともに、開口部23bの内壁に沿って保護膜22上にビーム13と一体に形成された支持部17を形成する。
続いて、図9(e)に示すように、ビーム13の表面に例えばAlからなる上部電極12を形成する。
【0011】
次に、図9(f)に示すように、犠牲層23(前記図9(e)参照)をビーム13および保護膜22に対して選択的に除去することにより、ビーム13と保護膜22との間に空隙部15を形成する。
これにより、下部電極14上に保護膜22を介して支持部17が立設され、ブリッジ形状のビーム13はこの支持部17によって支持される。
【0012】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、下部電極14上に保護膜22を介してブリッジ状に形成され、並列して配置された複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子30からなるGLVデバイスを製造する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10の要部拡大図に示すように、上述した製造方法では、下部電極14の表面に凹凸が存在していると、レンズ効果によって凸部41の幅が拡大されていき、結果として上部電極12の表面に大きな凸部41aが形成される。このような凹凸の制御には下部電極の形成方法や形成後の温度履歴のコントロールが必要であった。
【0014】
ビーム13における支持部17の下部に凸部41が発生した場合、この上にビーム13および上部電極12を順次形成すると、凸部41の拡大により、凸部41上に形成された支持部17の高さが部分的に短くなり、この部分の支持部17の強度が強くなるという現象が生じていた。特に、下部電極14と上部電極12間に電圧を印加して、ビーム13を下部電極14側に接近させた場合は、支持部17間に引っ張り応力が生じることから、支持部17の強度が部分的に変化することにより、ビーム13の変形具合が変化したり、ビーム13にねじれが発生したりするという問題があった。
【0015】
GLVデバイスにおける一部のMEMS素子30のビーム13で上記のように支持部17の強度が部分的に変化すると、ビーム13表面の光反射膜も兼ねた上部電極12によって形成される回折格子による回折光の強度が変化することとなるため、コントラストが悪化し、光学デバイスとしての特性を十分に満たせなくなるという課題があった。
【0016】
本発明は上述したようにビームの支持部の高さを均一にすることで、支持部の強度を均一にし、ディスプレイ表示装置としての特性を向上させるマイクロマシンおよびその製造方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明のマイクロマシンは、基板上に形成された下部電極と、下部電極との間に空隙を有して配設されたビームと、ビームの表面に形成された上部電極とを備えたマイクロマシンにおいて、下部電極は基板に達する開口パターンを有し、この開口パターン内の基板上にビームの支持部が立設されていることを特徴としている。
【0018】
このようなマイクロマシンによれば、ビームの支持部が下部電極に形成された開口パターン内の基板上に立設されていることから、下部電極の表面に凹凸があったとしても、この凹凸の影響を受けることなく、ビームの支持部の高さを均一にすることができる。このため、支持部の強度を均一にすることができる。
したがって、このようなマイクロマシンに電圧を印加して、上部電極が形成されたビームを下部電極側に接近させた場合でも、ビームの変形具合が変化したり、ビームにねじれが生じたりすることなく、変形時のビームの高さを制御することができる。
【0019】
また、本発明におけるマイクロマシンの第1の製造方法は、基板上に第1の開口パターンを有する下部電極を形成する工程と、下部電極を覆うように前記基板上に犠牲層を形成する工程と、犠牲層を下部電極と重なるようにパターニングするとともに、第1の開口パターン上の犠牲層に基板に達する第2の開口パターンを形成する工程と、犠牲層を覆うように基板上にビーム材料層を成膜した後、第2の開口パターンを含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、下部電極上に犠牲層を介してビームを形成するとともに、第2の開口パターン内の基板上にビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、ビームの表面に上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去することによって、下部電極とビームとの間に空隙を設けるとともに支持部を第1の開口パターン内の基板上に立設することを特徴としている。
【0020】
このようなマイクロマシンの製造方法によれば、下部電極における第1の開口パターン上の犠牲層に形成した第2の開口パターン内の基板上にビームの支持部が形成される。そして、犠牲層を除去することにより、ビームの支持部が第1の開口パターン内の基板上に立設される。これにより、下部電極の表面に凹凸が形成されたとしても、ビームの支持部は基板上に立設されるため、凹凸の影響を受けることなくビームの支持部を形成することができる。よって、ビームの支持部の高さを均一にすることができ、支持部の強度を均一にすることができる。
【0021】
また、本発明におけるマイクロマシンの第2の製造方法によれば、基板上に下部電極を形成する工程と、下部電極上に犠牲層を形成した後、マスクパターンをマスクに用いて、犠牲層および下部電極をパターニングするとともに、この犠牲層および下部電極に基板に達する開口パターンを形成する工程と、パターニングされた犠牲層および下部電極を覆うように、基板上にビーム材料層を成膜した後、開口パターンを含んだ帯状にパターニングすることによって、下部電極上に犠牲層を介してビームを形成するとともに、開口パターン内の基板上にビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、ビームの表面に上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去して下部電極とビームとの間に空隙を設けるともに支持部を開口パターン内の基板上に立設する工程とを有することを特徴としている。
【0022】
このようなマイクロマシンの製造方法によれば、犠牲層および下部電極に基板に達する開口パターンを形成し、開口パターン内の基板上にビームの支持部を形成して犠牲層を除去することにより、ビームの支持部が開口パターン内の基板上に立設されることから、上述した第1の製造方法と同様の効果を奏する。
また、この方法によれば、支持部の基板側は開口パターンの内壁の一部である下部電極で支持された状態となる。これにより、支持部をより安定的に形成することができる。
さらに、犠牲層および下部電極を同一工程で除去して開口パターンを形成することから、第1の開口パターンおよび第2の開口パターンを形成する第1の製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明における第1実施形態のマイクロマシン(以下、MEMS素子31とする)の断面図を図1に示す。本実施形態では例えばGLVデバイスに用いられるMEMS素子31について説明する。
従来の技術と同一の構成要素には同一の番号を付して説明する。
本実施形態におけるMEMS素子31は絶縁膜21が形成された基板20と、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成されたビーム13と、ビーム13の表面に形成された上部電極12とから構成される。
【0024】
図1に示すように、基板20は例えばシリコン基板からなり、その上には例えばSiO2からなる絶縁膜21が形成されている。
ここで、基板20から絶縁膜21までが請求項1記載の基板に相当する。
また、下部電極14は例えばW、Cr等の高融点金属またはPoly−Siからなり絶縁膜21上に形成されている。下部電極14はその端部側に絶縁膜21に達する第1の開口パターン14aを有し、下部電極14の表面は酸化膜からなる保護膜22で覆われている。
【0025】
ビーム13は例えばSiNからなり、その端部は下部電極14の外側の絶縁膜21上に配置され、ブリッジ形状に形成されている。また、ビーム13の表面には光反射膜としての機能も有する例えばAlからなる上部電極12が形成されている。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13によって電気的に絶縁されており、ビーム13は下部電極14に対向して所定間隔の空隙部15を有して配置され、下部電極14に対して平行に上部電極12を支持している。
【0026】
このビーム13の支持部17はビーム13と一体に形成され、下部電極14における第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に第1の開口パターン14aの内壁から離間した状態で立設されている。
なお、ここでは支持部17が下部電極14を覆う保護膜22から離間した状態で立設されていることとしたが、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設されていれば、保護膜22と接していてもよい。
また、ここではビーム13の端部が絶縁膜21上に配置されることとしたが、本発明はこれに限定されず、支持部17が絶縁膜21上に配置されていればよく、その端部は保護膜22を介した下部電極14上に配置されていてもよい。
【0027】
このようなマイクロマシンによれば、ビーム13の支持部17が第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設されている。これにより、下部電極14の表面に凹凸のある場合でも、ビーム13の支持部17は絶縁膜21上に配置されており、SiO2からなる絶縁膜21の表面は高融点金属またはPoly−Siからなる下部電極14の表面と比較して凹凸が少ないことから、支持部17が下部電極14上に保護膜22を介して立設される場合と比較して、支持部17の高さを均一にすることができ、これにより支持部17の強度を均一にすることができる。
【0028】
したがって、このようなMEMS素子31に電圧を印加して、ビーム13を下部電極14側に接近させた場合に、支持部17の強度を均一にできるので、ビーム13の変形具合が変化したり、ビーム13にねじれが生じたりすることなく、ビーム13の変形時の高さを制御することができる。
また、このようなMEMS素子31が用いられたGLVデバイスでは複数のビーム13の支持部17の強度を均一にすることができるため、ビーム13表面の上部電極12により形成される回折格子による回折光の強度をより確実に制御することが可能である。
【0029】
上述したようなMEMS素子は例えば次のような方法により製造することができる。本実施形態においてはGLVデバイスに用いられるMEMS素子の製造方法を例にとって説明する。
図2〜図3に本実施形態におけるMEMS素子の製造工程断面図を示す。
【0030】
まず始めに、図2(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる半導体基板20上に絶縁膜21を成膜する。
その後、絶縁膜21上に、例えば高融点金属膜またはPoly−Si膜からなる下部電極14を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、絶縁膜21よりも内側に下部電極14が形成されるようにパターニングする。また、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の下部電極14に、絶縁膜21に達するとともに支持部の径よりも大きい径の第1の開口パターン14aを形成する。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、下部電極14の表面に例えばSiO2からなる保護膜22を形成する。この保護膜22は後述する工程で犠牲層を除去する際に下部電極14を保護するために形成するものであり、犠牲層を除去する際に下部電極14に影響を与えることなく犠牲層を選択的に除去することができれば、保護膜22を形成しなくてもよい。
【0032】
次に、図2(c)に示すように、保護膜22を覆うように絶縁膜21上に例えばa−Si膜またはPoly−Si膜からなる犠牲層23を成膜する。そして、レジストパターンをマスクに用いて、例えば下部電極14よりも内側に形成されるように犠牲層23をパターニングするとともに、第1の開口パターン14a上の犠牲層23に、絶縁膜21に達する第2の開口パターン23aを形成する。
この第2の開口パターン23aの径が後述する工程で形成するビームの支持部の径となることから、ビームを支持可能な強度を有する径に適宜設定する。
【0033】
なお、ここでは犠牲層23が下部電極14よりも内側に形成されるように犠牲層23をパターニングすることとしたが、本発明はこれに限定されず、犠牲層23が下部電極14と重なるように形成されていればよい。
また、後述する工程で犠牲層23をこの上に形成するビームと保護膜22および絶縁膜21に対して選択的にエッチング除去することから、犠牲層23はビームと保護膜22および絶縁膜21に対してエッチング選択比の高い材質で形成する。
なお、保護膜22を形成しない場合には、犠牲層23をビームと下部電極14および絶縁膜21に対して選択的にエッチング除去することから、これらに対してエッチング選択比の高い材料を適宜選択して形成する。
【0034】
続いて、図2(d)に示すように、例えば化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition(CVD))法により犠牲層23および保護膜22を覆うように、絶縁膜21上に、例えばSiN膜からなるビーム材料層(図示せず)を成膜する。このとき第2の開口パターン23aの内壁もビーム材料層で覆うように成膜する。
ここで、ビーム13の力学的特性は成膜するビーム材料層の物性によって決定する。本実施形態で用いるSiN膜はその強度、弾性定数等の物性値がビーム13の機械的駆動に対して適切であり、好ましい。
【0035】
そして、レジストパターンをマスクに用いて、第2の開口パターン23aを含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状の複数のビーム13を並列させた状態で形成する。
また、第2の開口パターン23aの内壁に沿って、絶縁膜21上にビーム13と一体に形成されたビーム13の支持部17を形成する。
【0036】
次いで、ここでの図示を省略したがビーム13の端部に配線用Alを成膜し、パターニングする。
ここではビーム13の端部を絶縁膜21上に形成したが、本発明はこれに限定されず、支持部17が絶縁膜21上に形成されていればよく、その端部は保護膜22上に形成されていてもよい。
【0037】
次に、図3(e)に示すように、例えばAlからなる導電性膜を、ビーム13を覆うように犠牲層23上に成膜し、パターニングすることにより、ビーム13の表面に上部電極12を形成する。
ここで、Alは比較的容易に成膜でき、可視光領域での光反射率の波長分散が小さく、また、Al表面に生成したアルミナ自然酸化膜が保護膜となって反射面を保護するため、光反射膜も兼ねた上部電極12の材質として好ましい。
ここでは、ビーム材料層をパターニングしてビーム13を形成した後、導電性膜を成膜し、パターニングすることで上部電極12を形成したが、ビーム材料層を成膜した後導電性膜を成膜し、ビーム13と上部電極12とをパターニングしてもよい。
【0038】
そして、図3(f)に示すように、犠牲層23(前記図3(e)参照)をフッ化キセノン(XeF2)ガスを用いたドライエッチング法により除去する。これにより、保護膜22とビーム13との間に空隙部15を形成するとともに、支持部17を第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に第1の開口パターン14aの内壁から離間した状態で立設する。
そして、ブリッジ形状のビーム13はこの支持部17によって支持される。
【0039】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成され、下部電極14における第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設された支持部17を有する複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子31からなるGLVデバイスを製造する。
【0040】
このようなMEMS素子31の製造方法によれば、ビーム13の支持部17は保護膜22を介した下部電極14上ではなく、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設される。
これにより、下部電極14の表面に凹凸が形成されたとしても、下部電極14の表面と比較して凹凸の少ないSiO2からなる絶縁膜21上に支持部17を立設することから、支持部17の高さを均一に形成することができ、その強度を均一にすることができる。
【0041】
なお、本実施形態においては支持部17を絶縁膜21上に形成したが、第1の開口パターン14aの底部に露出した絶縁膜21を除去して、基板20に達する開口パターンを形成し、支持部17をこの開口パターン内の基板20上に形成してもよい。支持部17を基板20上に形成しても、上記と同様の効果を奏することができる。
この場合は下部電極14の第1の開口パターン14aを形成する際に用いたレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより絶縁膜21を除去してもよく、下部電極14をマスクに用いて絶縁膜21を除去してもよい。
さらに、第1の開口パターン14aを形成した後、新たなレジストパターンを用いて第1の開口パターン14a以外の下部電極14および絶縁膜21上を覆い、第1の開口パターン14aの底部に露出した絶縁膜21のみを除去してもよい。
【0042】
(第2実施形態)
本発明における第2実施形態のマイクロマシン(以下MEMS素子32とする)の断面図を図4に示す。本実施形態では、例えばGLVデバイスに用いられるMEMS素子32について説明する。
第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態におけるMEMS素子32は絶縁膜21が形成された基板20と、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に設けられたビーム13と、ビーム13の表面に設けられた上部電極12とから構成される。
【0043】
基板20上には絶縁膜21が形成されており、絶縁膜21上には下部電極14が配置されている。
下部電極14はその端部側に絶縁膜21に達する開口パターン24aを有し、下部電極14の表面は酸化膜からなる保護膜22で覆われている。
【0044】
ビーム13はその端部が下部電極14の外側の絶縁膜21上に配置され、保護膜22との間に空隙部15を有してブリッジ形状に設けられている。また、ビーム13の表面には光反射膜も兼ねた上部電極12が形成されている。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13により電気的に絶縁されている。
【0045】
このビーム13の支持部17はビーム13と一体に形成され、下部電極14における第1の開口パターン24a内の絶縁膜21上に立設されている。支持部17は絶縁膜21側が開口パターン24aの内壁で支持されている。
【0046】
このようなMEMS素子32によれば、ビーム13の支持部17が絶縁膜21上に配置されていることから、第1実施形態のMEMS素子31と同様の効果を奏することができる。
さらに、この支持部17の絶縁膜21側は開口パターン24aの内壁で支持されていることから、支持部17をより安定させることができる。
【0047】
本発明における第2実施形態のMEMS素子32の製造方法を図5〜図6の製造工程断面図に示す。
まず始めに、図5(a)に示すように、基板20上に絶縁膜21を形成し、絶縁膜21上に下部電極14を形成する。
次に、図5(b)に示すように、下部電極14の表面に保護膜22として酸化膜を形成する。
【0048】
続いて、図5(c)に示すように、保護膜22上に犠牲層23を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、犠牲層23、保護膜22および下部電極14を絶縁膜21よりも内側に形成されるようにパターニングするとともに、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の犠牲層23、保護膜22および下部電極14に、絶縁膜21に達する開口パターン24を形成する。
ここで、開口パターン24の径が後述する工程で形成するビームの支持部の径となることから、ビームを支持可能な強度を有する径に適宜設定する。
【0049】
続いて、図5(d)に示すように、パターニングされた下部電極14、保護膜22および犠牲層23を覆うように絶縁膜21上にビーム材料層(図示せず)を成膜する。このとき開口パターン24の内壁もビーム材料層で覆うように成膜する。
そして、レジストパターンをマスクに用いて、開口パターン24を含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状の複数のビーム13を形成する。
また、開口パターン24の内壁に沿って絶縁膜21上にビーム13と一体に形成されたビーム13の支持部17を形成する。
【0050】
次いで、ここでの図示を省略するが、ビーム13の端部に配線用Alを成膜してパターニングし、そして図6(e)に示すように、ビーム13を覆うように例えばAlからなる導電性膜を犠牲層23上に成膜し、パターニングすることによりビーム13の表面に光反射膜を兼ねた上部電極12を形成する。
【0051】
そして、図6(f)に示すように、犠牲層23(前記図6(e)参照)をドライエッチングにより除去する。これにより保護膜22とビーム13との間に空隙部15が形成され、開口パターン24(前記図6(e)参照)もその上部が除去された状態となり、内壁が保護膜22と下部電極14とで形成される開口パターン24aとなる。
また、ビーム13の支持部17は開口パターン24a内の絶縁膜21上に開口パターン24aの内壁に支持された状態で立設される。
【0052】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成され、下部電極14における開口パターン24a内の絶縁膜21上に立設された支持部17を有する複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子32からなるGLVデバイスを製造する。
【0053】
このようなMEMS素子32の製造方法によれば、ビーム13の支持部17を保護膜22を介した下部電極14上ではなく、開口パターン24a内の絶縁膜21上に形成する。これにより、第1実施形態で説明した製造方法と同様の効果を奏する。
また、犠牲層23、保護膜22および下部電極14に絶縁膜21に達する開口パターン24を形成し、開口部パターン24の内壁に沿って絶縁膜21上に支持部17を形成した後、犠牲層23を除去することから、支持部17の絶縁膜21側は、保護膜22および下部電極14からなる開口部パターン24aの内壁で支持された状態となる。これにより、支持部17をより安定的に形成することができる。
さらに、犠牲層23、保護膜22および下部電極14を同一工程で除去して開口パターン24を形成することから、第1実施形態で説明した製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【0054】
なお、上述した実施形態においては、ブリッジ形状のビーム13を備えたMEMS素子に本発明を適用した場合を説明した。しかし、本発明はブリッジ形状のビーム13に換えて、ビーム13の一方の端部側のみに支持部17が形成されたカンチレバー式の構成のビームを有するMEMS素子にも同様に適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマイクロマシンによれば、ビームの支持部が基板上に配置されることから、下部電極の表面に凹凸があったとしても、この凹凸の影響を受けることなく、ビームの支持部の高さを均一にすることができるため、支持部の強度を均一にすることができる。
したがって、このようなマイクロマシンに電圧を印加して、ビームを下部電極側に接近させた場合でも、支持部の強度が均一であることから、ビームの変形具合が変化したり、ビームにねじれが生じたりすることなく、ビームの変形時の高さを制御することができる。
また、このようなマイクロマシンが複数並列して配置されたGLVでは、各マイクロマシンにおけるビームの支持部の強度を均一にし、マイクロマシンに電圧を印加した場合の各ビームにおける変形時の高さを制御できるので、ビーム表面の上部電極により形成される回折格子による回折光の強度をより確実に制御することが可能となる。
【0056】
また、本発明のマイクロマシンの第1の製造方法によれば、ビームの支持部を第1の開口パターン内の基板上に立設することから、下部電極の表面に凹凸が発生したとしても、ビームの支持部の高さを均一にすることができ、支持部の強度を均一にすることができる。
【0057】
また、本発明のマイクロマシンの第2の製造方法によれば、開口パターン内の基板上にビームの支持部を立設することから、第1の製造方法と同様の効果を奏することが可能である。
さらに、この方法によれば、支持部の基板側は開口パターンの内壁の一部である下部電極で支持されることから、支持部をより安定的に形成することができる。
また、犠牲層および下部電極を同一工程で除去して開口パターンを形成することから、第1の製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるマイクロマシンを説明するための断面図である。
【図2】第1実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図3】第1実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図4】第2実施形態におけるマイクロマシンを説明するための断面図である。
【図5】第2実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図6】第2実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図7】従来の技術におけるマイクロマシンを説明するための斜視図(a)、断面図(b)である。
【図8】従来の技術におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図9】従来の技術におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図10】従来の技術における課題を示す断面図である。
【符号の説明】
12…上部電極、13…ビーム、14…下部電極、14a…第1の開口パターン、23a…第2の開口パターン、24,24a…開口パターン、17…支持部、20…基板、21…絶縁膜、22…保護膜、23…犠牲層、31,32…MEMS素子
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロマシンおよびその製造方法であって、特にGLV(Grating Light Valve)デバイス等に適用される光を干渉、回折し、変調する光変調素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
微細技術の進展に伴い、いわゆるマイクロマシン(MEMS:Micro Electro−Mechanical System、超小型電気的・機械的複合体)素子(以下、MEMS素子と言う)が注目されている。
MEMS素子はシリコン基板、ガラス基板等の基板上に微細構造体として形成され、機械的駆動力を出力する駆動体と、駆動体の駆動を制御する半導体集積回路等とを電気的に、更には機械的に結合させた素子である。MEMS素子の基本的な特徴は、機械的構造として構成されている駆動体が素子の一部に組み込まれていることであって、駆動体の駆動出力は、電極間のクーロン引力などを応用して電気的に行われることが一般的である。
【0003】
MEMS素子の一例として、光変調器として開発されたGLV(Grating Light Valve)デバイスを例に挙げ、その構造を説明する。
【0004】
図7(a)は、MEMS素子30によって構成されるGLVデバイスの構造を説明する斜視図であり、図7(b)はMEMS素子の構造を示すA−A´断面の要部拡大図である。
図7(a)に示すように、GLVデバイスは複数個のMEMS素子30が並列して密に配置されたデバイスであり、このMEMS素子30は、上面に光反射面を有する静電駆動型のビーム13を備えた、MOEMS(Micro Optical Electro−Mechanical Systems)と称されているものである。
このようなMEMS素子30からなるGLVデバイスは、共通基板である基板10と、共通電極である下部電極14とを備え、下部電極14上に並列されブリッジ状に配置された複数のビーム13とビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えている。
【0005】
ここで、図7(b)の断面図に示すように、このMEMS素子30におけるビーム13は、その端部が下部電極14上に保護膜22を介して配置されたブリッジ形状に形成されており、その表面には光反射膜としての機能も有する上部電極12が形成されている。
ビーム13は下部電極14に対向して所定間隔の空隙部15を有した状態で、下部電極14に対して平行に上部電極12を支持するものである。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13により電気的に絶縁されている。
【0006】
このビーム13の端部の内側にはビーム13と一体で形成された支持部17が下部電極14上に保護膜22を介して立設されており、この支持部17はブリッジ状のビーム13を下部電極14側から支持している。
支持部17はビーム13の高さやビーム13を駆動させた場合の可動部分の長さおよび位置を規定するために形成され、支持部17を形成せずにビーム13の端部で支持するよりも共振周波数等の機械特性を安定させることができる。
【0007】
このようなMEMS素子30は、下部電極14とビーム13表面側の上部電極12との間に電圧を印加すると、図7(a)に示すように、静電現象によって支持部17よりも内側のビーム13が下部電極14に向かって接近し、また、電圧の印加を停止すると、離間して元の状態に戻る。
GLVデバイスはこのようなMEMS素子30が並列して複数配置されており、下部電極14に対するビーム13の接近、離間の動作により、上部電極12の高さを変えて、回折格子を形成し、反射する光の強度を変調して光変調素子として機能する。
【0008】
次に、上述したようなGLVデバイスに用いられるMEMS素子の製造方法を図8、図9の製造工程断面図を用いて説明する。
まず始めに、図8(a)に示すように、例えばシリコン基板(Si基板)からなる基板20上に例えば酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁膜21を形成する。その後、絶縁膜21上に下部電極14を形成する。下部電極14にはタングステン(W)、クロム(Cr)等の高融点金属や多結晶シリコン(Poly−Si)が用いられる。
【0009】
次に、図8(b)に示すように、下部電極14の表面に酸化膜からなる保護膜22を形成する。この保護膜22は後述する工程で犠牲層を除去する際の保護膜として機能する。
そして、図8(c)に示すように、保護膜22上に例えばa−Si膜またはPoly−Si膜からなる犠牲層23を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、下部電極14の形成領域よりも内側に犠牲層23が形成されるようにパターニングするとともに、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の犠牲層23に、保護膜22に達する開口パターン23bを形成する。
【0010】
次に、図8(d)に示すように、この犠牲層23を覆うように保護膜22上に例えばSiN膜からなるビーム材料層を成膜し、開口パターン23bを含んだ帯状にパターニングする。これにより、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状のビーム13を形成するとともに、開口部23bの内壁に沿って保護膜22上にビーム13と一体に形成された支持部17を形成する。
続いて、図9(e)に示すように、ビーム13の表面に例えばAlからなる上部電極12を形成する。
【0011】
次に、図9(f)に示すように、犠牲層23(前記図9(e)参照)をビーム13および保護膜22に対して選択的に除去することにより、ビーム13と保護膜22との間に空隙部15を形成する。
これにより、下部電極14上に保護膜22を介して支持部17が立設され、ブリッジ形状のビーム13はこの支持部17によって支持される。
【0012】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、下部電極14上に保護膜22を介してブリッジ状に形成され、並列して配置された複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子30からなるGLVデバイスを製造する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図10の要部拡大図に示すように、上述した製造方法では、下部電極14の表面に凹凸が存在していると、レンズ効果によって凸部41の幅が拡大されていき、結果として上部電極12の表面に大きな凸部41aが形成される。このような凹凸の制御には下部電極の形成方法や形成後の温度履歴のコントロールが必要であった。
【0014】
ビーム13における支持部17の下部に凸部41が発生した場合、この上にビーム13および上部電極12を順次形成すると、凸部41の拡大により、凸部41上に形成された支持部17の高さが部分的に短くなり、この部分の支持部17の強度が強くなるという現象が生じていた。特に、下部電極14と上部電極12間に電圧を印加して、ビーム13を下部電極14側に接近させた場合は、支持部17間に引っ張り応力が生じることから、支持部17の強度が部分的に変化することにより、ビーム13の変形具合が変化したり、ビーム13にねじれが発生したりするという問題があった。
【0015】
GLVデバイスにおける一部のMEMS素子30のビーム13で上記のように支持部17の強度が部分的に変化すると、ビーム13表面の光反射膜も兼ねた上部電極12によって形成される回折格子による回折光の強度が変化することとなるため、コントラストが悪化し、光学デバイスとしての特性を十分に満たせなくなるという課題があった。
【0016】
本発明は上述したようにビームの支持部の高さを均一にすることで、支持部の強度を均一にし、ディスプレイ表示装置としての特性を向上させるマイクロマシンおよびその製造方法を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決するために、本発明のマイクロマシンは、基板上に形成された下部電極と、下部電極との間に空隙を有して配設されたビームと、ビームの表面に形成された上部電極とを備えたマイクロマシンにおいて、下部電極は基板に達する開口パターンを有し、この開口パターン内の基板上にビームの支持部が立設されていることを特徴としている。
【0018】
このようなマイクロマシンによれば、ビームの支持部が下部電極に形成された開口パターン内の基板上に立設されていることから、下部電極の表面に凹凸があったとしても、この凹凸の影響を受けることなく、ビームの支持部の高さを均一にすることができる。このため、支持部の強度を均一にすることができる。
したがって、このようなマイクロマシンに電圧を印加して、上部電極が形成されたビームを下部電極側に接近させた場合でも、ビームの変形具合が変化したり、ビームにねじれが生じたりすることなく、変形時のビームの高さを制御することができる。
【0019】
また、本発明におけるマイクロマシンの第1の製造方法は、基板上に第1の開口パターンを有する下部電極を形成する工程と、下部電極を覆うように前記基板上に犠牲層を形成する工程と、犠牲層を下部電極と重なるようにパターニングするとともに、第1の開口パターン上の犠牲層に基板に達する第2の開口パターンを形成する工程と、犠牲層を覆うように基板上にビーム材料層を成膜した後、第2の開口パターンを含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、下部電極上に犠牲層を介してビームを形成するとともに、第2の開口パターン内の基板上にビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、ビームの表面に上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去することによって、下部電極とビームとの間に空隙を設けるとともに支持部を第1の開口パターン内の基板上に立設することを特徴としている。
【0020】
このようなマイクロマシンの製造方法によれば、下部電極における第1の開口パターン上の犠牲層に形成した第2の開口パターン内の基板上にビームの支持部が形成される。そして、犠牲層を除去することにより、ビームの支持部が第1の開口パターン内の基板上に立設される。これにより、下部電極の表面に凹凸が形成されたとしても、ビームの支持部は基板上に立設されるため、凹凸の影響を受けることなくビームの支持部を形成することができる。よって、ビームの支持部の高さを均一にすることができ、支持部の強度を均一にすることができる。
【0021】
また、本発明におけるマイクロマシンの第2の製造方法によれば、基板上に下部電極を形成する工程と、下部電極上に犠牲層を形成した後、マスクパターンをマスクに用いて、犠牲層および下部電極をパターニングするとともに、この犠牲層および下部電極に基板に達する開口パターンを形成する工程と、パターニングされた犠牲層および下部電極を覆うように、基板上にビーム材料層を成膜した後、開口パターンを含んだ帯状にパターニングすることによって、下部電極上に犠牲層を介してビームを形成するとともに、開口パターン内の基板上にビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、ビームの表面に上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去して下部電極とビームとの間に空隙を設けるともに支持部を開口パターン内の基板上に立設する工程とを有することを特徴としている。
【0022】
このようなマイクロマシンの製造方法によれば、犠牲層および下部電極に基板に達する開口パターンを形成し、開口パターン内の基板上にビームの支持部を形成して犠牲層を除去することにより、ビームの支持部が開口パターン内の基板上に立設されることから、上述した第1の製造方法と同様の効果を奏する。
また、この方法によれば、支持部の基板側は開口パターンの内壁の一部である下部電極で支持された状態となる。これにより、支持部をより安定的に形成することができる。
さらに、犠牲層および下部電極を同一工程で除去して開口パターンを形成することから、第1の開口パターンおよび第2の開口パターンを形成する第1の製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明における第1実施形態のマイクロマシン(以下、MEMS素子31とする)の断面図を図1に示す。本実施形態では例えばGLVデバイスに用いられるMEMS素子31について説明する。
従来の技術と同一の構成要素には同一の番号を付して説明する。
本実施形態におけるMEMS素子31は絶縁膜21が形成された基板20と、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成されたビーム13と、ビーム13の表面に形成された上部電極12とから構成される。
【0024】
図1に示すように、基板20は例えばシリコン基板からなり、その上には例えばSiO2からなる絶縁膜21が形成されている。
ここで、基板20から絶縁膜21までが請求項1記載の基板に相当する。
また、下部電極14は例えばW、Cr等の高融点金属またはPoly−Siからなり絶縁膜21上に形成されている。下部電極14はその端部側に絶縁膜21に達する第1の開口パターン14aを有し、下部電極14の表面は酸化膜からなる保護膜22で覆われている。
【0025】
ビーム13は例えばSiNからなり、その端部は下部電極14の外側の絶縁膜21上に配置され、ブリッジ形状に形成されている。また、ビーム13の表面には光反射膜としての機能も有する例えばAlからなる上部電極12が形成されている。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13によって電気的に絶縁されており、ビーム13は下部電極14に対向して所定間隔の空隙部15を有して配置され、下部電極14に対して平行に上部電極12を支持している。
【0026】
このビーム13の支持部17はビーム13と一体に形成され、下部電極14における第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に第1の開口パターン14aの内壁から離間した状態で立設されている。
なお、ここでは支持部17が下部電極14を覆う保護膜22から離間した状態で立設されていることとしたが、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設されていれば、保護膜22と接していてもよい。
また、ここではビーム13の端部が絶縁膜21上に配置されることとしたが、本発明はこれに限定されず、支持部17が絶縁膜21上に配置されていればよく、その端部は保護膜22を介した下部電極14上に配置されていてもよい。
【0027】
このようなマイクロマシンによれば、ビーム13の支持部17が第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設されている。これにより、下部電極14の表面に凹凸のある場合でも、ビーム13の支持部17は絶縁膜21上に配置されており、SiO2からなる絶縁膜21の表面は高融点金属またはPoly−Siからなる下部電極14の表面と比較して凹凸が少ないことから、支持部17が下部電極14上に保護膜22を介して立設される場合と比較して、支持部17の高さを均一にすることができ、これにより支持部17の強度を均一にすることができる。
【0028】
したがって、このようなMEMS素子31に電圧を印加して、ビーム13を下部電極14側に接近させた場合に、支持部17の強度を均一にできるので、ビーム13の変形具合が変化したり、ビーム13にねじれが生じたりすることなく、ビーム13の変形時の高さを制御することができる。
また、このようなMEMS素子31が用いられたGLVデバイスでは複数のビーム13の支持部17の強度を均一にすることができるため、ビーム13表面の上部電極12により形成される回折格子による回折光の強度をより確実に制御することが可能である。
【0029】
上述したようなMEMS素子は例えば次のような方法により製造することができる。本実施形態においてはGLVデバイスに用いられるMEMS素子の製造方法を例にとって説明する。
図2〜図3に本実施形態におけるMEMS素子の製造工程断面図を示す。
【0030】
まず始めに、図2(a)に示すように、例えばシリコン基板からなる半導体基板20上に絶縁膜21を成膜する。
その後、絶縁膜21上に、例えば高融点金属膜またはPoly−Si膜からなる下部電極14を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、絶縁膜21よりも内側に下部電極14が形成されるようにパターニングする。また、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の下部電極14に、絶縁膜21に達するとともに支持部の径よりも大きい径の第1の開口パターン14aを形成する。
【0031】
次に、図2(b)に示すように、下部電極14の表面に例えばSiO2からなる保護膜22を形成する。この保護膜22は後述する工程で犠牲層を除去する際に下部電極14を保護するために形成するものであり、犠牲層を除去する際に下部電極14に影響を与えることなく犠牲層を選択的に除去することができれば、保護膜22を形成しなくてもよい。
【0032】
次に、図2(c)に示すように、保護膜22を覆うように絶縁膜21上に例えばa−Si膜またはPoly−Si膜からなる犠牲層23を成膜する。そして、レジストパターンをマスクに用いて、例えば下部電極14よりも内側に形成されるように犠牲層23をパターニングするとともに、第1の開口パターン14a上の犠牲層23に、絶縁膜21に達する第2の開口パターン23aを形成する。
この第2の開口パターン23aの径が後述する工程で形成するビームの支持部の径となることから、ビームを支持可能な強度を有する径に適宜設定する。
【0033】
なお、ここでは犠牲層23が下部電極14よりも内側に形成されるように犠牲層23をパターニングすることとしたが、本発明はこれに限定されず、犠牲層23が下部電極14と重なるように形成されていればよい。
また、後述する工程で犠牲層23をこの上に形成するビームと保護膜22および絶縁膜21に対して選択的にエッチング除去することから、犠牲層23はビームと保護膜22および絶縁膜21に対してエッチング選択比の高い材質で形成する。
なお、保護膜22を形成しない場合には、犠牲層23をビームと下部電極14および絶縁膜21に対して選択的にエッチング除去することから、これらに対してエッチング選択比の高い材料を適宜選択して形成する。
【0034】
続いて、図2(d)に示すように、例えば化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition(CVD))法により犠牲層23および保護膜22を覆うように、絶縁膜21上に、例えばSiN膜からなるビーム材料層(図示せず)を成膜する。このとき第2の開口パターン23aの内壁もビーム材料層で覆うように成膜する。
ここで、ビーム13の力学的特性は成膜するビーム材料層の物性によって決定する。本実施形態で用いるSiN膜はその強度、弾性定数等の物性値がビーム13の機械的駆動に対して適切であり、好ましい。
【0035】
そして、レジストパターンをマスクに用いて、第2の開口パターン23aを含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状の複数のビーム13を並列させた状態で形成する。
また、第2の開口パターン23aの内壁に沿って、絶縁膜21上にビーム13と一体に形成されたビーム13の支持部17を形成する。
【0036】
次いで、ここでの図示を省略したがビーム13の端部に配線用Alを成膜し、パターニングする。
ここではビーム13の端部を絶縁膜21上に形成したが、本発明はこれに限定されず、支持部17が絶縁膜21上に形成されていればよく、その端部は保護膜22上に形成されていてもよい。
【0037】
次に、図3(e)に示すように、例えばAlからなる導電性膜を、ビーム13を覆うように犠牲層23上に成膜し、パターニングすることにより、ビーム13の表面に上部電極12を形成する。
ここで、Alは比較的容易に成膜でき、可視光領域での光反射率の波長分散が小さく、また、Al表面に生成したアルミナ自然酸化膜が保護膜となって反射面を保護するため、光反射膜も兼ねた上部電極12の材質として好ましい。
ここでは、ビーム材料層をパターニングしてビーム13を形成した後、導電性膜を成膜し、パターニングすることで上部電極12を形成したが、ビーム材料層を成膜した後導電性膜を成膜し、ビーム13と上部電極12とをパターニングしてもよい。
【0038】
そして、図3(f)に示すように、犠牲層23(前記図3(e)参照)をフッ化キセノン(XeF2)ガスを用いたドライエッチング法により除去する。これにより、保護膜22とビーム13との間に空隙部15を形成するとともに、支持部17を第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に第1の開口パターン14aの内壁から離間した状態で立設する。
そして、ブリッジ形状のビーム13はこの支持部17によって支持される。
【0039】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成され、下部電極14における第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設された支持部17を有する複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子31からなるGLVデバイスを製造する。
【0040】
このようなMEMS素子31の製造方法によれば、ビーム13の支持部17は保護膜22を介した下部電極14上ではなく、第1の開口パターン14a内の絶縁膜21上に立設される。
これにより、下部電極14の表面に凹凸が形成されたとしても、下部電極14の表面と比較して凹凸の少ないSiO2からなる絶縁膜21上に支持部17を立設することから、支持部17の高さを均一に形成することができ、その強度を均一にすることができる。
【0041】
なお、本実施形態においては支持部17を絶縁膜21上に形成したが、第1の開口パターン14aの底部に露出した絶縁膜21を除去して、基板20に達する開口パターンを形成し、支持部17をこの開口パターン内の基板20上に形成してもよい。支持部17を基板20上に形成しても、上記と同様の効果を奏することができる。
この場合は下部電極14の第1の開口パターン14aを形成する際に用いたレジストパターンをマスクに用いたエッチングにより絶縁膜21を除去してもよく、下部電極14をマスクに用いて絶縁膜21を除去してもよい。
さらに、第1の開口パターン14aを形成した後、新たなレジストパターンを用いて第1の開口パターン14a以外の下部電極14および絶縁膜21上を覆い、第1の開口パターン14aの底部に露出した絶縁膜21のみを除去してもよい。
【0042】
(第2実施形態)
本発明における第2実施形態のマイクロマシン(以下MEMS素子32とする)の断面図を図4に示す。本実施形態では、例えばGLVデバイスに用いられるMEMS素子32について説明する。
第1実施形態と同一の構成要素には同一の番号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態におけるMEMS素子32は絶縁膜21が形成された基板20と、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に設けられたビーム13と、ビーム13の表面に設けられた上部電極12とから構成される。
【0043】
基板20上には絶縁膜21が形成されており、絶縁膜21上には下部電極14が配置されている。
下部電極14はその端部側に絶縁膜21に達する開口パターン24aを有し、下部電極14の表面は酸化膜からなる保護膜22で覆われている。
【0044】
ビーム13はその端部が下部電極14の外側の絶縁膜21上に配置され、保護膜22との間に空隙部15を有してブリッジ形状に設けられている。また、ビーム13の表面には光反射膜も兼ねた上部電極12が形成されている。
ビーム13表面の上部電極12と下部電極14とは、この間に設けられた空隙部15、保護膜22およびビーム13により電気的に絶縁されている。
【0045】
このビーム13の支持部17はビーム13と一体に形成され、下部電極14における第1の開口パターン24a内の絶縁膜21上に立設されている。支持部17は絶縁膜21側が開口パターン24aの内壁で支持されている。
【0046】
このようなMEMS素子32によれば、ビーム13の支持部17が絶縁膜21上に配置されていることから、第1実施形態のMEMS素子31と同様の効果を奏することができる。
さらに、この支持部17の絶縁膜21側は開口パターン24aの内壁で支持されていることから、支持部17をより安定させることができる。
【0047】
本発明における第2実施形態のMEMS素子32の製造方法を図5〜図6の製造工程断面図に示す。
まず始めに、図5(a)に示すように、基板20上に絶縁膜21を形成し、絶縁膜21上に下部電極14を形成する。
次に、図5(b)に示すように、下部電極14の表面に保護膜22として酸化膜を形成する。
【0048】
続いて、図5(c)に示すように、保護膜22上に犠牲層23を形成し、レジストパターン(図示せず)をマスクに用いて、犠牲層23、保護膜22および下部電極14を絶縁膜21よりも内側に形成されるようにパターニングするとともに、後述する工程でビームの支持部を形成する領域の犠牲層23、保護膜22および下部電極14に、絶縁膜21に達する開口パターン24を形成する。
ここで、開口パターン24の径が後述する工程で形成するビームの支持部の径となることから、ビームを支持可能な強度を有する径に適宜設定する。
【0049】
続いて、図5(d)に示すように、パターニングされた下部電極14、保護膜22および犠牲層23を覆うように絶縁膜21上にビーム材料層(図示せず)を成膜する。このとき開口パターン24の内壁もビーム材料層で覆うように成膜する。
そして、レジストパターンをマスクに用いて、開口パターン24を含んだ帯状にビーム材料層をパターニングすることによって、保護膜22との間に犠牲層23を有したブリッジ形状の複数のビーム13を形成する。
また、開口パターン24の内壁に沿って絶縁膜21上にビーム13と一体に形成されたビーム13の支持部17を形成する。
【0050】
次いで、ここでの図示を省略するが、ビーム13の端部に配線用Alを成膜してパターニングし、そして図6(e)に示すように、ビーム13を覆うように例えばAlからなる導電性膜を犠牲層23上に成膜し、パターニングすることによりビーム13の表面に光反射膜を兼ねた上部電極12を形成する。
【0051】
そして、図6(f)に示すように、犠牲層23(前記図6(e)参照)をドライエッチングにより除去する。これにより保護膜22とビーム13との間に空隙部15が形成され、開口パターン24(前記図6(e)参照)もその上部が除去された状態となり、内壁が保護膜22と下部電極14とで形成される開口パターン24aとなる。
また、ビーム13の支持部17は開口パターン24a内の絶縁膜21上に開口パターン24aの内壁に支持された状態で立設される。
【0052】
このようにして、絶縁膜21上に形成された下部電極14と、絶縁膜21上にブリッジ状に形成され、下部電極14における開口パターン24a内の絶縁膜21上に立設された支持部17を有する複数のビーム13と複数のビーム13の表面に形成された上部電極12とを備えたMEMS素子32からなるGLVデバイスを製造する。
【0053】
このようなMEMS素子32の製造方法によれば、ビーム13の支持部17を保護膜22を介した下部電極14上ではなく、開口パターン24a内の絶縁膜21上に形成する。これにより、第1実施形態で説明した製造方法と同様の効果を奏する。
また、犠牲層23、保護膜22および下部電極14に絶縁膜21に達する開口パターン24を形成し、開口部パターン24の内壁に沿って絶縁膜21上に支持部17を形成した後、犠牲層23を除去することから、支持部17の絶縁膜21側は、保護膜22および下部電極14からなる開口部パターン24aの内壁で支持された状態となる。これにより、支持部17をより安定的に形成することができる。
さらに、犠牲層23、保護膜22および下部電極14を同一工程で除去して開口パターン24を形成することから、第1実施形態で説明した製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【0054】
なお、上述した実施形態においては、ブリッジ形状のビーム13を備えたMEMS素子に本発明を適用した場合を説明した。しかし、本発明はブリッジ形状のビーム13に換えて、ビーム13の一方の端部側のみに支持部17が形成されたカンチレバー式の構成のビームを有するMEMS素子にも同様に適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマイクロマシンによれば、ビームの支持部が基板上に配置されることから、下部電極の表面に凹凸があったとしても、この凹凸の影響を受けることなく、ビームの支持部の高さを均一にすることができるため、支持部の強度を均一にすることができる。
したがって、このようなマイクロマシンに電圧を印加して、ビームを下部電極側に接近させた場合でも、支持部の強度が均一であることから、ビームの変形具合が変化したり、ビームにねじれが生じたりすることなく、ビームの変形時の高さを制御することができる。
また、このようなマイクロマシンが複数並列して配置されたGLVでは、各マイクロマシンにおけるビームの支持部の強度を均一にし、マイクロマシンに電圧を印加した場合の各ビームにおける変形時の高さを制御できるので、ビーム表面の上部電極により形成される回折格子による回折光の強度をより確実に制御することが可能となる。
【0056】
また、本発明のマイクロマシンの第1の製造方法によれば、ビームの支持部を第1の開口パターン内の基板上に立設することから、下部電極の表面に凹凸が発生したとしても、ビームの支持部の高さを均一にすることができ、支持部の強度を均一にすることができる。
【0057】
また、本発明のマイクロマシンの第2の製造方法によれば、開口パターン内の基板上にビームの支持部を立設することから、第1の製造方法と同様の効果を奏することが可能である。
さらに、この方法によれば、支持部の基板側は開口パターンの内壁の一部である下部電極で支持されることから、支持部をより安定的に形成することができる。
また、犠牲層および下部電極を同一工程で除去して開口パターンを形成することから、第1の製造方法よりも工程負荷の大きいリソグラフィ工程が少なく、生産性により優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるマイクロマシンを説明するための断面図である。
【図2】第1実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図3】第1実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図4】第2実施形態におけるマイクロマシンを説明するための断面図である。
【図5】第2実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図6】第2実施形態におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図7】従来の技術におけるマイクロマシンを説明するための斜視図(a)、断面図(b)である。
【図8】従来の技術におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その1)である。
【図9】従来の技術におけるマイクロマシンの製造方法を説明するための製造工程断面図(その2)である。
【図10】従来の技術における課題を示す断面図である。
【符号の説明】
12…上部電極、13…ビーム、14…下部電極、14a…第1の開口パターン、23a…第2の開口パターン、24,24a…開口パターン、17…支持部、20…基板、21…絶縁膜、22…保護膜、23…犠牲層、31,32…MEMS素子
Claims (6)
- 基板上に形成された下部電極と、前記下部電極との間に空隙を有して配設されたビームと、前記ビームの表面に形成された上部電極とを備えたマイクロマシンにおいて、
前記下部電極は前記基板に達する開口パターンを有し、この開口パターン内の前記基板上に前記ビームの支持部が立設されている
ことを特徴とするマイクロマシン。 - 前記下部電極はその表面が保護膜で覆われている
ことを特徴とする請求項1記載のマイクロマシン。 - 基板上に第1の開口パターンを有する下部電極を形成する工程と、
前記下部電極を覆うように前記基板上に犠牲層を形成する工程と、
前記犠牲層を前記下部電極と重なるようにパターニングするとともに、前記第1の開口パターン上の前記犠牲層に前記基板に達する第2の開口パターンを形成する工程と、
前記犠牲層を覆うように前記基板上にビーム材料層を成膜した後、前記第2の開口パターンを含んだ帯状に前記ビーム材料層をパターニングすることによって、前記下部電極上に前記犠牲層を介してビームを形成するとともに、前記第2の開口パターン内の前記基板上に前記ビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、
前記ビームの表面に上部電極を形成する工程と、
前記犠牲層を除去することによって、前記下部電極と前記ビームとの間に空隙を設けるとともに前記支持部を前記第1の開口パターン内の前記基板上に立設する
ことを特徴とするマイクロマシンの製造方法。 - 前記犠牲層を形成する前に前記下部電極の表面に保護膜を形成する工程を行う
ことを特徴とする請求項3記載のマイクロマシンの製造方法。 - 基板上に下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に犠牲層を形成した後、マスクパターンをマスクに用いて、前記犠牲層および前記下部電極をパターニングするとともに、この犠牲層および下部電極に前記基板に達する開口パターンを形成する工程と、
パターニングされた前記犠牲層および前記下部電極を覆うように、前記基板上にビーム材料層を成膜した後、前記開口パターンを含んだ帯状にパターニングすることによって、前記下部電極上に前記犠牲層を介してビームを形成するとともに、前記開口パターン内の前記基板上に前記ビームと一体に形成された支持部を形成する工程と、
前記ビームの表面に上部電極を形成する工程と、
前記犠牲層を除去して前記下部電極と前記ビームとの間に空隙を設けるともに前記支持部を前記開口パターン内の前記基板上に立設する工程とを有する
ことを特徴とするマイクロマシンの製造方法。 - 前記犠牲層を形成する前に前記下部電極の表面に保護膜を形成する工程を行う
ことを特徴とする請求項5記載のマイクロマシンの製造方法。
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