JP2004142011A - 打抜き用面板の加工方法および加工装置 - Google Patents
打抜き用面板の加工方法および加工装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004142011A JP2004142011A JP2002309202A JP2002309202A JP2004142011A JP 2004142011 A JP2004142011 A JP 2004142011A JP 2002309202 A JP2002309202 A JP 2002309202A JP 2002309202 A JP2002309202 A JP 2002309202A JP 2004142011 A JP2004142011 A JP 2004142011A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- face plate
- punching
- processing
- ruled line
- plate material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Nonmetal Cutting Devices (AREA)
- Making Paper Articles (AREA)
Abstract
【課題】面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、比較的短時間の内に面板を得ることが可能な打抜き用面板の加工方法および加工装置を提供する。
【解決手段】面板材料を面板に加工するにあたって、罫線溝を形成しようとする領域にカッターにより切り込みを入れて、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する工程と、前記罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータで除去する工程とを少なくとも行う。
【選択図】 図2
【解決手段】面板材料を面板に加工するにあたって、罫線溝を形成しようとする領域にカッターにより切り込みを入れて、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する工程と、前記罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータで除去する工程とを少なくとも行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙器用原紙を打ち抜いて刷本(いわゆるカートン)を得る際に使用される打抜き型の加工方法および加工装置に係り、特に、抜き型と共に前記の打抜き型を構成している打抜き用面板(以下、単に「面板」という。)の加工方法および加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙器は、例えば、当該紙器に付ける図柄を原紙に印刷し、この原紙から刷本を打ち抜いた後に当該刷本を所定形状に折りたたみ、所定箇所を糊付けすることによって製造される。
【0003】
図5に示すように、紙器用原紙から刷本100を打ち抜く際には、通常、雄型に相当する抜き型60と、雌型に相当する面板70とを備えた打抜き装置が用いられる。
【0004】
抜き型60は、打ち抜こうとする刷本100の平面形状および大きさに対応して配置された複数の抜き刃(切断刃)62と、刷本100中の折りたたみ箇所に罫線(押し罫)90を形成するために当該箇所に対応して配置された複数の罫線刃64とを備えている。
【0005】
一方、面板70は、抜き型60に配置されている罫線刃64に対応して形成された罫線溝72を有しており、当該面板70は、平坦な上面を有する金属板からなる基材80上に固着されている。基材80は、上面の法線方向が抜き刃62の高さ方向と略一致するように配置される。
【0006】
面板70の平面形状は、打ち抜こうとする刷本100の平面形状に対応している。また、面板70の平面視上の大きさは、抜き刃62と当該面板70との間に紙器用原紙が噛み込まれて刷本100に面板70の痕が付いたり皺が生じたりするのを防止するために、刷本100の平面視上の大きさよりも若干小さい。面板70のうちで抜き型60による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部には、上り勾配の傾斜領域74が形成されている。
【0007】
ここで、本明細書でいう「抜き型による抜き刃接触線」とは、面板が固着されている基材の上面における法線であって、抜き型に配置されている抜き刃の外側面(刷本からみたときの外側面)を通る法線を意味する。
【0008】
面板材料としては、フェノール樹脂等の合成樹脂やシート状の繊維質材料(例えば、プレスボードとよばれる板紙)を用いることができるが、安価に入手することが可能なことから、シート状の繊維質材料が主に用いられている。
【0009】
繊維質材料からなる面板材料を用いて面板を作製するにあたっては、まず、水溶性の接着剤を用いて繊維質材料を基材上に貼り付ける。次に、カーボン紙等を用いて、抜き型における抜き刃および罫線刃それぞれの配置を面板材料にプレス転写する。転写された罫線刃の配設位置が、罫線溝を形成すべき位置であり、抜き刃の配設位置が、抜刃接触線に対応する部位であるので、これらの配設位置に従って罫線溝の形成および上述の傾斜領域の形成を行う。
【0010】
罫線溝の形成は、特許文献1や特許文献2に記載されているように回転式ノコ刃によって行われ、傾斜領域の形成は、罫線溝を形成した後にカッターナイフを用いて行われる。最後に、面板材料を湿らせて接着剤の粘着力を弱め、不要部分をへら等で除去して、面板を得る。
【0011】
なお、面板材料として合成樹脂を用いた場合には、リュータを用いた自動加工も行われている。
【特許文献1】
特開平8−126992号公報
【特許文献2】
特開平9−150312号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
繊維質材料は、前述のように安価に入手することが可能であることから面板材料として好適であるが、当該繊維質材料を用いた面板では、打抜き装置に実装した後に微調整のための作業や修正作業等が必要となることが多く、最終的に使用される面板を得るための加工時間が増大し易い。
【0013】
ノコ刃によって形成された罫線溝の内部あるいは周囲に毛羽立ちがあると、罫線刃によって紙器用原紙を罫線溝内に十分に押し込むことが困難になったり、毛羽立ち部分の痕が紙器用原紙あるいは刷本に付いたりして紙器の品質低下の要因となることから、罫線溝の内部あるいは周囲については、上述の微調整や修正作業が特に重要となる。
【0014】
リュータによって繊維質材料を加工して面板を作製することも考えられるが、繊維質材料をリュータで加工すると加工端面に毛羽立ちが生じてしまうことから、上述のように、罫線溝の内部あるいは周囲については微調整や修正作業が必要となる。
【0015】
そこで、本発明は、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、比較的短時間の内に面板を得ることが可能な打抜き用面板の加工方法および加工装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本件発明者等は、カッターとリュータとを併用することによって、上記の課題を解決した。
【0017】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書にて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の第1の態様では、紙器用原紙から打ち抜くべき刷本(100)の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線(90)を形成するための罫線溝(72)を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型(60)と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板(70)の加工方法であって、基材(5)の一表面に、前記打抜き用面板の基となる面板材料(1、1A)を固着させる第1工程と、前記面板材料において前記罫線溝を形成しようとする領域にカッター(15)により切り込みを入れて、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する第2工程と、前記罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータ(10)で除去する第3工程と、前記面板材料のうちで前記抜き型による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に、上り勾配の傾斜領域(74)を形成する第4工程と、を含むことを特徴とする打抜き用面板の加工方法を提供して、上記の課題を解決する。
【0019】
面板材料に罫線溝を形成するにあたって、罫線溝を形成しようとする領域にカッターによって切り込みを入れて罫線溝の幅方向両側の側壁を形成した後、当該領域内の面板材料をリュータで除去することにより、繊維質材料からなる面板材料を用いた場合でも罫線溝の側壁およびその周辺に毛羽立ちを生じさせることなく、罫線溝を形成することが可能になる。
【0020】
したがって、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、面板を打抜き装置に実装した後に必要となる微調整ないし修正のための作業量を低減させることが容易になり、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能になる。
【0021】
上述した第1の態様においては、前記第2工程で片刃のカッター(15A)を用い、当該カッターによって面板材料に切り込みを入れて、罫線溝の幅方向両側の側壁を形成することが好ましい。
【0022】
片刃のカッターでは、刃が形成されている面とは反対側の面が平面となっているので、当該平面が罫線溝の側壁側に位置するようにして片刃のカッターを用いることにより、側壁が略垂直な罫線溝を形成することが容易になる。罫線溝の側壁が略垂直であれば、所望形状の罫線を形成し易い。
【0023】
また、前記第2工程では、形成しようとする1つの罫線溝につきカッターを2枚使用し、罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成することが好ましい。このようにして罫線溝の側壁を形成することにより、第2工程の所要時間を短縮させることが容易になる。
【0024】
罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータで除去する第3工程では、リュータとしてストレート刃(11A)を備えたエンドミルを用いることが好ましい。当該ストレート刃のエンドミルを用いることにより、内部や周囲に毛羽立ちのない罫線溝を得ることが容易になる。
【0025】
面板材料のうちで抜き型による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に上り勾配の傾斜領域を形成する第4工程では、側面視上の形状が台形の刃(11C)を備えたエンドミルを用いて前記の傾斜領域を形成することができる。また、カッターを用いて前記の傾斜領域を形成することもできる。
【0026】
本発明の第2の態様では、紙器用原紙から打ち抜くべき刷本(100)の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線(90)を形成するための罫線溝(72)を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型(60)と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板(70)の加工装置であって、前記打抜き用面板の基となる面板材料(1、1A)が一表面に固着された基材(5)を固定することができる定盤(7)と、前記面板材料よりも上方に配置されるリュータ(10)と、前記面板材料よりも上方に配置され、先端にカッター(15)を取り付けることができる加工ヘッド(20)と、前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記面板材料上方の平面内において第1の方向(D1)に往復運動させることができる第1移動機構(30)と、前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記平面内において前記第1の方向と直交する第2の方向(D2)に往復運動させることができる第2移動機構(40)と、を有することを特徴とする打抜き用面板の加工装置(50)を提供して、前記の課題を解決する。
【0027】
上記の加工装置を用いれば、前述した第1の態様の加工方法を自動化することが可能になる。
【0028】
2枚のカッターを互いに平行に保持することができる加工ヘッドを用いることにより、1つの罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成することが可能になり、罫線溝の加工に要する作業時間を短縮させることが容易になる。
【0029】
また、前記第1の方向に延在する回転軸および前記第2の方向に延在する回転軸の少なくとも一方を有し、当該回転軸の周りに転回可能な加工ヘッドを用いることにより、前述した傾斜領域をカッターにより形成することが容易になる。
【0030】
上述した本発明の作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の打抜き用面板の加工装置に係る実施形態を挙げて、その構成と、当該加工装置を用いた打抜き用面板の加工方法を詳述する。
【0032】
図1は、本実施形態による打抜き用面板の加工装置(以下、単に「加工装置」)という。)を概略的に示す。
【0033】
図示の加工装置50は、面板材料1が一表面に固着された基材5を固定することができる定盤7、面板材料1よりも上方に配置されるリュータ10、および面板材料1よりも上方に配置され、先端にカッター15を取り付けることができる加工ヘッド20を備えている。
【0034】
リュータ10は支持部材12によって支持され、当該支持部材12は第1移動子14によって保持されている。支持部材12は、矢印D3で示す第3の方向(以下、「第3の方向D3」という。)にリュータ10を昇降させることができ、第1移動子14は、後述するアーム38に沿って、矢印D2で示す第2の方向(以下、「第2の方向D2」という。)に往復運動することができる。第3の方向D3は、定盤7における上面の法線方向であり、通常は、当該第3の方向D3が鉛直方向となるように定盤7が設置される。
【0035】
加工ヘッド20は支持部材22によって支持され、当該支持部材22は第2移動子24によって保持されている。支持部材22は、加工ヘッド20を第3の方向D3に昇降させることができ、第2移動子24は、後述するアーム38に沿って第2の方向D2に往復運動することができる。
【0036】
上述した第1移動子14および第2移動子24は、例えば、モータを内蔵した自走式の移動子であり、図示を省略したコントローラから有線または無線で送られてくる制御信号に従って、所定方向に所定距離だけ移動することができる。
【0037】
リュータ10および加工ヘッド20を、面板材料1上方の平面内において図1中に矢印D1で示す第1の方向(以下、「第1の方向D1」という。)へ移動させるために、加工装置50は、第1移動機構30を備えている。
【0038】
この第1移動機構30は、定盤7を挟持するフレーム32と、当該フレーム32上に配置されて第1の方向D1に延在するガイドレール34と、1本のガイドレール34に1つずつ配置されて当該ガイドレール34に沿って第1の方向D1に往復運動可能な第3移動子36と、2つの第3移動子36の上面間に架け渡されたアーム38とを備えている。
【0039】
第3移動子36は、第1移動子14および第2移動子24と同様に、例えばモータを内蔵した自走式の移動子であり、図示を省略したコントローラから有線または無線で送られてくる制御信号に従って、所定方向に所定距離だけ移動することができる。
【0040】
前述した第1移動子14および第2移動子24がアーム38に配置され、第1移動子14によってリュータ10が、また、第2移動子24によって加工ヘッド20が保持されているので、第3移動子36を第1の方向D1に往復運動させることによって、リュータ10および加工ヘッド20を第1の方向D1に往復運動させることができる。
【0041】
アーム38は、既に説明した支持部材12、第1移動子14、支持部材22、および第2移動子24と共に、面板材料1上方の平面内においてリュータ10および加工ヘッド20を第1の方向D1と直交する第2の方向D2に往復運動させることができる第2移動機構40を構成している。
【0042】
上述した構成を有する加工装置50は、繊維質材料からなる面板材料を用いて面板を作製するための装置として好適であるので、以下、繊維質材料からなる面板材料を加工装置50によって面板に加工する工程について説明する。
【0043】
まず、図2(A)に示すように、繊維質材料からなる面板材料1Aを基材5上に固着させる第1工程を行う。基材5上への面板材料1Aの固着は、従来と同様に、水溶性の接着剤を用いて行うことができる。
【0044】
次に、カーボン紙等を用いて、抜き型における抜き刃および罫線刃それぞれの配置を面板材料1Aにプレス転写する。
【0045】
次いで、面板材料1Aおよび基材5を定盤7上に固定し、第1移動機構30および第2移動機構40によって加工ヘッド20を所定の位置まで移動させてから、図2(B)に示すように、面板材料1Aにおいて罫線溝を形成しようとする領域、すなわち、面板材料1Aに転写された罫線刃の配設位置にカッターにより切り込みを入れて罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する第2工程を行う。
【0046】
図示の例では、片刃のカッター15Aを2枚用い、当該カッター15Aにおいて刃が形成されている面とは反対側の面が罫線溝の側壁側に位置することになるように、かつ、形成される側壁が略垂直になるようにして面板材料1Aに切り込みを入れて、1つの罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成している。
【0047】
罫線溝には、図1に示した第1の方向D1に延在するものと、同図に示した第2の方向D2に延在するものとがあるので、加工ヘッド20は、カッター15またはカッター15Aの平面視上の向きを所望の角度回転させることができるように構成することが好ましい。あるいは、4枚のカッターを同時に保持し、これら4枚のカッターの中から1枚または2枚のカッターを適宜選択し、他の3枚または2枚のカッターは格納した状態で加工を行うことができるように構成することが好ましい。
【0048】
なお、図2(B)においては、面板材料1Aに転写された罫線刃の配設位置を判り易くするために、当該位置にスマッジングを付してある。
【0049】
次に、第1移動機構30および第2移動機構40によってリュータ10を所定の位置まで移動させてから、図2(C)に示すように、罫線溝72を形成すべき領域内の面板材料1Aをリュータ10で除去する第3工程を行う。図2(C)は、ストレート刃11Aを備えたリュータ10によって面板材料1Aを除去する際のストレート刃11Aと面板材料1Aとの相対的な位置関係を示しており、同図中の矢印Aはストレート刃11Aの回転方向を示す。ストレート刃11Aにおいては、回転軸と平行な方向に、図示を省略した刃が延在している。
【0050】
前術した第2工程および上述した第3工程を行うことにより、罫線溝72を形成することができる。
【0051】
次いで、面板材料1Aのうちで抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に上り勾配の傾斜領域を形成する第4工程を行う。この第4工程は、リュータ10を用いて行うこともできるし、加工ヘッド20を用いて行うこともできる。
【0052】
リュータ10を用いて第4工程を行う場合には、図3(A)に示すように、リュータ10として、先端が円錐状の刃(加工工具)11Bを備えたものを用いて傾斜領域74を形成することができる。面板の平面視上の大きさが刷本の平面視上の大きさより小さくてもよいことを勘案すると、図3(B)に示すように、側面視上の形状が台形の刃11Cを備えたエンドミルを用いて傾斜領域74を形成した方が、リュータ10の位置合わせが容易になるという観点、および、刷本の打抜き時に紙器用原紙が傾斜領域74に押し当てられて刷本に押し跡が付くことを抑制し易いという観点から、好適である。
【0053】
一方、加工ヘッド20を用いて第4工程を行う場合には、定盤7と加工ヘッド20とを互いに相対的に傾斜させることが必要となるので、加工ヘッド20は、前述した第1の方向D1に延在する回転軸および第2の方向に延在する回転軸の少なくとも一方を有していることが好ましい。この回転軸の周りに加工ヘッド20を所定の角度転回させることにより、加工ヘッド20を用いて傾斜領域74を形成することが容易になる。
【0054】
この後、第4工程で形成した傾斜領域74の外側に不要な面板材料1Aが残存している場合には、当該不要な面板材料1Aを例えばリュータ10によって除去する第5工程を行う。
【0055】
このようにして加工装置50により第1工程から第4工程まで、または第1工程から第5工程まで行うことにより、面板を得ることができる。繊維質材料からなる面板材料1Aを用いた場合でも、罫線溝72の側壁およびその周辺に毛羽立ちを生じさせることなく当該罫線溝72を形成することが可能であるので、面板を打抜き装置に実装した後に必要となる微調整ないし修正のための作業量を低減させることが容易になる。その結果として、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能になる。
【0056】
また、従来、手作業で行われていた傾斜領域74の形成、および、傾斜領域74の外側に不要な面板材料1Aが残存している場合の当該不要な面板材料1Aの除去が自動化されるので、この点からも、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能である。また、作製される面板の品質も安定化される。
【0057】
上述した第2工程、第3工程、第4工程、および第5工程の順番は、この順番に限定されるものではなく、順位不動で適宜変更可能である。
【0058】
また、本発明による打抜き用面板の加工方法は、本発明の打抜き用面板の加工装置を用いて実施する以外に、手作業によって実施することも可能である。この場合でも、従来の方法に従って手作業で面板を作製する際の所要時間に比べれば、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能である。
【0059】
以上、現時点において最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う打抜き用面板の加工方法または加工装置もまた、本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0060】
例えば、1つの罫線溝に対して2枚のカッターを用いて前述の第2工程を行う場合、当該2枚のカッターとしては、図4に示すように、側面視上の形状がコの字状となるように2枚のカッター15B、15Cが互い平行となるように一体化された一体化物16を用いることも可能である。本明細書においては、2枚のカッターが一体化された一体化物16も「2枚のカッター」に含めるものとする。
【0061】
なお、図4に示した部材のうちで図2(B)に示した部材と共通するものについては、図2(B)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0062】
傾斜領域の外側に不要な面板材料が残存していた場合、当該不要な面板材料は、刷本の打抜き時に成形不良が生じることを防止するという観点からは、完全に除去することが好ましい。一方、基材を繰り返し利用するという観点からは、抜き刃と基材とが直接接触することを防止する緩衝材として機能し得る厚さの面板材料層が形成されるように、厚さ方向の下部を残して部分的に除去することが好ましい。
【0063】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、比較的短時間の内に面板を得ることが可能な打抜き用面板の加工方法および加工装置が提供される。したがって、本発明によれば、紙器の製造コストを低減させることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の打抜き用面板の加工装置に係る一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2(A)、図2(B)、および図2(C)は、それぞれ、図1に示した加工装置を用いて、または本発明の打抜き用面板の加工方法に従って打抜き用面板を加工する際の一部の工程を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3(A)は、図1に示した加工装置を用いて、または本発明の打抜き用面板の加工方法に従って打抜き用面板を加工する際の他の一部の工程を概略的に示す斜視図であり、図3(B)は、図3(A)に示した工程を実施する他の手法を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明の打抜き用面板の加工装置、または本発明の打抜き用面板の加工方法で使用することができるカッターの一例を示す側面図である。
【図5】紙器用原紙から刷本を打ち抜く際に使用される抜き型と面板それぞれの一例を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A…面板材料
5…基材
7…定盤
10…リュータ
11A…ストレート刃
11C…側面視上の形状が台形の刃
15、15B、15C…カッター
15A…片刃のカッター
20…加工ヘッド
30…第1移動機構
40…第2移動機構
60…抜き型
70…面板(打抜き用面板)
72…罫線溝
74…傾斜領域
90…罫線
100…刷本
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙器用原紙を打ち抜いて刷本(いわゆるカートン)を得る際に使用される打抜き型の加工方法および加工装置に係り、特に、抜き型と共に前記の打抜き型を構成している打抜き用面板(以下、単に「面板」という。)の加工方法および加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙器は、例えば、当該紙器に付ける図柄を原紙に印刷し、この原紙から刷本を打ち抜いた後に当該刷本を所定形状に折りたたみ、所定箇所を糊付けすることによって製造される。
【0003】
図5に示すように、紙器用原紙から刷本100を打ち抜く際には、通常、雄型に相当する抜き型60と、雌型に相当する面板70とを備えた打抜き装置が用いられる。
【0004】
抜き型60は、打ち抜こうとする刷本100の平面形状および大きさに対応して配置された複数の抜き刃(切断刃)62と、刷本100中の折りたたみ箇所に罫線(押し罫)90を形成するために当該箇所に対応して配置された複数の罫線刃64とを備えている。
【0005】
一方、面板70は、抜き型60に配置されている罫線刃64に対応して形成された罫線溝72を有しており、当該面板70は、平坦な上面を有する金属板からなる基材80上に固着されている。基材80は、上面の法線方向が抜き刃62の高さ方向と略一致するように配置される。
【0006】
面板70の平面形状は、打ち抜こうとする刷本100の平面形状に対応している。また、面板70の平面視上の大きさは、抜き刃62と当該面板70との間に紙器用原紙が噛み込まれて刷本100に面板70の痕が付いたり皺が生じたりするのを防止するために、刷本100の平面視上の大きさよりも若干小さい。面板70のうちで抜き型60による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部には、上り勾配の傾斜領域74が形成されている。
【0007】
ここで、本明細書でいう「抜き型による抜き刃接触線」とは、面板が固着されている基材の上面における法線であって、抜き型に配置されている抜き刃の外側面(刷本からみたときの外側面)を通る法線を意味する。
【0008】
面板材料としては、フェノール樹脂等の合成樹脂やシート状の繊維質材料(例えば、プレスボードとよばれる板紙)を用いることができるが、安価に入手することが可能なことから、シート状の繊維質材料が主に用いられている。
【0009】
繊維質材料からなる面板材料を用いて面板を作製するにあたっては、まず、水溶性の接着剤を用いて繊維質材料を基材上に貼り付ける。次に、カーボン紙等を用いて、抜き型における抜き刃および罫線刃それぞれの配置を面板材料にプレス転写する。転写された罫線刃の配設位置が、罫線溝を形成すべき位置であり、抜き刃の配設位置が、抜刃接触線に対応する部位であるので、これらの配設位置に従って罫線溝の形成および上述の傾斜領域の形成を行う。
【0010】
罫線溝の形成は、特許文献1や特許文献2に記載されているように回転式ノコ刃によって行われ、傾斜領域の形成は、罫線溝を形成した後にカッターナイフを用いて行われる。最後に、面板材料を湿らせて接着剤の粘着力を弱め、不要部分をへら等で除去して、面板を得る。
【0011】
なお、面板材料として合成樹脂を用いた場合には、リュータを用いた自動加工も行われている。
【特許文献1】
特開平8−126992号公報
【特許文献2】
特開平9−150312号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
繊維質材料は、前述のように安価に入手することが可能であることから面板材料として好適であるが、当該繊維質材料を用いた面板では、打抜き装置に実装した後に微調整のための作業や修正作業等が必要となることが多く、最終的に使用される面板を得るための加工時間が増大し易い。
【0013】
ノコ刃によって形成された罫線溝の内部あるいは周囲に毛羽立ちがあると、罫線刃によって紙器用原紙を罫線溝内に十分に押し込むことが困難になったり、毛羽立ち部分の痕が紙器用原紙あるいは刷本に付いたりして紙器の品質低下の要因となることから、罫線溝の内部あるいは周囲については、上述の微調整や修正作業が特に重要となる。
【0014】
リュータによって繊維質材料を加工して面板を作製することも考えられるが、繊維質材料をリュータで加工すると加工端面に毛羽立ちが生じてしまうことから、上述のように、罫線溝の内部あるいは周囲については微調整や修正作業が必要となる。
【0015】
そこで、本発明は、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、比較的短時間の内に面板を得ることが可能な打抜き用面板の加工方法および加工装置を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本件発明者等は、カッターとリュータとを併用することによって、上記の課題を解決した。
【0017】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書にて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0018】
本発明の第1の態様では、紙器用原紙から打ち抜くべき刷本(100)の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線(90)を形成するための罫線溝(72)を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型(60)と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板(70)の加工方法であって、基材(5)の一表面に、前記打抜き用面板の基となる面板材料(1、1A)を固着させる第1工程と、前記面板材料において前記罫線溝を形成しようとする領域にカッター(15)により切り込みを入れて、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する第2工程と、前記罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータ(10)で除去する第3工程と、前記面板材料のうちで前記抜き型による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に、上り勾配の傾斜領域(74)を形成する第4工程と、を含むことを特徴とする打抜き用面板の加工方法を提供して、上記の課題を解決する。
【0019】
面板材料に罫線溝を形成するにあたって、罫線溝を形成しようとする領域にカッターによって切り込みを入れて罫線溝の幅方向両側の側壁を形成した後、当該領域内の面板材料をリュータで除去することにより、繊維質材料からなる面板材料を用いた場合でも罫線溝の側壁およびその周辺に毛羽立ちを生じさせることなく、罫線溝を形成することが可能になる。
【0020】
したがって、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、面板を打抜き装置に実装した後に必要となる微調整ないし修正のための作業量を低減させることが容易になり、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能になる。
【0021】
上述した第1の態様においては、前記第2工程で片刃のカッター(15A)を用い、当該カッターによって面板材料に切り込みを入れて、罫線溝の幅方向両側の側壁を形成することが好ましい。
【0022】
片刃のカッターでは、刃が形成されている面とは反対側の面が平面となっているので、当該平面が罫線溝の側壁側に位置するようにして片刃のカッターを用いることにより、側壁が略垂直な罫線溝を形成することが容易になる。罫線溝の側壁が略垂直であれば、所望形状の罫線を形成し易い。
【0023】
また、前記第2工程では、形成しようとする1つの罫線溝につきカッターを2枚使用し、罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成することが好ましい。このようにして罫線溝の側壁を形成することにより、第2工程の所要時間を短縮させることが容易になる。
【0024】
罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータで除去する第3工程では、リュータとしてストレート刃(11A)を備えたエンドミルを用いることが好ましい。当該ストレート刃のエンドミルを用いることにより、内部や周囲に毛羽立ちのない罫線溝を得ることが容易になる。
【0025】
面板材料のうちで抜き型による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に上り勾配の傾斜領域を形成する第4工程では、側面視上の形状が台形の刃(11C)を備えたエンドミルを用いて前記の傾斜領域を形成することができる。また、カッターを用いて前記の傾斜領域を形成することもできる。
【0026】
本発明の第2の態様では、紙器用原紙から打ち抜くべき刷本(100)の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線(90)を形成するための罫線溝(72)を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型(60)と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板(70)の加工装置であって、前記打抜き用面板の基となる面板材料(1、1A)が一表面に固着された基材(5)を固定することができる定盤(7)と、前記面板材料よりも上方に配置されるリュータ(10)と、前記面板材料よりも上方に配置され、先端にカッター(15)を取り付けることができる加工ヘッド(20)と、前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記面板材料上方の平面内において第1の方向(D1)に往復運動させることができる第1移動機構(30)と、前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記平面内において前記第1の方向と直交する第2の方向(D2)に往復運動させることができる第2移動機構(40)と、を有することを特徴とする打抜き用面板の加工装置(50)を提供して、前記の課題を解決する。
【0027】
上記の加工装置を用いれば、前述した第1の態様の加工方法を自動化することが可能になる。
【0028】
2枚のカッターを互いに平行に保持することができる加工ヘッドを用いることにより、1つの罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成することが可能になり、罫線溝の加工に要する作業時間を短縮させることが容易になる。
【0029】
また、前記第1の方向に延在する回転軸および前記第2の方向に延在する回転軸の少なくとも一方を有し、当該回転軸の周りに転回可能な加工ヘッドを用いることにより、前述した傾斜領域をカッターにより形成することが容易になる。
【0030】
上述した本発明の作用及び利得は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の打抜き用面板の加工装置に係る実施形態を挙げて、その構成と、当該加工装置を用いた打抜き用面板の加工方法を詳述する。
【0032】
図1は、本実施形態による打抜き用面板の加工装置(以下、単に「加工装置」)という。)を概略的に示す。
【0033】
図示の加工装置50は、面板材料1が一表面に固着された基材5を固定することができる定盤7、面板材料1よりも上方に配置されるリュータ10、および面板材料1よりも上方に配置され、先端にカッター15を取り付けることができる加工ヘッド20を備えている。
【0034】
リュータ10は支持部材12によって支持され、当該支持部材12は第1移動子14によって保持されている。支持部材12は、矢印D3で示す第3の方向(以下、「第3の方向D3」という。)にリュータ10を昇降させることができ、第1移動子14は、後述するアーム38に沿って、矢印D2で示す第2の方向(以下、「第2の方向D2」という。)に往復運動することができる。第3の方向D3は、定盤7における上面の法線方向であり、通常は、当該第3の方向D3が鉛直方向となるように定盤7が設置される。
【0035】
加工ヘッド20は支持部材22によって支持され、当該支持部材22は第2移動子24によって保持されている。支持部材22は、加工ヘッド20を第3の方向D3に昇降させることができ、第2移動子24は、後述するアーム38に沿って第2の方向D2に往復運動することができる。
【0036】
上述した第1移動子14および第2移動子24は、例えば、モータを内蔵した自走式の移動子であり、図示を省略したコントローラから有線または無線で送られてくる制御信号に従って、所定方向に所定距離だけ移動することができる。
【0037】
リュータ10および加工ヘッド20を、面板材料1上方の平面内において図1中に矢印D1で示す第1の方向(以下、「第1の方向D1」という。)へ移動させるために、加工装置50は、第1移動機構30を備えている。
【0038】
この第1移動機構30は、定盤7を挟持するフレーム32と、当該フレーム32上に配置されて第1の方向D1に延在するガイドレール34と、1本のガイドレール34に1つずつ配置されて当該ガイドレール34に沿って第1の方向D1に往復運動可能な第3移動子36と、2つの第3移動子36の上面間に架け渡されたアーム38とを備えている。
【0039】
第3移動子36は、第1移動子14および第2移動子24と同様に、例えばモータを内蔵した自走式の移動子であり、図示を省略したコントローラから有線または無線で送られてくる制御信号に従って、所定方向に所定距離だけ移動することができる。
【0040】
前述した第1移動子14および第2移動子24がアーム38に配置され、第1移動子14によってリュータ10が、また、第2移動子24によって加工ヘッド20が保持されているので、第3移動子36を第1の方向D1に往復運動させることによって、リュータ10および加工ヘッド20を第1の方向D1に往復運動させることができる。
【0041】
アーム38は、既に説明した支持部材12、第1移動子14、支持部材22、および第2移動子24と共に、面板材料1上方の平面内においてリュータ10および加工ヘッド20を第1の方向D1と直交する第2の方向D2に往復運動させることができる第2移動機構40を構成している。
【0042】
上述した構成を有する加工装置50は、繊維質材料からなる面板材料を用いて面板を作製するための装置として好適であるので、以下、繊維質材料からなる面板材料を加工装置50によって面板に加工する工程について説明する。
【0043】
まず、図2(A)に示すように、繊維質材料からなる面板材料1Aを基材5上に固着させる第1工程を行う。基材5上への面板材料1Aの固着は、従来と同様に、水溶性の接着剤を用いて行うことができる。
【0044】
次に、カーボン紙等を用いて、抜き型における抜き刃および罫線刃それぞれの配置を面板材料1Aにプレス転写する。
【0045】
次いで、面板材料1Aおよび基材5を定盤7上に固定し、第1移動機構30および第2移動機構40によって加工ヘッド20を所定の位置まで移動させてから、図2(B)に示すように、面板材料1Aにおいて罫線溝を形成しようとする領域、すなわち、面板材料1Aに転写された罫線刃の配設位置にカッターにより切り込みを入れて罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する第2工程を行う。
【0046】
図示の例では、片刃のカッター15Aを2枚用い、当該カッター15Aにおいて刃が形成されている面とは反対側の面が罫線溝の側壁側に位置することになるように、かつ、形成される側壁が略垂直になるようにして面板材料1Aに切り込みを入れて、1つの罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成している。
【0047】
罫線溝には、図1に示した第1の方向D1に延在するものと、同図に示した第2の方向D2に延在するものとがあるので、加工ヘッド20は、カッター15またはカッター15Aの平面視上の向きを所望の角度回転させることができるように構成することが好ましい。あるいは、4枚のカッターを同時に保持し、これら4枚のカッターの中から1枚または2枚のカッターを適宜選択し、他の3枚または2枚のカッターは格納した状態で加工を行うことができるように構成することが好ましい。
【0048】
なお、図2(B)においては、面板材料1Aに転写された罫線刃の配設位置を判り易くするために、当該位置にスマッジングを付してある。
【0049】
次に、第1移動機構30および第2移動機構40によってリュータ10を所定の位置まで移動させてから、図2(C)に示すように、罫線溝72を形成すべき領域内の面板材料1Aをリュータ10で除去する第3工程を行う。図2(C)は、ストレート刃11Aを備えたリュータ10によって面板材料1Aを除去する際のストレート刃11Aと面板材料1Aとの相対的な位置関係を示しており、同図中の矢印Aはストレート刃11Aの回転方向を示す。ストレート刃11Aにおいては、回転軸と平行な方向に、図示を省略した刃が延在している。
【0050】
前術した第2工程および上述した第3工程を行うことにより、罫線溝72を形成することができる。
【0051】
次いで、面板材料1Aのうちで抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に上り勾配の傾斜領域を形成する第4工程を行う。この第4工程は、リュータ10を用いて行うこともできるし、加工ヘッド20を用いて行うこともできる。
【0052】
リュータ10を用いて第4工程を行う場合には、図3(A)に示すように、リュータ10として、先端が円錐状の刃(加工工具)11Bを備えたものを用いて傾斜領域74を形成することができる。面板の平面視上の大きさが刷本の平面視上の大きさより小さくてもよいことを勘案すると、図3(B)に示すように、側面視上の形状が台形の刃11Cを備えたエンドミルを用いて傾斜領域74を形成した方が、リュータ10の位置合わせが容易になるという観点、および、刷本の打抜き時に紙器用原紙が傾斜領域74に押し当てられて刷本に押し跡が付くことを抑制し易いという観点から、好適である。
【0053】
一方、加工ヘッド20を用いて第4工程を行う場合には、定盤7と加工ヘッド20とを互いに相対的に傾斜させることが必要となるので、加工ヘッド20は、前述した第1の方向D1に延在する回転軸および第2の方向に延在する回転軸の少なくとも一方を有していることが好ましい。この回転軸の周りに加工ヘッド20を所定の角度転回させることにより、加工ヘッド20を用いて傾斜領域74を形成することが容易になる。
【0054】
この後、第4工程で形成した傾斜領域74の外側に不要な面板材料1Aが残存している場合には、当該不要な面板材料1Aを例えばリュータ10によって除去する第5工程を行う。
【0055】
このようにして加工装置50により第1工程から第4工程まで、または第1工程から第5工程まで行うことにより、面板を得ることができる。繊維質材料からなる面板材料1Aを用いた場合でも、罫線溝72の側壁およびその周辺に毛羽立ちを生じさせることなく当該罫線溝72を形成することが可能であるので、面板を打抜き装置に実装した後に必要となる微調整ないし修正のための作業量を低減させることが容易になる。その結果として、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能になる。
【0056】
また、従来、手作業で行われていた傾斜領域74の形成、および、傾斜領域74の外側に不要な面板材料1Aが残存している場合の当該不要な面板材料1Aの除去が自動化されるので、この点からも、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能である。また、作製される面板の品質も安定化される。
【0057】
上述した第2工程、第3工程、第4工程、および第5工程の順番は、この順番に限定されるものではなく、順位不動で適宜変更可能である。
【0058】
また、本発明による打抜き用面板の加工方法は、本発明の打抜き用面板の加工装置を用いて実施する以外に、手作業によって実施することも可能である。この場合でも、従来の方法に従って手作業で面板を作製する際の所要時間に比べれば、比較的短時間の内に所望の面板を得ることが可能である。
【0059】
以上、現時点において最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う打抜き用面板の加工方法または加工装置もまた、本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【0060】
例えば、1つの罫線溝に対して2枚のカッターを用いて前述の第2工程を行う場合、当該2枚のカッターとしては、図4に示すように、側面視上の形状がコの字状となるように2枚のカッター15B、15Cが互い平行となるように一体化された一体化物16を用いることも可能である。本明細書においては、2枚のカッターが一体化された一体化物16も「2枚のカッター」に含めるものとする。
【0061】
なお、図4に示した部材のうちで図2(B)に示した部材と共通するものについては、図2(B)で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
【0062】
傾斜領域の外側に不要な面板材料が残存していた場合、当該不要な面板材料は、刷本の打抜き時に成形不良が生じることを防止するという観点からは、完全に除去することが好ましい。一方、基材を繰り返し利用するという観点からは、抜き刃と基材とが直接接触することを防止する緩衝材として機能し得る厚さの面板材料層が形成されるように、厚さ方向の下部を残して部分的に除去することが好ましい。
【0063】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、面板材料として繊維質材料を用いた場合でも、比較的短時間の内に面板を得ることが可能な打抜き用面板の加工方法および加工装置が提供される。したがって、本発明によれば、紙器の製造コストを低減させることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の打抜き用面板の加工装置に係る一実施形態を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2(A)、図2(B)、および図2(C)は、それぞれ、図1に示した加工装置を用いて、または本発明の打抜き用面板の加工方法に従って打抜き用面板を加工する際の一部の工程を概略的に示す斜視図である。
【図3】図3(A)は、図1に示した加工装置を用いて、または本発明の打抜き用面板の加工方法に従って打抜き用面板を加工する際の他の一部の工程を概略的に示す斜視図であり、図3(B)は、図3(A)に示した工程を実施する他の手法を概略的に示す側面図である。
【図4】本発明の打抜き用面板の加工装置、または本発明の打抜き用面板の加工方法で使用することができるカッターの一例を示す側面図である。
【図5】紙器用原紙から刷本を打ち抜く際に使用される抜き型と面板それぞれの一例を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A…面板材料
5…基材
7…定盤
10…リュータ
11A…ストレート刃
11C…側面視上の形状が台形の刃
15、15B、15C…カッター
15A…片刃のカッター
20…加工ヘッド
30…第1移動機構
40…第2移動機構
60…抜き型
70…面板(打抜き用面板)
72…罫線溝
74…傾斜領域
90…罫線
100…刷本
Claims (9)
- 紙器用原紙から打ち抜くべき刷本の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線を形成するための罫線溝を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板の加工方法であって、
基材の一表面に、前記打抜き用面板の基となる面板材料を固着させる第1工程と、
前記面板材料において前記罫線溝を形成しようとする領域にカッターにより切り込みを入れて、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を形成する第2工程と、
前記罫線溝を形成すべき領域内の面板材料をリュータで除去する第3工程と、
前記面板材料のうちで前記抜き型による抜き刃接触線よりも平面視上内側に位置する領域の縁部に、上り勾配の傾斜領域を形成する第4工程と、
を含むことを特徴とする打抜き用面板の加工方法。 - 前記第2工程で、前記カッターとして片刃のカッターを用いる請求項1に記載の打抜き用面板の加工方法。
- 前記第2工程で、形成しようとする1つの罫線溝につき前記カッターを2枚使用し、前記罫線溝の幅方向両側の側壁を同時に形成する請求項1または請求項2に記載の打抜き用面板の加工方法。
- 前記第3工程で、前記リュータとしてストレート刃を備えたエンドミルを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の打抜き用面板の加工方法。
- 前記第4工程で、側面視上の形状が台形の刃を備えたエンドミルを用いて前記傾斜領域を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の打抜き用面板の加工方法。
- 前記第4工程で、カッターを用いて前記傾斜領域を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の打抜き用面板の加工方法。
- 紙器用原紙から打ち抜くべき刷本の平面形状に対応した平面形状を有する共に、前記刷本に罫線を形成するための罫線溝を有し、前記紙器用原紙から前記刷本を打ち抜く際に抜き型と共に一対の成形型を構成する打抜き用面板の加工装置であって、
前記打抜き用面板の基となる面板材料が一表面に固着された基材を固定することができる定盤と、
前記面板材料よりも上方に配置されるリュータと、
前記面板材料よりも上方に配置され、先端にカッターを取り付けることができる加工ヘッドと、
前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記面板材料上方の平面内において第1の方向に往復運動させることができる第1移動機構と、
前記リュータおよび前記加工ヘッドを、それぞれ、前記平面内において前記第1の方向と直交する第2の方向に往復運動させることができる第2移動機構と、
を有することを特徴とする打抜き用面板の加工装置。 - 前記加工ヘッドが、2枚のカッターを互いに平行に保持することができる請求項7に記載の打抜き用面板の加工装置。
- 前記加工ヘッドが、前記第1の方向に延在する回転軸および前記第2の方向に延在する回転軸の少なくとも一方を有し、該回転軸の周りに転回可能である請求項7または請求項8に記載の打抜き用面板の加工装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002309202A JP2004142011A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 打抜き用面板の加工方法および加工装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002309202A JP2004142011A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 打抜き用面板の加工方法および加工装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004142011A true JP2004142011A (ja) | 2004-05-20 |
Family
ID=32455094
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002309202A Pending JP2004142011A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 打抜き用面板の加工方法および加工装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004142011A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007283521A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Meiwa Nukigata Kk | 合成樹脂シート製包装容器における折り込み罫線の形成型版 |
| JP2015131352A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-23 | 出光工業株式会社 | 切断装置及び絶縁スペーサの生産方法 |
-
2002
- 2002-10-24 JP JP2002309202A patent/JP2004142011A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007283521A (ja) * | 2006-04-13 | 2007-11-01 | Meiwa Nukigata Kk | 合成樹脂シート製包装容器における折り込み罫線の形成型版 |
| JP2015131352A (ja) * | 2014-01-09 | 2015-07-23 | 出光工業株式会社 | 切断装置及び絶縁スペーサの生産方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US9522477B2 (en) | Corrugated paperboard box making machine | |
| US11396155B2 (en) | 3D printed paperboard creasing/cutting rule | |
| JPH09323368A (ja) | シート状素材の打抜/折り目付け方法及びシート状部材の打抜/折り目付け工具 | |
| JPH08238690A (ja) | スロットと折り目を有する箱素材を形成する方法と装置 | |
| WO2011052150A1 (ja) | 紙綴じ具 | |
| US6715749B2 (en) | Booklet maker and method of manufacturing a booklet maker | |
| JP2011031515A (ja) | 罫入れ装置および罫入れ装置におけるカウンタプレート | |
| JP2004142011A (ja) | 打抜き用面板の加工方法および加工装置 | |
| JP5137145B2 (ja) | 形抜き型及び打ち抜き刃の刃先高さ調整方法 | |
| JP3231938U (ja) | 切断用アタッチメント | |
| JP3750374B2 (ja) | 打抜き型 | |
| JP2004142019A (ja) | カッターによる切断方法および切断装置 | |
| JP3636953B2 (ja) | 押罫部材、罫入れ用型板、罫入れ装置および段ボールシート | |
| JP2004148382A (ja) | 打抜き用面板の加工装置 | |
| JPH10705A (ja) | 打抜/折り目付け工具 | |
| US7197971B2 (en) | Device for trimming sheet material | |
| JP2003165166A (ja) | 面取加工機 | |
| JP3849568B2 (ja) | ロータリーカム式プレス装置 | |
| CN101296785A (zh) | 一种用具有槽的阴式裁切板平板模切包装半成品的方法 | |
| JP5957824B2 (ja) | 加工システム | |
| JP3185222U (ja) | 切込刃加工型および切込刃加工機 | |
| JP2004017232A (ja) | 断裁機 | |
| JP2003094391A (ja) | 形抜き型の罫線刃及びその製造方法 | |
| KR20060132863A (ko) | 스테이플러 | |
| JP3359369B2 (ja) | ロータリーダイカッタ用刃物の製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051019 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070921 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071002 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080701 |