JP2004143720A - 気密扉装置 - Google Patents

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Toshiro Matsuura
松浦 敏郎
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Abstract

【課題】気密室の気密性を確実に保持できると共に、開閉動作を安定して行うことができ、更には、スライド式の扉に適用された場合であっても、中空パッキンが損傷されない気密扉装置を提供することを目的とする。
【解決手段】気密扉装置20は、搬出入口18の外周に沿って延びる扉受枠22と、搬出入口18を開閉可能に覆う扉24を具備し、扉受枠22の外周に沿って設けられたパッキン収納部32に中空パッキン34が収納されている。中空パッキン34は、くん蒸室12を気密状態にする気密扉装置20の作動時に、内部に圧力流体としての圧縮空気の供給を受けて膨出し、略O字形の断面形状(作動時形状)となって扉24に密着する一方、くん蒸室12を気密状態から解除する気密扉装置20の休止時に、内部の圧縮空気の排出を受けて退縮し、扉24に向けて開口した略コ字形の断面形状(休止時形状)となって扉24から離間する。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密室の気密状態を確保するための気密扉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば穀物、野菜、果物、葉煙草などの農産物をくん蒸室にてくん蒸処理する際には、ガス状の殺虫剤を使用するため、くん蒸室の搬出入口は厳重に密閉され、くん蒸室内を気密状態に保持する必要がある。従来は、くん蒸室内に農産物を搬入した後、搬出入口の扉をカバー部材で覆う一方、ガムテープ等で目張りすることにより、くん蒸室内を気密状態にする方法が採られていた。
【0003】
しかし、くん蒸処理の度毎に、カバー部材の取り付けや目張り等を行い、また、それらの取り外し等を行わなければならないため、極めて煩雑で時間を要する作業となり、作業性を悪化させ、コストの上昇を招くという問題があった。
このため、くん蒸室の搬出入口に周設された扉受枠と搬出入口を覆う扉との間にパッキンを介在させ、例えば油圧シリンダ等の押圧装置を用いて扉を扉受枠に押圧することにより、気密性を保持することが考えられている。
【0004】
しかし、この場合、扉全体をむらなく扉受枠に押圧するためには、複数の押圧装置を配設することが必要となり、扉の開閉毎にそれら複数の押圧装置を操作しなければならない。その結果、コストの上昇や扉の開閉作業の煩雑化を招くという問題が生じる。
こうした問題を解決するものとして、大型冷蔵庫を適用対象とするものではあるが、中空パッキンを用いた扉のシール構造が提案されている(特開昭54−102657号公報を参照)。
【0005】
この大型冷蔵庫における扉のシール構造では、扉本体の裏面及び扉受枠の何れか一方に冷蔵庫の前面開口部を囲繞する状態に中空パッキンを張設している。そして、閉扉の際には、圧力流体を中空パッキン内に圧入して、中空パッキンを扉本体及び扉受枠の他方の被シール面に向けて膨張させ、この膨張した中空パッキンにより扉本体と扉受枠との間をシールする。また、開扉の際には、中空パッキン内の圧力流体を幾分抜く等してその膨張を少しにし、扉本体を開く。
【0006】
【特許文献1】
特開昭54−102657号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の提案に係る扉のシール構造をくん蒸室に適用する場合、幾つかの問題点が生じた。
即ち、中空パッキン内の圧力流体を幾分加圧し、中空パッキンを少し膨張させただけでは、中空パッキンが前記被シール面に均一に接触するとは限らず、くん蒸室に要求される気密性を十分に発揮することができない。
一方、膨張状態から中空パッキン内の圧力流体を幾分抜いても、中空パッキンは、その弾力性の劣化により、膨張状態に維持されてしまい易い。この場合、中空パッキンは、被シール面に固着し易く、扉本体の開閉が困難になるおそれがある。
【0008】
更に、扉本体がスライド式の扉である場合、その開閉の度毎に中空パッキンが被シール面に摺接してしまう。このような摺接は、中空パッキンの損傷を招き易く、くん蒸室の気密状態を保持できなくなるという問題が生じた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、気密室の気密性を確実に保持できると共に、開閉動作を安定して行うことができ、更には、スライド式の扉に適用された場合であっても、中空パッキンが損傷されない気密扉装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、気密室の出入口に設けられ、前記出入口の外周に沿って延びる扉受枠と、前記出入口を開閉可能に覆う扉と、前記扉受枠及び前記扉の一方に配置され、前記扉が前記搬出入口を覆う閉扉位置にあるとき、前記扉と前記扉受枠との間に介在して、前記出入口を気密にシールする弾性変形可能な中空パッキンと、前記中空パッキンに対して圧力流体の給排を制御する給排制御手段とを具備し、前記中空パッキンは、前記扉が前記閉扉位置にあるときに、前記給排制御手段により圧力流体の供給を受けて膨出し、前記扉受枠及び前記扉の他方に密着する作動時形状と、前記作動時形状から前記給排制御手段により内部の圧力流体の排出を受けて退縮し、前記扉受枠及び前記扉の他方から離間する休止時形状とを有することを特徴とする気密扉装置が提供される。
【0010】
この場合、閉扉位置にある扉と扉受枠との間に介在する中空パッキンは、圧力流体の供給を受けて弾性変形により膨出し、扉と扉受枠とを密着させる作動時形状となるため、たとえ扉と扉受枠と間隔が場所によって多少ばらついていても、中空パッキンを介する扉と扉受枠との密着の強さが全体に亘って均一になり、出入口、即、気密室の完全な気密状態が実現される。また、中空パッキン内に供給される圧力流体の圧力を制御することにより、中空パッキンの膨出の程度、即ち密着の強さの程度が調整される。更に、中空パッキンは、内部の圧力流体の排出を受けて退縮し、扉受枠又は扉から離間する休止時形状となるため、中空パッキンが扉受枠又は扉に固着することはない。
【0011】
ここで、前記中空パッキンの前記休止時形状は、前記扉受枠及び前記扉の他方に向けて開口した断面コ字形をなしていることが好適である。また、前記扉は、スライド式の扉であることが好適である。この場合、扉が開扉位置と閉扉位置との間を移動する際に、中空パッキンが扉受枠又は扉に摺接して擦れることはなく、損傷が防止される。
【0012】
また、気密扉装置は、前記気密室の室外の床面に設けられ、前記扉の下部を受け入れた状態で、前記扉の開閉を許容する溝と、前記扉受枠に回動可能に設けられ、前記扉の開閉時に前記出入口に対応した前記溝の部位を覆う溝カバーとを更に含むことができる。また、前記扉受枠は、前記気密室の床面と面一の敷居を有することができる。こうした場合、例えば運搬車両を用い出入口を通って気密室内に物品を出し入れする際に、運搬車両のスムーズな走行が実現される。
【0013】
また、気密扉装置は、前記扉が前記閉扉位置にあるとき、前記扉受枠から離間する方向への前記扉の変位を阻止するロック手段を更に含むことができる。この場合、中空パッキンが膨出して扉を押圧する際に、扉受枠から離間する方向への扉の変位がロック手段によって阻止されるため、中空パッキンを介した扉と扉受枠との密着状態が安定して保持される。
【0014】
また、前記給排制御手段は、圧縮空気を吐出可能な空圧源と、前記空圧源から吐出された圧縮空気を前記中空パッキン内に供給するための開閉可能な供給管と、前記中空パッキン内から圧縮空気を排出するための開閉可能な排出管と、前記排出管に接続され、前記空圧源からの圧縮空気の供給を受けて前記排出管内に負圧を発生させ、前記排出管を通じて前記中空パッキン内を排気させるエジェクタとを含むことができる。
【0015】
この場合、中空パッキン内への圧縮空気の供給と中空パッキン内の排気とが共に強制的に行われるため、中空パッキンの作動時形状と休止時形状とが容易に実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
図1に示されるように、くん蒸建屋10は、例えば葉たばこを含む農産物等をくん蒸処理する気密室としてのくん蒸室12と、くん蒸室12に隣接する浄化処理室14を有している。浄化処理室14内には、循環式の浄化装置16が設置されている。この浄化装置16は、くん蒸処理後のくん蒸室12内の殺虫ガスを吸引して浄化処理を行い、浄化されたガスを再びくん蒸室12内に放出する。また、くん蒸室12には、農産物等を搬入又は搬出するための搬出入口18と、搬出入口18を密閉してくん蒸処理室12内を気密状態にするための気密扉装置20が設けられている。
【0017】
図2〜図4に示されるように、気密扉装置20は、搬出入口18の外周に沿って延びる扉受枠22と、搬出入口18を開閉可能に覆う扉24を具備している。この扉24は、その上端部にブランケットを介して複数の車輪26を有し、これら車輪26は、くん蒸室12の外壁28に取り付けられた溝型のレール30に沿って転動する。即ち、扉24は、車輪26を介してレール30に吊り下げられた状態で水平方向に移動するスライド式の扉となっている。一方、扉受枠22には、その外周に沿って、扉24の方に向けて開口した断面コ字形をなすパッキン収納部32が設けられ、このパッキン収納部32の凹部に、弾性変形可能なゴム等からなる中空パッキン34が収納されている。
【0018】
この中空パッキン34は、くん蒸室12を気密状態にする気密扉装置20の作動時に、図5に示されるように、その内部に圧力流体としての圧縮空気の供給を受けて膨出し、略O字形の断面形状(作動時形状)となって扉24に密着する。また、中空パッキン34は、くん蒸室12を気密状態から解除する気密扉装置20の休止時に、図6に示されるように、その内部の圧縮空気の排出を受けて退縮し、扉24に向けて開口した略コ字形の断面形状(休止時形状)となって扉24から離間する。
【0019】
扉受枠22の下部は、くん蒸室12の搬出入口18の床面に埋め込まれた敷居として形成され、この敷居は、搬出入口18を挟むくん蒸室12の室内外の床面36,38と面一をなしている。また、くん蒸室12の室外の床面38には、扉24の下部を受け入れた状態で扉24の開閉を許容する溝40が設けられている。従って、この溝40内には、扉受枠22の下部に設けられたパッキン収納部32及び中空パッキン34も収納されている。更に、扉24が開扉位置にあるときに搬出入口18に対応した溝40の部位を覆う溝カバー42が、扉受枠22の敷居にヒンジ等を用いて回動可能に設けられている。
【0020】
図2及び図3に示されるように、扉24の表面側には、ロック手段44が2個設けられ、扉24の左右には、ロック手段46がそれぞれ設けられている。一方のロック手段44は、扉24が閉扉位置にあるとき、扉受枠22から離間する方向への扉24の変位を阻止するものである。具体的には、中央部のハンドルから上下方向にそれぞれ延びるロッドを有し、ハンドルの回転によりリンクを介してロッドが上又は下方向に変位し、上側ロッドの上端及び下側ロッドの下端が外壁28上及び溝40内にそれぞれ取り付けられた固定部材に嵌脱する構造となっている。このため、ロック手段44により扉24をロックする際には、ハンドルを所定方向に回転させて上下のロッドを上下動させて固定部材に嵌合させることにより、扉24が扉受枠22から一定間隔以上に離間しないようにすることができる。
【0021】
他方のロック手段46は、閉扉位置から開扉位置への扉24の移動を阻止するものである。具体的には、各ロック手段46がフック(図示せず)を有し、このフックが基端が外壁28上に回動自在に取り付けられている。このため、ロック手段46により扉24をロックする際には、フックを扉24の側面に設けたピン(図示せず)に引っ掛けることにより、扉24をその閉扉位置に保持することができる。
【0022】
中空パッキン34に対して圧縮空気の給排を制御する給排制御手段48は、例えば図7に示されるような空圧回路により構成される。即ち、給排制御手段48は、圧縮空気を吐出可能な空圧源50と、この空圧源50から吐出された圧縮空気を中空パッキン34内に供給するための供給管52を備えている。この供給管52の途中には、空圧源50からの圧縮空気の圧力を調整する圧力レギュレータ54及び開閉弁56が設けられている。尚、空圧源50としては、例えばコンプレッサ、ポンプ、ガスボンベ等を使用することが可能である。
【0023】
また、供給管52には、中空パッキン34内の圧縮空気を排出するための排出管58が延び、この排出管58の先端には、エジェクタ60が接続されている。排出管58の途中には、開閉弁62が設けられている。また、エジェクタ60からは、供給管68が延び、この供給管68の先端は、圧力レギュレータ54と空圧源50との間の部位に接続されている。供給管68には、空圧源50側から圧力レギュレータ64及び開閉弁66が順次設けられている。
【0024】
次に、くん蒸室12におけるくん蒸処理及びそれに伴う気密扉装置20の動作について説明する。
先ず、例えばフォークリフト等の運搬車両を用いて、搬出入口18からくん蒸室12内に農産物等を搬入する。このとき、気密扉装置20の扉24は開扉位置にあり、搬出入口18は開放された状態になっている。また、扉受枠22の溝カバー42は、搬出入口18に対応した溝40の所定の部位を覆っている。このため、運搬車両は搬出入口18をスムーズに走行する。
【0025】
次いで、くん蒸室12内にくん蒸剤を配置した後、気密扉装置20を作動させてくん蒸室12内を気密状態にする。具体的には、扉24の車輪26をレール30に沿って転動させ、扉24を開扉位置から閉扉位置に移動する。このとき、扉受枠22のパッキン収納部32に収納されている中空パッキン34は、図6に示されるような休止時形状となり、扉24から離間している。このため、扉24の移動の際に、中空パッキン34が扉24と摺接して擦れることはない。
【0026】
次いで、扉24が閉扉位置に位置付けされ、搬出入口18を覆った後、ロック手段44,46を用いて扉24をロックする。
次いで、給排制御手段48を用い、中空パッキン34に圧縮空気を供給する。具体的には、図7の空圧回路における開閉弁62,66を閉じ、開閉弁56を開けた状態で、空圧源50から吐出された圧縮空気を中空パッキン34内に供給する。このとき、圧縮空気の圧力は、圧力レギュレータ54によって調整する。このため、中空パッキン34は膨出し、図5に示されるような作動時形状となって扉24を押圧する。
【0027】
このとき、扉24はロック手段44によってロックされ、扉受枠22から離間する方向への扉24の変位が阻止されているため、膨出した中空パッキン34は扉24に密着する。こうして、扉24と扉受枠22とは中空パッキン34を介して完全に密閉状態にシールされ、くん蒸室12内は気密状態となる。
次いで、気密状態に保持されたくん蒸室12内にて、くん蒸剤から所定の時間を置いて発生した殺虫ガスが病菌や害虫等を殺して農産物等を消毒するくん蒸処理を行う。このくん蒸処理が終了すると、浄化処理室14内に設置された浄化装置16により、くん蒸室12内の殺虫ガスを吸引して浄化処理を行い、浄化されたガスを再びくん蒸室12内に放出する。こうして、くん蒸室12内の殺虫ガスは完全に浄化処理される。
【0028】
次いで、気密扉装置20を休止させ、くん蒸室12内の気密状態を解除する。具体的には、先ず、給排制御手段48の開閉弁56を閉じ、開閉弁62,66を開け、空圧源50からの圧縮空気の圧力を圧力レギュレータ64によって調整した後、所定の圧力に加圧された圧縮空気をエジェクタ60に供給する。エジェクタ60に供給された圧縮空気は、ベンチュリ管(図示せず)を通じて排出され、その際、エジェクタ60は、排出管58内に負圧を発生させる。このため、排出管58を通じて中空パッキン34内の空気が吸引され、圧縮空気と共にエジェクタ60から排出される。その結果、中空パッキン34は退縮して、図6に示されるような休止時形状となり、扉24から離間する。従って、中空パッキン34が扉24に固着することはない。
【0029】
続いて、ロック手段44,46による扉24のロック状態を解除した後、扉24を閉扉位置から開扉位置に移動する。このときも、中空パッキン34は、図6に示されるような休止時形状となって扉24から離間しているため、扉24の移動の際に、中空パッキン34が扉24に摺接して擦れることはない。
次いで、扉24が開扉位置に到達し、搬出入口18が開放された後、運搬車両を用いて、くん蒸処理を施した農産物等をくん蒸室12内から搬出入口18を通って外部に搬出する。
【0030】
以上のように本実施形態によれば、中空パッキン34は、気密扉装置20の作動時に、その内部に圧縮空気の供給を受けて弾性変形により膨出し、略O字形の断面形状(作動時形状)となって扉24に押圧する。同時に、扉24はロック手段44によってロックされ、扉受枠22から離間する方向への扉24の変位が阻止される。このため、中空パッキン34は扉24に密着し、扉24と扉受枠22とは中空パッキン34を介して完全に密閉状態にシールされ、くん蒸室12内を気密状態とすることができる。
【0031】
しかも、中空パッキン34は、単なる膨張ではなく、その外形形状が一変する膨出形状となるため、たとえ扉24と扉受枠22と間隔が場所によって多少ばらついていても、中空パッキン34を介する扉24と扉受枠22との密着の強さが全体に亘って均一になり、完全な気密状態を実現することができる。更に、中空パッキン34内に供給される圧縮空気の圧力を、給排制御手段48の圧力レギュレータ54によって制御することにより、中空パッキン34の膨出の程度、即ち密着の強さの程度を調整することができる。
【0032】
また、中空パッキン34は、気密扉装置20の休止時に、内部の空気の排出を受けて強制的に退縮し、扉24に向けて開口した略コ字形の断面形状(休止時形状)となって扉24から離間する。このため、扉24が開扉位置と閉扉位置との間を移動する際に、中空パッキン34が扉24と擦れることによる損傷を防止することができる。しかも、中空パッキン34内の空気の排出は、給排制御手段48の空気源50からの圧縮空気を使用するエジェクタ60によってなされることから、中空パッキン34内からの排気のために独立した負圧源を必要としない。
【0033】
また、扉受枠22の敷居がくん蒸室12の室内外の床面36,38と面一をなすと共に、搬出入口18の開放時には、くん蒸室12の室外の床面38に設けられた溝40の所定の部位が溝カバー42によって覆われる。このため、農産物等を搬出入する運搬車両はスムーズに搬出入口18を走行することができる。また、溝40内に収納されている中空パッキン34を運搬車両の走行から保護することもできる。
【0034】
尚、本実施形態に係る気密扉装置20については、種々の変形が可能である。例えば、図7に示される給排制御手段48の代わりに、図8に示される給排制御手段70を用いてもよい。
この給排制御手段70の空圧回路は、空圧源72と、この空圧源72からの圧縮空気を中空パッキン34内に供給するための供給管74とを備えている。そして、この供給管74の途中には、空気源72側から圧力レギュレータ76及び4ポート3位置の電磁方向切替え弁78が順次設けられている。一方、この電磁方向切替え弁78からは、排出管80及び供給管84がそれぞれ延び、これら排出管80及び供給管84はエジェクタ82に接続されている。
【0035】
このように構成される給排制御手段70も、図7に示される給排制御手段48と同様に機能する。即ち、電磁方向切替え弁78は、図示の休止位置から上側の作動位置に切換えられると、中空パッキン34に圧縮空気を供給できる。これに対し、下側の作動位置に切換えられると、中空パッキン34内を排気できる。この場合、圧力レギュレータ76は、中空パッキン34に対する圧縮空気の供給時又は排気時に応じて、圧縮空気の圧力を少なくとも2段階に調整することが可能なものを用いることが望ましい。
【0036】
また、中空パッキン34は、扉受枠22側に配置される代わりに、扉24側に配置されてもよい。この場合には、扉24の移動に対応できるように、中空パッキン34に接続されている供給管52(排出管58)の一部をフレキシブルにすることが必要である。
また、中空パッキン34内に供給される圧力流体としては、圧縮空気に限定されるものではなく、例えば窒素ガス等の他の気体を用いてもよいし、水や油等の液体を用いることも可能である。但し、液体を用いる場合には、液体に対応する給排制御手段を設ける必要がある。
【0037】
また、扉24は、スライド式の扉とする代わりに、例えば片開き式の扉とすることも可能である。この場合にも、上記の実施形態の場合と同様に溝40を設けることは可能であるが、溝40の占有面積が拡大し、溝カバー42も大掛かりなものになる。このため、片開き式の場合には、溝40を設ける代わりに、扉受枠22の敷居をくん蒸室12の室内外の床面36,38よりも少し高くすることが好適である。この場合には、溝がなくとも、片開き式の扉の開閉を容易に行うことが可能である。但し、このままでは、扉受枠22の敷居が運搬車両の走行の支障になるため、扉受枠22の敷居からその両側の床面36,38に延びるスロープを設けることが望ましい。
【0038】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、閉扉位置にある扉と扉受枠との間に介在する中空パッキンが圧力流体の供給を受けて膨出し、扉と扉受枠とを密着させる作動時形状となるため、出入口を密閉して気密室を気密状態にすることができる。
【0039】
また、中空パッキンが内部の圧力流体の排出を受けて退縮し、扉受枠又は扉から離間する休止時形状となるため、扉が開扉位置と閉扉位置との間を移動する際に、中空パッキンが扉受枠又は扉に擦れることによる損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るくん蒸建屋を示す概略横断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る気密扉装置を示す縦断面図である。
【図3】図2の気密扉装置の正面図である。
【図4】図2の気密扉装置の一部拡大図である。
【図5】図4の気密扉装置の中空パッキンが作動時形状となる状態を示す概略断面図である。
【図6】図4の気密扉装置の中空パッキンが休止時形状となる状態を示す概略断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る気密扉装置の給排制御手段を示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る気密扉装置の給排制御手段の変形例を示す概略図である。
【符号の説明】
10   くん蒸建屋
12   くん蒸室
14   浄化処理室
16   浄化装置
18   搬出入口
20   気密扉装置
22   扉受枠
24   扉
26   車輪
28   くん蒸室の外壁
30   レール
32   パッキン収納部
34   中空パッキン
36   くん蒸室の室内の床面
38   くん蒸室の室外の床面
40   溝
42   溝カバー
44,46   ロック手段
48,70   給排制御手段
50,72   空圧源
52,68,74,84   供給管
54,64,76   圧力レギュレータ
56,62,66   開閉弁
58,80   排出管
60,82   エジェクタ
78   4ポート3位置の電磁方向切替え弁

Claims (7)

  1. 気密室の出入口に設けられ、前記出入口の外周に沿って延びる扉受枠と、
    前記出入口を開閉可能に覆う扉と、
    前記扉受枠及び前記扉の一方に配置され、前記扉が前記搬出入口を覆う閉扉位置にあるとき、前記扉と前記扉受枠との間に介在して、前記出入口を気密にシールする弾性変形可能な中空パッキンと、
    前記中空パッキンに対して圧力流体の給排を制御する給排制御手段と
    を具備し、
    前記中空パッキンは、
    前記扉が前記閉扉位置にあるときに、前記給排制御手段により圧力流体の供給を受けて膨出し、前記扉受枠及び前記扉の他方に密着する作動時形状と、
    前記作動時形状から前記給排制御手段により内部の圧力流体の排出を受けて退縮し、前記扉受枠及び前記扉の他方から離間する休止時形状と
    を有することを特徴とする気密扉装置。
  2. 前記中空パッキンの前記休止時形状は、前記扉受枠及び前記扉の他方に向けて開口した断面コ字形をなしている
    ことを特徴とする請求項1に記載の気密扉装置。
  3. 前記扉は、スライド式の扉である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の気密扉装置。
  4. 前記気密室の室外の床面に設けられ、前記扉の下部を受け入れた状態で、前記扉の開閉を許容する溝と、
    前記扉受枠に回動可能に設けられ、前記扉が開扉位置にあるときに前記出入口に対応した前記溝の部位を覆う溝カバーとを更に含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の気密扉装置。
  5. 前記扉受枠は、前記気密室の床面と面一の敷居を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の気密扉装置。
  6. 前記扉が前記閉扉位置にあるとき、前記扉受枠から離間する方向への前記扉の変位を阻止するロック手段を更に含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の気密扉装置。
  7. 前記給排制御手段は、
    圧縮空気を吐出可能な空圧源と、
    前記空圧源から吐出された圧縮空気を前記中空パッキン内に供給するための開閉可能な供給管と、
    前記中空パッキン内から圧縮空気を排出するための開閉可能な排出管と、
    前記排出管に接続され、前記空圧源からの圧縮空気の供給を受けて前記排出管内に負圧を発生させ、前記排出管を通じて前記中空パッキン内を排気させるエジェクタと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の気密扉装置。
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