JP2004144976A - カラーフィルター用着色ペーストおよびカラーフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】カラーフィルター中のイオン性不純物を低減して、液晶ディスプレイの表示不良を抑制・防止すること。
【解決手段】カラーフィルター中の着色ペーストに含まれるバインダー樹脂となるポリマーが3級アミン触媒を使用して製造されているものであり、かつ、該着色ペーストは水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であること。
【選択図】なし
【解決手段】カラーフィルター中の着色ペーストに含まれるバインダー樹脂となるポリマーが3級アミン触媒を使用して製造されているものであり、かつ、該着色ペーストは水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であること。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルター用着色ペーストおよびカラーフィルター用着色ペーストの製造方法ならびにカラーフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子をカラー化するために透明基板上に赤、緑、青の3色の画素をライン状やモザイク状に配置したカラーフィルターが用いられている。また、各画素間に、表示コントラストを高めるために一定の幅をもつ遮光領域(ブラックマトリクス)が設けられている場合や、着色層を保護し、カラーフィルター表面の平坦性向上やカラーフィルターから液晶への汚染を防止するためにオーバーコート層が設けられている場合も多い。例えば、現在広く普及しているTFT(薄膜トランジスター)カラー液晶表示素子は、カラーフィルターが形成された透明ガラス基板とTFTが形成された透明ガラス基板の間に液晶を封入したパネルと、バックライトと称される光源から構成される。バックライトから発する光が液晶パネルを通過する際、その透過率を液晶への印加電圧により制御することによって、画像が表示される。このようなカラーフィルター用の着色ペーストとしては、バインダー樹脂として感光性アクリル樹脂がカラーフィルター製造が工程が短く簡易な点で好ましく用いられている。生産性向上のためにはタクトが速い方が好ましく、着色ペーストの感度を向上させる検討が行われている。その一つとして、バインダー樹脂に光反応性基として二重結合を導入する方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。また、これらの文献には、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系重合体に二重結合を持つエポキシ化合物を反応させることが開示されている。
【0003】
しかしながら、二重結合性基を導入する場合、触媒として4級アミンを用いるために、それらが着色ペースト中にイオン性不純物として多く混入し、液晶へ溶出して表示不良問題を起こすことがあった。このような表示不良問題を解決するために、水で抽出したときの臭素イオン濃度が50ppm以下である顔料を採用したことを特徴とするカラーフィルター用カラーペーストについて記載されている(例えば、特許文献5参照。)。しかし、感光アクリルペーストのバインダー樹脂製造時に使用される触媒については考慮されていないのが実状であり、入手容易な4級アミンを選択することが多かった。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−19467号公報(第2〜3頁)
【0005】
【特許文献2】
特開平8−211607号公報(第3〜4頁)
【0006】
【特許文献3】
特開平8−259624号公報(第3〜9頁)
【0007】
【特許文献4】
特開2001−337450号公報(第3〜6頁)
【0008】
【特許文献5】
特開平11−194213号公報(第3〜7頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、感光性能を上げながらも表示良好なカラーフィルター用着色ペーストを提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明は次のような構成をとる。
【0011】
すなわち、
(1) 少なくとも色材と、側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーとを含有するカラーフィルター用着色ペーストであって、該ペーストを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であり、かつ、該アクリルポリマーが該不飽和基を側鎖に導入する際に3級アミン触媒を使用して製造してなるものであることを特徴とするカラーフィルター用着色ペースト。
(2) アクリルポリマーを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であることを特徴とする(1)に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(3) 不飽和基を持つ側鎖を主鎖へ導入する方法が、主鎖のカルボキシル基にエポキシ化合物を付加反応させることによりなされることを特徴とする(1)または(2)に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(4) エポキシ化合物としてグリシジルメタクリレートを用いたことを特徴とする(3)記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(5) 3級アミン触媒がジメチルベンジルアミンであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(6) アクリルポリマーが少なくともスチレン、メチルメタクリレートを共重合成分として含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(7) 任意の色数で各色別に所望のパターン状に設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィルターにおいて、該着色層が(1)〜(6)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペーストを使用したことを特徴とするカラーフィルター。
(8) オーバーコート層を設けないことを特徴とする(7)記載のカラーフィルター。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルター用着色ペーストは、主としてバインダー樹脂、色材、光重合開始剤、重合性モノマーを溶媒に溶解、あるいは分散させたものからなる。
【0013】
本発明に用いられるバインダー樹脂は側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーであって、不飽和基を導入する際に3級アミンを触媒として使用することを特徴としている。3級アミンを使用することで、不純物のハロゲンイオン濃度を低減でき、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であるカラーフィルター用着色ペーストとすることで、表示性能の良好な液晶表示素子用のカラーフィルターを作製することができる。
【0014】
ハロゲン化合物は、液晶への溶解力が強く、液晶中でイオン化して、液晶表示素子の表示性能に悪影響を与えやすい。特に分子量数十から千程度のイオン性のハロゲン化合物は液晶への溶解力が強く、また、分子量が大きいためにイオン化した後の拡散が遅いため表示ムラが顕在化しやすい。
【0015】
本発明におけるカラーフィルター用着色ペーストは、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超える場合は、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。本発明では着色ペースト中のハロゲン含有量が対象ではなく、溶解しイオン化するハロゲンを対象としている。
【0016】
本発明の着色ペーストに用いるバインダー樹脂としては、側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーであり、不飽和カルボン酸の重合体や不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を主鎖とし、これにエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を付加させたものを挙げることができる。具体的には、主鎖に用いる不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、などがあげられ、共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。主鎖に対して付加することのできる不飽和基を有するエポキシ化合物としては、特に限定されるわけではないが、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートや特開2002−12607号公報記載のエポキシ化合物などがあげられる。これらエポキシ化合物は着色ペースト中のハロゲンイオン濃度を低減させるために高純度品を用いることがより好ましい。
【0017】
これらの不飽和基を有するエポキシ化合物の付加量は、アクリル共重合体のカルボキシル基に対して0.05〜0.8当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6当量である。エポキシ化合物の付加量が0.05当量未満では現像許容幅が狭いうえ、パターンエッジの切れが悪くなりやすく、またこの付加量が0.8当量より大きい場合は、未露光部の現像液溶解性が低下したり塗膜硬度が低くなりやすく、実用性のあるカラーフィルターが得られにくい。
【0018】
主鎖に対して不飽和基を有するエポキシ化合物を付加する際に使用する触媒としては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジメチルアミノピリジンなどの3級アミンを単独、または組み合わせて用いることができ、これらの中でも特にジメチルベンジルアミンを用いることが付加反応の容易さの点から、特に好ましい。
【0019】
これらの触媒は3級アミンのみで好ましく用いられるが、4級アンモニウム塩と混合しても良く、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩を、3級アミンと4級アンモニウム塩の重量比が好ましくは50対50〜100対0、より好ましくは80対20〜100対0、さらに好ましくは95対5〜100対0で用いられる。触媒中の4級アンモニウム塩の割合が50重量%を超えると着色ペースト中にイオン性不純物として多く混入し、カラーフィルターから液晶へ溶出して表示不良問題を起こす恐れがあるため、好ましくない。
【0020】
また、3級アミンとの組み合わせで4級アンモニウム塩以外の他の触媒を使用することもでき、例えばテトラメチル尿素、テトラメチルグアニジン、ピリジン、トリフェニルフォスフィンなどを3級アミンとその他の触媒の重量比が好ましくは50対50〜100対0、より好ましくは80対20〜100対0で用いられる。
【0021】
これらの触媒はエポキシ基含有不飽和化合物に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%用いるのが好ましい。0.01重量%より少ない場合は触媒効果が低く、5重量%を越えても効果はほとんど変わらず、逆にポリマー中に残存する触媒が増加するので好ましくない。
【0022】
また、これら触媒とともに必要に応じてp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、カテコール、ナフチルアミン等の重合禁止剤を用いることができ、有機溶剤中反応温度を50〜150℃で数〜数十時間反応させることにより主鎖のカルボキシル基にエポキシ基を反応させ、不飽和基を有する基を導入することができる。
【0023】
かかる方法により製造されたバインダー樹脂は、さらにイオン交換法や再沈殿により精製することもできる。イオン交換法は、1〜3級アミノ基および/または4級アンモニウム塩の陰イオン交換基をもつ陰イオン交換樹脂、陰イオン交換膜、陰イオン交換繊維や無機の陰イオン交換体、例えば、含水酸化ビスマス、水酸化燐酸鉛などを用いることにより、バインダー樹脂中のハロゲンイオンを吸着またはイオン交換し、その量を低減することができる。陰イオン交換樹脂によるイオン交換法の例を示すと、バインダー樹脂に対して通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の粒状の陰イオン交換樹脂をバインダー樹脂溶液に混合し、通常数時間〜数十時間撹拌することでハロゲンイオンを吸着またはイオン交換し、その量を低減する方法や、粒状の陰イオン交換樹脂をカラムに充填し、そのカラムにバインダー樹脂溶液を流す方法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、上記のような陰イオン交換樹脂、膜、繊維、体などと同時に、もしくは別工程で、スルホン酸やカルボン酸などの陽イオン交換基を持つ陽イオン交換樹脂、陽イオン交換膜、陽イオン交換繊維や無機の陽イオン交換体でイオン交換することも好ましく行われ、これによりハロゲンイオンの対イオンとなっている不純物をさらに低減することができる。
【0024】
再沈殿の方法としては、かかるバインダー樹脂溶液を水、または種々の有機溶媒と混合することで沈殿させて粉末品とすることができる。具体的には、特に限定されるわけではないが、バインダー樹脂溶液に対してを通常1〜100重量倍の純水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはこれらの2種以上の混合溶液を撹拌しながらバインダー樹脂溶液をゆっくり滴下する方法や、反応終了後のバインダー樹脂溶液に直接、水または/および有機溶媒を加える方法によりバインダー樹脂成分を沈殿することができ、この時、不純物のハロゲンイオンを溶媒中に溶出させ、その量を低減することもできる。これらは濾過、乾燥工程を経て粉末品とすることができ、必要に応じて再び溶媒に溶解させ再沈殿する工程を数回繰り返すこともできる。
【0025】
該バインダー樹脂は、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超えるバインダー樹脂を用いると、着色ペースト中のハロゲンイオン濃度が大きくなり、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。
【0026】
本発明におけるバインダー樹脂の平均分子量Mw(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したもの)は、3千〜20万が好ましく、さらに好ましくは9千〜10万である。3千未満では十分な硬化膜強度が得られず、また、20万を超えると現像性が悪化するため、好ましくない。また、適度なアルカリ現像性を得るためには、酸価は50〜200(mgKOH/g)であることが好ましく、70〜150(mgKOH/g)がより好ましい。
【0027】
色材としては、従来の有機、無機顔料の他に染料などを単独または混合して用いることができる。顔料のうち、透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものは特に好ましい。代表的な顔料の具体的な例をカラ−インデックス(CI)ナンバ−で示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
【0028】
赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254などが使用される。
【0029】
オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などが使用される。
【0030】
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ−(以下PYと略す)12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185などが使用される。
【0031】
また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)19、23、29、30、32、37、40、50などが使用される。
【0032】
また、青色顔料の例としては、ピグメントブル−(以下PBと略す)15、15:3、15:4、15:6、22、60、64などが使用される。
【0033】
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリ−ン(以下PGと略す)7、10、36、などが使用され、また、黒色顔料の例としては、ピグメントブラック7、チタンブラックなどが使用される。
【0034】
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理がされていてもかまわず、分散剤として顔料誘導体を添加することもできる。
【0035】
上記顔料は、カラ−フィルタ−のR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)3色の画素が、CRT蛍光体の色度特性、バックライトやLCDの液晶特性に合うように、数色組み合わせて調色され使用される。
【0036】
R(レッド)の場合を例にあげると、PR−254と、PR−177の組合せ、PR−254と、PY−138の組合せ、PR−254と、PY−139の組合せ、PR−209と、PO−38の組合せ等で色度が調色されている。
【0037】
G(グリーン)の場合は、PG−7やPG−36と上記黄色顔料、例えば、PY−17、PY−83の組合せやPY−138の組合せ、PY−139の組合せ、PY−150の組合せ等で色度が調色されている。
【0038】
本発明における着色ペーストには、色材、上記アクリルポリマーの他に、光重合開始剤、重合性モノマー、溶剤、高分子分散剤、その他添加剤などを含有することができる。
【0039】
光重合開始剤としては、特に限定はなく、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤など公知のものが使用できる。例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがあげられる。また、芳香族、脂肪族の第3級アミンなどの増感助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ好ましい。また、これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
【0040】
光重合開始剤の添加量としては、特に限定はないが、着色剤組成物全固形分に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
【0041】
本発明で用いられる重合性モノマーとしては、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独または混合して用いることができる。また、次にあげるような単官能モノマーも併用することができ、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。
【0042】
これらの多官能及び単官能モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、レジストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。とくに感度を上げるためには、官能基が3以上、より好ましくは5以上ある化合物が望ましい。
【0043】
本発明の着色ペーストに用いる溶媒については、特に限定はなく、水および有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル―3―メトキシプロピオネート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテートなどの脂肪族エステル類、あるいは、エタノール、3―メチル―3―メトキシブタノールなどの脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類を用いることができ、これらの単独、あるいは2種類以上の混合溶媒も好ましく用いることができる。またこれら以外の溶剤との混合も好ましく用いられる。
【0044】
ただし、本発明の着色剤組成物をダイコーティング法により基板に塗布する場合には、膜厚の均一性、及び吐出スリット部に顔料凝集物が生じるのを防止する観点から、沸点が比較的高い溶剤を使用するのが好ましい。一方、沸点が高すぎると乾燥性が悪化するので、具体的には、特に限定されるわけではないが、158℃以上214℃以下の範囲に沸点を有する溶剤を用いるのが好ましい。例えば、メチルベンゾエート(200℃)、エチルベンゾエート(213℃)、シュウ酸ジエチル(185℃)、マロン酸ジエチル(199℃)、3−メトキシ−ブチルアセテート(173℃)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(188℃)、2−エチルブチルアセテート(162℃)、2−ブトキシエチルアセテート(192℃)、2−エチルヘキシルアセテート(199℃)、シクロヘキシルアセテート(174℃)、ベンジルアセテート(214℃)、アセト酢酸メチル(172℃)、アセト酢酸エチル(181℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(158℃)、イソペンチルプロピオネート(160℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(170℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(160℃)などを好ましく用いることができる。ここで()の温度は沸点を示す。
【0045】
特に樹脂成分、光重合開始剤に対する溶解能力、顔料の分散安定性等の観点から、上記の中で酢酸エステル系またはプロピオン酸エステル系の溶媒が好ましい。さらに安全、環境面から米国の1990年改正大気浄化法で指定された有害性大気汚染物質リストに記載の溶媒に該当しないことおよび1986年制定のスーパーファンド法修正および再授産法のタイトルIII313項のTOXIC CHEMICAL REPORTINGに該当しない溶媒で、かつ毒性が低いことがより好ましく、上記観点から、特に好ましい溶媒は、3−メトキシ−ブチルアセテート(引火点60℃)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(引火点73℃)、2−エチルブチルアセテート(引火点57℃)、2−エチルヘキシルアセテート(引火点88℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(引火点52℃)、イソペンチルプロピオネート(引火点63℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(引火点58℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(引火点56℃)で、さらに引火点60℃以上の溶媒がより安全に取り扱えるので好ましい。なかでも3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートは臭気が殆どしないことおよび入手が容易な点で最も好ましい。これらは単独あるいは他の溶剤と混合して用いることができる。
【0046】
高分子分散剤としては、通常、カラーフィルター用に使用されるものであれば、特に限定されず、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、などのポリマー、またはこれらの共重合体など、種々のものを単独、または混合して用いることができる。
【0047】
本発明の着色ペーストにおいて、樹脂成分(ポリマー、モノマーあるいはオリゴマーと高分子分散剤の合計)と、少なくとも顔料を含む着色剤とは、通常、樹脂成分が着色ペースト全体の固形分に対して20重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%の範囲で混合して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被膜の基板との接着性が不良となり、逆に樹脂成分が多すぎると着色剤成分が減ってしまうため着色度が問題となる。
【0048】
また、着色剤組成物の基板への密着性を向上させる目的で、本発明の着色剤組成物にシランカップリング剤を添加することも好ましく行われる。
【0049】
更に、着色剤組成物の塗布性および着色膜の表面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で、本発明の着色剤組成物に界面活性剤を添加することができる。かかる界面活性剤の添加量は、顔料に対して、好ましくは0.001〜10wt%、さらに好ましくは0.01〜1wt%であるのがよい。添加量が少なすぎると、塗布性、着色膜表面の均一性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こる。
【0050】
かかる界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤などが好ましく使用される。かかる界面活性剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。かかる界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の時点により、顔料の分散性が変わる場合があるので、注意を要する。
【0051】
本発明の着色ペーストを用いたカラーフィルターの製造方法の例を説明する。
【0052】
着色ペーストを基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を着色ペースト中に浸漬する方法、着色ペーストを基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることができる。特に限定されるわけではないが、これらの中で着色ペーストの省液性、及び大板塗布性が優れる点で、ダイコーター塗布が最も好ましい。また、かかる基板としては、通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム−ひ素などの半導体基板などが用いられるが、特にこれらに限定されない。なお、かかる基板上に着色ペーストを塗布する場合、シランカップリング剤などの接着助剤で基板表面を処理しておくと、着色膜と基板の接着力を向上させることができる。
【0053】
上記により、基板上に着色ペーストを塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより、溶媒を除去し、カラーレジストの塗膜を形成する。とくに減圧乾燥工程を設けた後、オーブンあるいはホットプレートで追加の加熱乾燥することにより、対流によって生じる塗布欠点が解消され収率が向上する。減圧乾燥は常温〜100℃、5秒〜10分、減圧度500〜5(Pa)、より好ましくは減圧度100〜10(Pa)の範囲で行うのが好ましい。加熱乾燥はオーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜120℃の範囲で10秒〜30分行うのが好ましい。続いて該被膜上にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。ついでアルカリ性現像液で現像を行う。非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を0.05〜1%添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られて好ましい。アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類が挙げられる。
【0054】
アルカリ性物質の濃度は0.01重量%から50重量%である。好ましくは0.05重量%から10重量%、さらに好ましくは0.1から1重量%である。また現像液がアルカリ水溶液の場合、現像液にエタノール、γーブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒を適宜加えても良い。
【0055】
これら現像液の中では作業環境、廃現像液処理の点から、アルカリ水溶液の水系現像液が好ましい。
【0056】
現像方式は浸漬法、スプレー法、パドル法等を用いるが特に限定されず、また、現像後適宜純水などによる洗浄工程を加えても良い。
【0057】
得られた着色ペーストの塗膜パターンは、その後、加熱処理することによってパターンニングされた着色画素となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
【0058】
上記方法で逐次必要な色の着色パターンを形成せしめると、液晶表示装置用カラーフィルターが作製できる。ここで着色ペーストのパターニング順序は限定されない。また必要に応じて、各画素間にブラックマトリクスを設けておくこともでき、上記着色画素上にオーバーコート、透明電導膜等を形成することもできる。
【0059】
ブラックマトリクスは画素間の遮光領域であり、液晶表示装置のコントラスト向上などの役割を果たすものである。Cr、Ni、Alなどを用いた金属薄膜より形成される金属系ブラックマトリックスや、遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクスを使用することがことができるが、反射率が低いため外光の強い場所でも表示品位が低下しにくく、また、有害な金属を使用せず環境に優しい、樹脂ブラックマトリクスを使用することが好ましい。
【0060】
樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ、使用される樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、ポリイミド系などの透明樹脂を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
オーバーコートは、着色層を保護し、カラーフィルター表面の平坦性向上や、カラーフィルターから液晶への汚染を防止するために設けられるものであり、とくに限定される訳ではないが、エポキシ樹脂、アクリル・エポキシ樹脂、シロキサン樹脂前駆体、シリコーンポリイミド樹脂前駆体などが用いられる。一方で、積層数が増えることによるコスト増のデメリットもある。本発明における着色ペーストを用いると、オーバーコートで着色層を覆わずとも液晶中へ不純物イオンが溶出する恐れが少ないため、オーバーコートを設けないカラーフィルターを作製した場合の表示品質を良好にすることができる。
【0062】
本発明のカラーフィルターと対向基板をシール剤を用いて張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止する。必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、本発明の液晶表示パネルが製造される。本発明は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルターを使用してカラー化を行う液晶表示モードに適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の着色ペーストは、感光性能良好であり、生産性に優れている。なおかつ、該着色ペーストを使用して製造される本発明のカラーフィルターは液晶中へ不純物イオンが溶出する恐れが小さく、表示品質良好である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(測定法)
<着色ペースト中のハロゲンイオン濃度の測定>
着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定するには、キャピラリー電気泳動法を用いた。着色ペーストをサンプリングし、2〜5倍に水で希釈してから0.4μmメンブレンフィルターで濾過した。これをキャピラリー電気泳動測定装置(大塚電子製)のキャピラリーに注入して測定する。得られたUV吸収スペクトルを標準サンプルと比較して濃度を算出する。ハロゲンイオン濃度はサンプリングした着色ペーストに対する重量比で表す。
【0065】
本発明におけるカラーフィルター用着色ペーストは、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超える場合は、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。本発明では着色ペースト中のハロゲン含有量が対象ではなく、溶解しイオン化するハロゲンを対象としている。
<バインダー樹脂中のハロゲンイオン濃度の測定>
バインダー樹脂に溶出しているハロゲンイオン濃度についても、上記着色ペースト中のハロゲンイオン濃度の測定と同様の方法で測定した。但し、バインダー樹脂が粉末の場合は、バインダー樹脂を溶解させうる任意の溶媒に固形分濃度が20重量%になるように調整した後、測定した。ハロゲンイオン濃度はサンプリングしたバインダー樹脂溶液、もしくは、粉末を溶解させた溶液に対する重量比で表す。
<表示品質評価法>
無アルカリガラス上に評価する着色ペーストを塗布し90℃で10分乾燥してから全面露光し、さらに熱風オーブン中210℃で30分保持することにより、アクリル系樹脂の硬化を行う。この上に厚さ0.1μmのITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィにて、直径100μmの孔をITO膜に形成する。
すなわち、ITO膜上にフォトレジストを塗布しプリベークした後、マスクパターンを露光し、フォトレジストを現像液に浸漬して現像する。試料を水洗いしてからポストベークし、塩化第二鉄:硝酸=1:1のエッチング液に浸漬して、ITO膜に孔を形成する。フォトレジストを剥離液で剥離し水洗、乾燥する。別途、無アルカリガラス上に全面にITO膜を形成した基板(着色層基板)と対向基板とに配向膜を印刷しラビングして配向させる。これらの2つの基板をマイクロロッドを練り込んだシール剤で貼り合わせてから4V駆動対応のTN液晶を注入して液晶注入口を封口剤で塞ぐ。
【0066】
かくして得られた液晶セルを±4V、30Hzの矩形波で100時間駆動した後、直交して配置した偏光フィルムにはさんで表示を観察する。
【0067】
着色層基板のITO膜に明けた孔から不純物が溶出してイオン性不純物が発生するとしきい値低下により、グレイレベル表示で該孔周辺が他の部分に比べて暗く見える。イオン性不純物によるしきい値低下が起きない方が望ましい方向である。
【0068】
参考例1(ポリマーAの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、平均分子量Mw4万、酸価110(mgKOH/g)のポリマーAを得た。ポリマーAのハロゲンイオン濃度は43ppmであった。
【0069】
参考例2(ポリマーBの合成)
2000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル10g、スチレン60g、メタクリル酸30gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.3gを加えた。グリシジルメタクリレート25gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより反応を行った。室温に戻した後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを100g加えて希釈し、陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”15DRY)10g、陰イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”A21)10gを加えて24時間撹拌後、濾別し、平均分子量Mw4万5千、酸価105(mgKOH/g)のポリマーBを得た。ポリマーBのハロゲンイオン濃度は29ppmであった。
【0070】
参考例3(ポリマーCの合成)
1000ccの4つ口フラスコに3−メトキシ−3−メチル−ブタノール150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.2g、トリエチルアミン0.2gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することで反応を行った。室温に戻した後、得られた反応溶液を陰イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”A21)を充填したカラムに通しイオン交換し、その後、精製水/アセトンを重量比90/10に混合した溶液1000gに滴下することで再沈殿、濾過、乾燥することにより平均分子量Mw4万、酸価115(mgKOH/g)の粉末状ポリマーCを得た。粉末状ポリマーCを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートに溶解させ、ハロゲンイオン濃度を測定すると21ppmであった。
【0071】
参考例4(ポリマーDの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、テトラメチルアンモニウムクロライド0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、平均分子量Mw3万、酸価100(mgKOH/g)のポリマーDを得た。ポリマーDのハロゲンイオン濃度は182ppmであった。
【0072】
参考例5(ポリマーEの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下する。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、反応を行い、精製水で再沈、濾過、乾燥することにより平均分子量Mw3万5千、酸価120(mgKOH/g)の粉末状ポリマーEを得た。粉末状ポリマーEを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートに溶解させ、ハロゲンイオン濃度を測定すると78ppmであった。
【0073】
実施例1
ピグメントレッドPR−254 84g、ピグメントイエローPY−138 36.0g、、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 48.0g、ポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 120.0g、及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 712.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、赤色顔料分散液(R1)を得た。
【0074】
この赤色顔料分散液(R1) 250gにアクリルポリマー(PA−1) 26.1g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.8g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)15.0g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 192.1gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、赤色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0075】
この赤色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、6ppmであった。
【0076】
続いて上記の赤色着色ペーストを用い、ダイコーティング装置で塗布し、90℃で10分乾燥することにより赤色着色膜を形成した。この赤色着色膜にネガマスクを介し所定領域を露光し、0.2%ジエチルアミノエタノール水溶液に、非イオン界面活性剤として“エマルゲン”A−60(HLB12.8、ポリオキシエチレン誘導体)(花王(株)製)を現像液総量に対して0.2%添加したアルカリ現像液で60秒間揺動しながら浸漬を行い現像し、続いて純水洗浄することにより、欠けや剥がれのない良好なパターンニング基板を得た。得られたパターンニング基板を熱風オーブン中210℃で30分保持することにより、アクリル系樹脂の硬化を行ったところ、幅90μm、厚さ2.0μmの赤色ストライプパターンを得ることができ、感光性能は良好であった。
【0077】
また、この赤色着色ペーストを用いて別途液晶セル組し、上記表示品質評価法に従って表示品質を調べたところ、10セル中10セル全て良好であった。
【0078】
実施例2
ピグメントグリーンPG−36 96.0g、ピグメントイエローPY−138 64.0g、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 112.0g、及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 728.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、緑色顔料分散液(G1)を得た。
【0079】
続いて、この緑色顔料分散液(G1)217gにポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 98.0g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.1g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)17.3g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 151.6gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、緑色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0080】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、28ppmであった。
【0081】
上記の緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中8セルで良好であった。残りの2セルは着色層基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも若干暗く観測された。
【0082】
実施例3
ピグメントブルーPB15:6 120.0g、、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 72.0g、ポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 45.0g及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 763.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、青色顔料分散液(B1)を得た。
【0083】
続いて、この青色顔料分散液(B1)177gにポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 107.2g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)15.4g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)11.52g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)2.4gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 86.6gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、青色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0084】
この青色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、8ppmであった。
【0085】
上記の青色着色ペーストを用い、実施例1と同様に青色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中10セル全て良好であった。
【0086】
実施例4
ポリマーBを用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0087】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、23ppmであった。
【0088】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中9セルで良好であった。残りの1セルは着色層基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも若干暗く観測された。
【0089】
実施例5
ポリマーCの20重量%3−メトキシ−3−メチル−ブタノール/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液を用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0090】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、16ppmであった。
【0091】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中10セル全てで良好であった。
【0092】
比較例1
ポリマーDを用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0093】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると83ppmであった。
【0094】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であったが、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中良好なものは1セルのみであった。残り9セルはイオン性不純物の発生によると考えられるしきい値低下でグレイレベル表示のとき着色基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察された。
【0095】
比較例2
実施例2記載の緑色顔料分散液(G1)217gに粉末状ポリマーE19.6g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.1g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)17.3g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 230gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、緑色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0096】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると57ppmであった。
【0097】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であったが、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中良好なものは3セルのみであった。残り7セルはイオン性不純物の発生によると考えられるしきい値低下でグレイレベル表示のとき着色基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察された。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラーフィルター用着色ペーストおよびカラーフィルター用着色ペーストの製造方法ならびにカラーフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子をカラー化するために透明基板上に赤、緑、青の3色の画素をライン状やモザイク状に配置したカラーフィルターが用いられている。また、各画素間に、表示コントラストを高めるために一定の幅をもつ遮光領域(ブラックマトリクス)が設けられている場合や、着色層を保護し、カラーフィルター表面の平坦性向上やカラーフィルターから液晶への汚染を防止するためにオーバーコート層が設けられている場合も多い。例えば、現在広く普及しているTFT(薄膜トランジスター)カラー液晶表示素子は、カラーフィルターが形成された透明ガラス基板とTFTが形成された透明ガラス基板の間に液晶を封入したパネルと、バックライトと称される光源から構成される。バックライトから発する光が液晶パネルを通過する際、その透過率を液晶への印加電圧により制御することによって、画像が表示される。このようなカラーフィルター用の着色ペーストとしては、バインダー樹脂として感光性アクリル樹脂がカラーフィルター製造が工程が短く簡易な点で好ましく用いられている。生産性向上のためにはタクトが速い方が好ましく、着色ペーストの感度を向上させる検討が行われている。その一つとして、バインダー樹脂に光反応性基として二重結合を導入する方法が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。また、これらの文献には、側鎖にカルボキシル基を有するアクリル系重合体に二重結合を持つエポキシ化合物を反応させることが開示されている。
【0003】
しかしながら、二重結合性基を導入する場合、触媒として4級アミンを用いるために、それらが着色ペースト中にイオン性不純物として多く混入し、液晶へ溶出して表示不良問題を起こすことがあった。このような表示不良問題を解決するために、水で抽出したときの臭素イオン濃度が50ppm以下である顔料を採用したことを特徴とするカラーフィルター用カラーペーストについて記載されている(例えば、特許文献5参照。)。しかし、感光アクリルペーストのバインダー樹脂製造時に使用される触媒については考慮されていないのが実状であり、入手容易な4級アミンを選択することが多かった。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−19467号公報(第2〜3頁)
【0005】
【特許文献2】
特開平8−211607号公報(第3〜4頁)
【0006】
【特許文献3】
特開平8−259624号公報(第3〜9頁)
【0007】
【特許文献4】
特開2001−337450号公報(第3〜6頁)
【0008】
【特許文献5】
特開平11−194213号公報(第3〜7頁)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とするところは、感光性能を上げながらも表示良好なカラーフィルター用着色ペーストを提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を達成するため、本発明は次のような構成をとる。
【0011】
すなわち、
(1) 少なくとも色材と、側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーとを含有するカラーフィルター用着色ペーストであって、該ペーストを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であり、かつ、該アクリルポリマーが該不飽和基を側鎖に導入する際に3級アミン触媒を使用して製造してなるものであることを特徴とするカラーフィルター用着色ペースト。
(2) アクリルポリマーを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であることを特徴とする(1)に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(3) 不飽和基を持つ側鎖を主鎖へ導入する方法が、主鎖のカルボキシル基にエポキシ化合物を付加反応させることによりなされることを特徴とする(1)または(2)に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(4) エポキシ化合物としてグリシジルメタクリレートを用いたことを特徴とする(3)記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(5) 3級アミン触媒がジメチルベンジルアミンであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(6) アクリルポリマーが少なくともスチレン、メチルメタクリレートを共重合成分として含有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
(7) 任意の色数で各色別に所望のパターン状に設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィルターにおいて、該着色層が(1)〜(6)のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペーストを使用したことを特徴とするカラーフィルター。
(8) オーバーコート層を設けないことを特徴とする(7)記載のカラーフィルター。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルター用着色ペーストは、主としてバインダー樹脂、色材、光重合開始剤、重合性モノマーを溶媒に溶解、あるいは分散させたものからなる。
【0013】
本発明に用いられるバインダー樹脂は側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーであって、不飽和基を導入する際に3級アミンを触媒として使用することを特徴としている。3級アミンを使用することで、不純物のハロゲンイオン濃度を低減でき、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であるカラーフィルター用着色ペーストとすることで、表示性能の良好な液晶表示素子用のカラーフィルターを作製することができる。
【0014】
ハロゲン化合物は、液晶への溶解力が強く、液晶中でイオン化して、液晶表示素子の表示性能に悪影響を与えやすい。特に分子量数十から千程度のイオン性のハロゲン化合物は液晶への溶解力が強く、また、分子量が大きいためにイオン化した後の拡散が遅いため表示ムラが顕在化しやすい。
【0015】
本発明におけるカラーフィルター用着色ペーストは、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超える場合は、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。本発明では着色ペースト中のハロゲン含有量が対象ではなく、溶解しイオン化するハロゲンを対象としている。
【0016】
本発明の着色ペーストに用いるバインダー樹脂としては、側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーであり、不飽和カルボン酸の重合体や不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の共重合体を主鎖とし、これにエチレン性不飽和基を有するエポキシ化合物を付加させたものを挙げることができる。具体的には、主鎖に用いる不飽和カルボン酸として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、などがあげられ、共重合可能なエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アミノエチルアクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレンなどの脂肪族共役ジエン、それぞれ末端にアクリロイル基、あるいはメタクリロイル基を有するポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。主鎖に対して付加することのできる不飽和基を有するエポキシ化合物としては、特に限定されるわけではないが、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートや特開2002−12607号公報記載のエポキシ化合物などがあげられる。これらエポキシ化合物は着色ペースト中のハロゲンイオン濃度を低減させるために高純度品を用いることがより好ましい。
【0017】
これらの不飽和基を有するエポキシ化合物の付加量は、アクリル共重合体のカルボキシル基に対して0.05〜0.8当量の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.6当量である。エポキシ化合物の付加量が0.05当量未満では現像許容幅が狭いうえ、パターンエッジの切れが悪くなりやすく、またこの付加量が0.8当量より大きい場合は、未露光部の現像液溶解性が低下したり塗膜硬度が低くなりやすく、実用性のあるカラーフィルターが得られにくい。
【0018】
主鎖に対して不飽和基を有するエポキシ化合物を付加する際に使用する触媒としては、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジメチルアミノピリジンなどの3級アミンを単独、または組み合わせて用いることができ、これらの中でも特にジメチルベンジルアミンを用いることが付加反応の容易さの点から、特に好ましい。
【0019】
これらの触媒は3級アミンのみで好ましく用いられるが、4級アンモニウム塩と混合しても良く、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩を、3級アミンと4級アンモニウム塩の重量比が好ましくは50対50〜100対0、より好ましくは80対20〜100対0、さらに好ましくは95対5〜100対0で用いられる。触媒中の4級アンモニウム塩の割合が50重量%を超えると着色ペースト中にイオン性不純物として多く混入し、カラーフィルターから液晶へ溶出して表示不良問題を起こす恐れがあるため、好ましくない。
【0020】
また、3級アミンとの組み合わせで4級アンモニウム塩以外の他の触媒を使用することもでき、例えばテトラメチル尿素、テトラメチルグアニジン、ピリジン、トリフェニルフォスフィンなどを3級アミンとその他の触媒の重量比が好ましくは50対50〜100対0、より好ましくは80対20〜100対0で用いられる。
【0021】
これらの触媒はエポキシ基含有不飽和化合物に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜3重量%用いるのが好ましい。0.01重量%より少ない場合は触媒効果が低く、5重量%を越えても効果はほとんど変わらず、逆にポリマー中に残存する触媒が増加するので好ましくない。
【0022】
また、これら触媒とともに必要に応じてp−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、カテコール、ナフチルアミン等の重合禁止剤を用いることができ、有機溶剤中反応温度を50〜150℃で数〜数十時間反応させることにより主鎖のカルボキシル基にエポキシ基を反応させ、不飽和基を有する基を導入することができる。
【0023】
かかる方法により製造されたバインダー樹脂は、さらにイオン交換法や再沈殿により精製することもできる。イオン交換法は、1〜3級アミノ基および/または4級アンモニウム塩の陰イオン交換基をもつ陰イオン交換樹脂、陰イオン交換膜、陰イオン交換繊維や無機の陰イオン交換体、例えば、含水酸化ビスマス、水酸化燐酸鉛などを用いることにより、バインダー樹脂中のハロゲンイオンを吸着またはイオン交換し、その量を低減することができる。陰イオン交換樹脂によるイオン交換法の例を示すと、バインダー樹脂に対して通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の粒状の陰イオン交換樹脂をバインダー樹脂溶液に混合し、通常数時間〜数十時間撹拌することでハロゲンイオンを吸着またはイオン交換し、その量を低減する方法や、粒状の陰イオン交換樹脂をカラムに充填し、そのカラムにバインダー樹脂溶液を流す方法などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、上記のような陰イオン交換樹脂、膜、繊維、体などと同時に、もしくは別工程で、スルホン酸やカルボン酸などの陽イオン交換基を持つ陽イオン交換樹脂、陽イオン交換膜、陽イオン交換繊維や無機の陽イオン交換体でイオン交換することも好ましく行われ、これによりハロゲンイオンの対イオンとなっている不純物をさらに低減することができる。
【0024】
再沈殿の方法としては、かかるバインダー樹脂溶液を水、または種々の有機溶媒と混合することで沈殿させて粉末品とすることができる。具体的には、特に限定されるわけではないが、バインダー樹脂溶液に対してを通常1〜100重量倍の純水、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくはこれらの2種以上の混合溶液を撹拌しながらバインダー樹脂溶液をゆっくり滴下する方法や、反応終了後のバインダー樹脂溶液に直接、水または/および有機溶媒を加える方法によりバインダー樹脂成分を沈殿することができ、この時、不純物のハロゲンイオンを溶媒中に溶出させ、その量を低減することもできる。これらは濾過、乾燥工程を経て粉末品とすることができ、必要に応じて再び溶媒に溶解させ再沈殿する工程を数回繰り返すこともできる。
【0025】
該バインダー樹脂は、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超えるバインダー樹脂を用いると、着色ペースト中のハロゲンイオン濃度が大きくなり、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。
【0026】
本発明におけるバインダー樹脂の平均分子量Mw(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算したもの)は、3千〜20万が好ましく、さらに好ましくは9千〜10万である。3千未満では十分な硬化膜強度が得られず、また、20万を超えると現像性が悪化するため、好ましくない。また、適度なアルカリ現像性を得るためには、酸価は50〜200(mgKOH/g)であることが好ましく、70〜150(mgKOH/g)がより好ましい。
【0027】
色材としては、従来の有機、無機顔料の他に染料などを単独または混合して用いることができる。顔料のうち、透明性が高く、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものは特に好ましい。代表的な顔料の具体的な例をカラ−インデックス(CI)ナンバ−で示すと、次のようなものが好ましく使用されるが、いずれもこれらに限定されるものではない。
【0028】
赤色顔料の例としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)9、48、97、122、123、144、149、166、168、177、179、180、192、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、254などが使用される。
【0029】
オレンジ色顔料の例としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)13、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71などが使用される。
【0030】
黄色顔料の例としては、ピグメントイエロ−(以下PYと略す)12、13、17、20、24、83、86、93、95、109、110、117、125、129、137、138、139、147、148、150、153、154、166、168、185などが使用される。
【0031】
また、紫色顔料の例としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)19、23、29、30、32、37、40、50などが使用される。
【0032】
また、青色顔料の例としては、ピグメントブル−(以下PBと略す)15、15:3、15:4、15:6、22、60、64などが使用される。
【0033】
また、緑色顔料の例としては、ピグメントグリ−ン(以下PGと略す)7、10、36、などが使用され、また、黒色顔料の例としては、ピグメントブラック7、チタンブラックなどが使用される。
【0034】
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理がされていてもかまわず、分散剤として顔料誘導体を添加することもできる。
【0035】
上記顔料は、カラ−フィルタ−のR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)3色の画素が、CRT蛍光体の色度特性、バックライトやLCDの液晶特性に合うように、数色組み合わせて調色され使用される。
【0036】
R(レッド)の場合を例にあげると、PR−254と、PR−177の組合せ、PR−254と、PY−138の組合せ、PR−254と、PY−139の組合せ、PR−209と、PO−38の組合せ等で色度が調色されている。
【0037】
G(グリーン)の場合は、PG−7やPG−36と上記黄色顔料、例えば、PY−17、PY−83の組合せやPY−138の組合せ、PY−139の組合せ、PY−150の組合せ等で色度が調色されている。
【0038】
本発明における着色ペーストには、色材、上記アクリルポリマーの他に、光重合開始剤、重合性モノマー、溶剤、高分子分散剤、その他添加剤などを含有することができる。
【0039】
光重合開始剤としては、特に限定はなく、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート等の無機系光重合開始剤など公知のものが使用できる。例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがあげられる。また、芳香族、脂肪族の第3級アミンなどの増感助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ好ましい。また、これらの光重合開始剤は2種類以上を併用して用いることもできる。
【0040】
光重合開始剤の添加量としては、特に限定はないが、着色剤組成物全固形分に対して、好ましくは2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
【0041】
本発明で用いられる重合性モノマーとしては、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらは単独または混合して用いることができる。また、次にあげるような単官能モノマーも併用することができ、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。
【0042】
これらの多官能及び単官能モノマーやオリゴマーの選択と組み合わせにより、レジストの感度や加工性の特性をコントロールすることが可能である。とくに感度を上げるためには、官能基が3以上、より好ましくは5以上ある化合物が望ましい。
【0043】
本発明の着色ペーストに用いる溶媒については、特に限定はなく、水および有機溶剤を用いることができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどの(ポリ)アルキレングリコールエーテル系溶剤、あるいは、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル―3―メトキシプロピオネート、3―メチル―3―メトキシブチルアセテートなどの脂肪族エステル類、あるいは、エタノール、3―メチル―3―メトキシブタノールなどの脂肪族アルコール類、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類を用いることができ、これらの単独、あるいは2種類以上の混合溶媒も好ましく用いることができる。またこれら以外の溶剤との混合も好ましく用いられる。
【0044】
ただし、本発明の着色剤組成物をダイコーティング法により基板に塗布する場合には、膜厚の均一性、及び吐出スリット部に顔料凝集物が生じるのを防止する観点から、沸点が比較的高い溶剤を使用するのが好ましい。一方、沸点が高すぎると乾燥性が悪化するので、具体的には、特に限定されるわけではないが、158℃以上214℃以下の範囲に沸点を有する溶剤を用いるのが好ましい。例えば、メチルベンゾエート(200℃)、エチルベンゾエート(213℃)、シュウ酸ジエチル(185℃)、マロン酸ジエチル(199℃)、3−メトキシ−ブチルアセテート(173℃)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(188℃)、2−エチルブチルアセテート(162℃)、2−ブトキシエチルアセテート(192℃)、2−エチルヘキシルアセテート(199℃)、シクロヘキシルアセテート(174℃)、ベンジルアセテート(214℃)、アセト酢酸メチル(172℃)、アセト酢酸エチル(181℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(158℃)、イソペンチルプロピオネート(160℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(170℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(160℃)などを好ましく用いることができる。ここで()の温度は沸点を示す。
【0045】
特に樹脂成分、光重合開始剤に対する溶解能力、顔料の分散安定性等の観点から、上記の中で酢酸エステル系またはプロピオン酸エステル系の溶媒が好ましい。さらに安全、環境面から米国の1990年改正大気浄化法で指定された有害性大気汚染物質リストに記載の溶媒に該当しないことおよび1986年制定のスーパーファンド法修正および再授産法のタイトルIII313項のTOXIC CHEMICAL REPORTINGに該当しない溶媒で、かつ毒性が低いことがより好ましく、上記観点から、特に好ましい溶媒は、3−メトキシ−ブチルアセテート(引火点60℃)、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート(引火点73℃)、2−エチルブチルアセテート(引火点57℃)、2−エチルヘキシルアセテート(引火点88℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(引火点52℃)、イソペンチルプロピオネート(引火点63℃)、エチル−3−エトキシプロピオネート(引火点58℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(引火点56℃)で、さらに引火点60℃以上の溶媒がより安全に取り扱えるので好ましい。なかでも3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートは臭気が殆どしないことおよび入手が容易な点で最も好ましい。これらは単独あるいは他の溶剤と混合して用いることができる。
【0046】
高分子分散剤としては、通常、カラーフィルター用に使用されるものであれば、特に限定されず、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、などのポリマー、またはこれらの共重合体など、種々のものを単独、または混合して用いることができる。
【0047】
本発明の着色ペーストにおいて、樹脂成分(ポリマー、モノマーあるいはオリゴマーと高分子分散剤の合計)と、少なくとも顔料を含む着色剤とは、通常、樹脂成分が着色ペースト全体の固形分に対して20重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%の範囲で混合して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被膜の基板との接着性が不良となり、逆に樹脂成分が多すぎると着色剤成分が減ってしまうため着色度が問題となる。
【0048】
また、着色剤組成物の基板への密着性を向上させる目的で、本発明の着色剤組成物にシランカップリング剤を添加することも好ましく行われる。
【0049】
更に、着色剤組成物の塗布性および着色膜の表面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散性を良好にする目的で、本発明の着色剤組成物に界面活性剤を添加することができる。かかる界面活性剤の添加量は、顔料に対して、好ましくは0.001〜10wt%、さらに好ましくは0.01〜1wt%であるのがよい。添加量が少なすぎると、塗布性、着色膜表面の均一性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料の凝集が起こる。
【0050】
かかる界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤などが好ましく使用される。かかる界面活性剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。かかる界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の時点により、顔料の分散性が変わる場合があるので、注意を要する。
【0051】
本発明の着色ペーストを用いたカラーフィルターの製造方法の例を説明する。
【0052】
着色ペーストを基板上に塗布する方法としては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を着色ペースト中に浸漬する方法、着色ペーストを基板に噴霧するなどの種々の方法を用いることができる。特に限定されるわけではないが、これらの中で着色ペーストの省液性、及び大板塗布性が優れる点で、ダイコーター塗布が最も好ましい。また、かかる基板としては、通常、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム−ひ素などの半導体基板などが用いられるが、特にこれらに限定されない。なお、かかる基板上に着色ペーストを塗布する場合、シランカップリング剤などの接着助剤で基板表面を処理しておくと、着色膜と基板の接着力を向上させることができる。
【0053】
上記により、基板上に着色ペーストを塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより、溶媒を除去し、カラーレジストの塗膜を形成する。とくに減圧乾燥工程を設けた後、オーブンあるいはホットプレートで追加の加熱乾燥することにより、対流によって生じる塗布欠点が解消され収率が向上する。減圧乾燥は常温〜100℃、5秒〜10分、減圧度500〜5(Pa)、より好ましくは減圧度100〜10(Pa)の範囲で行うのが好ましい。加熱乾燥はオーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜120℃の範囲で10秒〜30分行うのが好ましい。続いて該被膜上にマスクを置き、露光装置を用いて紫外線を照射する。ついでアルカリ性現像液で現像を行う。非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を0.05〜1%添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られて好ましい。アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類が挙げられる。
【0054】
アルカリ性物質の濃度は0.01重量%から50重量%である。好ましくは0.05重量%から10重量%、さらに好ましくは0.1から1重量%である。また現像液がアルカリ水溶液の場合、現像液にエタノール、γーブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の水溶性有機溶媒を適宜加えても良い。
【0055】
これら現像液の中では作業環境、廃現像液処理の点から、アルカリ水溶液の水系現像液が好ましい。
【0056】
現像方式は浸漬法、スプレー法、パドル法等を用いるが特に限定されず、また、現像後適宜純水などによる洗浄工程を加えても良い。
【0057】
得られた着色ペーストの塗膜パターンは、その後、加熱処理することによってパターンニングされた着色画素となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜5時間、連続的または段階的に行われる。
【0058】
上記方法で逐次必要な色の着色パターンを形成せしめると、液晶表示装置用カラーフィルターが作製できる。ここで着色ペーストのパターニング順序は限定されない。また必要に応じて、各画素間にブラックマトリクスを設けておくこともでき、上記着色画素上にオーバーコート、透明電導膜等を形成することもできる。
【0059】
ブラックマトリクスは画素間の遮光領域であり、液晶表示装置のコントラスト向上などの役割を果たすものである。Cr、Ni、Alなどを用いた金属薄膜より形成される金属系ブラックマトリックスや、遮光剤を樹脂中に分散した樹脂ブラックマトリクスを使用することがことができるが、反射率が低いため外光の強い場所でも表示品位が低下しにくく、また、有害な金属を使用せず環境に優しい、樹脂ブラックマトリクスを使用することが好ましい。
【0060】
樹脂ブラックマトリクスに使用される遮光剤としては、カーボンブラックや、酸化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉や、金属硫化物粉や、金属粉の他に、赤、青、緑色の顔料混合物などを用いることができ、使用される樹脂としては、アクリル系、エポキシ系、ポリイミド系などの透明樹脂を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
オーバーコートは、着色層を保護し、カラーフィルター表面の平坦性向上や、カラーフィルターから液晶への汚染を防止するために設けられるものであり、とくに限定される訳ではないが、エポキシ樹脂、アクリル・エポキシ樹脂、シロキサン樹脂前駆体、シリコーンポリイミド樹脂前駆体などが用いられる。一方で、積層数が増えることによるコスト増のデメリットもある。本発明における着色ペーストを用いると、オーバーコートで着色層を覆わずとも液晶中へ不純物イオンが溶出する恐れが少ないため、オーバーコートを設けないカラーフィルターを作製した場合の表示品質を良好にすることができる。
【0062】
本発明のカラーフィルターと対向基板をシール剤を用いて張り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止する。必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外側に張り合わせることにより、本発明の液晶表示パネルが製造される。本発明は、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティカリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)などのカラーフィルターを使用してカラー化を行う液晶表示モードに適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の着色ペーストは、感光性能良好であり、生産性に優れている。なおかつ、該着色ペーストを使用して製造される本発明のカラーフィルターは液晶中へ不純物イオンが溶出する恐れが小さく、表示品質良好である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(測定法)
<着色ペースト中のハロゲンイオン濃度の測定>
着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定するには、キャピラリー電気泳動法を用いた。着色ペーストをサンプリングし、2〜5倍に水で希釈してから0.4μmメンブレンフィルターで濾過した。これをキャピラリー電気泳動測定装置(大塚電子製)のキャピラリーに注入して測定する。得られたUV吸収スペクトルを標準サンプルと比較して濃度を算出する。ハロゲンイオン濃度はサンプリングした着色ペーストに対する重量比で表す。
【0065】
本発明におけるカラーフィルター用着色ペーストは、水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下が好ましく、より好ましくは30ppm以下である。水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppmを超える場合は、表示ムラを起こす危険が大きく、不適当である。本発明では着色ペースト中のハロゲン含有量が対象ではなく、溶解しイオン化するハロゲンを対象としている。
<バインダー樹脂中のハロゲンイオン濃度の測定>
バインダー樹脂に溶出しているハロゲンイオン濃度についても、上記着色ペースト中のハロゲンイオン濃度の測定と同様の方法で測定した。但し、バインダー樹脂が粉末の場合は、バインダー樹脂を溶解させうる任意の溶媒に固形分濃度が20重量%になるように調整した後、測定した。ハロゲンイオン濃度はサンプリングしたバインダー樹脂溶液、もしくは、粉末を溶解させた溶液に対する重量比で表す。
<表示品質評価法>
無アルカリガラス上に評価する着色ペーストを塗布し90℃で10分乾燥してから全面露光し、さらに熱風オーブン中210℃で30分保持することにより、アクリル系樹脂の硬化を行う。この上に厚さ0.1μmのITO膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィにて、直径100μmの孔をITO膜に形成する。
すなわち、ITO膜上にフォトレジストを塗布しプリベークした後、マスクパターンを露光し、フォトレジストを現像液に浸漬して現像する。試料を水洗いしてからポストベークし、塩化第二鉄:硝酸=1:1のエッチング液に浸漬して、ITO膜に孔を形成する。フォトレジストを剥離液で剥離し水洗、乾燥する。別途、無アルカリガラス上に全面にITO膜を形成した基板(着色層基板)と対向基板とに配向膜を印刷しラビングして配向させる。これらの2つの基板をマイクロロッドを練り込んだシール剤で貼り合わせてから4V駆動対応のTN液晶を注入して液晶注入口を封口剤で塞ぐ。
【0066】
かくして得られた液晶セルを±4V、30Hzの矩形波で100時間駆動した後、直交して配置した偏光フィルムにはさんで表示を観察する。
【0067】
着色層基板のITO膜に明けた孔から不純物が溶出してイオン性不純物が発生するとしきい値低下により、グレイレベル表示で該孔周辺が他の部分に比べて暗く見える。イオン性不純物によるしきい値低下が起きない方が望ましい方向である。
【0068】
参考例1(ポリマーAの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、平均分子量Mw4万、酸価110(mgKOH/g)のポリマーAを得た。ポリマーAのハロゲンイオン濃度は43ppmであった。
【0069】
参考例2(ポリマーBの合成)
2000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル10g、スチレン60g、メタクリル酸30gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.3gを加えた。グリシジルメタクリレート25gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより反応を行った。室温に戻した後、3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートを100g加えて希釈し、陽イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”15DRY)10g、陰イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”A21)10gを加えて24時間撹拌後、濾別し、平均分子量Mw4万5千、酸価105(mgKOH/g)のポリマーBを得た。ポリマーBのハロゲンイオン濃度は29ppmであった。
【0070】
参考例3(ポリマーCの合成)
1000ccの4つ口フラスコに3−メトキシ−3−メチル−ブタノール150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ジメチルベンジルアミン0.2g、トリエチルアミン0.2gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することで反応を行った。室温に戻した後、得られた反応溶液を陰イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製“アンバーリスト”A21)を充填したカラムに通しイオン交換し、その後、精製水/アセトンを重量比90/10に混合した溶液1000gに滴下することで再沈殿、濾過、乾燥することにより平均分子量Mw4万、酸価115(mgKOH/g)の粉末状ポリマーCを得た。粉末状ポリマーCを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートに溶解させ、ハロゲンイオン濃度を測定すると21ppmであった。
【0071】
参考例4(ポリマーDの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下した。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、テトラメチルアンモニウムクロライド0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、平均分子量Mw3万、酸価100(mgKOH/g)のポリマーDを得た。ポリマーDのハロゲンイオン濃度は182ppmであった。
【0072】
参考例5(ポリマーEの合成)
1000ccの4つ口フラスコにγ−ブチロラクトン150gを仕込み、これを90℃に保ち、窒素シール、撹拌を行いながらメタクリル酸メチル30g、スチレン30g、メタクリル酸40gにn−ドデシルメルカプタン1.1g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.2gを混合して滴下ロートで30分かけて滴下する。この後4時間反応を続けた後、窒素シールをやめ、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.35gを加えた。グリシジルメタクリレート33gを30分かけて滴下し、さらに90℃で3時間撹拌することにより、反応を行い、精製水で再沈、濾過、乾燥することにより平均分子量Mw3万5千、酸価120(mgKOH/g)の粉末状ポリマーEを得た。粉末状ポリマーEを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテートに溶解させ、ハロゲンイオン濃度を測定すると78ppmであった。
【0073】
実施例1
ピグメントレッドPR−254 84g、ピグメントイエローPY−138 36.0g、、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 48.0g、ポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 120.0g、及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 712.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、赤色顔料分散液(R1)を得た。
【0074】
この赤色顔料分散液(R1) 250gにアクリルポリマー(PA−1) 26.1g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.8g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)15.0g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 192.1gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、赤色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0075】
この赤色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、6ppmであった。
【0076】
続いて上記の赤色着色ペーストを用い、ダイコーティング装置で塗布し、90℃で10分乾燥することにより赤色着色膜を形成した。この赤色着色膜にネガマスクを介し所定領域を露光し、0.2%ジエチルアミノエタノール水溶液に、非イオン界面活性剤として“エマルゲン”A−60(HLB12.8、ポリオキシエチレン誘導体)(花王(株)製)を現像液総量に対して0.2%添加したアルカリ現像液で60秒間揺動しながら浸漬を行い現像し、続いて純水洗浄することにより、欠けや剥がれのない良好なパターンニング基板を得た。得られたパターンニング基板を熱風オーブン中210℃で30分保持することにより、アクリル系樹脂の硬化を行ったところ、幅90μm、厚さ2.0μmの赤色ストライプパターンを得ることができ、感光性能は良好であった。
【0077】
また、この赤色着色ペーストを用いて別途液晶セル組し、上記表示品質評価法に従って表示品質を調べたところ、10セル中10セル全て良好であった。
【0078】
実施例2
ピグメントグリーンPG−36 96.0g、ピグメントイエローPY−138 64.0g、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 112.0g、及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 728.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、緑色顔料分散液(G1)を得た。
【0079】
続いて、この緑色顔料分散液(G1)217gにポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 98.0g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.1g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)17.3g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 151.6gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、緑色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0080】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、28ppmであった。
【0081】
上記の緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中8セルで良好であった。残りの2セルは着色層基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも若干暗く観測された。
【0082】
実施例3
ピグメントブルーPB15:6 120.0g、、高分子顔料分散剤(アビシア(株)製”ソルスパース”24000SC)の50重量%キシレン溶液 72.0g、ポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 45.0g及び3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 763.0gを秤量し、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、青色顔料分散液(B1)を得た。
【0083】
続いて、この青色顔料分散液(B1)177gにポリマーAの20重量%γ−ブチロラクトン/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液 107.2g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)15.4g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)11.52g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)2.4gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 86.6gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、青色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0084】
この青色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、8ppmであった。
【0085】
上記の青色着色ペーストを用い、実施例1と同様に青色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中10セル全て良好であった。
【0086】
実施例4
ポリマーBを用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0087】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、23ppmであった。
【0088】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中9セルで良好であった。残りの1セルは着色層基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも若干暗く観測された。
【0089】
実施例5
ポリマーCの20重量%3−メトキシ−3−メチル−ブタノール/3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート混合溶液を用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0090】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると、16ppmであった。
【0091】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であり、また、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中10セル全てで良好であった。
【0092】
比較例1
ポリマーDを用いた以外は実施例2と同様にして緑色着色ペーストの調整を行った。
【0093】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると83ppmであった。
【0094】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であったが、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中良好なものは1セルのみであった。残り9セルはイオン性不純物の発生によると考えられるしきい値低下でグレイレベル表示のとき着色基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察された。
【0095】
比較例2
実施例2記載の緑色顔料分散液(G1)217gに粉末状ポリマーE19.6g、多官能モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製”カヤキュア”DPHA)13.1g、光重合開始剤として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガキュア”369)17.3g、接着性改良剤としてKBM1003(信越化学(株)製)3gを3−メトキシ−3−メチル−ブチルアセテート 230gに溶解した溶液を添加、混合し、2μmフィルターで加圧濾過することで、緑色着色ペースト(固形分濃度20重量%)を調製した。
【0096】
この緑色着色ペーストに溶出しているハロゲンイオン濃度を測定すると57ppmであった。
【0097】
この緑色着色ペーストを用い、実施例1と同様に緑色ストライプパターンを作製したところ感光性能は良好であったが、液晶セル組して表示品質を調べたところ、10セル中良好なものは3セルのみであった。残り7セルはイオン性不純物の発生によると考えられるしきい値低下でグレイレベル表示のとき着色基板のITO膜の孔の部分がその周囲よりも暗く観察された。
Claims (8)
- 少なくとも色材と、側鎖に不飽和基を有するアクリルポリマーとを含有するカラーフィルター用着色ペーストであって、該ペーストを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であり、かつ、該アクリルポリマーが該不飽和基を側鎖に導入する際に3級アミン触媒を使用して製造してなるものであることを特徴とするカラーフィルター用着色ペースト。
- アクリルポリマーを水で抽出した際のハロゲンイオン濃度が50ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
- 不飽和基を持つ側鎖を主鎖へ導入する方法が、主鎖のカルボキシル基にエポキシ化合物を付加反応させることによりなされることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルター用着色ペースト。
- エポキシ化合物としてグリシジルメタクリレートを用いたことを特徴とする請求項3記載のカラーフィルター用着色ペースト。
- 3級アミン触媒がジメチルベンジルアミンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
- アクリルポリマーが少なくともスチレン、メチルメタクリレートを共重合成分として含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペースト。
- 任意の色数で各色別に所望のパターン状に設けられた着色層からなる画素を有するカラーフィルターにおいて、該着色層が請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルター用着色ペーストを使用したことを特徴とするカラーフィルター。
- オーバーコート層を設けないことを特徴とする請求項7記載のカラーフィルター。
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002309430A patent/JP2004144976A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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