JP2004145507A - インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム用記録媒体 - Google Patents
インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム用記録媒体 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】患者療養プログラムで実行可能な複数の実施項目についての患者教育資料を記録したCD−ROM3を各病院4、5に提供し、病院4の医療チーム4aは自己の医学的見地及び資源配分の方針に従ってこれらの実施項目を取捨選択することにより医療従事者カスタム化患者教育プログラムを作成し、また患者4bの疾患症状に合わせてこの医療従事者カスタム化患者教育プログラムの実施項目から取捨選択することにより、患者カスタム化患者教育プログラムを作成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム用記録媒体に関し、特に呼吸器疾患を患う患者のための患者教育プログラムの実行を支援するために最適な構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
呼吸器疾患を患う患者に対する、酸素富化した空気を呼吸に用いる酸素療法は、大きな効果を奏するものの、この酸素療法を患者宅で行なう在宅酸素療法のみを実行したのでは患者の体力の低下を防げず、寝たきり状態となる恐れがあるなど、患者の日常生活の質(Quality Of Life、以下QOL)の向上をもたらすとは限らない。
【0003】
そこで、患者に残された肺の機能を最大限に使い、上下肢の筋力を訓練するなどのプログラムを含んだ、インフォームドコンセントをしっかりとって患者教育及び療養指導を行い、在宅療養の成功に向けて患者の自立行動変容を促すプログラムの有効性が報告され、EBM(Evidence−based medicine:科学的根拠に基く治療)として既にガイドラインも発行されている。
【0004】
具体的には、慢性の呼吸障害を有する患者は、長い経過の中で、息切れ、これに伴う活動性の低下、これに伴う筋力の低下が起こってくる。この結果じっとしているため食欲が低下し、体重減少と筋萎縮とが促進される、労作時の呼吸困難に拍車がかかり悪循環に陥る。この悪循環を断ち切るのには、患者の行動変容を促す継続的且つ体系立った患者教育及び療養指導が必要となる。
【0005】
その内容としては、疾患に関する指導、禁煙指導及び環境因子の改善、薬物療法指導、感染予防の指導、患者の生活に合わせた動作の工夫、栄養指導、在宅酸素療法の指導、疾患の自己管理、心理面の援助、運動訓練、社会福祉サービスの利用などが挙げられる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−28682号公報 第7ページ左欄第19行〜28行
【0007】
【特許文献2】
特開2002−191718号公報 第3ページ右欄第39行〜47行
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、呼吸疾患患者にとってきわめて高い必要性を有する患者教育プログラムではあるものの、医療機関の医療従事者がこの患者教育プログラムを実行しようとすると、本質的に解決が困難な下記する如くの問題があった。
【0009】
(1) 患者教育プログラムの内容を患者に理解させ、その実行を促すための患者教育に大量の資料の集積を必要とし、医療従事者はその負担に耐えることが困難である点。
【0010】
例えば、酸素療法を処方する代表的な疾患である慢性呼吸不全について、患者に必要な情報を伝えるためには、医学的に正しく且つ一般の患者が十分に理解できる教育資料を用いることが望ましいし、患者の運動訓練のためには、患者が実行すべき動作を図示する資料を提示して指導を行なうことが望ましいが、それらの資料を作成するには多大な労力を必要とするものであって、日々の医療業務を遂行する医療従事者にとっては実行が困難である。
【0011】
(2)各医療従事者の医学的見地及び資源配分の方針に立脚した患者教育プログラムを作成し、且つそれを実行するために必要となる患者指導用資料を集積することが困難である点。
【0012】
先に説明した、大量の患者教育用資料の集積を医療従事者が行なうことが困難である点は、既製の完成品としての汎用の患者教育資料を使用することで解決が図られるかもしれない。ところが、上記の患者教育プログラムは、各医療機関において一律に実行すべき汎用のプログラムが存在するのではなく、患者教育プログラムを用いた治療を遂行する各医療従事者の医学的な見地及び資源配分の方針に合致する内容として、それぞれ医療従事者ごとに異なる態様にて実行されることが望ましい。各医療従事者は自己の医学的見地や資源配分の方針に合致しない患者教育プログラムを実行しようとはしないからである。
【0013】
その場合、多数の医療従事者の全てに対して、それぞれの医学的見地及び資源配分の方針に合致する資料を取捨選択して集積し、提供することは更に膨大な労力を要するものであって、上記した既製品では対応が出来ない。従って各医療従事者も自己が所望する態様の患者教育プログラムを実行することが困難であった。
【0014】
(3)各呼吸疾患患者の疾患症状に適合した患者教育プログラムを作成し、その実行のための患者指導用資料を集積することが困難である点。
【0015】
更に、呼吸器疾患を患う患者は一般に、その疾患症状が患者ごとに多様であって類型化が難しく、患者の数だけ異なる疾患症状のタイプが存在するとさえ言われるほどである。従って患者の疾患症状に適合する内容の患者教育プログラムをそれぞれ作成し、患者指導用資料を個々の患者に対して用意することが望ましいものの、上記した理由によりその実現は労力を要した。
【0016】
尚、上記の説明では、呼吸疾患に関わる患者教育プログラムについて例示として述べたが、呼吸器に限らず、インフォームドコンセントをしっかりとって患者教育及び療養指導を行ない、在宅医療の成功に向けて患者の自立行動変容を促すプログラムの重要性と状況は、他の慢性疾患についても同様である。
【0017】
上記した従来技術における問題を別の観点から説明すれば、生活習慣病や慢性疾患の管理には患者のインフォームドコンセントに基く行動変容が重要であり、これにはEBM(科学的根拠に基く治療)を、ガイドラインに沿って医師のみならず医療チームとして自己の医療機関に合うよう提供することが重要である。しかし、実施内容が多く且つ個々の患者により実施すべき項目が違っており、更に、医療従事者が効率的有効的に提供して医療現場の資源配分を適切に行なう必要があり、従来、この条件のもとでの実施は、容易には実現出来なかった。
【0018】
上記したこれらの問題は、リハビリテーションプログラム作成に関わる公知資料である特許文献1及び特許文献2においても解決策が一切示されていない。
【0019】
そこで本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、特に医療従事者に患者指導用資料作成の負担を強いることなく、各医療従事者の医学的見地及び資源配分方針に沿った内容、及び各患者の疾患症状に適合した内容にて患者教育プログラムを作成し、且つこのプログラムに従う治療を効率的に実行できる、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム用記録媒体を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、下記する1)〜12)に記載の各構成を有するインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム用記録媒体を提供する。
【0021】
1)インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだコード部を有するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が医療機関へ提供される、雛型プログラム提供ステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作し、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記記録媒体に含まれない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育用資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0022】
2) インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだ情報がサーバ装置から医療機関のコンピュータへ送信される、雛型プログラム送信ステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作し、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記送信された情報に含まれていない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0023】
3) インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだ情報が記録されたサーバ装置に医療機関のコンピュータがアクセスする、雛型プログラムアクセスステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作して前記コンピュータへダウンロードし、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記サーバ装置に記録されていない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0024】
4) 前記患者教育支援ステップにおいて前記患者教育用資料が提示又は印字された事実を記録保持して治療実行のエビデンスとするステップを有することを特徴とする、1)乃至3)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0025】
5) 前記作成された患者カスタム化患者教育プログラムに従いこの患者に対する患者教育を実行すべきスケジュールを自動生成するステップを有することを特徴とする、1)乃至4)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0026】
6) 前記スケジュールを自動生成するステップは、
前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記患者教育における各実施項目の教育実施時間を変更可能に構成したことを特徴とする、5)に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0027】
7) 前記記録手段に記録された患者教育用資料は、前記コンピュータに組み付けられたコンピュータアプリケーションプログラムを用いて内容の改変が可能な態様にてなることを特徴とする1)乃至6)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0028】
8) 前記患者カスタム化ステップは、
患者の典型的な症状疾患パターンに対応して予め決められた実施項目の組み合わせの複数パターンの中からいずれかのパターンを選択して前記患者カスタム化患者教育プログラムの作成が可能であるように構成されたことを特徴とする、1)乃至7)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0029】
9) 前記患者カスタム化患者教育プログラムを作成する際に、この患者の達成目標を作成するステップを有することを特徴とする1)乃至8)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0030】
10) 前記患者カスタム化患者教育プログラムを作成した後に、この患者カスタム化患者教育プログラムに基く治療の実行について前記患者の同意を得るインフォームドコンセント実施のための同意書を作成して印字出力するステップを有することを特徴とする、1)乃至9)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
【0031】
11) 1)乃至10)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【0032】
12) 1)乃至10)のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録した、コンピュータプログラム用記録媒体。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図4に従い、本発明の実施形態に係る好ましい実施例である、患者教育プログラムの実行支援システム(以下、単に「支援システム」ともいう)の説明を行なう。
【0034】
図1は本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である患者教育プログラムの実行支援システムの構成図、図2は図1のシステムが有する雛型プログラム提供用CD−ROMのコード部の構成図、図3は図1のシステムを用いて患者教育プログラムに関わる治療を実行する流れを示すフローチャート、図4は図1のシステムを用いて作成した治療スケジュールの一例である。
【0035】
〔患者教育プログラムの実行支援システムの構成〕
図1に示すように、本実施例の支援システム1は、各病院4、5へ提供される雛型プログラム提供用CD−ROM3、医師、看護師、薬剤師、栄養士等よりなる医療チーム4aが外来あるいは入院患者4bの診療を行う各病院4,5に配設された汎用パーソナルコンピュータ4cを主要な構成としている。
【0036】
上記した雛型プログラム提供用CD―ROM3は、そのコード部3aに下記するような情報を予め記録してあり、所定の読み出し手段を用いてこの情報を光学的に読み出すための記録媒体である。尚、CD−ROMとは異なる他の態様の記録媒体にて雛型プログラムを提供するように構成してもよい。
【0037】
上記したコード部3aは、図2に示すように、下記する各局面での本システム1の動作を行なわせるための汎用パーソナルコンピュータ4c用実行プログラムが記録された実行プログラム部3a1、患者への問診を行なう際に用いる評価項目等のデータを記録したアセスメントホルダ部3a2、患者教育プログラムを実行するにあたり特に医療従事者が知っておくべき治療ガイドライン等を記録しておき医療従事者の読み出しに供するガイドライン部3a3、及び患者教育プログラムを実行する際に必要となる患者指導用の資料を記録した患者教育用資料部3a4とを有している。
【0038】
上記の患者教育用資料部3a4は、この患者教育プログラムを実行するにあたって必要となる患者教育用資料を多数収録して、病院の医療チーム4aはこの収録された多数の資料中から自己の医学的見地及び資源配分の方針に合致するもののみを選択して治療に用いることができるのであり、いわば雛型の患者教育プログラムともいえる。
【0039】
また上記の雛型プログラムは、上記のEBM(科学的根拠に基く治療)のガイドラインに沿った内容とすることは、望ましい態様である。
【0040】
呼吸器疾患を対象とした場合の上記の患者教育用資料部3a4は、例えば、「肺の構造、働き」、「呼吸の訓練」、「薬物療法、吸入薬」、「酸素療法」、「感染予防、急性増悪」、「気道のクリーニング、排痰法」、「日常生活動作、リラクセーション」、「食事(栄養)」、「禁煙指導」、「レクリエーション、患者会、旅行」、「福祉情報」、「運動療法、体操、歩行訓練」などの、患者が疾患を持ちながら生活するために必要な情報、患者の行動変容を促す情報を含んで構成されている。
【0041】
上記のように構成されたので、さまざまな規模や特性を有する全国の医療機関に対して、ただ一種類の雛型プログラム提供用CD−ROM3を提供することで対応することが出来る。
【0042】
また、上記の汎用パーソナルコンピュータ4cは、例えば病院4の診察室に置かれて電子カルテの作成や、診察予約管理やその他の用途に用いられる汎用的なパーソナルコンピュータであって、雛型プログラム提供用CD−ROM3を含めた一般のCD−ROMから情報を読み出すためのCD−ROMドライブ4c1、情報を読み出し可能に記録するハードディスクドライブ4c2、画像や文字情報を表示するモニター部4c4、及び各構成の制御を行う中央処理部4c3を有している。
【0043】
〔支援システムを用いた、患者教育プログラムに従う治療の実行〕
次に、上記の構成を有する支援システム1を用いて、患者教育プログラムに従う治療を実行する手順を、図3のフローチャートを援用して説明する。
【0044】
まず、上記の雛型プログラム提供用CD−ROM3が、各病院に提供される(ステップS1)。
【0045】
次に、雛型プログラム提供用CD−ROM3の提供を受けた病院4では、この雛型プログラム提供用CD−ROM3をCD−ROMドライブ4c1に装着し、この雛型プログラム提供用CD−ROM3のコード部3aに記録されてある情報を読み出して、ハードディスクドライブ4c2へ転送する(ステップS2)。
【0046】
上記の転送はコード部3aに記録されてある情報を全部読み出して転送する構成も、一部のみを読み出して転送する構成も可能であるが、全部を転送するように構成すれば以後の作業を行なう際に雛型プログラム提供用CD−ROM3は不要となるので、望ましい態様である。
【0047】
〔医療従事者カスタム化患者教育プログラムの作成〕
次に、病院4の医療チーム4aは、汎用パーソナルコンピュータ4cに転送された上記の実行プログラムを立ち上げて医療従事者カスタム化患者教育プログラムの作成を行なう。
【0048】
具体的には、雛型プログラム提供用CD−ROM3から汎用パーソナルコンピュータ4cへ転送された、上記した患者教育用資料の内、医療チーム4aの医学的見地及び資源配分の方針に合致した患者教育プログラムに必要な実施項目の患者教育用資料だけを残して、他をハードディスクドライブ4c2から削除する(ステップS3)。
【0049】
尚、治療を行なう医療機関が小規模である場合には、上記の医療チーム4aは一人の医師よりなる場合もあることは言うまでも無い。
【0050】
また、上記の雛型プログラム提供用CD−ROM3にもともと含まれては居ないものの、この医療チーム4aの医学的見地及び資源配分の方針からプログラムに含めるべき実施項目がある場合には、このパーソナルコンピュータ4cを用いてこの実施項目の患者教育用資料を作成するために、テキスト情報の入力、画像情報の取り込みが実行される(ステップS4)。
【0051】
あるいはまた、もともと雛型プログラム提供用CD−ROM3に含まれていた患者教育用資料ではあるものの、その内容を医療チーム4aが改変を望む場合には、この汎用コンピュータにインストールされている汎用ワードプロセッサアプリケーションプログラムを起動するなどして、上記の改変を行なうことも可能となっている。
【0052】
これらの作業を経ることにより、医療チーム4aの医学的見地及び資源配分の方針に合致した患者教育プログラムである医療従事者カスタム化患者教育プログラムが完成して、ハードディスクドライブ4c2に記録される(ステップS5)。
【0053】
この医療従事者カスタム化患者教育プログラムは、医療チーム4aの実情に合わせて、通常の外来型、外来短期集中型、入院型といったように治療の場所を設定して治療の実行が行なえるように構成されている。
【0054】
〔患者への治療実行〕
病院4の外来患者あるいは入院患者4bに対し、上記の医療従事者カスタム化患者教育プログラムに従う治療を行なう手順は以下の通りである。
【0055】
まず、患者4bに対して医療チーム4aあるいは他の医療従事者が問診を行なう。問診の内容は、先に説明したアセスメントホルダ部3a2に記録され、汎用パーソナルコンピュータ4cへ転送された情報を用いることが出来、この情報に従いモニター部4c4に表示された質問に対してこの汎用パーソナルコンピュータ4cの操作部を操作して問診へ回答をすることが出来る。
【0056】
すると、汎用パーソナルコンピュータ4cは、問診の回答結果に応じて、先に説明した医療従事者カスタム化患者教育プログラムの実施項目の内からこの患者4bの疾患症状に照らして適合する実施項目を選択編成した患者カスタム化患者教育プログラムを作成し、ハードディスクドライブ4c2に記録する(ステップS6)。
【0057】
また、汎用パーソナルコンピュータ4cは、作成された患者カスタム化患者教育プログラムを用いてこの患者4bの治療スケジュール(クリティカルパス等)を作成し、ハードディスクドライブ4c2に記録するとともに、モニター部4c4に表示したり、図示しないプリンタで印字出力を行なう。図4は作成された患者向け表示用の治療スケジュールの一例であり、図示しないがこの他に医療チーム4aが業務日程や人員配置を管理するための医療従事者向け治療スケジュール等も作成することが出来る。
【0058】
尚、これらの治療スケジュール作成に際して、ひとつの項目の実施時間を雛型プログラムのとおりに固定的に設定するのではなく、医療チーム4aの医学的見解や資源配分の方針に応じて、例えば5分、あるいは30分などというように変更して設定することも可能としている。
【0059】
以上の作業を経て、この患者4bの疾患症状に適合した患者教育プログラムである、患者カスタム化患者教育プログラムが完成する(ステップS7)。これにより、患者教育プログラム提供側である医療従事者も、重複無くもれなく効率的な管理が可能となる。
【0060】
次に医療チーム4aは、作成した患者カスタム化患者教育プログラムや治療スケジュールを患者4bに明示するとともに、この治療の実行に同意する旨の同意書を作成し、患者4bの署名を得て、インフォームドコンセントを取得する。
【0061】
尚、上記の同意書の作成は汎用パーソナルコンピュータ4cが実行して図示しないプリンタを用いて印字出力をしてもよく、また、この患者カスタム化患者教育プログラムの終了時に達成されているべき達成目標を、汎用パーソナルコンピュータ4c上で動作する上記した実行プログラムが作成して上記の同意書に記載しても良い(ステップS8)。
【0062】
達成目標の例は、「自分の肺疾患について理解する」、「活動量や持続力を増す」、「息切れを減らす」などである。
【0063】
その後は同意した患者教育プログラム及び治療スケジュールに従って患者4bは治療を受けることとなる。
【0064】
すなわち、例えば外来短期集中型で治療を受ける事例では、上記の治療スケジュールで指定された日時に医療チーム4aを訪れた患者4bは、この患者4bの患者カスタム化治療スケジュールに含まれる実施項目の患者教育用資料がハードディスク4c2から読み出されてモニター部4c4に表示されるのを見て指導を受け、またこの患者教育用資料はプリンタにて印字出力されることにより患者4bが持ち帰ることも可能である(ステップS9)。
【0065】
また、上記の患者教育を行なった際に、表示あるいは印字した患者教育資料の種類、内容、実施の日時、担当した医療従事者の氏名等をハードディスクドライブ4c2に記録してエビデンスとして、医療保険請求の根拠やその他の目的に使用することも出来る(ステップS10)。
【0066】
一連の治療スケジュールが終了すると、医療チーム4aは、上記の達成目標が治療後に達成できたか、という観点を含めた評価を行い、治療の終了等を判断する(ステップS11)。
【0067】
目標が達成されない場合には、同じ患者教育プログラムを再度実行するか、あるいは問診を再度行なってより適切な患者カスタム化患者教育プログラムを作成しなおす、などの対応を行なう(ステップS12)。
【0068】
〔変形例〕
上記した支援システム1の構成は発明を例示するための一構成例に過ぎず、その他のさまざまな変形、応用が可能である。対象疾患も、呼吸器のみならず、他のあらゆる慢性疾患、生活習慣病等において活用できる。
【0069】
例えば、上記の雛型プログラムをCD−ROMを用いて病院へ提供するのではなく、所定のサーバ装置から病院のコンピュータへ送信するように構成したり、あるいは、この雛型プログラムを記録したサーバ装置へ病院のコンピュータがアクセスし、病院の医療従事者は自己の医学的見地及び資源配分の方針に合致する実施項目の資料のみを選択してこのサーバ装置から病院のコンピュータにダウンロードするようにしてもよい。
【0070】
あるいはまた、上記の患者カスタム化患者教育プログラムを作成する際に、この疾患における患者の典型的な症状疾患パターンに対応して予め決められた実施項目の組み合わせの複数パターンの中からいずれかのパターンを選択して作成することが可能であるように構成してもよい。
【0071】
【発明の効果】
上記に詳述した如く、本発明のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法を実施することにより、医療従事者に患者指導用資料作成の負担を強いることなく、各医療従事者の医学的見地及び資源配分方針に沿った内容、及び各患者の疾患症状に適合した内容にて患者教育プログラムを作成し、且つこのプログラムに従う治療を効率的に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る好ましい実施例であるにおける患者教育プログラムの実行支援システムの構成図である。
【図2】図1のシステムが有する雛型プログラム提供用CD−ROMのコード部の構成図である。
【図3】図1のシステムを用いて患者教育プログラムに関わる治療を実行する流れを示すフローチャートである。
【図4】図1のシステムを用いて作成した治療スケジュールの一例である。
【符号の説明】
1 患者教育プログラムの実行支援システム
3 雛型プログラム提供用CD−ROM(記録媒体)
3a コード部
4 病院(医療機関)
4a 医療チーム(医療従事者)
4b 患者
4c 汎用パーソナルコンピュータ(医療機関のコンピュータ)
4c2 ハードディスクドライブ(記録手段)
4c4 モニター部(表示手段)
Claims (12)
- インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだコード部を有するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が医療機関へ提供される、雛型プログラム提供ステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作し、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記記録媒体に含まれない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育用資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。 - インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだ情報がサーバ装置から医療機関のコンピュータへ送信される、雛型プログラム送信ステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作し、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記送信された情報に含まれていない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。 - インフォームドコンセントをベースにして患者の行動変容を促し且つ自立機能を向上させるための患者教育プログラムに基く治療の実行を支援する方法であって、
(1)前記患者教育プログラムの中で実行が可能な複数の実施項目についての患者教育用資料を少なくとも含んだ情報が記録されたサーバ装置に医療機関のコンピュータがアクセスする、雛型プログラムアクセスステップと、
(2)前記医療機関の医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記複数の実施項目の中から任意の実施項目を選択操作して前記コンピュータへダウンロードし、及び/又は、前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記サーバ装置に記録されていない新たな実施項目の追加作成の操作をすることにより、前記選択及び追加作成された実施項目の患者教育資料よりなる医療従事者カスタム化患者教育プログラムがこの医療機関のコンピュータの記録手段に記録される、医療従事者カスタム化ステップと、
(3)患者に対してなされた問診の結果に基いて、前記記録手段に記録されてある前記医療従事者カスタム化患者教育プログラムに含まれる実施項目の中から前記患者の疾患症状に即した所定の実施項目が選択されることにより患者カスタム化患者教育プログラムが作成される、患者カスタム化ステップと、
(4)前記患者カスタム化患者教育プログラムに含まれる患者教育用資料が所定の表示手段を用いてこの患者に提示され、及び/又は、当該患者教育用資料が所定の印字手段を用いて印字媒体に印字されることにより、この患者に対する患者教育の実行が支援される患者教育支援ステップとを有することを特徴とする、インフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。 - 前記患者教育支援ステップにおいて前記患者教育用資料が提示又は印字された事実を記録保持して治療実行のエビデンスとするステップを有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
- 前記作成された患者カスタム化患者教育プログラムに従いこの患者に対する患者教育を実行すべきスケジュールを自動生成するステップを有することを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
- 前記スケジュールを自動生成するステップは、
前記医療従事者が自己の医学的方針及び資源配分の方針に従い前記患者教育における各実施項目の教育実施時間を変更可能に構成したことを特徴とする、請求項5に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。 - 前記記録手段に記録された患者教育用資料は、前記コンピュータに組み付けられたコンピュータアプリケーションプログラムを用いて内容の改変が可能な態様にてなることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
- 前記患者カスタム化ステップは、
患者の典型的な症状疾患パターンに対応して予め決められた実施項目の組み合わせの複数パターンの中からいずれかのパターンを選択して前記患者カスタム化患者教育プログラムの作成が可能であるように構成されたことを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。 - 前記患者カスタム化患者教育プログラムを作成する際に、この患者の達成目標を作成するステップを有することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
- 前記患者カスタム化患者教育プログラムを作成した後に、この患者カスタム化患者教育プログラムに基く治療の実行について前記患者の同意を得るインフォームドコンセント実施のための同意書を作成して印字出力するステップを有することを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載のインフォームドコンセントをベースにした患者教育プログラムの実行支援方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムを記録した、コンピュータプログラム用記録媒体。
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Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006072533A (ja) * | 2004-08-31 | 2006-03-16 | Toshiba Corp | 治療方針決定支援システム |
| JP2011070668A (ja) * | 2009-09-23 | 2011-04-07 | General Electric Co <Ge> | 医療リソースを管理するための方法およびシステム |
| WO2013103814A3 (en) * | 2012-01-04 | 2013-09-12 | Universal Research Solutions LLC | Interactive medical education modules |
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-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308043A patent/JP2004145507A/ja active Pending
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