JP2004146093A - 絶縁紙 - Google Patents

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Yasuro Kashiwagi
柏木 康郎
Yoshiki Takahashi
高橋 芳樹
Hiroshi Aihara
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Toyota Motor Corp
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Abstract

【目的】本発明は、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙において、前記内装材を、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、絶縁紙の機械的強度及び絶縁性の著しい向上を実現したものであり、従って、本発明は、このような特性を満足させた新規な絶縁紙を提供することを目的とする。
【構成】本発明は、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙であって、前記内装材が、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材で形成されていることを特徴とする絶縁紙。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてモーターステータ製造工程等において、コア材と巻き線間を絶縁するために用いられる絶縁紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モーター(電動機)は、磁界中で電流が力を受けることを利用し、電気エネルギーを回転などの機械エネルギーに変換する装置であり、一方、逆の変換をする装置、即ち回転などのエネルギーを電気エネルギーに返還する装置を発電機という。
【0003】
一般に、これらモーター及び発電器は、固定子、回転子及び整流子で構成されており、前記固定子は、複数個のスロットを有する鉄心(コア)と、この鉄心のスロット内にスロット絶縁物を介して収納されたエナメル線などの導線等を巻き付けた巻き線からなる。
【0004】
従来、前記スロット絶縁物としては、例えば、芳香族ポリアミドやポリエチレンテレフタレートからなる絶縁紙を単独で用いることが多かったが、単体構成のものは極めて傷つきやすく、また、ピンホールが発生しやすかったため、絶縁性能についても著しく信頼性が乏しいものであるため、限定された構成上でしか使用できないという問題があった。
【0005】
そのため、最近では、耐熱性と挿入時のすべり性を向上するために、アラミド不織布、ポリイミド・ポリエチレンナフタレート等の耐熱性に優れるフイルム基材に、絶縁性及び加工性に優れるポリエステルフイルム・ポリエチレンナフタレート等を積層して構成された多層構成の絶縁紙が使用されるようになってきている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
ところで、近年、モータや発電器の小型化や高効率化が強く望まれており、このような高性能のモータや発電器を設計するためには、スロット内の巻き線の線積率を上げることが必要不可欠となっている。
【0007】
しかしながら、スロット内の巻き線の線積率を上げた場合、鉄心との絶縁距離をとるために、スロット部より飛び出た絶縁紙(スロット紙)の折り曲げた部分(カフス部)がスロットに挿入したエナメル線により著しく引っ張り力が集中するため、傷がつきやすく、引っ張り力により絶縁紙が裂けることがある。
【0008】
このため裂け易い部分に対して補強用テープを貼りつけたり、特にダメージを受けやすい前記カフス部の成形加工時の条件(温度・湿度・加工速度)を材料に合わせて制限することにより絶縁紙を裂け難くする手段が講じられているが、十分ではなく、絶縁性能が著しく低下するといった問題が発生している。
【0009】
又、コイルの相間に使用される絶縁紙(相間紙)についても、コイル成形時の応力集中により傷がついたり裂けたりすることがある。
【0010】
更に、スロット内部にコイルはみ出しを防ぐために挿入される絶縁紙(ウェッジ紙)についてもコイル占積率の上昇とともに挿入圧力が極めて高くなっており、このため挿入時において強度不足による座屈や変形が生ずるといった問題も発生している。
【0011】
本発明者は、前記技術的課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙において、前記内装材を、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、前記問題を解決しうる絶縁紙を得られるとの知見を得たのである。
【0012】
即ち、多層構成の絶縁紙における内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、絶縁紙の機械的強度を著しく向上させることができる結果、傷つきや裂け更に座屈が防止されるとの知見を得たのである。
【0013】
又、多層構成の絶縁紙における内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、単にアラミド繊維やガラス繊維の不織布を内装材として用いた場合と比較して絶縁性能及び絶縁寿命が著しく向上し、結果としてモーターや発電器の性能が長期間にわたって安定ないし向上するとの知見も得たのである。
【0014】
本発明は、前記知見に基づき完成されたものであり、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙において、前記内装材を、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、絶縁紙の機械的強度や絶縁性を著しく向上させたものであり、従って、本発明は、このような特性を満足させた新規な絶縁紙を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る絶縁紙においては、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙であって、前記内装材が、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材であることを特徴とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明の絶縁紙においては、内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材を内装材として用いた点、に最も大きな特徴を有する。
【0017】
即ち、本発明の絶縁紙においては、多層構成の絶縁紙における内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、絶縁紙の機械的強度を著しく向上させることができる上、安定した絶縁性能を付与することができるのである。
【0018】
ここで、前記無機繊維及び有機繊維としては、特に限定されるものではなく、公知の無機繊維及び有機繊維を適宜選択して用いることができるが、物理的強度及び絶縁性能などの観点から、特に前記無機繊維の好適な例としてはガラス繊維が挙げられるのであり、又、前記有機繊維の好適な例としてはアラミド繊維を挙げることができる。
【0019】
そして、本発明の絶縁紙における内装材は、このような無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸することにより形成されるのであり、この場合において用いられる樹脂としては、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂又はウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。
【0020】
そして、この内装材の厚みとしては、選択した無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布や樹脂の種類、後述する外装材の種類や厚さ及び最終的な絶縁紙に要求される性能に応じて適宜選択することができるので、特に限定されるものではないが、一般的には0.01〜0.5mm程度が好ましく、特に0.05〜0.25mmが一層好ましい。
【0021】
内装材の厚みが0.01mm未満と薄い場合には、均一なフィルムを形成することが困難となり、又、所望の物理的強度及び絶縁性能が得られなくなるおそれがあるため好ましくなく、一方、0.5mmより厚い場合は、柔軟性が低下し、作業性が悪くなるため好ましくない。
【0022】
本発明の絶縁紙は、前記内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構造のものであり、ここで用いられる前記外装材は、主として絶縁紙に滑り性及び耐熱性を付与するものである。
【0023】
従って、本発明の絶縁紙において用いられる外装材としては、当該絶縁紙に要求される滑り性及び耐熱性を付与するものであれば特に限定されるものではなく、公知のプラスチックフィルムを適宜選択して用いることができる。
【0024】
一般的に、プラスチックフィルムは、その厚みに応じて機械的強度等の特性が変化するため、本発明においては、これらの特性を満足するプラスチックフィルムを外装材として適宜選択して用いることができるのであり、具体的に例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルムを挙げることができるが、特に耐熱性に優れる芳香族ポリアミド系のプラスチックフィルムが好ましく、又、強度の観点から、これらのプラスチックフィルムを2層以上積層した積層フィルムも用いることもできる。
【0025】
そして、この外装材の厚さとしても、特に制限されるものではないが、一般的には0.01〜0.5mm程度が好ましく、特に0.05〜0.25mmが一層好ましい。
【0026】
外装材の厚さが0.01mm未満になると機械的強度が下がるため好ましくなく、一方、外装材の厚さが0.5mmを超えると、テープ全体の柔軟性が低下し、作業性が悪くなるため好ましくない。
【0027】
ここで、本発明に係る絶縁紙は、前記内装材の片面或いは両面に前記外装材を積層してなるものであるが、この際、その積層方法としては、接着剤による張り合わせが最も一般的である。
【0028】
本発明において用いられる接着剤としては、非溶剤系、溶剤系のいずれも用いることができるので、特に限定されるものではないが、接着剤の耐熱性や接着剤を塗布する際の作業性を鑑みて、硬化型の溶剤系接着剤が最も望ましい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
図1の断面図に示すように、本発明の絶縁紙1は、内装材2の片面ないし両面、この場合、両面に外装材3を積層してなる多層構成の絶縁紙である。
【0031】
そして、本発明の絶縁紙1は、内装材2として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材を内装材として用いた点に最も大きな特徴を有する。
【0032】
即ち、多層構成の絶縁紙1における内装材2として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、絶縁紙の機械的強度を著しく向上させることができる上、安定した絶縁性能を付与することができるのである。
尚、図1において、4は接着剤層である。
【0033】
実施例1
厚さ0.065mmのガラスクロス(日東紡社製 WLA06/105BY54N)に表1に示す配合割合の樹脂を含浸硬化させ、内装材(樹脂含有率50%、厚さ0.075mm)を作成した。
得られた内装材の両面に、表2に示す配合割合の接着剤を片面当たり10〜20μm塗布し、次いでメタ系芳香族ポリアミドフィルム(商品名NOMEX410(2mils))を積層し、130℃で24時間にわたり硬化反応させることにより本発明の絶縁紙を得た。
【0034】
【表1】
Figure 2004146093
【0035】
【表2】
Figure 2004146093
【0036】
比較例1
厚さ0.075mmのポリエステルフィルムを内装材とし、この内装材の両面に、表2に示す配合割合の接着剤を片面当たり10〜20μm塗布し、次いでメタ系芳香族ポリアミドフィルム(商品名NOMEX410(2mils))を積層し、130℃で24時間にわたり硬化反応させることにより絶縁紙を得た。
【0037】
比較例2
厚さ0.065mmのガラスクロス(日東紡社製 WLA06/105BY54N)を内装材とし、この内装材の両面に、表2に示す配合割合の接着剤を片面当たり10〜20μm塗布し、次いでメタ系芳香族ポリアミドフィルム(商品名NOMEX410(2mils))を積層し、130℃で24時間にわたり硬化反応させることにより絶縁紙を得た。
【0038】
実施例の絶縁紙と比較例1の絶縁紙との引張強度をJIS C 2317に準拠して測定したところ、比較例1の絶縁紙の引張強度が約300N/15mmであったのに対し、実施例の絶縁紙の引張強度は約500N/15mmと、約1.67倍の強度を有していることが確認された。
【0039】
又、比較例1の絶縁紙は、B種(130℃)〜F種(150℃)程度の耐熱性しか有さないのに対し、実施例の絶縁紙は、ガラスクロスに樹脂を含浸させた内装材を用いていることからH種(180℃)以上の耐熱性を示すことが認められた。
【0040】
更に、比較例2の絶縁紙は、単にガラスクロス基材を内装材とする構成であるため、JIS C 2317による絶縁破壊電圧の測定方法で測定した結果、8.0KVと低く、絶縁性が悪いことが認められた。これに対して、実施例の絶縁紙は、ガラスクロスに樹脂を含浸させた内装材を用いていることから、JIS C 2317による絶縁破壊電圧の測定方法で測定した結果、14.0KVと高く、絶縁性能も著しく向上していることが認められた。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る絶縁紙においては、内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙において、前記内装材を、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材とすることにより、機械的強度及び絶縁性が著しく向上するなどの効果を奏するのである。
【0042】
即ち、本発明に係る絶縁紙においては、多層構成の絶縁紙における内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材を用いることによって、当該絶縁紙の機械的強度を著しく向上させることができる結果、傷つきや裂け更に座屈等の発生を防止することができるなどの効果を発現するのである。
【0043】
又、本発明に係る絶縁紙においては、多層構成の絶縁紙における内装材として、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材を用いることによって、単にアラミド繊維やガラス繊維の不織布を内装材として用いた場合と比較して絶縁性能及び絶縁寿命が著しく向上し、結果としてモーターや発電器の性能が長期間にわたって安定するなどの効果も発現するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の絶縁紙の断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁紙
2 内装材
3 外装材
4 接着剤層

Claims (4)

  1. 内装材の片面ないし両面に外装材を積層してなる多層構成の絶縁紙であって、前記内装材が、無機繊維及び/又は有機繊維の不織布又は織布に樹脂を含浸してなる繊維強化プラスチックフィルム基材で形成されていることを特徴とする絶縁紙。
  2. 無機繊維がガラス繊維である請求項1に記載の絶縁紙。
  3. 有機繊維がアラミド繊維である請求項1又は2に記載の絶縁紙。
  4. 樹脂が、熱硬化性樹脂である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の絶縁紙。
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