JP2004146127A - エネルギー蓄積デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】集電体又は金属製容器と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスを提供する。
【解決手段】電解液と、電解液に浸された一対の電極4、5と、一対の電極4、5の間に配置されたセパレータと、一対の電極4、5とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体2a、2bとを含む。各集電体の電極側の表面の一部に炭素系導電層6が形成され、炭素系導電層6を介して一対の電極4、5と一対の集電体2a、2bがそれぞれ電気的に接続されており、各集電体の電極側の表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域がイオン絶縁性物質8で被覆されている。
【選択図】 図1
【解決手段】電解液と、電解液に浸された一対の電極4、5と、一対の電極4、5の間に配置されたセパレータと、一対の電極4、5とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体2a、2bとを含む。各集電体の電極側の表面の一部に炭素系導電層6が形成され、炭素系導電層6を介して一対の電極4、5と一対の集電体2a、2bがそれぞれ電気的に接続されており、各集電体の電極側の表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域がイオン絶縁性物質8で被覆されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギー蓄積デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギー蓄積デバイスには、代表的なものとして、電気化学キャパシタ、及び電池があり、従来から、それぞれの特徴を生かした使用がされている。電気化学キャパシタには、活性炭を分極性電極として用い、活性炭の細孔表面と電解液との界面に形成される電気二重層を利用した電気二重層キャパシタや、酸化ルテニウム等の連続的に価数が変化する遷移金属酸化物やドーピング可能な導電性高分子を利用したレドックスキャパシタ等がある。
【0003】
また電池は、活物質のインターカーレーションや化学反応を利用し、充放電を可能とした二次電池と、一度放電すると再度の充電が不可能な一次電池に大別される。
【0004】
このようなエネルギー蓄積デバイス全てに共通する構成の中で、起電反応のもとになる活物質を含む電極が必須となるが、電極に蓄積されたエネルギーを外部に取り出すためには、さらに、電極と電気的に接続された、電子伝導性を有する集電体が必要となる。
【0005】
集電体には、活物質のエネルギーを高効率で伝導するため、一般にアルミニウム、銅、ステンレス等の極めて抵抗値の低い金属材料を用いることができるが、電解液に硫酸水溶液等の金属腐食性を有する溶液を用いる場合には、例えば、導電性を付与したゴム系材料を用いることがある。
【0006】
近年、エネルギー蓄積デバイスの用途の拡大に従い、より低抵抗で、大電流の放電が可能であり、かつ優れた低温特性が実現されたエネルギー蓄積デバイスが要望されつつある。このため、エネルギー蓄積デバイスの中で原理的に最も抵抗の低い電気二重層キャパシタが注目され、電極と集電体の接合面に炭素系導電層を設ける技術が開発された。この技術の開発の背景には、電気二重層キャパシタは、電極の電子抵抗が他の二次電池と比較して低く、デバイスの全抵抗に占める、電極と集電体間の接触抵抗の割合が無視できない程大きいことがある。
【0007】
電極と集電体間の接触抵抗を低下させるため、集電体として、その一部が導電性を有するブチルゴムで被覆された金属ラミネートシートを用いる技術が特許文献1に開示されている。これは柔軟性に富むブチルゴムを用いることにより、電極と集電体間の接触抵抗を低下させて内部抵抗の低いエネルギー蓄積デバイスが得られるようにしたものである。
【0008】
エネルギー蓄積デバイスは、一般に、正極と負極を構成する一対の電極、電極の間に配置されたセパレータ、それぞれの電極に接続された集電体、これら部材を浸す電解液が金属製容器に収容され構成されている。コイン型エネルギー蓄積デバイスは、炭素系導電層を用いる場合、金属製容器を兼ねる集電体は、少なくとも炭素系導電層を介して電解液と電気的に接触しており、炭素系導電層の形状によっては、電解液と直接接触している場合もある。一方、円筒型エネルギー蓄積デバイスでは、集電体である金属箔は、電極とともに捲回されて電解液中に浸されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−335494号公報(第2頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、いずれの形態のエネルギー蓄積デバイスにおいても、集電体と電解液が電気的に接触しているため、集電体又は金属製容器の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出し、これが原因となり、漏れ電流やインピーダンスが増加し、デバイスの信頼性が低下する問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術における問題点を解決し、集電体又は金属製容器と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含む。各集電体の電極側の表面の一部に炭素系導電層が形成され、炭素系導電層を介して一対の電極と一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されており、各集電体の電極側の表面上における炭素系導電層が形成されていない領域がイオン絶縁性物質で被覆されている。
【0013】
この構成により、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制される。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスの製造方法は、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含むエネルギー蓄積デバイスの製造方法であって、イオン絶縁性物質で各集電体の表面を被覆する工程と、イオン絶縁性物質の一部を剥離して各集電体にその表面が露出した領域を形成する工程と、この領域上に炭素系導電層を形成し、炭素系導電層を介して一対の電極と一対の集電体とをそれぞれ電気的に接続する工程とを含む。
【0015】
この構成により、炭素系導電層と集電体が直接接触している領域の面積が小さくなり、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出がより効果的に抑制される。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含む。各集電体の電極側の表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質で被覆され、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質を介して一対の電極と一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
この構成により、炭素系導電層が不要となり、金属イオンの電解液への溶出がさらに効果的に抑制される。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、円筒形状の金属製容器に収容された電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含み、一対の電極、セパレータ、及び一対の集電体は互いに積層されるように捲回されて容器に収納されている。この容器から金属イオンが電解液へ溶出しないように容器の内側の表面がイオン絶縁性の物質により被覆されている。
【0019】
この構成により、金属製容器に由来する金属イオンの電解液への溶出を効果的に抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1の断面図を示す。コイン型エネルギー蓄積デバイス1は、上方に向かって開口するように略円筒形状に形成された正極集電体2aを備えている。正極集電体2aには、下方に向かって開口するように略円筒形状に形成された負極集電体2bが、正極集電体2aに形成された開口に挿入されるように設けられている。正極集電体2aと負極集電体2bの間には、電解液(図示せず)が収容されており、正極集電体2aの周縁と負極集電体2bの周縁との間に形成されたガスケットによって封入されている。このように、正極集電体2a及び負極集電体2bは、電解液を収容する容器を構成している。正極集電体2aと負極集電体2bとの間には、略円板形状をしたセパレータ3が設けられている。セパレータ3における正極集電体2aの底面側の表面には略円柱形状をした正電極4が設けられており、セパレータ3における負極集電体2bの底面側の表面には略円柱形状をした負電極5が設けられている。正電極4と正極集電体2aとの間には炭素系導電層6が、正電極4と整合するように形成されている。負電極5と負極集電体2bとの間には炭素系導電層6が、負電極5と整合するように形成されている。
【0022】
正極集電体2aの内面には、イオン絶縁性物質8が、炭素系導電層6が形成されていない領域に形成されている。負極集電体2bの内面には、イオン絶縁性物質8が、同様に形成されている。正極集電体2aの内面に形成されたイオン絶縁性物質8は、正極集電体2aとガスケットとの間に介在するように設けられており、負極集電体2bの内面に形成されたイオン絶縁性物質8は、負極集電体2bとガスケット7との間に介在するように設けられている。
【0023】
このように、各イオン絶縁性物質8は、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出する量が極力低減するように正極集電体2aと負極集電体2bをそれぞれ被覆している。
【0024】
正電極4と負電極5は、それぞれ活物質、導電材、及び結合材から構成されている。活物質には、エネルギー密度、耐電圧、出力密度、低温特性等の要求特性に応じて、種々の物質を用いることができる。電気二重層キャパシタとして機能させる場合は、充放電を可能とし、高い出力密度と優れた低温特性が必要となるため、例えば、正電極4と負電極5の活物質に活性炭を用いることができる。また、リチウムイオン二次電池として機能させる場合は、充放電を可能とし、高いエネルギー密度が必要となるため、例えば、正電極4の活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム酸化金属、負電極5の活物質にグラファイトを用いることができる。なお、1回の放電でよく、リチウムイオン一次電池として機能させるには、例えば、正電極4の活物質にリチウム酸化金属、負電極5の活物質に金属リチウムを用いることができる。
【0025】
また、導電材と結合材には、デバイスの種類に依存せず、導電材にカーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を、結合材にフッ素系樹脂やゴム系樹脂をそれぞれ用いることができる。但し、導電材と結合材は、いずれもデバイスを使用する電圧範囲や温度条件下で劣化しない材料を選択することが必要である。
【0026】
セパレータ3には、デバイスの種類に依存せず、ポリプロピレン等を用いることができるが、例えば、リフロー対応が必要な場合は、耐熱性のある材料、例えば、セルロース系の材料を用いることが必要である。
【0027】
正極集電体2aと負極集電体2bには、デバイスの種類に依存せず、アルミニウム、ステンレス等の金属や、それらのクラッド材を用いることができる。なお、正極集電体2aや負極集電体2bの代わりに、必要に応じて異種金属を張り合わせたクラッド材を使用することもできるが、この場合は、クラッド材の電極側の金属部分のみが集電体として機能する。
【0028】
炭素系導電層6は、デバイスの種類に依存せず、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種がバインダーにより固着されて構成されている。バインダーとしては、ポリアミドイミド、エチレン−アクリル酸、ポリビニルブチラール、ウレタン、カルボキシメチルセルロース(略称CMC;Carboxymethyl cellulose)、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体等が挙げられる。
【0029】
イオン絶縁性物質8には、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。特に、イソプレンイソブチレンゴムやスチレンブタジエンゴム等のブチルゴムは、安価なため、好ましく用いることができる。
【0030】
電解液には、デバイスの種類に応じた材料を選ぶことが必要である。まず、溶媒は、使用電圧範囲によって電気化学的に分解しないような電位窓を有することが必要であり、一般にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、又はそれらの混合溶媒を用いることができるが、リフロー対応が必要な場合は、リフロー時に電解液が沸騰しないように、例えばスルフォラン等の高沸点溶媒を用いることが必要である。また、電解質としては、電気二重層キャパシタ用として、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを用いることができ、リチウムイオン二次電池用として、例えば、リチウムペンタフルオロフォスフェートを用いることができる。
【0031】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0032】
まず、黒鉛をバインダー及び溶媒と混練してペーストを調整し、これを刷毛等で正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面に塗布してペースト塗布層を形成し、さらに乾燥して炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面に形成する。ここで、バインダーとしては、ポリアミドイミド、エチレン−アクリル酸、ポリビニルブチラール、ウレタン、CMC、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体等を必要に応じて使用することができる。なお、これら材料は、乾燥温度と乾燥時間を適宜調節すれば、炭素系導電層6の特性に何ら影響はない。また、溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、N―メチルピロリドン、プロピレングリコール・モノメチルアセテート等を使用することができるが、乾燥により全て揮発するため、炭素系導電層6の特性に何ら影響はない。
【0033】
このように炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面の一部に形成し、正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域に、イオン絶縁性物質8であるIIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を塗布して乾燥した後、正極集電体2aと負極集電体2bの表面の炭素系導電層6をそれぞれ正電極4及び負電極5と電気的に接続し、さらに通常の方法に従うことにより、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1が得られる。なお、炭素系導電層6と正電極4又は負電極5の接続は、ペースト塗布層の乾燥前に行っても良い。この場合、ペースト塗布層に正電極4及び負電極5を付着させ、乾燥して炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面の一部に形成した後、正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域にイオン絶縁性物質8を塗布して乾燥する。
【0034】
図2は、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1に設けられた正電極4、正極集電体2a、イオン絶縁性物質8、及び炭素系導電層6を模式的に示す図である。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2a上に炭素系導電層6が形成され、その上に正電極4が形成されている。正極集電体2aの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域がイオン絶縁性物質8により被覆されている。図2はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0035】
この構成との比較のため、図8に従来のコイン型エネルギー蓄積デバイスの模式図を示す。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2a上に炭素系導電層6が形成され、その上に正電極4が形成されている。このように正極集電体2aの表面はイオン絶縁性物質により被覆されていない。
【0036】
以上のように、この構成においては、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出する量が極力低減するように正極集電体2a及び負極集電体2bをそれぞれ被覆する一対のイオン絶縁性物質8が設けられている。このため、集電体の一部が金属イオンとなって電解液へ溶出することに起因する漏れ電流の増加及びインピーダンスの増加が抑制される。その結果、信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0037】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、図3に示す構成でも良い。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2aの表面はイオン絶縁性物質8aにより被覆され、イオン絶縁性物質8aの一部が剥離されて正極集電体2aにその表面が露出した領域が形成されている。当該領域上に炭素系導電層6が形成され、炭素系導電層6と正極集電体2aが電気的に接続されている。さらに炭素系導電層6上に正電極4が形成されている。図3はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0038】
この構成は、例えば、イオン絶縁性物質8aを正極集電体2aの表面の全面に塗布して乾燥した後、イオン絶縁性物質8aの一部を剥離して正極集電体2aにその表面が露出した領域を形成し、この領域上に、前述した方法により炭素系導電層6を形成し、正電極4と炭素系導電層6とを電気的に接続して得られる。ここで、剥離の方法としては、紫外線照射や熱プレス等が好ましい。
【0039】
さらに、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、図4に示す構成でも良い。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2aの表面は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されており、その上に正電極4が形成され、正電極4と炭素系導電層6とが電気的に接続されている。図4はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0040】
この構成は、例えば、正極集電体2aの全面を電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆した後、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bに正電極4を接触させて得られる。電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bとしては、例えば、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種と、導電材とを含むものが挙げられる。ここで、導電材としては、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bとして、具体的には、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを用いることができる。コイン型エネルギー蓄積デバイス1において、図2及び図3に示したイオン絶縁性物質の代わりに、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bを用いることにより、炭素系導電層が不要となり、金属製容器を兼ねる集電体と電解液が接触している領域が実質的に皆無となって、金属イオンの電解液への溶出がさらに効果的に抑制される。
【0041】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイスによれば、集電体の表面がイオン絶縁性物質8a又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されていることから、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0042】
(実施の形態2)
図5(a)に、本実施の形態における円筒型エネルギー蓄積デバイス10の外観図を示す。円筒型エネルギー蓄積デバイス10は、円筒形状をした、アルミニウムやSUS製の金属製容器9を備えており、その中に、電解液(図示せず)が収容され、封口体11によってその上面が閉じられている。金属製容器9内に、帯状の正電極4及び負電極5が収納されている。正電極4と負電極5は、それぞれ上電極4aと下電極4b、上電極5aと下電極5bにより構成されている。上電極4aと下電極4b、上電極5aと下電極5bの間には、それぞれ帯状の正極集電体2aと負極集電体2bが挟み込まれている。正電極4と負電極5は、さらに2枚のセパレータ3が積層されて捲回され、電解液中に浸されている。正極集電体2aと負極集電体2bには、それぞれ正極リード12aと負極リード12bが接続され、封口体11を通過して金属製容器9外に引き出されている。
【0043】
図5(b)に、図5(a)中にAの領域で示した円筒型エネルギー蓄積デバイス10の電極部分の構成図を示す。正電極4は、上電極4a/正極集電体2a/下電極4bの構成となっている。正極集電体2aの上電極4a側の表面と下電極4b側の表面は、それぞれ電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bで被覆されている。また、負電極5は、上電極5a/負極集電体2b/下電極5bの構成となっている。負極集電体2bの上電極5a側の表面と下電極5b側の表面は、それぞれ電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8で被覆されている。正電極4の金属製容器9側の表面と、正電極4と負電極5の間にはセパレータ3が配置されている。
【0044】
このように、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bは、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出しないように正極集電体2aと負極集電体2bをそれぞれ被覆している。
【0045】
本実施の形態では、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bの代わりに、炭素系導電層を使用しても良いし、従来例のように何も用いないでも良い。
【0046】
また、本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10においては、図示を省略するが、金属製容器9の内側の表面は、金属製容器9から金属イオンが電解液へ溶出しないようにイオン絶縁性物質が塗布されている。
【0047】
正電極4と負電極5は、それぞれ活物質、導電材、及び結合材から構成されている。活物質には、エネルギー密度、耐電圧、出力密度、低温特性等の要求特性に応じて、種々の物質を用いることができる。電気二重層キャパシタとして機能させる場合は、充放電を可能とし、高い出力密度と優れた低温特性が必要となるため、例えば、正電極4と負電極5の活物質に活性炭を用いることができる。また、リチウムイオン二次電池として機能させる場合は、充放電を可能とし、高いエネルギー密度が必要となるため、例えば、正電極4の活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム酸化金属、負電極5の活物質にグラファイトを用いることができる。なお、1回の放電でよく、リチウムイオン一次電池として機能させるには、例えば、正電極4の活物質にリチウム酸化金属、負電極5の活物質に金属リチウムを用いることができる。
【0048】
また、導電材には、デバイスの種類に依存せず、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。また、正電極4と負電極5は、厚さが数10μm程度とコイン型と比べて薄いため、結合材には、例えば、カルボキシメチルセルロースを使用することが好ましい。但し、導電材と結合材は、いずれも使用する電圧範囲や温度条件下で劣化しない材料を選択することが必要である。
【0049】
セパレータ3には、デバイスの種類に依存せず、実施の形態1と同様なものを用いることができる。
【0050】
正極集電体2aと負極集電体2bは、捲回する必要があるため、ある程度の柔軟性を備えることが必要となる。このため、一般にはアルミニウムや銅の箔が用いられる。
【0051】
電解液及び電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bには、デバイスの種類に依存せず、それぞれ実施の形態1と同様なものを用いることができる。
【0052】
本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10は、例えば、次の方法によって製造することができる。
【0053】
まず、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを溶媒と混練してペーストを調整し、アルミニウムエッチド箔(集電体)を一定速度で移動させながら、その表面にこのペーストをコーターで塗布してペースト塗布層を形成する。その後、乾燥して表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されたアルミニウムエッチド箔を作製する。
【0054】
また、これと並行して、活性炭10gとアセチレンブラック4gを容器に入れ、よく混合し、これにメチルアルコール40cm3と水100cm3を添加し、ホモジナイザーを用いて攪拌しながらカルボキシメチルセルロース1.2gを徐々に加え、活性炭スラリーを作製する。
【0055】
次いで、この活性炭スラリーに、表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されたアルミニウムエッチド箔を浸して引き上げた後、常温で30分、次いでオーブン中、105℃で1時間乾燥する。続いて、箔の一部を剥ぎ取り、ここにリードをカシメにより接続して、リード付き活性炭電極を作製する。
【0056】
続いて、この活性炭電極を2本用意し、ビスコースレーヨン製セパレータを介在させて円筒型に捲回し、さらにオーブン中、150℃で約24時間乾燥した後、この捲回物をテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(電解質)のプロピレンカーボネート溶液(1.0mol/l)に浸漬し、さらに減圧して捲回物に電解質を含浸させる。
【0057】
得られた捲回物を、2個所にリード用の穴を開けておいたブチルゴム製の封口体に取り付け、さらに、アルミニウム製の円筒型容器内に封入し、さらに通常の方法に従うことにより、本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10が得られる。
【0058】
本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイスによれば、電解液と接触する集電体の表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されていることから、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。さらに、金属製容器9の内側の表面が、金属製容器9から金属イオンが電解液へ溶出しないようにイオン絶縁性物質により被覆されていることから、金属製容器9に由来する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、より信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0060】
(実施例1)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、黒鉛を1.0重量%アクリル樹脂と2.5重量%イソプロピルアルコール水溶液により混合拡散させて炭素系導電層用ペーストを調整し、各ステンレスケースの内側の一部の領域に、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。ここで、ペーストを塗布した領域の面積を、電極を配置するために必要となる面積より少し大きめとした。
【0061】
また、各ステンレスケースの内側のペーストが塗布されていない領域に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの内側に炭素系導電層とブチルゴム層を形成した。
【0062】
次に、活性炭粒子(表面積1500m2/g、平均粒径40μm)、ケッチェンブラック、及びポリテトラフルオロエチレンを重量比で7:2:1の比率で混合し、錠剤整形機により成形した後、150℃で12時間放置して乾燥し、略円柱形状の電極を2個作製した。
【0063】
その内の1個(正電極)を正極ケースとなるステンレスケースの炭素系導電層上に載置し、その上にセルロース系のセパレータを配置し、さらにその上に2個めのコイン形状の電極(負電極)を載置した。
【0064】
この積層体を、負極ケースとなるステンレスケースで被い、1.5Mエチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートをスルフォランに溶解させた電解液を注液した後、ポリフェニレンサルファイド製のガスケットを用いて油圧カシメを行い、電極とステンレスケース上に形成された炭素系導電層を電気的に接続させて図3に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製した。
【0065】
得られたコンデンサについて、漏れ電流(LC)と周波数1kHzにおけるインピーダンスを測定し、その特性を評価した。ここで、漏れ電流は、1.5Vで4時間保持した後に測定した。また、インピーダンスは、最高温度240℃でリフローした後に60℃で3.3Vで恒温負荷試験を行い、経時変化を測定した。
【0066】
(実施例2)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、各ステンレスケースの内側の全面に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。
【0067】
次に、各ステンレスケースの内側のブチルゴム塗布層の一部を紫外線照射により剥離してステンレスケースの表面が露出した領域を形成し、この領域に、実施例1と同様にして調整した炭素系導電層用ペーストを、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの内側に炭素系導電層とブチルゴム層を形成した。
【0068】
次いで、実施例1と同様にして、図4に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0069】
(実施例3)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、各ステンレスケースの内側の全面に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの表面に電子伝導性を有するブチルゴム層を形成した。
【0070】
次に、実施例1と同様にして、コイン形状の電極を2個作製し、その内の1個(正電極)を正極ケースとなるステンレスケースのブチルゴム層上に載置し、その上にセルロース系のセパレータを配置し、さらにその上に2個めのコイン形状の電極(負電極)を載置した。
【0071】
次いで、実施例1と同様にして、図5に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、実施例1と同様に漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0072】
(比較例1)
ステンレスケースの内側の炭素系導電層が塗布されていない領域に、IIRイソプレンイソブチレンラバーを塗布しなかった以外は実施例1と同様にして図6に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、実施例1と同様に漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0073】
図6に、実施例1〜3及び比較例1におけるコイン型電気二重層コンデンサのLC特性の結果を示す。このように、実施例1〜3のコイン型電気二重層コンデンサの漏れ電流はいずれも比較例1のそれと比べて半分以下であり、実施例1〜3の順に小さくなり、実施例3では比較例1と比べて4分の1以下となり、格段に小さくなっている。
【0074】
この原因は、次のように推定できる。即ち、実施例のコイン型電気二重層コンデンサでは、いずれも金属製容器がイオン絶縁性物質又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質により被われ、金属製容器を兼ねる集電体が電解液と直接接触していないため、例えば、金属製容器がSUSの場合には成分の鉄が鉄イオンとなって電解液中に溶出する程度が抑制され、漏れ電流が低く抑えられている。一方、比較例のコイン型電気二重層コンデンサでは、金属製容器が電解液と直接接触している領域が存在しており、このため、時間の経過と共に金属製容器の一部が金属イオンとなって電解液へ溶出し、漏れ電流が大きくなっている。
【0075】
また、実施例1と実施例2のコイン型電気二重層コンデンサでは、いずれも金属製容器はイオン絶縁性物質により被われているため、金属製容器と電解液は直接接触していないが、炭素系導電層が電解液と直接接触していることから、炭素系導電層を通じて金属製容器から金属イオンの電解液への溶出が生じる。この際、炭素系導電層と、集電体を兼ねた金属製容器が接触している領域の面積が大きい程、金属イオンの溶出の程度が大きくなり、当該領域の面積の小さい実施例2のコイン型電気二重層コンデンサの方が、実施例1のそれより漏れ電流が小さくなっている。
【0076】
一方、実施例3では、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質によって金属製容器の全面が被覆され、金属製容器を兼ねる集電体と電解液が接触している領域が実質的に皆無となっていることから、金属イオンの溶出は極めて少なくなり、実施例1及び実施例2と比べて、漏れ電流が格段に小さくなっている。
【0077】
以上より、漏れ電流の大きさは、集電体の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出する程度と密接に関連していると考えられる。
【0078】
また、図7に、実施例1〜3及び比較例1におけるコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスの経時変化を示す。このように、実施例1〜3のコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスはいずれも比較例のそれと比べてかなり小さく、また、実施例1〜3の順に小さくなり、特に実施例3では500時間を超えると500〜600Ωとなり、実施例1及び実施例2と比べて、格段に小さくなっている。
【0079】
この原因は、次のように推定できる。即ち、上述したように、金属イオンの溶出の程度は実施例3、2、1、比較例1のコイン型電気二重層コンデンサの順に大きくなる。溶出した金属イオンが多くなると、コンデンサの損失が大きくなってコンデンサが抵抗として作用するようになる。このため、実施例3、2、1、比較例1のコイン型電気二重層コンデンサの順にインピーダンスが大きくなる。
【0080】
以上より、インピーダンスも、漏れ電流同様、集電体の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出する程度と密接に関連していると考えられる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、集電体又は金属製容器の表面にイオン絶縁性物質又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質が形成されていることから、集電体又は金属製容器と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの断面図
【図2】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの構成図
【図3】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの別の構成図
【図4】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスのさらに別の構成図
【図5】実施の形態2における円筒型エネルギー蓄積デバイスの外観図(a)、構成図(b)
【図6】各実施例におけるコイン型電気二重層コンデンサの漏れ電流を示すグラフ
【図7】各実施例におけるコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスの経時変化を示すグラフ
【図8】従来例のコイン型エネルギー蓄積デバイスの下部断面図
【符号の説明】
1 コイン型エネルギー蓄積デバイス
2a 正極集電体
2b 負極集電体
3 セパレータ
4 正電極
4a 上電極
4b 下電極
5 負電極
5a 上電極
5b 下電極
6 炭素系導電層
7 ガスケット
8、8a イオン絶縁性物質
8b 電子伝導性を有するイオン絶縁性物質
9 金属製容器
11 封口体
10 円筒型エネルギー蓄積デバイス
12a 正極リード
12b 負極リード
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギー蓄積デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギー蓄積デバイスには、代表的なものとして、電気化学キャパシタ、及び電池があり、従来から、それぞれの特徴を生かした使用がされている。電気化学キャパシタには、活性炭を分極性電極として用い、活性炭の細孔表面と電解液との界面に形成される電気二重層を利用した電気二重層キャパシタや、酸化ルテニウム等の連続的に価数が変化する遷移金属酸化物やドーピング可能な導電性高分子を利用したレドックスキャパシタ等がある。
【0003】
また電池は、活物質のインターカーレーションや化学反応を利用し、充放電を可能とした二次電池と、一度放電すると再度の充電が不可能な一次電池に大別される。
【0004】
このようなエネルギー蓄積デバイス全てに共通する構成の中で、起電反応のもとになる活物質を含む電極が必須となるが、電極に蓄積されたエネルギーを外部に取り出すためには、さらに、電極と電気的に接続された、電子伝導性を有する集電体が必要となる。
【0005】
集電体には、活物質のエネルギーを高効率で伝導するため、一般にアルミニウム、銅、ステンレス等の極めて抵抗値の低い金属材料を用いることができるが、電解液に硫酸水溶液等の金属腐食性を有する溶液を用いる場合には、例えば、導電性を付与したゴム系材料を用いることがある。
【0006】
近年、エネルギー蓄積デバイスの用途の拡大に従い、より低抵抗で、大電流の放電が可能であり、かつ優れた低温特性が実現されたエネルギー蓄積デバイスが要望されつつある。このため、エネルギー蓄積デバイスの中で原理的に最も抵抗の低い電気二重層キャパシタが注目され、電極と集電体の接合面に炭素系導電層を設ける技術が開発された。この技術の開発の背景には、電気二重層キャパシタは、電極の電子抵抗が他の二次電池と比較して低く、デバイスの全抵抗に占める、電極と集電体間の接触抵抗の割合が無視できない程大きいことがある。
【0007】
電極と集電体間の接触抵抗を低下させるため、集電体として、その一部が導電性を有するブチルゴムで被覆された金属ラミネートシートを用いる技術が特許文献1に開示されている。これは柔軟性に富むブチルゴムを用いることにより、電極と集電体間の接触抵抗を低下させて内部抵抗の低いエネルギー蓄積デバイスが得られるようにしたものである。
【0008】
エネルギー蓄積デバイスは、一般に、正極と負極を構成する一対の電極、電極の間に配置されたセパレータ、それぞれの電極に接続された集電体、これら部材を浸す電解液が金属製容器に収容され構成されている。コイン型エネルギー蓄積デバイスは、炭素系導電層を用いる場合、金属製容器を兼ねる集電体は、少なくとも炭素系導電層を介して電解液と電気的に接触しており、炭素系導電層の形状によっては、電解液と直接接触している場合もある。一方、円筒型エネルギー蓄積デバイスでは、集電体である金属箔は、電極とともに捲回されて電解液中に浸されている。
【0009】
【特許文献1】
特開平7−335494号公報(第2頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、いずれの形態のエネルギー蓄積デバイスにおいても、集電体と電解液が電気的に接触しているため、集電体又は金属製容器の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出し、これが原因となり、漏れ電流やインピーダンスが増加し、デバイスの信頼性が低下する問題があった。
【0011】
本発明は、このような従来技術における問題点を解決し、集電体又は金属製容器と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含む。各集電体の電極側の表面の一部に炭素系導電層が形成され、炭素系導電層を介して一対の電極と一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されており、各集電体の電極側の表面上における炭素系導電層が形成されていない領域がイオン絶縁性物質で被覆されている。
【0013】
この構成により、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制される。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスの製造方法は、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含むエネルギー蓄積デバイスの製造方法であって、イオン絶縁性物質で各集電体の表面を被覆する工程と、イオン絶縁性物質の一部を剥離して各集電体にその表面が露出した領域を形成する工程と、この領域上に炭素系導電層を形成し、炭素系導電層を介して一対の電極と一対の集電体とをそれぞれ電気的に接続する工程とを含む。
【0015】
この構成により、炭素系導電層と集電体が直接接触している領域の面積が小さくなり、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出がより効果的に抑制される。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含む。各集電体の電極側の表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質で被覆され、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質を介して一対の電極と一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
この構成により、炭素系導電層が不要となり、金属イオンの電解液への溶出がさらに効果的に抑制される。
【0018】
また、上記目的を達成するために、本発明のエネルギー蓄積デバイスは、次の構成を有する。即ち、円筒形状の金属製容器に収容された電解液と、電解液に浸された一対の電極と、一対の電極の間に配置されたセパレータと、一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含み、一対の電極、セパレータ、及び一対の集電体は互いに積層されるように捲回されて容器に収納されている。この容器から金属イオンが電解液へ溶出しないように容器の内側の表面がイオン絶縁性の物質により被覆されている。
【0019】
この構成により、金属製容器に由来する金属イオンの電解液への溶出を効果的に抑制することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1に、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1の断面図を示す。コイン型エネルギー蓄積デバイス1は、上方に向かって開口するように略円筒形状に形成された正極集電体2aを備えている。正極集電体2aには、下方に向かって開口するように略円筒形状に形成された負極集電体2bが、正極集電体2aに形成された開口に挿入されるように設けられている。正極集電体2aと負極集電体2bの間には、電解液(図示せず)が収容されており、正極集電体2aの周縁と負極集電体2bの周縁との間に形成されたガスケットによって封入されている。このように、正極集電体2a及び負極集電体2bは、電解液を収容する容器を構成している。正極集電体2aと負極集電体2bとの間には、略円板形状をしたセパレータ3が設けられている。セパレータ3における正極集電体2aの底面側の表面には略円柱形状をした正電極4が設けられており、セパレータ3における負極集電体2bの底面側の表面には略円柱形状をした負電極5が設けられている。正電極4と正極集電体2aとの間には炭素系導電層6が、正電極4と整合するように形成されている。負電極5と負極集電体2bとの間には炭素系導電層6が、負電極5と整合するように形成されている。
【0022】
正極集電体2aの内面には、イオン絶縁性物質8が、炭素系導電層6が形成されていない領域に形成されている。負極集電体2bの内面には、イオン絶縁性物質8が、同様に形成されている。正極集電体2aの内面に形成されたイオン絶縁性物質8は、正極集電体2aとガスケットとの間に介在するように設けられており、負極集電体2bの内面に形成されたイオン絶縁性物質8は、負極集電体2bとガスケット7との間に介在するように設けられている。
【0023】
このように、各イオン絶縁性物質8は、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出する量が極力低減するように正極集電体2aと負極集電体2bをそれぞれ被覆している。
【0024】
正電極4と負電極5は、それぞれ活物質、導電材、及び結合材から構成されている。活物質には、エネルギー密度、耐電圧、出力密度、低温特性等の要求特性に応じて、種々の物質を用いることができる。電気二重層キャパシタとして機能させる場合は、充放電を可能とし、高い出力密度と優れた低温特性が必要となるため、例えば、正電極4と負電極5の活物質に活性炭を用いることができる。また、リチウムイオン二次電池として機能させる場合は、充放電を可能とし、高いエネルギー密度が必要となるため、例えば、正電極4の活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム酸化金属、負電極5の活物質にグラファイトを用いることができる。なお、1回の放電でよく、リチウムイオン一次電池として機能させるには、例えば、正電極4の活物質にリチウム酸化金属、負電極5の活物質に金属リチウムを用いることができる。
【0025】
また、導電材と結合材には、デバイスの種類に依存せず、導電材にカーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を、結合材にフッ素系樹脂やゴム系樹脂をそれぞれ用いることができる。但し、導電材と結合材は、いずれもデバイスを使用する電圧範囲や温度条件下で劣化しない材料を選択することが必要である。
【0026】
セパレータ3には、デバイスの種類に依存せず、ポリプロピレン等を用いることができるが、例えば、リフロー対応が必要な場合は、耐熱性のある材料、例えば、セルロース系の材料を用いることが必要である。
【0027】
正極集電体2aと負極集電体2bには、デバイスの種類に依存せず、アルミニウム、ステンレス等の金属や、それらのクラッド材を用いることができる。なお、正極集電体2aや負極集電体2bの代わりに、必要に応じて異種金属を張り合わせたクラッド材を使用することもできるが、この場合は、クラッド材の電極側の金属部分のみが集電体として機能する。
【0028】
炭素系導電層6は、デバイスの種類に依存せず、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種がバインダーにより固着されて構成されている。バインダーとしては、ポリアミドイミド、エチレン−アクリル酸、ポリビニルブチラール、ウレタン、カルボキシメチルセルロース(略称CMC;Carboxymethyl cellulose)、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体等が挙げられる。
【0029】
イオン絶縁性物質8には、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。特に、イソプレンイソブチレンゴムやスチレンブタジエンゴム等のブチルゴムは、安価なため、好ましく用いることができる。
【0030】
電解液には、デバイスの種類に応じた材料を選ぶことが必要である。まず、溶媒は、使用電圧範囲によって電気化学的に分解しないような電位窓を有することが必要であり、一般にプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、又はそれらの混合溶媒を用いることができるが、リフロー対応が必要な場合は、リフロー時に電解液が沸騰しないように、例えばスルフォラン等の高沸点溶媒を用いることが必要である。また、電解質としては、電気二重層キャパシタ用として、例えば、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートを用いることができ、リチウムイオン二次電池用として、例えば、リチウムペンタフルオロフォスフェートを用いることができる。
【0031】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0032】
まず、黒鉛をバインダー及び溶媒と混練してペーストを調整し、これを刷毛等で正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面に塗布してペースト塗布層を形成し、さらに乾燥して炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面に形成する。ここで、バインダーとしては、ポリアミドイミド、エチレン−アクリル酸、ポリビニルブチラール、ウレタン、CMC、アクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合体等を必要に応じて使用することができる。なお、これら材料は、乾燥温度と乾燥時間を適宜調節すれば、炭素系導電層6の特性に何ら影響はない。また、溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、N―メチルピロリドン、プロピレングリコール・モノメチルアセテート等を使用することができるが、乾燥により全て揮発するため、炭素系導電層6の特性に何ら影響はない。
【0033】
このように炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面の一部に形成し、正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域に、イオン絶縁性物質8であるIIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を塗布して乾燥した後、正極集電体2aと負極集電体2bの表面の炭素系導電層6をそれぞれ正電極4及び負電極5と電気的に接続し、さらに通常の方法に従うことにより、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1が得られる。なお、炭素系導電層6と正電極4又は負電極5の接続は、ペースト塗布層の乾燥前に行っても良い。この場合、ペースト塗布層に正電極4及び負電極5を付着させ、乾燥して炭素系導電層6を正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面の一部に形成した後、正極集電体2aと負極集電体2bのそれぞれの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域にイオン絶縁性物質8を塗布して乾燥する。
【0034】
図2は、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1に設けられた正電極4、正極集電体2a、イオン絶縁性物質8、及び炭素系導電層6を模式的に示す図である。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2a上に炭素系導電層6が形成され、その上に正電極4が形成されている。正極集電体2aの表面上における炭素系導電層6が形成されていない領域がイオン絶縁性物質8により被覆されている。図2はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0035】
この構成との比較のため、図8に従来のコイン型エネルギー蓄積デバイスの模式図を示す。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2a上に炭素系導電層6が形成され、その上に正電極4が形成されている。このように正極集電体2aの表面はイオン絶縁性物質により被覆されていない。
【0036】
以上のように、この構成においては、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出する量が極力低減するように正極集電体2a及び負極集電体2bをそれぞれ被覆する一対のイオン絶縁性物質8が設けられている。このため、集電体の一部が金属イオンとなって電解液へ溶出することに起因する漏れ電流の増加及びインピーダンスの増加が抑制される。その結果、信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0037】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、図3に示す構成でも良い。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2aの表面はイオン絶縁性物質8aにより被覆され、イオン絶縁性物質8aの一部が剥離されて正極集電体2aにその表面が露出した領域が形成されている。当該領域上に炭素系導電層6が形成され、炭素系導電層6と正極集電体2aが電気的に接続されている。さらに炭素系導電層6上に正電極4が形成されている。図3はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0038】
この構成は、例えば、イオン絶縁性物質8aを正極集電体2aの表面の全面に塗布して乾燥した後、イオン絶縁性物質8aの一部を剥離して正極集電体2aにその表面が露出した領域を形成し、この領域上に、前述した方法により炭素系導電層6を形成し、正電極4と炭素系導電層6とを電気的に接続して得られる。ここで、剥離の方法としては、紫外線照射や熱プレス等が好ましい。
【0039】
さらに、本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイス1は、図4に示す構成でも良い。正極集電体2aはデバイス1の正極ケースを兼ねる。正極集電体2aの表面は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されており、その上に正電極4が形成され、正電極4と炭素系導電層6とが電気的に接続されている。図4はデバイス1の正極側の構成を示したが、負極側の構成も同様である。
【0040】
この構成は、例えば、正極集電体2aの全面を電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆した後、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bに正電極4を接触させて得られる。電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bとしては、例えば、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種と、導電材とを含むものが挙げられる。ここで、導電材としては、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bとして、具体的には、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを用いることができる。コイン型エネルギー蓄積デバイス1において、図2及び図3に示したイオン絶縁性物質の代わりに、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bを用いることにより、炭素系導電層が不要となり、金属製容器を兼ねる集電体と電解液が接触している領域が実質的に皆無となって、金属イオンの電解液への溶出がさらに効果的に抑制される。
【0041】
本実施の形態のコイン型エネルギー蓄積デバイスによれば、集電体の表面がイオン絶縁性物質8a又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されていることから、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0042】
(実施の形態2)
図5(a)に、本実施の形態における円筒型エネルギー蓄積デバイス10の外観図を示す。円筒型エネルギー蓄積デバイス10は、円筒形状をした、アルミニウムやSUS製の金属製容器9を備えており、その中に、電解液(図示せず)が収容され、封口体11によってその上面が閉じられている。金属製容器9内に、帯状の正電極4及び負電極5が収納されている。正電極4と負電極5は、それぞれ上電極4aと下電極4b、上電極5aと下電極5bにより構成されている。上電極4aと下電極4b、上電極5aと下電極5bの間には、それぞれ帯状の正極集電体2aと負極集電体2bが挟み込まれている。正電極4と負電極5は、さらに2枚のセパレータ3が積層されて捲回され、電解液中に浸されている。正極集電体2aと負極集電体2bには、それぞれ正極リード12aと負極リード12bが接続され、封口体11を通過して金属製容器9外に引き出されている。
【0043】
図5(b)に、図5(a)中にAの領域で示した円筒型エネルギー蓄積デバイス10の電極部分の構成図を示す。正電極4は、上電極4a/正極集電体2a/下電極4bの構成となっている。正極集電体2aの上電極4a側の表面と下電極4b側の表面は、それぞれ電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bで被覆されている。また、負電極5は、上電極5a/負極集電体2b/下電極5bの構成となっている。負極集電体2bの上電極5a側の表面と下電極5b側の表面は、それぞれ電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8で被覆されている。正電極4の金属製容器9側の表面と、正電極4と負電極5の間にはセパレータ3が配置されている。
【0044】
このように、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bは、正極集電体2a又は負極集電体2bから金属イオンが電解液へ溶出しないように正極集電体2aと負極集電体2bをそれぞれ被覆している。
【0045】
本実施の形態では、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bの代わりに、炭素系導電層を使用しても良いし、従来例のように何も用いないでも良い。
【0046】
また、本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10においては、図示を省略するが、金属製容器9の内側の表面は、金属製容器9から金属イオンが電解液へ溶出しないようにイオン絶縁性物質が塗布されている。
【0047】
正電極4と負電極5は、それぞれ活物質、導電材、及び結合材から構成されている。活物質には、エネルギー密度、耐電圧、出力密度、低温特性等の要求特性に応じて、種々の物質を用いることができる。電気二重層キャパシタとして機能させる場合は、充放電を可能とし、高い出力密度と優れた低温特性が必要となるため、例えば、正電極4と負電極5の活物質に活性炭を用いることができる。また、リチウムイオン二次電池として機能させる場合は、充放電を可能とし、高いエネルギー密度が必要となるため、例えば、正電極4の活物質にコバルト酸リチウム等のリチウム酸化金属、負電極5の活物質にグラファイトを用いることができる。なお、1回の放電でよく、リチウムイオン一次電池として機能させるには、例えば、正電極4の活物質にリチウム酸化金属、負電極5の活物質に金属リチウムを用いることができる。
【0048】
また、導電材には、デバイスの種類に依存せず、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。また、正電極4と負電極5は、厚さが数10μm程度とコイン型と比べて薄いため、結合材には、例えば、カルボキシメチルセルロースを使用することが好ましい。但し、導電材と結合材は、いずれも使用する電圧範囲や温度条件下で劣化しない材料を選択することが必要である。
【0049】
セパレータ3には、デバイスの種類に依存せず、実施の形態1と同様なものを用いることができる。
【0050】
正極集電体2aと負極集電体2bは、捲回する必要があるため、ある程度の柔軟性を備えることが必要となる。このため、一般にはアルミニウムや銅の箔が用いられる。
【0051】
電解液及び電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bには、デバイスの種類に依存せず、それぞれ実施の形態1と同様なものを用いることができる。
【0052】
本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10は、例えば、次の方法によって製造することができる。
【0053】
まず、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを溶媒と混練してペーストを調整し、アルミニウムエッチド箔(集電体)を一定速度で移動させながら、その表面にこのペーストをコーターで塗布してペースト塗布層を形成する。その後、乾燥して表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されたアルミニウムエッチド箔を作製する。
【0054】
また、これと並行して、活性炭10gとアセチレンブラック4gを容器に入れ、よく混合し、これにメチルアルコール40cm3と水100cm3を添加し、ホモジナイザーを用いて攪拌しながらカルボキシメチルセルロース1.2gを徐々に加え、活性炭スラリーを作製する。
【0055】
次いで、この活性炭スラリーに、表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されたアルミニウムエッチド箔を浸して引き上げた後、常温で30分、次いでオーブン中、105℃で1時間乾燥する。続いて、箔の一部を剥ぎ取り、ここにリードをカシメにより接続して、リード付き活性炭電極を作製する。
【0056】
続いて、この活性炭電極を2本用意し、ビスコースレーヨン製セパレータを介在させて円筒型に捲回し、さらにオーブン中、150℃で約24時間乾燥した後、この捲回物をテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(電解質)のプロピレンカーボネート溶液(1.0mol/l)に浸漬し、さらに減圧して捲回物に電解質を含浸させる。
【0057】
得られた捲回物を、2個所にリード用の穴を開けておいたブチルゴム製の封口体に取り付け、さらに、アルミニウム製の円筒型容器内に封入し、さらに通常の方法に従うことにより、本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイス10が得られる。
【0058】
本実施の形態の円筒型エネルギー蓄積デバイスによれば、電解液と接触する集電体の表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質8bにより被覆されていることから、集電体と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。さらに、金属製容器9の内側の表面が、金属製容器9から金属イオンが電解液へ溶出しないようにイオン絶縁性物質により被覆されていることから、金属製容器9に由来する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、より信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0060】
(実施例1)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、黒鉛を1.0重量%アクリル樹脂と2.5重量%イソプロピルアルコール水溶液により混合拡散させて炭素系導電層用ペーストを調整し、各ステンレスケースの内側の一部の領域に、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。ここで、ペーストを塗布した領域の面積を、電極を配置するために必要となる面積より少し大きめとした。
【0061】
また、各ステンレスケースの内側のペーストが塗布されていない領域に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの内側に炭素系導電層とブチルゴム層を形成した。
【0062】
次に、活性炭粒子(表面積1500m2/g、平均粒径40μm)、ケッチェンブラック、及びポリテトラフルオロエチレンを重量比で7:2:1の比率で混合し、錠剤整形機により成形した後、150℃で12時間放置して乾燥し、略円柱形状の電極を2個作製した。
【0063】
その内の1個(正電極)を正極ケースとなるステンレスケースの炭素系導電層上に載置し、その上にセルロース系のセパレータを配置し、さらにその上に2個めのコイン形状の電極(負電極)を載置した。
【0064】
この積層体を、負極ケースとなるステンレスケースで被い、1.5Mエチルメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートをスルフォランに溶解させた電解液を注液した後、ポリフェニレンサルファイド製のガスケットを用いて油圧カシメを行い、電極とステンレスケース上に形成された炭素系導電層を電気的に接続させて図3に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製した。
【0065】
得られたコンデンサについて、漏れ電流(LC)と周波数1kHzにおけるインピーダンスを測定し、その特性を評価した。ここで、漏れ電流は、1.5Vで4時間保持した後に測定した。また、インピーダンスは、最高温度240℃でリフローした後に60℃で3.3Vで恒温負荷試験を行い、経時変化を測定した。
【0066】
(実施例2)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、各ステンレスケースの内側の全面に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)を、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。
【0067】
次に、各ステンレスケースの内側のブチルゴム塗布層の一部を紫外線照射により剥離してステンレスケースの表面が露出した領域を形成し、この領域に、実施例1と同様にして調整した炭素系導電層用ペーストを、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの内側に炭素系導電層とブチルゴム層を形成した。
【0068】
次いで、実施例1と同様にして、図4に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0069】
(実施例3)
正極ケース及び負極ケースとなるステンレスケースを用意し、各ステンレスケースの内側の全面に、IIRイソプレンイソブチレンラバー(ブチルゴム含有量:7重量%)に球状黒鉛を20重量%含有させたものを、その厚さが均一になるように刷毛で塗布した。その後、恒温槽を用いて空気中60℃で10分間乾燥を行い、各ステンレスケースの表面に電子伝導性を有するブチルゴム層を形成した。
【0070】
次に、実施例1と同様にして、コイン形状の電極を2個作製し、その内の1個(正電極)を正極ケースとなるステンレスケースのブチルゴム層上に載置し、その上にセルロース系のセパレータを配置し、さらにその上に2個めのコイン形状の電極(負電極)を載置した。
【0071】
次いで、実施例1と同様にして、図5に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、実施例1と同様に漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0072】
(比較例1)
ステンレスケースの内側の炭素系導電層が塗布されていない領域に、IIRイソプレンイソブチレンラバーを塗布しなかった以外は実施例1と同様にして図6に示す構成のコイン型電気二重層コンデンサを作製し、実施例1と同様に漏れ電流(LC)と、インピーダンスの経時変化を測定した。
【0073】
図6に、実施例1〜3及び比較例1におけるコイン型電気二重層コンデンサのLC特性の結果を示す。このように、実施例1〜3のコイン型電気二重層コンデンサの漏れ電流はいずれも比較例1のそれと比べて半分以下であり、実施例1〜3の順に小さくなり、実施例3では比較例1と比べて4分の1以下となり、格段に小さくなっている。
【0074】
この原因は、次のように推定できる。即ち、実施例のコイン型電気二重層コンデンサでは、いずれも金属製容器がイオン絶縁性物質又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質により被われ、金属製容器を兼ねる集電体が電解液と直接接触していないため、例えば、金属製容器がSUSの場合には成分の鉄が鉄イオンとなって電解液中に溶出する程度が抑制され、漏れ電流が低く抑えられている。一方、比較例のコイン型電気二重層コンデンサでは、金属製容器が電解液と直接接触している領域が存在しており、このため、時間の経過と共に金属製容器の一部が金属イオンとなって電解液へ溶出し、漏れ電流が大きくなっている。
【0075】
また、実施例1と実施例2のコイン型電気二重層コンデンサでは、いずれも金属製容器はイオン絶縁性物質により被われているため、金属製容器と電解液は直接接触していないが、炭素系導電層が電解液と直接接触していることから、炭素系導電層を通じて金属製容器から金属イオンの電解液への溶出が生じる。この際、炭素系導電層と、集電体を兼ねた金属製容器が接触している領域の面積が大きい程、金属イオンの溶出の程度が大きくなり、当該領域の面積の小さい実施例2のコイン型電気二重層コンデンサの方が、実施例1のそれより漏れ電流が小さくなっている。
【0076】
一方、実施例3では、電子伝導性を有するイオン絶縁性物質によって金属製容器の全面が被覆され、金属製容器を兼ねる集電体と電解液が接触している領域が実質的に皆無となっていることから、金属イオンの溶出は極めて少なくなり、実施例1及び実施例2と比べて、漏れ電流が格段に小さくなっている。
【0077】
以上より、漏れ電流の大きさは、集電体の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出する程度と密接に関連していると考えられる。
【0078】
また、図7に、実施例1〜3及び比較例1におけるコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスの経時変化を示す。このように、実施例1〜3のコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスはいずれも比較例のそれと比べてかなり小さく、また、実施例1〜3の順に小さくなり、特に実施例3では500時間を超えると500〜600Ωとなり、実施例1及び実施例2と比べて、格段に小さくなっている。
【0079】
この原因は、次のように推定できる。即ち、上述したように、金属イオンの溶出の程度は実施例3、2、1、比較例1のコイン型電気二重層コンデンサの順に大きくなる。溶出した金属イオンが多くなると、コンデンサの損失が大きくなってコンデンサが抵抗として作用するようになる。このため、実施例3、2、1、比較例1のコイン型電気二重層コンデンサの順にインピーダンスが大きくなる。
【0080】
以上より、インピーダンスも、漏れ電流同様、集電体の一部が金属イオンとなって電解液中に溶出する程度と密接に関連していると考えられる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、集電体又は金属製容器の表面にイオン絶縁性物質又は電子伝導性を有するイオン絶縁性物質が形成されていることから、集電体又は金属製容器と電解液との接触に起因する金属イオンの電解液への溶出が効果的に抑制され、漏れ電流とインピーダンスが低減した信頼性の高いエネルギー蓄積デバイスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの断面図
【図2】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの構成図
【図3】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスの別の構成図
【図4】実施の形態1におけるコイン型エネルギー蓄積デバイスのさらに別の構成図
【図5】実施の形態2における円筒型エネルギー蓄積デバイスの外観図(a)、構成図(b)
【図6】各実施例におけるコイン型電気二重層コンデンサの漏れ電流を示すグラフ
【図7】各実施例におけるコイン型電気二重層コンデンサのインピーダンスの経時変化を示すグラフ
【図8】従来例のコイン型エネルギー蓄積デバイスの下部断面図
【符号の説明】
1 コイン型エネルギー蓄積デバイス
2a 正極集電体
2b 負極集電体
3 セパレータ
4 正電極
4a 上電極
4b 下電極
5 負電極
5a 上電極
5b 下電極
6 炭素系導電層
7 ガスケット
8、8a イオン絶縁性物質
8b 電子伝導性を有するイオン絶縁性物質
9 金属製容器
11 封口体
10 円筒型エネルギー蓄積デバイス
12a 正極リード
12b 負極リード
Claims (8)
- 電解液と、前記電解液に浸された一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたセパレータと、前記一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含むエネルギー蓄積デバイスにおいて、
各集電体の前記電極側の表面の一部に炭素系導電層が形成され、前記炭素系導電層を介して前記一対の電極と前記一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されており、
各集電体の前記電極側の表面上における前記炭素系導電層が形成されていない領域がイオン絶縁性物質で被覆されていることを特徴とするエネルギー蓄積デバイス。 - 電解液と、前記電解液に浸された一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたセパレータと、前記一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含むエネルギー蓄積デバイスの製造方法であって、
イオン絶縁性物質で各集電体の表面を被覆する工程と、
前記イオン絶縁性物質の一部を剥離して各集電体にその表面が露出した領域を形成する工程と、
前記領域上に炭素系導電層を形成し、前記炭素系導電層を介して前記一対の電極と前記一対の集電体とをそれぞれ電気的に接続する工程とを含むことを特徴とするエネルギー蓄積デバイスの製造方法。 - 電解液と、前記電解液に浸された一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたセパレータと、前記一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含むエネルギー蓄積デバイスにおいて、
各集電体の前記電極側の表面が電子伝導性を有するイオン絶縁性物質で被覆され、
前記電子伝導性を有するイオン絶縁性物質を介して前記一対の電極と前記一対の集電体がそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とするエネルギー蓄積デバイス。 - 前記イオン絶縁性の物質が、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むものである請求項1に記載のエネルギー蓄積デバイス。
- 前記ブチルゴムが、イソプレンイソブチレンゴム又はスチレンブタジエンゴムである請求項4に記載のエネルギー蓄積デバイス。
- 前記電子伝導性を有するイオン絶縁性の物質が、ブチルゴム、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミ系カップリング剤、フッ素系樹脂、ジエン系ポリマー、オレフィン系ポリマー、スチレン系ポリマー、アクリレート系ポリマー、ポリアミド酸系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、エステル縮合系ポリマー、及びセルロース系ポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種と、導電材とを含むものである請求項3に記載のエネルギー蓄積デバイス。
- 前記導電材が、カーボンブラック、黒鉛、銅微粒子、及び銀微粒子からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項6に記載のエネルギー蓄積デバイス。
- 円筒形状の金属製容器に収容された電解液と、前記電解液に浸された一対の電極と、前記一対の電極の間に配置されたセパレータと、前記一対の電極とそれぞれ電気的に接続された一対の集電体とを含み、
前記一対の電極、前記セパレータ、及び前記一対の集電体が互いに積層されるように捲回されて前記容器に収納されているエネルギー蓄積デバイスにおいて、
前記容器から金属イオンが前記電解液へ溶出しないように前記容器の内側の表面がイオン絶縁性の物質により被覆されていることを特徴とするエネルギー蓄積デバイス。
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