JP2004148367A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】何等かの外乱が生じた場合でも、高効率で良好な溶接品質を確保することができる溶接装置及び溶接方法を提供する。
【解決手段】消耗電極ワイヤ5を送給する消耗電極ワイヤ送給装置7と、フィラワイヤ6を送給するフィラワイヤ送給装置8と、消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源11と、フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源15と、消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算部20aと、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、消耗電極ワイヤの実電流値に応じたフィラワイヤの送給速度を演算し、その演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度を指令する信号をフィラ用電源に出力する速度制御手段20bとを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】消耗電極ワイヤ5を送給する消耗電極ワイヤ送給装置7と、フィラワイヤ6を送給するフィラワイヤ送給装置8と、消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源11と、フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源15と、消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算部20aと、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、消耗電極ワイヤの実電流値に応じたフィラワイヤの送給速度を演算し、その演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度を指令する信号をフィラ用電源に出力する速度制御手段20bとを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給するダブルワイヤ方式の溶接装置及び溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、母材との間にアークを発生させる消耗電極ワイヤと、この消耗電極ワイヤに対し溶接方向に後行するフィラワイヤとを併用したいわゆるダブルワイヤ方式のアーク溶接装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。このダブルワイヤ方式のアーク溶接装置では、消耗電極ワイヤと母材との間にアークを発生させ、そのアーク熱により消耗電極ワイヤ及び母材を溶融させつつ、更にその溶融池に送給された後行のフィラワイヤを、通電による加熱に加えて溶融池の熱を利用して溶融させるようになっている。このように、溶融池の熱を利用してフィラワイヤを溶融させることにより、ダブルワイヤ方式の溶接装置においては、消耗電極ワイヤのみを用いたアーク溶接装置(以下、シングルワイヤ方式の溶接装置と記載する)に対し、さほど変わらない給電量でワイヤの溶融速度を高めることができ、高い作業能率を確保できるというメリットがある。
【0003】
ここで、この種のダブルワイヤ方式の溶接装置においては、従来から、消耗電極ワイヤを介して母材に流れる溶接電流の一部をフィラワイヤに分流することで、消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤに給電するための電源を共用することが行われてきた。しかしながら、電源を共用した場合、フィラワイヤに流れる電流は、例えば「電源→消耗電極ワイヤ→母材→フィラワイヤ→電源」という経路で流れるため、その経路中の各部の抵抗によって値が変動する。従って、共用の電源を用いた場合には、例えば溶接箇所等によってもフィラワイヤに流れる電流値が変化してしまい、その結果両ワイヤ間に生じる磁界の反発力に不規則な変化が生じるため、両ワイヤが振れてしまう(結果的に溶接箇所がぶれてしまう)等、品質面や作業能率面で不具合が生じる場合があった。
【0004】
それに対し、先の特許文献1等に記載の溶接装置においては、消耗電極ワイヤに給電するメインの溶接電源とは別に、フィラワイヤに給電するフィラ用電源を別電源化し、このフィラ用電源によって、一定値又は定周期波形の電流をフィラワイヤに印加することで上記不具合を解決している。
【0005】
【特許文献1】
特許第3185071号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、フィラワイヤの溶融性は、主にフィラワイヤの供給速度、フィラワイヤに流れる電流、更には消耗電極ワイヤに流れる電流、言い換えれば溶融池の持つ熱量によって変化する。このことから、ダブルワイヤ方式の溶接装置においては、フィラワイヤの供給により溶融池を冷却し母材への入熱を低下させることができる(低入熱施工が可能となる)反面、溶接金属の母材への溶け込みが低下するため、例えば、高能率化を重視した結果、フィラワイヤの送給速度を速くし過ぎると、必要以上に溶融池の温度を低下させてしまい、フィラワイヤの溶融性の低下を招く場合がある。この場合には、溶接金属のぬれ性が悪化し、溶接金属と母材との接触角が大きくなってしまい、溶接部の疲労強度の低下につながることがある。
【0007】
従って、高効率化を図りつつも良好な溶接ビードを形成するためには、フィラワイヤを十分に溶け易い状態にできるだけの溶融池の熱量が確保できる範囲で、フィラワイヤの送給速度がなるべく速くなるよう(例えば先の範囲の上限値)設定することが好ましい。しかしながら、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し、消耗電極ワイヤの電流が低下した場合には、溶融池そのものの持つ熱量が減少してしまうことも起こり得る。このような場合をも想定すると、前述のように、単にフィラワイヤの送給速度をフィラワイヤが十分に溶け易い範囲の上限値に設定するだけでは、予期せぬ溶融池の温度低下に対応することができず、必ずしも良好な溶接品質を得ることができるとは限らない。
【0008】
本発明は上記の事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、何等かの外乱が生じた場合でも、高効率で良好な溶接品質を確保することができる溶接装置及び溶接方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度を演算し、その演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度を指令する信号を前記フィラ用電源に出力する速度制御手段とを備える。
【0010】
本発明においては、例えば制御装置等に、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を制御設定値として予め格納しておく。その相関関係としては、例えば、フィラワイヤを十分に溶け易い状態にできるだけの溶融池の熱量が確保できる範囲で、フィラワイヤの送給速度ができるだけ速くなる(つまりその範囲の上限値となる)ようにすることが好ましい。そして、消耗電極ワイヤの検出電流値を基にその実電流値を演算し、先の相関関係の下、演算した実電流値に対応するフィラワイヤの送給速度を演算して、この演算結果に応じた指令信号を、フィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源に出力する。これにより、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し消耗電極ワイヤの電流が変動したとしても、想定される溶融池の温度変化に応じてフィラワイヤの送給速度を調整することができ、その結果、ぬれ角の小さな溶接ビードを形成することができるので、高効率でしかも良好な溶接品質を確保することができる。
【0011】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、前記消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤを保持する溶接トーチをアーム先端に取付けた溶接ロボットと、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を演算し、それら演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度及び溶接速度を指令する信号を前記フィラ用電源及び溶接ロボットにそれぞれ出力する速度制御手段とを備える。
【0012】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記アーク電流演算手段は、前記検出電流値が周期変化する場合、その変化の1周期の間の検出電流値の平均値を前記実電流値として演算する。
【0013】
(4)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度を制御する。
【0014】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を制御する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の溶接装置の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図である。この図1において、1は3次元的に動作可能な多関節型のアーム1aを有する溶接ロボット(マニピュレータ)、2はこの溶接ロボット1のアーム1a先端のハンド部1bに設けた溶接トーチ、3,4はこの溶接トーチ2に設けた消耗電極ワイヤ供給チューブ及びフィラワイヤ供給チューブである。5,6はこれらワイヤ供給チューブ3,4にそれぞれ挿通保持された消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤ、7,8はそれぞれリール9,10に巻回されたワイヤ5,6を順次送給し溶接トーチ2を介して溶接箇所に送り込むための消耗電極ワイヤ送給装置及びフィラワイヤ送給装置(送給モータ)である。なお、特に図示していないが、溶接トーチ2には、シールドガスを噴射するガスノズルが設けてある。
【0016】
11は消耗電極ワイヤ5に印加する電力を供給する主溶接電源で、この主溶接電源11のプラス端子11aは消耗電極ワイヤ5(厳密には消耗電極ワイヤ供給チューブ3)に、マイナス端子11bは溶接対象である母材12に対し、それぞれ電線13,14を介して接続している。15はフィラワイヤ6に印加する電力を供給するフィラ用電源で、このフィラ用電源15のプラス端子15aは溶接対象である母材12に、マイナス端子15bはフィラワイヤ6(厳密にはフィラワイヤ供給チューブ4)に対し、それぞれ電線16,17を介して接続している。また、これら主溶接電源11及びフィラ用電源15の出力端子(図示せず)は、上記消耗電極ワイヤ送給装置7及びフィラワイヤ送給装置8に対し、ケーブル18,19を介して接続しており、両電源11,15からそれぞれ両ワイヤ送給装置7,8に供給される電圧(指令信号)の大きさにより両ワイヤ5,6の送給速度が調整される。
【0017】
20は制御装置(ロボット制御盤)、21は消耗電極ワイヤ5に印加する電流・電圧値、消耗電極ワイヤ5の移動経路、溶接速度、フィラワイヤ6の送給開始時間等の溶接条件を設定し制御装置20に入力するためのティーチングペンダントを兼ねた入力装置である。制御装置20は、溶接ロボット1及び入力装置21に対し、それぞれケーブル22,23を介して接続している。また、制御装置20は、アーク電流演算部20a及び速度制御部20bを備えている。これらアーク電流演算部20a及び速度制御部20bは、互いに情報伝達可能に接続され、なおかつ上記主溶接電源11及びフィラ用電源15に対し、それぞれケーブル24,25を介して接続している。
【0018】
アーク電流演算部20aは、例えば、消耗電極ワイヤ5の電流値及び電圧値をそれぞれ検出する図示しない電流計及び電圧計(或いは主溶接電源11)からの検出結果等を基に、消耗電極ワイヤ5に流れる実際の電流値及び電圧値を演算する。また、これに加え、例えばフィラワイヤ6の電流値及び電圧値をそれぞれ検出する図示しない電流計及び電圧計(又はフィラ用電源15)からの検出結果等を基に、フィラワイヤ6に流れる実際の電流値及び電圧値を演算するようにしても良い。
【0019】
速度制御部20bは、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係(後述)を基に、予め格納したプログラムに従って、アーク電流演算部20aの検出結果に応じたフィラワイヤ6の送給速度及び溶接速度を演算し、それら演算結果に応じてフィラワイヤ6の送給速度及び溶接速度を指令する信号をフィラ用電源15及び溶接ロボット1にそれぞれ出力する。
【0020】
図2は上記速度制御部20bの概略構成を表すブロック図である。この図2において、30はフィラワイヤ6の送給速度や溶接速度の制御手順のプログラムや演算処理に必要な定数等を格納するリードオンリーメモリー(ROM)、31は時間計測を行うタイマ、32はROM30に格納したプログラムに順じてフィラワイヤ6の送給速度や溶接速度を指令する信号を演算する中央演算処理装置(CPU)、33はアーク電流演算部20aからの消耗電極ワイヤ5に流れる実際の電流値及び電圧値を入力する入力部である。また、34はCPU32の演算結果や演算途中の数値を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、35はCPU32で演算された指令信号を溶接ロボット1及びフィラ用電源15に出力する出力部である。
【0021】
ここで、一般的に、フィラワイヤの送給速度が増加すると、それだけ溶融池の温度が低下する。そのため、能率を重視しフィラワイヤの送給速度をあまり大きく設定すると、溶接金属の母材への溶け込みが悪化し、溶接ビードのぬれ角が大きくなる結果、溶接部の疲労強度が低下する場合がある。同時に、溶融池の温度は、消耗電極ワイヤの電流値とも密接な関係があり、その電流値が低下すると溶融池の温度が低下する。そこで、本実施の形態は、その最も大きな特徴として、上記制御装置20により消耗電極ワイヤ5に流れる電流に応じてフィラワイヤ6の送給速度を制御する構成としている。
【0022】
図3は、本実施の形態における制御装置20による制御概念を説明するための図である。まずこの図3には、所望の溶接品質が得られる(例えば溶接金属のぬれ角が所定値以下となる)範囲A(以下、適正範囲Aと記載する)を、フィラワイヤ6の送給速度と消耗電極ワイヤ5の電流値との相関関係で表してある。他の溶接条件をほぼ一定とした場合、消耗電極ワイヤ5の電流値及びフィラワイヤ6の送給速度を成分とする条件が適正範囲A内の値であれば、所望の溶接品質を確保することができる。そしてその上で能率を考えると、適正範囲A内において、できるだけフィラワイヤ6の送給速度を速く設定することが望ましい。従って、各時点において、消耗電極ワイヤ5の電流に対し、フィラワイヤ6の送給速度としては適正範囲Aの上限線L上の値が最適であると言える。
【0023】
このとき、溶接作業中には、何等かの外乱により消耗電極ワイヤ5の電流値が変動することがある。例えば、図3に示すように、消耗電極ワイヤに流れる電流及びフィラワイヤの送給速度の設定値が上限線L上の点C1(Ia1,Vf1)である場合に、何等かの要因によって消耗電極ワイヤの電流値がIa2(<Ia1)に低下すると、運転状態としては適正範囲Aを逸脱した値(C2)での運転となり溶接品質が低下してしまう。この場合には、フィラワイヤの送給速度を上限線L上の値Vf2に下げることにより、所望の溶接品質を確保しつつも、変化した条件下における最高能率の運転を維持する。
【0024】
そこで、本実施の形態においては、上記ROM30(図2参照)に先の上限線Lの関数が格納されている。そして、速度制御部20bは、溶接中、アーク電流演算部20aによって演算された消耗電極ワイヤ5の実電流値を入力部33より入力し、CPU32により、その実電流値に応じたフィラワイヤ6の送給速度を上記上限線Lの関数に従って演算する。更にCPU32は、演算した送給速度を指令する信号を出力部35を介してフィラ用電源15に出力し、フィラ用電源15は速度制御部20bからの指令に応じたフィラワイヤ送給制御信号(電圧)をフィラワイヤ送給装置8に出力する。これにより、本実施の形態においては、消耗電極ワイヤ5の電流が変動しても、フィラワイヤ6の送給速度が、常に上限線L上の値に制御されるようになっている。
【0025】
また、上記のように条件を上限線L上の点C1から点C3に補正した場合、それに応じて溶接速度を調整する必要がある。そこで、本実施の形態においては、CPU32によって、ROM30に予め格納した次式(1)を用いて補正後の溶接速度Vw2を演算し、これを基に溶接ロボット1に対する溶接速度指令信号を出力部35(図2参照)を介して出力する。
Vw2=Vw1×(Vc+Vf2)/(Vc+Vf1)・・・(1)
但し、Vw1:補正前の溶接速度、Vc:消耗電極ワイヤの送給速度(一定値)である。
【0026】
また、以上と反対に、何等かの要因により消耗電極ワイヤに流れる電流が増加した場合には、フィラワイヤの送給速度は上限線Lを下回るため、要求される溶接品質を満足する限りにおいては、フィラワイヤの送給速度を上昇させる余地が生じる。本実施の形態においては、この場合にも、最大効率で所望の溶接品質を確保するために、上記同様の手順により、消耗電極ワイヤの電流値に応じてフィラワイヤの送給速度及び溶接速度を制御する(この場合フィラワイヤ送給速度を増大させる)ようになっている。
【0027】
次に、以上の本実施の形態の溶接装置の動作を説明する。
上記構成の溶接装置により溶接作業を行う際には、まず溶接開始前に、入力装置21によって、消耗電極ワイヤ5に印加する電流値・電圧値、溶接トーチ2の移動経路、溶接トーチ2の移動速度(溶接速度)、フィラワイヤ6の送給開始時間等の各種溶接条件を設定する。なお、消耗電極ワイヤの送給速度は、通常、消耗電極ワイヤに印加する電流に応じてプリセットされた値を用いる。また、フィラワイヤ6の電流値、送給速度は、先に入力された他の溶接条件に応じて制御装置20により選定されるようにしても良いし、入力装置21により個別に入力するようにしても良い。
【0028】
以上の条件設定を行った上で溶接を開始すると、制御装置20から主溶接電源11にアークスタート信号が出力され、主溶接電源11は、設定された電圧・電流を消耗電極ワイヤ5に印加する。これにより、消耗電極ワイヤ5と母材12の溶接箇所との間にアーク40が発生し、そのアーク熱により消耗電極ワイヤ5の先端部と母材12の溶接箇所とが溶融して溶融池41が形成される。このとき、消耗電極ワイヤ5は、先端から消耗(溶融)していくので、制御装置20は、消耗電極ワイヤの設定送給速度を主溶接電源11に出力し、それに応じた大きさのワイヤ送給信号(電圧)を主溶接電源11から出力させることにより、消耗電極ワイヤ送給装置7の駆動速度を制御し、消耗電極ワイヤ5を順次溶接箇所に送給する。
なお、消耗電極ワイヤ5に印加される電流は、「主溶接電源プラス端子11a→電線13→消耗電極ワイヤ5→母材12→電線14→主溶接電源マイナス端子11b」の順に流れる。
【0029】
またこれと同時に、溶接ロボット1のアーム1aは、入力された設定の移動経路を設定の移動速度で移動するよう、制御装置20からの指令信号(ロボット動作制御信号)に応じて駆動制御される。このとき、溶接ロボット1のアーム1aは、溶接方向(図1中矢印A参照)において、常にフィラワイヤ6に対して消耗電極ワイヤ5が先行する向きに溶接トーチ2を保持するよう、姿勢制御される。
【0030】
一方、制御装置20は、上記アークスタート信号出力と同時に、内蔵のタイマ31(図2参照)によって、設定のフィラワイヤ送給開始時間(例えば2〜5秒後)が経過した後、フィラーON(送給開始)、フィラワイヤ6の電流の制御値、フィラワイヤ6の設定送給速度をフィラ用電源15に出力する。
【0031】
フィラ用電源15は、制御装置20からの出力を入力すると、それら指令信号に応じ、設定された大きさの電流をフィラワイヤ6に印加すると共に、フィラ送給信号(電圧)をフィラワイヤ送給装置8に出力する。これにより、上記溶融池41にフィラワイヤ6が設定の送給速度で送給(挿入)され、フィラ用電源15からの印加電流(又は電圧)による加熱と溶融池41の熱とにより、フィラワイヤ6が溶融される。
なお、フィラワイヤ6に印加される電流は、消耗電極ワイヤ5とは逆の方向、即ち「フィラ用電源プラス端子15a→電線16→母材12→フィラワイヤ6→電線17→フィラ用電源マイナス端子15b」の順に流れる。また、フィラワイヤ6に印加する電流は、フィラワイヤ6からアークが発生しない範囲に制限される。
【0032】
以上のように、制御装置20によって、各種設定条件に従って各機器が連動して作動制御され、溶接トーチ2が所定の経路で移動した後には、溶融した母材12、消耗電極ワイヤ5、フィラワイヤ6によって溶接ビード42が形成される。
【0033】
以上のように説明した本実施の形態においては、前述したように、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係、即ち上記の上限線Lが、制御設定値として予め速度制御部20bのROM30に格納されている。そして、アーク電流演算部20aにおいて消耗電極ワイヤ5の検出電流値を基にその実電流値が演算され、速度制御部20bは、先の相関関係の下、演算された実電流値に対応するフィラワイヤ6の送給速度を演算して、この演算結果に応じた指令信号をフィラ用電源15に出力する。これにより、フィラ用電源15からフィラワイヤ送給装置8に速度指令信号が出力され、フィラワイヤ送給速度が上記相関関係を満足する値に制御される。従って、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し消耗電極ワイヤ5の電流が変動したとしても、想定される溶融池41の温度変化に応じてフィラワイヤ6の送給速度を所望の溶接品質の得られる最大速度に制御し、その結果、高能率でぬれ角の小さな溶接ビードを形成することができ良好な溶接品質を確保することができる。
【0034】
なお、例えば、母材12の開先精度が悪い場合等、溶接トーチ2を溶接方向にほぼ直角に往来させるいわゆるウィービング溶接を行う場合には、消耗電極ワイヤ5に流れる電流が周期変化する場合があるが、この場合には、アーク電流演算部20aは、その変化の1周期の間の検出電流値の平均値を、消耗電極ワイヤ5の実電流値として演算すれば、上記同様にフィラワイヤ6の送給速度を制御することができる。この場合も同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6に互いに逆向きの電流を印加することによって、消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6に発生する磁束が互いに反発するので、消耗電極ワイヤ5から発生するアーク40に、フィラワイヤ6から遠ざかる方向に力が作用する。従って、消粍電極ワイヤ5にフィラワイヤ6を近接配置しても、フィラワイヤ6がアーク40によって吹き飛ばされることを防止し、フィラワイヤ6を溶融池41に確実に安定供給することができる。これにより、例えば、炭素鋼、合金鋼、アルミニウム等を溶接対象としても、高速かつ高能率な作業が可能となる。また、フィラワイヤ6を溶融池41に挿入することにより、溶融池41の温度を低く抑え、溶接ビード42に乱れが生じるいわゆるパッカリング現象の発生や、黒紛付着(酸化物付着)、凝固割れ等といった不具合も抑制される。
【0036】
なお、以上の本実施の形態においては、本実施の形態では消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6とに印加する電流を互いに逆方向としたが、高能率で所望の溶接品質を確保できるという本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも両ワイヤ5,6の電流を逆向きにしなくても良い。また、本実施の形態においては、溶接トーチ2の移動及びその速度制御をも自動で行ういわゆる全自動式の溶接装置を例示したが、これにも限られず、溶接ロボット1を省略し、印加する電流・電圧、及び両ワイヤ5,6の送給のみを自動で行ういわゆる半自動式の溶接装置に対しても、本発明は適用可能である。この場合、前述の溶接速度の制御は省略できる。これらの場合も上記同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、図1において、両ワイヤ送給装置7,8をリール側に設けたいわゆるプッシュ方式のワイヤ送給装置を設けた例を説明したが、トーチ側に設けるいわゆるプル方式のワイヤ送給装置であっても、又はこれらを組合せた方式のワイヤ送給装置であっても構わない。また、溶接ロボットとして、多関節型のアームを有するタイプのものを例示したが、これにも限られず、例えば、異なる方向に延設された複数のレールに沿って2次元的或いは3次元的な移動動作が可能なアームを有する溶接ロボットを用いても良い。これらの場合も上記同様の効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係の下、演算した実電流値に応じてフィラワイヤの送給速度を制御するので、溶接中、何等かの要因により消耗電極ワイヤの電流が変動したとしても、想定される溶融池の温度変化に応じてフィラワイヤの送給速度を調整することができ、高効率でしかも良好な溶接品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図である。
【図2】本発明の溶接装置の一実施の形態に備えられた速度制御部の概略構成を表すブロック図である。
【図3】本発明の溶接装置の一実施の形態に備えられた制御装置による制御概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1 溶接ロボット
1a アーム
2 溶接トーチ
5 消耗電極ワイヤ
6 フィラワイヤ
7 消耗電極ワイヤ送給装置
8 フィラワイヤ送給装置
11 主溶接電源
12 母材
15 フィラ用電源
20a アーク電流演算部(アーク電流演算手段)
20b 速度制御部(速度制御手段)
40 アーク
41 溶融池
L 上限線(相関関係)
【発明の属する技術分野】
本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給するダブルワイヤ方式の溶接装置及び溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、母材との間にアークを発生させる消耗電極ワイヤと、この消耗電極ワイヤに対し溶接方向に後行するフィラワイヤとを併用したいわゆるダブルワイヤ方式のアーク溶接装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。このダブルワイヤ方式のアーク溶接装置では、消耗電極ワイヤと母材との間にアークを発生させ、そのアーク熱により消耗電極ワイヤ及び母材を溶融させつつ、更にその溶融池に送給された後行のフィラワイヤを、通電による加熱に加えて溶融池の熱を利用して溶融させるようになっている。このように、溶融池の熱を利用してフィラワイヤを溶融させることにより、ダブルワイヤ方式の溶接装置においては、消耗電極ワイヤのみを用いたアーク溶接装置(以下、シングルワイヤ方式の溶接装置と記載する)に対し、さほど変わらない給電量でワイヤの溶融速度を高めることができ、高い作業能率を確保できるというメリットがある。
【0003】
ここで、この種のダブルワイヤ方式の溶接装置においては、従来から、消耗電極ワイヤを介して母材に流れる溶接電流の一部をフィラワイヤに分流することで、消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤに給電するための電源を共用することが行われてきた。しかしながら、電源を共用した場合、フィラワイヤに流れる電流は、例えば「電源→消耗電極ワイヤ→母材→フィラワイヤ→電源」という経路で流れるため、その経路中の各部の抵抗によって値が変動する。従って、共用の電源を用いた場合には、例えば溶接箇所等によってもフィラワイヤに流れる電流値が変化してしまい、その結果両ワイヤ間に生じる磁界の反発力に不規則な変化が生じるため、両ワイヤが振れてしまう(結果的に溶接箇所がぶれてしまう)等、品質面や作業能率面で不具合が生じる場合があった。
【0004】
それに対し、先の特許文献1等に記載の溶接装置においては、消耗電極ワイヤに給電するメインの溶接電源とは別に、フィラワイヤに給電するフィラ用電源を別電源化し、このフィラ用電源によって、一定値又は定周期波形の電流をフィラワイヤに印加することで上記不具合を解決している。
【0005】
【特許文献1】
特許第3185071号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、フィラワイヤの溶融性は、主にフィラワイヤの供給速度、フィラワイヤに流れる電流、更には消耗電極ワイヤに流れる電流、言い換えれば溶融池の持つ熱量によって変化する。このことから、ダブルワイヤ方式の溶接装置においては、フィラワイヤの供給により溶融池を冷却し母材への入熱を低下させることができる(低入熱施工が可能となる)反面、溶接金属の母材への溶け込みが低下するため、例えば、高能率化を重視した結果、フィラワイヤの送給速度を速くし過ぎると、必要以上に溶融池の温度を低下させてしまい、フィラワイヤの溶融性の低下を招く場合がある。この場合には、溶接金属のぬれ性が悪化し、溶接金属と母材との接触角が大きくなってしまい、溶接部の疲労強度の低下につながることがある。
【0007】
従って、高効率化を図りつつも良好な溶接ビードを形成するためには、フィラワイヤを十分に溶け易い状態にできるだけの溶融池の熱量が確保できる範囲で、フィラワイヤの送給速度がなるべく速くなるよう(例えば先の範囲の上限値)設定することが好ましい。しかしながら、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し、消耗電極ワイヤの電流が低下した場合には、溶融池そのものの持つ熱量が減少してしまうことも起こり得る。このような場合をも想定すると、前述のように、単にフィラワイヤの送給速度をフィラワイヤが十分に溶け易い範囲の上限値に設定するだけでは、予期せぬ溶融池の温度低下に対応することができず、必ずしも良好な溶接品質を得ることができるとは限らない。
【0008】
本発明は上記の事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、何等かの外乱が生じた場合でも、高効率で良好な溶接品質を確保することができる溶接装置及び溶接方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度を演算し、その演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度を指令する信号を前記フィラ用電源に出力する速度制御手段とを備える。
【0010】
本発明においては、例えば制御装置等に、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を制御設定値として予め格納しておく。その相関関係としては、例えば、フィラワイヤを十分に溶け易い状態にできるだけの溶融池の熱量が確保できる範囲で、フィラワイヤの送給速度ができるだけ速くなる(つまりその範囲の上限値となる)ようにすることが好ましい。そして、消耗電極ワイヤの検出電流値を基にその実電流値を演算し、先の相関関係の下、演算した実電流値に対応するフィラワイヤの送給速度を演算して、この演算結果に応じた指令信号を、フィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源に出力する。これにより、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し消耗電極ワイヤの電流が変動したとしても、想定される溶融池の温度変化に応じてフィラワイヤの送給速度を調整することができ、その結果、ぬれ角の小さな溶接ビードを形成することができるので、高効率でしかも良好な溶接品質を確保することができる。
【0011】
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、前記消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤを保持する溶接トーチをアーム先端に取付けた溶接ロボットと、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を演算し、それら演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度及び溶接速度を指令する信号を前記フィラ用電源及び溶接ロボットにそれぞれ出力する速度制御手段とを備える。
【0012】
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記アーク電流演算手段は、前記検出電流値が周期変化する場合、その変化の1周期の間の検出電流値の平均値を前記実電流値として演算する。
【0013】
(4)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度を制御する。
【0014】
(5)上記目的を達成するために、また本発明は、母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を制御する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の溶接装置の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図である。この図1において、1は3次元的に動作可能な多関節型のアーム1aを有する溶接ロボット(マニピュレータ)、2はこの溶接ロボット1のアーム1a先端のハンド部1bに設けた溶接トーチ、3,4はこの溶接トーチ2に設けた消耗電極ワイヤ供給チューブ及びフィラワイヤ供給チューブである。5,6はこれらワイヤ供給チューブ3,4にそれぞれ挿通保持された消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤ、7,8はそれぞれリール9,10に巻回されたワイヤ5,6を順次送給し溶接トーチ2を介して溶接箇所に送り込むための消耗電極ワイヤ送給装置及びフィラワイヤ送給装置(送給モータ)である。なお、特に図示していないが、溶接トーチ2には、シールドガスを噴射するガスノズルが設けてある。
【0016】
11は消耗電極ワイヤ5に印加する電力を供給する主溶接電源で、この主溶接電源11のプラス端子11aは消耗電極ワイヤ5(厳密には消耗電極ワイヤ供給チューブ3)に、マイナス端子11bは溶接対象である母材12に対し、それぞれ電線13,14を介して接続している。15はフィラワイヤ6に印加する電力を供給するフィラ用電源で、このフィラ用電源15のプラス端子15aは溶接対象である母材12に、マイナス端子15bはフィラワイヤ6(厳密にはフィラワイヤ供給チューブ4)に対し、それぞれ電線16,17を介して接続している。また、これら主溶接電源11及びフィラ用電源15の出力端子(図示せず)は、上記消耗電極ワイヤ送給装置7及びフィラワイヤ送給装置8に対し、ケーブル18,19を介して接続しており、両電源11,15からそれぞれ両ワイヤ送給装置7,8に供給される電圧(指令信号)の大きさにより両ワイヤ5,6の送給速度が調整される。
【0017】
20は制御装置(ロボット制御盤)、21は消耗電極ワイヤ5に印加する電流・電圧値、消耗電極ワイヤ5の移動経路、溶接速度、フィラワイヤ6の送給開始時間等の溶接条件を設定し制御装置20に入力するためのティーチングペンダントを兼ねた入力装置である。制御装置20は、溶接ロボット1及び入力装置21に対し、それぞれケーブル22,23を介して接続している。また、制御装置20は、アーク電流演算部20a及び速度制御部20bを備えている。これらアーク電流演算部20a及び速度制御部20bは、互いに情報伝達可能に接続され、なおかつ上記主溶接電源11及びフィラ用電源15に対し、それぞれケーブル24,25を介して接続している。
【0018】
アーク電流演算部20aは、例えば、消耗電極ワイヤ5の電流値及び電圧値をそれぞれ検出する図示しない電流計及び電圧計(或いは主溶接電源11)からの検出結果等を基に、消耗電極ワイヤ5に流れる実際の電流値及び電圧値を演算する。また、これに加え、例えばフィラワイヤ6の電流値及び電圧値をそれぞれ検出する図示しない電流計及び電圧計(又はフィラ用電源15)からの検出結果等を基に、フィラワイヤ6に流れる実際の電流値及び電圧値を演算するようにしても良い。
【0019】
速度制御部20bは、所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係(後述)を基に、予め格納したプログラムに従って、アーク電流演算部20aの検出結果に応じたフィラワイヤ6の送給速度及び溶接速度を演算し、それら演算結果に応じてフィラワイヤ6の送給速度及び溶接速度を指令する信号をフィラ用電源15及び溶接ロボット1にそれぞれ出力する。
【0020】
図2は上記速度制御部20bの概略構成を表すブロック図である。この図2において、30はフィラワイヤ6の送給速度や溶接速度の制御手順のプログラムや演算処理に必要な定数等を格納するリードオンリーメモリー(ROM)、31は時間計測を行うタイマ、32はROM30に格納したプログラムに順じてフィラワイヤ6の送給速度や溶接速度を指令する信号を演算する中央演算処理装置(CPU)、33はアーク電流演算部20aからの消耗電極ワイヤ5に流れる実際の電流値及び電圧値を入力する入力部である。また、34はCPU32の演算結果や演算途中の数値を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、35はCPU32で演算された指令信号を溶接ロボット1及びフィラ用電源15に出力する出力部である。
【0021】
ここで、一般的に、フィラワイヤの送給速度が増加すると、それだけ溶融池の温度が低下する。そのため、能率を重視しフィラワイヤの送給速度をあまり大きく設定すると、溶接金属の母材への溶け込みが悪化し、溶接ビードのぬれ角が大きくなる結果、溶接部の疲労強度が低下する場合がある。同時に、溶融池の温度は、消耗電極ワイヤの電流値とも密接な関係があり、その電流値が低下すると溶融池の温度が低下する。そこで、本実施の形態は、その最も大きな特徴として、上記制御装置20により消耗電極ワイヤ5に流れる電流に応じてフィラワイヤ6の送給速度を制御する構成としている。
【0022】
図3は、本実施の形態における制御装置20による制御概念を説明するための図である。まずこの図3には、所望の溶接品質が得られる(例えば溶接金属のぬれ角が所定値以下となる)範囲A(以下、適正範囲Aと記載する)を、フィラワイヤ6の送給速度と消耗電極ワイヤ5の電流値との相関関係で表してある。他の溶接条件をほぼ一定とした場合、消耗電極ワイヤ5の電流値及びフィラワイヤ6の送給速度を成分とする条件が適正範囲A内の値であれば、所望の溶接品質を確保することができる。そしてその上で能率を考えると、適正範囲A内において、できるだけフィラワイヤ6の送給速度を速く設定することが望ましい。従って、各時点において、消耗電極ワイヤ5の電流に対し、フィラワイヤ6の送給速度としては適正範囲Aの上限線L上の値が最適であると言える。
【0023】
このとき、溶接作業中には、何等かの外乱により消耗電極ワイヤ5の電流値が変動することがある。例えば、図3に示すように、消耗電極ワイヤに流れる電流及びフィラワイヤの送給速度の設定値が上限線L上の点C1(Ia1,Vf1)である場合に、何等かの要因によって消耗電極ワイヤの電流値がIa2(<Ia1)に低下すると、運転状態としては適正範囲Aを逸脱した値(C2)での運転となり溶接品質が低下してしまう。この場合には、フィラワイヤの送給速度を上限線L上の値Vf2に下げることにより、所望の溶接品質を確保しつつも、変化した条件下における最高能率の運転を維持する。
【0024】
そこで、本実施の形態においては、上記ROM30(図2参照)に先の上限線Lの関数が格納されている。そして、速度制御部20bは、溶接中、アーク電流演算部20aによって演算された消耗電極ワイヤ5の実電流値を入力部33より入力し、CPU32により、その実電流値に応じたフィラワイヤ6の送給速度を上記上限線Lの関数に従って演算する。更にCPU32は、演算した送給速度を指令する信号を出力部35を介してフィラ用電源15に出力し、フィラ用電源15は速度制御部20bからの指令に応じたフィラワイヤ送給制御信号(電圧)をフィラワイヤ送給装置8に出力する。これにより、本実施の形態においては、消耗電極ワイヤ5の電流が変動しても、フィラワイヤ6の送給速度が、常に上限線L上の値に制御されるようになっている。
【0025】
また、上記のように条件を上限線L上の点C1から点C3に補正した場合、それに応じて溶接速度を調整する必要がある。そこで、本実施の形態においては、CPU32によって、ROM30に予め格納した次式(1)を用いて補正後の溶接速度Vw2を演算し、これを基に溶接ロボット1に対する溶接速度指令信号を出力部35(図2参照)を介して出力する。
Vw2=Vw1×(Vc+Vf2)/(Vc+Vf1)・・・(1)
但し、Vw1:補正前の溶接速度、Vc:消耗電極ワイヤの送給速度(一定値)である。
【0026】
また、以上と反対に、何等かの要因により消耗電極ワイヤに流れる電流が増加した場合には、フィラワイヤの送給速度は上限線Lを下回るため、要求される溶接品質を満足する限りにおいては、フィラワイヤの送給速度を上昇させる余地が生じる。本実施の形態においては、この場合にも、最大効率で所望の溶接品質を確保するために、上記同様の手順により、消耗電極ワイヤの電流値に応じてフィラワイヤの送給速度及び溶接速度を制御する(この場合フィラワイヤ送給速度を増大させる)ようになっている。
【0027】
次に、以上の本実施の形態の溶接装置の動作を説明する。
上記構成の溶接装置により溶接作業を行う際には、まず溶接開始前に、入力装置21によって、消耗電極ワイヤ5に印加する電流値・電圧値、溶接トーチ2の移動経路、溶接トーチ2の移動速度(溶接速度)、フィラワイヤ6の送給開始時間等の各種溶接条件を設定する。なお、消耗電極ワイヤの送給速度は、通常、消耗電極ワイヤに印加する電流に応じてプリセットされた値を用いる。また、フィラワイヤ6の電流値、送給速度は、先に入力された他の溶接条件に応じて制御装置20により選定されるようにしても良いし、入力装置21により個別に入力するようにしても良い。
【0028】
以上の条件設定を行った上で溶接を開始すると、制御装置20から主溶接電源11にアークスタート信号が出力され、主溶接電源11は、設定された電圧・電流を消耗電極ワイヤ5に印加する。これにより、消耗電極ワイヤ5と母材12の溶接箇所との間にアーク40が発生し、そのアーク熱により消耗電極ワイヤ5の先端部と母材12の溶接箇所とが溶融して溶融池41が形成される。このとき、消耗電極ワイヤ5は、先端から消耗(溶融)していくので、制御装置20は、消耗電極ワイヤの設定送給速度を主溶接電源11に出力し、それに応じた大きさのワイヤ送給信号(電圧)を主溶接電源11から出力させることにより、消耗電極ワイヤ送給装置7の駆動速度を制御し、消耗電極ワイヤ5を順次溶接箇所に送給する。
なお、消耗電極ワイヤ5に印加される電流は、「主溶接電源プラス端子11a→電線13→消耗電極ワイヤ5→母材12→電線14→主溶接電源マイナス端子11b」の順に流れる。
【0029】
またこれと同時に、溶接ロボット1のアーム1aは、入力された設定の移動経路を設定の移動速度で移動するよう、制御装置20からの指令信号(ロボット動作制御信号)に応じて駆動制御される。このとき、溶接ロボット1のアーム1aは、溶接方向(図1中矢印A参照)において、常にフィラワイヤ6に対して消耗電極ワイヤ5が先行する向きに溶接トーチ2を保持するよう、姿勢制御される。
【0030】
一方、制御装置20は、上記アークスタート信号出力と同時に、内蔵のタイマ31(図2参照)によって、設定のフィラワイヤ送給開始時間(例えば2〜5秒後)が経過した後、フィラーON(送給開始)、フィラワイヤ6の電流の制御値、フィラワイヤ6の設定送給速度をフィラ用電源15に出力する。
【0031】
フィラ用電源15は、制御装置20からの出力を入力すると、それら指令信号に応じ、設定された大きさの電流をフィラワイヤ6に印加すると共に、フィラ送給信号(電圧)をフィラワイヤ送給装置8に出力する。これにより、上記溶融池41にフィラワイヤ6が設定の送給速度で送給(挿入)され、フィラ用電源15からの印加電流(又は電圧)による加熱と溶融池41の熱とにより、フィラワイヤ6が溶融される。
なお、フィラワイヤ6に印加される電流は、消耗電極ワイヤ5とは逆の方向、即ち「フィラ用電源プラス端子15a→電線16→母材12→フィラワイヤ6→電線17→フィラ用電源マイナス端子15b」の順に流れる。また、フィラワイヤ6に印加する電流は、フィラワイヤ6からアークが発生しない範囲に制限される。
【0032】
以上のように、制御装置20によって、各種設定条件に従って各機器が連動して作動制御され、溶接トーチ2が所定の経路で移動した後には、溶融した母材12、消耗電極ワイヤ5、フィラワイヤ6によって溶接ビード42が形成される。
【0033】
以上のように説明した本実施の形態においては、前述したように、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係、即ち上記の上限線Lが、制御設定値として予め速度制御部20bのROM30に格納されている。そして、アーク電流演算部20aにおいて消耗電極ワイヤ5の検出電流値を基にその実電流値が演算され、速度制御部20bは、先の相関関係の下、演算された実電流値に対応するフィラワイヤ6の送給速度を演算して、この演算結果に応じた指令信号をフィラ用電源15に出力する。これにより、フィラ用電源15からフィラワイヤ送給装置8に速度指令信号が出力され、フィラワイヤ送給速度が上記相関関係を満足する値に制御される。従って、溶接中、何等かの要因により外乱が発生し消耗電極ワイヤ5の電流が変動したとしても、想定される溶融池41の温度変化に応じてフィラワイヤ6の送給速度を所望の溶接品質の得られる最大速度に制御し、その結果、高能率でぬれ角の小さな溶接ビードを形成することができ良好な溶接品質を確保することができる。
【0034】
なお、例えば、母材12の開先精度が悪い場合等、溶接トーチ2を溶接方向にほぼ直角に往来させるいわゆるウィービング溶接を行う場合には、消耗電極ワイヤ5に流れる電流が周期変化する場合があるが、この場合には、アーク電流演算部20aは、その変化の1周期の間の検出電流値の平均値を、消耗電極ワイヤ5の実電流値として演算すれば、上記同様にフィラワイヤ6の送給速度を制御することができる。この場合も同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6に互いに逆向きの電流を印加することによって、消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6に発生する磁束が互いに反発するので、消耗電極ワイヤ5から発生するアーク40に、フィラワイヤ6から遠ざかる方向に力が作用する。従って、消粍電極ワイヤ5にフィラワイヤ6を近接配置しても、フィラワイヤ6がアーク40によって吹き飛ばされることを防止し、フィラワイヤ6を溶融池41に確実に安定供給することができる。これにより、例えば、炭素鋼、合金鋼、アルミニウム等を溶接対象としても、高速かつ高能率な作業が可能となる。また、フィラワイヤ6を溶融池41に挿入することにより、溶融池41の温度を低く抑え、溶接ビード42に乱れが生じるいわゆるパッカリング現象の発生や、黒紛付着(酸化物付着)、凝固割れ等といった不具合も抑制される。
【0036】
なお、以上の本実施の形態においては、本実施の形態では消耗電極ワイヤ5とフィラワイヤ6とに印加する電流を互いに逆方向としたが、高能率で所望の溶接品質を確保できるという本発明の本質的効果を得る限りにおいては、必ずしも両ワイヤ5,6の電流を逆向きにしなくても良い。また、本実施の形態においては、溶接トーチ2の移動及びその速度制御をも自動で行ういわゆる全自動式の溶接装置を例示したが、これにも限られず、溶接ロボット1を省略し、印加する電流・電圧、及び両ワイヤ5,6の送給のみを自動で行ういわゆる半自動式の溶接装置に対しても、本発明は適用可能である。この場合、前述の溶接速度の制御は省略できる。これらの場合も上記同様の効果を得ることができる。
【0037】
また、図1において、両ワイヤ送給装置7,8をリール側に設けたいわゆるプッシュ方式のワイヤ送給装置を設けた例を説明したが、トーチ側に設けるいわゆるプル方式のワイヤ送給装置であっても、又はこれらを組合せた方式のワイヤ送給装置であっても構わない。また、溶接ロボットとして、多関節型のアームを有するタイプのものを例示したが、これにも限られず、例えば、異なる方向に延設された複数のレールに沿って2次元的或いは3次元的な移動動作が可能なアームを有する溶接ロボットを用いても良い。これらの場合も上記同様の効果を得ることができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の溶接品質が確保できる消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係の下、演算した実電流値に応じてフィラワイヤの送給速度を制御するので、溶接中、何等かの要因により消耗電極ワイヤの電流が変動したとしても、想定される溶融池の温度変化に応じてフィラワイヤの送給速度を調整することができ、高効率でしかも良好な溶接品質を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶接装置の一実施の形態の全体構成を表す概略図である。
【図2】本発明の溶接装置の一実施の形態に備えられた速度制御部の概略構成を表すブロック図である。
【図3】本発明の溶接装置の一実施の形態に備えられた制御装置による制御概念を説明するための図である。
【符号の説明】
1 溶接ロボット
1a アーム
2 溶接トーチ
5 消耗電極ワイヤ
6 フィラワイヤ
7 消耗電極ワイヤ送給装置
8 フィラワイヤ送給装置
11 主溶接電源
12 母材
15 フィラ用電源
20a アーク電流演算部(アーク電流演算手段)
20b 速度制御部(速度制御手段)
40 アーク
41 溶融池
L 上限線(相関関係)
Claims (5)
- 母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、
前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、
前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、
前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、
前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、
前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、
所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度を演算し、その演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度を指令する信号を前記フィラ用電源に出力する速度制御手段と
を備えたことを特徴とする溶接装置。 - 母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接装置において、
前記消耗電極ワイヤを送給する消耗電極ワイヤ送給装置と、
前記フィラワイヤを送給するフィラワイヤ送給装置と、
前記消耗電極ワイヤ及び消耗電極ワイヤ送給装置に給電する主溶接電源と、
前記フィラワイヤ及びフィラワイヤ送給装置に給電するフィラ用電源と、
前記消耗電極ワイヤ及びフィラワイヤを保持する溶接トーチをアーム先端に取付けた溶接ロボットと、
前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算するアーク電流演算手段と、
所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係を予め格納すると共に、この相関関係の下、前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じた前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を演算し、それら演算結果に応じてフィラワイヤの送給速度及び溶接速度を指令する信号を前記フィラ用電源及び溶接ロボットにそれぞれ出力する速度制御手段とを備えたことを特徴とする溶接装置。 - 請求項1又は2記載の溶接装置において、前記アーク電流演算手段は、前記検出電流値が周期変化する場合、その変化の1周期の間の検出電流値の平均値を前記実電流値として演算することを特徴とする溶接装置。
- 母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、
前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、
所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度を制御することを特徴とする溶接方法。 - 母材と消耗電極ワイヤとの間にアークを発生させ母材及び消耗電極ワイヤを溶融させつつ、溶融池にフィラワイヤを送給する溶接方法において、
前記消耗電極ワイヤの検出電流値を基に、前記消耗電極ワイヤに流れる実電流値を演算し、
所望の溶接品質を確保するための消耗電極ワイヤの電流とフィラワイヤの送給速度及び溶接速度との相関関係の下、演算した前記消耗電極ワイヤの実電流値に応じて前記フィラワイヤの送給速度及び溶接速度を制御することを特徴とする溶接方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002317035A JP2004148367A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 溶接装置及び溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2002317035A JP2004148367A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 溶接装置及び溶接方法 |
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| JP2004148367A true JP2004148367A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32460522
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2002317035A Pending JP2004148367A (ja) | 2002-10-31 | 2002-10-31 | 溶接装置及び溶接方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP2004148367A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102528224A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-07-04 | 湖南科技大学 | 用于双丝焊的交直流电流与电压信号检测装置 |
| CN102922088A (zh) * | 2011-08-08 | 2013-02-13 | 株式会社大亨 | 双丝焊接控制方法 |
| CN104353925A (zh) * | 2014-10-31 | 2015-02-18 | 浙江久德不锈钢型材有限公司 | 一种焊机送丝机装置 |
| JP2019188406A (ja) * | 2018-04-19 | 2019-10-31 | 株式会社ダイヘン | 消耗電極式アーク溶接方法、及び消耗電極式アーク溶接装置 |
| EP4194133A1 (en) * | 2021-12-07 | 2023-06-14 | Relativity Space, Inc. | Systems and methods for increasing deposition rates using multiple feed wires |
-
2002
- 2002-10-31 JP JP2002317035A patent/JP2004148367A/ja active Pending
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