JP2004149471A - 血糖低下剤 - Google Patents

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Kunio Kato
國男 加藤
Sada Kanai
貞 金井
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Abstract

【解決手段】アガロオリゴ糖を有効成分とする血糖低下剤。
【効果】本発明の血糖低下剤は、生体にとって安全性が高く、インスリン抵抗性を改善させ、特にII型糖尿病の予防、治療に有用な高血糖抑制作用を有し、II型糖尿病の根本的な治療に有用であって、また、肥満症、II型糖尿病の予防等の保健食品にも有用である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、II型糖尿病の予防、治療に特に有効な血糖低下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
血糖を低下させる薬剤としてα−グルコシダーゼ阻害剤、特にスクラーゼ阻害剤又はマルターゼ阻害剤、食物繊維を中心とする多糖類による腸管からの糖吸収遅延剤又は糖排泄促進作用を有する薬剤が提案されている。これら阻害剤の使用は食後の高血糖を和らげる対症的療法であり、摂取量によっては過低血糖による障害(めまい、意識障害等)を招く場合もある上、高血糖体質を根本から改善するものではなかった。また近年、II型糖尿病の治療薬として脂肪細胞、筋肉細胞の細胞膜表面のグルコース受容体を増強、活性化する化学合成物質が利用されている。しかしながら、これらの物質は、肝障害等の重大な副作用が発生する等、長期的な服用に対する懸念が指摘されている。
【0003】
このため、通常摂取する食物由来の物質であって、生体にとって安全性が高く、インスリン抵抗性を改善し、牽いてはII型糖尿病の根本的な治療に結びつく血糖低下剤の出現が求められている。
【0004】
一方、寒天等の紅藻類中に含まれる多糖類アガロースのオリゴ糖(アガロオリゴ糖)には、TNF−αの産生抑制作用等があることが知られている(例えば、非特許文献1参照)が、血糖低下作用については全く知られていない。
【0005】
【非特許文献1】
食品と開発、2001年、第36巻、第9号、p.65−68
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生体にとって安全性が高く、インスリン抵抗性を改善させ、特にII型糖尿病の予防、治療に有用な高血糖抑制作用を有し、II型糖尿病の根本的な治療に有用な血糖低下剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、生体にとって安全な天然界に存在する種々の動植物の中から、インスリン抵抗性を改善し、II型糖尿病の予防、治療に有用な物質の鋭意探索を続けたところ、今般、意外にもアガロオリゴ糖が自然発症II型糖尿病動物モデルにおいて優れた血糖低下作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、アガロオリゴ糖を有効成分とする血糖低下剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するアガロオリゴ糖は、アガロースを、例えば酸で分解して得られるアガロース由来のオリゴ糖であり、D−ガラクトースと3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースがβ−1,4−ガラクトシド結合した二糖類アガロビオース、このアガロビオースが2個繋ったアガロテトラオース、3個繋ったアガロヘキソース等を含有する。アガロオリゴ糖としては、アガロビオースが1〜10個、更に1〜5個、特に1〜3個繋ったものの混合物が好ましい。また、アガロビオースが主体となる混合物が好ましい。
紅藻類から得られるアガロースの酸分解に用いる酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、乳酸等の有機酸が挙げられるが、特に塩酸が好ましい。
当該アガロオリゴ糖の市販品としては、TaKaRaアガオリゴ(タカラバイオ(株))が挙げられる。
【0010】
本発明の血糖低下剤には、アガロオリゴ糖以外に植物繊維多糖類、糖分解酵素阻害物質及び糖分吸収阻害物質の群から選ばれる一種以上を更に含有すると、血糖低下効果が一層改善され好ましい。
【0011】
植物繊維多糖類としては、セルロース、ヘミセルロース、グルカン、マンナン、ペクチン、イヌリン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を併用してもよい。
本発明の血糖低下剤中の植物繊維多糖類は、アガロオリゴ糖1重量部に対し、1〜30重量部、更に2〜15重量部であるのが好ましい。
【0012】
糖分解酵素阻害物質としては、バナバ、サラシアレティキュラータ、桑葉等の植物の水、低級アルコール、グリコール等の溶剤抽出物、L−アラビノース、D−キシロース等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を併用してもよい。
本発明の血糖低下剤中の糖分解酵素阻害物質は、アガロオリゴ糖1重量部に対し、0.1〜10重量部、更に0.2〜5重量部であるのが好ましい。
【0013】
糖分吸収阻害物質としては、ギムネバシルベスタ、ギムネマイノドラム等の植物の水、低級アルコール、グリコール等の溶剤抽出物等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を併用してもよい。
本発明の血糖低下剤中の糖分吸収阻害物質は、アガロオリゴ糖1重量部に対し、0.1〜10重量部、更に0.2〜5重量部であるのが好ましい。
【0014】
本発明の血糖低下剤は、これら成分の他に、通常使用される賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を適宜配合して、液剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、錠剤等の剤型とすることができる。これらは、経口的又は経腸的に投与することができる。
【0015】
本発明の血糖低下剤は、年齢、体重、症状等によって用法用量が決定されるが、多くの場合は、アガロオリゴ糖として成人一日あたり0.15〜5gを、分割して食前又は食事中に投与するのが好ましい。
【0016】
本発明で使用するアガロオリゴ糖は水溶性であって、肥満症、II型糖尿病患者用の食品、病人食、更には、これら生活習慣病の予防用の健康食品中に添加すると、容易に長期間にわたって摂取ができ、実効性のある保健食品として有効である。
これらの食品としては上記の経口投与用製剤の形態でもよく、またパン、ビスケット、野菜スープ、ゼリー、ジュース、ヨーグルト、豆腐、みそ汁、飲料等が挙げられる。アガロオリゴ糖のこれらの食品への添加量は、成人が一日に摂取する食品中の総含有量として0.15〜5gになる量であるのが好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0018】
実施例1
アガロオリゴ糖の血糖低下効果を次法により測定した。なお、比較としてアガロオリゴ糖と同様にTNF−αの産生抑制作用を有することが知られている(Molecular Medicine, Vol.1, No.4, p.384〜397, 1995年)サリドマイドを用いた。
【0019】
自然発症糖尿病モデルである5週齢のKK−Ayマウスを5日間の検疫期間、3日間の馴化期間の後、異常のないマウスをサリドマイド群6匹、アガロオリゴ糖群6匹に群分けした。実験に使用したマウスの初期血糖範囲は238〜288mg/dLであった。36日間の試験期間中は室温20〜25℃、湿度40〜70%で、明暗各12時間、除菌した新鮮空気で12回/時の換気を維持して飼育された。飼育室の清掃、消毒、給餌給水器等の交換は規定に則って行われた。飲料水は自由に摂取させ、検体は粉末飼料CRF−1(オリエンタル酵母工業(株)製)に規定量を秤量し均一に混合し、給餌器より自由に摂取させた。
アガロオリゴ糖としてタカラバイオ(株)製のTaKaRaアガオリゴを使用した。
【0020】
検体の投与量はサリドマイド群では1日投与量が6mg/kgになるよう飼料に0.0036%(w/w)混合し、アガロオリゴ糖群では1日投与量が1500mg/kgになるよう飼料に0.9%(w/w)混合した。試験期間中、体重、摂餌量、摂水量は3〜4日毎に測定し、血糖値は群分け日を初日とし1週間毎に6回の測定を行い両群を比較した。表1に両群の血糖値の推移を6匹の平均値で示した。
【0021】
【表1】
Figure 2004149471
【0022】
両群の血糖値は22日目までは殆ど差が見られないが、29日目には、アガロオリゴ糖群はサリドマイド群に対して約9.0%、36日目には約12.3%低下し、その低下の程度は投与後日数が経つ程広がる傾向を示した。一方、サリドマイド群の血糖値の上昇程度は一般的な自然発症糖尿病モデルマウスの血糖値上昇と近似したものであった。
【0023】
実施例2
アガロオリゴ糖250重量部、バナバエキス末((株)ユース・テクノコーポレーション製)65重量部、サッカロミセスCr2000(KELATRON CORPORATION製)40重量部、亜鉛酵母(CHEMCO INDUSTRIES INC.製)40重量部、ドロマイト(三共フーズ(株)製)150重量部を粉末用ミキサーにかけて、混合成分を均一に分散させて散剤を製造した。製造した散剤545mgを硬カプセルに充填しカプセル剤を、湿式顆粒法で顆粒剤に、更に打錠して錠剤を製造した。
【0024】
実施例3
アガロオリゴ糖250mg、イヌリン2g、バナバエキス末65mg、サッカロミセスCr2000 40mg、亜鉛酵母40mgをミキサーにかけ、混合成分が均一になるよう分散させ、次いでスティック充填して散剤を製造した。
【0025】
実施例4
アガロオリゴ糖250mg、桑葉エキス(トヨタマ健康食品(株)製)300mg、バナバエキス末65mg、サッカロミセスCr2000 40mg、亜鉛酵母40mg、デキストリン12mgをミキサーにかけ、均一に混合した。得られた混合物を打錠し錠剤を製造した。
【0026】
実施例5
アガロオリゴ糖250mg、L−アラビノース400mg、バナバエキス末65mg、サッカロミセスCr2000 40mg、亜鉛酵母40mg、デキストリン16mgをミキサーにて均一に混合分散させた。得られた混合物を湿式顆粒法で顆粒剤とした。
【0027】
実施例6
アガロオリゴ糖250mg、ギムネマシルベスタエキス(備前化成(株)製)80mg、バナバエキス末65mg、サッカロミセスCr2000 40mg、亜鉛酵母40mg、デキストリン10mgをミキサーにて均一に混合分散させた。得られた混合物を乾式打錠し錠剤とした。
【0028】
実施例7
アガロオリゴ糖250mg、サラシアレティキュラータエキス60mg、サッカロミセスCr2000 40mg、亜鉛酵母40mg、デキストリン9mgをミキサーにて均一に混合分散させた。得られた混合物を湿式顆粒し顆粒剤とした。
【0029】
【発明の効果】
本発明の血糖低下剤は、生体にとって安全性が高く、インスリン抵抗性を改善させ、特にII型糖尿病の予防、治療に有用な高血糖抑制作用を有し、II型糖尿病の根本的な治療に有用であって、また、肥満症、II型糖尿病の予防等の保健食品にも有用である。

Claims (6)

  1. アガロオリゴ糖を有効成分とする血糖低下剤。
  2. 更に、植物繊維多糖類、糖分解酵素阻害物質及び糖分吸収阻害物質の群から選ばれる一種以上を含有する請求項1記載の血糖低下剤。
  3. 植物繊維多糖類が、セルロース、ヘミセルロース、グルカン、マンナン、ペクチン及びイヌリンの群から選ばれるものである請求項2記載の血糖低下剤。
  4. 糖分解酵素阻害物質が、バナバ、サラシアレティキュラータ又は桑葉の抽出物である請求項2記載の血糖低下剤。
  5. 糖分解酵素阻害物質が、L−アラビノース又はD−キシロースである請求項2記載の血糖低下剤。
  6. 糖分吸収阻害物質が、ギムネバシルベスタ又はギムネマイノドラムの抽出物である請求項2記載の血糖低下剤。
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