JP2004154666A - 廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を、切断解体処理しない状態で溶融炉2に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、トランス(変圧器)等の設備の内部には、絶縁体として有害物質であるPCBを含んでいるため、従来においては、変圧器の解体処理は、有害物質の外部への流出の問題等からほとんど実施されていないのが実情である。
また、PCB、廃液、医療廃棄物等を収納または付着したドラム缶の解体処理においても、同様な理由から実施されてなく、加えて、有害物質を無害化するための高温溶融処理もできないのが実情である。
【0003】
PCB等の有害物質を構成部材の一部として保有する、例えば変圧器などの装置を廃棄物として処理する従来法では、その保有する有害物質をこの装置から分離し、残った装置をガス切断や機械的シュレッダー切断によって解体処理するのが一般的であるが、通常は、この解体処理を行う際に重大な問題が生じる。
すなわち、ガス切断によって解体処理を行う場合には、そのガスのフレームによって装置に付着した有害物質、例えばPCBが有害ガスを発生する恐れがあり、また、シュレッダー切断によって解体処理を行う場合には、切断中に生じる金属火花がPCBに引火しやすく、いずれにしても、安全面で問題を抱えていた。
【0004】
また、従来の解体処理方法では、変圧器本体だけでなく、それを切断する切断機にもPCBや廃液等の有害物質が付着することになるため、それらを洗浄するための新たな設備が必要となっていた。
【0005】
さらに、有害物質であるPCBは、分解温度が1300℃程度と高く熱分解しにくく、通常の焼却炉などで廃棄物を処理するような900℃以下の低温で酸化熱分解を行うと、不完全燃焼によりPCBよりもっと有毒な塩化ジベンゾフランや塩化ジベンゾジオキシン(ダイオキシン)が生成するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題点を解消して、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を、有害物質を外部へ流出させることなく安全に処理する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1発明は、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を、切断解体処理しない状態で溶融炉に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することを特徴とする廃棄物の処理方法である。
【0008】
第2発明は、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物から、ポンプや機械的手段を用いて、前記構成部材や前記内容物を分離した後、前記構成部材や前記内容物と、切断解体処理しない状態の廃棄物の残部とを、別々に溶融炉に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することを特徴とする廃棄物の処理方法である。
【0009】
第1発明および第2発明とも、前記廃棄物が、切断解体処理しない状態では、溶融炉に投入できない大きさを有する場合には、前記廃棄物または前記構成部材や前記内容物を分離した廃棄物の残部を、高圧水を用いて安全に切断解体してから溶融炉内に投入すればよい。
【0010】
高圧水の圧力は、4.9〜29.4MPaの範囲であることが好ましい。
【0011】
また、廃棄物の切断解体は、密閉されたボックス内で行うことが好ましい。この際、高圧水を用いて廃棄物を切断した後に前記ボックス内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体は、前記ボックス内で回収され、この回収した液体は、そのまま溶融炉に投入するか、あるいは、有害物質と水とに比重差を用いて分離した後、有害物質を溶融炉の燃料として投入するとともに、水を浄化後に高圧水として再利用することがより好適である。
【0012】
第1および第2発明とも、前記溶融処理を行う際の溶融炉内の雰囲気は非酸化性雰囲気であることが好ましく、また、溶融炉内で発生するガスを回収し、この回収したガスをガス燃焼炉で完全に燃焼させた後、冷却塔で急速に冷却し、その後、この冷却したガスを、集塵機で清浄化してから煙突または排気塔より系外に排出することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に従う廃棄物の処理方法を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の廃棄物処理方法に用いた処理装置の一例を示したものである。
図に示す廃棄物処理装置1は、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物(医療廃棄物も含む。)またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を投入できる溶融炉2を有している。
【0014】
溶融炉2は、廃棄物をPCBを完全に熱分解できる高温、好適には、PCBを完全に熱分解できる温度である1300℃以上から、炉を構成する耐火物の耐火限界温度である2600℃以下までの温度域内で溶融処理できる炉であればよく、例えば、高炉、還元溶融炉、ガス化溶融炉などが挙げられる。なお、図1に示す溶融炉2は、コークスベッド式のガス化溶融炉である場合を示す。
【0015】
この発明で用いる溶融炉2は、基本的には廃棄物を、切断解体処理しない状態で燃料として投入できる処理容積、好適には、1.5m(長さ)×1.5m(幅)×1.5m(高さ)の廃棄物が投入できる処理容積をもつことが好ましい。
【0016】
そして、廃棄物は、まず溶融炉2に切断解体処理しない状態でそのまま投入し、廃棄物を溶融する。この溶融処理を行う際の溶融炉2内の雰囲気は、非酸化性雰囲気、より具体的には、高炉あるいは還元溶融炉特有の還元雰囲気か、もしくはガス吹込み口3から吹き込まれるアルゴンガスや窒素ガスによって中性雰囲気に保つことが、酸化熱分解によってPCBよりも有毒なダイオキシン等が生成するするのを抑制できる点で好ましい。
【0017】
また、溶融炉2で廃棄物を溶融する温度は、PCB等が完全に熱分解する1300℃以上であるため、溶融炉2内で、PCB等の有害物質を無害化して安全に処理することができるとともに、有害物質を含む構成部材を保有していた装置や、有害物質を含む内容物を収納していた容器を溶融して、メタルやスラグなどの有価物として回収し、再資源化することができる。
【0018】
一方、溶融炉2から発生するガスは回収され、この回収したガスを、図1に示すように、ガス燃焼炉4で再び燃焼させて未燃物が発生しないようにし、その後、冷却塔5で急速に冷却した後、この冷却したガスを、集じん機6で清浄化してから煙突または排気塔7より系外に排出することが好ましい。
【0019】
さらに、この発明の廃棄物の他の処理方法としては、廃棄物から、ポンプや機械的手段を用いて、廃棄物から前記構成部材や前記内容物を分離した後、前記構成部材や前記内容物と、切断解体処理しない状態の廃棄物の残部とを、別々に溶融炉に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することもできる。この方法によれば、分離した内容物を徐々に投入することができるため、炉内温度の低下を抑制しつつ廃棄物を投入することができ、これは、高燃焼効率を維持できる等の効果が得られる。但し、この方法の場合には、分離するための作業等の工程が必要となるので、労力やコストが増加することになる。
【0020】
一方、内容物を分離しないで廃棄物全体を溶融炉に投入した場合は、内容物を分離して廃棄物を投入した場合に比べると、炉内温度の多少の低下は生じるものの、分離する作業等の工程が不要であるので、労力やコストの増加を重視するか、あるいは、炉内温度のより安定化を重視するかによって、廃棄物の投入の際の、内容物の分離の有無を選択すればよい。
【0021】
また、廃棄物が、切断解体処理しない状態では、溶融炉に投入できない大きさを有する場合には、廃棄物を解体する必要が生じる。この場合には、前記廃棄物または前記構成部材や前記内容物を分離した廃棄物の残部を、高圧水を用いて安全に切断解体してから溶融炉内に投入することが好ましい。
【0022】
図2は、高圧水を用いた切断装置の一例を示したものである。
図2に示す切断装置10は、廃棄物14中の有害物質が外部へ流出しないように廃棄物14を収納するボックス11と、ボックス11の側壁に固定された少なくとも2個のウォータージェットのような高圧水噴射装置、図2では2個の高圧水噴射装置12と、ボックス11に設けた排出孔13を通じてボックス内の汚染水や廃液を回収するためのポンプ(図示せず)とで主に構成されている。
【0023】
ここで、ボックス11は、図2では、上端部が開放状態で示してあるが、廃棄物14を切断する際には上蓋等を被せて、ボックス11内を密閉状態にすることが、ボックス11内の有害物質が外部へ流出しないようにする点で好ましい。なお、廃棄物14の切断の際に、有害物質を含む液体の飛散や有害ガスの外気への拡散が生じない場合には、ボックス11の代わりにピットを用いてもよい。
【0024】
高圧水噴射装置12として、ウォータージェットを用いる場合には、ビーム径を0.4mm以下とし、高圧水の圧力を4.9〜29.4MPaの範囲であることが好ましい。ビーム径が0.4mmを超えると、高圧水の圧力を過度に高くしなければ切断できなくなるからである。また、高圧水の圧力が4.9MPa未満だと、切断ができない場合があり、29.4MPa超えだと、ボックス11またはピットが損傷するおそれがあるからである。
【0025】
廃棄物の切断解体は、密閉されたボックス11内で行うことが、有害物質が外部へ流出するのを防止する上で好ましい。この際、高圧水を用いて廃棄物を切断した後に前記ボックス11内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体は、前記ボックス11内で回収され、この回収した液体は、そのまま溶融炉に投入して無害化してもよいが、好ましくは、有害物質と水とに比重差を用いて分離した後、有害物質を溶融炉の燃料として投入するとともに、水を浄化後に高圧水として再利用すれば、資源の有効活用が図れる。
【0026】
有害物質と水とに比重差を用いて分離する方法は、例えば有害物質がPCBの場合には、比重が軽いため水との分離が容易である。なお、ホルマリンやアルデヒド等のように水との比重が近い場合には、高圧水としての再利用はできないため、水ごと溶融炉に投入して処理すればよい。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を、有害物質を外部へ流出させることなく安全に処理する方法を提供することが可能になり、これは、環境上の点で極めて有利である。特に、廃棄物を切断解体処理しない状態で溶融炉に投入できるので、処理経費が安価で経済的である。
【0028】
また、PCB等の有害物質は、高炉、還元溶融炉、ガス化溶融炉等の溶融炉内にエネルギー資源として投入して無害化することができ、加えて、有害物質を含む構成部材の少なくとも一部を保有する装置や、有害物質を含む内容物の少なくとも一部を収納する容器のような廃棄物もまた、溶融炉内にて高温で溶融させ無害化させた後に、スラグやメタル等の有価物として再資源化することができる。
【0029】
さらに、廃棄物が大きいため、溶融炉に投入する前の廃棄物を切断解体処理する場合であっても、廃棄物の切断には高圧水を使用するため、シュレッダー切断の場合のように着火するような心配もなく、加えて、この切断作業は、密閉されたボックス内で行い、廃棄物を切断した後に前記ボックス内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体を前記ボックス内で回収し、この回収した液体をそのまま溶融炉に燃料(エネルギー資源)として投入することができるので、産業廃棄物としての最終処分を必要とせず、安全性に優れている。
【0030】
さらにまた、廃棄物の切断解体は、密閉されたボックス内で行い、高圧水を用いて廃棄物を切断した後に前記ボックス内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体は、有害物質と水とに比重差を用いて分離した後、有害物質を溶融炉の燃料(エネルギー資源)として投入するとともに、さらに、水を浄化後に高圧水として再利用すれば、汚染水の生成量を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う廃棄物の処理方法に用いた処理装置の一例を示す概略図である。
【図2】高圧水を用いた切断処理法を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 廃棄物処理装置
2 溶融炉
3 ガス吹込み口
4 ガス燃焼炉
5 冷却塔
6 集じん機
7 排気塔
10 切断装置
11 ボックス
12 高圧水噴射装置
13 排出孔
14 廃棄物
Claims (8)
- PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材またはその一部として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物またはその一部として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物を、切断解体処理しない状態で溶融炉に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することを特徴とする廃棄物の処理方法。
- PCB、廃液、廃油などの難分解な有害物質を構成部材として保有するトランスやコンデンサー等の各種装置や、前記有害物質を内容物として収納するドラム缶や箱等の各種容器のような廃棄物から、ポンプや機械的手段を用いて、前記構成部材や前記内容物を分離した後、前記構成部材や前記内容物と、切断解体処理しない状態の廃棄物の残部とを、別々に溶融炉に燃料として投入し、高温で溶融処理することによって、前記有害物質を熱分解して無害化することを特徴とする廃棄物の処理方法。
- 前記廃棄物が、切断解体処理しない状態では、溶融炉に投入できない大きさを有する場合には、前記廃棄物または前記構成部材や前記内容物を分離した廃棄物の残部を、高圧水を用いて安全に切断解体してから溶融炉内に投入する請求項1または2記載の廃棄物の処理方法。
- 高圧水の圧力は、4.9〜29.4MPaの範囲である請求項3記載の廃棄物の処理方法。
- 廃棄物の切断解体は、密閉されたボックス内で行い、高圧水を用いて廃棄物を切断した後に前記ボックス内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体を前記ボックス内で回収し、この回収した液体をそのまま溶融炉に投入する請求項3または4記載の廃棄物の処理方法。
- 廃棄物の切断解体は、密閉されたボックス内で行い、高圧水を用いて廃棄物を切断した後に前記ボックス内に溜まった汚染水や廃液等の有害物質を含んだ液体は、有害物質と水とに比重差を用いて分離した後、有害物質を溶融炉の燃料として投入するとともに、水を浄化後に高圧水として再利用する請求項3または4記載の廃棄物の処理方法。
- 前記溶融処理を行う際の溶融炉内の雰囲気は非酸化性雰囲気である請求項1〜6のいずれか1項記載の廃棄物の処理方法。
- 溶融炉内で発生するガスを回収し、この回収したガスをガス燃焼炉で完全に燃焼させた後、冷却塔で急速に冷却し、その後、この冷却したガスを、集塵機で清浄化してから煙突または排気塔より系外に排出する請求項1〜7のいずれか1項記載の廃棄物の処理方法。
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