JP2004155244A - 車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンドル角検出手段12、ハンドル1に印加される反力トルクを検出する反力トルク検出手段10、車輪舵角を検出する車輪舵角検出手段11、反力トルクの目標値である目標反力を生成する目標反力生成手段15、目標反力と検出される反力トルクが一致するように副操舵機構を駆動制御する反力トルク制御手段16、操舵車輪の目標操舵角を生成する目標車輪舵角生成手段13、操舵車輪制御機構を制御する操舵機構駆動手段9、目標車操舵角と車輪舵角検出手段の出力が一致するように操舵機構駆動手段を駆動する車輪舵角制御手段14、目標車輪舵角と車輪舵角検出手段の出力の偏差に基づくフィードバック制御量を反力トルク制御手段16の出力に付加する車輪舵角補償手段17を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用操舵装置に関し、たとえば、運転者のハンドル操作量を補償する為の自動操舵の実施や、自動運転のための操舵を実施する場合に必要な副操舵機構を備える操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の操舵特性、即ちハンドルの操作量に対する実際の車体進行方向の変化が最適になるように、補助的に車輪の向きを自動制御したり、あるいは車両の走行位置が所定の車線を維持するようにドライバに代わって自動的に操舵系を駆動制御したりすることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、モータ及びステアリングホイールが振動するのを防止すると共に、制御系の起動時にステアリングホイールが急激に回転するのを防止し、操舵時においては応答性を向上させるものが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−206553号公報
【特許文献2】
特開2002−145093号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来例では、ハンドルと操舵車輪が機構的に連結しているが、各々独立して動作できる車両用操舵装置において、ハンドルの収斂性が悪いため、ハンドル角とピニオン角との比率を変更した時にハンドルが発振・発散してしまうという問題点があった。
【0006】
この発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、反力制御の指令値に目標舵角と実舵角の偏差に基づくフィードバック制御量を加え、ハンドルの発振・発散を抑制することのできる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明に係る車両用操舵装置は、運転者が操作するハンドルと電気的制御自在な副操舵機構とにより操舵車輪を転舵する操舵車輪制御機構を有する車両用操舵装置において、前記ハンドルの操舵角を検出するハンドル角検出手段と、前記ハンドルと前記副操舵機構との間に設置されてハンドルに印加されている反力トルクを検出する反力トルク検出手段と、前記副操舵機構と前記操舵車輪との間に設置され、操舵車輪の車輪舵角に相当する角度を検出する車輪舵角検出手段と、前記ハンドルに印加する反力トルクの目標値である目標反力を生成する目標反力生成手段と、前記目標反力生成手段により生成される目標反力と前記反力トルク検出手段により検出される反力トルクが一致するように前記副操舵機構を駆動制御する反力トルク制御手段と、前記操舵車輪の目標操舵角を生成する目標車輪舵角生成手段と、前記操舵車輪制御機構を制御する操舵機構駆動手段と、前記目標車輪舵角生成手段により生成される目標車操舵角と前記車輪舵角検出手段の出力が一致するように前記操舵機構駆動手段を駆動する車輪舵角制御手段と、前記目標車輪舵角生成手段により生成される目標車輪舵角と前記車輪舵角検出手段の出力の偏差に基づくフィードバック制御量を前記反力トルク制御手段の出力に付加する車輪舵角補償手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置を示す構成図である。
図1に示す車両用操舵装置において、ハンドル1は運転者により操舵され、操舵車輪7a,7bを操舵するものである。電気的制御自在な副操舵機構としての第1の遊星ギア機構2は、ハンドル1と連結されたサンギア201と、キャリア機構203にて支持されている遊星ギア202a,202bと、リングギア204と、リングギア204を回転させるためのウォームホイール205によって構成されている。
【0009】
また、電気的制御自在な副操舵機構としての第2の遊星ギア機構3は、サンギア301と、シャフト4を介して前記第1の遊星ギア機構のキャリア機構203と連結されたキャリア機構303にて支持されている遊星ギア302a,302bと、固定されたリングギア304とにより構成される。そして、シャフト4は、前記第1の遊星ギア機構2のキャリア機構203と、前記第2の遊星ギア機構3のキャリア機構303を連結して、動力を伝達する。
【0010】
操舵車輪を転舵する操舵機構としてのラックアンドピニオン方式の操舵車輪制御機構5は、前記第2の遊星ギア機構3のサンギア301と機械的に連結されたラックアンドピニオン501を有し、操舵用アクチュエータとして用いる操舵機構駆動手段9と、ラックアンドピニオン501を回転させるための逆転可能なウォームホイール502とが接続されている。また、操舵車輪7a,7bは、ナックルアーム6a,6bを介して前記ラックアンドピニオン501と接続されている。
【0011】
また、反力トルク生成手段8は、ハンドル1に反力トルクを与えるものであり、反力用モータ801と、前記第1の遊星ギア機構2のウォームホイール205に噛み合うウォームギア802により構成される。ここで、ウォームホイール205が動作してもウォームギア802は回転しないようにセルフロックが可能な構成となっている。
【0012】
操舵機構駆動手段9は、操舵車輪制御機構5を駆動するもので、操舵用モータ901と、操舵車輪制御機構5のウォームホイール502に噛み合うウォームギア902とによって構成される。ただし、ウォームホイール502とウォームギア902の組み合わせは、ウォームホイール502側からでも回転が可能な構成、即ち、逆転可能な構成である。
【0013】
また、反力トルク検出手段10は、ハンドル1に生じている反力トルクを検出し、実操舵角検出手段11は、操舵車輪7a,7bの操舵角を検出し、ハンドル角検出手段12は、ハンドル1の操舵角を検出する。
【0014】
目標車輪舵角生成手段13は、例えばハンドル角検出手段12の出力1201や、他システム(例えば、車線維持装置)からの操舵要求信号20、車両状態信号(例えば、車速・ヨーレートなど)20等から、必要な操舵角を計算し目標車輪舵角1301を生成するものである。車輪舵角制御手段14は、目標車輪舵角1301と車輪舵角検出手段出力1101が等しくなるよう、操舵機構駆動手段9を駆動して操舵車輪7a,7bの操舵角を制御するものである。
【0015】
目標反力生成手段15は、ハンドル1を介して運転者に与える反力トルク目標値を設定し、例えばハンドル角検出手段12の出力1201や、車両状態信号(例えば、車速・ヨーレートなど)21等から、適当な反力を計算し目標反力トルク1501を生成するものである。
【0016】
反力トルク制御手段16は、目標反力トルク1501と反力トルク検出手段10の出力1001が一致するよう、反力用モータ8の駆動トルクを制御することによってハンドル1に印加される反力トルクを制御するものであり、目標反力トルク1501と反力トルク検出手段10の出力1001との偏差をもとにPID制御器などで、反力用トルク生成手段8の反力用電気モータ801への駆動電流を制御することにより、反力トルクを制御している。
【0017】
車輪舵角補償手段17は、目標車輪舵角生成手段13の出力である目標車輪舵角1301と、車輪舵角検出手段の出力1101とを入力し、所定の演算が施されたフィードバック制御量1701を出力する。前記フィードバック制御量1701は、反力トルク制御手段16の出力に加算され、反力用電気モータ801を駆動するものである。
【0018】
図2は、前記反力トルク制御手段16と車輪舵角補償手段17の動作を説明するための図である。図2に示すように、反力トルク制御手段16には、目標反力生成手段15の出力1501と反力トルク検出手段10の出力1001が入力され、偏差が計算され、偏差に検出トルクが目標反力を追従するような係数K1が乗じられて出力される。また、車輪舵角補償手段17には、目標車輪舵角生成手段13の出力1301と車輪舵角検出手段11の出力1101が入力され、偏差が計算される。この偏差に、ハンドルが発振・発散しないような係数K2が乗じられる。この計算結果は、車輪舵角補償手段17のフィードバック制御量1701となる。フィードバック制御量1701は、反力トルク制御手段16の出力1601に加算され、反力用電気モータ801を駆動する。
【0019】
次に、動作について説明する。図1に示す副操舵機構を備えた装置における反力トルクは、一般的に、
Th=Ts×(θh−θs) (1)
Th:反力トルク
Ts:反力検出手段10のバネ定数
θh:ハンドル角
θs:サンギア203の角度
となる。
【0020】
また、サンギア203の角度θsは、第1の遊星ギア機構2のキャリア203の角度θcとリングギア204の角度θrにより結滞される。ここで、第1の遊星ギア機構2を構成するギアの幾何で決定される、キャリア−サンギア減速比をGc、リングギア−サンギア減速比をGrとすると、
θs=Gc×θc−Gr×θr (2)
の関係が成り立つ。
【0021】
一方、車輪舵角に相当するピニオン角θpは、ハンドル角θhから生成される目標車輪舵角に制御される。また、第2の遊星ギア機構3の構成は第1の遊星ギア機構2と同等であるので、
θc=1/Gc×θp (3)
となる。式(1)〜(3)より、
Th=Ts×{(θh−θp)+Gr×θr} (4)
が成立する。
【0022】
ここで、目標反力トルクをTrとすると、反力トルク制御手段16は、Tr−Th=0が成立するように、リングギア204の回転角θrを制御する。従って、
Tr−Th=Tr−Ts×{(θh−θp)+Gr×θr}=0
となり、この式を変更すると、
θr=Tr/(Ts×Gr)―(θh−θp)/Gr
となるように、反力トルク制御手段16は、リングギア204の回転角θrを制御する。
【0023】
運転者がハンドル1を操舵中は、ハンドル角θhとサンギア203の角度θsとで偏差が生じ、式(1)が成立するので反力トルク制御が成立する。操舵輪7a,7bからハンドル1へ伝達される回転は、反力トルク制御が成立しているので、第1の遊星ギア機構2のリングギア204の回転角度θrにより打ち消される。そのため、ハンドル角θhから生成される目標車輪舵角生成手段13の出力1301と車輪舵角検出手段11の出力1101の偏差は生じないので、車輪舵角補償手段17の出力1701は0となり、反力トルク制御手段16の出力1601に付加されない。つまり、車輪舵角補償手段17は、運転者がハンドル1から手を離している状態である反力トルク制御が成立していないときに効果を表し、運転者がハンドル1を操舵しているときは、車輪舵角補償の影響を与えない。
【0024】
運転者が操舵中にハンドル1から手を離すと、式(1)が成立しなく反力制御が成立しないので、第1の遊星ギア機構2のウォームギア802とウォームホイール205はセルフロックし、反力による操舵輪7の切り戻り角はハンドル1に伝達される。
【0025】
転舵比が1の場合は、ピニオン角θpの切り戻り角は、ハンドル1の戻り角と等しいので、図3のAに示すように、ハンドル角θhから生成される目標車輪舵角の出力1301と車輪舵角検出手段の出力1101は一致し、偏差が生じないので、反力トルク制御が成立しなくても、ハンドル1は、図3のBに示すように収斂する。
【0026】
また、目標車輪舵角生成手段の出力1301と車輪舵角検出手段の出力1101の偏差が0なので、図3Cに示すように、車輪舵角補償手段の出力1701は0となり、反力用電気モータ8の駆動電流は、反力トルク制御手段の出力1601のみとなる。
【0027】
転舵比が1以上の場合、操舵中に運転者がハンドル1から手を離すと、式(1)が成立しなく反力制御が成立しないので、第1の遊星ギア機構2のウォームギア802とウォームホイール205はセルフロックし、反力による操舵輪7の切り戻り角はハンドル1に伝達され、ハンドル1は、操舵輪7の車輪舵角分、つまりピニオン角θpで動く。
【0028】
ハンドル1は、ハンドル1の中立点からピニオン角θpからハンドル角θhを引いた分、更に動かされることになり、図4のAに示すように、ハンドル角θhから生成される目標操舵車輪角の出力1301と車輪舵角検出手段の出力1101とで偏差が生じる。この偏差にハンドル1が発振・発散しないような係数K2が乗じられ、図4のCに示すようなフィードバック量1701が反力トルク制御手段の出力1601に付加されることにより、目標車輪舵角の出力1301と車輪舵角検出手段の出力1101が一致し、図4のBに示すように、ハンドル1の発振・発散を抑制され、ハンドル収斂性を改善している。
【0029】
なお、実施の形態では、車輪舵角補償手段17によるフィードバック制御量1701は、比例制御によるフィードバック量を反力トルク制御手段16の出力に付加することでハンドル1の発散・発振を抑制しているが、この構成に限定するものではなく、例えば微分制御によるフィードバック量や比例制御と微分制御によるフィードバック量、もしくは遅れフィルタを入れた位相補償制御によるフィードバック量など、目標車輪舵角の出力1301と車輪舵角検出手段11の出力1101との偏差を無くすようなフィードバック量であればよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、目標車輪舵角生成手段の出力と車輪舵角検出手段の出力の偏差に基づくフィードバック制御量を、反力トルク制御手段の出力に付加したもので、目標車輪舵角と車輪舵角検出手段の出力とで偏差が生じた時に、目標車輪舵角と車輪舵角を一致させることにより、ハンドルが発振・発散を抑制し、ハンドルの収斂性を改善でき、違和感のない車両用操舵装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る車両用操舵装置の構成図である。
【図2】図1の反力制御手段と車輪舵角補償手段の動作を示すブロック図である。
【図3】転舵比1の時のハンドル角と目標車輪舵角・車輪舵角、及び図1の車輪舵角補償手段の出力を示す図である。
【図4】図1の車輪舵角補償手段の効果を示す図である。
【符号の説明】
1 ハンドル、2 電気的制御自在な副操舵機構を構成する第1の遊星ギア機構、3 電気的制御自在な副操舵機構を構成する第2の遊星ギア機構、5 操舵輪を操舵するための操舵車輪制御機構、6a,6b ナックルアーム、7a,7b 操舵車輪、8 反力トルク生成手段、9 操舵機構駆動手段、10 反力トルク検出手段、11 車輪舵角検出手段、12 ハンドル角検出手段、13 目標車輪舵角生成手段、14 車輪舵角制御手段、15 目標反力生成手段、16反力トルク制御手段、17 車輪舵角補償手段、20 他システムからの操舵要求信号、21 車両状態信号。
Claims (1)
- 運転者が操作するハンドルと電気的制御自在な副操舵機構とにより操舵車輪を転舵する操舵車輪制御機構を有する車両用操舵装置において、
前記ハンドルの操舵角を検出するハンドル角検出手段と、
前記ハンドルと前記副操舵機構との間に設置されてハンドルに印加されている反力トルクを検出する反力トルク検出手段と、
前記副操舵機構と前記操舵車輪との間に設置され、操舵車輪の車輪舵角に相当する角度を検出する車輪舵角検出手段と、
前記ハンドルに印加する反力トルクの目標値である目標反力を生成する目標反力生成手段と、
前記目標反力生成手段により生成される目標反力と前記反力トルク検出手段により検出される反力トルクが一致するように前記副操舵機構を駆動制御する反力トルク制御手段と、
前記操舵車輪の目標操舵角を生成する目標車輪舵角生成手段と、
前記操舵車輪制御機構を制御する操舵機構駆動手段と、
前記目標車輪舵角生成手段により生成される目標車操舵角と前記車輪舵角検出手段の出力が一致するように前記操舵機構駆動手段を駆動する車輪舵角制御手段と、
前記目標車輪舵角生成手段により生成される目標車輪舵角と前記車輪舵角検出手段の出力の偏差に基づくフィードバック制御量を前記反力トルク制御手段の出力に付加する車輪舵角補償手段と
を備えたことを特徴とする車両用操舵装置。
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