JP2004155447A - 穀類保存用容器 - Google Patents

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Yukinori Kurino
幸典 栗野
Kenichi Iokura
賢一 五百藏
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Abstract

【課題】射出成形法等により容易に、大量にかつ低コストに作製することができ,長期間にわたって害虫の浸入を防ぐことができる穀類保存用容器を提供する。
【解決手段】唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いてなる穀類保存用容器。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、害虫の浸入を防ぐことができる穀類保存用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭においては、米等の穀類は、通常、プラスチック製又は木製の穀類保存用容器に入れ、キッチンの収納室等に保存することが行われる。
このように穀類保存用容器に保存した穀類には、穀象虫等の害虫が浸入することがあり、いったん浸入した害虫が繁殖すると、これを駆除することは極めて難しいという問題があった。
【0003】
これに対して、例えば、特許文献1には、固定蓋部に収納自在な防虫剤の保持部を設けた穀類保存用容器が開示されている。この保持部に、通気性のある袋等に封入された防虫剤を設置することにより、害虫の浸入を防ぐことができるというものである。
しかしながら、この穀類保存用容器では、通気性のある袋等に封入された防虫剤の有効成分の気散が早く短期間のうちに効果を失ってしまい頻繁に交換する必要があること、交換を忘れた場合には害虫が浸入してしまいその駆除が困難であること、複雑な形状の防虫剤保持部を別部品として設ける必要があることからコスト高となること等の問題があった。
【0004】
【特許文献1】
特許第2879211号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、害虫の浸入を防ぐことができる穀類保存用容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明1は、唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いてなる穀類保存用容器である。
【0007】
本発明2は、少なくとも、害虫の浸入経路となり得る箇所が唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存用容器である。
【0008】
本発明3は、少なくとも、容器本体と蓋体とからなる穀類保存用容器であって、前記蓋体は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存容器である。
【0009】
本発明4は、容器内の湿度等を調整するための通気部を有する穀類保存用容器であって、前記通気部は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存容器である。
以下に本発明を詳述する。
【0010】
本発明者らは、害虫忌避効果を有する唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いれば、射出成形等により安価に製造でき、かつ、従来の穀類保存用容器のように防虫剤を交換する必要もない穀類保存用容器を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明1の穀類保存用容器は、唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いてなるものである。
【0011】
上記熱可塑性樹脂組成物としては、唐辛子乾燥粉末を含有し、かつ、射出成形法等により容易に成形することができるものであれば特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂と、唐辛子乾燥粉末と、炭素数16〜22のアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合してなる重量平均分子量3000〜50万の共重合体とを含有するものが好適である。このような熱可塑性樹脂を用いれば、射出成形等により容易に成形することができ、かつ、得られた本発明1の穀類保存用容器は耐衝撃性等の機械的性能にも優れたものとなる。
【0012】
【化1】
Figure 2004155447
【0013】
式(1)中、nは2〜50の整数を表す。
【0014】
上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、塩化ビニルの単独重合体;塩化ビニルと酢酸ビニル、ビニルアルコール等の塩化ビニルと共重合可能な単量体との共重合体;高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂等が挙げられる。
【0015】
本明細書において上記唐辛子乾燥粉末とは、Capsicum annuum Linne又はその変種(Solanaceae)の果実を乾燥して粉末状にしたものを意味する。
唐辛子には原産地等の違いにより様々な種類のものがあるが、一般には、カプサイシン含有量が0.3〜0.5%である辛口タイプと、カプサイシン含有量が0.03〜0.04%である甘口タイプとに大別される。上記辛口タイプの品種としては、例えば、中国産の「天鷹」等が挙げられ、また、上記甘口タイプの品種としては、例えば、韓国又は中国産の「八房」、「益都」等が挙げられる。上記唐辛子乾燥粉末には、辛口タイプ、甘口タイプのいずれも、また、それ以外の亜種であっても用いることができるが、害虫忌避効果が高いことから辛口タイプが好適である。
【0016】
上記唐辛子乾燥粉末は、平均粒径の好ましい下限が0.5μm、好ましい上限が5mmである。0.5μmであると取扱い性が悪くなったり、樹脂との混合が困難になったりすることがあり、5mmを超えると、本発明1の穀類保存用容器の強度が低下することがある。
上記唐辛子乾燥粉末は、105℃で3時間乾燥したときの乾燥減量が10重量%以下であることが好ましい。10重量%を超えると、唐辛子乾燥粉末中の水分量が多く、本発明1の穀類保存用容器に気泡が発生し、強度が低下したり外観を損ねたりすることがある。
【0017】
上記熱可塑性樹脂組成物中における上記唐辛子乾燥粉末の配合量の好ましい下限は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して10重量部、好ましい上限は200重量部である。10重量部未満であると、充分な害虫忌避効果が得られないことがあり、200重量部を超えると、唐辛子臭が穀類に移ってしまうことがある。
【0018】
上記共重合体は、炭素数16〜22のアルキル(メタ)アクリレート又は炭素数16〜22のアルケニル(メタ)アクリレートと、上記式(1)で表される化合物とを共重合してなるものである。
このような共重合体は、上記熱可塑性樹脂と親和性の高いアルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートに由来する疎水性のセグメントと、上記唐辛子乾燥粉末と親和性の高い上記式(1)で表される化合物に由来する親水性のセグメントとを有することから、上記熱可塑性樹脂と唐辛子乾燥粉末との混合を促進する相溶化剤としての役割を果たす。
式(1)中、nの好ましい下限は2、好ましい上限は50である。この範囲外であると、耐衝撃性等の機械的性能が低下することがある。より好ましい下限は4、より好ましい上限は20である。
【0019】
上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートの炭素数の好ましい下限は16、好ましい上限は22である。16未満であると、得られる熱可塑性樹脂組成物の流動性が低下し、射出成形等による成形性に劣り、22を超えると、得られる本発明1の穀類保存用容器の耐衝撃性が低下する。
上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートとしては、例えば、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、リノレイル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いられても良く、2種以上が併用されてもよい。
【0020】
上記共重合体は、上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレート10〜90モル%と、下記式(1)で表される化合物90〜10モル%とを共重合して得られる。上記アルキル(メタ)アクリレート又はアルケニル(メタ)アクリレートの割合が10モル%未満であると、上記熱可塑性樹脂との相溶性に劣り、熱可塑性樹脂と唐辛子乾燥粉末との混合が不足して得られる本発明1の穀類保存用容器の強度が劣り、90モル%を超えると、上記唐辛子乾燥粉末との相溶性に劣り、熱可塑性樹脂と唐辛子乾燥粉末との混合が不足して得られる本発明1の穀類保存用容器の強度が劣る。
【0021】
上記共重合体の重量平均分子量の下限は3000、上限は50万である。3000未満であると、得られる本発明1の穀類保存用容器の強度が劣り、50万を超えると、得られる本発明1の穀類保存用容器の強度が劣る。好ましい下限は5000、好ましい上限は30万である。
【0022】
上記熱可塑性樹脂組成物中における上記共重合体の配合量の好ましい下限は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部、好ましい上限は40重量部である。0.1重量部未満であると、相溶化剤としての効果が得られないことがあり、40重量部を超えると、得られる本発明1の穀類保存用容器の強度が低下することがある。より好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
【0023】
上記熱可塑性樹脂組成物には、更に、カルボン酸金属塩、エポキシ基含有樹脂、ホスファイト化合物、フェノール系酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物、並びに/又は、二酸化チタンを配合してもよい。上記熱可塑性樹脂組成物を射出成形法等により成形する場合、唐辛子乾燥粉末の成分が気散して金型等に付着することがあるが、これらを配合することにより唐辛子乾燥粉末の成分の気散を抑制することができ、金型の汚染を防ぐことができる。また、製造時における忌避成分の気散を防げることから、得られる本発明1の穀物保存用容器の害虫忌避効果を更に長期間持続させることができる。
【0024】
上記カルボン酸金属塩としては特に限定されず、例えば、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ステアリン酸バリウム、オレイン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0025】
上記エポキシ基含有樹脂としては特に限定されず、例えば、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0026】
上記ホスファイト化合物としては特に限定されず、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0027】
上記フェノール系酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトール−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。
【0028】
上記熱可塑性樹脂組成物中における上記カルボン酸金属塩、エポキシ基含有樹脂、ホスファイト化合物、フェノール系酸化防止剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の配合量の好ましい下限は、上記唐辛子乾燥粉末に対して0.5重量%、好ましい上限は20重量%である。0.5重量%未満であると、唐辛子乾燥粉末からの成分気散を抑制する効果が得られないことがあり、20重量%を超えると、得られる穀類保存用容器の強度が低下することがある。より好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
【0029】
上記二酸化チタンの平均粒子径は0.25μm以下であることが好ましい。0.25μmを超えると、唐辛子乾燥粉末からの成分気散を抑制する効果が得られないことがある。より好ましくは0.22μm以下である。
【0030】
上記熱可塑性樹脂組成物中における上記二酸化チタンの配合量の好ましい下限は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5重量部、好ましい上限は10重量部である。0.5重量部未満であると、唐辛子乾燥粉末からの成分気散を抑制する効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、得られる穀類保存用容器の強度が低下することがある。より好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
【0031】
上記熱可塑性樹脂組成物を調製する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、上記熱可塑性樹脂、唐辛子乾燥粉末及び共重合体の所定量を、押出機、2本ロール、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混合する方法等が挙げられる。
【0032】
本発明1の穀類保存用容器の形状としては、穀類を出し入れするための開口部を有する容器本体と、上記開口部を施蓋する蓋体とからなるものであれば特に限定されない。
上記蓋体は、上記容器本体と分離できるものであってもよく、その一端が上記容器本体に固定され起立回動させることにより開閉できるようになっていてもよい。
上記容器本体又は蓋体には、通気を可能にし容器内の湿度等を調整できるようにメッシュ等からなる通気部が設けられていてもよい。なお、上記容器本体と蓋体とをパッキンにより密閉できるようにしてもよいが、穀類を風味を保ったまま保存するためには、ある程度の通気性があった方が好ましい。
上記容器本体の下部には、本発明の穀類保存用容器を容易に移動させることができるようにキャスター等の移動手段を設けてもよい。
本発明1の穀類保存用容器の形状の一実施形態を図1に示した。
【0033】
本発明の穀類保存用容器は、全体が上記熱可塑性樹脂組成物を用いてなるものであってもよいが、害虫の浸入経路となり得る箇所が上記熱可塑性樹脂組成物からなるものであれば害虫の浸入を防止することができる。上記害虫の浸入経路となり得る箇所としては、穀類保存用容器の内部が外部と接する箇所が挙げられ、例えば、穀類保存用容器が容器本体と蓋体とからなる場合には該蓋体、穀類保存用容器が上記通気部を有する場合には該通気部等が挙げられる。
本発明2は、少なくとも、害虫の浸入経路となり得る箇所が唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存用容器である。
本発明3は、少なくとも、容器本体と蓋体とからなる穀類保存用容器であって、上記蓋体は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存容器である。
本発明4は、容器内の湿度等を調整するための通気部を有する穀類保存用容器であって、前記通気部は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる穀類保存容器である。
【0034】
上記熱可塑性樹脂組成物は唐辛子乾燥粉末を含有することから、通常、不透明である。従って、上記蓋体や通気部のみを上記熱可塑性樹脂組成物を用いてなるものとし、上記容器本体を透明な樹脂からなるものとすれば、保存されている穀類の量を外から容易に把握することができるので好ましい。
【0035】
本発明の穀類保存用容器を製造する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。なかでも、射出成形法を用いれば、複雑な3次元構造であっても、容易にかつ大量に製造することができる。
【0036】
本発明の穀類保存用容器は、唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いてなることから、害虫忌避効果を有する。また、従来の通気性のある袋等に封入された防虫剤を用いるものに比べて害虫忌避効果の持続性に優れ、頻繁に防虫剤を交換する必要もない。更に、複雑な形状の防虫剤保持部を別部品として設ける必要もなく、射出成形法等により容易に、大量にかつ低コストに製造することができる。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
(1)唐辛子乾燥粉末の調製
唐辛子(「天鷹」)を天日にて充分を乾燥させた後、ミキサーを用いて粉砕した。得られた粉末を60メッシュの篩にかけて、篩を通ったものを唐辛子乾燥粉末として用いた。
【0039】
(2)共重合体の調製
メチルメタクリレート75モル%とメトキシポリエチレングリコール(7モル)モノメタクリレート25モル%とを混合し、更にこれらのモノマーに対し重合開始剤としてパーブチルO(日本油脂社製)を4重量%加え、攪拌して溶解した。モノマーと同量のトルエンを反応釜に満たし、105℃の温度下、攪拌しながら4時間かけて、モノマー/重合開始剤混合物を滴下した。滴下終了後パーブチルOを0.4%追触媒し、3時間熟成を行った。熟成終了後、減圧脱溶剤して共重合体を得た。
【0040】
(3)熱可塑性樹脂組成物の調製
ポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン社製、J−707)100重量部に対して、得られた唐辛子乾燥粉末100重量部、共重合体5重量部を加え、65mm二軸押出機を用い、180〜215℃にてペレット状コンパウンドを作製した。
【0041】
(4)穀類保存用容器の製造
得られたコンパウンドを180℃で射出成形して、図1aに示した穀類保存用容器の蓋体を作製した。一方、ポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン社製、J−707)を用いて、射出成形法により図1aに示した穀類保存用容器の容器本体を作製した。
得られた穀類保存用容器は、容量が5L、容器本体の開口部に設けられたフランジに唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる蓋体が固定されており、蓋体の一部が固定された一端を起点に起立回動させることにより開閉できるようになった構造を有し、更に本体の下部の2カ所にキャスターが設けられているものである。
【0042】
(実施例2)
更にステアリン酸カルシウム4重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0043】
(実施例3)
更にステアリン酸カルシウム4重量部と平均粒子径0.21μmの二酸化チタン5重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0044】
(実施例4)
更にフェニルグリシジルエーテル4重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0045】
(実施例5)
更にトリフェニルホスファイト4重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0046】
(実施例6)
更にペンタエリスリトールテトラビス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]4重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0047】
(実施例7)
唐辛子(「天鷹」)の代わりに唐辛子(「益都」)を用い、更にステアリン酸カルシウム4重量部を加えた以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0048】
(比較例1)
ポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン社製、J−707)100重量部に対して、実施例1で調製した共重合体5重量部と、檜材をミキサーで破砕して100メッシュの篩にかけて得た木粉100重量部とを加え、65mm二軸押出機を用い、180〜215℃にてペレット状コンパウンドを作製し、次いで、実施例1と同様の方法により穀類保存用容器を作製した。
【0049】
(比較例2)
共重合体を加えなかったこと以外は実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を調製し、穀類保存用容器を得た。
【0050】
実施例1〜4及び比較例1、2で作製した穀類保存用容器について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
【0051】
(1)耐衝撃性の評価
JIS K 7010「硬質プラスチックのアイゾット衝撃試験方法」に準拠して衝撃値を求めた。
【0052】
(2)忌避効果の評価
図2に示した方法により評価を行った。即ち、74×39×35cmの箱中に、蓋をした21.5×18×18cmのポリプロピレン製の容器(積水ライフテック社製)を2個入れ、箱の上部を布でふさいだ。一方のポリプロピレン製の容器には白米50gと作製した板状成形品とを入れて処理区とし、もう一方のポリプロピレン製の容器には白米50gのみを入れて無処理区とした。2個のポリプロピレン製の容器の中間に穀象虫100匹を入れた後、26℃、60%RHの条件下で放置した。5日後、処理区、無処理区及びそれ以外の箱中(外部容器内)に存在する穀象虫の数を計数し、下記式により忌避率を求めた。
【0053】
【数1】
Figure 2004155447
【0054】
得られた忌避率から、以下の基準により評価した。
〇:忌避率が50%以上
×:忌避率が50%未満
【0055】
(3)においの持続性の評価
50℃、80%RHの条件下に10日放置した前後のにおいを官能評価し、下記の基準により評価した。
◎:初期に比べて、全くにおいが変わらない
〇:初期に比べて、多少においが落ちたが、充分な唐辛子臭がする
△:初期に比べて、ほとんどにおいが落ちている
【0056】
(4)穀類への唐辛子臭の移りの評価
穀類保存容器中に白米を入れ、50℃、80%RHの条件下に10日放置した後の白米のにおいを官能評価し、下記の基準により評価した。
〇:唐辛子臭は全くしなかった
×:わずかながら唐辛子臭がした
【0057】
(5)金型汚染性の評価
50ショット後の金型の汚れ具合を目視により観察し、以下の基準により評価した。
〇:汚れている
×:汚れていない
【0058】
【表1】
Figure 2004155447
【0059】
表1より、実施例1〜7で作製した穀類保存用容器は、高い衝撃度と害虫忌避効果とを有することがわかった。なかでも、実施例2〜7で作製した穀類保存用容器は、においの持続性に優れ、また射出成形時に金型を汚染することもなかった。
一方、唐辛子乾燥粉末の代わりに木粉を配合した比較例1で作製した穀類保存用容器には害虫忌避効果は全く認められなかった。また、共重合体を配合しなかった比較例2では熱可塑性樹脂組成物の流動性が悪く射出成形が困難であり、また、なんとか得られた穀類保存用容器も衝撃度に劣るものであった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、害虫の浸入を防ぐことができる穀類保存用容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の穀類保存用容器の形状の一実施形態を示す模式図である。
【図2】実施例で行った忌避効果の評価方法を説明する模式図である。

Claims (4)

  1. 唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする穀類保存用容器。
  2. 少なくとも、害虫の浸入経路となり得る箇所が唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする穀類保存用容器。
  3. 少なくとも、容器本体と蓋体とからなる穀類保存用容器であって、前記蓋体は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする穀類保存容器。
  4. 容器内の湿度等を調整するための通気部を有する穀類保存用容器であって、前記通気部は唐辛子乾燥粉末を含有する熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする穀類保存容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011518420A (ja) * 2008-04-21 2011-06-23 マルチソーブ テクノロジーズ インコーポレイティド ランプアセンブリ
JP5753618B1 (ja) * 2014-08-01 2015-07-22 株式会社鬼工房 擬木

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