JP2004157724A - 解析モデル変換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次元CADにより設計された3次元形状データをもとに、有限要素法による3次元ソリッド解析モデルから2次元解析のためのシェル要素解析モデルを作成する方法に関する。
【解決手段】3次元解析モデルから2次元解析モデルへの変換を行う解析モデル変換方法であって、入力された3次元形状モデルに対して4面体ソリッド要素を生成し、前記ソリッド要素内の板厚方向中立面を構成する辺りの中間節点を結んで3角形あるいは4角形シェル要素を生成することを特徴とする解析モデル変換方法。
【選択図】 図1
【解決手段】3次元解析モデルから2次元解析モデルへの変換を行う解析モデル変換方法であって、入力された3次元形状モデルに対して4面体ソリッド要素を生成し、前記ソリッド要素内の板厚方向中立面を構成する辺りの中間節点を結んで3角形あるいは4角形シェル要素を生成することを特徴とする解析モデル変換方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元CADにより設計された3次元形状データをもとに、有限要素法による3次元ソリッド解析モデルから2次元解析のためのシェル要素解析モデルを作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の3次元CADの普及に伴い、3次元CAD形状データを利用した迅速な解析モデル作成方法の確立が望まれている。これに対し、線形構造解析に代表されるように、3次元CAD形状データをもとに有限要素法による4面体要素分割で3次元ソリッド解析モデルを作成して容易に解析ができるようになって来ている。
【0003】
しかしながら、例えばプラスチック射出成形CAE(流動・保圧・冷却・変形解析プログラム)のように、薄肉の構造・外装部品を対象にした場合には、3次元ソリッド解析モデルでの解析を実施することは、板厚方向温度分布を正確に計算する必要があるため、5層〜10層程度の板厚方向要素分割が必要である。この際の解析モデルの総要素数は500万以上にもなり、現状の計算機能力からみる限り計算コストの点で困難であり、3次元ソリッドモデルから手動で中立面を生成し、3角形あるいは4角形の2次元シェル要素で分割した解析モデルを使用して計算を行うケースが多く存在する。
【0004】
ここで、中立面ならびに中立面要素生成方法に先行例として、以下のものがある。
【0005】
1)3次元ソリッド形状モデルの板厚方向に中立面を生成する方法
3次元ソリッドCADデータから形状の板厚を構成する2つの面に対し、2次元中立面サーフェスデータを手動で生成する。例えば、IDEAS、PATRAN、FEMAPに代表されるCAD/CAEツールを使用して中立面を生成可能である。次に、この中立面形状に対して2次元シェル要素モデルを生成する方法がある。
【0006】
2)面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法
特開平11−353501号公報(カルソニック)では、3次元ソリッドCADデータから有限要素法などのプリプロセッサーを使用して6面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用してシェル要素を生成する方法を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記で述べた中立面ならびに中立面要素生成方法には、以下の問題点がある。
【0008】
1)次元ソリッドCADデータから2次元中立面サーフェスデータを生成方法面と面が交差する部分、板厚が変化する部分、厚肉部などに対して中立面を正確に生成する事は困難である。また、板厚がテーパ状に変化する場合など、生成した中立面サーフェスに対して板厚情報を付加することができない。よって、要素分割後に板厚情報を手動で入力する必要がある。
2)6面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法
6面体ソリッド要素の生成は、プリプロセッサーを使用しても自動的には困難であり、手動で行う必要がある。このため、モデル作成に非常に時間を要する。
【0009】
以上のように、3次元ソリッド形状モデルの板厚方向に中立面を生成しこの中立面形状に対して2次元シェル要素モデルを生成する方法、3次元ソリッド形状モデルに6面体ソリッド要素を生成し中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法は、ともに解析モデル作成に非常に時間がかかる欠点がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3次元CAD形状データを基に2次元シェル要素解析モデルを自動作成する方法に関する。これにより、3次元CAD形状データから2次元シェル要素解析モデルを作成する時間が大幅に短縮できる。
【0011】
本発明の請求項1に示す方法は、3次元解析モデルから2次元解析モデルへの変換を行う解析モデル変換方法であって、入力された3次元形状モデルに対して4面体ソリッド要素を生成し、前記ソリッド要素内の板厚方向中立面を構成する辺の中間節点を結んで3角形あるいは4角形シェル要素を生成することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に示す方法は、3次元形状および3次元解析モデルは、薄肉構造の形状であることを特徴とし、板厚方向に1層構造の4面体要素を生成させることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に示す方法は、請求項2で示した3次元解析モデルにおいて、形状の板厚を算出して中立面要素である3角形あるいは4角形シェル要素に板厚情報を付加することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3に示す方法は、請求項1で生成した3角形シェル要素に対し、隣接する2つの3角形シェル要素から必要に応じて4角形シェル要素への変換を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
前述したように本発明は、3次元CAD形状データをもとに2次元シェル要素解析モデルを自動作成する方法に関する。これにより、3次元CAD形状データから2次元シェル要素解析モデルを作成する時間を大幅に短縮することが可能である。以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
[実施形態]
本発明の実施形態の構成の概略を図1に示す。
【0017】
まず最初に、図1のS1に示すように、対象形状は3次元CADで設計され、3次元CAD形状データがあることを前提として考える。この3次元形状データを、有限要素法解析で使用されるSDRC社のIDEASやMSC社のPATRANなど4面体要素分割が可能なプリプロセッサーで読み込んだ状態からスタートする。
【0018】
図1のS2では、上記プリプロセッサーの4面体要素自動分割機能を利用して形状に対し4面体要素を生成する。この際の注意点としては、形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素の一辺の長さを指定する。これは、形状の最大板厚を指定することで可能である。そして、要素分割生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報を外部ファイルに書き出す。なお、形状に厚肉部が存在して板厚方向の分割が1層にならない場合は、予め3次元CAD側で形状の修正を行っておく。
【0019】
次に、図1のS3では、S2で生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報にもとづき、一つ一つの4面体要素に対して要素を構成する辺に対して中間節点を発生させる。なお、この処理はS2において4面体要素自動分割する際に、2次(4面体の各辺に中間節点がある)の4面体要素を指定して分割することでも可能である。
【0020】
図1のS4では、S3での中間節点情報を利用して、形状の板厚方向に対して3角形あるいは4角形の中立面シェル要素を生成する。形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成した場合、板厚方向の上下表面の間に生成される4面体要素の形態は、基本的に2つがある。1つは、図2に示すように4面体要素を構成する一対の面と頂点が形状の上下表面に位置する場合である。もう一つは、図3に示すように4面体要素を構成する2つの辺が形状の上下表面に位置する場合である。前者の中立面シェル要素は3角形となり、後者では4角形となる。
【0021】
次に、図1のS5で、S4で生成したすべての3角形あるいは4角形の中立面シェル要素に対し、中立面シェル要素面の法線方向にある形状表面までの板厚を算出して、シェル要素の板厚として定義する。
【0022】
最後に図1のS6で、前述の手順により生成した3角形あるいは4角形シェル要素の節点座標、素構成節点、要素板厚情報に、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成し、解析を実行する。
【0023】
以上、3次元形状から中立面シェル要素を生成して解析入力データを作成するまでの基本概要を示した。
【0024】
次に、実際の複雑な製品形状の形状要素に対応しておく必要があるので、この方法について詳細に述べる。
【0025】
考慮しておくべき形状要素として、形状に板厚差がある場合といろいろなタイプのリブ構造がある場合について、4面体要素の生成パターンと中立面シェル要素の生成方法について述べる。
【0026】
図4と図5は、形状の断面で板厚方向に板厚差がある場合について4面体要素の生成パターンを示している。基本的に、図に示すように形状の角部には、4面体要素を構成する2つ以上の要素面が形状の外表面に位置する要素ができる。この要素を「コーナー要素」と呼ぶことにする。このうち板厚段差部の「コーナー要素」(図5)は除外して考えることができるが、形状の端部の「コーナー要素」は省略することはできないので、この両者を区別する必要がある。
【0027】
またもう1つ、4面体要素を構成する要素面が一つも形状の外表面にでない要素(図5)ができる。この要素を「内部要素」と呼ぶことにする。この「内部要素」に中立面シェル要素を生成するには、隣接する4面体要素の中立面シェル要素の構成節点と連続性を考慮する必要がある。
【0028】
図6、図7、図8は、断面形状がリブなどの付加でT字形になる場合について4面体要素の生成パターンを示している。この例においても4面体要素を構成する要素面が一つも形状の外表面にでない「内部要素」が生成されるので、隣接する4面体要素の中立面シェル要素の構成節点と連続性を考慮したシェル要素の生成が必要がある。
【0029】
図9、図10は、断面形状がL字になる場合について4面体要素の生成パターンを示している。この例においても、「コーナー要素」と「内部要素」が生成される。
【0030】
図11、図12は、断面形状が十字あるいはこれ以上になる場合にについて4面体要素の生成パターンを示しているが、これらは基本的に、複数個の「内部要素」が生成されることを考慮する必要がある。
【0031】
このように、3次元形状に対して板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成して中立面シェル要素の生成するには、前述した、「コーナー要素」と「内部要素」に注目して、中立面シェル要素を生成すればよいことがわかる。よって、次にこの方法の詳細について述べる。
【0032】
図13は、前述の図1の流れを詳しく説明した図であり、生成した4面体要素から中立面シェル要素を生成するための詳細な流れを示す。
【0033】
まず最初に、図13のS10に示すように、対象形状は3次元CADで設計され、3次元CAD形状データがあることを前提として考える。前述したように、この3次元形状データを、有限要素法解析で使用される例えばSDRC社のIDEASやMSC社のPATRANなど4面体要素分割が可能なプリプロセッサーで読み込んだ状態からスタートする。
【0034】
S11では、上記プリプロセッサーの4面体要素自動分割機能を利用して形状に対し4面体要素を生成する。この際の注意点としては、形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素の一辺の長さを指定する。これは、形状の最大板厚を指定することで可能である。そして、要素分割生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報を外部ファイルに書き出す。なお、形状に厚肉部が存在して板厚方向の分割が1層にならない場合は、予め3次元CAD側で形状の修正を行っておく。
【0035】
次に、S12では、S11で生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報にもとづき、一つ一つの4面体要素に対して要素を構成する辺に対して中間節点を発生させる。なお、この処理はS11において4面体要素自動分割する際に、2次(4面体の各辺に中間節点がある)の4面体要素を指定して分割することでも可能である。
【0036】
S13では、分割された全4面体要素について、4面体要素の各面に隣接する隣接要素番号のテーブルを作成する。そしてS14ではさらに、分割された全4面体要素について、4面体要素の各面に隣接しない面(すなわち、形状の表面を構成する面)のテーブルを作成する。これらのテーブルは、容易に作成可能である。
【0037】
S15では、前述した4面体要素を構成する2つ以上の要素面が形状の外表面に位置する「コーナー要素」の検出を、形状を構成する全要素の1つ1つについて判定しながら行う。さらに、S16では、4面体要素を構成するどの要素面も形状の外表面に位置しない「内部要素」の検出を行う。これら「コーナー要素」、「内部要素」の検出も容易に作成可能である。
【0038】
またS17では、4面体要素で分割された形状データに関して中立面シェル要素生成を行う上で不要な「コーナー要素」を除外する。この際、すでに図5の板厚段差部の例で述べたように、板厚段差部の「コーナー要素」は除外するが、形状の端部の「コーナー要素」は省略できないので、この両者を区別する必要がある。これは、「内部要素」に隣接する「コーナー要素」をまず抽出して、この「コーナー要素」の2つ以上の要素面が、S14での形状表面構成要素テーブルに属しているかどうかで除外の対象要素を決定できる。そして、S18では、対象要素を除外して「内部要素」の隣接要素情報を更新する。
【0039】
以上の準備をした後、S19では、S12での中間節点情報を利用して、形状の板厚方向に対して3角形あるいは4角形の中立面シェル要素を生成する。形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成した場合、板厚方向の上下表面の間に生成される4面体要素の形態は、基本的に2つがある。1つは、図2に示すように4面体要素を構成する一対の面と頂点が形状の上下表面に位置する場合である。もう一つは、図3に示すように4面体要素を構成する2つの辺が形状の上下表面に位置する場合である。前者の中立面シェル要素は3角形となり、後者では4角形となる。
【0040】
次に、S20で、S19で生成したすべての3角形あるいは4角形の中立面シェル要素に対し、中立面シェル要素面の法線方向にある形状表面までの板厚を算出して、シェル要素の板厚として定義する。さらにS21では、S19で生成したすべての3角形のうち、隣接する2つの3角形の隣接辺両側の内角を考慮して1つの4角形に変換可能かを調べ、4角形に変換可能であれば変換を行う。
【0041】
以上の操作を行った後に、前述の手順により生成した3角形あるいは4角形シェル要素の節点座標、素構成節点、要素板厚情報に、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成し解析を実行する。
【0042】
[実施例]
次に、上記に述べた実施形態を実際の製品形状に適用した例について述べる。ここでは、薄肉のプラスチック構造外装部品をシェル要素でモデル化して解析を行うプラスチック射出成形CAE(流動、保圧、冷却、変形解析など)を対象として取り上げる。
【0043】
図14、図15は、レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状データである。この部品の基本板厚は2.5mmであり、複雑なリブ形状を有する。
【0044】
図16は、前記の3次元CAD形状データをIDEASの有限要素法解析のためのプリプロセッサー機能を使用して、4面体要素により板厚方向に1層構造となるように自動分割した時の要素分割図である。この要素分割図を、IDEASの中間フォーマットファイルであるユニバーサルファイル(テキストデータ)に出力する。
【0045】
図17は、このユニバーサルファイルを読み込んで、4面体要素から上記に述べた中立面要素分割方法にもとづき、中立面シェル要素を生成した最終のシェル要素モデルである。3次元CAD形状データから最終的に中立面シェル要素を生成するまでの時間は、1GHzのCPU速度を有するPCで、約30分程度である。
【0046】
この形状モデルに、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成することで射出成形解析を実行することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来の手動による中立面、シェル要素を生成する方法に比べ、3次元CAD形状データをもとにシェル要素解析モデルを自動作成することが可能である。これにより、3次元CAD形状データからシェル要素解析モデルを作成する時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中立面要素生成方法の概略を示すフロー図である。
【図2】4面体要素に3角形中立面要素が生成した場合の図である。
【図3】4面体要素に4角形中立面要素が生成した場合の図である。
【図4】板厚差形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図5】板厚差形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図6】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図7】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図8】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図9】L字形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図10】L字形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図11】十字の交差部形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図12】十字以上の交差部形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図13】中立面要素生成方法の詳細を示すフロー図である。
【図14】レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状図である。
【図15】レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状図である。
【図16】3次元CAD形状データをIDEASの有限要素法解析のためのプリプロセッサー機能を使用して、4面体要素により板厚方向に1層構造となるように自動分割した時の要素分割図である。
【図17】4面体要素から中立面要素分割方法にもとづき、中立面シェル要素を生成したシェル要素モデル図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、3次元CADにより設計された3次元形状データをもとに、有限要素法による3次元ソリッド解析モデルから2次元解析のためのシェル要素解析モデルを作成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の3次元CADの普及に伴い、3次元CAD形状データを利用した迅速な解析モデル作成方法の確立が望まれている。これに対し、線形構造解析に代表されるように、3次元CAD形状データをもとに有限要素法による4面体要素分割で3次元ソリッド解析モデルを作成して容易に解析ができるようになって来ている。
【0003】
しかしながら、例えばプラスチック射出成形CAE(流動・保圧・冷却・変形解析プログラム)のように、薄肉の構造・外装部品を対象にした場合には、3次元ソリッド解析モデルでの解析を実施することは、板厚方向温度分布を正確に計算する必要があるため、5層〜10層程度の板厚方向要素分割が必要である。この際の解析モデルの総要素数は500万以上にもなり、現状の計算機能力からみる限り計算コストの点で困難であり、3次元ソリッドモデルから手動で中立面を生成し、3角形あるいは4角形の2次元シェル要素で分割した解析モデルを使用して計算を行うケースが多く存在する。
【0004】
ここで、中立面ならびに中立面要素生成方法に先行例として、以下のものがある。
【0005】
1)3次元ソリッド形状モデルの板厚方向に中立面を生成する方法
3次元ソリッドCADデータから形状の板厚を構成する2つの面に対し、2次元中立面サーフェスデータを手動で生成する。例えば、IDEAS、PATRAN、FEMAPに代表されるCAD/CAEツールを使用して中立面を生成可能である。次に、この中立面形状に対して2次元シェル要素モデルを生成する方法がある。
【0006】
2)面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法
特開平11−353501号公報(カルソニック)では、3次元ソリッドCADデータから有限要素法などのプリプロセッサーを使用して6面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用してシェル要素を生成する方法を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記で述べた中立面ならびに中立面要素生成方法には、以下の問題点がある。
【0008】
1)次元ソリッドCADデータから2次元中立面サーフェスデータを生成方法面と面が交差する部分、板厚が変化する部分、厚肉部などに対して中立面を正確に生成する事は困難である。また、板厚がテーパ状に変化する場合など、生成した中立面サーフェスに対して板厚情報を付加することができない。よって、要素分割後に板厚情報を手動で入力する必要がある。
2)6面体ソリッド要素を生成し、中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法
6面体ソリッド要素の生成は、プリプロセッサーを使用しても自動的には困難であり、手動で行う必要がある。このため、モデル作成に非常に時間を要する。
【0009】
以上のように、3次元ソリッド形状モデルの板厚方向に中立面を生成しこの中立面形状に対して2次元シェル要素モデルを生成する方法、3次元ソリッド形状モデルに6面体ソリッド要素を生成し中間節点を使用して2次元シェル要素を生成する方法は、ともに解析モデル作成に非常に時間がかかる欠点がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、3次元CAD形状データを基に2次元シェル要素解析モデルを自動作成する方法に関する。これにより、3次元CAD形状データから2次元シェル要素解析モデルを作成する時間が大幅に短縮できる。
【0011】
本発明の請求項1に示す方法は、3次元解析モデルから2次元解析モデルへの変換を行う解析モデル変換方法であって、入力された3次元形状モデルに対して4面体ソリッド要素を生成し、前記ソリッド要素内の板厚方向中立面を構成する辺の中間節点を結んで3角形あるいは4角形シェル要素を生成することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に示す方法は、3次元形状および3次元解析モデルは、薄肉構造の形状であることを特徴とし、板厚方向に1層構造の4面体要素を生成させることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に示す方法は、請求項2で示した3次元解析モデルにおいて、形状の板厚を算出して中立面要素である3角形あるいは4角形シェル要素に板厚情報を付加することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項3に示す方法は、請求項1で生成した3角形シェル要素に対し、隣接する2つの3角形シェル要素から必要に応じて4角形シェル要素への変換を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
前述したように本発明は、3次元CAD形状データをもとに2次元シェル要素解析モデルを自動作成する方法に関する。これにより、3次元CAD形状データから2次元シェル要素解析モデルを作成する時間を大幅に短縮することが可能である。以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0016】
[実施形態]
本発明の実施形態の構成の概略を図1に示す。
【0017】
まず最初に、図1のS1に示すように、対象形状は3次元CADで設計され、3次元CAD形状データがあることを前提として考える。この3次元形状データを、有限要素法解析で使用されるSDRC社のIDEASやMSC社のPATRANなど4面体要素分割が可能なプリプロセッサーで読み込んだ状態からスタートする。
【0018】
図1のS2では、上記プリプロセッサーの4面体要素自動分割機能を利用して形状に対し4面体要素を生成する。この際の注意点としては、形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素の一辺の長さを指定する。これは、形状の最大板厚を指定することで可能である。そして、要素分割生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報を外部ファイルに書き出す。なお、形状に厚肉部が存在して板厚方向の分割が1層にならない場合は、予め3次元CAD側で形状の修正を行っておく。
【0019】
次に、図1のS3では、S2で生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報にもとづき、一つ一つの4面体要素に対して要素を構成する辺に対して中間節点を発生させる。なお、この処理はS2において4面体要素自動分割する際に、2次(4面体の各辺に中間節点がある)の4面体要素を指定して分割することでも可能である。
【0020】
図1のS4では、S3での中間節点情報を利用して、形状の板厚方向に対して3角形あるいは4角形の中立面シェル要素を生成する。形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成した場合、板厚方向の上下表面の間に生成される4面体要素の形態は、基本的に2つがある。1つは、図2に示すように4面体要素を構成する一対の面と頂点が形状の上下表面に位置する場合である。もう一つは、図3に示すように4面体要素を構成する2つの辺が形状の上下表面に位置する場合である。前者の中立面シェル要素は3角形となり、後者では4角形となる。
【0021】
次に、図1のS5で、S4で生成したすべての3角形あるいは4角形の中立面シェル要素に対し、中立面シェル要素面の法線方向にある形状表面までの板厚を算出して、シェル要素の板厚として定義する。
【0022】
最後に図1のS6で、前述の手順により生成した3角形あるいは4角形シェル要素の節点座標、素構成節点、要素板厚情報に、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成し、解析を実行する。
【0023】
以上、3次元形状から中立面シェル要素を生成して解析入力データを作成するまでの基本概要を示した。
【0024】
次に、実際の複雑な製品形状の形状要素に対応しておく必要があるので、この方法について詳細に述べる。
【0025】
考慮しておくべき形状要素として、形状に板厚差がある場合といろいろなタイプのリブ構造がある場合について、4面体要素の生成パターンと中立面シェル要素の生成方法について述べる。
【0026】
図4と図5は、形状の断面で板厚方向に板厚差がある場合について4面体要素の生成パターンを示している。基本的に、図に示すように形状の角部には、4面体要素を構成する2つ以上の要素面が形状の外表面に位置する要素ができる。この要素を「コーナー要素」と呼ぶことにする。このうち板厚段差部の「コーナー要素」(図5)は除外して考えることができるが、形状の端部の「コーナー要素」は省略することはできないので、この両者を区別する必要がある。
【0027】
またもう1つ、4面体要素を構成する要素面が一つも形状の外表面にでない要素(図5)ができる。この要素を「内部要素」と呼ぶことにする。この「内部要素」に中立面シェル要素を生成するには、隣接する4面体要素の中立面シェル要素の構成節点と連続性を考慮する必要がある。
【0028】
図6、図7、図8は、断面形状がリブなどの付加でT字形になる場合について4面体要素の生成パターンを示している。この例においても4面体要素を構成する要素面が一つも形状の外表面にでない「内部要素」が生成されるので、隣接する4面体要素の中立面シェル要素の構成節点と連続性を考慮したシェル要素の生成が必要がある。
【0029】
図9、図10は、断面形状がL字になる場合について4面体要素の生成パターンを示している。この例においても、「コーナー要素」と「内部要素」が生成される。
【0030】
図11、図12は、断面形状が十字あるいはこれ以上になる場合にについて4面体要素の生成パターンを示しているが、これらは基本的に、複数個の「内部要素」が生成されることを考慮する必要がある。
【0031】
このように、3次元形状に対して板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成して中立面シェル要素の生成するには、前述した、「コーナー要素」と「内部要素」に注目して、中立面シェル要素を生成すればよいことがわかる。よって、次にこの方法の詳細について述べる。
【0032】
図13は、前述の図1の流れを詳しく説明した図であり、生成した4面体要素から中立面シェル要素を生成するための詳細な流れを示す。
【0033】
まず最初に、図13のS10に示すように、対象形状は3次元CADで設計され、3次元CAD形状データがあることを前提として考える。前述したように、この3次元形状データを、有限要素法解析で使用される例えばSDRC社のIDEASやMSC社のPATRANなど4面体要素分割が可能なプリプロセッサーで読み込んだ状態からスタートする。
【0034】
S11では、上記プリプロセッサーの4面体要素自動分割機能を利用して形状に対し4面体要素を生成する。この際の注意点としては、形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素の一辺の長さを指定する。これは、形状の最大板厚を指定することで可能である。そして、要素分割生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報を外部ファイルに書き出す。なお、形状に厚肉部が存在して板厚方向の分割が1層にならない場合は、予め3次元CAD側で形状の修正を行っておく。
【0035】
次に、S12では、S11で生成された4面体要素の節点座標情報と要素構成節点情報にもとづき、一つ一つの4面体要素に対して要素を構成する辺に対して中間節点を発生させる。なお、この処理はS11において4面体要素自動分割する際に、2次(4面体の各辺に中間節点がある)の4面体要素を指定して分割することでも可能である。
【0036】
S13では、分割された全4面体要素について、4面体要素の各面に隣接する隣接要素番号のテーブルを作成する。そしてS14ではさらに、分割された全4面体要素について、4面体要素の各面に隣接しない面(すなわち、形状の表面を構成する面)のテーブルを作成する。これらのテーブルは、容易に作成可能である。
【0037】
S15では、前述した4面体要素を構成する2つ以上の要素面が形状の外表面に位置する「コーナー要素」の検出を、形状を構成する全要素の1つ1つについて判定しながら行う。さらに、S16では、4面体要素を構成するどの要素面も形状の外表面に位置しない「内部要素」の検出を行う。これら「コーナー要素」、「内部要素」の検出も容易に作成可能である。
【0038】
またS17では、4面体要素で分割された形状データに関して中立面シェル要素生成を行う上で不要な「コーナー要素」を除外する。この際、すでに図5の板厚段差部の例で述べたように、板厚段差部の「コーナー要素」は除外するが、形状の端部の「コーナー要素」は省略できないので、この両者を区別する必要がある。これは、「内部要素」に隣接する「コーナー要素」をまず抽出して、この「コーナー要素」の2つ以上の要素面が、S14での形状表面構成要素テーブルに属しているかどうかで除外の対象要素を決定できる。そして、S18では、対象要素を除外して「内部要素」の隣接要素情報を更新する。
【0039】
以上の準備をした後、S19では、S12での中間節点情報を利用して、形状の板厚方向に対して3角形あるいは4角形の中立面シェル要素を生成する。形状の板厚方向の分割が1層になるように4面体要素を生成した場合、板厚方向の上下表面の間に生成される4面体要素の形態は、基本的に2つがある。1つは、図2に示すように4面体要素を構成する一対の面と頂点が形状の上下表面に位置する場合である。もう一つは、図3に示すように4面体要素を構成する2つの辺が形状の上下表面に位置する場合である。前者の中立面シェル要素は3角形となり、後者では4角形となる。
【0040】
次に、S20で、S19で生成したすべての3角形あるいは4角形の中立面シェル要素に対し、中立面シェル要素面の法線方向にある形状表面までの板厚を算出して、シェル要素の板厚として定義する。さらにS21では、S19で生成したすべての3角形のうち、隣接する2つの3角形の隣接辺両側の内角を考慮して1つの4角形に変換可能かを調べ、4角形に変換可能であれば変換を行う。
【0041】
以上の操作を行った後に、前述の手順により生成した3角形あるいは4角形シェル要素の節点座標、素構成節点、要素板厚情報に、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成し解析を実行する。
【0042】
[実施例]
次に、上記に述べた実施形態を実際の製品形状に適用した例について述べる。ここでは、薄肉のプラスチック構造外装部品をシェル要素でモデル化して解析を行うプラスチック射出成形CAE(流動、保圧、冷却、変形解析など)を対象として取り上げる。
【0043】
図14、図15は、レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状データである。この部品の基本板厚は2.5mmであり、複雑なリブ形状を有する。
【0044】
図16は、前記の3次元CAD形状データをIDEASの有限要素法解析のためのプリプロセッサー機能を使用して、4面体要素により板厚方向に1層構造となるように自動分割した時の要素分割図である。この要素分割図を、IDEASの中間フォーマットファイルであるユニバーサルファイル(テキストデータ)に出力する。
【0045】
図17は、このユニバーサルファイルを読み込んで、4面体要素から上記に述べた中立面要素分割方法にもとづき、中立面シェル要素を生成した最終のシェル要素モデルである。3次元CAD形状データから最終的に中立面シェル要素を生成するまでの時間は、1GHzのCPU速度を有するPCで、約30分程度である。
【0046】
この形状モデルに、解析の種類に応じた境界条件や解析条件を加えて解析入力データを作成することで射出成形解析を実行することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、従来の手動による中立面、シェル要素を生成する方法に比べ、3次元CAD形状データをもとにシェル要素解析モデルを自動作成することが可能である。これにより、3次元CAD形状データからシェル要素解析モデルを作成する時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中立面要素生成方法の概略を示すフロー図である。
【図2】4面体要素に3角形中立面要素が生成した場合の図である。
【図3】4面体要素に4角形中立面要素が生成した場合の図である。
【図4】板厚差形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図5】板厚差形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図6】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図7】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図8】リブ形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図9】L字形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図10】L字形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図11】十字の交差部形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図12】十字以上の交差部形状の4面体要素分割例を示した図である。
【図13】中立面要素生成方法の詳細を示すフロー図である。
【図14】レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状図である。
【図15】レーザビームプリンター(LBP)で使用される定着用トナー容器の1部品であり、IDEASにより設計された3次元CAD形状図である。
【図16】3次元CAD形状データをIDEASの有限要素法解析のためのプリプロセッサー機能を使用して、4面体要素により板厚方向に1層構造となるように自動分割した時の要素分割図である。
【図17】4面体要素から中立面要素分割方法にもとづき、中立面シェル要素を生成したシェル要素モデル図である。
Claims (4)
- 3次元解析モデルから2次元解析モデルへの変換を行う解析モデル変換方法であって、入力された3次元形状モデルに対して4面体ソリッド要素を生成し、前記ソリッド要素内の板厚方向中立面を構成する辺の中間節点を結んで3角形あるいは4角形シェル要素を生成することを特徴とする解析モデル変換方法。
- 3次元形状および3次元解析モデルは、薄肉構造の形状であることを特徴とし、板厚方向に1層構造の4面体要素を生成させることを特徴とする請求項1記載の解析モデル変換方法。
- 請求項2で示した3次元解析モデルにおいて、形状の板厚を算出して中立面要素である3角形あるいは4角形シェル要素に板厚情報を付加することを特徴とする請求項1記載の解析モデル変換方法。
- 請求項1で生成した3角形シェル要素に対し、隣接する2つの3角形シェル要素から必要に応じて4角形シェル要素への変換を行うことを特徴とする請求項1記載の解析モデル変換方法。
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