JP2004158304A - 燃料電池 - Google Patents

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敏浩 中井
Hiroshi Kayano
博志 柏野
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軍 石
Shingo Nakamura
新吾 中村
Shoji Nishihara
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Abstract

【課題】燃料の携帯性と取り扱い性を改善し、ポータブル電源として使用できる燃料電池を提供する。
【解決手段】酸素を還元する正極1と、水素吸蔵材料を含む負極2と、正極1と負極2との間に設けられた電解質層と、金属水素化物を含む燃料4とを含む燃料電池であって、燃料4の粘度が1000mPa・s以上であり、燃料4がアルカリ水溶液と増粘剤とを含み、その増粘剤が、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩類、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどからなる燃料電池とする。さらに、負極2の水素吸蔵材料は、例えば、水素吸蔵合金またはカーボンナノチューブであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、増粘された燃料を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ラップトップコンピュータ、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である二次電池はますます小型化、高容量化が要望されている。現在、エネルギー密度が高く、小型軽量化が図れる二次電池としてリチウムイオン二次電池が実用化されており、ポータブル電源として需要が増大している。しかし、使用されるコードレス機器の種類によっては、このリチウム二次電池では未だ十分な連続使用時間を保証する程度までには至っていない。
【0003】
このような状況の中で、上記要望に応え得る電池の一例として、空気電池、燃料電池などが考えられる(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0004】
空気電池は、空気中の酸素を正極の活物質として利用する電池であり、電池内容積の大半を負極の充填に費やすことが可能であることから、エネルギー密度を増加させるためには好適な電池であると考えられる。しかし、この空気電池には、電解液として使用するアルカリ溶液が空気中の二酸化炭素と反応して劣化してしまうという問題がある。
【0005】
また、燃料電池については、用いる燃料に関していくつかの候補が挙げられているが、それぞれ種々の問題点を有しており、最終的な決定がいまだなされていない。例えば、燃料として純水素を用いる場合には、水素スタンドなどの燃料供給設備の整備に時間と膨大な資金が必要である。また、水素は非常に軽い可燃性ガスであるためその取り扱いが難しく、安全性の面でも問題がある。さらに、燃料としてガソリンを用い、ガソリンを改質して水素を取り出す場合には改質装置が必要となり、また改質の効率があまり高くないなどの問題もある。また、燃料としてメタノールを用いる場合には、改質メタノールを使用するときにはガソリンと同じような問題が生じ、改質せずにそのままメタノールを燃料として使用すると、出力や効率などが低くなり、燃料であるメタノールが電解質膜を透過してしまう量も大きいという問題がある。
【0006】
そこで、新たな水素燃料源として水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)が注目されてきた。水素化ホウ素ナトリウムは下記反応式により水素を発生させる。
【0007】
【化1】
NaBH + 2HO → NaBO + 4H
上記加水分解反応はアルカリ水溶液中では起こりにくいため、水素化ホウ素ナトリムをアルカリ水溶液中で安定に保存可能であり、新規な水素燃料源として期待されている。
【0008】
近年、燃料にNaBH、KBH、LiAlH、KH、NaHなどの金属水素化物を用い、水素吸蔵合金を負極に用いたアルカリ燃料電池が開発されている(例えば、特許文献3参照。)。このアルカリ燃料電池は、負極に燃料が供給されて水素が発生し、この水素を一旦負極に吸収貯蔵させて、必要に応じて使用して反応させ、正極では酸素が反応する。水素が負極に吸収貯蔵されることにより、放電レートに応じて水素を反応に用いることができる。また、燃料である金属水素化物は、水溶液などの液体に溶解させて用いられる。特に、金属水素化物はアルカリ水溶液中で安定であるので、アルカリ水溶液に溶解させて用いられる。
このアルカリ燃料電池は、燃料および酸素の供給さえ行えば連続的に使用することができる。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第3419900号明細書
【0010】
【特許文献2】
特公昭37−1054号公報
【0011】
【特許文献3】
米国特許第5599640号明細書
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記アルカリ燃料電池は液体燃料を使用しているため、固体燃料に比べて燃料の携帯性に劣り、また燃料を供給または排出する際の取り扱いが必ずしも容易ではないなどの問題がある。水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)などの金属水素化物のみを固体のまま用いればこのような問題はなくなるが、前述したとおり金属水素化物はアルカリ水溶液中では安定であるが、空気中では空気中の水分により加水分解を起こしやすい。そのため金属水素化物を固体のまま燃料として使用することは難しい。
【0013】
また、液体燃料を必要に応じて外部から供給する補器を用いることにより上記問題を解決することも考えられるが、補器を備えることにより電池全体が大きくなってしまい、燃料電池を小型ポータブル電源として用いることが困難となる。
【0014】
本発明は、燃料の携帯性と取り扱い性を改善し、ポータブル電源として使用できる燃料電池を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、金属水素化物を含む燃料とを含む燃料電池であって、
前記燃料の粘度が1000mPa・s以上であることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明の燃料電池の一実施形態は、酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、正極と負極との間に設けられた電解質層と、金属水素化物を含む燃料とを含む燃料電池であって、燃料の粘度を1000mPa・s以上、より好ましくは10000mPa・s以上、さらに好ましくは20000mPa・s以上としたものである。
【0018】
燃料の粘度を上げることにより、従来の液体燃料に比べて燃料の携帯性が向上し、また燃料を供給または排出する際の取り扱いも容易となる。さらに、従来の液体燃料に比べて燃料の電池本体および燃料供給口からの流出が起こりにくいため、電池本体および燃料供給口の封止構造を従来に比べて簡素化でき、電池体積をより小さくすることができ、燃料電池を小型ポータブル電源として利用できる。
【0019】
燃料の粘度を上げるためには、液体燃料に増粘剤を含有させることが好ましい。この増粘剤としては、通常ゲル化剤として使用される例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩類、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどが好ましい。これらは少量の添加で液体燃料をゲル化して粘度を上げることが可能であり、またアルカリ水溶液中でも安定だからである。なお、これらのゲル化剤は、2種以上を混合して用いることもできる。
【0020】
燃料の粘度の上限は使用する燃料電池の種類に応じて制限されるが、金属水素化物の拡散性を確保するために80000mPa・s以下が好ましい。
【0021】
また、上記燃料は、KOH、NaOH、LiOHなどを少なくとも一つ溶解した水溶液を含んでいることが好ましい。これにより、金属水素化物の加水分解を防止できるからである。
【0022】
負極に用いる水素吸蔵材料は、水素吸蔵合金またはカーボンナノチューブであることが好ましい。これらは水素の吸蔵能力に優れているからである。
【0023】
燃料に含まれる金属水素化物は、NaBH、KBH、LiBH、LiAlH、KAlHなどが好ましい。これらは水に容易に溶解でき、単位質量当たりの水素発生量が多いからである。なお、これらの金属水素化物は、2種以上を混合して用いることもできる。
【0024】
電解質層は、KOH、NaOH、LiOHなどを少なくとも一つ溶解した水溶液を含んでいることが好ましい。これにより、電解質層に高いイオン伝導性を付与できるからである。
【0025】
また、燃料と接する負極の表面には撥水処理が施されていることが好ましい。
これにより、発生した水素ガスを負極の水素吸蔵材料へ速やかに吸収することができるからである。この撥水処理は、負極の表面にフッ素樹脂を塗布することによりなされていることが好ましい。フッ素樹脂は撥水性に優れているからである。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレンなどを使用することができる。
【0026】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0027】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1における液体燃料電池の断面図である。正極1は、例えば、多孔質炭素粉末に触媒を担持した炭素粉末からなるカーボン層1bと、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる気液分離シート1aとを積層して構成される。正極1は酸素を還元する機能を有しており、多孔質炭素粉末に触媒を担持することによりその性能を向上させることができる。その触媒には、銀、白金、ルテニウム、酸化イリジウム、希土類酸化物、酸化マンガン、または銀、白金、ルテニウムを少なくとも一つ含む合金などが用いられる。また、正極1のカーボン層1bには、撥水性を付与するためPTFE樹脂粒子を含有させることができる。
【0028】
本実施形態の電解質としては、液状のものであれば種々のものを用い得るが、特にアルカリ水溶液が好適に用いられる。このアルカリ水溶液としては、例えば、KOH、NaOH、LiOHなどのアルカリ金属の水酸化物を10〜40質量%程度水に溶解したものが好ましく、複数のアルカリ金属の水酸化物を含んでいる混合電解質も用いることができる。
【0029】
負極2は、水素吸蔵材料を導電性基体に固着して形成され、燃料を酸化する機能を有している。水素吸蔵材料としては、水素吸蔵合金、またはカーボンナノチューブなどの炭素材料を用いることができ、特に水素吸蔵合金が適している。その水素吸蔵合金としては特にその種類は限定されないが、例えば、LaNiで代表されるAB型水素吸蔵合金、ZnMnまたはその置換体で代表されるAB型水素吸蔵合金、MgNiまたはその置換体で代表されるマグネシウム系のAB型水素吸蔵合金、固溶体型バナジウム系水素吸蔵合金などを用い得る。それらの中でも、希土類元素の混合物であるミッシュメタル(Mm)を用い、且つNiの一部をCoなどで置換したMmNi系のAB型水素吸蔵合金が特に好適に用いられる。耐久性および水素の吸蔵・放出の能力に優れているからである。
【0030】
負極2の導電性基体としては、電解質に対して耐食性を持つ材料からなり、水素吸蔵材料から電気的な接触が得られる基体であればよく、例えば、ニッケル製またはニッケルメッキした鉄製のパンチングメタル、発泡金属体などが用いられる。
【0031】
負極2の水素吸蔵材料を導電性基体に固着させるための結着剤としては、電解質中で化学的に安定で粘着性を有する材料であればよく、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ラテックスなどを用いることができる。中でもポリテトラフルオロエチレンは負極2に撥水性を付与することから好適に用いられる。
【0032】
燃料4と接する負極2の表面2aには撥水処理を施すことが好ましい。この撥水処理は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョンを負極2の表面に塗布することにより行われる。
【0033】
上記電解質を保持して電解質層を構成するため、正極1と負極2との間にセパレータ3を配置する。セパレータ3の材質は電解質に対して安定であれば特にその種類は限定されず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどからなる不織布が用いられる。また、電解質溶媒に水を用いる場合、セパレータ3の表面を親水化処理することが好ましい。
【0034】
燃料4としては、金属水素化物を溶解したアルカリ水溶液を含み、その粘度が1000mPa・s以上のものが用いられる。本実施形態では、予め粘度調整された燃料4を燃料供給口6から充填する必要があるため、粘度の上限は燃料4の充填性を維持できる30000mPa・s以下が好ましい。
【0035】
燃料4の水素供給源である金属水素化物としては、例えば、NaBH、KBH、LiBH、LiAlH、NaAlH、KAlH、KH、NaHなどが用いられ、特にNaBHが好適に用いられる。NaBHは、水またはアルカリ水溶液中で他の金属水素化物より安定であり、また、水素吸蔵合金との反応も穏やかだからである。
【0036】
燃料4の粘度調整は、金属水素化物を溶解したアルカリ水溶液に増粘剤としてゲル化剤を添加して行う。このゲル化剤としては、少量の添加で粘性を発現するとともにアルカリ水溶液中で安定な高分子などが用いられるが、特に、ポリアクリル酸またはその塩類、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシドなどが好適に用いられる。
【0037】
燃料4に含まれるアルカリ水溶液としては、例えば、KOH、NaOH、LiOHなどのアルカリ金属の水酸化物を水に溶解して、その濃度を10〜40質量%程度に調整したものが好ましく、複数のアルカリ金属の水酸化物を含んでいる混合水溶液も用いることができる。
【0038】
正極1、電解質層を構成するセパレータ3および負極2は、それぞれシート状に形成され、正極1、セパレータ3、負極2の順に積層されて、電極・電解質一体化物を構成している。
【0039】
負極2のセパレータ3と反対側には燃料4を貯蔵する燃料タンク5が隣接して設けられている。燃料タンク5は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成樹脂や、ステンレス鋼などの耐食性金属から構成されている。ただし、燃料タンク5を金属で構成する場合で、複数のセルを直列に接続して燃料電池モジュールを構成する場合には、それぞれのセル同士が電気的に短絡しないように燃料タンク5の表面を絶縁体で被覆する必要がある。
【0040】
また、正極1のセパレータ3と反対側にはカバー板7が設けられており、カバー板7の正極1と接する部分には空気孔8が設けられている。これにより、空気孔8を通して大気中の酸素が正極1と接することができる。
【0041】
正極1および負極2には集電体9が接続されており、集電体9は、例えば、白金、金などの貴金属や、ニッケルもしくはニッケルメッキをした耐食性金属、またはカーボンなどから構成されている。
【0042】
燃料タンク5には燃料4を供給するための燃料供給口6が設けられている。燃料4は燃料供給口6から供給されて燃料タンク5に補充される。燃料電池が発電するときは、燃料供給口6は密閉されて燃料4が燃料電池より漏れないようにされる。
【0043】
(実施形態2)
図2は、本発明の実施形態2における液体燃料電池の断面図である。本実施形態は、燃料タンク5の負極2と反対側の面が開閉可能な蓋形状であり、開閉蓋10を開けることにより燃料4が交換可能であること以外は、実施形態1と同様の構成である。本実施形態では、予め粘度調整された燃料4を開閉蓋10を開けて充填するため、燃料4の取り扱い性の観点からは粘度の上限は特に制限されないが、金属水素化物の拡散性を維持するため燃料4の粘度は80000mPa・s以下が好ましい。
【0044】
なお、図2において、11は電池使用時に発生するガスの排出口である。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
(実施例1)
以下のようにして実施形態1と同様の構造の燃料電池を作製した。
【0047】
燃料としては、30質量%のKOH水溶液にNaBHを1.6質量%溶解させたアルカリ水溶液を準備し、このアルカリ水溶液50cmに、ダイセル社製のカルボキシメチルセルロース“2260”(商品番号)を1.3g添加したものを用いた。この燃料の粘度をBH型回転粘度計を用いて温度25℃、回転数10rpmの条件で測定したところ、6200mPa・sであった。
【0048】
正極は次にように作製した。CABOT社製の白金微粒子を担持したカーボン”BP−2000”(商品名)0.25gを30cmの蒸留水に添加して10分間混合・攪拌した後、濃度60質量%のポリテトラフルオロエチレンの水性分散液0.18gを添加し、さらに20分間混合・攪拌した。その後、n−ブタノール8cmを添加して20分間混合・攪拌し、さらに200℃に加温して20分間混合・攪拌した後、凝集体を沈降させ、上澄みを除去して、正極触媒ペーストを得た。得られたペーストを40メッシュのニッケルメッシュ板電極支持体に塗布して乾燥し、ジャパンゴアテックス社製のポリテトラフルオロエチレンシート”ゴアテックスフィルム”(商品名、厚さ100μm、空孔率50%)に9MPaの圧力で圧着して正極とした。
【0049】
負極は次のように作製した。組成式:MmNi3.48Co0.74Mn0.4Al0.3(Mmは、La33質量%、Ce47質量%、Pr5質量%、Nd質量15%からなるミッシュメタル)からなる水素吸蔵合金100gに、5質量%のポリ−N−ビニルアセトアミド水溶液6g、カルボキシメチルセルロース0.1gおよび50質量%のラテックスの水性分散液1.3gを添加して混合し、負極合剤含有ペーストを得た。得られたペーストをニッケル発泡体からなる基体に塗布・充填し、乾燥して負極合剤層を形成した後、加圧成形して負極とした。
【0050】
電解質は30質量%のKOH水溶液を用い、セパレータは厚さ120μmのスルホン化ポリプロピレン製の不織布を用いた。
【0051】
本実施例で用いた燃料は加圧流動性を有するゲル状であるため、チューブ状の携帯容器に保存でき、また、燃料電池への充填時にも燃料が飛散せず、その取り扱い性に優れていた。
【0052】
(実施例2)
以下のようにして実施形態2と同様の構造の燃料電池を作製した。
【0053】
燃料としては、30質量%のKOH水溶液にNaBHを1.6質量%溶解させたアルカリ水溶液を準備し、このアルカリ水溶液50cmに、ダイセル社製のカルボキシメチルセルロース“2260”(商品番号)を2.3g添加したものを用いた。この燃料の粘度をBH型回転粘度計を用いて温度25℃、回転数10rpmの条件で測定したところ、59000mPa・sであった。これ以外の構成は、実施例1とほぼ同様にして燃料電池を作製した。なお、上記燃料の充填は、開閉蓋を開けて行った。
【0054】
本実施例で用いた燃料は高粘度のゲル状であるため、燃料一体化物として各種の携帯容器に保存でき、また、燃料電池への充填時にも燃料が飛散せず、その取り扱い性に優れていた。
【0055】
(比較例1)
カルボキシメチルセルロースを全く含まない燃料を使用したこと以外は、実施例1と同様にして燃料電池を作製した。この燃料の粘度をBH型回転粘度計を用いて温度25℃、回転数10rpmの条件で測定したが、粘度が低すぎて測定できなかった。なお、30質量%のKOH水溶液の粘度は、文献値で約2〜3mPa・sであるので、本比較例の燃料の粘度もこれに近い値であると推定される。
【0056】
本比較例で用いた燃料は通常の液体燃料であるため、燃料電池への充填時に燃料が飛散するおそれがあった。また、この燃料はアルカリ液体燃料であるため、携帯容器に保存する際に漏液するおそれがあった。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、燃料の携帯性と取り扱い性に優れ、ポータブル電源として使用できる燃料電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における燃料電池の断面図である。
【図2】本発明の実施形態2における燃料電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極
1a 気液分離シート
1b カーボン層
2 負極
2a 燃料と接する負極の表面
3 セパレータ
4 燃料
5 燃料タンク
6 燃料供給口
7 カバー板
8 空気孔
9 集電体
10 開閉蓋
11 排出口

Claims (8)

  1. 酸素を還元する正極と、水素吸蔵材料を含む負極と、前記正極と前記負極との間に設けられた電解質層と、金属水素化物を含む燃料とを含む燃料電池であって、
    前記燃料の粘度が1000mPa・s以上であることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記燃料が、増粘剤を含んでいる請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記増粘剤が、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸の塩類、カルボキシメチルセルロースおよびポリエチレンオキシドからなる群から選択された少なくとも一つからなる請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記燃料が、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいる請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池。
  5. 前記水素吸蔵材料が、水素吸蔵合金およびカーボンナノチューブから選択された一つである請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記金属水素化物が、NaBH、KBH、LiBH、LiAlHおよびKAlHからなる群から選択された少なくとも一つである請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池。
  7. 前記電解質層が、KOH、NaOHおよびLiOHからなる群から選択された少なくとも一つを溶解した水溶液を含んでいる請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 前記燃料と接する負極の表面には撥水処理が施されている請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池。
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