JP2004158493A - 銅被覆プラスチック基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シード層上に銅導体層を形成する銅被覆プラスチック基板において、シード層は、プラスチックフィルム上に形成された膜厚5Å以上25Å以下のクロム層からなる第一シード層と、第一シード層上に形成された膜厚が10Å以上300Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%未満、あるいは、膜厚が10Å以上150Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%以上40重量%以下であるニッケルクロム合金層からなる第二シード層とから構成される銅被覆プラスチック基板によって提供。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銅被覆プラスチック基板に関し、さらに詳しくは、塩化鉄溶液や塩化銅溶液を用いたエッチング法によって銅層のみならずシード層までパターニング可能で、かつ初期密着力、および、高温耐熱密着力が大きな銅被覆プラスチック基板に関する。このような銅被覆プラスチック基板は、プリント配線板、フレキシブルプリント配線板、TABテープ、COFテープ等の電子部品のフレキシブル基板として用いられる。
【0002】
【従来の技術】
銅被覆プラスチック基板は、プリント配線板(PWB)、フレキシブルプリント配線板(FPC)、テープ自動ボンディング用テープ(TAB)、そしてチップオンフィルム(COF)等の電子部品用の基板として多用されている。
これらPWB、FPC、TAB、COFなどは、ポリイミドなどプラスチックフィルムの少なくとも片面に金属導体層として、主に銅を被覆した金属被膜プラスチック基板を加工することによって得られている。またこの様な金属被覆プラスチック基板には、プラスチックフィルムと銅箔などの金属箔を接着剤を介して接合した3層基板と、プラスチックフィルムに直接金属層を形成した2層基板がある。
【0003】
最も汎用されている2層銅ポリイミド基板としては、市販の銅箔にポリイミドを成膜するキャスティング法による基板と、市販のポリイミドに、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式メッキ法でシード層を形成し、その上に乾式メッキ、又は湿式メッキ(電気メッキまたは無電解メッキ)、あるいはこれらを併用して銅層を形成するメッキ法による基板(以下、2層メッキ基板という)がある。
【0004】
従来、2層メッキ基板は、後工程であるPWB、FPC等の製造過程、例えば回路形成工程での電気メッキ等による金属の積層及びエッチング工程で、プラスチックフィルムと銅層との間の密着力が低下するという問題があった。
この解決策として、プラスチックと銅層の間に銅よりも密着性が良いシード金属層を形成する方法が提案されており、代表的なシード層の金属の種類および成膜方法としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)ニッケル又はニッケル合金をイオンプレーティング法で形成する(特許文献1参照)、
(2)ニッケル、コバルト、ジルコニウム、パラジウム又はこれらを含む合金をイオンプレーティング法で形成する(特許文献2参照)、
(3)ニッケル、コバルト、ジルコニウム、パラジウムの内1種を物理的な蒸着法で形成する(特許文献3参照)、
(4)ニッケル、錫、マンガン、インジウムを蒸着法で形成する(特許文献4参照)、
(5)蒸着した50〜500オングストロームの金属クロム層を形成する(特許文献5参照)、
(6)ニッケル又はニッケルークロムを蒸着法で形成する(特許文献6参照)、
(7)0.01〜5μmのクロム層をスパッタリング法で形成する(特許文献7参照)。
【0005】
しかしながら、ポリイミドなどのプラスチックフィルムと銅層との間の接着において、これらの提案は、回路形成後の密着力(初期密着)の向上には有効であったが、高温での熱負荷後の密着力(高温耐熱)に対しての要求には対応していない。
最近は、特に携帯電子機器の小型、薄型化にともない、上記のTAB、COFに対しても小型、薄型、すなわち高密度化が要求され、その配線ピッチ(配線幅/スペース幅)は益々狭くなっていることから、導体層(銅被膜)の厚みを薄く、自由にコントロールできる2層メッキ基板が特に注目されている。また同時に、耐熱性への要求性能は、益々上昇している。
【0006】
そこで、耐熱性の向上も目的とした解決策が提案されており、代表的な方法としては、例えば以下のようなものが挙げられる。
(1)25〜150Åの厚みのクロム/酸化クロム層をスパッタリング法で形成する(特許文献8参照)、
(2)150℃で4時間加熱しても、金属層とポリイミド層間での接着強度の低下が5%以内に抑えられる程度の厚みに、コバルト層をスパッタリング法で形成する(特許文献9参照)、
(3)150℃で4時間加熱しても金属層とポリイミド層間での接着強度の低下が5%以内に抑えられる程度の厚みに、チタン層をスパッタリング法で形成する(特許文献10参照)、
(4)150℃で4時間加熱しても、金属層とポリイミド層間での接着強度の低下が5%以内に抑えられる程度の厚みに、モリブデン層をスパッタリング法で形成する(特許文献11参照)、
(5)チタン、コバルト、モリブデン、及びニッケルのうち、少なくとも2種以上含む合金層をスパッタリング法で形成する(特許文献12参照)、
(6)50〜500オングストロームの厚さのニクロム合金をスパッタリング法で形成する(特許文献13参照)、
(7)ニッケル、銅―ニッケル合金、クロム、クロム酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種を、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式メッキ法で形成する(特許文献14参照)。
【0007】
これらの提案は、それぞれの用途での耐熱性の向上に貢献しているが、さらに、より厳しい高温耐熱性、及びエッチングされやすい膜特性への対応が求められている。例えば、ポリイミドなどの電気絶縁性支持体フィルム上に25〜150Åの厚みのクロム/酸化クロムスパッタリング層を形成し、さらに銅層を形成する方法(特許文献8参照)が提案されていた。このような25Å以上のクロム/酸化クロムシード層をもつ2層めっき基板の場合、そのパターニング加工において、銅層を塩化鉄溶液あるいは塩化銅溶液でエッチングした後に、残ったクロムシード層を除去するために過マンガン酸カリウム溶液などの、環境に負荷のかかる薬品を使用する必要があった。
【0008】
しかし、近年の環境保全に対する社会的な要請に伴って、COFの加工においては、過マンガン酸カリウム溶液を用いず、より環境に優しい塩化鉄溶液や塩化銅溶液を用いて銅層のみならずシード層までエッチングできる2層メッキ基板が求められている。
さらに、COFの加工工程において、上記パターニング後の2層めっき基板のCuリード上にSnメッキが施される。SnメッキされたCuリードは、Siチップ上のAuバンプと、電気的、機械的に接続される。この接続はILB (Inner Lead Bonding:インナーリードボンディング)接続と呼ばれ、この際には2層メッキ基板は200℃以上、場合によっては350℃から450℃の高温にさらされる。
【0009】
しかし、従来の2層メッキ基板は、ILB接続による高温熱負荷後の密着力が著しく低下するという問題があった。例えば、500N/m以上の初期密着力の2層メッキ基板を、350℃から450℃の温度範囲で10秒間の熱圧着をした後の高温耐熱密着力が、500N/m以下に低下してしまう。
以上の状況から、市場からは、塩化鉄溶液あるいは塩化銅溶液でエッチング可能で、かつ高温熱負荷後の銅層とプラスチックフィルムとの密着力の信頼性の高い2層メッキ基板が求められている。
【0010】
【特許文献1】
特公昭57―18356号公報(第1頁)
【特許文献2】
特公昭57―18357号公報(第1頁)
【特許文献3】
特公昭57―33718号公報(第1頁)
【特許文献4】
特開昭61―128593号公報(第2頁)
【特許文献5】
特開昭62―62551号公報(第1頁)
【特許文献6】
特開昭62―181488号公報(第1頁)
【特許文献7】
特開平02―98994号公報(第1頁)
【特許文献8】
特公平04―65558号公報(第1頁)
【特許文献9】
特開平08―330693号公報(第2頁)
【特許文献10】
特開平08―330694号公報(第2頁)
【特許文献11】
特開平08―330695号公報(第2頁)
【特許文献12】
特開平08―332697号公報(第2頁)
【特許文献13】
特開平09―83134号公報(第2頁)
【特許文献14】
特開平10―256700号公報(第2頁)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、塩化鉄溶液や塩化銅溶液を用いたエッチング法によって銅層のみならずシード層までパターニング可能で、かつ銅導体層の厚み8μmにおいて、初期密着力、および、350℃から450℃の温度範囲で10秒間の熱圧着後の高温耐熱密着力が、いずれも500N/m以上となる銅被覆プラスチック基板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的を達成するために、銅被覆プラスチック基板において、プラスチックフィルムと銅層の間に形成するシード層の構成について、鋭意研究を重ねた結果、シード層の構成を最適化すること、即ち、シード層をクロム層とニッケルクロム合金層からなる2層構造にし、かつニッケルクロム合金中のクロム濃度を特定の範囲に保ちながら、これらシード層の膜厚を適正に制御することによって解決出来ることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、プラスチックフィルムの両面または片面に、接着剤を介さずに直接シード層を形成し、そのシード層上に銅導体層を形成してなる銅被覆プラスチック基板において、シード層は、プラスチックフィルム上に形成された膜厚5Å以上25Å以下のクロム層からなる第一シード層と、第一シード層上に形成された膜厚が10Å以上300Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%未満、あるいは、膜厚が10Å以上150Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%以上40重量%以下であるニッケルクロム合金層からなる第二シード層とから構成されることを特徴とする銅被覆プラスチック基板が提供される。
【0014】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、第一シード層及び第二シード層がスパッタリング法で形成されることを特徴とする銅被覆プラスチック基板が提供される。
【0015】
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、プラスチックフィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする銅被覆プラスチック基板が提供される。
【0016】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3何れかの発明において、銅導体層の厚み8μmにおいて、350〜450℃の温度範囲で10秒間加熱圧着後の高温耐熱密着力が500N/m以上であることを特徴とする銅被覆プラスチック基板が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の銅被覆プラスチック基板を詳細に説明する。
【0018】
本発明にかかる銅被覆プラスチック基板は、環境に優しいエッチング加工性を有し、かつ、高温耐熱性に優れる。詳細には、塩化鉄溶液や塩化銅溶液を用いたエッチング法によってパターニング可能で、かつ銅導体層の厚み8μmにおいて、初期密着力、および、350℃から450℃の温度範囲で10秒間の熱圧着後の高温耐熱密着力が、いずれも500N/m以上となるものである。
【0019】
本発明に用いるプラスチックフィルムとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミドなどの耐熱性を有するフィルムが用いられるが、これらの中でも、特に耐熱性にすぐれ、また機械的、電気的および化学的特性において他のプラスチック材料に比べ遜色のないポリイミドフィルムが好ましい。本発明に用いるポリイミドフィルムは、カプトン、アピカル、ユーピレックスなどの商品名の市販のポリイミドフィルムで良く、その厚さは5から75μmのものが好ましい。
【0020】
本発明では、プラスチックフィルムの両面または片面に、接着剤を介さずに直接シード層を形成し、そのシード層上に銅導体層を形成する。このシード層は、プラスチックフィルム上に形成する第一シード層と、第一シード層の上に形成する第二シード層の2層より構成され、異なる2層の金属(合金)層にすることが必須である。この構成でシード層を形成することによって、密着性に関する本発明の目的が達成される。
【0021】
第一シード層としては、クロムを用い、その膜厚は、5Å以上25Å以下であり、好ましくは10〜20Åである。クロム層の膜厚が5Å未満では、目的の高温耐熱性を維持することが不可能であり、25Åを超えるとパターニング工程のエッチング処理の効率が低下するか、エッチング残りが生じるためである。
【0022】
第二シード層としては、ニッケルクロム合金を用い、その膜厚は、ニッケルクロム合金中のクロム濃度によって異なる。第二シードとして用いるニッケルクロム合金中のクロム濃度は、40重量%以下である。40重量%を超えると、パターニング工程のエッチング処理の効率が低下するか、エッチング残りが生じるためである。
クロム濃度が15重量%未満の場合は、その膜厚は10Å以上300Å以下であり、好ましくは30〜200Åである。ニッケルクロム合金の膜厚が10Å未満では、目的の高温耐熱性を維持することが不可能であり、300Åを超えるとパターニング工程のエッチング処理の効率が低下するか、エッチング残りが生じるためである。
また、クロム濃度が15重量%以上40重量%以下の場合は、その膜厚は10Å以上150Å以下であり、好ましくは15〜100Åである。ニッケルクロム合金の膜厚が10Å未満では、目的の高温耐熱性を維持することが不可能であり、150Åを超えるとパターニング工程のエッチング処理の効率が低下するためである。
【0023】
また、第1シード層であるクロムの不純物濃度は、2重量%以下であることが好ましく、第2シード層であるニッケルクロム合金の不純物濃度は、1重量%以下であることが好ましい。第1シード層であるクロムの不純物濃度が2重量%を超え、および/または、第2シード層であるニッケルクロム合金の不純物濃度が1重量%を超えると、パターニング工程時のエッチング処理が困難になったり、密着力にバラツキが生じたりするためである。
【0024】
シード層の形成は、プラスチックフィルムの表面に直接、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式メッキ法で行うのがよい。特に、プラスチックフィルムへの密着性と膜厚制御の安定性の観点から、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法において、特定される条件はなく、直流スパッタ、高周波スパッタ、イオンビームスパッタ、マグネトロンスパッタ等が用いられる。
【0025】
なお、シード層の形成に先立って、プラスチックフィルム表面の改質処理として、酸、アルカリ、有機溶媒などの薬液処理や、真空又は大気中雰囲気でのプラズマ処理を施しても良い。また、乾燥処理として、加熱工程を入れても良い。
【0026】
本発明の銅被覆プラスチック基板は、上記第2シード層の上に、銅層をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式メッキ工程で、あるいは、電解銅メッキ法または無電解銅メッキ法などの湿式メッキ工程で、形成する。前記乾式工程と湿式工程を組み合わせて銅層を形成してもよい。例えば、第2シード層の上に、ピンホール欠陥の軽減及び通電性の確保のために、層厚200〜5,000Åの銅層を乾式メッキ工程で形成し、次いで、主に導電性及び機械的性能の確保のために所定の厚さまで湿式メッキ工程で銅層を形成する。
銅層の膜厚は用途に応じて最適な膜厚を選べばよいので特に限定されるものではないが、800Å以上、35μm以下が好ましい。800Å未満であると、導電性及び機械的強度が低下するためであり、35μmを超えると配線の狭ピッチ化に支障が生じ、また生産性が低下するためである。
【0027】
本発明の銅被覆プラスチック基板は、シード層として、異なる金属の2種類の第一シード層及び第二シード層を有するので、高温耐熱密着力に優れる。すなわち、350〜450℃の高温での耐熱性が付与され、初期密着力、及び350〜450℃の温度範囲で10秒間の加熱圧着後の高温耐熱密着力が、いずれも銅導電体の厚み8μmにおいて、500N/m以上であり、好ましくは530N/m以上である。
上記の様に第二シード層に用いるニッケルクロム合金層中のクロム濃度と膜厚を適正に形成し、使用するプラスチックフィルムの種類、銘柄などフィルムの表面性状、さらに前処理としての表面改質状況を加味することにより、より高温耐熱密着力の銅被覆プラスチック基板が得られる
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた使用ポリイミドフィルム、及びサンプル作製方法と評価方法は、以下の通りである。
(1)使用ポリイミドフィルム
東レデュポン(株)社製のカプトンEN、38μm厚のポリイミドフィルムを真空中で加熱乾燥した後に使用した。
(2)サンプル作製方法および評価方法
製造された銅被覆ポリイミド基板から試験片を取出し、まずパターニングを行った。エッチング液として塩化鉄溶液を用いて幅1mmのリードを形成し密着測定用サンプルを作製した。パターニング後に、密着測定用サンプルのリード周辺の、本来金属層が除去されてポリイミドが露出されるべき部分が、きちんとエッチングされているかどうかをEPMA(電子線微小部分析装置)による元素分析で確認した。密着測定用サンプルを90度ピール試験により、測定した。この密着力を初期密着力とした。
次に同様に製造された別の密着測定用サンプルを、大気中で400℃に加熱されたセラミックスヘッドで、ポリイミド側から圧力3MPaで10秒間加熱圧着して、熱負荷を与えた。400℃に加熱圧着後の密着力を高温耐熱密着力とした。
なお、前記各密着力は、銅厚が厚くなるほど高い値を示す傾向にあるので、本発明での密着力の測定は、現在汎用されている銅厚8μmでの測定を基準として実施した。密着力の測定は、いずれも、JPCA BM01−11.5.3に準じて実施した。
【0029】
実施例1
ポリイミドフィルムの片側に、第1シード層として、クロム層をスパッタリング法によって8Åの膜厚に形成した。次に、第1シード層の上にクロム濃度が7重量%であるニッケルクロム合金層を、スパッタリング法によって100Åの膜厚に形成した。続いて銅層を、まずスパッタリング法によって1500Åの膜厚に形成した後に、電解銅メッキ法によって銅層が合計8μmの厚みになるように形成し、銅被覆ポリイミド基板を製造した。この基板の1部から、評価用サンプル作製を行い、リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0030】
実施例2
第1シード層として、クロム層を20Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0031】
実施例3
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0032】
実施例4
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が7重量%のニッケルクロム合金層を250Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0033】
実施例5
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が20重量%のニッケルクロム合金層を20Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0034】
実施例6
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が20重量%のニッケルクロム合金を120Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0035】
実施例7
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が35重量%のニッケルクロム合金層を50Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0036】
比較例1
第1シード層のクロム層を形成せず、クロム濃度が7重量%、膜厚100Åのニッケルクロム合金層を直接ポリイミド上に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0037】
比較例2
第1シード層として、クロム層を35Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0038】
比較例3
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層のニッケルクロム合金層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0039】
比較例4
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が7重量%のニッケルクロム合金層を400Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0040】
比較例5
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が35重量%のニッケルクロム合金層を300Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で銅被覆ポリイミド基板を製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0041】
比較例6
第1シード層として、クロム層を15Åの膜厚に形成し、第2シード層としてクロム濃度が45重量%のニッケルクロム合金層を100Åの膜厚に形成した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。リード周辺のエッチング状態、および初期密着力、高温耐熱密着力の測定結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
表1から明らかなように、実施例1〜7では、クロム層(第一シード層)の膜厚が5Å以上25Å以下であり、かつクロム濃度が15重量%未満であるニッケルクロム合金層(第二シード層)の膜厚が10Å以上300Å以下であるとき、また、クロム層(第一シード層)の膜厚が5Å以上25Å以下であり、かつクロム濃度が15重量%以上40重量%以下であるニッケルクロム合金層(第二シード層)の膜厚が10Å以上150Å以下であるとき、リード周辺のエッチング状態はシード層の残留がなく良好で、初期密着力が600N/m以上、高温耐熱密着力が500N/m以上である銅被覆ポリイミド基板が得られることが分かる。これに対して、比較例1〜6では、シード層の構成、または膜厚がこれらの条件に合わないため、リード周辺のエッチング状態、又は高温耐熱密着力のいずれかに満足すべき結果が得られないことが分かる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の銅被覆プラスチック基板は、塩化鉄溶液や塩化銅溶液を用いたエッチング法によってパターニング可能で、かつ銅導電体の厚み8μmにおいて、初期密着力、および、350℃から450℃の温度範囲で10秒間の熱圧着後の高温耐熱密着力が、いずれも500N/m以上となる高耐熱性の2層メッキ基板であり、その工業的価値は極めて大きい。
Claims (4)
- プラスチックフィルムの両面または片面に、接着剤を介さずに直接、シード層を形成し、そのシード層上に銅導体層を形成してなる銅被覆プラスチック基板において、シード層は、プラスチックフィルム上に形成された膜厚5Å以上25Å以下のクロム層からなる第一シード層と、第一シード層上に形成された膜厚が10Å以上300Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%未満、あるいは、膜厚が10Å以上150Å以下でニッケルクロム合金中のクロム濃度が15重量%以上40重量%以下であるニッケルクロム合金層からなる第二シード層とから構成されることを特徴とする銅被覆プラスチック基板。
- 第一シード層及び第二シード層がスパッタリング法で形成されることを特徴とする請求項1に記載の銅被覆プラスチック基板。
- プラスチックフィルムがポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅被覆プラスチック基板。
- 銅導体層の厚み8μmにおいて、350〜450℃の温度範囲で10秒間加熱圧着後の高温耐熱密着力が、500N/m以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の銅被覆プラスチック基板。
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|---|---|---|---|
| JP2002320009A JP4222001B2 (ja) | 2002-11-01 | 2002-11-01 | 銅被覆プラスチック基板 |
Publications (2)
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