JP2004158554A - 薄板状物スピン装置およびこれを用いた薄板状物処理システム - Google Patents

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勝則 坂田
Takashi Kuramochi
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Abstract

【課題】スピン塗布装置やスピン洗浄機、吸着回転式位置決め装置を用いると、半導体ウエハやガラス基板の裏面が金属化合物などで汚染されることが多く、半導体チップの歩留まりが向上しなかった。
【解決手段】スピンドル吸着面から吸引口継ぎ手までの少なくとも1箇所、好ましくはスピンドルの中に、ポアサイズ0.5μm以下の非腐食性フィルターを設けることにより大幅な改良がなされた。さらに、スピンドルから吸気口継ぎ手までの間の真空配管内部の大部分を樹脂などの非腐食性材料にすることにより、金属汚染問題を解決することができた。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示パネル用基板、プラズマディスプレイパネル、有機EL表示装置、無機EL表示装置などの薄板状物の加工、洗浄、検査で使用され、薄板状物をスピンドルと呼ばれる円座上で回転させるスピン装置、並びにこの薄板状物スピン装置を用いる薄板状物処理システムに関する。さらに詳しくは、薄板状物をスピンドルに固定する際の真空吸着系に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程では、薄板状物基板であるウエハは、図1に示すような複数の棚段を備えた清浄容器20に複数枚、収納されてクリーンルーム内で運搬される。また最近は、ウエハ上の微細な電気回路の短絡に繋がる異物が付着するのを高度に防止するため、ウエハは、清浄容器の中に収納されて運搬され、高清浄クリーンブースの中へ前記容器から取り出されて、検査、加工等種々の処理を受ける。その後、清浄容器への収納作業開始前に、ウエハをロボットなどの搬送装置を用いて戻す場合には、ロボットのフィンガーの中心位置に、ウエハ中心位置を合わせなければ、清浄容器の壁に当たってウエハに傷を付けたり落下させるなど不具合を生じる。
【0003】
また、例えばパターニング、蒸着、化学蒸気沈着等の加工、各種の検査などのウエハの位置情報が必須な工程においては、オリエンテーションフラット(以後オリフラという)やノッチなどウエハ外周の切り欠き部とウエハ中心位置とを常に一定位置に置くことは重要な前段階作業で、ここでスピン型の位置決め装置が使用される。ここで、切り欠き部の方向、ウエハの中心位置を検出して正しい位置に正確に移行させてから、各種加工装置、各種検査装置やロボットに受け渡すなどの工程が必要となる。
【0004】
前記位置決め装置においては、一般にウエハが置ける程度の小さな円座であるスピンドルを備えた回転軸上にこれを置き、スピンドル上表面に連通する真空ラインを作動させてウエハを吸着して固定する。ここで位置決め装置内での真空ラインは、縦に設置するモータの回転軸の中心に連通する穴を設け、上部には吸引溝と吸引孔を施した前記スピンドルを接続し、そのモータ軸に直接または間接に回転継ぎ手を接続し、電磁弁、固定継ぎ手を通して、外部の真空装置に接続してある。
【0005】
その後、ウエハを回転させて、回転中心からウエハ外周縁部までの偏芯半径と回転角度を、センサで検知し、円形ウエハの中心位置と切欠き部位置を算出する。その後、ウエハを前記位置決め装置のX軸、Y軸上の算出した距離だけ移動させ、更に算出した角度だけ回転させて、所定の場所に位置付ける。
【0006】
スピン塗布装置は、スピンドル上で回転するウエハ基板や液晶用ガラス基板を同様に吸着固定し、その回転中心に上からレジスト材溶液などを流下し、遠心力により基板表面上を周縁まで流延させるものである。スピン洗浄装置は、前記レジスト材に代えて洗浄用純水や溶媒を流下するものである。
【0007】
近年、スピンドル型の位置決め装置やスピン塗布装置、スピン洗浄装置などのスピン装置においては、ウエハの裏面が種々の物質で汚染されるため、ウエハの周縁部を把持するエッジクランプ型装置が開発されているが、スピンドル型位置決め装置自体のこの欠点を改良しようとする試みはなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
エッジクランプ型装置に比べて、スピンドル型装置は、縁部を含め上面には触れない事や、遠心力によりレジストや洗浄液等の処理剤を用意に均一流延できるなど、数々の利点があり、本発明者らは、スピン装置の改良研究に鋭意注力してきた。特に、位置決め速度が格段と速いスピンドル型位置決め装置においては、欠点とされるウエハ裏面汚染問題を解決すれば、利用価値は高い。そこで本発明者らは、汚染ウエハの裏面やスピンドル上表面の汚染状態を観察し、汚染物質を分析した結果、多くは粒状物であり且つ金属酸化物であることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
中空である回転軸の上端に設けられた真空吸着型スピンドルと、スピンドル吸着面への真空配管とを具える薄板状物スピン装置において、 前記スピンドルの吸着面と吸引口継ぎ手との間の任意の場所に少なくとも1つのフィルターを設けることによって、大幅に汚染を減少さることに成功した。
【0010】
前記フィルターに加えて、前記中空である回転軸とこれに繋がる排気パイプの内側にあって吸着用吸気が触れる真空配管の内面の大部分もしくは全部を樹脂材料などの非腐蝕性材料とすること、及び少なくともスピンドルの吸着面と回転継ぎ手未満までの間はすべて樹脂材料とすることによって汚染問題を大幅に改善することができ、さらに前期フィルターを設けることと、真空配管の内面の大部分を非腐蝕性材料とすることを合わせれば、汚染問題を解決することもできることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例と実施図面とに基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。図1は、本発明のスピン装置の一種であるウエハ位置決め装置1とスピン塗布装置30とを組込んだウエハ処理システムの一部切り欠き斜視図である。
図1におけるウエハ位置決め装置1は、ウエハが棚段状に収納されている清浄容器であるウエハカセット20内からウエハ搬送装置40によりウエハ処理装置であるスピン塗布装置30へウエハを移送する際、ウエハの位置決めを行う装置である。また、ウエハ搬送装置40、ウエハ処理装置30、ウエハ位置決め装置1はそれぞれ通常の制御装置を備えるとともに、それら制御装置を制御するための上位制御装置を備えシステムを形成している。ここで前記の各装置1,20,30、40が置かれる部分をカバーで区切り、装置の天井部に図示しないファン・フィルタ・ユニットを設けることで、このカバー内にミニエンバイロンメントと称する高清浄領域を設ける事もできる。
【0012】
前記図1のウエハ位置決め装置1は、図2に示すように、直交する直線移動機構であるX軸移動機構と、Y軸移動機構を装置の下方部に備え、水平なXY平面上を移動可能としている。また、X軸移動機構およびY軸移動機構により移動可動となるブラケット18の上方にウエハを回転させる回転駆動機構を備え、その回転軸19の先端部にはウエハを載置することができるウエハ支持台であるスピンドル16を備えている。
【0013】
図2のX軸移動機構は、モータ10と、左右方向に軸線が延在する姿勢で両端部を回転可能に支持されて、上記モータ10により直接に回転駆動されるボールネジ軸11と、そのネジ軸に螺合してそのネジ軸の回転によりX軸方向に移動するボールナット12と、X軸方向に直線駆動するスライドガイド13と、スライドガイドに沿って滑動するスライド軸受14と、前記ボールナットと前記スライド軸受に固定された直方体のブラケット18とから構成される。X軸移動機構に加えて、X軸方向と直交するY軸移動機構はX軸移動機構と同じ構成からなる。
ブラケット18の上方に位置する回転駆動機構は、モータ8と、X軸駆動機構とY軸駆動機構によるXY平面とは垂直な姿勢で前記ブラケット18に支持されたモータ8の回転軸19と、ウエハを水平に戴置でき、さらにウエハを吸着支持するための吸着溝17を有し、回転軸19の先端部に固定された円座であるスピンドル16を有している。また、このスピンドル16は、回転軸19及びモータ8ともどもZ軸方向に垂直移動する昇降機構9に支持されている。
【0014】
図3には、本発明が特徴とする部材周辺の機構を図示する。ウエハやガラス基板などを載置すべき面に吸着溝17を設けたスピンドル16は樹脂製で、二つに分割できるようになっており、内部にフィルター26を組み込んでいる。スピンドル16は、垂直に配置した回転軸用モータ8の回転軸19に固接され、この回転軸19はパイプ状に加工されており、回転継ぎ手24に接続され、さらにその先に吸引口用継ぎ手25を介して、不図示の外部真空設備に接続している。従って、吸着溝17から外部真空設備まで連通して真空ラインを形成しており、ウエハを吸着固定することができる。
【0015】
現在一般に製造されている線幅1μmの半導体用には、前記フィルター26の平均ポアサイズは、本発明では0.5μm以下であることが必要であり、高歩留まりを狙うためには0.1μm以下であることが好ましい。将来の0.1μm線幅以下の半導体製造に対応されるためには、0.05μm以下、さらに好ましくは0.01μm以下の平均ポアサイズとすることができる。
【0016】
また、このフィルター26の材質は、耐蝕性の非金属材料であることが必須である。フィルター材として圧縮紙パルプ、多孔質ポリスルホン、多孔質ポリアクリロニトリルなどがあるが、酸や有機溶剤に最も強い多孔質ポリ4フッ化エチレンメンブレン、多孔質ポリエチレンメンブレン製が好ましい。
【0017】
スピンドル16から吸引口継ぎ手25までの連通管内部表面を非非腐蝕性材料23とすることができ、樹脂コーティングしてもよい。また、本発明では、図3において、回転軸19の中空部分に樹脂製のチューブを非腐蝕性材料23として挿入してもよく、このチューブはスピンドル16の下部に密接に挿入され、回転継ぎ手の回転部分に接続されている。
【0018】
また、本発明で用いる吸着用吸気が触れる内面部材である非腐蝕性材料23としては、公知の合成樹脂塗料の塗装物や合成樹脂の溶融コーティング材料や、合成樹脂製のチューブ、パイプなどの管体であってもよい。材質としてはフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン樹脂などがあるが、好ましくはポリエチレン系樹脂、4フッ化エチレン系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂などがある。
【0019】
吸引口継ぎ手25、電磁弁27、回転継ぎ手24などは公知の部品を用いてよいが、できるだけセラミックスやガラス、合成樹脂製の非腐蝕性材料が望ましい。しかし、その構造上、例えば電磁弁の弁、回転継ぎ手の回転部分など、すべてを非腐蝕性材料とすることができない場合は、一部ステンレス・スチールなどの金属を容認する事ができる。
【0020】
【比較例】
図2の位置決め装置を製作した。スピンドル16としてポリ4フッ化エチレン樹脂製、中空回転軸19としてSUS303ステンレス・スティール製、回転継ぎ手24としてニッケルメッキ黄銅製、電磁弁27として銅ニッケルメッキ亜鉛ダイキャスト製ボディとSUS405製弁、吸引口継ぎ手25としてアルミニウム合金製であるそれぞれの材質からなり、スピンドル/回転軸間及び回転軸/回転継ぎ手間は直接連結し、回転継ぎ手/電磁弁間及び電磁弁/吸引口継ぎ手間はウレタン樹脂製チューブで連結した。
【0021】
この位置決め装置を、200mm半導体ウエハ工場に設置し、酸化膜剥離処理工程と清浄容器との間で4ヶ月間使用した。汚染物質が生成するとすれば、真空配管材料が酸化されて酸化物微粒子となって、真空を解除した場合にウエハ側に逆流すると考えられる。従って本実験では、0.1μm以上の微粒子が含まれない清浄空気約1080mm3を15時間吸引口から取り入れ、スピンドル側からサイクロン式集塵機(横河電機(株)製CY3000)に吸引して0.4μmフィルターに集塵し、集まった塵埃をプラズマ発光分析器(横河電機(株)製PT1000)で元素分析した。結果を表1に示す。
【0022】
【実施例1】
前記比較例において図3に示すように、スピンドル16を水平に二つ割にし、間に0.01μmポリ4フッ化エチレン製フィルター(ゴアテックス・フィルター)を設けた。他は同様にして製作し、同様に運転し、フィルターに集塵した。結果を表1にまとめて示す。
【0023】
【実施例2】
前期比較例において、スピンドルと回転継ぎ手の間のモータ回転軸中に、ポリ4フッ化エチレン製チューブを入れ、その両端をスピンドルと回転継ぎ手に密入させ、電磁弁はポリ4フッ化エチレン製ボディとSUS303製弁に変えたほかは同様の部品とし、同様に運転した。結果を表1にまとめて示す。
【0024】
【実施例3】
実施例2において、図3に示すように、スピンドルを水平に二つ割にし、間にポアザイズ0.01μmのポリ4フッ化エチレン製メンブレンフィルターを取り付け、他は同様にして、フィルターに集塵した。結果を表1にまとめて示す。
【0025】
【効果】
表1に示した実施例1の結果から、従来型の金属製真空配管部品を用いても、スピンドルにフィルターを取り付けることによって、Fe汚染発生源を300分の1以下、Ni汚染発生源は200分の1程度、さらにTi,Cu,Cr,Znは検出限界以下に抑えるという、大幅な効果があることが判った。
【0026】
また、表1に示した実施例2の結果から、一部部品をプラスチック製品に取り替えることでも効果があり、Fe,Crは全く検出されず、他の金属も約60分の1から3000分の1に低下している。
【0027】
さらに、実施例1と実施例2とを組み合わせた実施例3では、スピンドル内にメンブレンフィルターと、真空配管内に一部プラスチック製品に取り替えることで、汚染物質は全く検出されなくなり大幅な効果があった。
【0028】
本発明では、吸気が触れる部分を全部非腐食性材料とすることもできるが、耐久性の要求される部分には、従来の金属製部品を一部使用しても、全部をプラスチック製真空配管する場合に比べ、スピン装置全体の耐久性が保たれ、安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピン型ウエハ位置決め装置を組込んだウエハ処理システムである。
【図2】本発明のスピン型ウエハ位置決め装置の一例である。
【図3】本発明の特徴部分を抜き出して示す立面図である。
【符号】
1 ウエハ位置決め装置、
3 センサ(受光器)、
4 センサ(投光器)、
8 回転軸用モータ、
9 昇降機構、
10 モータ、
11 ネジ軸、
12 ねじ受け部材、
13 スライドガイド、
14 スライド軸受、
15 上面プレート、
16 スピンドル、
17 吸着口、
18 ブラケット、
19 回転軸、
20 清浄容器、
21 ウエハ、
23 非腐食性材料、
24 回転継ぎ手、
25 吸引口継ぎ手、
26 Z軸用支持台、
30 ウエハ処理装置、
31 スピン塗布機のスピンドル、
40 ウエハ搬送装置、

Claims (7)

  1. 中空である回転軸の上端に設けられた真空吸着型スピンドルと、吸引口継ぎ手からスピンドル吸着面への真空配管とを具える薄板状物スピン装置において、
    前記スピンドル吸着面と吸引口継ぎ手との間の任意の場所に、少なくとも1つのフィルターを設ける事を特徴とする薄板状物スピン装置。
  2. 中空である回転軸の上端に設けられた真空吸着型スピンドルと、吸引口継ぎ手からスピンドル吸着面への真空配管とを具える薄板状物スピン装置において、
    前記スピンドル吸着面部材と、
    前記スピンドルの吸着面と吸引口継ぎ手との間にあって、吸着用吸気が触れる前記真空配管の内面部材の大部分もしくは全部とを、
    非腐蝕性材料とすることを特徴とする薄板状物スピン装置。
  3. 前記スピンドルの吸着面部材と、
    前記スピンドルの吸着面と吸引口継ぎ手との間にあって、前記吸着用吸気が触れる前期真空配管の内面部材の大部分もしくは全部とを、
    非腐蝕性材料とすることを特徴とする請求項1の薄板状物スピン装置。
  4. 前記吸着用吸気が触れる前記内面部材を非腐蝕性材料は、少なくとも前記スピンドルの吸着面と回転継ぎ手未満までの間とすることを特徴とする請求項1から3いずれかの薄板状物スピン装置。
  5. 前記スピンドルの吸着面と回転継ぎ手との間の非腐蝕性材料は、前記中空である回転軸に挿入された合成樹脂管体である事を特徴とする請求項2から4いずれかの薄板状物スピン装置。
  6. 前記フィルターが非腐蝕性材料からなり、ポアサイズが0.5μm以下である事を特徴とする請求項1、3から5いずれかの薄板状物スピン装置。
  7. 請求項1から6いずれかの薄板状物スピン装置を備える薄板状物処理システム。
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