JP2004158568A - 光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1本のレーザ光を複数のレーザ光に分割する際に、分割された各レーザ光の強度を同一とする。
【解決手段】光照射装置10は、1本のレーザ光をn本のレーザ光に分割する第1の分割部16及び第2の分割部20と、第1の光分割部16から出射されたm(mは1以上n以下の整数)番目のレーザ光と、第2の光分割部20から出射されたm番目の光ビームとを合成する合成部21とを備えている。第1の分割部16と第2の分割部20とは、互いに同一の光学部材を用いており、且つ、互いに反転した配置となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】光照射装置10は、1本のレーザ光をn本のレーザ光に分割する第1の分割部16及び第2の分割部20と、第1の光分割部16から出射されたm(mは1以上n以下の整数)番目のレーザ光と、第2の光分割部20から出射されたm番目の光ビームとを合成する合成部21とを備えている。第1の分割部16と第2の分割部20とは、互いに同一の光学部材を用いており、且つ、互いに反転した配置となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ポリシリコン薄膜トランジスタの製造などに用いられるレーザアニール装置等に適用される光照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ等の薄膜トランジスタのチャネル層にキャリア移動度の高いポリシリコン膜が用いられるようになっている。薄膜トランジスタのチャネル層に用いられるポリシリコン膜は、一般に、ガラス基板上のアモルファスシリコンにレーザ光を照射して熱処理をすることによって製造される。このようにレーザ光を照射して物質を熱処理する方法は、レーザアニール処理と呼ばれている。レーザアニール処理を行う装置は、レーザアニール装置と呼ばれている。
【0003】
ポリシリコン膜を製造する場合、ビーム径内のエネルギ強度が均一となっているレーザ光によりレーザアニールをしなければ、薄膜トランジスタの特性が悪化してしまう。
【0004】
ところが、コリメータ等で形成された平行光束は、ビーム径内のエネルギ強度分布がガウス分布となっている。つまり、通常の平行光束は、ビーム径の中心部分では強度が高く、光束の周縁部分では強度が低くなっている。そのため、レーザアニール装置では、ビーム径内の強度分布がガウス分布となっているレーザ光から、スポットの中心部分から周縁部分まで均一な強度分布のレーザ光を形成し、そのレーザ光を用いて熱処理を行わなければならない。通常、レーザアニール装置では、レーザ発振器から出射されたレーザ光をコリメータ等で平行光束としたのち、フライアイレンズ等の光分割手段で複数の光束を作り、再度その光束を合成することによって、基板上のレーザ光の照射領域の強度分布を均一化している。
【0005】
ところで、レーザ発振器の中の一つに固体レーザがある。固体レーザは、半導体を除く結晶やガラスなどの透明物質を母体材料とし、母体材料中に希土類イオンや遷移金属イオンなどをドープした固体レーザ材料を光によって励起して、レーザビームの出射を行う装置である。
【0006】
固体レーザは、出射するレーザビームが安定しており、寿命も長い。したがって、レーザアニール装置のレーザ光源として固体レーザを採用することによって、レーザアニール装置の一般的な光源として利用されているエキシマレーザを採用したときに生じる不安定性の問題点が解決されると考えられる。
【0007】
しかしながら、固体レーザから出射されたレーザビームは、エキシマレーザから出射されたレーザビームと比較して干渉性が高い。したがって、レーザ光源として固体レーザを採用したときには、フライアイレンズによって分割された各レーザビームを合成すると、互いに干渉してしまう。干渉したレーザ光を用いた場合、照射スポット内に干渉縞が生じ、ビーム径内の強度分布を均一化することができない。
【0008】
このような問題を解決するため、本出願人は、フライアイレンズの代わりに、1本のレーザ光を互いに干渉性のない複数のレーザ光に分割する分割光学手段を用いたレーザアニール装置を、日本国特許出願 特願2001−374922で提案した。
【0009】
以下、上記特許出願で提案したレーザアニール装置について簡単に説明をする。図9に、上記特許出願で提案したレーザアニール装置の構成図を示す。
【0010】
上記特許出願で提案したレーザアニール装置100では、先ず、レーザ光源101からレーザ光L120が出射される。レーザ光源101から出射されたレーザ光L120は、コリメータ102によって平行光とされた後に、光分割部103に入射される。
【0011】
光分割部103は、第1及び第2のビームスプリッタ(以下、BSと略す)104,105と、反射鏡106とを備えている。第1のBS104の光分割面、第2のBS105の光分割面及び反射鏡106の光反射面は、全て平行に配置されている。
【0012】
コリメータ102によって平行光とされたレーザ光L120は、第1のBS104に入射される。第1のBS104は、レーザ光L120を透過光(以下、レーザ光L121と称する。)と反射光(以下、レーザ光L122と称する。)とに分離する。第1のBS104は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0013】
レーザ光L121は、第2のBS105に入射する。第2のBS015は、入射されたレーザ光L121を、さらに、透過光(以下、レーザ光L123と称する。)と反射光(以下、レーザ光L124と称する。)とに分離する。第2のBS105は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0014】
レーザ光L123は第1の凸レンズ107に入射する。レーザ光L124は反射鏡106によって反射された後に第2の凸レンズ108に入射する。
【0015】
一方、レーザ光L122は、反射鏡106によって反射された後に、第2のBS105に入射する。第2のBS105は、入射されたレーザ光L122を、さらに、透過光(以下、レーザ光L125と称する。)と反射光(以下、レーザ光L126と称する。)とに分離する。第2のBS105は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0016】
レーザ光L125は、第3の凸レンズ109に入射し、レーザ光L126は反射鏡106によって反射された後に第4の凸レンズ111に入射する。
【0017】
以上のように生成された4本のレーザ光L123,L124,L125,L126は、互いに平行であり、その強度が全て分割前のレーザ光L120に対して1/4となっている。
【0018】
レーザ光L123、レーザ光L124、レーザ光L125及びレーザ光L126は、第1〜第4の凸レンズ107〜110により、それぞれ一度集束した後に、コンデンサレンズ111へ入射する。そして、コンデンサレンズ111が、レーザ光L123〜L126を、それぞれ基板112上の所定の範囲に照射する。
【0019】
以上説明したレーザアニール装置100では、第1のBS104の光分割面と第2のBS105の光分割面との間の間隔tと、第1のBS104の光分割面と反射鏡106の反射面との間の間隔tとが、レーザ光源101から出射されたレーザ光の可干渉距離をLとし、各光分離面間及び光分離面と反射鏡との間の媒質の屈折率をn、光分割面への入射光ビームの入射角をθとしたとき、次の式(1)を満たすように設定される。
【0020】
t>L/(2ncosθ) ・・・(1)
従って、レーザ光L123〜L126は、同一のレーザ光源101から出射されたレーザ光であるにもかかわらず、全ての光路が可干渉距離以上となっており、互いに干渉しない。したがって、レーザアニール装置100は、干渉縞を生じさせることなく基板112上の所定の範囲を均一な強度で照射し、被照射物全体を均一に照射することが可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のレーザアニール装置100において、BS104,105の光の透過量と反射量との比は、理想的には1:1であることが望ましい。しかしながら、製造誤差等により、実際上の透過量と反射量との比は1:1とはならない。また、反射鏡106の反射率も、理想的には100パーセントであることが望ましい。しかしながら、製造誤差等により、実際上の反射率は、100パーセントよりも低くなってしまう。従って、光分割部103から出射されるレーザ光L123〜L126は、理想的には全て同一の強度であることが望ましいが、実際上、強度は同一とならない。
【0022】
例えば、BS104,105の反射率と透過率との比の誤差を2パーセントとし、反射鏡106の反射率を99パーセントとした場合における、レーザ光L123〜L126の強度を示したグラフを図10に示す。図10では、レーザ光L123の強度を基準とした場合における、各レーザ光の強度比率を示している。
【0023】
この図10に示すように、上記の条件で4本のレーザ光を生成した場合、光の強度に17パーセント程度の差が生じてしまうことがわかる。BS104,105及び反射鏡106のそれぞれの誤差が小さいにも関わらず、これほどの強度差が生じてしまうのは、多重反射により製造誤差成分が蓄積してしまうためである。
【0024】
本発明は、以上の実状を鑑みて提案されたものであり、1本のレーザ光を複数のレーザ光に分割する際に、分割された各レーザ光の強度を同一とする光照射装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光照射装置は、光ビームを透過及び反射して透過光及び反射光に分割する1以上の光分離面を有した光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本(nは2以上の自然数)の光ビームを生成する第1の出射手段と、上記第1の出射手段と同一の光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本の光ビームを生成する第2の出射手段と、上記第1の出射手段から出射されたn本の光ビームと上記第2の出射手段から出射されたn本の光ビームとが入射され、互いの1本の光ビーム同士を合成して、n本の光ビームを出力する光合成手段とを備えている。
【0026】
上記光合成手段は、上記第1の出射手段及び第2の出射手段により生成された各n本の光ビームに対して、その光ビームの生成経路中における反射及び透過により生じた光路長の短い順に、1番目からn番目まで順位を付けたとき、第1の出射手段により生成された第m番目(mは1からnまでの任意の整数)の光ビームと、第2の出射手段により生成された第(n−m+1)番目の光ビームとを同軸上に合成する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として本発明を適用したレーザアニール装置について図面を参照しながら説明をする。なお、以下説明を行う本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、平板状のアニール対象物である基板にレーザ光を照射することによって、当該基板を熱処理する装置である。例えば、本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置のスイッチング素子となる薄膜トランジスタのチャネル層の形成時に用いられる。すなわち、ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコン膜に対して熱処理をしてポリシリコン膜を形成する際に用いられる。
【0028】
第1の実施の形態
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置の構成図を示す。
【0029】
本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置10は、基板11を載置するステージ12と、レーザ光を出射する第1のレーザ光源13と、第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第1のコリメータ14及び第1のアテネータ15と、第1のアテネータ15から出射されたレーザ光をn本のレーザ光に分割する第1の光分割部16と、レーザ光を出射する第2のレーザ光源17と、第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第2のコリメータ18及び第2のアテネータ19と、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光をn本のレーザ光に分割する第2の光分割部20とを備えている。なお、nは自然数である。
【0030】
また、第1の実施の形態のレーザアニール装置10は、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射された各n本のレーザ光を混合して(2×n)本のレーザ光を出射する光合成部21と、(2×n)個の凸レンズから構成され光合成部21から出射された(2×n)本のレーザ光が入射されるレンズアレイ22と、レンズアレイ22から出射された(2×n)本のレーザ光を基板11の所定の領域に導くコンデンサレンズ23とを備えている。
【0031】
ステージ12は、平板状の基板11が載せられる平坦な主面を有している。ステージ11は、主面上に載せられた基板11を保持しながら、主面に平行な方向(図1中のX方向,Y方向)に移動する。レーザアニール装置10では、ステージ12を移動させることによって、基板11とレーザ光の照射スポットとの相対位置を移動させることができる。つまり、ステージ12を移動させることによって、基板11上のアニールを行う位置を制御することができる。なお、ステージ12の移動制御は、図示しないコントローラにより行われる。
【0032】
第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17は、それぞれ1つの光束のレーザ光をパルス発振して出力する。レーザアニール装置10では、第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17として固体レーザを採用している。固体レーザは、半導体を除く結晶やガラスなどの透明物質を母体材料とし、母体材料中に希土類イオンや遷移金属イオンなどをドープした固体レーザ材料を、光によって励起して、レーザビームを出射する装置である。固体レーザの例としては、母体材料にガラスを用いてNd3+をドープしたガラスレーザや、ルビーにCr3+をドープしたルビーレーザ、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)にNd3+をドープしたYAGレーザ、さらに、それらのレーザの波長を非線形光学結晶を用いて波長変換したレーザなどが挙げられる。また、固定レーザではなく、半導体レーザ等も用いてもよい。
【0033】
なお、第1のレーザ光源13と第2のレーザ光源17とは、同一波長のレーザ光を出射するが、異なるレーザ発振器となっており、両者から出射されたレーザ光は合成されたとしても干渉はしない。
【0034】
第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光は、第1のコリメータ14に入射される。第1のコリメータ14は、入射されたレーザ光を所定のビーム径の平行光束とする。第1のコリメータ14から出射されたレーザ光は、第1のアテネータ15に入射される。第1のアテネータ15は、入射されたレーザ光の強度を調整する。第1のアテネータ15から出射されたレーザ光は、第1の光分割部16に入射される。
【0035】
第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光は、第2のコリメータ18に入射される。第2のコリメータ18は、入射されたレーザ光を所定のビーム径の平行光束とする。第2のコリメータ18から出射されたレーザ光は、第2のアテネータ19に入射される。第2のアテネータ19は、入射されたレーザ光の強度を調整する。第2のアテネータ19から出射されたレーザ光は、第2の光分割部20に入射される。
【0036】
以下、第1のアテネータ15から第1の光分割部12へ入射されるレーザ光を、レーザ光L11という。また、第2のアテネータ19から第2の光分割部20へ入射されるレーザ光を、レーザ光L12という。レーザ光L11とレーザ光L12とは、互いに強度及びビーム径が同一となるように、コリメータ14,18及びアテネータ15,19により調整されている。
【0037】
第1の光分割部16は、入射されたレーザ光L11を分割して、等間隔に並んだn本の平行なレーザ光を出射する。第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光の光路は、例えば図1中のX方向に並んでいる。また、第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第1の光分割部16では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光L11の入射口から出射口までの光路の長さが、n本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。このため、出射される各レーザ光は、互いに干渉性がない状態とされる。
【0038】
なお、第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光は、その並びの順序に従い番号を付けて説明をする。例えば、第1の光分割部16から出射されるn本レーザは、図1中X方向に並んでおり、X方向の一方から順番に1ずつ増加するように番号が付けられている。具体的には、X方向の一方から、第1番目のレーザ光をレーザ光L11−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L11−2とし、第3番目のレーザ光L11−3とし、以下順次番号を付けていき、最後に第n番目のレーザ光をレーザ光L11−nとする。
【0039】
第2の光分割部20は、入射されたレーザ光L12を分割して、等間隔に平行に並んだn本のレーザ光を出射する。第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光の光路は、例えば図1中のX−Z平面上に形成され、X方向に並んでいる。また、第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第2の光分割部20では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光L12の入射口から出射口までの光路の長さが、n本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。このため、出射される各レーザ光は、互いに干渉性がない状態とされる。
【0040】
なお、第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光は、その並びの順序に従い番号を付けて説明をする。例えば、第2の光分割部20から出射されるレーザ光は、図1X方向に並んでおり、X方向の一方から順番に1ずつ増加するように番号が付けられている。なお、番号を増加させていく方向は、第1の光分割部16に付けた番号の増加方向と同一とする。具体的には、X方向の一方から、第1番目のレーザ光をレーザ光L12−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L12−2とし、第3番目のレーザ光L12−3とし、以下順次番号を付けていき、最後に第n番目のレーザ光をレーザ光L12−nとする。
【0041】
ここで、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、互いに同一の光学部材を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。
【0042】
ただし、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、出射するレーザ光の光軸方向に平行な軸を中心とし、その軸に対して180°反転された配置とされている。すなわち、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、図1中Z方向の軸を中心に180度反転した配置となっている。
【0043】
このため、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されるレーザ光の関係が次のようになっている。すなわち、第1の光分割部16の第1番目のレーザ光L11−1を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第n番目のレーザ光L12−nを生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。また、第1の光分割部16の第2番目のレーザ光L11−2を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−1)番目のレーザ光L12−(n−1)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。また、第1の光分割部16の第3番目のレーザ光L11−3を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−2)番目のレーザ光L12−(n−2)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。
【0044】
つまり、第1の光分割部16の第m(mは1以上n以下の整数)番目のレーザ光L11−mを生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−m+1)番目のレーザ光L12−(n−m+1)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。従って、第1の光分割部16の第m番目のレーザ光と、第2の光分割部20の第(n−m+1)番目のレーザ光とは、入射されたレーザ光から同一の光学部材を通過して生成されることとなる。
【0045】
なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20の具体的な構成例については、その詳細を後述する。
【0046】
以上のような第1の光分割部16から出射されたn本のレーザ光L11−1〜L11−n、並びに、第2の光分割部20から出射されたn本のレーザ光L12−1〜L12−nは、光合成部21に入射される。
【0047】
光合成部21は、第1の光分割部16から出射されたn本のレーザ光L11−1〜L11−nと、第2の光分割部20から出射されたn本のレーザ光L12−1〜L12−nとを合成し、等間隔に平行に並んだ(2×n)本のレーザ光を出射する。光合成部21から出射されるn本のレーザ光は、例えば図1中のX方向に並んでいる。(2×n)本のレーザ光の強度は全て同一である。
【0048】
以下、光合成部21から出射された(2×n)本の出力レーザ光に対して、その並び順序に従い番号を付ける。具体的には、光合成部21から出力される第1番目のレーザ光をレーザ光L20−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L20−2とし、第3番目のレーザ光L20−3とし、第n番目のレーザ光をレーザ光L20−nとし、第(n+1)番目のレーザ光をL20−(n+1)とし、第(n+n)番目のレーザ光をL20−(n+n)とする。
【0049】
なお、光合成部21の具体的な構成例については、その詳細を後述する。
【0050】
光合成部21から出力された(2×n)本の出力レーザ光(L20−1〜L20−(n+n))は、レンズアレイ22に入射される。
【0051】
レンズアレイ22は、光合成部21から出射される(2×n)本の出力レーザ光が並んでいる方向(例えば図1中X方向)に等間隔に一列に配列された(2×n)個の凸レンズから構成されている。凸レンズの配列間隔は、光合成部21から出射される出力レーザ光の間隔と同一で、各凸レンズが各出力レーザ光の光軸上に設けられている。レンズアレイ22から出射された出力レーザ光は、一旦集光して、コンデンサレンズ23に入射される。
【0052】
コンデンサレンズ23は、レンズアレイ22によって集光された(2×n)本の出力レーザ光を基板11上の所定の照射領域上に合成し、合成した光を基板11上に照射する。
【0053】
以上のような構成のレーザアニール装置10では、ステージ12上に基板11が載置され、その後、レーザアニール処理が開始される。レーザアニール装置10は、レーザアニール処理が開始されると、第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17からパルスレーザが出射される。
【0054】
第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光は、第1のコリメータ14,第1のアテネータ15及び第1の光分割部16を通過して、互いに干渉性がなく同一強度のn本の平行光束とされる。第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光は、第2のコリメータ18,第2のアテネータ19及び第2の光分割部20を通過して、互いに干渉性がなく同一強度のn本の平行光束とされる。
【0055】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されたそれぞれn本のレーザ光は、光合成部21により合成され、(2×n)本の出力レーザ光とされる。(2×n)本の出力レーザ光は、レンズアレイ22及びコリメータ23を介して合成され、基板11上の所定の領域に照射される。
【0056】
そして、レーザアニール装置10では、ステージ12を平行移動させて、平板状の基板11を、主面に対して平行な方向(図1中X−Y方向)に移動させ、基板11の全領域にレーザ光を照射してアニール処理を行う。
【0057】
分割光学系及び合成光学系の構成
つぎに、第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成についてさらに詳細に説明をする。なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されるレーザ光の本数を4本、つまり、n=4とした場合の第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成を例にとって説明する。
【0058】
図2に、n=4とした場合の第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成を示す。また、図3に、n=4とした場合の第1の光分割部16の構成を示す。なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20に入射されるレーザ光L11,L12の入射方向を、Z方向とする。このZ方向は、ステージ11の主面に対して直交する方向である。また、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射される各4本のレーザ光は、所定の方向に平行に並んで出射されるが、そのレーザ光の配列方向を、X方向とする。なお、X方向とZ方向とは互いに直交する方向である。
【0059】
第1の光分割部16は、図2及び図3に示すように、平面状の光分離面がZ方向に並ぶように配置された第1のビームスプリッタ(BS)31及び第2のBS32を備えている。第1のBS31及び第2のBS32は、光分離面に入射されたレーザ光を透過及び反射し、2つのレーザ光に分離する素子である。透過と反射の分離比率は、設計上は1:1となっている。
【0060】
第1の光分割部16は、光反射面が第1のBS31及び第2のBS32の光分離面と平行とされ、第1のBS31及び第2のBS32とZ方向に並んで配置されたミラー33を備えている。ミラー33は、平面状の光反射面に入射されたレーザ光を反射する素子である。ミラー33は、第1のBS31よりもレーザ光L11の入射側に配置されている。
【0061】
第1のBS31及び第2のBS32の光分離面、並びに、ミラー33の光反射面は、X−Z軸で形成される平面に対して垂直に配置され、且つ、入射されるレーザ光L11の入射方向(すなわち、X方向)に対して所定の角度θ(0°<θ<90°)をもって配置されている。つまり、レーザ光L11は、第1のBS31及び第2のBS32の光分離面に対して入射角θで入射される。
【0062】
第1のBS31は、第1のレーザ光L11−1の光軸上に配置されている。また、第2のBS32も、第1のレーザ光L11−1の光軸上に配置されている。また、第1のBS31は、入射光であるレーザ光L11のみが入射され、他の光が入射されないような配置及び大きさとなっている。第2のBS31は、第1のBS31の透過光、及び、ミラー33で反射された後の第1のBS31の反射光が入射され、他の光が入射されないような配置及び大きさとなっている。ミラー33は、第1のBS31の反射光、及び、第2のBS32の2つの反射光が入射され、入射光L11を遮らないような配置及び大きさとなっている。
【0063】
ただし、第1のBS31とミラー33との間の距離t1は、第1のレーザ光源13により設定されている可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上とされている。また、第1のBS31と第2のBS32との間の距離t2も、第1のレーザ光源13により設定されている可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上とされている。
【0064】
第1の光分割部16は、以上のような構成となっていることにより、X方向に平行に並んだ互いに干渉性のない4本のレーザ光を出射することができる。
【0065】
具体的には、第1のレーザ光L11−1は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第2のレーザ光L11−2は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第3のレーザ光L11−3は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第4のレーザ光L11−4は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。
【0066】
第1の光分割部16から出射される4本のレーザ光は、互いに可干渉距離以上の光路を通過して生成されているので、合成されても干渉が生じない。
【0067】
つまり、第1のレーザ光L11−1の光路の長さと第2のレーザ光L11−2の光路の長さを比較すると、第1のBS31とミラー33との間の距離t1が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第2のレーザ光L11−2の光路の長さの方が可干渉距離L以上長くなる。第2のレーザ光L11−2の光路の長さと第3のレーザ光L11−3の光路の長さを比較すると、第1のBS31と第2のBS32との間の距離t2が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第3のレーザ光L11−3の光路の長さの方が可干渉距離以上長くなる。第3のレーザ光L11−3の光路の長さと第4のレーザ光L11−4の光路の長さを比較すると、第1のBS31とミラー33との間の距離t1が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第4のレーザ光L11−4の光路の長さの方が可干渉距離以上長くなる。
【0068】
第2の光分割部20は、以上のような構成の第1の光分割部16と同一の光学部材を用いて、同一の配置構成とされている。
【0069】
ただし、第2の光分割部20は、図2に示すように、出力するレーザ光の出射方向(Z方向)を軸として、180°軸反転した配置となっている。
【0070】
従って、第1のレーザ光L12−1は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第2のレーザ光L11−2は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第3のレーザ光L11−3は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第4のレーザ光L11−4は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。
【0071】
光合成部21は、図2に示すように、入射されたレーザ光を反射及び透過して2つのレーザ光に分離するビームスプリッタ34を備えている。ビームスプリッタ34の光分離面は、X−Z平面と直交している。ビームスプリッタ34の透過と反射の分離比率は、1:1となっている。
【0072】
第1の光分割部16から出射された4本のレーザ光(L11−1〜L11−4)は、ミラー35により反射された後、一方の面(以下、表面という。)からビームスプリッタ34に入射される。また、第2の光分割部20から出射された4本のレーザ光(L12−1〜L12−4)は、第1の光分割部16からのレーザ光が入射された面と反対側の面(以下、裏面という。)からビームスプリッタ34に入射される。
【0073】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射された8本のレーザ光は、全てビームスプリッタ34の光分割面と直交する平面(すなわち、X−Z平面)に沿って、当該ビームスプリッタ34に入射される。また、各レーザ光は、ビームスプリッタ34の光分離面に対して、所定の角度φ(0°<φ<90°)で入射される。ただし、第1の光分割部16から出射されたレーザ光(L11−1〜L11−4)と、第2の光分割部20から出射されたレーザ光(L12−1〜L12−4)との光軸は一致しないように入射される。
【0074】
さらに、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置(もっとも、表面と裏面との違いはある)に入射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−4とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。
【0075】
従って、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1の反射光(L11−1_r)と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1の透過光(L12−1_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−1として出射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2の反射光(L11−2_r)と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2の透過光(L12−2_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−2として出射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3の反射光(L11−3_r)と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3の透過光(L12−3_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−3として出射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4の反射光(L11−4_r)と、第2の光分割部20から出射された第4のレーザ光L12−4の透過光(L12−4_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−4として出射される。
【0076】
また、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1の透過光(L11−1_t)と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1の反射光(L12−1_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−5として出射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2の透過光(L11−2_t)と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2の反射光(L12−2_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−6として出射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3の透過光(L11−3_t)と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3の反射光(L12−3_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−7として出射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4の透過光(L11−4_t)と、第2の光分割部20から出射された第4のレーザ光L12−4の反射光(L12−4_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−8として出射される。
【0077】
なお、出力光L20−5〜L20−8はミラー36により反射され、出力光L20−1〜L20−4と平行とされて出射される。
【0078】
以上のように、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、第1の光分割部16と第2の光分割部20とが、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置構成が同一となっている。また、第1の光分割部16と第2の光分割部20とが、出射するレーザ光の光軸方向を中心軸とし、その中心軸に対して互いに180°反転した配置となっている。さらに、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、光合成部21によって、第1の光分割部16の第m(1≦m≦n)のレーザ光L11−mと第2の光分割部20の第mのレーザ光L12−m同士を合成している。
【0079】
このように、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、反射及び透過のパターンが互いに対称となっている経路を通過して分離されたレーザ光同士を合成している。従って、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、製造誤差により、分離光学系のビームスプリッタに透過及び反射の分離割合の違いが生じてしまっていても、レーザ光の合成を行うことにより、誤差を相殺することができる。
【0080】
例えば、図2に示した第1の光分割部16及び第2の光分割部20の第1のビームスプリッタ31及び第2のビームスプリッタ32の反射量及び透過量の比の誤差を2パーセントとし、ミラー33の反射率を99パーセントとした場合における、レーザ光L20−1〜L20−8の強度を示したグラフを図4に示す。図4では、レーザ光L20−1の強度を基準とした場合における、各レーザ光の強度比率を示している。
【0081】
この図4に示すように、上記の条件で8本のレーザ光を生成した場合、光の強度に1.1パーセント程度の差しか生じないことがわかる。
【0082】
なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20の具体例として、n=4とした場合の構成例を示したが、ビームスプリッタの数を増加させることにより、n=4以外も同様の構成で実現できる。すなわち、ビームスプリッタの数をj個(jは自然数)とした場合、n=2j本のレーザ光を出射することができる。
【0083】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20によって分割されるレーザビームの数をnとし、i番目に配置されるビームスプリッタをBSiとし、iの最大値、すなわち、光分割部に備えられるBSの数をkとすると、nとkとの関係は、以下の式2に示す通りとなる。
【0084】
n=2k・・・(1)
また、第i番目のBSiにおいてレーザビームが透過及び反射する回数mとiとの関係は、以下の式3に示す通りとなる。
【0085】
m=2(i−1)・・・(3)
また、BSiでの透過率Tは、以下の(4)に示す通りとなる。
【0086】
T=0.5i・・・(4)
さらにまた、BSiでの反射率Rは、以下の(5)に示す通りとなる。
【0087】
R=0.5i・・・(5)
また、出力されるn本レーザビームを互いに干渉をしないインコヒーレントな光とするためには、各ビームスプリッタ及び反射鏡を次のように配置をする必要がある。
【0088】
ここで、各ビームスプリッタへのレーザビームの入射角をθとし、レーザビームの可干渉距離をLとする。
【0089】
1番目のビームスプリッタと、反射鏡との距離t0は、次の(6)に示すと通りに設定をする。
【0090】
t0≧L/(2cosθ) ・・・(6)
また、第1番目に配置されるビームスプリッタBS1と、第j番目に配置されるビームスプリッタBS(j)との間の距離t(j−1)を、次の(7)に示す通りに設定をする。なお、jは、2からkまでの整数である。
【0091】
tj≧((2(j −1 )−1)L/(2cosθ) ・・・(7)
また、さらに、各ビームスプリッタ間、並びに、ビームスプリッタと反射鏡との間に、屈折率nの媒質を設けた場合、出力されるn本レーザビームを互いに干渉をしないインコヒーレントな光とするためには、各ビームスプリッタ及び反射鏡を次のように配置をする必要がある。
【0092】
1番目のビームスプリッタと、反射鏡との距離t0は、次の(8)に示すと通りに設定をする。
【0093】
t0≧L/(2ncosθ) ・・・(8)
また、第1番目に配置されるビームスプリッタBS1と、第j番目に配置されるビームスプリッタBS(j)との間の距離t(j−1)を、次の(9)に示す通りに設定をする。なお、jは、2からkまでの整数である。
【0094】
tj≧(2(j −1 )−1)L/(2ncosθ) ・・・(9)
このようにビームスプリッタを配置することによって、1本のレーザビームを、互いにインコヒーレントであり且つ強度が同一のn本の平行なレーザビームに分割することができる。
【0095】
第2の実施の形態
つぎに、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置を説明するにあたり、同一の構成要素については、同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0096】
図5に、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置の構成図を示す。
【0097】
本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置40は、基板11を載置するステージ12と、レーザ光を出射する第1のレーザ光源13と、第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第1のコリメータ14及び第1のアテネータ15と、レーザ光を出射する第2のレーザ光源17と、第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第2のコリメータ18及び第2のアテネータ19とを備えている。
【0098】
また、第2の実施の形態のレーザアニール装置40は、第1のアテネータ15から出射されたレーザ光を水平方向(X方向)に2本のレーザ光に分割する第1の水平光分割部41と、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光を水平方向(X方向)に2本のレーザ光に分割する第2の水平光分割部42と、第1の水平光分割部41により分割された2本のレーザ光を垂直方向(Y方向)に4分割して合計8本のレーザ光を出力する第1の垂直光分割部43と、第2の水平光分割部42により分割された2本のレーザ光を垂直方向(Y方向)に4分割して合計8本のレーザ光を出力する第2の垂直光分割部44と、第1の垂直光分割部43及び第2の垂直光分割部44から出射された各8本のレーザ光を混合して16本のレーザ光を出射する光合成部45と、16個の凸レンズから構成され光合成部45から出射された16本のレーザ光が入射されるレンズアレイ46と、レンズアレイ46から出射された16本のレーザ光を基板11の所定の領域に導くコンデンサレンズ23とを備えている。
【0099】
第1のアテネータ15から出射されたレーザ光は第1の水平光分割部41に入射され、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光は第2の水平光分割部42に入射される。
【0100】
第1の水平光分割部41は、入射されたレーザ光をX方向に分割して、等間隔に平行に並んだ2本のレーザ光を出射する。第1の水平光分割部41から出射される2本のレーザ光の光路は、例えば図5中のX方向に並んでいる。また、第1の水平光分割部41から出射される2本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第1の水平光分割部41では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、2本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第1の水平光分割部41は、例えば、図3に示した光分割部16のビームスプリッタ32を取り除いた構成で実現することができる。
【0101】
第2の水平光分割部42は、入射されたレーザ光をX方向に分割して、等間隔に平行に並んだ2本のレーザ光を出射する。第2の水平光分割部42から出射される2本のレーザ光の光路は、例えば図5中のX方向に並んでいる。また、第2の水平光分割部42から出射される2本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第2の水平光分割部42では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、2本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第2の水平光分割部42は、例えば、図3に示した光分割部16のビームスプリッタ32を取り除いた構成で実現することができる。
【0102】
ここで、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。ただし、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、出射するレーザ光の光軸方向を中心とし、その軸対象となった配置とされている。すなわち、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、レーザ光の出射方向(Z方向)に対して180°の軸回転した配置となっている。
【0103】
第1の水平光分割部41から出射された2本のレーザ光は第1の垂直光分割部43に入射され、第2の水平光分割部42から出射された2本のレーザ光は第2の垂直光分割部44に入射される。
【0104】
第1の垂直光分割部43は、X方向に平行に並んだ2本のレーザ光のそれぞれを独立にY方向に4分割して出力する。従って、第1の垂直光分割部43からは、合計8本のレーザ光が出射される。第1の垂直光分割部43から出射される8本のレーザ光は、X方向に2列、Y方向に4列並んだマトリクス状とされている。また、第1の垂直光分割部43から出射される8本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、垂直方向のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第1の垂直光分割部43は、例えば、図3に示した光分割部16をZ方向を中心に90度回転させたもので実現することができる。
【0105】
第2の垂直光分割部44は、X方向に平行に並んだ2本のレーザ光のそれぞれを独立にY方向に4分割して出力する。従って、第2の垂直光分割部44からは、合計8本のレーザ光が出射される。第2の垂直光分割部44から出射される8本のレーザ光は、X方向に2列、Y方向に4列並んだマトリクス状とされている。また、第2の垂直光分割部44から出射される8本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、垂直方向のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第2の垂直光分割部44は、例えば、図3に示した光分割部16をZ方向を中心に−90度回転させたもので実現することができる。
【0106】
ここで、図6に第1の水平光分割部41、第1の垂直光分割部43及び光合成部45をX方向から見た図を示し、図7に第2の水平光分割部42、第2の垂直光分割部44及び光合成部45をX方向から見た図を示す。図6及び図7に示すように、第1の垂直光分割部43と第2の垂直分割部44とは、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。ただし、第1の垂直光分割部43と第2の垂直分割部44とは、出射するレーザ光の光軸方向に平行な軸を中心とし、その軸に対して180°反転した配置とされている。
【0107】
第1の垂直光分割部43及び第2の垂直分割部44から出射されたそれぞれ8本のレーザ光は、光合成部45に入射される。
【0108】
光合成部45は、第1の垂直光分割部43から出射された8本のレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射された8本のレーザ光とを混合し、水平方向(X方向)4列、垂直方向(Y方向)4列に並んだマトリクス状のレーザ光群を出射する。光合成部45から出射される16本のレーザ光は、その強度が全て同一である。この光合成部45の構成は、第1の実施の形態の光合成部21と同一の構成である。ただし、第1の実施の形態では、X方向に1列に並んだレーザ光を合成するものであったが、第2の実施の形態では、マトリクス状に並んだレーザ光が入射されるので、光分離面に8本分のレーザ光を照射できるだけの十分な大きさを持たせる必要がある。
【0109】
光合成部45は、入射されたレーザ光を反射及び透過して2つのレーザ光に分離するビームスプリッタ34を備えている。ビームスプリッタ34の光分離面は、X−Z平面と直交している。ビームスプリッタ34の透過と反射の分離比率は、1:1となっている。
【0110】
第1の垂直光分割部43から出射された8本のレーザ光は、ミラー35により反射された後、一方の面(以下、表面という。)からビームスプリッタ34に入射される。また、第2の垂直光分割部44から出射された8本のレーザ光は、第1の垂直光分割部43からのレーザ光が入射された面と反対側の面(以下、裏面という。)からビームスプリッタ34に入射される。
【0111】
第1の垂直光分割部43及び第2の垂直光分割部44から出射された合計16本のレーザ光は、ビームスプリッタ34の光分離面に対して、所定の角度φ(0°<φ<90°)で入射される。ただし、第1の垂直光分割部43から出射されたレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射されたレーザ光との光軸は一致しないように入射される。
【0112】
さらに、第1の垂直光分割部43から出射された(s,t)の位置のレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射された(s,t)の位置のレーザ光とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置(もっとも、表面と裏面との違いはある)に入射される。ここで、(s,t)は、2×4のマトリクス状のレーザ光の位置を示す。なお、s,tは、それぞれs=1,2、t=1,2,3,4の値をとる。つまり、マトリクス内で同一位置のレーザ光同士が、同軸上に合成されることとなる。
【0113】
光合成部45から出力された16本の出力レーザ光は、レンズアレイ46に入射される。
【0114】
レンズアレイ46は、図8に示すようなマトリクス状に配列された16個の凸レンズから構成されている。凸レンズの配列間隔は、光合成部45から出射される出力レーザ光の間隔と同一で、各凸レンズが各出力レーザ光の光軸上に設けられている。レンズアレイ46から出射された出力レーザ光は、一旦集光して、コンデンサレンズ23に入射される。
【0115】
コンデンサレンズ23は、レンズアレイ46によって集光された16本の出力レーザ光を合成して、基板11上の所定の照射領域に集光する。
【0116】
以上のような構成の本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、レーザ光の分割を2次元的に行っている。この場合でも、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42との関係、第1の垂直光分割部43と第2の垂直光分割部44との関係が、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置構成が同一となっている。さらに、出射するレーザ光の光軸方向を中心軸とし、その中心軸に対して互いに180°反転した配置となっている。さらに、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、光合成部45によって、第1の垂直光分割部43から出射されたレーザ光と第2の垂直光分割部44から出射されたレーザ光とを、マトリクス状における同一の位置のレーザ光同士を合成している。
【0117】
すなわち、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、相対する経路を通過して分離されたレーザ光同士を合成している。
【0118】
従って、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、設計誤差により、分離光学系のビームスプリッタに透過及び反射の分離割合の違いが生じてしまっていても、レーザ光の合成を行うことにより、誤差を相殺することができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明にかかる光照射装置は、第1の出射手段と第2の出射手段とを備え、それぞれの出射手段内に同一の光学構成とされた光分割光学系を有している。光分割光学系は、1つ以上の光分離面を通過させて、1本の光ビームをn本の光ビームに分割する光学系である。
【0120】
さらに、本発明にかかる光照射装置では、上記第1の出射手段及び第2の出射手段により生成された各n本の光ビームに対して、その光ビームの生成経路中における反射及び透過により生じた光路長の短い順に、1番目からn番目まで順位を付ける。光合成手段は、第1の出射手段により生成された第m番目(mは1からnまでの任意の整数)の光ビームと、第2の出射手段により生成された第(n−m+1)番目の光ビームとを同軸上に合成する。
【0121】
従って、本発明にかかる光照射装置では、相対する光学経路をたどった光ビーム同士を合成するので、分割経路上で生じる誤差成分が相殺され、光合成手段から出力される複数の光ビームの強度が同一となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置の構成図である。
【図2】上記第1の実施の形態のレーザアニール装置の分割光学系及び合成光学系の構成図である。
【図3】上記分割光学系の一例の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態のレーザアニール装置で分割された8本のレーザ光の強度分布グラフを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置の構成図である。
【図6】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置の第1の分割光学系の構成図である。
【図7】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置の第2の分割光学系の構成図である。
【図8】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置のレンズアレイを説明するための図である。
【図9】従来のレーザアニール装置の構成図である。
【図10】従来のレーザアニール装置で分割された4本のレーザ光の強度分布グラフを示す図である。
【符号の説明】
10,40 レーザアニール装置、11 基板、12 ステージ、13,17レーザ光源、14,18 コリメータ、15,19 アテネータ、16 第1の光分割部、20 第2の光分割部、21,45 光合成部、22,46 レンズアレイ、23 コンデンサレンズ、41 第1の水平光分割部、42 第2の水平光分割部、43 第1の垂直光分割部、44 第2の垂直光分割部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ポリシリコン薄膜トランジスタの製造などに用いられるレーザアニール装置等に適用される光照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ等の薄膜トランジスタのチャネル層にキャリア移動度の高いポリシリコン膜が用いられるようになっている。薄膜トランジスタのチャネル層に用いられるポリシリコン膜は、一般に、ガラス基板上のアモルファスシリコンにレーザ光を照射して熱処理をすることによって製造される。このようにレーザ光を照射して物質を熱処理する方法は、レーザアニール処理と呼ばれている。レーザアニール処理を行う装置は、レーザアニール装置と呼ばれている。
【0003】
ポリシリコン膜を製造する場合、ビーム径内のエネルギ強度が均一となっているレーザ光によりレーザアニールをしなければ、薄膜トランジスタの特性が悪化してしまう。
【0004】
ところが、コリメータ等で形成された平行光束は、ビーム径内のエネルギ強度分布がガウス分布となっている。つまり、通常の平行光束は、ビーム径の中心部分では強度が高く、光束の周縁部分では強度が低くなっている。そのため、レーザアニール装置では、ビーム径内の強度分布がガウス分布となっているレーザ光から、スポットの中心部分から周縁部分まで均一な強度分布のレーザ光を形成し、そのレーザ光を用いて熱処理を行わなければならない。通常、レーザアニール装置では、レーザ発振器から出射されたレーザ光をコリメータ等で平行光束としたのち、フライアイレンズ等の光分割手段で複数の光束を作り、再度その光束を合成することによって、基板上のレーザ光の照射領域の強度分布を均一化している。
【0005】
ところで、レーザ発振器の中の一つに固体レーザがある。固体レーザは、半導体を除く結晶やガラスなどの透明物質を母体材料とし、母体材料中に希土類イオンや遷移金属イオンなどをドープした固体レーザ材料を光によって励起して、レーザビームの出射を行う装置である。
【0006】
固体レーザは、出射するレーザビームが安定しており、寿命も長い。したがって、レーザアニール装置のレーザ光源として固体レーザを採用することによって、レーザアニール装置の一般的な光源として利用されているエキシマレーザを採用したときに生じる不安定性の問題点が解決されると考えられる。
【0007】
しかしながら、固体レーザから出射されたレーザビームは、エキシマレーザから出射されたレーザビームと比較して干渉性が高い。したがって、レーザ光源として固体レーザを採用したときには、フライアイレンズによって分割された各レーザビームを合成すると、互いに干渉してしまう。干渉したレーザ光を用いた場合、照射スポット内に干渉縞が生じ、ビーム径内の強度分布を均一化することができない。
【0008】
このような問題を解決するため、本出願人は、フライアイレンズの代わりに、1本のレーザ光を互いに干渉性のない複数のレーザ光に分割する分割光学手段を用いたレーザアニール装置を、日本国特許出願 特願2001−374922で提案した。
【0009】
以下、上記特許出願で提案したレーザアニール装置について簡単に説明をする。図9に、上記特許出願で提案したレーザアニール装置の構成図を示す。
【0010】
上記特許出願で提案したレーザアニール装置100では、先ず、レーザ光源101からレーザ光L120が出射される。レーザ光源101から出射されたレーザ光L120は、コリメータ102によって平行光とされた後に、光分割部103に入射される。
【0011】
光分割部103は、第1及び第2のビームスプリッタ(以下、BSと略す)104,105と、反射鏡106とを備えている。第1のBS104の光分割面、第2のBS105の光分割面及び反射鏡106の光反射面は、全て平行に配置されている。
【0012】
コリメータ102によって平行光とされたレーザ光L120は、第1のBS104に入射される。第1のBS104は、レーザ光L120を透過光(以下、レーザ光L121と称する。)と反射光(以下、レーザ光L122と称する。)とに分離する。第1のBS104は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0013】
レーザ光L121は、第2のBS105に入射する。第2のBS015は、入射されたレーザ光L121を、さらに、透過光(以下、レーザ光L123と称する。)と反射光(以下、レーザ光L124と称する。)とに分離する。第2のBS105は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0014】
レーザ光L123は第1の凸レンズ107に入射する。レーザ光L124は反射鏡106によって反射された後に第2の凸レンズ108に入射する。
【0015】
一方、レーザ光L122は、反射鏡106によって反射された後に、第2のBS105に入射する。第2のBS105は、入射されたレーザ光L122を、さらに、透過光(以下、レーザ光L125と称する。)と反射光(以下、レーザ光L126と称する。)とに分離する。第2のBS105は、1:1の強度割合で透過光と反射光とを分割する。
【0016】
レーザ光L125は、第3の凸レンズ109に入射し、レーザ光L126は反射鏡106によって反射された後に第4の凸レンズ111に入射する。
【0017】
以上のように生成された4本のレーザ光L123,L124,L125,L126は、互いに平行であり、その強度が全て分割前のレーザ光L120に対して1/4となっている。
【0018】
レーザ光L123、レーザ光L124、レーザ光L125及びレーザ光L126は、第1〜第4の凸レンズ107〜110により、それぞれ一度集束した後に、コンデンサレンズ111へ入射する。そして、コンデンサレンズ111が、レーザ光L123〜L126を、それぞれ基板112上の所定の範囲に照射する。
【0019】
以上説明したレーザアニール装置100では、第1のBS104の光分割面と第2のBS105の光分割面との間の間隔tと、第1のBS104の光分割面と反射鏡106の反射面との間の間隔tとが、レーザ光源101から出射されたレーザ光の可干渉距離をLとし、各光分離面間及び光分離面と反射鏡との間の媒質の屈折率をn、光分割面への入射光ビームの入射角をθとしたとき、次の式(1)を満たすように設定される。
【0020】
t>L/(2ncosθ) ・・・(1)
従って、レーザ光L123〜L126は、同一のレーザ光源101から出射されたレーザ光であるにもかかわらず、全ての光路が可干渉距離以上となっており、互いに干渉しない。したがって、レーザアニール装置100は、干渉縞を生じさせることなく基板112上の所定の範囲を均一な強度で照射し、被照射物全体を均一に照射することが可能となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のレーザアニール装置100において、BS104,105の光の透過量と反射量との比は、理想的には1:1であることが望ましい。しかしながら、製造誤差等により、実際上の透過量と反射量との比は1:1とはならない。また、反射鏡106の反射率も、理想的には100パーセントであることが望ましい。しかしながら、製造誤差等により、実際上の反射率は、100パーセントよりも低くなってしまう。従って、光分割部103から出射されるレーザ光L123〜L126は、理想的には全て同一の強度であることが望ましいが、実際上、強度は同一とならない。
【0022】
例えば、BS104,105の反射率と透過率との比の誤差を2パーセントとし、反射鏡106の反射率を99パーセントとした場合における、レーザ光L123〜L126の強度を示したグラフを図10に示す。図10では、レーザ光L123の強度を基準とした場合における、各レーザ光の強度比率を示している。
【0023】
この図10に示すように、上記の条件で4本のレーザ光を生成した場合、光の強度に17パーセント程度の差が生じてしまうことがわかる。BS104,105及び反射鏡106のそれぞれの誤差が小さいにも関わらず、これほどの強度差が生じてしまうのは、多重反射により製造誤差成分が蓄積してしまうためである。
【0024】
本発明は、以上の実状を鑑みて提案されたものであり、1本のレーザ光を複数のレーザ光に分割する際に、分割された各レーザ光の強度を同一とする光照射装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光照射装置は、光ビームを透過及び反射して透過光及び反射光に分割する1以上の光分離面を有した光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本(nは2以上の自然数)の光ビームを生成する第1の出射手段と、上記第1の出射手段と同一の光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本の光ビームを生成する第2の出射手段と、上記第1の出射手段から出射されたn本の光ビームと上記第2の出射手段から出射されたn本の光ビームとが入射され、互いの1本の光ビーム同士を合成して、n本の光ビームを出力する光合成手段とを備えている。
【0026】
上記光合成手段は、上記第1の出射手段及び第2の出射手段により生成された各n本の光ビームに対して、その光ビームの生成経路中における反射及び透過により生じた光路長の短い順に、1番目からn番目まで順位を付けたとき、第1の出射手段により生成された第m番目(mは1からnまでの任意の整数)の光ビームと、第2の出射手段により生成された第(n−m+1)番目の光ビームとを同軸上に合成する。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として本発明を適用したレーザアニール装置について図面を参照しながら説明をする。なお、以下説明を行う本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、平板状のアニール対象物である基板にレーザ光を照射することによって、当該基板を熱処理する装置である。例えば、本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、液晶表示装置、有機EL表示装置のスイッチング素子となる薄膜トランジスタのチャネル層の形成時に用いられる。すなわち、ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコン膜に対して熱処理をしてポリシリコン膜を形成する際に用いられる。
【0028】
第1の実施の形態
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置の構成図を示す。
【0029】
本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置10は、基板11を載置するステージ12と、レーザ光を出射する第1のレーザ光源13と、第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第1のコリメータ14及び第1のアテネータ15と、第1のアテネータ15から出射されたレーザ光をn本のレーザ光に分割する第1の光分割部16と、レーザ光を出射する第2のレーザ光源17と、第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第2のコリメータ18及び第2のアテネータ19と、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光をn本のレーザ光に分割する第2の光分割部20とを備えている。なお、nは自然数である。
【0030】
また、第1の実施の形態のレーザアニール装置10は、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射された各n本のレーザ光を混合して(2×n)本のレーザ光を出射する光合成部21と、(2×n)個の凸レンズから構成され光合成部21から出射された(2×n)本のレーザ光が入射されるレンズアレイ22と、レンズアレイ22から出射された(2×n)本のレーザ光を基板11の所定の領域に導くコンデンサレンズ23とを備えている。
【0031】
ステージ12は、平板状の基板11が載せられる平坦な主面を有している。ステージ11は、主面上に載せられた基板11を保持しながら、主面に平行な方向(図1中のX方向,Y方向)に移動する。レーザアニール装置10では、ステージ12を移動させることによって、基板11とレーザ光の照射スポットとの相対位置を移動させることができる。つまり、ステージ12を移動させることによって、基板11上のアニールを行う位置を制御することができる。なお、ステージ12の移動制御は、図示しないコントローラにより行われる。
【0032】
第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17は、それぞれ1つの光束のレーザ光をパルス発振して出力する。レーザアニール装置10では、第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17として固体レーザを採用している。固体レーザは、半導体を除く結晶やガラスなどの透明物質を母体材料とし、母体材料中に希土類イオンや遷移金属イオンなどをドープした固体レーザ材料を、光によって励起して、レーザビームを出射する装置である。固体レーザの例としては、母体材料にガラスを用いてNd3+をドープしたガラスレーザや、ルビーにCr3+をドープしたルビーレーザ、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)にNd3+をドープしたYAGレーザ、さらに、それらのレーザの波長を非線形光学結晶を用いて波長変換したレーザなどが挙げられる。また、固定レーザではなく、半導体レーザ等も用いてもよい。
【0033】
なお、第1のレーザ光源13と第2のレーザ光源17とは、同一波長のレーザ光を出射するが、異なるレーザ発振器となっており、両者から出射されたレーザ光は合成されたとしても干渉はしない。
【0034】
第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光は、第1のコリメータ14に入射される。第1のコリメータ14は、入射されたレーザ光を所定のビーム径の平行光束とする。第1のコリメータ14から出射されたレーザ光は、第1のアテネータ15に入射される。第1のアテネータ15は、入射されたレーザ光の強度を調整する。第1のアテネータ15から出射されたレーザ光は、第1の光分割部16に入射される。
【0035】
第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光は、第2のコリメータ18に入射される。第2のコリメータ18は、入射されたレーザ光を所定のビーム径の平行光束とする。第2のコリメータ18から出射されたレーザ光は、第2のアテネータ19に入射される。第2のアテネータ19は、入射されたレーザ光の強度を調整する。第2のアテネータ19から出射されたレーザ光は、第2の光分割部20に入射される。
【0036】
以下、第1のアテネータ15から第1の光分割部12へ入射されるレーザ光を、レーザ光L11という。また、第2のアテネータ19から第2の光分割部20へ入射されるレーザ光を、レーザ光L12という。レーザ光L11とレーザ光L12とは、互いに強度及びビーム径が同一となるように、コリメータ14,18及びアテネータ15,19により調整されている。
【0037】
第1の光分割部16は、入射されたレーザ光L11を分割して、等間隔に並んだn本の平行なレーザ光を出射する。第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光の光路は、例えば図1中のX方向に並んでいる。また、第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第1の光分割部16では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光L11の入射口から出射口までの光路の長さが、n本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。このため、出射される各レーザ光は、互いに干渉性がない状態とされる。
【0038】
なお、第1の光分割部16から出射されるn本のレーザ光は、その並びの順序に従い番号を付けて説明をする。例えば、第1の光分割部16から出射されるn本レーザは、図1中X方向に並んでおり、X方向の一方から順番に1ずつ増加するように番号が付けられている。具体的には、X方向の一方から、第1番目のレーザ光をレーザ光L11−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L11−2とし、第3番目のレーザ光L11−3とし、以下順次番号を付けていき、最後に第n番目のレーザ光をレーザ光L11−nとする。
【0039】
第2の光分割部20は、入射されたレーザ光L12を分割して、等間隔に平行に並んだn本のレーザ光を出射する。第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光の光路は、例えば図1中のX−Z平面上に形成され、X方向に並んでいる。また、第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第2の光分割部20では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光L12の入射口から出射口までの光路の長さが、n本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。このため、出射される各レーザ光は、互いに干渉性がない状態とされる。
【0040】
なお、第2の光分割部20から出射されるn本のレーザ光は、その並びの順序に従い番号を付けて説明をする。例えば、第2の光分割部20から出射されるレーザ光は、図1X方向に並んでおり、X方向の一方から順番に1ずつ増加するように番号が付けられている。なお、番号を増加させていく方向は、第1の光分割部16に付けた番号の増加方向と同一とする。具体的には、X方向の一方から、第1番目のレーザ光をレーザ光L12−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L12−2とし、第3番目のレーザ光L12−3とし、以下順次番号を付けていき、最後に第n番目のレーザ光をレーザ光L12−nとする。
【0041】
ここで、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、互いに同一の光学部材を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。
【0042】
ただし、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、出射するレーザ光の光軸方向に平行な軸を中心とし、その軸に対して180°反転された配置とされている。すなわち、第1の光分割部16と第2の光分割部20とは、図1中Z方向の軸を中心に180度反転した配置となっている。
【0043】
このため、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されるレーザ光の関係が次のようになっている。すなわち、第1の光分割部16の第1番目のレーザ光L11−1を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第n番目のレーザ光L12−nを生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。また、第1の光分割部16の第2番目のレーザ光L11−2を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−1)番目のレーザ光L12−(n−1)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。また、第1の光分割部16の第3番目のレーザ光L11−3を生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−2)番目のレーザ光L12−(n−2)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。
【0044】
つまり、第1の光分割部16の第m(mは1以上n以下の整数)番目のレーザ光L11−mを生成するために形成された第1の光分割部16内の光学経路と、第2の光分割部20の第(n−m+1)番目のレーザ光L12−(n−m+1)を生成するために形成された第2の光分割部20内の光学経路とが同じとなる。従って、第1の光分割部16の第m番目のレーザ光と、第2の光分割部20の第(n−m+1)番目のレーザ光とは、入射されたレーザ光から同一の光学部材を通過して生成されることとなる。
【0045】
なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20の具体的な構成例については、その詳細を後述する。
【0046】
以上のような第1の光分割部16から出射されたn本のレーザ光L11−1〜L11−n、並びに、第2の光分割部20から出射されたn本のレーザ光L12−1〜L12−nは、光合成部21に入射される。
【0047】
光合成部21は、第1の光分割部16から出射されたn本のレーザ光L11−1〜L11−nと、第2の光分割部20から出射されたn本のレーザ光L12−1〜L12−nとを合成し、等間隔に平行に並んだ(2×n)本のレーザ光を出射する。光合成部21から出射されるn本のレーザ光は、例えば図1中のX方向に並んでいる。(2×n)本のレーザ光の強度は全て同一である。
【0048】
以下、光合成部21から出射された(2×n)本の出力レーザ光に対して、その並び順序に従い番号を付ける。具体的には、光合成部21から出力される第1番目のレーザ光をレーザ光L20−1とし、第2番目のレーザ光をレーザ光L20−2とし、第3番目のレーザ光L20−3とし、第n番目のレーザ光をレーザ光L20−nとし、第(n+1)番目のレーザ光をL20−(n+1)とし、第(n+n)番目のレーザ光をL20−(n+n)とする。
【0049】
なお、光合成部21の具体的な構成例については、その詳細を後述する。
【0050】
光合成部21から出力された(2×n)本の出力レーザ光(L20−1〜L20−(n+n))は、レンズアレイ22に入射される。
【0051】
レンズアレイ22は、光合成部21から出射される(2×n)本の出力レーザ光が並んでいる方向(例えば図1中X方向)に等間隔に一列に配列された(2×n)個の凸レンズから構成されている。凸レンズの配列間隔は、光合成部21から出射される出力レーザ光の間隔と同一で、各凸レンズが各出力レーザ光の光軸上に設けられている。レンズアレイ22から出射された出力レーザ光は、一旦集光して、コンデンサレンズ23に入射される。
【0052】
コンデンサレンズ23は、レンズアレイ22によって集光された(2×n)本の出力レーザ光を基板11上の所定の照射領域上に合成し、合成した光を基板11上に照射する。
【0053】
以上のような構成のレーザアニール装置10では、ステージ12上に基板11が載置され、その後、レーザアニール処理が開始される。レーザアニール装置10は、レーザアニール処理が開始されると、第1のレーザ光源13及び第2のレーザ光源17からパルスレーザが出射される。
【0054】
第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光は、第1のコリメータ14,第1のアテネータ15及び第1の光分割部16を通過して、互いに干渉性がなく同一強度のn本の平行光束とされる。第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光は、第2のコリメータ18,第2のアテネータ19及び第2の光分割部20を通過して、互いに干渉性がなく同一強度のn本の平行光束とされる。
【0055】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されたそれぞれn本のレーザ光は、光合成部21により合成され、(2×n)本の出力レーザ光とされる。(2×n)本の出力レーザ光は、レンズアレイ22及びコリメータ23を介して合成され、基板11上の所定の領域に照射される。
【0056】
そして、レーザアニール装置10では、ステージ12を平行移動させて、平板状の基板11を、主面に対して平行な方向(図1中X−Y方向)に移動させ、基板11の全領域にレーザ光を照射してアニール処理を行う。
【0057】
分割光学系及び合成光学系の構成
つぎに、第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成についてさらに詳細に説明をする。なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射されるレーザ光の本数を4本、つまり、n=4とした場合の第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成を例にとって説明する。
【0058】
図2に、n=4とした場合の第1の光分割部16、第2の光分割部20及び光合成部21の構成を示す。また、図3に、n=4とした場合の第1の光分割部16の構成を示す。なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20に入射されるレーザ光L11,L12の入射方向を、Z方向とする。このZ方向は、ステージ11の主面に対して直交する方向である。また、第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射される各4本のレーザ光は、所定の方向に平行に並んで出射されるが、そのレーザ光の配列方向を、X方向とする。なお、X方向とZ方向とは互いに直交する方向である。
【0059】
第1の光分割部16は、図2及び図3に示すように、平面状の光分離面がZ方向に並ぶように配置された第1のビームスプリッタ(BS)31及び第2のBS32を備えている。第1のBS31及び第2のBS32は、光分離面に入射されたレーザ光を透過及び反射し、2つのレーザ光に分離する素子である。透過と反射の分離比率は、設計上は1:1となっている。
【0060】
第1の光分割部16は、光反射面が第1のBS31及び第2のBS32の光分離面と平行とされ、第1のBS31及び第2のBS32とZ方向に並んで配置されたミラー33を備えている。ミラー33は、平面状の光反射面に入射されたレーザ光を反射する素子である。ミラー33は、第1のBS31よりもレーザ光L11の入射側に配置されている。
【0061】
第1のBS31及び第2のBS32の光分離面、並びに、ミラー33の光反射面は、X−Z軸で形成される平面に対して垂直に配置され、且つ、入射されるレーザ光L11の入射方向(すなわち、X方向)に対して所定の角度θ(0°<θ<90°)をもって配置されている。つまり、レーザ光L11は、第1のBS31及び第2のBS32の光分離面に対して入射角θで入射される。
【0062】
第1のBS31は、第1のレーザ光L11−1の光軸上に配置されている。また、第2のBS32も、第1のレーザ光L11−1の光軸上に配置されている。また、第1のBS31は、入射光であるレーザ光L11のみが入射され、他の光が入射されないような配置及び大きさとなっている。第2のBS31は、第1のBS31の透過光、及び、ミラー33で反射された後の第1のBS31の反射光が入射され、他の光が入射されないような配置及び大きさとなっている。ミラー33は、第1のBS31の反射光、及び、第2のBS32の2つの反射光が入射され、入射光L11を遮らないような配置及び大きさとなっている。
【0063】
ただし、第1のBS31とミラー33との間の距離t1は、第1のレーザ光源13により設定されている可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上とされている。また、第1のBS31と第2のBS32との間の距離t2も、第1のレーザ光源13により設定されている可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上とされている。
【0064】
第1の光分割部16は、以上のような構成となっていることにより、X方向に平行に並んだ互いに干渉性のない4本のレーザ光を出射することができる。
【0065】
具体的には、第1のレーザ光L11−1は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第2のレーザ光L11−2は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第3のレーザ光L11−3は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第4のレーザ光L11−4は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。
【0066】
第1の光分割部16から出射される4本のレーザ光は、互いに可干渉距離以上の光路を通過して生成されているので、合成されても干渉が生じない。
【0067】
つまり、第1のレーザ光L11−1の光路の長さと第2のレーザ光L11−2の光路の長さを比較すると、第1のBS31とミラー33との間の距離t1が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第2のレーザ光L11−2の光路の長さの方が可干渉距離L以上長くなる。第2のレーザ光L11−2の光路の長さと第3のレーザ光L11−3の光路の長さを比較すると、第1のBS31と第2のBS32との間の距離t2が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第3のレーザ光L11−3の光路の長さの方が可干渉距離以上長くなる。第3のレーザ光L11−3の光路の長さと第4のレーザ光L11−4の光路の長さを比較すると、第1のBS31とミラー33との間の距離t1が、可干渉距離をLとしたとき、L/(2cosθ)以上となっているので、第4のレーザ光L11−4の光路の長さの方が可干渉距離以上長くなる。
【0068】
第2の光分割部20は、以上のような構成の第1の光分割部16と同一の光学部材を用いて、同一の配置構成とされている。
【0069】
ただし、第2の光分割部20は、図2に示すように、出力するレーザ光の出射方向(Z方向)を軸として、180°軸反転した配置となっている。
【0070】
従って、第1のレーザ光L12−1は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第2のレーザ光L11−2は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を反射する経路で生成される。第3のレーザ光L11−3は、第1のBS31を反射並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。第4のレーザ光L11−4は、第1のBS31を透過並びに第2のBS32を透過する経路で生成される。
【0071】
光合成部21は、図2に示すように、入射されたレーザ光を反射及び透過して2つのレーザ光に分離するビームスプリッタ34を備えている。ビームスプリッタ34の光分離面は、X−Z平面と直交している。ビームスプリッタ34の透過と反射の分離比率は、1:1となっている。
【0072】
第1の光分割部16から出射された4本のレーザ光(L11−1〜L11−4)は、ミラー35により反射された後、一方の面(以下、表面という。)からビームスプリッタ34に入射される。また、第2の光分割部20から出射された4本のレーザ光(L12−1〜L12−4)は、第1の光分割部16からのレーザ光が入射された面と反対側の面(以下、裏面という。)からビームスプリッタ34に入射される。
【0073】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20から出射された8本のレーザ光は、全てビームスプリッタ34の光分割面と直交する平面(すなわち、X−Z平面)に沿って、当該ビームスプリッタ34に入射される。また、各レーザ光は、ビームスプリッタ34の光分離面に対して、所定の角度φ(0°<φ<90°)で入射される。ただし、第1の光分割部16から出射されたレーザ光(L11−1〜L11−4)と、第2の光分割部20から出射されたレーザ光(L12−1〜L12−4)との光軸は一致しないように入射される。
【0074】
さらに、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置(もっとも、表面と裏面との違いはある)に入射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−4とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置に入射される。
【0075】
従って、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1の反射光(L11−1_r)と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1の透過光(L12−1_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−1として出射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2の反射光(L11−2_r)と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2の透過光(L12−2_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−2として出射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3の反射光(L11−3_r)と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3の透過光(L12−3_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−3として出射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4の反射光(L11−4_r)と、第2の光分割部20から出射された第4のレーザ光L12−4の透過光(L12−4_t)とが同軸上に合成され、出力光L20−4として出射される。
【0076】
また、第1の光分割部16から出射された第1のレーザ光L11−1の透過光(L11−1_t)と、第2の光分割部20から出射された第1のレーザ光L12−1の反射光(L12−1_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−5として出射される。第1の光分割部16から出射された第2のレーザ光L11−2の透過光(L11−2_t)と、第2の光分割部20から出射された第2のレーザ光L12−2の反射光(L12−2_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−6として出射される。第1の光分割部16から出射された第3のレーザ光L11−3の透過光(L11−3_t)と、第2の光分割部20から出射された第3のレーザ光L12−3の反射光(L12−3_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−7として出射される。第1の光分割部16から出射された第4のレーザ光L11−4の透過光(L11−4_t)と、第2の光分割部20から出射された第4のレーザ光L12−4の反射光(L12−4_r)とが同軸上に合成され、出力光L20−8として出射される。
【0077】
なお、出力光L20−5〜L20−8はミラー36により反射され、出力光L20−1〜L20−4と平行とされて出射される。
【0078】
以上のように、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、第1の光分割部16と第2の光分割部20とが、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置構成が同一となっている。また、第1の光分割部16と第2の光分割部20とが、出射するレーザ光の光軸方向を中心軸とし、その中心軸に対して互いに180°反転した配置となっている。さらに、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、光合成部21によって、第1の光分割部16の第m(1≦m≦n)のレーザ光L11−mと第2の光分割部20の第mのレーザ光L12−m同士を合成している。
【0079】
このように、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、反射及び透過のパターンが互いに対称となっている経路を通過して分離されたレーザ光同士を合成している。従って、第1の実施の形態のレーザアニール装置10では、製造誤差により、分離光学系のビームスプリッタに透過及び反射の分離割合の違いが生じてしまっていても、レーザ光の合成を行うことにより、誤差を相殺することができる。
【0080】
例えば、図2に示した第1の光分割部16及び第2の光分割部20の第1のビームスプリッタ31及び第2のビームスプリッタ32の反射量及び透過量の比の誤差を2パーセントとし、ミラー33の反射率を99パーセントとした場合における、レーザ光L20−1〜L20−8の強度を示したグラフを図4に示す。図4では、レーザ光L20−1の強度を基準とした場合における、各レーザ光の強度比率を示している。
【0081】
この図4に示すように、上記の条件で8本のレーザ光を生成した場合、光の強度に1.1パーセント程度の差しか生じないことがわかる。
【0082】
なお、第1の光分割部16及び第2の光分割部20の具体例として、n=4とした場合の構成例を示したが、ビームスプリッタの数を増加させることにより、n=4以外も同様の構成で実現できる。すなわち、ビームスプリッタの数をj個(jは自然数)とした場合、n=2j本のレーザ光を出射することができる。
【0083】
第1の光分割部16及び第2の光分割部20によって分割されるレーザビームの数をnとし、i番目に配置されるビームスプリッタをBSiとし、iの最大値、すなわち、光分割部に備えられるBSの数をkとすると、nとkとの関係は、以下の式2に示す通りとなる。
【0084】
n=2k・・・(1)
また、第i番目のBSiにおいてレーザビームが透過及び反射する回数mとiとの関係は、以下の式3に示す通りとなる。
【0085】
m=2(i−1)・・・(3)
また、BSiでの透過率Tは、以下の(4)に示す通りとなる。
【0086】
T=0.5i・・・(4)
さらにまた、BSiでの反射率Rは、以下の(5)に示す通りとなる。
【0087】
R=0.5i・・・(5)
また、出力されるn本レーザビームを互いに干渉をしないインコヒーレントな光とするためには、各ビームスプリッタ及び反射鏡を次のように配置をする必要がある。
【0088】
ここで、各ビームスプリッタへのレーザビームの入射角をθとし、レーザビームの可干渉距離をLとする。
【0089】
1番目のビームスプリッタと、反射鏡との距離t0は、次の(6)に示すと通りに設定をする。
【0090】
t0≧L/(2cosθ) ・・・(6)
また、第1番目に配置されるビームスプリッタBS1と、第j番目に配置されるビームスプリッタBS(j)との間の距離t(j−1)を、次の(7)に示す通りに設定をする。なお、jは、2からkまでの整数である。
【0091】
tj≧((2(j −1 )−1)L/(2cosθ) ・・・(7)
また、さらに、各ビームスプリッタ間、並びに、ビームスプリッタと反射鏡との間に、屈折率nの媒質を設けた場合、出力されるn本レーザビームを互いに干渉をしないインコヒーレントな光とするためには、各ビームスプリッタ及び反射鏡を次のように配置をする必要がある。
【0092】
1番目のビームスプリッタと、反射鏡との距離t0は、次の(8)に示すと通りに設定をする。
【0093】
t0≧L/(2ncosθ) ・・・(8)
また、第1番目に配置されるビームスプリッタBS1と、第j番目に配置されるビームスプリッタBS(j)との間の距離t(j−1)を、次の(9)に示す通りに設定をする。なお、jは、2からkまでの整数である。
【0094】
tj≧(2(j −1 )−1)L/(2ncosθ) ・・・(9)
このようにビームスプリッタを配置することによって、1本のレーザビームを、互いにインコヒーレントであり且つ強度が同一のn本の平行なレーザビームに分割することができる。
【0095】
第2の実施の形態
つぎに、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置について説明する。なお、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置を説明するにあたり、同一の構成要素については、同一の符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0096】
図5に、本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置の構成図を示す。
【0097】
本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置40は、基板11を載置するステージ12と、レーザ光を出射する第1のレーザ光源13と、第1のレーザ光源13から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第1のコリメータ14及び第1のアテネータ15と、レーザ光を出射する第2のレーザ光源17と、第2のレーザ光源17から出射されたレーザ光の光路上に設けられた第2のコリメータ18及び第2のアテネータ19とを備えている。
【0098】
また、第2の実施の形態のレーザアニール装置40は、第1のアテネータ15から出射されたレーザ光を水平方向(X方向)に2本のレーザ光に分割する第1の水平光分割部41と、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光を水平方向(X方向)に2本のレーザ光に分割する第2の水平光分割部42と、第1の水平光分割部41により分割された2本のレーザ光を垂直方向(Y方向)に4分割して合計8本のレーザ光を出力する第1の垂直光分割部43と、第2の水平光分割部42により分割された2本のレーザ光を垂直方向(Y方向)に4分割して合計8本のレーザ光を出力する第2の垂直光分割部44と、第1の垂直光分割部43及び第2の垂直光分割部44から出射された各8本のレーザ光を混合して16本のレーザ光を出射する光合成部45と、16個の凸レンズから構成され光合成部45から出射された16本のレーザ光が入射されるレンズアレイ46と、レンズアレイ46から出射された16本のレーザ光を基板11の所定の領域に導くコンデンサレンズ23とを備えている。
【0099】
第1のアテネータ15から出射されたレーザ光は第1の水平光分割部41に入射され、第2のアテネータ19から出射されたレーザ光は第2の水平光分割部42に入射される。
【0100】
第1の水平光分割部41は、入射されたレーザ光をX方向に分割して、等間隔に平行に並んだ2本のレーザ光を出射する。第1の水平光分割部41から出射される2本のレーザ光の光路は、例えば図5中のX方向に並んでいる。また、第1の水平光分割部41から出射される2本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第1の水平光分割部41では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、2本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第1の水平光分割部41は、例えば、図3に示した光分割部16のビームスプリッタ32を取り除いた構成で実現することができる。
【0101】
第2の水平光分割部42は、入射されたレーザ光をX方向に分割して、等間隔に平行に並んだ2本のレーザ光を出射する。第2の水平光分割部42から出射される2本のレーザ光の光路は、例えば図5中のX方向に並んでいる。また、第2の水平光分割部42から出射される2本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、第2の水平光分割部42では、レーザ光の分割を行うために形成された光路の長さが、出射する各レーザ光毎に異なっている。つまり、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、2本のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第2の水平光分割部42は、例えば、図3に示した光分割部16のビームスプリッタ32を取り除いた構成で実現することができる。
【0102】
ここで、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。ただし、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、出射するレーザ光の光軸方向を中心とし、その軸対象となった配置とされている。すなわち、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42とは、レーザ光の出射方向(Z方向)に対して180°の軸回転した配置となっている。
【0103】
第1の水平光分割部41から出射された2本のレーザ光は第1の垂直光分割部43に入射され、第2の水平光分割部42から出射された2本のレーザ光は第2の垂直光分割部44に入射される。
【0104】
第1の垂直光分割部43は、X方向に平行に並んだ2本のレーザ光のそれぞれを独立にY方向に4分割して出力する。従って、第1の垂直光分割部43からは、合計8本のレーザ光が出射される。第1の垂直光分割部43から出射される8本のレーザ光は、X方向に2列、Y方向に4列並んだマトリクス状とされている。また、第1の垂直光分割部43から出射される8本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、垂直方向のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第1のレーザ光源13により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第1の垂直光分割部43は、例えば、図3に示した光分割部16をZ方向を中心に90度回転させたもので実現することができる。
【0105】
第2の垂直光分割部44は、X方向に平行に並んだ2本のレーザ光のそれぞれを独立にY方向に4分割して出力する。従って、第2の垂直光分割部44からは、合計8本のレーザ光が出射される。第2の垂直光分割部44から出射される8本のレーザ光は、X方向に2列、Y方向に4列並んだマトリクス状とされている。また、第2の垂直光分割部44から出射される8本のレーザ光は、互いに干渉性のないレーザ光とされている。例えば、レーザ光の入射口からレーザ光の出射口までの光路の長さが、垂直方向のレーザ光毎に全て異なっている。さらに、その各光路に第2のレーザ光源17により規定される可干渉距離以上の差がつけられている。第2の垂直光分割部44は、例えば、図3に示した光分割部16をZ方向を中心に−90度回転させたもので実現することができる。
【0106】
ここで、図6に第1の水平光分割部41、第1の垂直光分割部43及び光合成部45をX方向から見た図を示し、図7に第2の水平光分割部42、第2の垂直光分割部44及び光合成部45をX方向から見た図を示す。図6及び図7に示すように、第1の垂直光分割部43と第2の垂直分割部44とは、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置が同一である。ただし、第1の垂直光分割部43と第2の垂直分割部44とは、出射するレーザ光の光軸方向に平行な軸を中心とし、その軸に対して180°反転した配置とされている。
【0107】
第1の垂直光分割部43及び第2の垂直分割部44から出射されたそれぞれ8本のレーザ光は、光合成部45に入射される。
【0108】
光合成部45は、第1の垂直光分割部43から出射された8本のレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射された8本のレーザ光とを混合し、水平方向(X方向)4列、垂直方向(Y方向)4列に並んだマトリクス状のレーザ光群を出射する。光合成部45から出射される16本のレーザ光は、その強度が全て同一である。この光合成部45の構成は、第1の実施の形態の光合成部21と同一の構成である。ただし、第1の実施の形態では、X方向に1列に並んだレーザ光を合成するものであったが、第2の実施の形態では、マトリクス状に並んだレーザ光が入射されるので、光分離面に8本分のレーザ光を照射できるだけの十分な大きさを持たせる必要がある。
【0109】
光合成部45は、入射されたレーザ光を反射及び透過して2つのレーザ光に分離するビームスプリッタ34を備えている。ビームスプリッタ34の光分離面は、X−Z平面と直交している。ビームスプリッタ34の透過と反射の分離比率は、1:1となっている。
【0110】
第1の垂直光分割部43から出射された8本のレーザ光は、ミラー35により反射された後、一方の面(以下、表面という。)からビームスプリッタ34に入射される。また、第2の垂直光分割部44から出射された8本のレーザ光は、第1の垂直光分割部43からのレーザ光が入射された面と反対側の面(以下、裏面という。)からビームスプリッタ34に入射される。
【0111】
第1の垂直光分割部43及び第2の垂直光分割部44から出射された合計16本のレーザ光は、ビームスプリッタ34の光分離面に対して、所定の角度φ(0°<φ<90°)で入射される。ただし、第1の垂直光分割部43から出射されたレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射されたレーザ光との光軸は一致しないように入射される。
【0112】
さらに、第1の垂直光分割部43から出射された(s,t)の位置のレーザ光と、第2の垂直光分割部44から出射された(s,t)の位置のレーザ光とは、ビームスプリッタ34の光分離面上の同一の位置(もっとも、表面と裏面との違いはある)に入射される。ここで、(s,t)は、2×4のマトリクス状のレーザ光の位置を示す。なお、s,tは、それぞれs=1,2、t=1,2,3,4の値をとる。つまり、マトリクス内で同一位置のレーザ光同士が、同軸上に合成されることとなる。
【0113】
光合成部45から出力された16本の出力レーザ光は、レンズアレイ46に入射される。
【0114】
レンズアレイ46は、図8に示すようなマトリクス状に配列された16個の凸レンズから構成されている。凸レンズの配列間隔は、光合成部45から出射される出力レーザ光の間隔と同一で、各凸レンズが各出力レーザ光の光軸上に設けられている。レンズアレイ46から出射された出力レーザ光は、一旦集光して、コンデンサレンズ23に入射される。
【0115】
コンデンサレンズ23は、レンズアレイ46によって集光された16本の出力レーザ光を合成して、基板11上の所定の照射領域に集光する。
【0116】
以上のような構成の本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、レーザ光の分割を2次元的に行っている。この場合でも、第1の水平光分割部41と第2の水平光分割部42との関係、第1の垂直光分割部43と第2の垂直光分割部44との関係が、互いに同一の光学部材(同一製造ロット)を用い、その光学部材の内部の配置構成が同一となっている。さらに、出射するレーザ光の光軸方向を中心軸とし、その中心軸に対して互いに180°反転した配置となっている。さらに、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、光合成部45によって、第1の垂直光分割部43から出射されたレーザ光と第2の垂直光分割部44から出射されたレーザ光とを、マトリクス状における同一の位置のレーザ光同士を合成している。
【0117】
すなわち、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、相対する経路を通過して分離されたレーザ光同士を合成している。
【0118】
従って、第2の実施の形態のレーザアニール装置40では、設計誤差により、分離光学系のビームスプリッタに透過及び反射の分離割合の違いが生じてしまっていても、レーザ光の合成を行うことにより、誤差を相殺することができる。
【0119】
【発明の効果】
本発明にかかる光照射装置は、第1の出射手段と第2の出射手段とを備え、それぞれの出射手段内に同一の光学構成とされた光分割光学系を有している。光分割光学系は、1つ以上の光分離面を通過させて、1本の光ビームをn本の光ビームに分割する光学系である。
【0120】
さらに、本発明にかかる光照射装置では、上記第1の出射手段及び第2の出射手段により生成された各n本の光ビームに対して、その光ビームの生成経路中における反射及び透過により生じた光路長の短い順に、1番目からn番目まで順位を付ける。光合成手段は、第1の出射手段により生成された第m番目(mは1からnまでの任意の整数)の光ビームと、第2の出射手段により生成された第(n−m+1)番目の光ビームとを同軸上に合成する。
【0121】
従って、本発明にかかる光照射装置では、相対する光学経路をたどった光ビーム同士を合成するので、分割経路上で生じる誤差成分が相殺され、光合成手段から出力される複数の光ビームの強度が同一となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のレーザアニール装置の構成図である。
【図2】上記第1の実施の形態のレーザアニール装置の分割光学系及び合成光学系の構成図である。
【図3】上記分割光学系の一例の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態のレーザアニール装置で分割された8本のレーザ光の強度分布グラフを示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のレーザアニール装置の構成図である。
【図6】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置の第1の分割光学系の構成図である。
【図7】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置の第2の分割光学系の構成図である。
【図8】上記第2の実施の形態のレーザアニール装置のレンズアレイを説明するための図である。
【図9】従来のレーザアニール装置の構成図である。
【図10】従来のレーザアニール装置で分割された4本のレーザ光の強度分布グラフを示す図である。
【符号の説明】
10,40 レーザアニール装置、11 基板、12 ステージ、13,17レーザ光源、14,18 コリメータ、15,19 アテネータ、16 第1の光分割部、20 第2の光分割部、21,45 光合成部、22,46 レンズアレイ、23 コンデンサレンズ、41 第1の水平光分割部、42 第2の水平光分割部、43 第1の垂直光分割部、44 第2の垂直光分割部
Claims (7)
- 光ビームを透過及び反射して透過光及び反射光に分割する1以上の光分離面を有した光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本(nは2以上の自然数)の光ビームを生成する第1の出射手段と、
上記第1の出射手段と同一の光学構造とされ、1本の光ビームが入射され、入射された1本の光ビームを上記1以上の光分離面を経由させることによってn本の光ビームを生成する第2の出射手段と、
上記第1の出射手段から出射されたn本の光ビームと上記第2の出射手段から出射されたn本の光ビームとが入射され、互いの1本の光ビーム同士を合成して、n本の光ビームを出力する光合成手段とを備え、
上記光合成手段は、
上記第1の出射手段及び第2の出射手段により生成された各n本の光ビームに対して、その光ビームの生成経路中における反射及び透過により生じた光路長の短い順に、1番目からn番目まで順位を付けたとき、
第1の出射手段により生成された第m番目(mは1からnまでの任意の整数)の光ビームと、第2の出射手段により生成された第(n−m+1)番目の光ビームとを同軸上に合成すること
を特徴とする光照射装置。 - 上記光合成手段は、
入射された光ビームを反射及び透過して2本の光ビームに分割するビーム分割面を有し、
上記ビーム分割面には、一方の面側から第1の出射手段から出射されたn本の光ビームが入射され、上記一方の面の裏面側となる他方の面側から第2の出射手段から出射されたn本の光ビームが入射され、
第1の出射手段のm番目の光ビームの透過光と第2の出射手段の(n−m+1)番目の光ビームの反射光とを同軸上に合成し、
第1の出射手段のm番目の光ビームの反射光と第2の出射手段の(n−m+1)番目の光ビームの透過光とを同軸上に合成すること
を特徴とする請求項1記載の光照射装置。 - 上記第1の出射手段は、上記ビーム分割面に対して垂直な平面上に平行に並んだn本の光ビームを、上記ビーム分割面に対して出射し、
上記第2の出射手段は、上記第1の出射手段から出射されたn本の光ビームが並んでいる平面と同一の平面上に、平行に並んだn本の光ビームを、上記ビーム分割面に対して出射すること
を特徴とする請求項2記載の光照射装置。 - 上記第1及び第2の出射手段に含まれる光分割光学系は、
入射された光ビームを透過及び反射して透過光及び反射光の2つの光ビームに分離するとともに当該反射光を上記光合成手段のビーム分割面に垂直な平面上に沿って出射する光分離面を有し、当該光分離面が平行に並べられた1番目からj(但し、n=2jであり、jは1以上の自然数)番目までのj個のビームスプリッタと、
入射された光ビームを反射する光反射面を有し、当該光反射面が各ビームスプリッタの光分離面と平行とされ、全てのビームスプリッタからの反射光が当該光反射面に入射される位置に配置された反射鏡とを備え、
1番目のビームスプリッタは、1本の光ビームが入射され、1本の透過光及び1本の反射光を出射し、
k+1(但し、kは、1以上(j−1)以下の整数)番目のビームスプリッタは、k番目のビームスプリッタの2(k−1)本の透過光が入射されるとともにk番目のビームスプリッタの2(k−1)本の反射光が上記反射鏡によって反射された後に入射され、2k本の透過光及び2k本の反射光を出射し、
j番目のビームスプリッタは、2(j − 1)本の透過光を外部に出射し、2(j − 1)本の反射光を上記反射鏡に出射し、
上記反射鏡は、j番目のビームスプリッタの2(j−1)本の反射光を反射して外部に出射し、
上記k番目のビームスプリッタの光分離面と(k+1)番目のビームスプリッタの光分離面の間の距離、並びに、各ビームスプリッタの光分離面と反射鏡の光反射面との間の距離は、光源から出射される光ビームのそれぞれの光路の光路長の差が可干渉距離より大きくなるように調整されていること
を特徴とする請求項1記載の光照射装置。 - 1個目のビームスプリッタの光分離面と(k+1)個目のビームスプリッタの光分離面との間の距離tkは、各ビームスプリッタに入射されるレーザビームの入射角をθ、上記レーザ光源から出射されるレーザビームの可干渉距離をL、各光分離面間の媒質の屈折率をnとしたとき、(2(j −1 )−1)×L/(2cosθ)以上とされ、
1個目のビームスプリッタの光分離面と上記反射鏡の光反射面の間の距離は、各ビームスプリッタに入射されるレーザビームの入射角をθ、上記レーザ光源から出射されるレーザビームの可干渉距離をL、1個目のビームスプリッタの光分離面と上記反射鏡の光反射面との間の媒質の屈折率をnとしたとき、L/(2ncosθ)以上とされていること
を特徴とする請求項3記載の光照射装置。 - 上記第1の出射手段の光分割光学系と上記第2の出射手段の光分割光学系とは、第1及び第2の出射手段から出射されたn本の光ビームの配列方向に対して互いに反転した配置とされていること
を特徴とする請求項5記載の光照射装置。 - 上記ビームスプリッタの光分離面で分離された反射光及び透過光は、光強度の比が1:1であること
を特徴とする請求項5記載の光照射装置。
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