JP2004160571A - チップ交換式オイルホール付ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】チップを高い精度で位置決めして本体に取り付けることができるようにする。
【解決手段】一対の取付ねじ16、18が挿通させられる一対の挿通穴32、34のうち、一方の挿通穴32の内径寸法を取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内としたため、その取付ねじ16と挿通穴32との係合によりチップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】一対の取付ねじ16、18が挿通させられる一対の挿通穴32、34のうち、一方の挿通穴32の内径寸法を取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内としたため、その取付ねじ16と挿通穴32との係合によりチップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はチップ交換式オイルホール付ドリルに係り、特に、チップを高い精度で位置決めする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルが知られている。特許文献1に記載のドリルはその一例で、頭部に設けられたテーパ形状部によってチップが位置決めされるとともに、挿通穴内に配設された軟質の薄肉円筒部材が変形させられることにより、取付ねじと挿通穴との間の寸法誤差を吸収して隙間を無くすようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−112643号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいては、テーパ形状部のテーパ角度が大きいため、必ずしもチップを高い精度で位置決めすることができないという問題があった。また、取付ねじを螺合する際に薄肉円筒部材が変形させられるため、この薄肉円筒部材の存在もチップの移動を阻害して位置決め精度を損なう原因となっていた。また、軟質の薄肉円筒部材を配設する必要があるため、部品点数が多くなってコストが高くなるという別の問題を含んでいた。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、チップを高い精度で位置決めして本体に取り付けることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(d) 前記挿通穴の内径寸法を、前記取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内としたことを特徴とする。
【0007】
第2発明は、(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(d) 前記取付ねじおよび前記挿通穴には、互いにテーパ嵌合させられて前記チップを位置決めするテーパ角度αが20°〜40°の範囲内のテーパ形状部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記オイルホールは、螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられており、そのオイルホールに直接連通するように前記取付ねじを螺合するためのねじ穴が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第3発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記ねじ穴は、前記オイルホールを利用してそのオイルホールに沿って略同心に設けられていることを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかのチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記流体通路は、前記取付ねじの軸心を貫通するように設けられた貫通穴であることを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかのチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(a) 前記チップは、軸心まわりに複数の切れ刃が設けられて前記本体の先端に同心に配設されるもので、その切れ刃の逃げ面に前記挿通穴が設けられており、(b) 前記取付ねじは、前記挿通穴内を挿通させられて前記本体の軸方向成分を有する方向に螺合されていることを特徴とする。
【0012】
第7発明は、第6発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記チップには、前記切れ刃および前記挿通穴が軸心に対して対称的に一対ずつ設けられており、それぞれ前記流体通路が設けられた一対の取付ねじがその挿通穴内に挿入されて前記本体に一体的に固設されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
第1発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいては、挿通穴の内径寸法が取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内であるため、その取付ねじと挿通穴との係合によりチップが高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。なお、5μmより小さいと、挿通穴に対する取付ねじの挿入が阻害される恐れがある一方、15μmよりも大きくなると、十分な位置決め作用が得られなくてドリルとしての品質がばらつく可能性がある。
【0014】
第2発明では、取付ねじおよび挿通穴にテーパ角度αが20°〜40°の範囲内のテーパ形状部が設けられているため、取付ねじでチップを取り付ける際にそれ等が互いにテーパ嵌合させられることにより、チップが高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。なお、テーパ角度αが20°より小さいと、頭部が頭部収容穴に食いついて取付ねじの着脱が阻害されるとともに十分な締付強度が得られ難くなる恐れがある一方、テーパ角度αが40°より大きくなると、十分な位置決め精度が得られなくてドリルとしての品質がばらつく可能性がある。
【0015】
第3発明では、オイルホールが螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられており、そのオイルホールに直接連通するようにねじ穴が設けられて、取付ねじが螺合されるようになっているため、オイルホールとねじ穴との連結構造が簡単で安価に構成される。特に、第4発明では、オイルホールを利用してそのオイルホールに沿って略同心にねじ穴が設けられているため、一層簡単且つ安価に構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、切り屑排出溝が軸心まわりに捩れているツイストドリルや、切り屑排出溝が軸心と平行な直刃ドリル、溝数が1本、2本、或いは3本以上のドリルなど、種々のチップ交換式オイルホール付ドリルに適用され得る。本体は、例えば高速度工具鋼等の工具鋼が好適に用いられ、チップは、例えば超硬合金などの超硬質工具材料が好適に用いられる。
【0017】
チップは、例えば複数の切れ刃を有する単一のチップが本体と同心に本体の先端に一体的に固設されるように構成されるが、単一の切れ刃を有する一対のチップを本体の軸心に対して対称的に配置して取付ねじにより一体的に固定するなど、種々の態様が可能である。同心に固定する場合、本体の先端は例えば軸心に対して直角な平坦面にて構成され、チップをその平坦面に密着させて固定することが望ましく、必要に応じて軸心にパイロットピンを立設してパイロット穴に嵌合させるようにしても良い。
【0018】
単一のチップを複数の取付ねじで固定する場合、その総てについて第1発明または第2発明を適用することもできるが、加工精度などの関係で、複数の取付ねじの何れか1つについてのみ、挿通穴の内径寸法を取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内とし、或いはテーパ形状部のテーパ角度αを20°〜40°の範囲内とする一方、他の取付ねじについては、位置決めを阻害しないように十分な遊びを持って構成するようにしても良い。
【0019】
オイルホールは、例えば第3発明のように螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられるが、切り屑排出溝の形状に拘らず軸心と平行に直線状に設けるなど、種々の態様が可能である。
【0020】
取付ねじに設けられる流体通路は、例えば取付ねじの軸心を貫通するように設けられるが、取付ねじの外周面に切欠溝を設けるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるチップ交換式オイルホール付ドリル(以下、単にドリルという)10を示す図で、(a) は軸心と直角な方向から見た正面図、(b) はチップ12が設けられた軸方向先端部を拡大して示す正面図、(c) は先端側から見た拡大底面図である。また、図2は、先端部の拡大断面図で、図1(c) におけるII−II断面に相当する図である。
【0022】
このドリル10は、高速度工具鋼にて構成されている軸形状の本体14の先端に、超硬合金にて構成されているチップ12を、一対の取付ねじ16、18により着脱可能に一体的に固設したものである。本体14は、円柱形状のシャンク20と、螺旋状に捩じれた一対の切り屑排出溝22が設けられたねじれ部24とを一体に備えているとともに、シャンク20では直線でねじれ部24では切り屑排出溝22に沿って捩じれた一対のオイルホール26が設けられている。ねじれ部24は、シャンク20のように直線状の一対のオイルホール26が設けられた工具素材を軸心まわりに捩じることによって形成されている。
【0023】
チップ12は、軸心に対して対称位置に一対の切れ刃28が設けられていて、前記本体14の先端に同心に配設されるもので、逃げ面30に開口するように一対の挿通穴32、34が軸心と平行に且つ軸心に対して対称位置に設けられており、前記取付ねじ16、18がその挿通穴32、34内を挿通させられて本体14に螺合されることにより、その本体14に一体的に取り付けられている。挿通穴32,34には、大径の頭部収容穴36、38が同心に連続して設けられており、取付ねじ16、18の頭部40、42が収容されるようになっている。本体14の先端面およびチップ12の取付面は、何れも軸心に対して直角な平坦面で、軸心にはパイロット穴44およびパイロットピン46がそれぞれ設けられており、チップ12に立設されたパイロットピン46がパイロット穴44に嵌合されることにより同心に位置決めされる。
【0024】
前記取付ねじ16、18には、その軸心を貫通するように貫通穴50、52が設けられている一方、その取付ねじ16、18が螺合される本体14のねじ穴54、56は、底部において前記オイルホール26と連通するように設けられており、オイルホール26を通って供給される冷却油剤やドライエアなどの流体は、取付ねじ16、18の貫通穴50、52を通って逃げ面30から吐出或いは噴射される。貫通穴50、52は流体通路に相当する。なお、ねじ穴54、56を、それぞれオイルホール26を利用してそのオイルホール26に沿って同心に、言い換えれば工具軸心に対して傾斜させて設けることも可能で、その場合は挿通穴32、34や頭部収容穴36、38についても軸心に対して傾斜させて設ければ良い。
【0025】
また、上記挿通穴32、34やねじ穴54、56は、本体14の切り屑排出溝22がチップ12の切れ刃28のすくい面に滑らかに連続するように、そのチップ12が取り付けられるように、軸心まわりの位置が定められており、一方の挿通穴32の内径寸法は取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内に設定されている。これにより、本体14に対してチップ12の軸心まわりの位相が高い精度で位置決めされ、且つがたつきが防止される。他方の挿通穴34は、取付ねじ18に対する遊びが比較的大きく、一方の取付ねじ16によるチップ12の位置決めを阻害しないようになっているが、十分な精度が得られる場合には、挿通穴34についても取付ねじ18の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内で設けるようにしても良い。
【0026】
このように、本実施例のドリル10においては、一方の挿通穴32の内径寸法が取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内であるため、その取付ねじ16と挿通穴32との係合によりチップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【0027】
また、本実施例ではオイルホール26に直接連通するようにねじ穴54、56が設けられているため、オイルホール26とねじ穴54、56との連結構造が簡単で安価に構成される。
【0028】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0029】
図3の実施例では、前記取付ねじ16の頭部40に、ねじ部側へ向かうに従って小径となるテーパ形状部60が設けられるとともに、頭部収容穴36には、開口側へ向かうに従って大径となるテーパ形状部62が設けられ、ねじ穴54に取付ねじ16が螺合される際にそれ等のテーパ形状部60、62がテーパ嵌合させられることにより、取付ねじ16更には本体14に対してチップ12が位置決めされる。テーパ形状部60、62のテーパ角度αは20°〜40°の範囲内で、チップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが確実に防止され、前記実施例と同様にドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【0030】
なお、本実施例の挿通穴32は挿通穴34と同程度の大きさで、取付ねじ16に対する遊びが比較的大きく、テーパ形状部60、62のテーパ嵌合によるチップ12の位置決めを阻害しないようになっている。
【0031】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるチップ交換式オイルホール付ドリルを示す図で、(a) は正面図、(b) は先端部分の拡大正面図、(c) は先端側から見た拡大底面図である。
【図2】図1のドリルの先端部の拡大断面図で、図1(c) におけるII−II断面に相当する図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する断面図で、図2に対応する図である。
【符号の説明】
10:チップ交換式オイルホール付ドリル 12:チップ 14:本体 16、18:取付ねじ 22:切り屑排出溝 26:オイルホール 28:切れ刃 32、34:挿通穴 50、52:貫通穴(流体通路) 54、56:ねじ穴 60、62:テーパ形状部 α:テーパ角度
【発明の属する技術分野】
本発明はチップ交換式オイルホール付ドリルに係り、特に、チップを高い精度で位置決めする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルが知られている。特許文献1に記載のドリルはその一例で、頭部に設けられたテーパ形状部によってチップが位置決めされるとともに、挿通穴内に配設された軟質の薄肉円筒部材が変形させられることにより、取付ねじと挿通穴との間の寸法誤差を吸収して隙間を無くすようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−112643号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいては、テーパ形状部のテーパ角度が大きいため、必ずしもチップを高い精度で位置決めすることができないという問題があった。また、取付ねじを螺合する際に薄肉円筒部材が変形させられるため、この薄肉円筒部材の存在もチップの移動を阻害して位置決め精度を損なう原因となっていた。また、軟質の薄肉円筒部材を配設する必要があるため、部品点数が多くなってコストが高くなるという別の問題を含んでいた。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、チップを高い精度で位置決めして本体に取り付けることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(d) 前記挿通穴の内径寸法を、前記取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内としたことを特徴とする。
【0007】
第2発明は、(a) オイルホールが設けられた軸形状の本体と、(b) 切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、(c) そのチップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、そのチップをその本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(d) 前記取付ねじおよび前記挿通穴には、互いにテーパ嵌合させられて前記チップを位置決めするテーパ角度αが20°〜40°の範囲内のテーパ形状部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
第3発明は、第1発明または第2発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記オイルホールは、螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられており、そのオイルホールに直接連通するように前記取付ねじを螺合するためのねじ穴が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第4発明は、第3発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記ねじ穴は、前記オイルホールを利用してそのオイルホールに沿って略同心に設けられていることを特徴とする。
【0010】
第5発明は、第1発明〜第4発明の何れかのチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記流体通路は、前記取付ねじの軸心を貫通するように設けられた貫通穴であることを特徴とする。
【0011】
第6発明は、第1発明〜第5発明の何れかのチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、(a) 前記チップは、軸心まわりに複数の切れ刃が設けられて前記本体の先端に同心に配設されるもので、その切れ刃の逃げ面に前記挿通穴が設けられており、(b) 前記取付ねじは、前記挿通穴内を挿通させられて前記本体の軸方向成分を有する方向に螺合されていることを特徴とする。
【0012】
第7発明は、第6発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、前記チップには、前記切れ刃および前記挿通穴が軸心に対して対称的に一対ずつ設けられており、それぞれ前記流体通路が設けられた一対の取付ねじがその挿通穴内に挿入されて前記本体に一体的に固設されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
第1発明のチップ交換式オイルホール付ドリルにおいては、挿通穴の内径寸法が取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内であるため、その取付ねじと挿通穴との係合によりチップが高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。なお、5μmより小さいと、挿通穴に対する取付ねじの挿入が阻害される恐れがある一方、15μmよりも大きくなると、十分な位置決め作用が得られなくてドリルとしての品質がばらつく可能性がある。
【0014】
第2発明では、取付ねじおよび挿通穴にテーパ角度αが20°〜40°の範囲内のテーパ形状部が設けられているため、取付ねじでチップを取り付ける際にそれ等が互いにテーパ嵌合させられることにより、チップが高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。なお、テーパ角度αが20°より小さいと、頭部が頭部収容穴に食いついて取付ねじの着脱が阻害されるとともに十分な締付強度が得られ難くなる恐れがある一方、テーパ角度αが40°より大きくなると、十分な位置決め精度が得られなくてドリルとしての品質がばらつく可能性がある。
【0015】
第3発明では、オイルホールが螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられており、そのオイルホールに直接連通するようにねじ穴が設けられて、取付ねじが螺合されるようになっているため、オイルホールとねじ穴との連結構造が簡単で安価に構成される。特に、第4発明では、オイルホールを利用してそのオイルホールに沿って略同心にねじ穴が設けられているため、一層簡単且つ安価に構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、切り屑排出溝が軸心まわりに捩れているツイストドリルや、切り屑排出溝が軸心と平行な直刃ドリル、溝数が1本、2本、或いは3本以上のドリルなど、種々のチップ交換式オイルホール付ドリルに適用され得る。本体は、例えば高速度工具鋼等の工具鋼が好適に用いられ、チップは、例えば超硬合金などの超硬質工具材料が好適に用いられる。
【0017】
チップは、例えば複数の切れ刃を有する単一のチップが本体と同心に本体の先端に一体的に固設されるように構成されるが、単一の切れ刃を有する一対のチップを本体の軸心に対して対称的に配置して取付ねじにより一体的に固定するなど、種々の態様が可能である。同心に固定する場合、本体の先端は例えば軸心に対して直角な平坦面にて構成され、チップをその平坦面に密着させて固定することが望ましく、必要に応じて軸心にパイロットピンを立設してパイロット穴に嵌合させるようにしても良い。
【0018】
単一のチップを複数の取付ねじで固定する場合、その総てについて第1発明または第2発明を適用することもできるが、加工精度などの関係で、複数の取付ねじの何れか1つについてのみ、挿通穴の内径寸法を取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内とし、或いはテーパ形状部のテーパ角度αを20°〜40°の範囲内とする一方、他の取付ねじについては、位置決めを阻害しないように十分な遊びを持って構成するようにしても良い。
【0019】
オイルホールは、例えば第3発明のように螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられるが、切り屑排出溝の形状に拘らず軸心と平行に直線状に設けるなど、種々の態様が可能である。
【0020】
取付ねじに設けられる流体通路は、例えば取付ねじの軸心を貫通するように設けられるが、取付ねじの外周面に切欠溝を設けるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例であるチップ交換式オイルホール付ドリル(以下、単にドリルという)10を示す図で、(a) は軸心と直角な方向から見た正面図、(b) はチップ12が設けられた軸方向先端部を拡大して示す正面図、(c) は先端側から見た拡大底面図である。また、図2は、先端部の拡大断面図で、図1(c) におけるII−II断面に相当する図である。
【0022】
このドリル10は、高速度工具鋼にて構成されている軸形状の本体14の先端に、超硬合金にて構成されているチップ12を、一対の取付ねじ16、18により着脱可能に一体的に固設したものである。本体14は、円柱形状のシャンク20と、螺旋状に捩じれた一対の切り屑排出溝22が設けられたねじれ部24とを一体に備えているとともに、シャンク20では直線でねじれ部24では切り屑排出溝22に沿って捩じれた一対のオイルホール26が設けられている。ねじれ部24は、シャンク20のように直線状の一対のオイルホール26が設けられた工具素材を軸心まわりに捩じることによって形成されている。
【0023】
チップ12は、軸心に対して対称位置に一対の切れ刃28が設けられていて、前記本体14の先端に同心に配設されるもので、逃げ面30に開口するように一対の挿通穴32、34が軸心と平行に且つ軸心に対して対称位置に設けられており、前記取付ねじ16、18がその挿通穴32、34内を挿通させられて本体14に螺合されることにより、その本体14に一体的に取り付けられている。挿通穴32,34には、大径の頭部収容穴36、38が同心に連続して設けられており、取付ねじ16、18の頭部40、42が収容されるようになっている。本体14の先端面およびチップ12の取付面は、何れも軸心に対して直角な平坦面で、軸心にはパイロット穴44およびパイロットピン46がそれぞれ設けられており、チップ12に立設されたパイロットピン46がパイロット穴44に嵌合されることにより同心に位置決めされる。
【0024】
前記取付ねじ16、18には、その軸心を貫通するように貫通穴50、52が設けられている一方、その取付ねじ16、18が螺合される本体14のねじ穴54、56は、底部において前記オイルホール26と連通するように設けられており、オイルホール26を通って供給される冷却油剤やドライエアなどの流体は、取付ねじ16、18の貫通穴50、52を通って逃げ面30から吐出或いは噴射される。貫通穴50、52は流体通路に相当する。なお、ねじ穴54、56を、それぞれオイルホール26を利用してそのオイルホール26に沿って同心に、言い換えれば工具軸心に対して傾斜させて設けることも可能で、その場合は挿通穴32、34や頭部収容穴36、38についても軸心に対して傾斜させて設ければ良い。
【0025】
また、上記挿通穴32、34やねじ穴54、56は、本体14の切り屑排出溝22がチップ12の切れ刃28のすくい面に滑らかに連続するように、そのチップ12が取り付けられるように、軸心まわりの位置が定められており、一方の挿通穴32の内径寸法は取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内に設定されている。これにより、本体14に対してチップ12の軸心まわりの位相が高い精度で位置決めされ、且つがたつきが防止される。他方の挿通穴34は、取付ねじ18に対する遊びが比較的大きく、一方の取付ねじ16によるチップ12の位置決めを阻害しないようになっているが、十分な精度が得られる場合には、挿通穴34についても取付ねじ18の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内で設けるようにしても良い。
【0026】
このように、本実施例のドリル10においては、一方の挿通穴32の内径寸法が取付ねじ16の直径に対して+5μm〜15μmの範囲内であるため、その取付ねじ16と挿通穴32との係合によりチップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが防止され、ドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【0027】
また、本実施例ではオイルホール26に直接連通するようにねじ穴54、56が設けられているため、オイルホール26とねじ穴54、56との連結構造が簡単で安価に構成される。
【0028】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0029】
図3の実施例では、前記取付ねじ16の頭部40に、ねじ部側へ向かうに従って小径となるテーパ形状部60が設けられるとともに、頭部収容穴36には、開口側へ向かうに従って大径となるテーパ形状部62が設けられ、ねじ穴54に取付ねじ16が螺合される際にそれ等のテーパ形状部60、62がテーパ嵌合させられることにより、取付ねじ16更には本体14に対してチップ12が位置決めされる。テーパ形状部60、62のテーパ角度αは20°〜40°の範囲内で、チップ12が高い精度で位置決めされるとともにがたつきが確実に防止され、前記実施例と同様にドリルとして所定の品質(切り屑排出性能など)が安定して得られるとともに、がたつきを無くすための軟質の円筒部材が不要で安価に構成される。
【0030】
なお、本実施例の挿通穴32は挿通穴34と同程度の大きさで、取付ねじ16に対する遊びが比較的大きく、テーパ形状部60、62のテーパ嵌合によるチップ12の位置決めを阻害しないようになっている。
【0031】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるチップ交換式オイルホール付ドリルを示す図で、(a) は正面図、(b) は先端部分の拡大正面図、(c) は先端側から見た拡大底面図である。
【図2】図1のドリルの先端部の拡大断面図で、図1(c) におけるII−II断面に相当する図である。
【図3】本発明の他の実施例を説明する断面図で、図2に対応する図である。
【符号の説明】
10:チップ交換式オイルホール付ドリル 12:チップ 14:本体 16、18:取付ねじ 22:切り屑排出溝 26:オイルホール 28:切れ刃 32、34:挿通穴 50、52:貫通穴(流体通路) 54、56:ねじ穴 60、62:テーパ形状部 α:テーパ角度
Claims (7)
- オイルホールが設けられた軸形状の本体と、
切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、
該チップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、該チップを該本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、
を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、
前記挿通穴の内径寸法を、前記取付ねじの直径に対して+5μm〜15μmの範囲内とした
ことを特徴とするチップ交換式オイルホール付ドリル。 - オイルホールが設けられた軸形状の本体と、
切れ刃が設けられて前記本体の先端に配設されるチップと、
該チップに設けられた挿通穴内に挿入されて前記本体に螺合されることにより、該チップを該本体に着脱可能に一体的に固設するとともに、前記オイルホールに連通させられて流体を外部に導く流体通路が設けられた取付ねじと、
を有するチップ交換式オイルホール付ドリルにおいて、
前記取付ねじおよび前記挿通穴には、互いにテーパ嵌合させられて前記チップを位置決めするテーパ角度αが20°〜40°の範囲内のテーパ形状部が設けられている
ことを特徴とするチップ交換式オイルホール付ドリル。 - 前記オイルホールは、螺旋状の切り屑排出溝に沿って捩じれて設けられており、該オイルホールに直接連通するように前記取付ねじを螺合するためのねじ穴が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のチップ交換式オイルホール付ドリル。 - 前記ねじ穴は、前記オイルホールを利用して該オイルホールに沿って略同心に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載のチップ交換式オイルホール付ドリル。 - 前記流体通路は、前記取付ねじの軸心を貫通するように設けられた貫通穴である
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のチップ交換式オイルホール付ドリル。 - 前記チップは、軸心まわりに複数の切れ刃が設けられて前記本体の先端に同心に配設されるもので、該切れ刃の逃げ面に前記挿通穴が設けられており、
前記取付ねじは、前記挿通穴内を挿通させられて前記本体の軸方向成分を有する方向に螺合されている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のチップ交換式オイルホール付ドリル。 - 前記チップには、前記切れ刃および前記挿通穴が軸心に対して対称的に一対ずつ設けられており、それぞれ前記流体通路が設けられた一対の取付ねじが該挿通穴内に挿入されて前記本体に一体的に固設されている
ことを特徴とする請求項6に記載のチップ交換式オイルホール付ドリル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002327244A JP2004160571A (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | チップ交換式オイルホール付ドリル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002327244A JP2004160571A (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | チップ交換式オイルホール付ドリル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2004160571A true JP2004160571A (ja) | 2004-06-10 |
Family
ID=32805940
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002327244A Pending JP2004160571A (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | チップ交換式オイルホール付ドリル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2004160571A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7556458B2 (en) * | 2003-04-01 | 2009-07-07 | Komet Group Holding Gmbh | Tool for machine tools |
| KR101119036B1 (ko) * | 2009-09-08 | 2012-03-14 | 대구텍 유한회사 | 절삭 툴 어셈블리 |
| JP2013202701A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Mitsubishi Materials Corp | クーラント穴付きドリル |
-
2002
- 2002-11-11 JP JP2002327244A patent/JP2004160571A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
| US7556458B2 (en) * | 2003-04-01 | 2009-07-07 | Komet Group Holding Gmbh | Tool for machine tools |
| KR101119036B1 (ko) * | 2009-09-08 | 2012-03-14 | 대구텍 유한회사 | 절삭 툴 어셈블리 |
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