JP2004164908A - スイッチ組込型多層板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアバックの樹脂カバーを、可撓性を有した樹脂フィルムからなるフレキシブルプリント板7を複数枚重ねてなる多層板主部8により構成する。そして、この多層板主部8の内部に一対の接点板13,14からなるホーンスイッチ9を配設する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂フィルムからなるフレキシブル板を複数枚重ねて形成した多層板の内部にスイッチ素子を設けてなるスイッチ組込型多層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、最近の自動車は、衝突時の衝撃から運転者を保護するために、ステアリングホイールにエアバッグを設けるようにしている。この種の自動車では、エアバッグを覆うカバーを上下方向に可動とし、このカバーを押すことによってホーンスイッチがオンされてホーンが鳴るように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ステアリングホイールにエアバッグを設けた自動車では、ホーンを鳴らす場合、エアバッグを覆うカバーを介してホーンスイッチを操作しなければならないため、押圧力の加減が難しく、短時間だけ鳴らそうとしても強く押してしまって結局長い時間ホーンを鳴らせてしまうことになったりするという不具合があった。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えばカバー越しに操作しなければならなかったようなスイッチ素子を、薄膜によって覆った状態でカバーに設けることができて、薄膜を介して楽に操作できるスイッチ組込型多層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のスイッチ組込型多層板によれば、可撓性を有した樹脂フィルムからなるフレキシブル板を複数枚重ねて構成した多層板主部の内部にスイッチ素子を設けたので、スイッチ素子を覆っている薄膜(1枚或は複数枚のフレキシブル板)を操作することによって、スイッチ素子を楽に操作でき、操作力の加減も容易にできる(請求項1)。
【0006】
上記の多層板主部に設けるスイッチ素子は、車両のホーンスイッチとすることができる(請求項2)。
この場合、ステアリングホイールにエアバッグを設けた車両に適用するには、多層板主部を例えばエアバッグのカバーの表面に貼り付けることにより、ホーンスイッチをカバー越しでなく、薄幕である樹脂フィルムを介して操作することができる。
また、多層板主部を、エアバッグを覆うカバーそのものとして構成するようにしても良い(請求項3)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両のホーンスイッチに適用した第1の実施例につき図1〜図5を参照しながら説明する。
図3はエアバッグ付のステアリングホイール1の断面図で、同図に示すように、ステアリングホイール1の中心部には、ステアリングシャフト(図示せず)に嵌着される取り付けボス2が設けられている。また、ステアリングホイール1の中央部分には、樹脂カバー3によって覆われた収納室4が形成されており、この収納室4内にエアバッグ5が収納されている。そして、衝突事故などによって図示しない衝突検知センサが作動すると、エアバッグ5が瞬時に膨らんで(このとき、樹脂カバー3はステアリングホイール1から外れる。)運転者を衝撃から保護する。
【0008】
樹脂カバー5は、図1に示すスイッチ組込型多層板6から構成されたものである。スイッチ組込型多層板6は、複数枚の可撓性を有した樹脂フィルムからなるフレキシブル板としてのフレキシブルプリント板7を積層して形成された多層板主部8と、この多層板主部8の内部に設けられたスイッチ素子としてのホーンスイッチ9とからなる。
【0009】
ここで複数枚のフレキシブルプリント板を積層して多層板を製造する方法を図4および図5に基づいて原理的に説明する。
即ち、フレキシブルプリント板は、熱可塑性樹脂、例えば結晶転移型の熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを基材としている。この樹脂フィルムの成分の具体例を示すと、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂35〜65質量%、ポリマーエーテルイミド(PEI)35〜65質量%を含み、厚さは25〜75μmが好ましいとされている。このような結晶転移型の熱可塑性樹脂は、図5に示すように、例えば200℃付近では軟質となるが、それより低い温度でも高い温度でも硬質となる(更に高い温度(約400℃)では溶解する。)性状を呈し、また、高温から温度低下する際には、200℃付近でも硬質を保つ。
【0010】
図4(a)に示すように、樹脂フィルムaの片面には銅箔やアルミ箔などの金属箔からなる導体箔(厚さ18μm程度)bが貼り付けられており、この導体箔bをエッチングして図4(b)に示すように導体パターンcを形成する。導体パターンcの形成後、樹脂フィルムaの導体パターンcが形成されていない面に保護フィルムdを貼り付ける。
【0011】
その後、保護フィルムd側からレーザを照射して、図4(c)に示すように、導体パターンcを底面とする有底のバイアホールeを形成する。バイアホールeの形成はレーザの出力と照射時間を調整することにより、導体パターンcに穴が開かないようにする。バイアホールeの形成に使用するレーザとしては、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザなどが考えられる。また、ドリル加工などの機械加工であっても良いが、微細な穴を明けるには、レーザが好ましい。
【0012】
バイアホールeを形成し終えると、次に、積層されるフレキシブルプリント板相互の電気的接続のために、図4(d)に示すように、バイアホールe内に導電ペーストfを充填する。この導電ペーストfは、メタルマスクを用いたスクリーン印刷装置により導体パターンc側を下にしてバイアホールe内に印刷充填される。そして、この導電ペーストfの印刷充填後、図4(e)に示すように、保護フィルムdを剥離する。以上のようにしてフレキシブルプリント板gが製造される。
【0013】
このようにして製造した複数枚のフレキシブルプリント板gを導体パターンcが下となるように積層する。このとき、最上層のフレキシブルプリント板gについては、電子部品、或は外部配線とバイアホールeの導電ペーストfによって接続しても良いが、図4(f)に示すように、最上層のフレキシブルプリント板gについては導体パターンcが上となるように積層して電子部品或いは外部配線と導電パターンcによって接続するようにしても良い。
このフレキシブルプリント板gの積層の際、多層板内に組み込むべき部品がある場合には、その部品をフレキシブルプリント板g間に介装しておく。
【0014】
なお、フレキシブルプリント板gの積層の際、最下層のフレキシブルプリント板gの導体パターンcを保護するために、フレキシブルプリント板gはカバーレイヤhを最下層にしてその上に積層してゆく。また、最上層のフレキシブルプリント板gを導電パターンcが上を向くように積層した場合には、その導電パターンcを保護するためにカバーレイヤhを最上層のフレキシブルプリント板g上に載せる。
【0015】
複数枚のフレキシブルプリント板gを積層した後、それらフレキシブルプリント板gを、真空加圧プレス(図示せず)によって200〜350℃で0.1〜10MPaの圧力で加圧する。フレキシブルプリント板hの樹脂フィルムaは、図5に示すような温度に対する弾性率変化を生ずるので、この熱プレスにより一旦軟化した状態で加圧されることによって樹脂フィルムaどうしが相互に融着し、多層板iとして完成される。
【0016】
この完成形態にあっては、複数枚のフレキシブルプリント板gの導体パターンcは、バイアホールe内の導電ペーストfを通じて互いに電気的に接続され、また内部に埋め込まれた部品も導体パターンcに直接的に、或はバイアホールeの導電ペーストfを通じて電気的に接続される。多層板は以上のようにして製造される。なお、その後、多層板iをリフロー炉に通して電子部品を実装する場合、300℃程度に加熱されるが、この温度では樹脂フィルム4は軟化することはなく、結晶状態に保たれる。
【0017】
さて、本実施例において、樹脂カバー3として構成されるスイッチ組込型多層板6の多層板主部8は、説明の簡単化のために4枚のフレキシブルプリント板7から形成されているものとする。そして、これら4枚のフレキシブルプリント板7のうち、最上層と最下層にある表裏2枚のフレキシブルプリント板を除く真ん中の2枚のフレキシブルプリント板には孔10a,10bが形成されており、この孔10a,10bによって多層板主部8内に収納空間11が形成されている。
【0018】
上記収納空間11の内周部には環状のクッション材12が配置されている。また、この収納空間11を介して対向する最上層のフレキシブルプリント板の下面と最下層のフレキシブルプリント板の上面とには、それぞれ導体パターンによって形成された接点板13および14が設けられており、この一対の接点板13,14によって前記ホーンスイッチ9が構成されている。なお、一対の接点板13,14はそれぞれフレキシブルプリント板7の導体パターン、バイアホールの導電ペーストを介して電源のバッテリおよびホーン(いずれも図示せず)に接続される。
【0019】
そして、最上層のフレキシブルプリント板7(薄膜)を押圧操作すると、当該最上層のフレキシブルプリント板7が図2に示すように弾性変形し、接点板13が接点板14に接触(オン動作)してホーンを鳴動させる。
【0020】
このように本実施例によれば、スイッチ組込型多層板6から構成された樹脂カバー3の内部にホーンスイッチ9を設けたので、薄いフレキシブルプリント板7を押圧することでホーンスイッチ9を操作することができる。このため、ホーンスイッチ9を楽に操作することができ、また、操作力の加減も容易であるので、短時間だけホーンを鳴らすような操作も容易に行うことができる。
【0021】
図6は本発明の第2の実施例を示すもので、上述の第1の実施例との相違はホーンスイッチ9を構成する一対の接点板13,14のうちの一方、例えば上の接点板13に接点15を取り付けたものである。
このように構成すれば、最上層のフレキシブルプリント板7の操作量が極く少なくてもホーンスイッチ9をオン動作させることができる。
【0022】
図7は本発明の第3の実施例を示すもので、前述の第1の実施例との相違は中2枚のフレキシブルプリント板7に形成された収納空間13内にホーンスイッチとしての押釦式のマイクロスイッチ17を配設し、最上層のフレキシブルプリント板7を押圧することにより押釦17aが押圧操作されてマイクロスイッチ17がオン動作するようにしたものである。なお、図7において、18,19はフレキシブルプリント板7に形成され、マイクロスイッチ17をホーンおよびバッテリに接続するための電極である。
【0023】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、以下のような拡張或は変更が可能である。
多層板を整形して樹脂カバー5とするものに限られず、樹脂カバーを別に形成してこの樹脂カバーの表面に本発明に係る多層板を配設するように構成しても良い。
多層板の内部に配置するスイッチ素子としては、静電スイッチのように無接点式のスイッチであっても良い。
スイッチ素子を被うフレキシブルプリント板は1枚に限らない。また、多層板を構成するフレキシブルプリント板の枚数は4枚に限られず、それ以上であっても良い。
多層板を構成するフレキシブル板はプリント配線板でなくとも良い。単にフレキシブルな板(フィルム)で、積層して熱プレスすることによって相互に接着されるものであればよい。
スイッチ素子としては、ホーンスイッチに限られない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す要部の断面図
【図2】押圧操作した状態で示す図1相当図
【図3】ステアリングホイールの断面図
【図4】多層板の製造方法を工程順に示す概略的な断面図
【図5】樹脂フィルムの温度と弾性率との関係を示す図
【図6】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【符号の説明】
図中、1はステアリングホイール、3は樹脂カバー、6はスイッチ組込型多層板、7はフレキシブルプリント板(フレキシブル板)、8は多層板主部、9はホーンスイッチ(スイッチ素子)、13,14は接点板、17はマイクロスイッチ(スイッチ素子)である。
Claims (3)
- 可撓性を有した樹脂フィルムからなる複数枚のフレキシブル板を積層して相互に接着して構成された多層板主部と、
この多層板主部の内部に、当該多層板主部を構成する前記複数枚のフレキシブル板のうち、少なくとも一枚のフレキシブル板に覆われた状態で埋め込まれ、この覆い用のフレキシブル板を介する操作によって動作するスイッチ素子と
を具備してなるスイッチ組込型多層板。 - 前記スイッチ素子は、車両のホーン用であることを特徴とする請求項1記載のスイッチ組込型多層板。
- 前記多層板主部は、車両のステアリングホイールに設けられたエアバッグを覆うカバーとして構成されていることを特徴とする請求項2記載のスイッチ組込型多層板。
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