JP2004165261A - 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ Download PDF

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Tadashi Ozawa
正 小澤
Masayuki Takeda
政幸 武田
Makoto Ue
誠 宇恵
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】低インピーダンス特性を有し、さらに100V級の高耐電圧特性を有し、耐湿性、高温寿命特性も良好な電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサを提供する。
【解決手段】四弗化アルミニウム塩、および溶質全体の30wt%未満のフタル酸、マレイン酸、ボロジサリチル酸等の有機酸またはその塩からなる溶質を含有する電解コンデンサ用電解液を用いているので、低インピーダンス特性、高耐電圧特性を有し、高温寿命特性、耐湿特性も良好な電解コンデンサを提供することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は電解コンデンサ用電解コンデンサおよびそれを用いた電解コンデンサ、特に低インピーダンス特性、および高耐電圧特性を有する電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
電解コンデンサは、一般的には帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水溶液等の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は、電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
【0003】
ここで、コンデンサ素子に含浸される高電導率を有する電解コンデンサ駆動用の電解液として、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、溶質として環状アミジン化合物を四級化したカチオンであるイミダゾリニウムカチオンやイミダゾリウムカチオンを、カチオン成分とし、酸の共役塩基をアニオン成分とした塩を溶解させたものが用いられている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−321440号公報
【特許文献2】
特開平08−321441号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、電子情報機器はデジタル化され、さらにこれらの電子情報機器の心臓部であるマイクロプロセッサの駆動周波数の高速化がすすんでいる。これに伴って、周辺回路の電子部品の消費電力の増大化が進み、それに伴うリップル電流の増大化が著しく、この回路に用いる電解コンデンサには、低インピーダンス特性が要求される。
【0006】
また、特に車載の分野では、自動車性能の高機能化に伴って、前述の低インピーダンス特性に対する要求が高い。ところで、車載用回路の駆動電圧は14Vであるが、消費電力の増大にともなって42Vへと進展しつつあり、このような駆動電圧に対応するには電解コンデンサの耐電圧特性は28V、84V以上が必要である。さらに、この分野では高温使用の要求があり、電解コンデンサには高温寿命特性が要求される。
【0007】
ところが、前記の電解コンデンサ用電解液では、このような低インピーダンス特性に対応することができず、また、耐電圧も30Vが限界で、28Vには対応できるものも、84V以上というような高耐電圧の要求には答えることができなかった。また、このような電解コンデンサにも半導体と同様の耐湿性が求められるようになっているが、前記の電解コンデンサは耐湿特性も低いという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、低インピーダンス特性を有し、さらに100V級の高耐電圧特性を有し、高温寿命特性、耐湿特性も良好な電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
本発明の電解コンデンサ用電解液は、四弗化アルミニウム塩および、溶質全体の30wt%未満の有機酸またはその塩からなる溶質を含有することを特徴としている。
【0010】
また、前記有機酸として、フタル酸、マレイン酸、ボロジサリチル酸を用いたことを特徴としている。
【0011】
そして、本発明の電解コンデンサは、前記の電解コンデンサ用電解液を用いたことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の電解コンデンサ用電解液は、四弗化アルミニウム塩および、溶質全体の30wt%未満の有機酸またはその塩からなる溶質を含有しているが、火花電圧が高く、低比抵抗特性を有している。そして、高温安定性、耐湿特性も良好である。
【0013】
四弗化アルミニウム塩は四弗化アルミニウムをアニオン成分とする塩であるが、この塩としてはアンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩、または四級化環状アミジニウムイオンをカチオン成分とする塩を用いることができる。アミン塩を構成するアミンとしては、一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、エチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエタノールアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、トリエタノールアミン等)があげられる。また、第4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1−メチルピリジウム、1−エチルピリジウム、1,3−ジエチルピリジウム等)が挙げられる。
【0014】
さらに、四級化環状アミジニウムイオンをカチオン成分とする塩においては、カチオン成分となる四級化環状アミジニウムイオンは、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状化合物を四級化したカチオンであり、N,N,N’−置換アミジン基をもつ環状化合物としては、以下の化合物が挙げられる。イミダゾール単環化合物(1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、2−エチル−1−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1,2,4−トリメチルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロ誘導体、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のアミノ誘導体等)、ベンゾイミダゾール化合物(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール、1−メチル−5(6)−ニトロベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン、1−エチル−2−メチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−エトキシメチルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5等)等である。
【0015】
そして、本発明に用いられる有機酸としては、以下の酸を挙げることができる。すなわち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、エナント酸等のモノカルボン酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ヒドロキシマロン酸、リンゴ酸、α−メチルリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、γ−レゾルシル酸、β−レゾルシル酸、ヒドロキシフタル酸、ジヒドロキシフタル酸等のヒドロキシカルボン酸、ボロジサリチル酸等の有機酸の錯化合物等である。これらの中でフタル酸、マレイン酸、ボロジサリチル酸が好ましい。
【0016】
これらの塩としては、前述のアンモニウム塩、アミン塩、4級アンモニウム塩、または四級化環状アミジニウムイオンをカチオン成分とする塩を用いることができる。
【0017】
そして、本発明の電解コンデンサ用電解液は、四弗化アルミニウム塩および、溶質全体の30wt%未満の有機酸またはその塩からなる溶質を含有するものであるが、有機酸またはその塩の溶質全体の含有量は、好ましくは5〜25wt%、さらに好ましくは10〜25wt%である。この範囲外では耐湿特性が低下する。
【0018】
本発明の電解液に用いる溶媒としては、プロトン性極性溶媒、非プロトン性溶媒、及びこれらの混合物を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール類(エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類およびオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性の極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等)、スルホラン系(スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等)、環状アミド系(N─メチル─2─ピロリドン等)、カーボネイト類(エチレンカーボネイト、プロピレンカーボネイト、イソブチレンカーボネイト等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、スルホキシド系(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表として、挙げられる。なかでも、γ−ブチロラクトンを用いるとインピーダンス特性が向上するので好ましく、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランを用いると高温特性が向上するので好ましく、エチレングリコールを用いると耐電圧特性が向上するので好ましい。
【0019】
以上の本発明の電解コンデンサ用電解液は、低比抵抗特性を有し、火花電圧も高く、高温安定性も良好なので、この電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサは、低インピーダンス特性および100V級の高耐電圧特性を有し、高温寿命特性、さらに耐湿特性も良好である。すなわち、四弗化アルミニウム塩を用い、耐湿試験を行った場合、封口部から浸透した水分によって、電解液と電極箔との反応性が大きくなって特性に影響を与えるが、本発明の電解液においては、このような場合にも安定した特性を得ることができる。
【0020】
【実施例】
次にこの発明について実施例を示して説明する。コンデンサ素子は陽極電極箔と陰極電極箔をセパレータを介して巻回して形成する。また陽極電極箔、陰極電極箔には陽極引出し用のリード線、陰極引出し用のリード線がそれぞれ接続されている。
【0021】
これらのリード線は、電極箔に当接する接続部とこの接続部と一体に形成した丸棒部、および丸棒部の先端に固着した外部接続部からなる。また、接続部および丸棒部は99%のアルミニウム、外部接続部は銅メッキ鉄鋼線(以下CP線という)からなる。このリード線の、少なくとも丸棒部の表面には、リン酸アンモニウム水溶液による化成処理により酸化アルミニウムからなる陽極酸化皮膜が形成されている。このリード線は、接続部においてそれぞれステッチや超音波溶接等の手段により両極電極箔に電気的に接続されている。
【0022】
陽極電極箔は、純度99.9%のアルミニウム箔を酸性溶液中で化学的あるいは電気化学的にエッチングして拡面処理した後、アジピン酸アンモニウムの水溶液中で化成処理を行い、その表面に陽極酸化皮膜層を形成したものを用いる。
【0023】
そして、電解液を含浸したコンデンサ素子を、有底筒状のアルミニウムよりなる外装ケースに収納し、外装ケースの開口部に封口体を装着するとともに、外装ケースの端部に絞り加工を施して外装ケースを密封する。封口体は、リード線をそれぞれ導出する貫通孔を備えている。
【0024】
ここで用いた電解コンデンサ用電解液を(表1)に示す。
【0025】
以上のように構成した電解コンデンサの定格は、6.3WV−820μFであり、これらの電解コンデンサの特性を評価した。試験条件は105℃、500時間負荷である。その結果を(表2)に示す。また、耐湿特性を評価した。試験条件は、85℃、85%RH、500時間無負荷である。その結果を(表3)に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004165261
GBL:γ−ブチロラクトン
A:四弗化アルミン酸1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム
B:フタル酸水素1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム
【0027】
【表2】
Figure 2004165261
Cap:静電容量、tanδ:誘電損失の正接、ΔCap:静電容量変化率
【0028】
【表3】
Figure 2004165261
LC:漏れ電流
(表1)から明らかなように、実施例の電解コンデンサ用電解液の火花電圧は従来例に比べて高く、比抵抗も低い。そして、(表2)から分かるように、これを用いた電解コンデンサのtanδは低く、高温寿命特性も良好である。さらに、(表3)から分かるように、耐湿試験後の漏れ電流は比較例では初期値の3倍になっているが、実施例は1.7倍以下となっており、本発明の効果が明らかである。また、火花電圧から分かるように100V級の電解コンデンサが可能であり、高温寿命特性、耐湿特性が良好であることが確認されている。
【0029】
【発明の効果】
この発明によれば、四弗化アルミニウム塩、および溶質全体の30wt%未満の有機酸またはその塩からなる溶質を含有する電解コンデンサ用電解液を用いているので、低インピーダンス特性、高耐電圧特性を有し、高温寿命特性、耐湿特性も良好な電解コンデンサを提供することができる。

Claims (3)

  1. 四弗化アルミニウム塩および、溶質全体の30wt%未満の有機酸またはその塩からなる溶質を含有する電解コンデンサ用電解液。
  2. 有機酸がフタル酸、マレイン酸、ボロジサリチル酸である請求項1記載の電解コンデンサ用電解液。
  3. 請求項1、2記載の電解コンデンサ用電解液を用いた電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006012984A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Nippon Chemicon Corp 電解コンデンサ用電解液
CN115061003A (zh) * 2022-08-17 2022-09-16 南通江海电容器股份有限公司 电解电容器的寿命评估方法及装置

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