JP2004166128A - 画像情報の符号化方法、符号化装置及び符号化プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】符号化の対象となる映像データ全体の特徴に基づいて、映像データ全体を通して適切な符号量割り当てを行う。
【解決手段】画像情報を符号化する際、実際の符号化の前処理として、まず符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する。前処理としての量子化及び符号化で画像情報の特徴情報が得られると、次に、その特徴情報を利用して適当な量子化係数を決定するための符号量予測工程を実施する。特徴情報は、符号化の対象となる画像情報の内容などに応じた情報量などを示す情報であり、その特徴情報に基づいて量子化係数を決定することにより、当該画像情報を符号化する際に適当な量子化係数を得ることができる。符号量予測工程は、適当な量子化係数が得られるまで繰り返し行うことができる。そして、適当な量子化係数が得られた時点で、実際の符号化工程を行う。つまり、符号量予測工程において得られた適当な量子化係数を用いて、符号化の対象となる画像情報を符号化し、その結果を符号化出力データとして出力する。
【選択図】 図2
【解決手段】画像情報を符号化する際、実際の符号化の前処理として、まず符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する。前処理としての量子化及び符号化で画像情報の特徴情報が得られると、次に、その特徴情報を利用して適当な量子化係数を決定するための符号量予測工程を実施する。特徴情報は、符号化の対象となる画像情報の内容などに応じた情報量などを示す情報であり、その特徴情報に基づいて量子化係数を決定することにより、当該画像情報を符号化する際に適当な量子化係数を得ることができる。符号量予測工程は、適当な量子化係数が得られるまで繰り返し行うことができる。そして、適当な量子化係数が得られた時点で、実際の符号化工程を行う。つまり、符号量予測工程において得られた適当な量子化係数を用いて、符号化の対象となる画像情報を符号化し、その結果を符号化出力データとして出力する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報の圧縮符号化に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、動画像情報は膨大なデータ量を有するため、これをそのまま記憶媒体などに記憶するためには膨大な量の記憶容量が要求される。そこで、動画像データを光ディスクその他の記憶媒体に記憶可能とするために、画像の圧縮符号化技術が知られている。動画像の圧縮符号化手法としてはMPEGが代表的である。
【0003】
MPEGを始めとする圧縮符号化手法においては、一般的に、符号化の対象となる画像データに対して、DCT(離散コサイン変換)などの動き予測処理を行い、得られたデータを周波数成分毎に適した量子化係数(量子化ビット数)で量子化し、さらに可変長符号化回路により符号化する。量子化係数の割り当ては、一般的に、低域成分は画像を構成する重要成分であるのでビット配分を多くし、高域成分は少なくするというように行われる。量子化係数を多く設定すれば1フレーム画像当たりの符号量は少なくなるし、量子化係数を少なく設定すれば1フレーム画像当たりの符号量は多くなる。
【0004】
なお、画像の有する情報量に応じたデータ量を画像に割り当てることにより情報量を多く含む画像を符号化する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
従来の符号化処理においては、それまでに符号化処理がなされた画像データの平均符号量に基づいて、その後に入力される画像データの量子化係数を決定し、符号量の割り当てを行っていた。つまり、符号化処理中の各時刻において、現在時刻以前(過去)に符号化処理が完了した画像データ部分の平均符号量に基づいて、現在時刻以降(将来)に実行する符号化処理の量子化係数の設定(即ち、符号量割り当て)を行っていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−136673号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像データには一般的に情報量を多く含むシーン(又はフレーム)と、情報量を多く含まないシーン(又はフレーム)がある。例えばシーンの変化時など、画像内容が大きく変化するときには情報量は多く、同じ様な内容の画像が続くときは情報量はそれほど多くない。よって、上述のように、符号化中の現在時刻までの平均符号量に基づいて符号量割り当てを行う場合、例えばシーンの変化時などに画像内容が急激に変化すると、符号化の結果として得られる符号量が急激に増減し、符号化データを一時的に保存するVBVバッファにオーバーフローやアンダーフローが生じたり、また、そのようなオーバーフローやアンダーフローを防止するために、その直前に急激に量子化係数を変化させるような不自然な符号量調整が実行されてしまうことが生じうる。本発明が解決すべき課題としては、以上のようなものが一例として挙げられる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、符号化の対象となる映像データ全体の特徴に基づいて、映像データ全体を通して適切な符号量割り当てを行うことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像情報の符号化方法において、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、決定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、コンピュータ上で実行される画像情報の符号化プログラムであって、前記コンピュータに、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、画像情報の符号化装置において、画像情報を所定の量子化係数で量子化する量子化手段と、前記量子化手段が生成した量子化データを符号化する符号化手段と、前記画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測手段と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態による画像情報の符号化方法は、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、決定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を有する。
【0013】
この方法では、画像情報を符号化する際、まず符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する。この処理は、実際の符号化処理に先行して行われる前処理としての性格を有する。前処理としての量子化及び符号化で、画像情報の特徴情報が得られると、次に、その特徴情報を利用して、適当な量子化係数を決定するための符号量予測工程を実施する。特徴情報は、符号化の対象となる画像情報の内容などに応じた情報量などを示す情報であり、その特徴情報に基づいて量子化係数を決定することにより、当該画像情報を符号化する際に適当な量子化係数を得ることができる。符号量予測工程は、適当な量子化係数が得られるまで繰り返し行うことができる。そして、適当な量子化係数が得られた時点で、実際の符号化工程を行う。つまり、符号量予測工程において得られた適当な量子化係数を用いて、符号化の対象となる画像情報を符号化し、その結果を符号化出力データとして出力する。
【0014】
この方法によれば、符号化の対象となる画像情報の特徴を予め抽出し、その特徴情報に基づいて適当な量子化係数を決定する処理を、実際の符号化処理に先立って行うので、符号化の対象となる画像情報の内容や情報量に適した量子化及び符号化が行われる。よって、符号化処理中にVBVバッファが破綻したり、VBVバッファの破綻を防止するために量子化係数を急激に調整したりということを防止することができ、適切な符号量で画像情報を符号化することが可能となる。
【0015】
上記の符号化方法の一態様では、前記符号量予測工程は、前記特徴情報に基づいてフレーム毎の量子化係数を設定する係数設定工程と、設定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を実行し、符号化結果データをバッファに格納する試験符号化工程と、前記バッファにオーバーフロー又はアンダーフローが発生したときに、前記フレーム毎の量子化係数を変更する係数変更工程と、を有することができる。
【0016】
この態様では、特徴情報に基づいて、画像情報を構成するフレーム毎に適当な量子化係数を設定し、その量子化係数を利用して量子化及び符号化を実行してバッファに破綻が生じるか否か、即ちオーバーフローやアンダーフローが生じるか否かを判定する。バッファに破綻が生じた場合は、フレーム毎の量子化係数を調整し、再度量子化及び符号化を実行してバッファに破綻が生じるか否かを判定する。これを繰り返すことにより、画像情報の特徴情報に適合し、かつ、バッファを破綻させることがない量子化係数をフレーム毎に得ることができる。
【0017】
上記の符号化方法の一態様では、前記特徴情報は、前記画像情報の符号化により得られるフレーム毎の符号量と、前記画像情報を構成するシーンを特定する情報を含み、前記試験符号化工程は前記フレーム毎の重み値を算出する工程を有し、前記係数変更工程は、算出された重み値と当該フレームの前回の試験符号化で使用した量子化係数とに基づいて、変更後の量子化係数を設定することができる。
【0018】
この態様では、特徴情報として、フレーム毎の符号量と、当該画像情報を構成するシーンを特定する情報とを取得する。シーンとは、画像情報中の場面などのまとまりをいい、通常はシーンが変わると画像情報の内容が比較的大きく変化する。よって、フレーム毎の符号量とシーンを特定する情報を用いて、各フレームに適切な重み値を設定し、それに応じて前回の試験符号化で使用した量子化係数を調整することにより、新たな量子化係数を設定する。こうして、画像情報の特徴に適合しつつ、各フレームに割り当てられる量子化係数を調整することができる。
【0019】
また、上記の画像情報の符号化方法は、上記の特徴抽出工程、符号量予測工程及び符号化工程を実行するための符号化プログラムを構成し、これをコンピュータ上で実行することにより実現することができる。
【0020】
また、上記の符号化方法を実行するための符号化装置は、画像情報を所定の量子化係数で量子化する量子化手段と、前記量子化手段が生成した量子化データを符号化する符号化手段と、前記画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測手段と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化手段と、を有するように構成される。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0022】
図1に、本発明の実施例にかかる映像データの符号化装置の概略構成を示す。符号化装置1は、動き補償DCT方式を用いて入力画像データD0を圧縮符号化し、符号化出力データD4を出力する。図示のように、符号化装置1は、DCT部10と、量子化部12と、符号化部14と、VBVバッファ16と、コントローラ20とを備える。コントローラ20は、内部にメモリ22を有する。
【0023】
DCT部10は、入力画像データを離散コサイン変換することにより、空間領域における画像データの冗長性を除去する。自然画像は、領域を狭く限ると画素のレベル値が互いに近いことが多いので、画像を空間周波数領域のデータに変換すると、データは低周波側に偏る。よって、高周波側のデータに対して、より少ないビット数を割り当てることにより、全体として変換前より少ないビット数で画像を符号化することができる。DCTは通常8×8画素のブロック毎に行われ、その結果として8×8の係数がデジタル値として得られる。得られたデータD1は量子化部12へ送られる。
【0024】
量子化部12は、データD1を適切な量子化係数(量子化ビット数)により量子化する。量子化係数はデータD1の周波数成分に応じて適切に決定される。通常、低域成分は画像を構成する重要成分であるので量子化係数を多くし、高域成分は低域成分と比べて重要度が低いので量子化係数を少なくする。量子化部12による量子化係数は、コントローラ20からの制御信号CS2に応じて調整されるが、その詳細については後述する。
【0025】
量子化回路12の出力データD2は符号化部14に送られる。符号化部14は出力データD2に対して可変長符号化を行う。可変長符号化とは、統計的に出現確率が高いデータに短い符号長の符号を割り当て、出現確率が低いデータには長い符号長の符号を割り当てることにより、データの冗長性を除去する符号化方法である。
【0026】
符号化部14の出力データD3はVBVバッファ16に一時的に蓄積された後、符号化出力データD4として出力される。符号化出力データD4は、例えば光ディスクなどの記録媒体に記録データとして供給されるため、一定の出力レートであることが好ましい。VBVバッファ16は符号化部14の出力データD3を一時的に格納して、一定レートで出力する役割を有する。
【0027】
VBVバッファ16は、内部に保持しているデータ量を示す制御信号CS1をコントローラ20へ出力する。コントローラ20は、VBVバッファ16から供給される制御信号CS1を利用して量子化部12における量子化係数を制御する。基本的には、量子化部12における量子化係数(ビット数)が大きければ、出力データD2が増加し、符号化部14から出力される出力データD3の量、つまり符号量が多くなる。逆に、量子化部12における量子化係数が小さければ符号量は少なくなる。なお、本発明では、VBVバッファ16内のデータ量のみならず入力画像データの特徴情報も利用して量子化部12における量子化係数を決定する点に特徴を有するが、その詳細は後述する。
【0028】
VBVバッファ16から出力された符号化出力データD4はコントローラ20にも入力される。コントローラ20は、符号化出力データD4に基づいて、入力画像データの特徴情報を生成し、メモリ22内に記憶する。また、その特徴情報を利用して、量子化部12における量子化係数を制御することにより、入力画像データの各フレームに対して最適な符号量を割り当てる。
【0029】
次に、本発明による符号化処理について説明する。図2に本発明による符号化処理の流れを示す。図示のように、本発明では、実際の符号化処理を実行するまえに、入力画像データの特徴抽出のための符号化処理を行う。具体的には図2に示すように、まず特徴抽出のための符号化処理を行い(ステップS1)、入力画像データの特徴情報を取得する。次に、ステップS1で得られた特徴情報を利用して、符号量予測処理を行う(ステップS2)。この処理は、当該入力画像データの符号化に最適な符号量を予測し、最適な量子化係数を設定する処理である。そして、最適な量子化係数が得られた時点で、その量子化係数を使用して実際の符号化処理を行う(ステップS3)。これにより、適切な符号化処理がなされた結果として符号化出力データが得られる。
【0030】
次に、各ステップについて詳しく説明する。特徴抽出のための符号化処理は、入力画像データの特徴を調べるための処理であり、図1に示す符号化装置1を利用して、実際に符号化処理を実行する。但し、その際に量子化部12における量子化係数は一定値に固定する。量子化係数を固定することにより、入力画像データの情報量を1つの基準で判定することになり、入力画像データのうち画像内容の変化の大きい部分と小さい部分を見つけることができる。より具体的には、コントローラ20が符号化出力データD4をフレーム単位に区切ることにより、フレーム毎の符号量を得ることができる。
【0031】
また、フレーム毎の符号量を比較することにより、入力画像データ中のシーンチェンジ部分を検出することができる。シーンチェンジ部分とは、画像データの内容が大きく変化する部分であり、映画その他の画像中でシーンが変わる部分がこれに対応する。シーンチェンジ部分では、画像内容が大きく変化するので、それに応じてシーンチェンジ前後のフレーム毎の符号量も大きく変化する。よって、コントローラ20は、フレーム毎の符号量が所定値より大きな変化を示した部分をシーンチェンジ部分と判定することができる。
【0032】
こうして、コントローラ20は、▲1▼フレーム毎の符号量、▲2▼シーンチェンジ部分を示す情報、及び、▲3▼フレーム毎の量子化係数、の情報を特徴情報として生成し、メモリ22に記憶する。なお、特徴抽出のための符号化処理(ステップS1)の場合は前述のように量子化係数を固定としているので、フレーム毎の量子化係数はその固定値となり、全てのフレームについて同一となる。
【0033】
図4(a)に、特徴抽出のための符号化処理によりおける符号量の変化例を示す。図4(a)において、横軸は入力画像データのフレーム数(時間に対応する)を示し、縦軸は各フレーム毎の符号量を示す。また、VBVバッファ容量が破線で示されている。単位時間当たりの発生符号量は一定となっており、符号量の増加率(グラフの右上がり線分の傾き)は一定となる。また、入力画像データ中の情報量が多い(画像内容の変化が大きい)部分では符号量が増大するため、VBVバッファ16内の保持データ量がVBVバッファ16の容量を下回り、アンダーフローが生じうる。逆に入力画像データの情報量が少ない期間ではオーバーフローが生じうる。オーバーフロー又はアンダーフローが生じることをVBVバッファが破綻していると呼ぶ。VBVバッファ16の容量は符号化出力データの復号器のバッファサイズを想定しているので、VBVバッファ16が破綻するということは、そのときの符号化出力データは想定している復号器では正しく再生できないことを意味する。よって、オーバーフロー又はアンダーフローが生じた場合は適切な符号化が行えていないことを意味する。但し、特徴抽出のための符号化処理は入力画像データの特徴抽出のために量子化係数を固定して実行した、いわば試験的符号化処理であるのでオーバーフローやアンダーフローが生じることに問題はない。
【0034】
こうして、特徴抽出のための符号化処理により、入力画像データD0の特徴情報が得られると、次に符号量予測処理(ステップS2)を実施する。符号量予測処理の詳細を図3に示す。符号量予測処理は、特徴抽出のための符号化処理で得られた特徴情報を利用して、入力画像データの各フレームに対する最適な符号量割り当て、即ちフレーム毎の最適な量子化係数の設定を行う試験的な符号化処理である。なお、符号量予測処理も、図1に示すコントローラ20の制御下で、メモリ22に記憶されている特徴情報を利用して入力画像データを符号化することにより実行される。
【0035】
具体的には、図3に示すように、まずコントローラ20は入力画像データD0をシーン毎に分割する(ステップS11)。ステップS1で得られた特徴情報にはシーンチェンジ部分の情報が含まれているので、これを利用して入力画像データD0をシーン毎に分割されたフレーム画像の複数のまとまりに分割することができる。次に、コントローラ20は、シーン毎の平均符号量を計算する(ステップS12)。特徴情報にはフレーム毎の符号量が含まれているので、各シーンを構成する複数のフレームの符号量を合計し、フレーム数で除算することにより、フレーム毎の平均符号量を算出することができる。
【0036】
次に、各シーンについて、当該シーンの終了部分に対応するフレームについては重要度を低く設定する(ステップS13)。重要度は当該フレームが入力画像データ中において画像内容に大きな影響を与えるか否かにより決定され、具体的には当該フレームに割り当てる符号量、即ち量子化係数に影響を与える。通常、シーンチェンジの際には再生画像の観察者はチェンジ後の画像内容に強い印象を受ける傾向があり、シーンチェンジ直前のフレーム画像は多少画質を落としてもそれほど大きな悪影響はない。よって、シーン終了部のフレームに対しては重要度を低く設定する。
【0037】
次に、コントローラ20は、入力画像データを構成する各フレームに対して重み付けを行う。ここで、「重み」とは各フレーム毎に設定され、当該フレームに対してどれだけ多くの符号量を割り当てるべきであるかを示すパラメータである。よって、重みの値は、情報量の多いフレームや重要度の高いフレームに対しては大きな値に設定され、情報量の少ないフレームや重要度の低いフレームに対しては小さな値に設定される。重みの値は、例えば以下の計算式により設定することができる。
【0038】
重み = 1/[{(シーンの平均符号量)×重み係数1
+(符号化対象フレームの符号量−シーンの平均符号量)×重み係数2
+(符号化対象フレームの符号量−直前フレームの符号量)×重み係数3
+(符号化対象フレームの符号量/量子化係数)×重み係数4}
×シーン長による重み係数5]
ここで、重み係数1〜5は、予め決定される0〜1の範囲内の値である。
【0039】
次に、コントローラ20は、そのようにしてフレーム毎に設定された重み値をメモリ22などに記憶した後、その重み値に応じてフレーム毎の量子化係数を更新し、符号化シミュレーション(試験符号化)を実行する(ステップS15)。量子化係数の更新は、例えば特徴情報として得られ、メモリ22に記憶されている前回のフレーム毎の量子化係数の値に、フレーム毎の重み値を乗算することにより行うことができる。なお、符号化シミュレーションは、実際に決定された量子化係数を利用して符号化装置1により符号化を実行する処理となる。
【0040】
そして、符号化シミュレーション中にコントローラ20はVBVバッファ16からの制御信号CS1に基づいてVBVバッファ16が破綻したか否か、即ちオーバーフロー又はアンダーフローが発生したか否かを判定する(ステップS16)。
【0041】
VBVバッファ16に破綻が生じるということは、今回の符号化シミュレーションで使用したフレーム毎の量子化係数が不適当であることを意味するので、コントローラ20は重み値が最小であるフレームを探し、当該フレームの量子化係数を調整する(ステップS17)。ここで重み値が最小のフレームについて量子化係数を調整する理由は、量子化係数の調整により画像内容に大きな影響が出ることを防止するためである。また、量子化係数の調整としては、VBVバッファの破綻がオーバーフローであった場合には量子化係数を減少させて符号量を減少させ、VBVバッファの破綻がアンダーフローであった場合には量子化係数を増加させて符号量を増加させることになる。
【0042】
その後処理はステップS12へ戻り、再度各フレームに対して重み付けを行い、量子化係数を設定して符号化シミュレーションを繰り返す。そして、VBVバッファに破綻が生じない場合(ステップS16;No)、処理は図2に示すステップS3へ進む。VBVバッファに破綻が生じていない場合のフレーム毎の符号量の変化例を図4(b)に示す。図4(a)と比較するとわかるように、オーバーフローもアンダーフローも生じていないので、その際の符号化出力データは復号器による正しい復号が可能となる。
【0043】
こうして、符号量予測処理により、当該入力画像データについて、フレーム毎に適当な量子化係数が得られた(つまり、フレーム毎に適当な符号量の割り当てが完了した)ことになるので、符号化装置1はその量子化係数を使用して実際の符号化処理を行う(ステップS3)。なお、こうして得られた量子化係数を使用したにも拘わらず何らかの原因で実際の符号化処理中にVBVバッファが破綻することが予測された場合には、コントローラ20はVBVバッファ16からの制御信号CS1を利用して量子化係数の調整を行い、破綻を回避することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施例では、まず入力画像データの特徴抽出のための符号化処理を実行して入力画像データの特徴情報を取得し、それを利用して符号量予測処理において重み値を調整しつつ符号化シミュレーションを行って最適な量子化係数を設定する。よって、入力画像データ全体の特徴を把握した上で最適な量子化係数の設定がなされるので、VBVバッファが破綻することを確実に防止することができるとともに、入力画像データの特徴に適合した符号化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る符号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例による符号化処理のフローチャートである。
【図3】図2に示す符号量予測処理のフローチャートである。
【図4】符号化処理中におけるVBVバッファ内データ量の推移を示す例である。
【符号の説明】
1 符号化装置
10 DCT
12 量子化部
14 符号化部
16 VBVバッファ
20 コントローラ
22 メモリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像情報の圧縮符号化に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、動画像情報は膨大なデータ量を有するため、これをそのまま記憶媒体などに記憶するためには膨大な量の記憶容量が要求される。そこで、動画像データを光ディスクその他の記憶媒体に記憶可能とするために、画像の圧縮符号化技術が知られている。動画像の圧縮符号化手法としてはMPEGが代表的である。
【0003】
MPEGを始めとする圧縮符号化手法においては、一般的に、符号化の対象となる画像データに対して、DCT(離散コサイン変換)などの動き予測処理を行い、得られたデータを周波数成分毎に適した量子化係数(量子化ビット数)で量子化し、さらに可変長符号化回路により符号化する。量子化係数の割り当ては、一般的に、低域成分は画像を構成する重要成分であるのでビット配分を多くし、高域成分は少なくするというように行われる。量子化係数を多く設定すれば1フレーム画像当たりの符号量は少なくなるし、量子化係数を少なく設定すれば1フレーム画像当たりの符号量は多くなる。
【0004】
なお、画像の有する情報量に応じたデータ量を画像に割り当てることにより情報量を多く含む画像を符号化する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
従来の符号化処理においては、それまでに符号化処理がなされた画像データの平均符号量に基づいて、その後に入力される画像データの量子化係数を決定し、符号量の割り当てを行っていた。つまり、符号化処理中の各時刻において、現在時刻以前(過去)に符号化処理が完了した画像データ部分の平均符号量に基づいて、現在時刻以降(将来)に実行する符号化処理の量子化係数の設定(即ち、符号量割り当て)を行っていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−136673号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像データには一般的に情報量を多く含むシーン(又はフレーム)と、情報量を多く含まないシーン(又はフレーム)がある。例えばシーンの変化時など、画像内容が大きく変化するときには情報量は多く、同じ様な内容の画像が続くときは情報量はそれほど多くない。よって、上述のように、符号化中の現在時刻までの平均符号量に基づいて符号量割り当てを行う場合、例えばシーンの変化時などに画像内容が急激に変化すると、符号化の結果として得られる符号量が急激に増減し、符号化データを一時的に保存するVBVバッファにオーバーフローやアンダーフローが生じたり、また、そのようなオーバーフローやアンダーフローを防止するために、その直前に急激に量子化係数を変化させるような不自然な符号量調整が実行されてしまうことが生じうる。本発明が解決すべき課題としては、以上のようなものが一例として挙げられる。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、符号化の対象となる映像データ全体の特徴に基づいて、映像データ全体を通して適切な符号量割り当てを行うことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像情報の符号化方法において、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、決定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、コンピュータ上で実行される画像情報の符号化プログラムであって、前記コンピュータに、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を実行させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、画像情報の符号化装置において、画像情報を所定の量子化係数で量子化する量子化手段と、前記量子化手段が生成した量子化データを符号化する符号化手段と、前記画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測手段と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化手段と、を有することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態による画像情報の符号化方法は、符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、決定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を有する。
【0013】
この方法では、画像情報を符号化する際、まず符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する。この処理は、実際の符号化処理に先行して行われる前処理としての性格を有する。前処理としての量子化及び符号化で、画像情報の特徴情報が得られると、次に、その特徴情報を利用して、適当な量子化係数を決定するための符号量予測工程を実施する。特徴情報は、符号化の対象となる画像情報の内容などに応じた情報量などを示す情報であり、その特徴情報に基づいて量子化係数を決定することにより、当該画像情報を符号化する際に適当な量子化係数を得ることができる。符号量予測工程は、適当な量子化係数が得られるまで繰り返し行うことができる。そして、適当な量子化係数が得られた時点で、実際の符号化工程を行う。つまり、符号量予測工程において得られた適当な量子化係数を用いて、符号化の対象となる画像情報を符号化し、その結果を符号化出力データとして出力する。
【0014】
この方法によれば、符号化の対象となる画像情報の特徴を予め抽出し、その特徴情報に基づいて適当な量子化係数を決定する処理を、実際の符号化処理に先立って行うので、符号化の対象となる画像情報の内容や情報量に適した量子化及び符号化が行われる。よって、符号化処理中にVBVバッファが破綻したり、VBVバッファの破綻を防止するために量子化係数を急激に調整したりということを防止することができ、適切な符号量で画像情報を符号化することが可能となる。
【0015】
上記の符号化方法の一態様では、前記符号量予測工程は、前記特徴情報に基づいてフレーム毎の量子化係数を設定する係数設定工程と、設定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を実行し、符号化結果データをバッファに格納する試験符号化工程と、前記バッファにオーバーフロー又はアンダーフローが発生したときに、前記フレーム毎の量子化係数を変更する係数変更工程と、を有することができる。
【0016】
この態様では、特徴情報に基づいて、画像情報を構成するフレーム毎に適当な量子化係数を設定し、その量子化係数を利用して量子化及び符号化を実行してバッファに破綻が生じるか否か、即ちオーバーフローやアンダーフローが生じるか否かを判定する。バッファに破綻が生じた場合は、フレーム毎の量子化係数を調整し、再度量子化及び符号化を実行してバッファに破綻が生じるか否かを判定する。これを繰り返すことにより、画像情報の特徴情報に適合し、かつ、バッファを破綻させることがない量子化係数をフレーム毎に得ることができる。
【0017】
上記の符号化方法の一態様では、前記特徴情報は、前記画像情報の符号化により得られるフレーム毎の符号量と、前記画像情報を構成するシーンを特定する情報を含み、前記試験符号化工程は前記フレーム毎の重み値を算出する工程を有し、前記係数変更工程は、算出された重み値と当該フレームの前回の試験符号化で使用した量子化係数とに基づいて、変更後の量子化係数を設定することができる。
【0018】
この態様では、特徴情報として、フレーム毎の符号量と、当該画像情報を構成するシーンを特定する情報とを取得する。シーンとは、画像情報中の場面などのまとまりをいい、通常はシーンが変わると画像情報の内容が比較的大きく変化する。よって、フレーム毎の符号量とシーンを特定する情報を用いて、各フレームに適切な重み値を設定し、それに応じて前回の試験符号化で使用した量子化係数を調整することにより、新たな量子化係数を設定する。こうして、画像情報の特徴に適合しつつ、各フレームに割り当てられる量子化係数を調整することができる。
【0019】
また、上記の画像情報の符号化方法は、上記の特徴抽出工程、符号量予測工程及び符号化工程を実行するための符号化プログラムを構成し、これをコンピュータ上で実行することにより実現することができる。
【0020】
また、上記の符号化方法を実行するための符号化装置は、画像情報を所定の量子化係数で量子化する量子化手段と、前記量子化手段が生成した量子化データを符号化する符号化手段と、前記画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測手段と、前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化手段と、を有するように構成される。
【0021】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0022】
図1に、本発明の実施例にかかる映像データの符号化装置の概略構成を示す。符号化装置1は、動き補償DCT方式を用いて入力画像データD0を圧縮符号化し、符号化出力データD4を出力する。図示のように、符号化装置1は、DCT部10と、量子化部12と、符号化部14と、VBVバッファ16と、コントローラ20とを備える。コントローラ20は、内部にメモリ22を有する。
【0023】
DCT部10は、入力画像データを離散コサイン変換することにより、空間領域における画像データの冗長性を除去する。自然画像は、領域を狭く限ると画素のレベル値が互いに近いことが多いので、画像を空間周波数領域のデータに変換すると、データは低周波側に偏る。よって、高周波側のデータに対して、より少ないビット数を割り当てることにより、全体として変換前より少ないビット数で画像を符号化することができる。DCTは通常8×8画素のブロック毎に行われ、その結果として8×8の係数がデジタル値として得られる。得られたデータD1は量子化部12へ送られる。
【0024】
量子化部12は、データD1を適切な量子化係数(量子化ビット数)により量子化する。量子化係数はデータD1の周波数成分に応じて適切に決定される。通常、低域成分は画像を構成する重要成分であるので量子化係数を多くし、高域成分は低域成分と比べて重要度が低いので量子化係数を少なくする。量子化部12による量子化係数は、コントローラ20からの制御信号CS2に応じて調整されるが、その詳細については後述する。
【0025】
量子化回路12の出力データD2は符号化部14に送られる。符号化部14は出力データD2に対して可変長符号化を行う。可変長符号化とは、統計的に出現確率が高いデータに短い符号長の符号を割り当て、出現確率が低いデータには長い符号長の符号を割り当てることにより、データの冗長性を除去する符号化方法である。
【0026】
符号化部14の出力データD3はVBVバッファ16に一時的に蓄積された後、符号化出力データD4として出力される。符号化出力データD4は、例えば光ディスクなどの記録媒体に記録データとして供給されるため、一定の出力レートであることが好ましい。VBVバッファ16は符号化部14の出力データD3を一時的に格納して、一定レートで出力する役割を有する。
【0027】
VBVバッファ16は、内部に保持しているデータ量を示す制御信号CS1をコントローラ20へ出力する。コントローラ20は、VBVバッファ16から供給される制御信号CS1を利用して量子化部12における量子化係数を制御する。基本的には、量子化部12における量子化係数(ビット数)が大きければ、出力データD2が増加し、符号化部14から出力される出力データD3の量、つまり符号量が多くなる。逆に、量子化部12における量子化係数が小さければ符号量は少なくなる。なお、本発明では、VBVバッファ16内のデータ量のみならず入力画像データの特徴情報も利用して量子化部12における量子化係数を決定する点に特徴を有するが、その詳細は後述する。
【0028】
VBVバッファ16から出力された符号化出力データD4はコントローラ20にも入力される。コントローラ20は、符号化出力データD4に基づいて、入力画像データの特徴情報を生成し、メモリ22内に記憶する。また、その特徴情報を利用して、量子化部12における量子化係数を制御することにより、入力画像データの各フレームに対して最適な符号量を割り当てる。
【0029】
次に、本発明による符号化処理について説明する。図2に本発明による符号化処理の流れを示す。図示のように、本発明では、実際の符号化処理を実行するまえに、入力画像データの特徴抽出のための符号化処理を行う。具体的には図2に示すように、まず特徴抽出のための符号化処理を行い(ステップS1)、入力画像データの特徴情報を取得する。次に、ステップS1で得られた特徴情報を利用して、符号量予測処理を行う(ステップS2)。この処理は、当該入力画像データの符号化に最適な符号量を予測し、最適な量子化係数を設定する処理である。そして、最適な量子化係数が得られた時点で、その量子化係数を使用して実際の符号化処理を行う(ステップS3)。これにより、適切な符号化処理がなされた結果として符号化出力データが得られる。
【0030】
次に、各ステップについて詳しく説明する。特徴抽出のための符号化処理は、入力画像データの特徴を調べるための処理であり、図1に示す符号化装置1を利用して、実際に符号化処理を実行する。但し、その際に量子化部12における量子化係数は一定値に固定する。量子化係数を固定することにより、入力画像データの情報量を1つの基準で判定することになり、入力画像データのうち画像内容の変化の大きい部分と小さい部分を見つけることができる。より具体的には、コントローラ20が符号化出力データD4をフレーム単位に区切ることにより、フレーム毎の符号量を得ることができる。
【0031】
また、フレーム毎の符号量を比較することにより、入力画像データ中のシーンチェンジ部分を検出することができる。シーンチェンジ部分とは、画像データの内容が大きく変化する部分であり、映画その他の画像中でシーンが変わる部分がこれに対応する。シーンチェンジ部分では、画像内容が大きく変化するので、それに応じてシーンチェンジ前後のフレーム毎の符号量も大きく変化する。よって、コントローラ20は、フレーム毎の符号量が所定値より大きな変化を示した部分をシーンチェンジ部分と判定することができる。
【0032】
こうして、コントローラ20は、▲1▼フレーム毎の符号量、▲2▼シーンチェンジ部分を示す情報、及び、▲3▼フレーム毎の量子化係数、の情報を特徴情報として生成し、メモリ22に記憶する。なお、特徴抽出のための符号化処理(ステップS1)の場合は前述のように量子化係数を固定としているので、フレーム毎の量子化係数はその固定値となり、全てのフレームについて同一となる。
【0033】
図4(a)に、特徴抽出のための符号化処理によりおける符号量の変化例を示す。図4(a)において、横軸は入力画像データのフレーム数(時間に対応する)を示し、縦軸は各フレーム毎の符号量を示す。また、VBVバッファ容量が破線で示されている。単位時間当たりの発生符号量は一定となっており、符号量の増加率(グラフの右上がり線分の傾き)は一定となる。また、入力画像データ中の情報量が多い(画像内容の変化が大きい)部分では符号量が増大するため、VBVバッファ16内の保持データ量がVBVバッファ16の容量を下回り、アンダーフローが生じうる。逆に入力画像データの情報量が少ない期間ではオーバーフローが生じうる。オーバーフロー又はアンダーフローが生じることをVBVバッファが破綻していると呼ぶ。VBVバッファ16の容量は符号化出力データの復号器のバッファサイズを想定しているので、VBVバッファ16が破綻するということは、そのときの符号化出力データは想定している復号器では正しく再生できないことを意味する。よって、オーバーフロー又はアンダーフローが生じた場合は適切な符号化が行えていないことを意味する。但し、特徴抽出のための符号化処理は入力画像データの特徴抽出のために量子化係数を固定して実行した、いわば試験的符号化処理であるのでオーバーフローやアンダーフローが生じることに問題はない。
【0034】
こうして、特徴抽出のための符号化処理により、入力画像データD0の特徴情報が得られると、次に符号量予測処理(ステップS2)を実施する。符号量予測処理の詳細を図3に示す。符号量予測処理は、特徴抽出のための符号化処理で得られた特徴情報を利用して、入力画像データの各フレームに対する最適な符号量割り当て、即ちフレーム毎の最適な量子化係数の設定を行う試験的な符号化処理である。なお、符号量予測処理も、図1に示すコントローラ20の制御下で、メモリ22に記憶されている特徴情報を利用して入力画像データを符号化することにより実行される。
【0035】
具体的には、図3に示すように、まずコントローラ20は入力画像データD0をシーン毎に分割する(ステップS11)。ステップS1で得られた特徴情報にはシーンチェンジ部分の情報が含まれているので、これを利用して入力画像データD0をシーン毎に分割されたフレーム画像の複数のまとまりに分割することができる。次に、コントローラ20は、シーン毎の平均符号量を計算する(ステップS12)。特徴情報にはフレーム毎の符号量が含まれているので、各シーンを構成する複数のフレームの符号量を合計し、フレーム数で除算することにより、フレーム毎の平均符号量を算出することができる。
【0036】
次に、各シーンについて、当該シーンの終了部分に対応するフレームについては重要度を低く設定する(ステップS13)。重要度は当該フレームが入力画像データ中において画像内容に大きな影響を与えるか否かにより決定され、具体的には当該フレームに割り当てる符号量、即ち量子化係数に影響を与える。通常、シーンチェンジの際には再生画像の観察者はチェンジ後の画像内容に強い印象を受ける傾向があり、シーンチェンジ直前のフレーム画像は多少画質を落としてもそれほど大きな悪影響はない。よって、シーン終了部のフレームに対しては重要度を低く設定する。
【0037】
次に、コントローラ20は、入力画像データを構成する各フレームに対して重み付けを行う。ここで、「重み」とは各フレーム毎に設定され、当該フレームに対してどれだけ多くの符号量を割り当てるべきであるかを示すパラメータである。よって、重みの値は、情報量の多いフレームや重要度の高いフレームに対しては大きな値に設定され、情報量の少ないフレームや重要度の低いフレームに対しては小さな値に設定される。重みの値は、例えば以下の計算式により設定することができる。
【0038】
重み = 1/[{(シーンの平均符号量)×重み係数1
+(符号化対象フレームの符号量−シーンの平均符号量)×重み係数2
+(符号化対象フレームの符号量−直前フレームの符号量)×重み係数3
+(符号化対象フレームの符号量/量子化係数)×重み係数4}
×シーン長による重み係数5]
ここで、重み係数1〜5は、予め決定される0〜1の範囲内の値である。
【0039】
次に、コントローラ20は、そのようにしてフレーム毎に設定された重み値をメモリ22などに記憶した後、その重み値に応じてフレーム毎の量子化係数を更新し、符号化シミュレーション(試験符号化)を実行する(ステップS15)。量子化係数の更新は、例えば特徴情報として得られ、メモリ22に記憶されている前回のフレーム毎の量子化係数の値に、フレーム毎の重み値を乗算することにより行うことができる。なお、符号化シミュレーションは、実際に決定された量子化係数を利用して符号化装置1により符号化を実行する処理となる。
【0040】
そして、符号化シミュレーション中にコントローラ20はVBVバッファ16からの制御信号CS1に基づいてVBVバッファ16が破綻したか否か、即ちオーバーフロー又はアンダーフローが発生したか否かを判定する(ステップS16)。
【0041】
VBVバッファ16に破綻が生じるということは、今回の符号化シミュレーションで使用したフレーム毎の量子化係数が不適当であることを意味するので、コントローラ20は重み値が最小であるフレームを探し、当該フレームの量子化係数を調整する(ステップS17)。ここで重み値が最小のフレームについて量子化係数を調整する理由は、量子化係数の調整により画像内容に大きな影響が出ることを防止するためである。また、量子化係数の調整としては、VBVバッファの破綻がオーバーフローであった場合には量子化係数を減少させて符号量を減少させ、VBVバッファの破綻がアンダーフローであった場合には量子化係数を増加させて符号量を増加させることになる。
【0042】
その後処理はステップS12へ戻り、再度各フレームに対して重み付けを行い、量子化係数を設定して符号化シミュレーションを繰り返す。そして、VBVバッファに破綻が生じない場合(ステップS16;No)、処理は図2に示すステップS3へ進む。VBVバッファに破綻が生じていない場合のフレーム毎の符号量の変化例を図4(b)に示す。図4(a)と比較するとわかるように、オーバーフローもアンダーフローも生じていないので、その際の符号化出力データは復号器による正しい復号が可能となる。
【0043】
こうして、符号量予測処理により、当該入力画像データについて、フレーム毎に適当な量子化係数が得られた(つまり、フレーム毎に適当な符号量の割り当てが完了した)ことになるので、符号化装置1はその量子化係数を使用して実際の符号化処理を行う(ステップS3)。なお、こうして得られた量子化係数を使用したにも拘わらず何らかの原因で実際の符号化処理中にVBVバッファが破綻することが予測された場合には、コントローラ20はVBVバッファ16からの制御信号CS1を利用して量子化係数の調整を行い、破綻を回避することができる。
【0044】
以上説明したように、本実施例では、まず入力画像データの特徴抽出のための符号化処理を実行して入力画像データの特徴情報を取得し、それを利用して符号量予測処理において重み値を調整しつつ符号化シミュレーションを行って最適な量子化係数を設定する。よって、入力画像データ全体の特徴を把握した上で最適な量子化係数の設定がなされるので、VBVバッファが破綻することを確実に防止することができるとともに、入力画像データの特徴に適合した符号化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る符号化装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例による符号化処理のフローチャートである。
【図3】図2に示す符号量予測処理のフローチャートである。
【図4】符号化処理中におけるVBVバッファ内データ量の推移を示す例である。
【符号の説明】
1 符号化装置
10 DCT
12 量子化部
14 符号化部
16 VBVバッファ
20 コントローラ
22 メモリ
Claims (5)
- 符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、
前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、
決定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を有することを特徴とする画像情報の符号化方法。 - 前記符号量予測工程は、
前記特徴情報に基づいてフレーム毎の量子化係数を設定する係数設定工程と、
設定された量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を実行し、符号化結果データをバッファに格納する試験符号化工程と、
前記バッファにオーバーフロー又はアンダーフローが発生したときに、前記フレーム毎の量子化係数を変更する係数変更工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の画像情報の符号化方法。 - 前記特徴情報は、前記画像情報の符号化により得られるフレーム毎の符号量と、前記画像情報を構成するシーンを特定する情報を含み、
前記試験符号化工程は前記フレーム毎の重み値を算出する工程を有し、
前記係数変更工程は、算出された重み値と当該フレームの前回の試験符号化で使用した量子化係数とに基づいて、変更後の量子化係数を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の符号化方法。 - コンピュータ上で実行することにより、前記コンピュータに、
符号化の対象となる画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出工程と、
前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測工程と、
前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化工程と、を実行させることを特徴とする画像情報の符号化プログラム。 - 画像情報を所定の量子化係数で量子化する量子化手段と、
前記量子化手段が生成した量子化データを符号化する符号化手段と、
前記画像情報の全体を量子化及び符号化して特徴情報を抽出する特徴抽出手段と、
前記特徴情報に基づいて、量子化係数を変更しつつ前記画像情報の量子化及び符号化を行って適当な量子化係数を決定する符号量予測手段と、
前記適当な量子化係数を利用して、前記画像情報の量子化及び符号化を行い、得られた結果を符号化出力データとして出力する符号化手段と、を有することを特徴とする画像情報の符号化装置。
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