JP2004167793A - インクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができ、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくても短時間で画像記録を行えるインクジェットプリンタを提供すること。
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、副走査方向Yに記録媒体100を搬送する搬送機構10と、ガイド部材41によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリッジ30と、このキャリッジ30を主走査方向Xに移動させる駆動機構40と、キャリッジ30に取り付けられた複数のヘッド50,50,…と、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側においてガイド部材71によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリア60と、このキャリア60を主走査方向Xに移動させる駆動機構70と、キャリア60に取り付けられた二つの紫外線光源80,80と、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】インクジェットプリンタ1は、副走査方向Yに記録媒体100を搬送する搬送機構10と、ガイド部材41によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリッジ30と、このキャリッジ30を主走査方向Xに移動させる駆動機構40と、キャリッジ30に取り付けられた複数のヘッド50,50,…と、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側においてガイド部材71によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリア60と、このキャリア60を主走査方向Xに移動させる駆動機構70と、キャリア60に取り付けられた二つの紫外線光源80,80と、を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドを往復移動させて該ヘッドからインクを液滴として吐出することによって記録媒体に画像を形成するシリアル式のインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式ではグラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
インクジェット記録方式には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いるUVインク系インクジェット方式等がある。中でも、UVインク系ジェット方式は、他の記録方式に比べ比較的低臭気であり、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されている。
【0004】
また、従来のインクジェットプリンタには、副走査方向に搬送されている記録媒体上において副走査方向に対して直交する主走査方向に複数並んだ吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うラインヘッド方式、主走査方向にヘッドを移動させてヘッドの移動中にヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うシリアル方式がある。
【0005】
ラインヘッド方式であってもシリアル方式であっても紫外線硬化型インクを用いたインクジェットプリントでは、ラインヘッド又はヘッドより副走査方向の下流側において紫外線光源が主走査方向に配列されており、記録媒体が紫外線光源の下方を通過している時に紫外線光源からの紫外線を記録媒体上のインクに照射することでインクを硬化させる(例えば、特許文献1参照。)。また、シリアル方式のインクジェットプリンタでは、主走査方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されているが、このキャリッジに紫外線光源を搭載し、キャリッジとともにヘッドが主走査方向に移動している時に紫外線光源からの紫外線をインクに照射することでインクを硬化させることもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−11860号公報(第10−11頁、第19図)
【特許文献2】
特開昭60−132767号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラインヘッド又はヘッドより下流側で紫外線光源が主走査方向に配列されているインクジェットプリンタでは、吐出口にインクが詰まることを防止するために、紫外線光源からの紫外線が吐出口に入射しないようにラインヘッド又はヘッドの周囲に紫外線遮蔽材を設ける必要がある。そのため、インクジェットプリンタの部品数が増えてしまい、またラインヘッド又はヘッドを清掃したりメンテナンスしたりする際に紫外線遮蔽材が邪魔となる。
【0008】
また、キャリッジに紫外線光源が搭載されているインクジェットプリンタでは、キャリッジとともにヘッド及び紫外線光源を移動させるためにより大きな駆動力を必要とし、駆動力が小さい場合にはキャリッジ、ヘッド、紫外線光源の移動速度及び加速度が低く、画像記録に要する時間が長い。また、キャリッジ、ヘッド、紫外線光源を支えるための剛性を大きくしなければならない。
そこで、本発明の目的は、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができ、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくても短時間で画像記録を行え、更に、紫外線を遮蔽するための紫外線遮蔽材を必要としないインクジェットプリンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明のインクジェットプリンタは、
記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記記録媒体上において前記記録媒体の搬送方向と直角な方向に往復移動し、光の被照射により硬化するインクを前記記録媒体に吐出するヘッドと、
前記ヘッドより前記搬送方向の下流側において前記搬送方向と直角な方向に光を前記記録媒体に対して走査する光走査機構と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記光走査機構は、前記ヘッドの往復移動に同期して光を走査するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項1又は2に記載の発明では、搬送方向に直角な方向に移動するヘッドからインクが吐出され、吐出されたインクが記録媒体に着弾する。そして、記録媒体が搬送機構によって搬送方向の下流に搬送されると、光は記録媒体に対して光走査機構によって搬送方向に直角な方向に走査される。記録媒体に着弾したインクには、走査時に光が照射され、これによってインクが硬化する。この場合、往復移動するヘッドとは別に光走査機構がインクジェットプリンタに備わっているから、紫外線光源をヘッドと一体的に往復移動させずに済む。そのため、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくてもヘッドを高速度で且つ高加速度で移動させることができるとともに、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができる。
【0012】
また、光走査機構がヘッドより搬送方向の下流側において光を走査しているから、光がヘッドに入射しない。そのため、ヘッドに光が入射することを遮蔽する遮蔽材インクジェットプリンタに設けなくても済み、インクジェットプリンタの部品数の削減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
図1は、本発明が適用されたシリアル方式のインクジェットプリンタ1を示した斜視図である。
図1に示されるように、インクジェットプリンタ1は、搬送方向である副走査方向Yに記録媒体100を搬送する搬送機構10と、搬送機構10によって搬送される記録媒体100を支持するプラテン20と、互いに平行となって副走査方向Yに対して直交する主走査方向Xに延在したガイド部材41,71と、ガイド部材41によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリッジ30と、このキャリッジ30を主走査方向Xに移動させる駆動機構40と、キャリッジ30に取り付けられた複数のヘッド50,50,…と、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側においてガイド部材71によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリア60と、このキャリア60を主走査方向Xに移動させる駆動機構70と、キャリア60に取り付けられた二つの紫外線光源80,80と、を具備する。なお、以下の説明では、主走査方向X及び副走査方向Yの両方に直角な方向を上下方向として説明する。
【0015】
搬送機構10は、主走査方向Xに互いに平行となって延在するとともに主走査方向Xのそれぞれの軸心回りに回転自在な二つのローラ11,11と、これらローラ11,11を回転させるモータといった駆動機構と、を備える。記録媒体100は、ローラ11,11の回転によって搬送されるようになっている。
【0016】
本実施形態に用いられる記録媒体100としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体100の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。本実施形態では、記録媒体100として、ロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを用いており、元巻きから繰り出された記録媒体100をローラ11,11にセッティングして用いる。
【0017】
特に、本実施形態で用いられる記録媒体100として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。さらに、本実施形態に用いられる記録媒体100として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0018】
プラテン20は、ローラ11とローラ11との間に配設され、二つのローラ11,11に対して平行な平坦面を有し、該平坦面で記録媒体100を下から支持するものである。
【0019】
プラテン20の上方において、ガイド部材41,71がインクジェットプリンタ1のフレームや筐体に固定されている。ガイド部材71は、ガイド部材41より副走査方向Yの下流側に配置されている。
【0020】
キャリッジ30は、ガイド部材41に対して主走査方向Xに摺動自在となって取り付けられており、キャリア60は、ガイド部材71に対して主走査方向Xに摺動自在となって取り付けられている。
【0021】
駆動機構40は、下方に指向した動力取出軸42aを有するモータ42と、動力取出軸42aと同軸となって動力取出軸42aに固定されたプーリー43と、プーリー43の軸と平行な軸回りに回転自在となったプーリー44と、プーリー43とプーリー44に環となって掛けられたベルト45と、を備える。上から下にプラテン20を見た場合、プーリー43とプーリー44の間には、プラテン20が配置されており、プーリー43とプーリー44を結ぶ線はガイド部材41と平行となっている。このベルト45の一部には、キャリッジ30が固定されている。
【0022】
複数のヘッド50,50,…は、主走査方向Xに列となってキャリッジ30に搭載され、プラテン20及び記録媒体100の上方においてキャリッジ30とともに主走査方向Xに移動可能とされる。それぞれのヘッド50においては、その下面に複数の吐出口が形成されており、複数の吐出口は副走査方向Yに列となって配列されている。各ヘッド50は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。
【0023】
一つのヘッド50の各吐出口からは、数種の色のうちの何れかの色のインクが吐出される。ヘッド50ごとに異なる色のインクのインク滴が吐出されるが、同じ色のUVインクが二以上のヘッド50から吐出されても良い。本実施形態に用いられるインクの色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)であり、図1において各ヘッド50に付された英字は吐出するインクの色を示している。YMCKの他に、ホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等のインクを用いても良い。
【0024】
本実施形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0025】
具体的に、本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を有する紫外線硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本実施形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0026】
紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0027】
酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施形態では、特に、カチオン重合系インクを用いている。
【0028】
本実施形態に用いられるカチオン重合系インクは、具体的に、オキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等といったカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを少なくとも含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を有するものである。
【0029】
ところで、本実施形態に用いられるインク(ラジカル重合系インク,カチオン重合系インク及びハイブリッド型インクを含む。)は、上記の通り、紫外線の被照射により硬化するものであるが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波を含むものである。つまり、本実施形態に用いられるインクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。
【0030】
駆動機構70も駆動機構40と同様に、モータ42と、プーリー43と、プーリー44と、ベルト45と、を備えるが、駆動機構70のベルト45の一部は、キャリッジ30に固定されているのではなく、キャリア60に固定されている。
【0031】
紫外線光源80は、キャリア60に取り付けられており、記録媒体100に向けて紫外線を照射するものである。紫外線光源80として、LED(light emitting diode)、蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀スポットランプ、キセノンランプ等が適用可能である。紫外線光源80を上方から覆う遮光機構(例えば、ひさし、かさ等)をキャリア60に設けて、紫外線光源80から発した紫外線が一方向に向かって照射し他方向に照射しない遮光機構によって防止しても良い。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合には、紫外線光源80に代えて、その光を照射する光源をキャリア60に取り付けなければならない。
以上の構成において、光を記録媒体100に対して走査する光走査機構は、キャリア60、ガイド部材71、駆動機構70、紫外線光源80からなる。
【0032】
次に、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ1の電源をオン状態とすると、紫外線光源80,80は、発光して、インク滴が着弾される記録媒体100に向けて紫外線を照射する。
【0033】
紫外線光源80,80が発光している状態で、搬送機構10において、駆動機構がローラ11,11を回転させると、ローラ11,11の回転に伴い記録媒体100が副走査方向Yに搬送される。ここで、駆動機構がローラ11,11を所定角度ずつ回転させることで、搬送及び搬送停止が順に繰り返され、記録媒体100が間欠的に搬送される。
【0034】
間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、モータ42の動力がベルト45を通じてキャリッジ30に伝達し、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ30の移動に伴ってヘッド50,50,…もキャリッジ30と一体となって移動するが、ヘッド50,50,…は移動中に各吐出口から記録媒体100に向けてインクを液滴として吐出し、インクの液滴が、停止している記録媒体100に着弾する。
【0035】
一方、キャリッジ30の移動中に駆動機構70のモータ42も等速度で回転することによって、モータ42の動力がベルト45を通じてキャリア60に伝達し、キャリア60が等速で主走査方向に往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ30及びキャリア60の移動中において、キャリア60の移動速度がキャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と駆動機構70のモータ42の回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリア60を見た場合にキャリア60がキャリッジ30と同期するように、駆動機構40のモータ42の位相と駆動機構70のモータ42の位相が設定されている。従って、紫外線光源80,80がヘッド50,50,…に同期して主走査方向Xに移動し、紫外線の走査がヘッド50,50,…の移動に同期する。
【0036】
キャリア60の移動に伴って紫外線光源80,80もキャリア60と一体となって移動し、紫外線光源80,80の移動によって紫外線が記録媒体100に対して走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線光源80,80から紫外線が照射されることによって硬化する。
【0037】
間欠的搬送においてローラ11,11が回転している時には、駆動機構40,70それぞれのモータ42が停止しており、キャリッジ30及びキャリア60は主走査方向Xの移動範囲の一方の端に停止している。
【0038】
以上のように、紫外線光源80,80の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30及びキャリア60の往復移動が繰り返され、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0039】
なお、ヘッド50,50,…が、キャリッジ30の往動中のみ又は復動中のみにインクを吐出するものとしても良い。キャリッジ30の往動中のみにヘッド50,50,…がインクを吐出する場合には、記録媒体100の間欠的搬送が停止している時にキャリッジ30が復動し、キャリッジ30の復動中のみにヘッド50がインクを吐出する場合には、記録媒体100の間欠的搬送が停止している時にキャリッジ30が往動する。このような場合においても、キャリア60は、キャリッジ30に同期して移動するのは勿論である。
【0040】
以上のように本実施形態においては、ヘッド50,50,…を搭載したキャリッジ30とは別にキャリア60が設けられ、このキャリア60に紫外線光源80,80が搭載されているから、キャリッジ30に紫外線光源を搭載しなくても済む。従って、ヘッドの搭載されたキャリッジに紫外線光源が搭載された従来のインクジェットプリンタに比較しても、キャリッジ30及びガイド部材41にかかる重さが少なくなり、キャリッジ30及びガイド部材41の剛性を小さくすることができる。
【0041】
また、キャリッジ30に紫外線光源が搭載されていないから、紫外線光源を搭載した場合と比較して、キャリッジ30の加速度領域を減少することができる。また、キャリッジ30の軽量化に応じて駆動機構40のモータ42を小さくすることができ、駆動機構40のモータ42の小型化が可能となる。従って、記録媒体100に画像形成するために要する時間を短縮することができる。また、ヘッド50,50,…の搭載されたキャリッジに紫外線光源が搭載されていないから、ヘッド50,50,…の周囲の構成が簡素化して、ヘッド50,50,…のメンテナンスを行いやすくなる。
【0042】
また、キャリア60とともに紫外線光源80,80が主走査方向Xに移動するため、ラインヘッドやヘッドの下流側に紫外線光源が配列されている従来のインクジェットプリンタに比較しても、紫外線光源の数又はエネルギー容量を少なくすることができ、紫外線照射に要する電力を最小限に抑えることができる。また、紫外線光源80,80がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側で移動するため、紫外線光源80,80からの紫外線がヘッド50,50,…に入射し難い。そのため、ヘッド50,50,…に対しての紫外線入射を遮蔽する紫外線遮蔽材をキャリア60等に設けなくても済み、インクジェットプリンタ1の部品数の削減を図ることができる。
【0043】
なお、キャリッジ30とキャリア60の間に、紫外線光源80,80から発した光を遮蔽することによってキャリア60のヘッド50,50,…に光が入射することを防止する直接光防止機構(例えば、記録媒体100上であってキャリッジ30とキャリア60の間に配設されるとともに、主走査方向Xに延在した仕切り部材)を設けても良いし、紫外線光源80,80から発した光の反射を抑制することによって乱反射による光がキャリア60のヘッド50,50,…に入射することを防止する光源反射防止機構(例えば、前記仕切り部材の表面に形成されるとともに、紫外線光源80,80から発した光に対して低反射率な膜)を設けても良い。また、記録媒体100で反射した光をヘッド50,50,…に入射することを防止するための反射光防止機構(例えば、ヘッド50から吐出されるインクの軌道を除いてヘッド50を下から覆う被覆材)を設けても良い。
【0044】
〔第二の実施の形態〕
第二実施形態のインクジェットプリンタについて説明する。図2は、第二実施形態のインクジェットプリンタ101を示した正面図である。このインクジェットプリンタ101も、図1に示されたインクジェットプリンタ1と同様に、搬送機構10と、プラテン20と、キャリッジ30と、駆動機構40と、ガイド部材41と、ヘッド50,50,…と、を備える。図2において、搬送機構10のローラ11,11の図示を省略している。インクジェットプリンタ101については、図1に示されたインクジェットプリンタ1と同様の構成要素に同様の符号を付し、以下では異なる構成について主に説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ101は、図1のインクジェットプリンタ1のキャリア60、駆動機構70、ガイド部材71及び紫外線光源80,80の代わりに、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側において記録媒体100に対する照射領域をキャリッジ30の移動に追従させることによって紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査する光走査機構110を具備する。
【0046】
光走査機構110は、紫外線を発する紫外線光源111と、紫外線光源111から発散した紫外線を集光することで平行光線の紫外線ビーム120を出射するコリメータレンズ112と、コリメータレンズ112で出射した紫外線ビーム120を一方向に集束して出射するシリンドリカルレンズ113と、複数の鏡面を有するとともにシリンドリカルレンズ113から出射された紫外線ビーム120をそれぞれの鏡面で偏向するポリゴンミラー114と、ポリゴンミラー114を矢印R回りに等速度回転させるモータといった駆動機構(図示略)と、ポリゴンミラー114から入射した紫外線ビーム120を記録媒体100へ出射するfθレンズ115と、を備える。fθレンズ115は、ポリゴンミラー114の等速度運動によって主走査方向Xに紫外線ビーム120を等速走査できる特性となっている。
【0047】
また、このインクジェットプリンタ101は、記録媒体100に対して画像を形成する時に紫外線ビーム120による照射をオンするとともに画像を形成しない時に紫外線ビーム120による照射をオフする切替手段を備える。切替手段としては、遮蔽部材によって紫外線ビーム120の光路を遮蔽したり開放したりするメカニカルシャッタ機構、紫外線ビーム120の波長を変調させることによってインクが硬化する波長とインクが硬化しない波長に切り替える音響光学変調器(AOM:Acousto−Optic Modulator)、紫外線光源11の電源をオン/オフするスイッチング素子を挙げることができる。スイッチング素子によって紫外線光源11の電源をオン/オフすれば、紫外線光源11の耐用期間が延びる。
【0048】
次に、インクジェットプリンタ101の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ101の電源をオン状態とすると、紫外線光源111が発光する。
【0049】
紫外線光源111が発光している状態で、搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送する。間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動する。ヘッド50,50,…は往動中に各吐出口からインクを液滴として吐出する。
【0050】
一方、キャリッジ30の往動中に、光走査機構110のモータがポリゴンミラー114を等速度で回転させることによって、ポリゴンミラー114の或る面で偏向した紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく。これによって、紫外線ビーム120が記録媒体100に対して主走査方向Xに走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線ビーム120に照射されることによって硬化する。
【0051】
ここで、紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく速度が、キャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と光走査機構110のモータの回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリッジ30を見た場合にキャリッジ30の位置が紫外線ビーム120の照射位置の上方となるように、駆動機構40のモータ42の位相と光走査機構110のモータの位相が設定されている。従って、紫外線ビーム120は、ヘッド50,50,…の移動に同期して走査される。
【0052】
間欠的搬送において記録媒体100が搬送されている時に、駆動機構40のモータ42が反対に回転することによってキャリッジ30は主走査方向Xに復動し、光走査機構110のモータが停止してポリゴンミラー114の回転が停止する。ポリゴンミラー114が停止している時には、上記切替手段が紫外線ビーム120による照射をオフしている。
【0053】
以上のように、紫外線光源111の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30の往復移動が繰り返され、更に光走査機構110がキャリッジ30の往動に同期して紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査し、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,…が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0054】
光走査機構110による紫外線ビーム120の走査方向は一方向であり、キャリッジ30が復動している時には、ヘッド50,50,…からインクが吐出されない。画像形成に要する時間が多くなるが、キャリッジ30が復動している最中に記録媒体100に着弾したインクが確実に硬化し、次にキャリッジ30が往動してヘッド50,50,から吐出されたインクが、前に記録媒体100に着弾したインクに混ざらない。そのため、高画質な画像を形成することができる。
【0055】
以上のように本実施形態においては、光走査機構110がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側において記録媒体100に対して紫外線ビーム120を走査しているから、キャリッジ30に紫外線光源を搭載しなくても済む。従って、第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、キャリッジ30及びガイド部材41の剛性を小さくすることができ、モータ42の小さい駆動力でもキャリア60の移動速度及びキャリア60が等速になるまでの加速度が紫外線光源の重み分だけ大きくすることができる。また、紫外線照射に要する電力及び紫外線光源を最小限に抑えることができ、ヘッド50,50,…に対しての紫外線入射を遮蔽する紫外線遮蔽材をキャリア60等に設けなくても済む。
【0056】
〔第三の実施の形態〕
第三実施形態のインクジェットプリンタについて説明する。図3は、第三実施形態のインクジェットプリンタ201を示した正面図である。このインクジェットプリンタ201も、図2に示されたインクジェットプリンタ101と同様に、搬送機構10と、プラテン20と、キャリッジ30と、駆動機構40と、ヘッド50,50,…と、を備え、更に、インクジェットプリンタ101の光走査機構110とは別の光走査機構210を備える。第二実施形態のインクジェットプリンタ101では、光走査機構110がポリゴンミラー式の光走査機構であったのに対して、第三実施形態のインクジェットプリンタ201では、光走査機構210がガルバノミラー式の光走査機構である。インクジェットプリンタ201については、図2に示されたインクジェットプリンタ101と同様の構成要素に同様の符号を付し、以下では異なる構成について主に説明する。また、図3において、搬送機構10のローラ11,11の図示を省略している。
【0057】
光走査機構210は、図1に示された光走査機構110と同様に、紫外線光源111と、コリメータレンズ112と、シリンドリカルレンズ113と、を備える。更に、光走査機構210は、鏡面214aを有するとともにシリンドリカルレンズ113から出射された紫外線ビーム120を鏡面214aで偏向するガルバノミラー214と、ガルバノミラー214を所定角度の範囲で往復回動させるモータといった駆動機構(図示略)と、ガルバノミラー214から入射した紫外線ビーム120を記録媒体100へ出射するfθレンズ215と、を備える。このfθレンズ215は、ガルバノミラー214が一方向に回転している時に主走査方向Xに紫外線ビーム120の等速走査できる特性となっている。
【0058】
また、このインクジェットプリンタ201は、第二実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、記録媒体100に対して画像を形成する時に紫外線ビーム120による照射をオンするとともに画像を形成しない時に紫外線ビーム120による照射をオフする切替手段を備える。
【0059】
次に、インクジェットプリンタ201の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ201の電源をオン状態とすると、紫外線光源111が発光する。
【0060】
紫外線光源111が発光している状態で、搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送する。間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動し、復動し又は往復移動する。ヘッド50,50,…は移動中に各吐出口からインクを液滴として吐出する。
【0061】
一方、キャリッジ30の移動中に、光走査機構210のモータがガルバノミラー214を回動させることによって、ガルバノミラー214の鏡面214aで偏向した紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく。これによって、紫外線ビーム120が記録媒体100に対して主走査方向Xに走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線ビーム120に照射されることによって硬化する。
【0062】
ここで、紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく速度が、キャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と光走査機構210のモータの回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリッジ30を見た場合にキャリッジ30の位置が紫外線ビーム120の照射位置の上方となるように、駆動機構40のモータ42の位相と光走査機構210のモータの位相が設定されている。従って、紫外線ビーム120は、ヘッド50,50,…に同期して主走査方向Xに走査される。
【0063】
間欠的搬送において記録媒体100が搬送されている時には、駆動機構40のモータ42及び光走査機構210のモータが停止しており、キャリッジ30が主走査方向Xの移動範囲の一方の端に停止しているとともに、ガルバノミラー214による走査も停止している。
【0064】
以上のように、紫外線光源111の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30の往復移動が繰り返され、更にガルバノミラー214の往復回動が繰り返され、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0065】
なお、光走査機構210による走査方向は双方向であり、キャリッジ30が往動している時でも復動している時でもヘッド50,50,…からインクが吐出される場合には、画像形成に要する時間が短くなる。キャリッジ30の往復移動中にヘッド50,50,…からインクが吐出される場合は、キャリッジ30が往動している時のみ、又はキャリッジ30が復動している時のみに、ヘッド50,50,…からインクが吐出される場合に比較して、画像の画質が低い。
【0066】
本実施形態のインクジェットプリンタ201においても、光走査機構210がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側において紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査しているから、第二実施形態のインクジェットプリンタ101と同様の効果を奏する。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、往復移動するヘッドとは別に光走査機構がインクジェットプリンタに備わっているから、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくてもヘッドを高速度で且つ高加速度で移動させることができるとともに、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができる。また、ヘッドに光が入射することを遮蔽する遮蔽材インクジェットプリンタに設けなくても済み、インクジェットプリンタの部品数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタを示した斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタを示した正面図である。
【図3】図1、図2のインクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタを示した正面図である。
【符号の説明】
1、101、201 インクジェットプリンタ
50 ヘッド
60 キャリア
70 駆動機構
80 紫外線光源
110、210 光走査機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドを往復移動させて該ヘッドからインクを液滴として吐出することによって記録媒体に画像を形成するシリアル式のインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット記録方式ではグラビア印刷方式より簡便・安価に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
インクジェット記録方式には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いるUVインク系インクジェット方式等がある。中でも、UVインク系ジェット方式は、他の記録方式に比べ比較的低臭気であり、専用紙以外にも速乾性・インク吸収性の無い記録媒体に記録できる点で注目されている。
【0004】
また、従来のインクジェットプリンタには、副走査方向に搬送されている記録媒体上において副走査方向に対して直交する主走査方向に複数並んだ吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うラインヘッド方式、主走査方向にヘッドを移動させてヘッドの移動中にヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うシリアル方式がある。
【0005】
ラインヘッド方式であってもシリアル方式であっても紫外線硬化型インクを用いたインクジェットプリントでは、ラインヘッド又はヘッドより副走査方向の下流側において紫外線光源が主走査方向に配列されており、記録媒体が紫外線光源の下方を通過している時に紫外線光源からの紫外線を記録媒体上のインクに照射することでインクを硬化させる(例えば、特許文献1参照。)。また、シリアル方式のインクジェットプリンタでは、主走査方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されているが、このキャリッジに紫外線光源を搭載し、キャリッジとともにヘッドが主走査方向に移動している時に紫外線光源からの紫外線をインクに照射することでインクを硬化させることもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−11860号公報(第10−11頁、第19図)
【特許文献2】
特開昭60−132767号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ラインヘッド又はヘッドより下流側で紫外線光源が主走査方向に配列されているインクジェットプリンタでは、吐出口にインクが詰まることを防止するために、紫外線光源からの紫外線が吐出口に入射しないようにラインヘッド又はヘッドの周囲に紫外線遮蔽材を設ける必要がある。そのため、インクジェットプリンタの部品数が増えてしまい、またラインヘッド又はヘッドを清掃したりメンテナンスしたりする際に紫外線遮蔽材が邪魔となる。
【0008】
また、キャリッジに紫外線光源が搭載されているインクジェットプリンタでは、キャリッジとともにヘッド及び紫外線光源を移動させるためにより大きな駆動力を必要とし、駆動力が小さい場合にはキャリッジ、ヘッド、紫外線光源の移動速度及び加速度が低く、画像記録に要する時間が長い。また、キャリッジ、ヘッド、紫外線光源を支えるための剛性を大きくしなければならない。
そこで、本発明の目的は、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができ、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくても短時間で画像記録を行え、更に、紫外線を遮蔽するための紫外線遮蔽材を必要としないインクジェットプリンタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明のインクジェットプリンタは、
記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記記録媒体上において前記記録媒体の搬送方向と直角な方向に往復移動し、光の被照射により硬化するインクを前記記録媒体に吐出するヘッドと、
前記ヘッドより前記搬送方向の下流側において前記搬送方向と直角な方向に光を前記記録媒体に対して走査する光走査機構と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットプリンタにおいて、前記光走査機構は、前記ヘッドの往復移動に同期して光を走査するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項1又は2に記載の発明では、搬送方向に直角な方向に移動するヘッドからインクが吐出され、吐出されたインクが記録媒体に着弾する。そして、記録媒体が搬送機構によって搬送方向の下流に搬送されると、光は記録媒体に対して光走査機構によって搬送方向に直角な方向に走査される。記録媒体に着弾したインクには、走査時に光が照射され、これによってインクが硬化する。この場合、往復移動するヘッドとは別に光走査機構がインクジェットプリンタに備わっているから、紫外線光源をヘッドと一体的に往復移動させずに済む。そのため、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくてもヘッドを高速度で且つ高加速度で移動させることができるとともに、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができる。
【0012】
また、光走査機構がヘッドより搬送方向の下流側において光を走査しているから、光がヘッドに入射しない。そのため、ヘッドに光が入射することを遮蔽する遮蔽材インクジェットプリンタに設けなくても済み、インクジェットプリンタの部品数の削減を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
図1は、本発明が適用されたシリアル方式のインクジェットプリンタ1を示した斜視図である。
図1に示されるように、インクジェットプリンタ1は、搬送方向である副走査方向Yに記録媒体100を搬送する搬送機構10と、搬送機構10によって搬送される記録媒体100を支持するプラテン20と、互いに平行となって副走査方向Yに対して直交する主走査方向Xに延在したガイド部材41,71と、ガイド部材41によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリッジ30と、このキャリッジ30を主走査方向Xに移動させる駆動機構40と、キャリッジ30に取り付けられた複数のヘッド50,50,…と、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側においてガイド部材71によって案内されて主走査方向Xに往復移動可能とされたキャリア60と、このキャリア60を主走査方向Xに移動させる駆動機構70と、キャリア60に取り付けられた二つの紫外線光源80,80と、を具備する。なお、以下の説明では、主走査方向X及び副走査方向Yの両方に直角な方向を上下方向として説明する。
【0015】
搬送機構10は、主走査方向Xに互いに平行となって延在するとともに主走査方向Xのそれぞれの軸心回りに回転自在な二つのローラ11,11と、これらローラ11,11を回転させるモータといった駆動機構と、を備える。記録媒体100は、ローラ11,11の回転によって搬送されるようになっている。
【0016】
本実施形態に用いられる記録媒体100としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙,再生紙,光沢紙等の各種紙,各種布地,各種不織布,樹脂,金属,ガラス等の材質からなる記録媒体が適用可能である。記録媒体100の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。本実施形態では、記録媒体100として、ロール状に巻かれた長尺な樹脂製フィルムを用いており、元巻きから繰り出された記録媒体100をローラ11,11にセッティングして用いる。
【0017】
特に、本実施形態で用いられる記録媒体100として、所謂軟包装に用いられる透明又は不透明な非吸収性の樹脂製フィルムが適用できる。樹脂製フィルムの具体的な樹脂の種類として、ポリエチレンテレフタレート,ポリエステル,ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステルアミド,ポリエーテル,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリスチレン,ポリカーボネート,ポリ−ρ−フェニレンスルフィド,ポリエーテルエステル,ポリ塩化ビニル,ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が適用可能であり、さらには、これら樹脂の共重合体、これら樹脂の混合物、これら樹脂を架橋したもの等も適用可能である。中でも、樹脂製フィルムの樹脂の種類として、延伸したポリエチレンテレフタレート,ポリスチレン,ポリプロピレン,ナイロンのいずれかを選択するのが、樹脂製フィルムの透明性・寸法安定性・剛性・環境負荷・コスト等の面で好ましく、2〜100μm(好ましくは6〜50μm)の厚みを有する樹脂製フィルムを用いるのが好ましい。また、樹脂製フィルムの支持体の表面にコロナ放電処理、易接着処理等の表面処理を施してもよい。さらに、本実施形態に用いられる記録媒体100として、樹脂により表面を被覆した各種紙,顔料を含むフィルム,発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
【0018】
プラテン20は、ローラ11とローラ11との間に配設され、二つのローラ11,11に対して平行な平坦面を有し、該平坦面で記録媒体100を下から支持するものである。
【0019】
プラテン20の上方において、ガイド部材41,71がインクジェットプリンタ1のフレームや筐体に固定されている。ガイド部材71は、ガイド部材41より副走査方向Yの下流側に配置されている。
【0020】
キャリッジ30は、ガイド部材41に対して主走査方向Xに摺動自在となって取り付けられており、キャリア60は、ガイド部材71に対して主走査方向Xに摺動自在となって取り付けられている。
【0021】
駆動機構40は、下方に指向した動力取出軸42aを有するモータ42と、動力取出軸42aと同軸となって動力取出軸42aに固定されたプーリー43と、プーリー43の軸と平行な軸回りに回転自在となったプーリー44と、プーリー43とプーリー44に環となって掛けられたベルト45と、を備える。上から下にプラテン20を見た場合、プーリー43とプーリー44の間には、プラテン20が配置されており、プーリー43とプーリー44を結ぶ線はガイド部材41と平行となっている。このベルト45の一部には、キャリッジ30が固定されている。
【0022】
複数のヘッド50,50,…は、主走査方向Xに列となってキャリッジ30に搭載され、プラテン20及び記録媒体100の上方においてキャリッジ30とともに主走査方向Xに移動可能とされる。それぞれのヘッド50においては、その下面に複数の吐出口が形成されており、複数の吐出口は副走査方向Yに列となって配列されている。各ヘッド50は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する素子を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。
【0023】
一つのヘッド50の各吐出口からは、数種の色のうちの何れかの色のインクが吐出される。ヘッド50ごとに異なる色のインクのインク滴が吐出されるが、同じ色のUVインクが二以上のヘッド50から吐出されても良い。本実施形態に用いられるインクの色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)であり、図1において各ヘッド50に付された英字は吐出するインクの色を示している。YMCKの他に、ホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等のインクを用いても良い。
【0024】
本実施形態に用いられるインクとしては、特に、「光硬化技術−樹脂・開始剤の選定と配合条件及び硬化度の測定・評価−(技術協会情報)」に記載の「光硬化システム(第4章)」の「光酸・塩基発生剤を利用する硬化システム(第1節)」、「光誘導型交互共重合(第2節)」等に適合するインクが適用可能であり、通常のラジカル重合により硬化するものであってもよい。
【0025】
具体的に、本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する性質を有する紫外線硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)と、光開始剤と、色材とを少なくとも含むものである。ただし、本実施形態に用いるインクとして、上記「光誘導型交互共重合(第2節)」に適合するインクを用いる場合には、光開始剤は除外されてもよい。
【0026】
紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるが、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。
【0027】
酸素による重合反応の阻害が少ない又は無いカチオン重合系インクのほうが機能性・汎用性に優れるため、本実施形態では、特に、カチオン重合系インクを用いている。
【0028】
本実施形態に用いられるカチオン重合系インクは、具体的に、オキセタン化合物,エポキシ化合物,ビニルエーテル化合物等といったカチオン重合性化合物と、光カチオン開始剤と、色材とを少なくとも含む混合物であり、上記の通り、紫外線の被照射により硬化する性質を有するものである。
【0029】
ところで、本実施形態に用いられるインク(ラジカル重合系インク,カチオン重合系インク及びハイブリッド型インクを含む。)は、上記の通り、紫外線の被照射により硬化するものであるが、必ずしもこれには限定されず、紫外線以外の光の被照射により硬化するものであってもよい。ここでいう「光」とは、広義の光であって、紫外線、電子線、X線、可視光線、赤外線等の電磁波を含むものである。つまり、本実施形態に用いられるインクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用されてもよい。
【0030】
駆動機構70も駆動機構40と同様に、モータ42と、プーリー43と、プーリー44と、ベルト45と、を備えるが、駆動機構70のベルト45の一部は、キャリッジ30に固定されているのではなく、キャリア60に固定されている。
【0031】
紫外線光源80は、キャリア60に取り付けられており、記録媒体100に向けて紫外線を照射するものである。紫外線光源80として、LED(light emitting diode)、蛍光灯、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀スポットランプ、キセノンランプ等が適用可能である。紫外線光源80を上方から覆う遮光機構(例えば、ひさし、かさ等)をキャリア60に設けて、紫外線光源80から発した紫外線が一方向に向かって照射し他方向に照射しない遮光機構によって防止しても良い。紫外線以外の光で硬化する光硬化型のインクを用いる場合には、紫外線光源80に代えて、その光を照射する光源をキャリア60に取り付けなければならない。
以上の構成において、光を記録媒体100に対して走査する光走査機構は、キャリア60、ガイド部材71、駆動機構70、紫外線光源80からなる。
【0032】
次に、インクジェットプリンタ1の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ1の電源をオン状態とすると、紫外線光源80,80は、発光して、インク滴が着弾される記録媒体100に向けて紫外線を照射する。
【0033】
紫外線光源80,80が発光している状態で、搬送機構10において、駆動機構がローラ11,11を回転させると、ローラ11,11の回転に伴い記録媒体100が副走査方向Yに搬送される。ここで、駆動機構がローラ11,11を所定角度ずつ回転させることで、搬送及び搬送停止が順に繰り返され、記録媒体100が間欠的に搬送される。
【0034】
間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、モータ42の動力がベルト45を通じてキャリッジ30に伝達し、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ30の移動に伴ってヘッド50,50,…もキャリッジ30と一体となって移動するが、ヘッド50,50,…は移動中に各吐出口から記録媒体100に向けてインクを液滴として吐出し、インクの液滴が、停止している記録媒体100に着弾する。
【0035】
一方、キャリッジ30の移動中に駆動機構70のモータ42も等速度で回転することによって、モータ42の動力がベルト45を通じてキャリア60に伝達し、キャリア60が等速で主走査方向に往動し、復動し又は往復移動する。キャリッジ30及びキャリア60の移動中において、キャリア60の移動速度がキャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と駆動機構70のモータ42の回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリア60を見た場合にキャリア60がキャリッジ30と同期するように、駆動機構40のモータ42の位相と駆動機構70のモータ42の位相が設定されている。従って、紫外線光源80,80がヘッド50,50,…に同期して主走査方向Xに移動し、紫外線の走査がヘッド50,50,…の移動に同期する。
【0036】
キャリア60の移動に伴って紫外線光源80,80もキャリア60と一体となって移動し、紫外線光源80,80の移動によって紫外線が記録媒体100に対して走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線光源80,80から紫外線が照射されることによって硬化する。
【0037】
間欠的搬送においてローラ11,11が回転している時には、駆動機構40,70それぞれのモータ42が停止しており、キャリッジ30及びキャリア60は主走査方向Xの移動範囲の一方の端に停止している。
【0038】
以上のように、紫外線光源80,80の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30及びキャリア60の往復移動が繰り返され、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0039】
なお、ヘッド50,50,…が、キャリッジ30の往動中のみ又は復動中のみにインクを吐出するものとしても良い。キャリッジ30の往動中のみにヘッド50,50,…がインクを吐出する場合には、記録媒体100の間欠的搬送が停止している時にキャリッジ30が復動し、キャリッジ30の復動中のみにヘッド50がインクを吐出する場合には、記録媒体100の間欠的搬送が停止している時にキャリッジ30が往動する。このような場合においても、キャリア60は、キャリッジ30に同期して移動するのは勿論である。
【0040】
以上のように本実施形態においては、ヘッド50,50,…を搭載したキャリッジ30とは別にキャリア60が設けられ、このキャリア60に紫外線光源80,80が搭載されているから、キャリッジ30に紫外線光源を搭載しなくても済む。従って、ヘッドの搭載されたキャリッジに紫外線光源が搭載された従来のインクジェットプリンタに比較しても、キャリッジ30及びガイド部材41にかかる重さが少なくなり、キャリッジ30及びガイド部材41の剛性を小さくすることができる。
【0041】
また、キャリッジ30に紫外線光源が搭載されていないから、紫外線光源を搭載した場合と比較して、キャリッジ30の加速度領域を減少することができる。また、キャリッジ30の軽量化に応じて駆動機構40のモータ42を小さくすることができ、駆動機構40のモータ42の小型化が可能となる。従って、記録媒体100に画像形成するために要する時間を短縮することができる。また、ヘッド50,50,…の搭載されたキャリッジに紫外線光源が搭載されていないから、ヘッド50,50,…の周囲の構成が簡素化して、ヘッド50,50,…のメンテナンスを行いやすくなる。
【0042】
また、キャリア60とともに紫外線光源80,80が主走査方向Xに移動するため、ラインヘッドやヘッドの下流側に紫外線光源が配列されている従来のインクジェットプリンタに比較しても、紫外線光源の数又はエネルギー容量を少なくすることができ、紫外線照射に要する電力を最小限に抑えることができる。また、紫外線光源80,80がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側で移動するため、紫外線光源80,80からの紫外線がヘッド50,50,…に入射し難い。そのため、ヘッド50,50,…に対しての紫外線入射を遮蔽する紫外線遮蔽材をキャリア60等に設けなくても済み、インクジェットプリンタ1の部品数の削減を図ることができる。
【0043】
なお、キャリッジ30とキャリア60の間に、紫外線光源80,80から発した光を遮蔽することによってキャリア60のヘッド50,50,…に光が入射することを防止する直接光防止機構(例えば、記録媒体100上であってキャリッジ30とキャリア60の間に配設されるとともに、主走査方向Xに延在した仕切り部材)を設けても良いし、紫外線光源80,80から発した光の反射を抑制することによって乱反射による光がキャリア60のヘッド50,50,…に入射することを防止する光源反射防止機構(例えば、前記仕切り部材の表面に形成されるとともに、紫外線光源80,80から発した光に対して低反射率な膜)を設けても良い。また、記録媒体100で反射した光をヘッド50,50,…に入射することを防止するための反射光防止機構(例えば、ヘッド50から吐出されるインクの軌道を除いてヘッド50を下から覆う被覆材)を設けても良い。
【0044】
〔第二の実施の形態〕
第二実施形態のインクジェットプリンタについて説明する。図2は、第二実施形態のインクジェットプリンタ101を示した正面図である。このインクジェットプリンタ101も、図1に示されたインクジェットプリンタ1と同様に、搬送機構10と、プラテン20と、キャリッジ30と、駆動機構40と、ガイド部材41と、ヘッド50,50,…と、を備える。図2において、搬送機構10のローラ11,11の図示を省略している。インクジェットプリンタ101については、図1に示されたインクジェットプリンタ1と同様の構成要素に同様の符号を付し、以下では異なる構成について主に説明する。
【0045】
インクジェットプリンタ101は、図1のインクジェットプリンタ1のキャリア60、駆動機構70、ガイド部材71及び紫外線光源80,80の代わりに、キャリッジ30より副走査方向Yの下流側において記録媒体100に対する照射領域をキャリッジ30の移動に追従させることによって紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査する光走査機構110を具備する。
【0046】
光走査機構110は、紫外線を発する紫外線光源111と、紫外線光源111から発散した紫外線を集光することで平行光線の紫外線ビーム120を出射するコリメータレンズ112と、コリメータレンズ112で出射した紫外線ビーム120を一方向に集束して出射するシリンドリカルレンズ113と、複数の鏡面を有するとともにシリンドリカルレンズ113から出射された紫外線ビーム120をそれぞれの鏡面で偏向するポリゴンミラー114と、ポリゴンミラー114を矢印R回りに等速度回転させるモータといった駆動機構(図示略)と、ポリゴンミラー114から入射した紫外線ビーム120を記録媒体100へ出射するfθレンズ115と、を備える。fθレンズ115は、ポリゴンミラー114の等速度運動によって主走査方向Xに紫外線ビーム120を等速走査できる特性となっている。
【0047】
また、このインクジェットプリンタ101は、記録媒体100に対して画像を形成する時に紫外線ビーム120による照射をオンするとともに画像を形成しない時に紫外線ビーム120による照射をオフする切替手段を備える。切替手段としては、遮蔽部材によって紫外線ビーム120の光路を遮蔽したり開放したりするメカニカルシャッタ機構、紫外線ビーム120の波長を変調させることによってインクが硬化する波長とインクが硬化しない波長に切り替える音響光学変調器(AOM:Acousto−Optic Modulator)、紫外線光源11の電源をオン/オフするスイッチング素子を挙げることができる。スイッチング素子によって紫外線光源11の電源をオン/オフすれば、紫外線光源11の耐用期間が延びる。
【0048】
次に、インクジェットプリンタ101の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ101の電源をオン状態とすると、紫外線光源111が発光する。
【0049】
紫外線光源111が発光している状態で、搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送する。間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動する。ヘッド50,50,…は往動中に各吐出口からインクを液滴として吐出する。
【0050】
一方、キャリッジ30の往動中に、光走査機構110のモータがポリゴンミラー114を等速度で回転させることによって、ポリゴンミラー114の或る面で偏向した紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく。これによって、紫外線ビーム120が記録媒体100に対して主走査方向Xに走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線ビーム120に照射されることによって硬化する。
【0051】
ここで、紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく速度が、キャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と光走査機構110のモータの回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリッジ30を見た場合にキャリッジ30の位置が紫外線ビーム120の照射位置の上方となるように、駆動機構40のモータ42の位相と光走査機構110のモータの位相が設定されている。従って、紫外線ビーム120は、ヘッド50,50,…の移動に同期して走査される。
【0052】
間欠的搬送において記録媒体100が搬送されている時に、駆動機構40のモータ42が反対に回転することによってキャリッジ30は主走査方向Xに復動し、光走査機構110のモータが停止してポリゴンミラー114の回転が停止する。ポリゴンミラー114が停止している時には、上記切替手段が紫外線ビーム120による照射をオフしている。
【0053】
以上のように、紫外線光源111の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30の往復移動が繰り返され、更に光走査機構110がキャリッジ30の往動に同期して紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査し、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,…が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0054】
光走査機構110による紫外線ビーム120の走査方向は一方向であり、キャリッジ30が復動している時には、ヘッド50,50,…からインクが吐出されない。画像形成に要する時間が多くなるが、キャリッジ30が復動している最中に記録媒体100に着弾したインクが確実に硬化し、次にキャリッジ30が往動してヘッド50,50,から吐出されたインクが、前に記録媒体100に着弾したインクに混ざらない。そのため、高画質な画像を形成することができる。
【0055】
以上のように本実施形態においては、光走査機構110がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側において記録媒体100に対して紫外線ビーム120を走査しているから、キャリッジ30に紫外線光源を搭載しなくても済む。従って、第一実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、キャリッジ30及びガイド部材41の剛性を小さくすることができ、モータ42の小さい駆動力でもキャリア60の移動速度及びキャリア60が等速になるまでの加速度が紫外線光源の重み分だけ大きくすることができる。また、紫外線照射に要する電力及び紫外線光源を最小限に抑えることができ、ヘッド50,50,…に対しての紫外線入射を遮蔽する紫外線遮蔽材をキャリア60等に設けなくても済む。
【0056】
〔第三の実施の形態〕
第三実施形態のインクジェットプリンタについて説明する。図3は、第三実施形態のインクジェットプリンタ201を示した正面図である。このインクジェットプリンタ201も、図2に示されたインクジェットプリンタ101と同様に、搬送機構10と、プラテン20と、キャリッジ30と、駆動機構40と、ヘッド50,50,…と、を備え、更に、インクジェットプリンタ101の光走査機構110とは別の光走査機構210を備える。第二実施形態のインクジェットプリンタ101では、光走査機構110がポリゴンミラー式の光走査機構であったのに対して、第三実施形態のインクジェットプリンタ201では、光走査機構210がガルバノミラー式の光走査機構である。インクジェットプリンタ201については、図2に示されたインクジェットプリンタ101と同様の構成要素に同様の符号を付し、以下では異なる構成について主に説明する。また、図3において、搬送機構10のローラ11,11の図示を省略している。
【0057】
光走査機構210は、図1に示された光走査機構110と同様に、紫外線光源111と、コリメータレンズ112と、シリンドリカルレンズ113と、を備える。更に、光走査機構210は、鏡面214aを有するとともにシリンドリカルレンズ113から出射された紫外線ビーム120を鏡面214aで偏向するガルバノミラー214と、ガルバノミラー214を所定角度の範囲で往復回動させるモータといった駆動機構(図示略)と、ガルバノミラー214から入射した紫外線ビーム120を記録媒体100へ出射するfθレンズ215と、を備える。このfθレンズ215は、ガルバノミラー214が一方向に回転している時に主走査方向Xに紫外線ビーム120の等速走査できる特性となっている。
【0058】
また、このインクジェットプリンタ201は、第二実施形態のインクジェットプリンタ1と同様に、記録媒体100に対して画像を形成する時に紫外線ビーム120による照射をオンするとともに画像を形成しない時に紫外線ビーム120による照射をオフする切替手段を備える。
【0059】
次に、インクジェットプリンタ201の動作について説明する。
作業者が記録媒体100をローラ11,11に掛けて、インクジェットプリンタ201の電源をオン状態とすると、紫外線光源111が発光する。
【0060】
紫外線光源111が発光している状態で、搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送する。間欠的搬送における停止中に駆動機構40のモータ42が等速度で回転することによって、キャリッジ30が等速で主走査方向Xに往動し、復動し又は往復移動する。ヘッド50,50,…は移動中に各吐出口からインクを液滴として吐出する。
【0061】
一方、キャリッジ30の移動中に、光走査機構210のモータがガルバノミラー214を回動させることによって、ガルバノミラー214の鏡面214aで偏向した紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく。これによって、紫外線ビーム120が記録媒体100に対して主走査方向Xに走査される。記録媒体100に着弾したインクは、紫外線ビーム120に照射されることによって硬化する。
【0062】
ここで、紫外線ビーム120が主走査方向Xに照射されていく速度が、キャリッジ30の移動速度と同じとなるように、駆動機構40のモータ42の回転速度と光走査機構210のモータの回転速度が設定されており、更に、副走査方向Yにキャリッジ30を見た場合にキャリッジ30の位置が紫外線ビーム120の照射位置の上方となるように、駆動機構40のモータ42の位相と光走査機構210のモータの位相が設定されている。従って、紫外線ビーム120は、ヘッド50,50,…に同期して主走査方向Xに走査される。
【0063】
間欠的搬送において記録媒体100が搬送されている時には、駆動機構40のモータ42及び光走査機構210のモータが停止しており、キャリッジ30が主走査方向Xの移動範囲の一方の端に停止しているとともに、ガルバノミラー214による走査も停止している。
【0064】
以上のように、紫外線光源111の発光中に搬送機構10が記録媒体100を間欠的に搬送するとともにキャリッジ30の往復移動が繰り返され、更にガルバノミラー214の往復回動が繰り返され、キャリッジ30の移動中にヘッド50,50,が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体100上に画像が形成される。
【0065】
なお、光走査機構210による走査方向は双方向であり、キャリッジ30が往動している時でも復動している時でもヘッド50,50,…からインクが吐出される場合には、画像形成に要する時間が短くなる。キャリッジ30の往復移動中にヘッド50,50,…からインクが吐出される場合は、キャリッジ30が往動している時のみ、又はキャリッジ30が復動している時のみに、ヘッド50,50,…からインクが吐出される場合に比較して、画像の画質が低い。
【0066】
本実施形態のインクジェットプリンタ201においても、光走査機構210がヘッド50,50,…より副走査方向Yの下流側において紫外線ビーム120を記録媒体100に対して走査しているから、第二実施形態のインクジェットプリンタ101と同様の効果を奏する。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、往復移動するヘッドとは別に光走査機構がインクジェットプリンタに備わっているから、ヘッドを移動させるための駆動力が小さくてもヘッドを高速度で且つ高加速度で移動させることができるとともに、ヘッドを支えるための剛性を小さくすることができる。また、ヘッドに光が入射することを遮蔽する遮蔽材インクジェットプリンタに設けなくても済み、インクジェットプリンタの部品数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたインクジェットプリンタを示した斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタを示した正面図である。
【図3】図1、図2のインクジェットプリンタとは別のインクジェットプリンタを示した正面図である。
【符号の説明】
1、101、201 インクジェットプリンタ
50 ヘッド
60 キャリア
70 駆動機構
80 紫外線光源
110、210 光走査機構
Claims (2)
- 記録媒体を搬送する搬送機構と、
前記記録媒体上において前記記録媒体の搬送方向と直角な方向に往復移動し、光の被照射により硬化するインクを前記記録媒体に吐出するヘッドと、
前記ヘッドより前記搬送方向の下流側において前記搬送方向と直角な方向に光を前記記録媒体に対して走査する光走査機構と、
を備えることを特徴とするインクジェットプリンタ。 - 前記光走査機構は、前記ヘッドの往復移動に同期して光を走査するように構成されたことを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ。
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