JP2004169205A - 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法 - Google Patents

高白色度漂白クラフトパルプの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004169205A
JP2004169205A JP2002334454A JP2002334454A JP2004169205A JP 2004169205 A JP2004169205 A JP 2004169205A JP 2002334454 A JP2002334454 A JP 2002334454A JP 2002334454 A JP2002334454 A JP 2002334454A JP 2004169205 A JP2004169205 A JP 2004169205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
bleaching
chips
aqueous solution
wood chips
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002334454A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4192567B2 (ja
Inventor
Shoichi Miyawaki
正一 宮脇
Takeshi Iimori
武志 飯森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2002334454A priority Critical patent/JP4192567B2/ja
Publication of JP2004169205A publication Critical patent/JP2004169205A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4192567B2 publication Critical patent/JP4192567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】高白色度の漂白クラフトパルプの製造において、難蒸解性かつ難漂白性であるカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材、あるいは該カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材が配合された材の蒸解性と漂白性を改善し、高白色度のTCFあるいはECF漂白パルプを提供することにある。
【解決手段】難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材のみから成るチップ、あるいは該カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材チップが配合されたチップを、アルカリ性水溶液含浸工程−温度50〜95℃、保持時間5〜90分間の保持工程−アルカリ抽出液の抽出、洗浄工程−カッパー価22〜32の未晒しパルプを製造する蒸解工程−白色度82%以上の漂白パルプを製造するTCF漂白あるいはECF漂白から成る一連の処理を施す。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材から高白色度の漂白クラフトパルプを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
針葉樹はクラフトパルプの主要原料の一つである。この針葉樹は種類が多く、樹種、樹齢、産地などの違いにより、その蒸解性や漂白性が異なっている。針葉樹材には樹脂が多く含有されていることは良く知られており、蒸解性や漂白性に影響している。また、パルプの蒸解性および漂白性に影響するリグニンや樹脂以外の物質として、植物色素および前駆物質である多種多様な低分子フェノール類がある。この植物色素はフラボノイド系、キサントン系、キノン系に大別される。このフラボノイド系色素に属し、更にポリフェノールに属するプロアントシアニジン様物質および低分子フェノール類は、針葉樹であるカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の樹木中、特に心材に多く含有されていることが知られている。特に老齢木ではその含有量が多くなる。従って、これらの難蒸解性かつ難漂白性の材をパルプ材として有効に活用するためには、樹脂やプロアントシアニジンなどの影響の軽減策が必要である。
【0003】
針葉樹材中の樹脂は広い意味のものであり、狭義の樹脂や油脂などを主成分としている。この狭義の樹脂の組成分は、樹脂酸(アビエチン酸、ピマール酸など)、樹脂アルコール、レゼンであり、樹脂酸が主成分である。油脂はグリセリンと脂肪酸が結合したものであり、脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸などが知られている。
【0004】
クラフト蒸解法では、この樹脂はアルカリ性の蒸解液との中和反応や鹸化反応によりアルカリ性の蒸解液を消費し、本来の蒸解の目的であるリグニンの溶解反応が阻害される。その結果、蒸解後パルプのカッパー価が増大し、後続の漂白工程において漂白薬品を多く添加する必要が生じたり、漂白終了後のパルプの白色度が低下するなどの問題を引き起こす。
【0005】
プロアントシアニジンは、樹木中に存在する縮合型タンニン、即ちフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−ジオールを単位として縮合もしくは重合により結合した化合物であり、これらは酸処理によりジアニリン、デルフィニジン、ベラルゴニジンなどのアントシアニジンを生成することから、この名称が与えられているものである。従って、プロアントシアニジンは、前記構成単位の2量体、3量体、4量体、更には30量体までの高分子のプロシアニジン、プロデルフィニジン、プロペラルゴニジンなどのプロアントシアニジンおよびこれらの立体異性体を包含する総称である。プロアントシアニジンは図1の一般式で表されるフラバン−3−オールまたはフラバン−3,4−オールを構成単位とした2〜30量体などである(式中、R1は水素、ガロイル基またはグリコピラノシル基、R2は水素または水酸基、R3、R4は水素、水酸基、またはメトキシ基を意味する)。
【0006】
プロアントシアニジンの分子構造中にはフェノール性水酸基が多数ある。このことから解るように、プロアントシアニジンは酸性の物質である。従って、プロアントシアニジン様物質および低分子フェノール類が多く含まれるのカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の樹木のチップをクラフト蒸解する場合、プロアントシアニジンなどのフェノール性物質がアルカリ性の蒸解液を消費し、本来の蒸解の目的であるリグニンの溶解反応が阻害される。更に、蒸解中にリグニンと反応し、難漂白性の強い着色物質を生成する。その結果、蒸解後パルプのカッパー価が増大し、後続の漂白工程において漂白薬品を多く添加する必要が生じたり、漂白終了後のパルプの白色度が低下するなどの問題を引き起こす。また、プロアントシアニジンは酸性領域で反応を進める漂白段において酸分解され、着色物質であるアントシアニジンを生ずる。アントシアニジンは酸性でもアルカリ性でも発色し、酸性領域では赤色、アルカリ性領域では青色を呈する。従って、プロアントシアニジンが蒸解終了までに十分に除去されず、漂白工程に多くの量が持ち込まれると、漂白パルプが着色し、色相が変化したり、白色度が低下する問題を引き起こす。
【0007】
針葉樹の樹脂の問題は古くから認識され、その対策が検討されてきた。しかし、アルカリ性の蒸解液を添加するクラフト蒸解法の場合、樹脂は鹸化されて分散するため、サルファイト蒸解法に比べて樹脂障害が少なく、その対策の検討は、主に漂白パルプ中に残存する樹脂の量を低減することにあった。例えば、リグノセルロース材料を処理して得たパルプ懸濁液を、まず濃度調整し、次いで特定濃度のアルカリを含む酸化漂白剤(過酸化漂白剤、次亜塩素酸塩)の存在下に機械的処理を施すことにより、樹脂含量を減少させて、パルプ白色度を向上させる技術が登録されている(特許文献1参照。)。また、BKP漂白シーケンスに過酸化水素漂白段を組み込み、その初段に特定の酸処理を設け、漂白前段の過酸化水素漂白を安定剤を用いることなく行い、粘度、白色度、PC価、脱樹脂などの点で高品質のパルプを得る技術が開示されている(特許文献2参照。)。
【0008】
カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の難蒸解性かつ難漂白性の原因物質の一つが、プロアントシアニジンなどのフェノール性物質であることに着目して、これらの材からフェノール性化合物を積極的に除去し、蒸解性や漂白性の改善を図ったパルプ製造に関する先行技術を調査したが、先願は見いだせなかった。但し、プロアントシアニジンは、食品、化粧品の酸化防止剤や脱臭剤、医薬品などの製造原料として有用であり、これらの分野でプロアントシアニジンを抽出する技術が多く報告されており、先願も多数ある。この中で、針葉樹からプロアントシアニジンを抽出する技術を記載しているものが数件ある。例えば、プロアントシアニジンを主成分とする松樹脂由来成分を含有する化粧品に関するもので、プロアントシアニジンが約20〜70%以上の高含量である松樹皮、例えば、フランス海岸松からプロアントシアニジンを抽出すること、抽出溶媒としては水、エタノール、エタノール水溶液、ベンゼン、アセトンなどが記載されている(特許文献3参照。)。
【0009】
また、針葉樹の樹脂やプロアントシアニジンに関する言及は無いが、針葉樹の難蒸解性材から高白色度の晒パルプを製造する技術に関して、過酸化水素のアルカリ溶液に助剤としてアントラキノン系安定剤およびキレート剤を添加したものを蒸解薬液とし、針葉樹の難蒸解性材を175〜200℃で処理し、カッパー価40以下の未晒パルプを得て、これを過酸化水素のアルカリ溶液で2段処理し、カッパー価を15以下、ハンター白色度60%以上のパルプとして、更に塩素系漂白剤で高白色度になるまで処理する技術が示されている(特許文献4参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特許第1540750号明細書
【特許文献2】
特開昭61−83389号公報
【特許文献3】
特開2000−229834号公報
【特許文献4】
特公昭63−35758号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする課題は、高白色度の漂白クラフトパルプの製造において、難蒸解性かつ難漂白性であるカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材、あるいは該カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材が配合された材の蒸解性と漂白性を改善し、高白色度のTCFあるいはECF漂白パルプを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材のみから成るチップ、あるいは該カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材チップが配合されたチップに、次の工程から成る一連の処理を施すことにより、高白色度の漂白クラフトパルプを製造できる。
(a)木材チップにアルカリ性水溶液を含浸させる工程
(b)前記アルカリ性水溶液を含浸させた木材チップを5〜90分間、温度50〜95℃で保持する工程
(c)前記(b)工程の後、アルカリ抽出液を抜き取り、木材チップを洗浄する工程
(d)前記アルカリ抽出後に得られた木材チップをクラフト蒸解し、カッパー価22〜32の未晒しパルプを製造する工程
(e)前記(d)工程で得られた未晒しパルプをTCF漂白あるいはECF漂白し、ハンター白色度82%以上の高白色度の漂白パルプを製造する工程
【0013】
【発明の実施の形態】
本願発明の処理対象である難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材は単独樹種品でも良いし、該定義のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材のみから成る2樹種以上の混合品でも良い。また、該定義のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材と、蒸解性および漂白性が通常レベル〜易レベルである他の針葉樹との混合品であるが、この混合品の状態で該定義内に入る難蒸解性かつ難漂白性の混合材も処理対象とすることができ、該混合材は海外のチップ積出しの段階での混合材でも良いし、国内のパルプ工場のチップヤードから連続蒸解釜への払い出しの段階での混合材でも良い。
【0014】
難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材に含まれる樹脂やプロアントシアニジンなどの含有量は樹齢、産地(換言すれば生育環境)などで異なるので具体的な樹種を特定することは難しい面があるが、カラマツ属に関しては、Larix(以下、L.と略す)laricina(タマラック)、L.occidentalis(セイブカラマツ)、L.decidua(ヨーロッパカラマツ)、L.gmelinii(グイマツ)、L.leptolepis(カラマツ)など、トガサワラ属に関しては、Pseudotsuga(以下、P.と略す)menziesii(ダクラスファー)、P.japonica(トガサワラ)など、スギ属に関しては、Cryptomeria japonicaを挙げることができる。
【0015】
難蒸解性かつ難漂白性の木材チップにアルカリ性水溶液を含浸させる工程では、粗大なチップとチップダストを除去しサイズを整えたチップを処理する。このアルカリ性水溶液含浸工程は、チップスクリーニング工程以降、蒸解工程の間の任意な箇所に設置することができが、アルカリ性水溶液の含浸を良くするためにスチーミングベッセル以降が望ましい。アルカリ性薬剤としては水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用できるが、水酸化ナトリウムが好適である。
【0016】
該含浸処理が木材チップをアルカリ水溶液に浸漬する方法の場合には、木材チップを含浸容器に入れ、アルカリ性水溶液を添加し、チップにアルカリ性水溶液を含浸させる。この際、含浸を良くする目的で減圧下で行うことが好ましい。アルカリ性薬剤のチップ(絶乾)に対する添加率は1.0〜10.0固形分重量%が好ましく、1.0〜5.0固形分重量%が更に好ましい。アルカリ性水溶液(容積)/チップ容積の液比は4.0〜10.0が好ましく、4.0〜6.0が更に好ましい。アルカリ性水溶液の固形分濃度は、前記の添加率と液比を満足するように予め濃度調整する。
【0017】
該含浸処理は、木材チップを圧縮し、圧縮した状態または圧解放後にアルカリ水溶液を含浸させる方法でも実施することができる。この圧縮に用いる装置としては、木材チップを十分に圧縮できるものであれば良く、特に制限はないが、アンドリッツ(Andritz)社のインプレサファイナー(impresssfiner)や、バルメット(Valmet)社のプレックススクリュウー(Prex screw)を挙げることが出来る。圧縮比は2:1以上が好ましく、4:1以上が更に好ましい。
【0018】
次いで、アルカリ性水溶液を含浸させた木材チップを、保持容器内で加温下、所定時間保持し、この間、酸性の抽出成分をアルカリ性水溶液で抽出・中和する。温度は50〜95℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、50〜75℃が更に好ましい。保持時間は温度にも左右されるが、5〜90分間が好ましく、30〜60分間が更に好ましい。保持終了時の終pHは、8.0〜10.0とすることが好ましい。
【0019】
次いで、アルカリ性水溶液で抽出・中和後の液を除去し、チップを十分に水で洗浄する。不十分な洗浄では、後続の蒸解工程へ影響が出る。
【0020】
洗浄後のチップは蒸解液と共に連続蒸解釜へ投入され、通常の条件(活性アルカリ添加量、硫化度、液比、最高温度、保持時間、Hファクターなど)でクラフト蒸解に供する。また、MCC、EMCC、ITC、Lo−solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。すなわち、本願のアルカリ性水溶液を含浸し、これを保持する工程は、従来の蒸解液の浸透処理を目的とした装置や部位とは別個に設置されるものである。蒸解を終えた未晒しパルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの装置で洗浄する。洗浄後の未晒しパルプのカッパー価は22〜32にすることが好ましい。24〜28が更に好ましい。
【0021】
次いで、所定のカッパー価の未晒しパルプをTCF漂白あるいはECF漂白で漂白処理を行う。TCF漂白、ECF漂白は公知のシーケンスで行えば良く、特に限定はない。具体的には、TCF漂白シーケンスとしては、Z−E−P、Z−E/O−P、E/OP−POなどが挙げられ、ECF漂白シーケンスとしては、D−E−D、D−E/O−D、E/O−D、E−O−D、Z−Dなどが挙げられる。本願発明の処理対象である難蒸解性かつ難漂白性の材は、通常の蒸解条件かつ通常のTCF、ECF漂白シーケンスでは、ハンター白色度82%以上の漂白パルプを得ることが困難であるが、本願発明の前記(a)〜(d)工程の処理により、ハンター白色度82%以上の高白色度の漂白パルプを容易に製造できる。
【0022】
【実施例】
次に実施例に基づき、本願発明を更に詳細に説明するが、本願発明はこれらに
限定されるものではない。
【実施例1】と
【比較例1】でクラフト蒸解性を比較
し、
【実施例2】と
【比較例2】で二酸化塩素によるECF(D−ECFと略す)漂白性を比較した。
【0023】
下記のチップを実施例、比較例に供した。
1.チップの産地、樹種
日本製紙株式会社のチップヤードからスギ混合チップを採取した。
2.チップサイズの調整
前記チップをジャイロシフタを用いて篩い分け、粗大チップとチップダストを除去し、9.5〜25.4mmφのチップとした。このチップを以下の実施例、比較例で使用した。
【0024】
【実施例1】
前記のチップサイズを調整したチップに、真空下で水酸化ナトリウム水溶液を15分間浸透させた後、下記に示す条件で2.4L容回転型オートクレーブを用いてアルカリ抽出を行った。抽出前、浸透後、抽出後におけるアルカリ抽出液のpHは、それぞれ13.2、10.8、8.5であった。抽出処理後チップを十分に水洗し、下記に示す条件で、2.4L容回転型オートクレーブを用いてクラフト蒸解を行った。蒸解終了後、蒸解液を抽出し、残有効アルカリ濃度とpHを測定した。パルプは十分に洗浄後、フラットスクリーンで粕を除去し、精選収率、粕率、総収率を求め、カッパー価とハンター白色度を測定した。結果を表1に示す。
アルカリ抽出条件:チップ300g(絶乾)、水酸化ナトリウム添加量4.0%、液比5.0L/kg、最高温度80℃、保持時間60分間、昇温時間30分間
クラフト蒸解条件:チップ300g(絶乾)、活性アルカリ添加量18〜22%、硫化度25%、液比3.2L/kg、最高温度170℃、保持時間105分間、Hファクター1800
【0025】
【比較例1】
前記のチップサイズを調整したチップを、前記の条件で、2.4L容回転型オートクレーブを用いてクラフト蒸解を行った。以下、実施例1と同様な処理と測定を行った。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 2004169205
【0027】
表1の結果から、活性アルカリ添加量とカッパー価の関係を図1に示し、カッパー価とパルプ総収率の関係を図2に示し、カッパー価と白色度の関係を図3に示した。
【0028】
【図1】
Figure 2004169205
【0029】
【図2】
Figure 2004169205
【0030】
【図3】
Figure 2004169205
【0031】
図1の結果から、比較例1では難蒸解性を示すのに対し、実施例のアルカリ抽出処理した場合は、易蒸解性となり、活性アルカリ添加量の削減が可能である。図2の結果から、同一カッパー価で比較した場合、実施例1と比較例1で収率の差は認められない。図3の結果から、同一カッパー価における白色度はアルカリ抽出することで約2〜4%向上する。
【0032】
【実施例2】
実施例1で製造したカッパー価24のクラフト蒸解後のパルプを、酸素脱リグニンした後、ECF漂白としてD0(初段二酸化塩素)−E/P(過酸化水素を併用したアルカリ処理)−D1(2段目二酸化塩素)−P(アルカリ過酸化水素)のシーケンスで漂白処理した。これを実施例2−1とした。実施例1で製造したカッパー価26.0のクラフト蒸解後のパルプを同様に処理した。これを実施例2−2とした。酸素脱リグニン、D0、E/P、D1、Pの反応条件は下記の通り。酸素脱リグニンは、Quantum high intensity mini mixerを用いて行い、反応後、パルプを十分に洗浄し、次の漂白に供した。漂白はすべてプラスチックパックにパルプスラリー(パルプ濃度10%)を入れてウォーターバス中で行った。漂白後、パルプ濃度1.5%まで清水で希釈し、搾水を用いて数回洗浄した。続く漂白段では前段の搾水を用いてパルプ濃度15%とした後、パルプ濃度が10%となるように漂白薬品を所定量添加して漂白した。但し、D0段に限り、前段の酸素脱リグニンの排水は持ち込んでいない。酸素脱リグニン後P後のKN価と白色度を表2に、D0後、E/P後、D1後の白色度を表3に、また、P後の白色度の結果を表4と図4に示す。
酸素脱リグニン:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量2.0%、反応時間60分間、反応温度96℃、酸素初期圧6.0kg/cm2
D0:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量9.0kg/ADTP、反応温度60℃、反応時間20分間
E/P:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量4.5kg/ADTP、過酸化水素添加量2.7kg/ADTP、反応温度70℃、反応時間75分間
D1:パルプ濃度10%、二酸化塩素添加量1.8kg/ADTP、反応温度70℃、反応時間150分間
P:パルプ濃度10%、水酸化ナトリウム添加量/過酸化水素添加量=3.6/2.7、5.8/6.3、6.5/9.0kg/ADTP、反応温度70℃、反応時間75分間
【0033】
【比較例2】
比較例1で製造したカッパー価23.5のクラフト蒸解後のパルプを使用した以外は実施例2と同様に酸素脱リグニンと漂白を行った。これを比較例2−1とした。比較例1で製造したカッパー価26.0のクラフト蒸解後のパルプを使用した以外は実施例2と同様に酸素脱リグニンと漂白を行った。これを比較例2−2とした。酸素脱リグニン後P後のKN価と白色度を表2に、D0後、E/P後、D1後の白色度を表3に、また、P後の白色度の結果を表4と図4に示す。
【0034】
【表2】
Figure 2004169205
【0035】
表2の結果から、比較例2は実施例2に比較してΔカッパー価は大きいにもかかわらず、Δ白色度は両者でほとんど差が認められない。このことから、比較例2の未晒しパルプ中には、白色度にはほとんど寄与せず、過マンガン酸カリウムを無駄に消費する化合物が存在していることがわかる。この化合物は樹脂やプロアントシアニジンなどの抽出成分と考えられる。また、クラフト蒸解後の未晒しパルプの白色度差は、酸素脱リグニン後も保持されることがわかる。
【0036】
【表3】
Figure 2004169205
【0037】
表3から、酸素脱リグニン工程で保持されていた白色度差は、D1後において若干減少するものの、2%程度保持されることがわかる。
【0038】
【表4】
Figure 2004169205
【0039】
【図4】
Figure 2004169205
【0040】
表4および図4の結果から、過酸化水素添加量6.3kg/ADTPにおけるD−ECF漂白性は実施例2−1が最も優れ、次いで実施例2−2、比較例2−1、比較例2−2の順であり、酸性の抽出成分をアルカリ抽出した未晒しパルプのほうがD−ECF漂白性が優れていることがわかる。また、比較例2−1、2−2では過酸化水素添加量9.0kg/ADTPでも82%の白色度を得られなかった。
【0041】
【発明の効果】
難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材チップあるいは該カラマツ属、トガサワラ属、スギ属の材が配合されたチップを、アルカリ性水溶液含浸工程−温度50〜95℃、保持時間5〜90分間の保持工程−アルカリ抽出液の抽出、洗浄工程−カッパー価22〜32の未晒しパルプを製造する蒸解工程−白色度82%以上の漂白パルプを製造するTCF漂白あるいはECF漂白から成る一連の処理を施すことにより、難蒸解性かつ難漂白性であるユーカリ材から高白色度のTCFあるいはECF漂白パルプを製造でき、森林資源の有効活用を促進できる。

Claims (3)

  1. 難蒸解性かつ難漂白性のカラマツ属(Larix)、トガサワラ属(Pseudotsuga)、スギ属(Cryptomeria)の材、あるいは該材が配合された材から高白色度の漂白クラフトパルプを製造する方法であって、
    (a)木材チップにアルカリ性水溶液を含浸させる工程
    (b)前記アルカリ性水溶液を含浸させた木材チップを5〜90分間、温度50〜95℃で保持する工程
    (c)前記(b)工程の後、アルカリ抽出液を抜き取り、木材チップを洗浄する工程
    (d)前記アルカリ抽出後に得られた木材チップをクラフト蒸解し、カッパー価22〜32の未晒しパルプを製造する工程
    (e)前記(d)工程で得られた未晒しパルプをTCF漂白あるいはECF漂白し、ハンター白色度82%以上の高白色度の漂白パルプを製造する工程
    から成る一連の工程を経て処理されることを特徴とする高白色度の漂白クラフトパルプの製造方法。
  2. 木材チップをアルカリ性水溶液で含浸し保持する工程において、該処理が木材チップをアルカリ性水溶液に浸漬する方法で行われ、液比が4.0〜10.0および/または終pHが8.0〜10.0であることを特徴とする請求項1または2に記載の高白色度の漂白クラフトパルプの製造方法。
  3. 木材チップをアルカリ性水溶液で含浸する工程において、該処理が、木材チップを圧縮し、圧縮した状態または圧解放後にアルカリ性水溶液を含浸させる方法で行われることを特徴とする請求項1または2に記載の高白色度の漂白クラフトパルプの製造方法。
JP2002334454A 2002-11-19 2002-11-19 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法 Expired - Fee Related JP4192567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002334454A JP4192567B2 (ja) 2002-11-19 2002-11-19 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002334454A JP4192567B2 (ja) 2002-11-19 2002-11-19 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004169205A true JP2004169205A (ja) 2004-06-17
JP4192567B2 JP4192567B2 (ja) 2008-12-10

Family

ID=32698826

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002334454A Expired - Fee Related JP4192567B2 (ja) 2002-11-19 2002-11-19 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4192567B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088621A (ja) * 2006-03-31 2008-04-17 Nippon Paper Industries Co Ltd オフセット印刷用新聞用紙
WO2008088077A1 (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Nihon Cellulose Co., Ltd. パルプの製造方法
JP2010037673A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Kawasaki Kasei Chem Ltd リグノセルロース材料の蒸解方法
JP2014001470A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Nippon Paper Industries Co Ltd 溶解クラフトパルプの製造方法
JP2016211142A (ja) * 2016-09-23 2016-12-15 日本製紙株式会社 溶解クラフトパルプの製造方法
CN114096711A (zh) * 2019-06-14 2022-02-25 布拉塞尔巴伊亚特种纤维素公司 高α和高固有粘度纸浆生产设备、方法和系统

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008088621A (ja) * 2006-03-31 2008-04-17 Nippon Paper Industries Co Ltd オフセット印刷用新聞用紙
WO2008088077A1 (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Nihon Cellulose Co., Ltd. パルプの製造方法
US8268124B2 (en) 2007-01-15 2012-09-18 Nihon Cellulose Co., Ltd. Method for production of pulp
JP5360546B2 (ja) * 2007-01-15 2013-12-04 日本セルロース株式会社 パルプの製造方法
JP2010037673A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Kawasaki Kasei Chem Ltd リグノセルロース材料の蒸解方法
JP2014001470A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Nippon Paper Industries Co Ltd 溶解クラフトパルプの製造方法
JP2016211142A (ja) * 2016-09-23 2016-12-15 日本製紙株式会社 溶解クラフトパルプの製造方法
CN114096711A (zh) * 2019-06-14 2022-02-25 布拉塞尔巴伊亚特种纤维素公司 高α和高固有粘度纸浆生产设备、方法和系统
CN114096711B (zh) * 2019-06-14 2024-04-19 布拉塞尔巴伊亚特种纤维素公司 高α和高固有粘度纸浆生产设备、方法和系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4192567B2 (ja) 2008-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4793898A (en) Process for bleaching organic peroxyacid cooked material with an alkaline solution of hydrogen peroxide
AU2001290028B2 (en) Method for bleaching paper pulp
JP6474897B2 (ja) 処理パルプの製造方法
WO1990002836A1 (en) Supercritical delignification of wood
EP1101860A1 (en) Method for bleaching pulp with activated ozone
US2716058A (en) Deresination of wood pulp
FI99153C (fi) Menetelmä suursaantoisten paperimassojen vetyperoksidivalkaisuun
JP2010144273A (ja) リグノセルロース物質の化学パルプの製造方法
JP4192567B2 (ja) 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法
US8268120B2 (en) Method for bleaching chemical paper pulps by final ozone treatment at high temperature
US7384502B2 (en) Process for impregnating, refining, and bleaching wood chips having low bleachability to prepare mechanical pulps having high brightness
JP2004169203A (ja) 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法
JP6581137B2 (ja) 溶解クラフトパルプの製造方法
JP4192566B2 (ja) 高白色度漂白クラフトパルプの製造方法
JP6423838B2 (ja) 溶解クラフトパルプの製造方法
JP2004256925A (ja) 木材チップ前処理方法および高白色度クラフトパルプ製造方法
JP2004263310A (ja) 未晒クラフトパルプ処理方法および高白色度漂白パルプ製造方法
JP6075976B2 (ja) 溶解クラフトパルプの製造方法
JP4366959B2 (ja) パルプ用木材チップの前処理方法
CA1137802A (en) Procedure for producing high yield pulp
JP4192584B2 (ja) 未漂白クラフトパルプの製造方法
CA3150127C (en) Cooking accelerator for lignocellulose materials and method for producing pulp using same
Scott et al. Biosulfite pulping using Ceriporiopsis subvermispora
JP2004204370A (ja) 機械パルプの製造方法
Jedvert et al. Mild steam explosion followed by kraft cooking and oxygen delignification of spruce (Picea abies)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD01 Notification of change of attorney

Effective date: 20080314

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080513

A521 Written amendment

Effective date: 20080625

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080826

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080908

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111003

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees