JP2004169456A - 床際構造、根太パッド及び床際構造の施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床際構造31を提供する。床際構造31は、躯体下地32、壁33、壁33の際の躯体下地32上に配置されている根太材34、及び根太材34上の床材35,36を具え、根太材34はレベル調整可能な支持脚37を有している。壁33にゴム製の根太パッド38が固定されており、根太材34の根太パッド38上への載置及び支持脚37の躯体下地32への接触によって、根太材34が躯体下地32上で支えられている。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床際構造、かかる床際構造に用いる根太パッド及び床際構造の施工方法に関する。詳細には、本発明は、集合住宅等の建物に採用されている乾式二重床の壁際の沈み防止処理のために用いる根太材の取付け方法に関するもので、特に、本発明は、根太材を効率よく取り付けるとともに、安定した床の際の構造を得て、床衝撃音が壁や躯体下地から階下の部屋に伝わるのを防ぐためのものである。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の1例の床構造を示す断面図である。この例の床構造は、乾式防音二重床の部屋周囲の沈み防止に有効な際根太工法により施工される。際根太工法は、壁101に際根太の高さで水平になる基準線を墨だしして、その基準線に合わせて壁101に根太材102をコンクリート釘103で固定し、その下の床下地104との間に根太の束(木製)105を450mmピッチ程度で入れて、根太材102を支持するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−73533号公報(図7)
【0004】
なお、根太材102の上には、二重床下地合板106、フローリング材107を施工する。また、二重床下地合板106は床中央寄りで、パーティクルボード108と床支持脚109とで支えられる。床支持脚109は、パーティクルボード108の表面が根太材102の表面の高さと同じ高さになるように、ナット110及びボルト111からなる支持部材112とゴム部材113とからなる。フローリング材107と壁101との際には、美観上の理由から巾木114が用いられ、巾木114は木製で、軟質樹脂部材115を有している。
【0005】
図10及び11は従来の他の例の床構造を示す断面図である。これらの例の床構造は、防音性を考慮した工法で得られ、ナット116付きの根太材117に、レベル調整が可能な防振ゴム118付きの支持ボルト119を取り付け、壁101に根太材117が接触しないようにして、壁101に墨だしした基準線に合わせてレベル調整し、施工されるのが一般的である。
【0006】
壁101と根太材117とが接触しないようにするには、ゴムスポンジやソリッドゴム120,121を根太材117や壁101に釘122によって一定間隔で取り付ける方法がある(例えば、特許文献2及び3参照)。なお、フローリング材107の下のパーティクルボード123の床中央部側は、床支持脚124によって支えることができる。床支持脚124は、二重床支持パネル125、鋼製ナット126、二重床鋼製ボルト127及び二重床ゴム部材128からなる。
【0007】
【特許文献2】
特開平9−177289号公報(図11)
【特許文献3】
特開平11−245964号公報(図2)
【0008】
これらの床構造では、壁との間の振動が絶縁された根太材にパーティクルボード等のベースパネルか下地合板を釘又はビス等で取り付け、その上にフローリング、カーペット、クッションフロアー等の仕上げ材が施工されている。これらの例の床構造は、壁からの音の伝わりをなくし、コンクリート等の躯体下地への音の伝わりを軽減するのに有効なものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
壁に根太材をコンクリート釘で固定する工法は、壁から階下への音の伝わりがあり、床衝撃音レベル性能が悪化する。また、根太材を束として用いるため、直接コンクリート等の躯体下地から階下に音が伝わる。
【0010】
防音性を考慮した工法では、壁に根太材が接触しないように、防振ゴム付きの際根太材を壁に墨だしした基準線に合わせてレベル調整するのに時間がかかり、3つ以上のような複数の防振ゴム付き支持脚の高さを揃えることは事実上不可能であり、ベースパネルを際根太の上に載せる時に際根太が不安定で倒れることもあり、施工性が悪く、極めて危険である。
【0011】
また、コンクリート等の下地の不陸が激しい場所では、根太材が傾き、ベースパネルや下地合板の取り付けが難しく、根太材とベースパネルや下地合板の間に隙間ができた状態で釘打ち、ビス止めされると、床鳴りの原因になる。
【0012】
コンクリート等の躯体下地と際根太のゴム支持脚を接着させない工法では、重量床衝撃音に対して、部屋周囲部の床の跳ね上がりにより、巾木から壁を通して階下に音が伝わり易く、躯体下地と際根太のゴム支持脚とを接着させていないため、不安定で施工性が悪くなる。
【0013】
本発明の課題は、上述の床構造の施工上の問題を解消し、床鳴り等の問題のない安定した床際構造を作業性に優れた工法によって得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、躯体下地、壁、前記壁の際の前記躯体下地上に配置されている根太材、及び前記根太材上の床材を具え、前記根太材がレベル調整可能な支持脚を有している床際構造において、前記壁にゴム製の根太パッドが固定されており、前記根太材の前記根太パッド上への載置及び前記支持脚の前記躯体下地への接触によって、前記根太材が前記躯体下地上で支えられていることを特徴とする床際構造、かかる床際構造に用いる根太パッド及びかかる床際構造の施工方法に係るものである。
【0015】
本発明は、ゴム製の根太パッド上にレベル調整可能な支持脚付きの根太材を載置し、仮固定した状態で、その支持脚を躯体下地に延ばして根太材を躯体下地に支持させることで、躯体下地の不陸にかかわらず、根太材の安定した位置決めが可能になるという知見に基づくものである。
【0016】
本発明では、支持脚によって根太材の位置決めをするのではなく、ゴム製の根太パッドによって根太材の位置決めを行う。支持脚による根太材の躯体下地上での支持は、躯体下地の不陸に著しく影響を受け、しかも、3つ以上等の複数の支持脚によっては事実上、根太材の高さのばらつきのない安定した根太材の位置決めは不可能である。
【0017】
ゴム製の根太パッドによって根太材の位置決めを行うことで、支持脚によって根太材を支える場合の根太材の高さのばらつきが、根太パッドによる所定の緩衝作用内に収まって、根太材の安定した位置決めが可能となる。
【0018】
本発明では、ゴム製の根太パッドによる根太材の位置決めにより、根太材と根太材上の床材との間に隙間が生じなくなり、床鳴り等の問題のない安定した床際構造が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施をする形態について説明する。
(1)床際構造
床際構造は、躯体下地、壁、躯体下地上の根太材、根太材上の床材、及び壁に固定されているゴム製の根太パッドを具えており、根太材の根太パッド上への載置及び支持脚の躯体下地への接触によって、根太材が支えられ、根太材を位置決めすることができる。
【0020】
(2)根太パッド
ゴム製ではあるが、壁に固定でき、材質、形状等の制限はなく、種々のものを用いることができる。特に、根太パッドは根太材を仮固定するように載置できる水平部を具えることができる。
【0021】
(2−1)根太パッドの形状
根太パッドは、載置される根太材が壁に直接接触しないで、根太材と壁との間の振動伝達が抑制されるように、根太材と壁との間に介在する垂直部を有することができる。
【0022】
好ましくは、根太パッドは断面略U字状の形状を有する。かかる根太パッドは2つの垂直部と各垂直部の間の水平部とを有しており、一方の垂直部が壁に固定され、水平部の内側底面上に根太材を載置することができる。また、好ましくは、かかる根太パッドは、2つの垂直部の間で根太材をはさみ込む。
【0023】
また、好ましくは、根太パッドは断面略コの字状の形状を有している。かかる根太パッドは、1つの垂直部と2つの水平部とを有しており、垂直部が壁に固定され、下側の水平部上に根太材が載置される。好ましくは、かかる根太パッドも、2つの水平部の間に根太材をはさみ込む。
【0024】
根太パットには、根太材が載置された際にその根太材の上面がくる位置に、予め印を付けることができる。かかる印は、根太パッドを壁の所定位置に固定しようとする際、根太材の上面位置を示し、根太材の正確な位置決めを可能にする。
【0025】
かかる印は、特に制限されることなく種々のものを用いることができるが、簡易なものとしては、線や、切れ込み、切り欠き部、段差等の形状を用いることができる。
【0026】
(2−2)根太パッドの配置
複数の根太パッドを用い、各根太パッドを互いに離間した状態で壁に固定するのが好ましい。各根太パッドの間の空間は、床下空間と室内空間等との間を連通させるようにすれば、床下空間で起こる床衝撃音の共振現象(タイコ現象)を防ぐことができる。
【0027】
(2−3)根太パッドの材質
根太パットのゴム硬度は、デュロメータAで70以下の範囲であるのが好ましい。かかる硬度の根太パッドは、床衝撃音が床仕上げ面から壁に伝わり階下へ伝達するのを防ぐのに有効な防振性能を有する。
【0028】
(3)根太材
壁の際の躯体下地上に配置されている。根太材は、レベル調整可能な支持脚を有しており、この支持脚によって躯体下地上に支えられる。根太材が壁の際に配置される場合を、特に、際根太、又は際根太材と呼ぶ。
【0029】
根太材の材質、形状等は、特に制限なく種々のものを用いることができる。概して、根太材は木製の角材であり、集成材を用いることもある。
【0030】
(3−1)支持脚
根太材に取り付けられており、根太材と躯体下地との間の距離を調節するものである。種々の材質、形状等のものを用いることができる。
【0031】
好ましくは、支持脚は棒状の支持部材と支持部材の一方の端部のゴム部材とからなり、支持部材の他方の端部は根太材に固定される。支持脚のゴム部材は躯体下地に接触し根太材と躯体下地との間を絶縁し、支持部材は根太材と躯体下地との間の距離が調節可能な状態で根太材を躯体下地上に支える。
【0032】
(3−2)支持脚の高さ調節手段
種々の手段を用いることができる。好ましくは、支持部材としてボルトと根太材に固定されたナットとを用いる。
【0033】
(3−3)支持部材及びゴム部材の材質等
支持部材としてのボルト及び高さ調節手段としてのボルト及びナットは、鋼製又は硬質樹脂製が好ましい。また、ゴム部材は防振ゴムを用いることができ、このようなゴム部材のゴム硬度は、ゴムのJIS規格による測定方法に従いデュロメータAで40〜80の範囲である。
【0034】
(3−4)支持脚と躯体下地との接着
好ましくは、支持脚は接着材によって躯体下地に固定する。根太材を躯体下地と固定することにより、より安定した際根太構造となる。重量床衝撃音に対しては、部屋周囲部の床の跳ね上がりがなくなり、支持脚と躯体下地との間での音の発生がなくなる。
【0035】
支持脚がゴム部材を有する場合には、支持脚が躯体下地に接した状態でゴム部材と躯体下地との間に接着剤を流し込み、支持脚と躯体下地とを接着することができる。かかる接着剤としては、根太材に取り付けられるナットとボルト部分に使用する低粘度の接着剤を併用して使用すると、施工性が良く、ゴム部材と躯体下地とが接触している状態でもそれらの間に接着剤が流れ込み接着性も良い。
【0036】
(4)躯体下地
種々の材質等からなり、種々の構造等を有することができる。概して、乾式二重床で用いられることがある床スラブ等のコンクリートの床下地等である。コンクリートからなる躯体下地の不陸は、支持脚のみで調節する根太材の高さに見過ごせない程度のばらつきが生じる場合であっても、根太パッドによって根太材を位置決めする限り問題はなくなる。
【0037】
(5)壁
種々の材質等からなり、種々の構造等を有することができる。躯体壁、躯体壁に室内用の壁を有する二重壁も含まれる。好ましくは、壁は根太材との間に隙間を形成する。かかる隙間は床下の閉鎖空間で起こる共振現象を防ぐことができる。
【0038】
(6)床材
根太材上に支えられるものである。通常の板状等の床材が用いられ、通常のパーティクルボード等の床下地材等や、フローリング材等の床仕上げ材等が含まれる。二重床では、概して、床下地材としてベースパネルが使用され、ベースパネルとしては、20〜30mmの厚さのパーティクルボード、合板、集成材等を用いることができる。
【0039】
床材は、壁に近い際の部分は際根太材によって支えられるが、床材の中央部分は、通常の二重床ゴム脚によって支えることができる。かかる二重床ゴム脚は、特に制限されることなく、種々の形状、材質等のものを用いることができ、床を支える床用支持部材と躯体下地に接するゴム部材とを具える。
【0040】
(7)巾木
床材と壁とが接近する部分、すなわち床の際には、巾木を用いることができる。巾木は、特に制限されることなく、種々の材質、形状等のものを用いることができる。
【0041】
壁周囲に取り付ける巾木は、軟質樹脂のソフト巾木か、木製巾木の場合は、木製巾木の下に5mm程度の軟質樹脂が取り付けてあるものを使用することができる。軟質樹脂が取り付けられてない木製巾木をフローリング等の仕上げ材と接触させて取り付けた場合は、巾木から壁を通して階下に音が伝わり、床衝撃音レベル性能が悪化する。重量床衝撃音に対しては、根太材を躯体下地に接着剤で固定すれば、部屋周囲部の床の跳ね上がりがなくなり、巾木から壁を通して階下に伝わる音が軽減される。
【0042】
(8)床際構造の施工
床際構造は、特に制限されることなく、種々の方法によって施工することができる。好ましくは、床際構造の施工方法は、(i)ゴム製の根太パッドを準備し、根太パッドが根太材を仮固定することができる水平部を有すること、(ii)根太パッドを壁に固定すること、(iii)支持脚を有する根太材を根太パッドの水平部上に載置すること、及び(iv)支持脚を躯体下地に接触させることを含む。
【0043】
根太材を載置することができるゴム製の根太パッドを、壁の墨だしした基準線等のような所定の高さに根太材の上面が合うように、壁の所定位置にビス等で固定し、レベル調整可能な支持脚が一定間隔で取り付けられている根太材を根太パットに載置した後に、根太材の支持脚が躯体下地に接触するまで支持脚を延ばすだけで容易に根太材のレベル出しを行うことができる。
【0044】
根太材は、レベル調整可能な支持脚によって位置決めするのではなく、ゴム製の根太パットを壁の所定の基準線等に合わせて壁に固定し、根太材を根太パッド上に載置することで位置決めされる。根太材は、根太パッド上の載置の時点で、墨だしした基準線と根太材上面を同じ高さ位置にすることができ、支持脚による根太材のレベル調整が不要で、後は支持脚を躯体下地に接触するまで延ばすだけで良い。
【0045】
ゴム製の根太パットの壁への取り付け数は、ゴム支持脚が一定間隔で取り付けられている根太材1本を載置することができる最少限の数でよい。1m程度の長さの根太材1本に対して2つ程度の根太パットを使用することができる。
【0046】
断面略U字状又は断面略コの字状の形状の根太パッド、及び防振ゴム付きの支持脚を用いることにより、乾式二重床の根太材が直接壁と接触せず、根太材のレベル調整が容易に行え、防音性能に優れた床際構造を得ることができる。
【0047】
根太パットにはさみ込むことにより、根太材上面が水平にでき、又壁と直角にもでき、コンクリート等の躯体下地の不陸が激しい場所においても、根太材の傾きがなくなり、根太材とベースパネルや下地合板等の床材を取り付ける際に隙間ができず、床鳴りが発生しない。
【0048】
また、根太材を根太パットにはさみ込み、保持させることにより、根太材にベースパネル等の床材を載せる時に、根太材の倒れる危険がなく、二重床の施工を安全で容易に行うことができる。
【0049】
図面を参照して、本発明をより一層詳細に説明する。
図1(a)は本発明の1例の根太パッドの正面図であり、図1(b)は図1(a)の根太パッドの右側面図である。
【0050】
図2は本発明の他の例の根太パッドを壁に固定するようすを示す斜視図である。図3は図2の根太パッドに根太材を載置した状態の斜視図である。図4は図2の根太材の支持脚を躯体下地に延ばした状態の斜視図である。図5は図2の支持脚のゴム部材と躯体下地とを接着剤によって接着させた状態の斜視図である。図6は図5の根太材の全体の取付け状態を示す斜視図である。
【0051】
図7は本発明の1例の床際構造の縦断面図である。図8は本発明の他の例の床際構造の縦断面図である。
【0052】
本発明の1例の根太パッド1は、図1(a)の正面図及び図1(b)の左側面図に示すように、1つの水平部2と2つの垂直部3,4とを有し、断面略U字状の形状である。
【0053】
垂直部3には、根太パット1を壁にビスによって取り付ける際のビス穴5が設けてある。水平部2の底面2Aの長さは根太材をはさみ込めるように使用するために根太材の幅と同程度の長さとし、垂直部4の長さは垂直部3のビス穴5が右側面から見た時に隠れない程度の長さとする。垂直部3の内面には、ビス穴5の周囲に窪み部6を設け、ビスが根太材と接触しないようにする。
【0054】
水平部2及び各垂直部3,4は、根太材を根太パット1にはさみ込んで仮固定する際に傾かない程度の強度を有し、その強度を発揮する限り、種々の材質、厚さ等とすることができる。
【0055】
垂直部3には、根太材が載置された際に根太材の上面がくる位置に段差7が設けられている。段差7は、壁に根太材の高さ位置を墨だしし、その位置で根太材の高さが同じになるように根太パットを墨だし位置に合わせて取り付ける際に、位置合わせし易いようにする印である。かかる印は、図1(b)に示すように突出部に形成された段差でも、図2に示すような線でもよい。
【0056】
根太パッド1は、図2〜6に示すように使用して、図7及び8に示すような床際構造を施工することができる。
【0057】
図2は、本発明の他の例のゴム製の根太パッド11を壁12に取り付けるようすを示す。根太パッド11は、根太材の表面がくる位置に基準線13が記してある。ゴム製の根太パット11の基準線13を、壁12に墨だしした根太材高さ位置の線14に合わせて、根太パット11にあるビス穴15にビス16を挿入して、根太パッド11を壁12に取り付ける。
【0058】
図3は、際根太材17を図2のように壁12に取り付けた根太パット11に仮固定した状態を示す。際根太材17は、ボルト18付きのゴム支持脚19が一定間隔で取り付けられている。際根太材17は、根太パッド11にはさみ込み、取り付けを行なう。レベル調整孔20にはナットが取り付けられており、ボルト18により高さ調整ができるようになっている。
【0059】
図4は、根太パット11にはめ込んだ際根太材17のゴム支持脚19を躯体下地21に接するまでボルト18を回した状態を示す。ゴム支持脚19を躯体下地21に接するまでボルト18を回すだけで、レベル調整をする必要がなく、躯体下地21のレベルが悪く不陸が大きい場所でも、際根太材17が傾くことなく、壁12と際根太材17の表面とが直角に保たれる。
【0060】
図5は、ゴム支持脚19と躯体下地21との間に接着剤22を流し込み固定させた状態を示す。接着することにより、躯体下地21の不陸が大きい場所においても、より一層際根太材17が安定する。際根太材のナットとボルト18も同じ接着剤を使用し、レベル調整孔20から流し込み固定する。際根太材17を躯体下地21と固定することにより、重量床衝撃音に対して、部屋周囲部の床の跳ね上がりがなくなり、巾木から壁を通して階下に伝わる音が軽減される。
【0061】
図6は、図5と同様に、根太材の施工が完了した状態を広い範囲で示す。際根太材17には、ボルト18付きのゴム支持脚19が一定間隔で設けられており、一本の際根太材17に対し、2つの根太パット11を取り付け、際根太材17を固定する。また、際根太材17の間は床鳴りの発生を防止するため、隙間を開けて施工を行う。
【0062】
図7は、本発明の1例の床際構造の断面図であり、二重床の施工後の壁、際根太材及び床材の納まり状態を示す。床際構造31は、躯体下地32、壁33、壁33の際の躯体下地32上に配置されている根太材34、及び根太材34上のベースパネルであるパーティクルボード35、仕上げ材のフローリング材36を具え、根太材34はレベル調整可能な支持脚37を有している。
【0063】
床際構造31においては、壁33にゴム製の根太パッド38が固定されており、根太材34の根太パッド38上への載置及び支持脚37の躯体下地32への接触によって、根太材34が躯体下地32上で支えられている。根太材34の上には、二重床の床材として、ベースパネルであるパーティクルボード35が根太材34に直接ビスや釘で取り付けられ、その上に仕上げ材のフローリング材36が施工されている。
【0064】
床際構造31は、巾木39を備えることができ、巾木39は、木製巾木材40の下に5mm程度の軟質樹脂41が取り付けてあるものを使用している。なお、図7では、根太パッド38をビス42で壁33に固定し、支持脚37をボルト43とナット44とで延ばし、ゴム部材45を躯体下地32と接触させる。また、パーティクルボード35の床中央部側は、床支持脚46によって支えることができる。床支持脚46は、二重床支持パネル47、剛性ナット48、二重床鋼製ボルト49及び二重床ゴム部材50からなることができる。
【0065】
図8は、本発明の他の例の床際構造41の断面図であり、二重床の施工後の壁、際根太材及び床材の納まり状態を示す。図7とは異なり、根太材34の上側の高さと同じ高さに、ベースパネルであるパーティクルボード42の上側高さを、床支持脚43によって合わせ、下地合板44を根太材34とパーティクルボード42の上に載せて、ビスや釘で取り付けを行なった例である。床支持脚43は、ナット45及びボルト46からなる支持部材47とゴム部材48とを備えることができる。下地合板44の上には、図7と同様に、仕上げ材であるフローリング材36が施工されている。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、ゴム製の根太パッドによる根太材の位置決めにより、根太材と根太材上の床材との間に隙間が生じなくなり、床鳴り等の問題のない安定した床際構造が得られる。
【0067】
また、本発明によれば、根太材を壁に取り付けたゴム製の根太パットにはさみ込むことにより、躯体下地の不陸が悪い箇所においても、根太材の正確な位置決めが行えると共に根太材上面を水平に保つことができ、根太材とその上のベースパネルや下地合板等の床材とを固定する際にそれらの間に隙間ができず、床鳴りの防止が可能になる。
【0068】
特に、本発明によれば、ゴム製の根太パットを使用してレベル調整可能な支持脚付きの根太材を施工することにより、際根太の施工を短時間で行なうことができ、躯体下地の不陸が悪い箇所においても、根太材上面を水平に保つことができることから、施工時の根太材の倒れが防止され、作業の安全性が著しく向上し、また、施工作業者による水平のレベル出しのバラツキが軽減される。
【0069】
また、本発明によれば、根太パッドによって壁と根太材とが直接接しないようにすることで、床衝撃音の根太材から壁への伝達が防止でき、根太パッド及び支持脚のゴム部材により、躯体下地との間の音の伝達も軽減することができる。さらに、支持脚と躯体下地とを接着剤により固定することにより、作業性が極端に犠牲になることもなく、重量床衝撃音に対して著しい改善効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の1例の根太パッドの正面図であり、(b)は(a)の根太パッドの右側面図である。
【図2】本発明の他の例の根太パッドを壁に固定するようすを示す斜視図である。
【図3】図2の根太パッドに根太材を載置した状態の斜視図である。
【図4】図2の根太材の支持脚を躯体下地に延ばした状態の斜視図である。
【図5】図2の支持脚のゴム部材と躯体下地とを接着剤によって接着させた状態の斜視図である。
【図6】図5の根太材の全体の取付け状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の1例の床際構造の縦断面図である。
【図8】本発明の他の例の床際構造の縦断面図である。
【図9】従来の1例の床構造を示す断面図である。
【図10】従来の他の例の床構造を示す断面図である。
【図11】従来の更に他の例の床構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1,11,38 根太パッド
2 水平部
3,4 垂直部
12,33 壁
13 基準線
14 墨だし線
17 際根太材
19 ゴム支持脚
20 レベル調整孔
21,32 躯体下地
22 接着剤
31 床際構造
34 根太材
35 パーティクルボード(ベースパネル)
36 フローリング(仕上げ材)
37 支持脚
39 巾木
101 壁
102 根太材
104 床下地
105 束(木製)
106 二重床下地合板
107 フローリング材
115 軟質樹脂部材
117 ナット付きの根太材
119 レベル調整可能な防振ゴム付き支持ボルト
120 ゴムスポンジ
121 ソリッドゴム
Claims (7)
- 躯体下地、壁、前記壁の際の前記躯体下地上に配置されている根太材、及び前記根太材上の床材を具え、前記根太材がレベル調整可能な支持脚を有している床際構造において、
前記壁にゴム製の根太パッドが固定されており、前記根太材の前記根太パッド上への載置及び前記支持脚の前記躯体下地への接触によって、前記根太材が前記躯体下地上で支えられていることを特徴とする床際構造。 - 複数の前記根太パッドが用いられており、前記各根太パッドが互いに離間した状態で前記壁に固定されている請求項1記載の床際構造。
- 前記支持脚が接着剤によって前記躯体下地に固定されている請求項1又は2記載の床際構造。
- 躯体下地、壁、前記壁の際の前記躯体下地上に配置されている根太材、及び前記根太材上の床材を具え、前記根太材がレベル調整可能な支持脚を有している床際構造に用いる根太パッドであって、
前記根太パッドがゴムからなり、前記根太パッドの前記壁への固定、前記根太材の前記根太パッド上への載置及び前記支持脚の前記躯体下地への接触によって、前記根太材が前記躯体下地上で支えられることを特徴とする根太パッド。 - 前記根太パッドが断面略U字状の形状を有しており、前記根太材が前記根太パッドの内側底面上に載置される請求項4記載の根太パッド。
- 前記根太パッドが70以下のゴム硬度(デュロメータAでの測定値)を有する請求項4又は5記載の根太パッド。
- 躯体下地、壁、前記壁の際の前記躯体下地上に配置されている根太材、及び前記根太材上の床材を具え、前記根太材がレベル調整可能な支持脚を有している床際構造を施工するにあたり、
ゴム製の根太パッドを準備すること、
前記根太パッドを前記壁に固定すること、
前記根太材を前記根太パッド上に載置すること及び
前記支持脚を前記躯体下地に接触させること
を含むことを特徴とする床際構造の施工方法。
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