JP2004170010A - ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃料供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、拡散燃焼方式の場合の高レベルのNOx、予混合燃焼方式の場合の逆火などの燃焼安定性の問題を同時に解決し、低NOxかつ燃焼安定性に優れた燃焼方式を提供することを課題とする。
【解決手段】燃料流と燃焼用空気流路を同軸上に配置し、燃料流を空気流が包み込むような同軸の噴流とするとともに、さらにそれらを多数に分散するように構成した多孔同軸噴流として燃焼室壁面に配置する。このとき、燃料ノズル先端に円形のツバ状部材を設けるなどして、燃料流軸と直行する空気流路を形成するように構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料流と燃焼用空気流路を同軸上に配置し、燃料流を空気流が包み込むような同軸の噴流とするとともに、さらにそれらを多数に分散するように構成した多孔同軸噴流として燃焼室壁面に配置する。このとき、燃料ノズル先端に円形のツバ状部材を設けるなどして、燃料流軸と直行する空気流路を形成するように構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃料供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン燃焼器においては、拡散燃焼方式,予混合燃焼方式がある。拡散燃焼方式は、起動から定格負荷条件までのターンダウン比が大きく広範囲の燃焼安定性を確保するため、燃料を燃焼室に直接噴射する。一方、予混合燃焼方式は、窒素酸化物を低減するための燃焼方式である。しかし、予混合燃焼方式の場合、予混合器内に火炎が入り込んで構造物を焼損する逆火現象が発生するなど特有の不安定な要素を含んでいる。
【0003】
この課題に対して、燃焼室に対向配置された燃料ノズルの燃料孔と空気ノズルの空気孔を同軸上に配置し、燃料と空気を同軸流として燃焼室に供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−263093号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
拡散燃焼方式の場合には、高レベルのNOx,予混合燃焼方式の場合には逆火などの燃焼安定性の問題と起動,部分負荷時の火炎安定化の課題があった。実際の運用においてはこれらの問題を同時に解決することが望ましい。一方、特許文献1記載のガスタービン燃焼器では、燃料と空気を同軸流として該燃焼室に供給しているが、空気流について配慮されていないため、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレの場合に、燃料と空気が偏在することで生じる燃焼性能への影響を考慮していない。
【0006】
本発明の目的は、ガスタービン燃焼器の燃焼安定性を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
燃料供給孔と燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼器であって、前記燃焼空気孔を通過する燃料流が該燃焼空気孔のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備える。
【0008】
【発明の実施の形態】
燃料流を空気流が包み込むような同軸流とすることにより、燃料は燃焼室に流入した後、実際に高温ガスに接触して燃焼を開始する前に周囲の同軸空気流と混合し、適度な混合比の予混合気となったあと燃焼する。このため、希薄予混合燃焼と同等の低NOx燃焼が可能となる。このとき、従来の予混合燃焼器の予混合管に相当する部分が極めて短く、また空気孔内壁面近傍で燃料濃度がほぼゼロとなるため逆火による焼損のポテンシャルも極めて低い。一方、燃料ノズル先端に円形のツバ状部材を設けて、燃料流軸と直行する空気流路を形成するように構成することにより、各空気流路の軸中心へ向かう空気流が形成され、燃料流の軸中心と空気流路中心にズレがある場合にも、その影響を緩和する作用が期待できる。即ち、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレによる燃焼性能への影響を緩和することができる。
【0009】
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例を図面により説明する。本実施形態によるガスタービン燃焼器の全体断面図を表す図を図1に示す。図1において、このガスタービン燃焼器は、主に燃焼用の空気を圧縮する圧縮機10と燃焼ガスによりタービン軸を駆動するタービン18と燃焼器とで構成される。
【0010】
圧縮機10は、外部から供給された空気を圧縮し、その圧縮された空気を燃焼器に送る。
【0011】
タービン18は、燃焼器から発生する高温燃焼ガスを使ってタービン軸を回転駆動し、電力を起こす。
【0012】
燃焼器は、主に燃料,空気を供給する部位と燃焼器ライナ3,外筒2とを備えている。燃焼器の外筒2内には図示のように燃料54を燃焼器ライナ3の中の燃焼室1に送る燃料ヘッダー60があり、燃料は燃料ヘッダー60から突き出た燃料ノズル55より供給される。また、燃料ノズル55前方にはそれぞれのノズルに対応して燃焼空気孔52が同軸上に設けられている。
【0013】
圧縮機10から送られる空気50は、外筒2と燃焼器ライナ3の間を通り、一部は燃焼器ライナ3の冷却空気31として燃焼室1へ、また残りは同軸空気51として燃焼空気孔52を通り燃焼室1へ供給される。燃料ノズル55は、燃焼空気孔52とほぼ同軸となるように配置されており、燃料54は燃料ヘッダー60で圧力回復・整流した後、多数の燃料ノズル55から供給され、燃焼空気とともに同軸流として燃焼室1に流入・混合し均質で安定な火炎を形成する。発生した高温燃焼ガスはタービン18へ入り仕事をして排気される。
【0014】
図2にノズル部の詳細を示す。燃焼空気孔52は燃料ノズル55から供給された燃料と燃焼用空気が同軸流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が燃焼空気孔52の端面から噴出する。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、燃料の偏在もなく逆火の防止が可能となる。本実施例では、燃料ノズル55の内径より大径の燃焼空気孔52が設けられている。つまり、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が燃焼空気孔52の端面から噴出するので、短い予混合距離で燃料と空気が充分に混合し、低NOx化を図るとともに、逆火も抑制できる。但し、燃料ノズル55の内径が燃焼空気孔52の内径より大きくても燃料流を空気環状流で包んだような同軸流が形成できれば、逆火防止につながる。
【0015】
また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として噴出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0016】
さらに、本実施例のガスタービン燃焼器は、燃料ノズル55の燃料供給孔と、その下流側で所望の間隙を介し、燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔52とを備え、燃料ノズル55からの燃料を燃焼空気孔52を介して燃焼室に供給するものであって、燃焼空気孔52を通過する燃料流が燃焼空気孔52のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備えている。このような構成により、低NOx化を図りつつ、且つ燃焼の安定化が図れる。
【0017】
本実施例では、燃焼空気孔52を通過する燃料流が燃焼空気孔52のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を形成する一例として、燃料ノズル55の先端に環状のツバ状部材56を設けている。このツバ状部材56は燃焼空気孔52があけられている壁53の内面と平行になるように設置されている。但し、次の効果が得られる範囲で若干傾いていても良いが、このツバ状部材56の最外周部は燃焼空気孔52より外側に形成される。燃料流がほぼ中心に位置するために足る中心方向空気流速を得ることが可能で、燃料流に対し直行する空気流であるクロスフローが生じる。そして、クロスフローにより燃料流が別の燃焼空気孔52に流されないよう構成している。このことより、燃料流軸とほぼ直行する空気流路を形成することで図3(a)に示すように各空気流路の軸中心へ向かう空気流が起きる。このように、燃料ノズル55の先端に環状のツバ状部材56を設けることで、簡易な構造で、低NOx化を図りつつ、且つ燃焼の安定化が図れる。
【0018】
以上のような構成とすることで、図3(b)に示すような組み立て公差や製作公差による燃料流の軸中心と空気流路中心軸にズレが生じた場合にも、この軸中心へ向かう空気流により、芯ズレの影響が緩和され燃料と空気の同軸性が保たれる作用が期待できる。このように構成する場合には、燃焼空気孔壁53の内面とツバ状部材56との距離は必要に応じてクロスフローにより燃料流が別の燃焼空気孔52に流されない程度に適正化することが望ましい。また、燃料流と空気流においては流速の大小関係による違いが考えられるが、いずれの場合でも所望の効果が得られるものと期待できる。
【0019】
(第2の実施例)
図4(a),(b)に第2の実施例のノズル先端部詳細を示す。本実施例では、燃料ノズル55先端のツバ状部材56の前面に半径方向に伸びるガイドベーン57を設置した例である。この例の場合には、中心に向かう空気流の流れをガイドベーン57により積極的に燃料孔中心に向けることができ、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果が期待できる。また、ガイドベーン57の高さ寸法を管理して、ガイドベーン57先端を燃焼空気孔壁53の内面に密着させるようにすることにより燃料孔と燃焼空気孔間の流入軸方向の寸法管理をするように構成することもできる。ガイドベーン57を燃焼空気孔壁53の内面に設置することも考えられる。この場合も同様の効果が期待できるが、空気の向かう方向が空気孔の中心であって、必ずしも燃料孔の中心とはならないため緩和効果はやや小さいものと考えられる。
【0020】
本実施例によると、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果が期待でき、低NOx化を図りつつ、且つ更なる燃焼の安定化が図れる。
【0021】
(第3の実施例)
図5(a),(b)に第3の実施例を示す。本実施例では図4(a),(b)に示した第2の実施例のガイドベーン57を周方向に傾斜させて中心に向かう空気流に旋回成分を持たせるように構成したものである。このような構成とすることで、第2の実施例で説明した効果の他、傾斜したガイドベーンにより発生する旋回流による燃料と空気の混合促進効果も期待でき、より一層短い距離での十分な混合が可能となる。
【0022】
本実施例によると、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果や更なる逆火抑制効果が期待でき、低NOx化を図りつつ、且つ更なる燃焼の安定化が図れる。
【0023】
(第4の実施例)
図6,図7に第4の実施例を示す。図6(a)において、燃焼空気孔52は燃料ノズル55から供給された燃料と燃焼用空気が同軸噴流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸噴流が燃焼空気孔52の端面から供給される。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、燃料の偏在もなく逆火も抑制できる。また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として流出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0024】
ここで、本実施例では燃料ノズル先端にツバ状部材を設置するのではなく、燃料ノズル55自体を厚肉の管状部材として構成したものである。燃料ノズル55の内径は、燃焼空気孔52より小さく、燃料ノズル55の最外周部は燃焼空気孔52より外周側に形成される。図7(a)に示すように燃料ノズル55の先端面と燃焼空気孔壁53の内面とで燃料孔中心へ向かう空気流を形成する点では第1の実施例と同じで、図7(b)に示すとおり組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対する緩和作用が期待できる。
【0025】
一方、第1の実施例に比べて、燃料ノズル55の機械的な強度が増してノズル周りの信頼性が向上すると考えられる。しかし隣接する燃料ノズル55間の空間が狭くなってしまうため、図6(b)において多数ある燃焼空気孔52のうち燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔52Aへの空気流路が狭くなる傾向にあり各燃焼空気孔52を通過する燃焼空気量のバランスを考慮することが望ましい。
【0026】
(第5の実施例)
図8,図9に第5の実施例を示す。図8(a)において、燃焼空気孔52は燃料ノズルに代わる燃料孔55aから供給された燃料と燃焼用空気が同軸流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が空気孔52の端面から供給される。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、攪拌効果が増加する。また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として流出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合促進が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0027】
さらに、本実施例では燃料ノズルを個別に突き出すのではなく、燃料ヘッダー60に燃料孔を明けた形の燃料ノズルとし、空気孔側の壁面に空気ガイド58を設置したものである。図9(a)に示すように燃料孔55aの端面と燃焼空気ガイド58の端面で燃料孔中心へ向かう空気流を形成する点では第1の実施例と同じで、図9(b)に示すとおり組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対する緩和作用が期待できる。一方、隣接する空気ガイド間の空間が狭くなりがちで、図8(b)のように多数ある燃焼空気孔52のうち燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔52Aへの空気流路が狭くなる傾向にあり各燃焼空気孔52を通過する燃焼空気量のバランスに注意する必要がある。これらの実施例では、燃料を空気流が包み込むような多数の同軸流としている。そして、燃料が燃焼室に流入した後、実際に高温ガスに接触して燃焼を開始する前に周囲の同軸空気流と混合し、適度な混合比の予混合気となったあと燃焼する。燃料ヘッダーと燃焼空気孔壁内面との空間が大きい場合には、燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔では燃料流路が空気流路にもなっているため、外周側の燃料流に対して直行する空気流が生じる。この空気流が生じることで極端な場合には燃料流が別の空気孔に流れる可能性もある。本発明では燃料流が別の燃焼空気孔52に流れることを最小限に抑えることができる。したがって、希薄予混合燃焼と同等の低NOx燃焼が可能となる。
【0028】
本実施例では、従来の予混合燃焼器の予混合管に相当する予混合流路の部分が極めて短く、また壁面近傍で燃料濃度がほぼゼロとなるため逆火による焼損のポテンシャルも極めて低い信頼性の高い燃焼器を提供できる。また、燃料ノズル先端に環状のツバ状部材を設けるなどして、燃料流とほぼ直行する空気流路を形成することにより、各空気流路の軸中心へ向かう空気流が生じ、燃料流の軸中心と空気流路中心にズレがある場合にも、芯ズレの影響を緩和する作用が期待できる。即ち、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレの影響を緩和することができ、したがって燃焼安定性を向上させることもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービン燃焼器の燃焼安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全体断面図を含む説明図。
【図2】本発明の第1の実施例のノズル部詳細説明図。
【図3】本発明の第1の実施例の作用説明図。
【図4】本発明の第2の実施例のノズル部詳細説明図。
【図5】本発明の第3の実施例のノズル部詳細説明図。
【図6】本発明の第4の実施例のノズル部詳細説明図。
【図7】本発明の第4の実施例の作用説明図。
【図8】本発明の第5の実施例のノズル部詳細説明図。
【図9】本発明の第5の実施例の作用説明図。
【符号の説明】
2…燃焼器外筒、3…燃焼器ライナー、52…燃焼空気孔、55…燃料ノズル、56…ツバ状部材、57…ガイドベーン、58…空気ガイド、60…燃料ヘッダー。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービン燃焼器及びガスタービン燃焼器の燃料供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン燃焼器においては、拡散燃焼方式,予混合燃焼方式がある。拡散燃焼方式は、起動から定格負荷条件までのターンダウン比が大きく広範囲の燃焼安定性を確保するため、燃料を燃焼室に直接噴射する。一方、予混合燃焼方式は、窒素酸化物を低減するための燃焼方式である。しかし、予混合燃焼方式の場合、予混合器内に火炎が入り込んで構造物を焼損する逆火現象が発生するなど特有の不安定な要素を含んでいる。
【0003】
この課題に対して、燃焼室に対向配置された燃料ノズルの燃料孔と空気ノズルの空気孔を同軸上に配置し、燃料と空気を同軸流として燃焼室に供給することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−263093号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
拡散燃焼方式の場合には、高レベルのNOx,予混合燃焼方式の場合には逆火などの燃焼安定性の問題と起動,部分負荷時の火炎安定化の課題があった。実際の運用においてはこれらの問題を同時に解決することが望ましい。一方、特許文献1記載のガスタービン燃焼器では、燃料と空気を同軸流として該燃焼室に供給しているが、空気流について配慮されていないため、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレの場合に、燃料と空気が偏在することで生じる燃焼性能への影響を考慮していない。
【0006】
本発明の目的は、ガスタービン燃焼器の燃焼安定性を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
燃料供給孔と燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼器であって、前記燃焼空気孔を通過する燃料流が該燃焼空気孔のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備える。
【0008】
【発明の実施の形態】
燃料流を空気流が包み込むような同軸流とすることにより、燃料は燃焼室に流入した後、実際に高温ガスに接触して燃焼を開始する前に周囲の同軸空気流と混合し、適度な混合比の予混合気となったあと燃焼する。このため、希薄予混合燃焼と同等の低NOx燃焼が可能となる。このとき、従来の予混合燃焼器の予混合管に相当する部分が極めて短く、また空気孔内壁面近傍で燃料濃度がほぼゼロとなるため逆火による焼損のポテンシャルも極めて低い。一方、燃料ノズル先端に円形のツバ状部材を設けて、燃料流軸と直行する空気流路を形成するように構成することにより、各空気流路の軸中心へ向かう空気流が形成され、燃料流の軸中心と空気流路中心にズレがある場合にも、その影響を緩和する作用が期待できる。即ち、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレによる燃焼性能への影響を緩和することができる。
【0009】
(第1の実施例)
以下、本発明の第1の実施例を図面により説明する。本実施形態によるガスタービン燃焼器の全体断面図を表す図を図1に示す。図1において、このガスタービン燃焼器は、主に燃焼用の空気を圧縮する圧縮機10と燃焼ガスによりタービン軸を駆動するタービン18と燃焼器とで構成される。
【0010】
圧縮機10は、外部から供給された空気を圧縮し、その圧縮された空気を燃焼器に送る。
【0011】
タービン18は、燃焼器から発生する高温燃焼ガスを使ってタービン軸を回転駆動し、電力を起こす。
【0012】
燃焼器は、主に燃料,空気を供給する部位と燃焼器ライナ3,外筒2とを備えている。燃焼器の外筒2内には図示のように燃料54を燃焼器ライナ3の中の燃焼室1に送る燃料ヘッダー60があり、燃料は燃料ヘッダー60から突き出た燃料ノズル55より供給される。また、燃料ノズル55前方にはそれぞれのノズルに対応して燃焼空気孔52が同軸上に設けられている。
【0013】
圧縮機10から送られる空気50は、外筒2と燃焼器ライナ3の間を通り、一部は燃焼器ライナ3の冷却空気31として燃焼室1へ、また残りは同軸空気51として燃焼空気孔52を通り燃焼室1へ供給される。燃料ノズル55は、燃焼空気孔52とほぼ同軸となるように配置されており、燃料54は燃料ヘッダー60で圧力回復・整流した後、多数の燃料ノズル55から供給され、燃焼空気とともに同軸流として燃焼室1に流入・混合し均質で安定な火炎を形成する。発生した高温燃焼ガスはタービン18へ入り仕事をして排気される。
【0014】
図2にノズル部の詳細を示す。燃焼空気孔52は燃料ノズル55から供給された燃料と燃焼用空気が同軸流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が燃焼空気孔52の端面から噴出する。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、燃料の偏在もなく逆火の防止が可能となる。本実施例では、燃料ノズル55の内径より大径の燃焼空気孔52が設けられている。つまり、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が燃焼空気孔52の端面から噴出するので、短い予混合距離で燃料と空気が充分に混合し、低NOx化を図るとともに、逆火も抑制できる。但し、燃料ノズル55の内径が燃焼空気孔52の内径より大きくても燃料流を空気環状流で包んだような同軸流が形成できれば、逆火防止につながる。
【0015】
また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として噴出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0016】
さらに、本実施例のガスタービン燃焼器は、燃料ノズル55の燃料供給孔と、その下流側で所望の間隙を介し、燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔52とを備え、燃料ノズル55からの燃料を燃焼空気孔52を介して燃焼室に供給するものであって、燃焼空気孔52を通過する燃料流が燃焼空気孔52のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備えている。このような構成により、低NOx化を図りつつ、且つ燃焼の安定化が図れる。
【0017】
本実施例では、燃焼空気孔52を通過する燃料流が燃焼空気孔52のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を形成する一例として、燃料ノズル55の先端に環状のツバ状部材56を設けている。このツバ状部材56は燃焼空気孔52があけられている壁53の内面と平行になるように設置されている。但し、次の効果が得られる範囲で若干傾いていても良いが、このツバ状部材56の最外周部は燃焼空気孔52より外側に形成される。燃料流がほぼ中心に位置するために足る中心方向空気流速を得ることが可能で、燃料流に対し直行する空気流であるクロスフローが生じる。そして、クロスフローにより燃料流が別の燃焼空気孔52に流されないよう構成している。このことより、燃料流軸とほぼ直行する空気流路を形成することで図3(a)に示すように各空気流路の軸中心へ向かう空気流が起きる。このように、燃料ノズル55の先端に環状のツバ状部材56を設けることで、簡易な構造で、低NOx化を図りつつ、且つ燃焼の安定化が図れる。
【0018】
以上のような構成とすることで、図3(b)に示すような組み立て公差や製作公差による燃料流の軸中心と空気流路中心軸にズレが生じた場合にも、この軸中心へ向かう空気流により、芯ズレの影響が緩和され燃料と空気の同軸性が保たれる作用が期待できる。このように構成する場合には、燃焼空気孔壁53の内面とツバ状部材56との距離は必要に応じてクロスフローにより燃料流が別の燃焼空気孔52に流されない程度に適正化することが望ましい。また、燃料流と空気流においては流速の大小関係による違いが考えられるが、いずれの場合でも所望の効果が得られるものと期待できる。
【0019】
(第2の実施例)
図4(a),(b)に第2の実施例のノズル先端部詳細を示す。本実施例では、燃料ノズル55先端のツバ状部材56の前面に半径方向に伸びるガイドベーン57を設置した例である。この例の場合には、中心に向かう空気流の流れをガイドベーン57により積極的に燃料孔中心に向けることができ、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果が期待できる。また、ガイドベーン57の高さ寸法を管理して、ガイドベーン57先端を燃焼空気孔壁53の内面に密着させるようにすることにより燃料孔と燃焼空気孔間の流入軸方向の寸法管理をするように構成することもできる。ガイドベーン57を燃焼空気孔壁53の内面に設置することも考えられる。この場合も同様の効果が期待できるが、空気の向かう方向が空気孔の中心であって、必ずしも燃料孔の中心とはならないため緩和効果はやや小さいものと考えられる。
【0020】
本実施例によると、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果が期待でき、低NOx化を図りつつ、且つ更なる燃焼の安定化が図れる。
【0021】
(第3の実施例)
図5(a),(b)に第3の実施例を示す。本実施例では図4(a),(b)に示した第2の実施例のガイドベーン57を周方向に傾斜させて中心に向かう空気流に旋回成分を持たせるように構成したものである。このような構成とすることで、第2の実施例で説明した効果の他、傾斜したガイドベーンにより発生する旋回流による燃料と空気の混合促進効果も期待でき、より一層短い距離での十分な混合が可能となる。
【0022】
本実施例によると、組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対していっそうの緩和効果や更なる逆火抑制効果が期待でき、低NOx化を図りつつ、且つ更なる燃焼の安定化が図れる。
【0023】
(第4の実施例)
図6,図7に第4の実施例を示す。図6(a)において、燃焼空気孔52は燃料ノズル55から供給された燃料と燃焼用空気が同軸噴流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸噴流が燃焼空気孔52の端面から供給される。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、燃料の偏在もなく逆火も抑制できる。また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として流出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0024】
ここで、本実施例では燃料ノズル先端にツバ状部材を設置するのではなく、燃料ノズル55自体を厚肉の管状部材として構成したものである。燃料ノズル55の内径は、燃焼空気孔52より小さく、燃料ノズル55の最外周部は燃焼空気孔52より外周側に形成される。図7(a)に示すように燃料ノズル55の先端面と燃焼空気孔壁53の内面とで燃料孔中心へ向かう空気流を形成する点では第1の実施例と同じで、図7(b)に示すとおり組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対する緩和作用が期待できる。
【0025】
一方、第1の実施例に比べて、燃料ノズル55の機械的な強度が増してノズル周りの信頼性が向上すると考えられる。しかし隣接する燃料ノズル55間の空間が狭くなってしまうため、図6(b)において多数ある燃焼空気孔52のうち燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔52Aへの空気流路が狭くなる傾向にあり各燃焼空気孔52を通過する燃焼空気量のバランスを考慮することが望ましい。
【0026】
(第5の実施例)
図8,図9に第5の実施例を示す。図8(a)において、燃焼空気孔52は燃料ノズルに代わる燃料孔55aから供給された燃料と燃焼用空気が同軸流を形成するように配置されており、燃料流を空気環状流で包んだような多数の同軸流が空気孔52の端面から供給される。燃料と空気が多数の小径の同軸流として構成されており、これらの燃料と空気は比較的短距離で十分に混合し、攪拌効果が増加する。また、本実施例の構成では燃料が燃焼空気孔壁53の内面から流出するまでに一部混合が進むとともに、同軸流として流出した部分での急拡大に伴う撹拌効果により、一層短い距離での燃料と空気の混合促進が期待できる。さらに、空気孔の流路長さを調節することにより、ほとんど流路内で混合しない状態からほぼ完全予混合の状態にまで設定することも可能である。
【0027】
さらに、本実施例では燃料ノズルを個別に突き出すのではなく、燃料ヘッダー60に燃料孔を明けた形の燃料ノズルとし、空気孔側の壁面に空気ガイド58を設置したものである。図9(a)に示すように燃料孔55aの端面と燃焼空気ガイド58の端面で燃料孔中心へ向かう空気流を形成する点では第1の実施例と同じで、図9(b)に示すとおり組み立て公差や製作公差のために生じた芯ズレに対する緩和作用が期待できる。一方、隣接する空気ガイド間の空間が狭くなりがちで、図8(b)のように多数ある燃焼空気孔52のうち燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔52Aへの空気流路が狭くなる傾向にあり各燃焼空気孔52を通過する燃焼空気量のバランスに注意する必要がある。これらの実施例では、燃料を空気流が包み込むような多数の同軸流としている。そして、燃料が燃焼室に流入した後、実際に高温ガスに接触して燃焼を開始する前に周囲の同軸空気流と混合し、適度な混合比の予混合気となったあと燃焼する。燃料ヘッダーと燃焼空気孔壁内面との空間が大きい場合には、燃焼器軸中心に近い側の燃焼空気孔では燃料流路が空気流路にもなっているため、外周側の燃料流に対して直行する空気流が生じる。この空気流が生じることで極端な場合には燃料流が別の空気孔に流れる可能性もある。本発明では燃料流が別の燃焼空気孔52に流れることを最小限に抑えることができる。したがって、希薄予混合燃焼と同等の低NOx燃焼が可能となる。
【0028】
本実施例では、従来の予混合燃焼器の予混合管に相当する予混合流路の部分が極めて短く、また壁面近傍で燃料濃度がほぼゼロとなるため逆火による焼損のポテンシャルも極めて低い信頼性の高い燃焼器を提供できる。また、燃料ノズル先端に環状のツバ状部材を設けるなどして、燃料流とほぼ直行する空気流路を形成することにより、各空気流路の軸中心へ向かう空気流が生じ、燃料流の軸中心と空気流路中心にズレがある場合にも、芯ズレの影響を緩和する作用が期待できる。即ち、燃料ノズルの製作過程で発生する製作公差や燃焼器の組み立て段階で発生する組み立て公差などによる各同軸流の芯ズレの影響を緩和することができ、したがって燃焼安定性を向上させることもできる。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ガスタービン燃焼器の燃焼安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の全体断面図を含む説明図。
【図2】本発明の第1の実施例のノズル部詳細説明図。
【図3】本発明の第1の実施例の作用説明図。
【図4】本発明の第2の実施例のノズル部詳細説明図。
【図5】本発明の第3の実施例のノズル部詳細説明図。
【図6】本発明の第4の実施例のノズル部詳細説明図。
【図7】本発明の第4の実施例の作用説明図。
【図8】本発明の第5の実施例のノズル部詳細説明図。
【図9】本発明の第5の実施例の作用説明図。
【符号の説明】
2…燃焼器外筒、3…燃焼器ライナー、52…燃焼空気孔、55…燃料ノズル、56…ツバ状部材、57…ガイドベーン、58…空気ガイド、60…燃料ヘッダー。
Claims (6)
- 燃料ノズルの燃料供給孔と、該燃料ノズルの下流側で所望の間隙を介し、前記燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼器であって、
前記燃焼空気孔を通過する燃料流が該燃焼空気孔のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備えたガスタービン燃焼器。 - 燃料ノズルの燃料供給孔と、該燃料ノズルの下流側で所望の間隙を介し、前記燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼器であって、
前記燃料ノズルの先端面と、
前記燃焼空気孔を形成した部材の該燃料ノズル側の壁面とにより空気流路を形成し、
該空気流路から供給される空気を前記燃焼空気孔に供給するよう配置し、
前記燃焼空気孔を通過する燃料流がほぼ軸中心に位置するよう配置したガスタービン燃焼器。 - 請求項2記載のガスタービン燃焼器において、前記燃料ノズル先端に円形のツバ状部材を、前記燃焼空気孔が存在する壁面とほぼ平行に備えたガスタービン燃焼器。
- 請求項2記載のガスタービン燃焼器において、前記燃料ノズルを肉厚の部材で形成し、前記燃料ノズルの先端面と前記燃焼空気孔が存在する壁面とで各空気流路の軸中心へ向かう空気流を形成するようにしたことを特徴とするガスタービン燃焼器。
- 燃料ノズルの燃料供給孔と、該燃料ノズルの下流側で所望の間隙を介し、前記燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼器の燃料供給方法であって、
前記燃焼空気孔を通過する燃料流が該燃焼空気孔のほぼ軸中心に位置するように、該燃焼空気孔で該燃料流に沿って、その外周側に空気を供給することを特徴とする燃料供給方法。 - 燃料ノズルの燃料供給孔と、該燃料ノズルの下流側で所望の間隙を介し、前記燃料供給孔とほぼ同軸に配置された燃焼空気孔とを備え、該燃料ノズルからの燃料を該燃焼空気孔を介して燃焼室に供給するガスタービン燃焼用ノズルであって、
前記燃焼空気孔を通過する燃料流が該燃焼空気孔のほぼ軸中心に位置するために足る軸中心方向の空気流速を得ることが可能な空気流路を備えたガスタービン燃焼用ノズル。
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